歯の手入れ用器具
本発明は、歯のための組合せ手入れ用器具に関する。手入れ用器具(1)は、第1端部(7a)及び第2端部(7b)を備えた枢動アーム(7)と、ハンドルユニット(2)を有し、第1端部(7a)及び第2端部(7b)に、歯ブラシヘッド(8)及び使い捨て可能なデンタルフロスヘッド(9)が分離可能に取付けられる。アーム(7)は、第1位置と第2位置との間を枢動でき、第1位置では、アーム(7)のうちの歯ブラシヘッドを備えた部分がハンドルユニット(2)に対して離れる方向に延び、手入れ用器具(1)を歯ブラシとして使用でき、デンタルフロスヘッド(9)を備えた残余の部分がハンドルユニット(2)内のキャビティ(6)内に隠される。第2位置では、歯ブラシヘッド(8)とデンタルフロスヘッド(9)の位置が切り替わり、手入れ用器具(1)をデンタルフロスとして使用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯の手入れ用器具に関し、より詳しくは、歯ブラシヘッド及びデンタルフロスヘッド等(但しこれらに限定されない)の2種類以上の歯科手入れ用アタッチメントを収容する歯のための組合せ手入れ用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
この分野では多くの歯の手入れ用器具が知られており、最も一般的なものは歯ブラシである。歯ブラシは、多くの異なる設計及び形状のものが提供されている。毎日使用する他の一般的な歯の手入れ用器具として、通常入手でき且つリールに巻かれたデンタルフロスがある。使い捨て型のデンタルフロスブラケットも入手でき、これらはY型ブラケットを有し、ブラケットの自由端の間にぴんと張られた一定長さのデンタルフロスを備えている。近年では、他の多くの歯の手入れ用器具が設計されかつマーケットで入手できる。多くのユーザにとって、種々の歯の手入れ用器具を別々に使用しかつ維持することは面倒でありかつ不便であった。歯ブラシヘッドと、デンタルフロスのリールを保管しておく内部隔室を備えたハンドルとを有する組合せ歯ブラシも知られている。しかしながら、必ずしも全てのユーザがリール型デンタルフロスを好むものではない。したがって、この分野では、歯のための改善された組合せ手入れ用器具が依然として要望されている。
【0003】
用語「有する、備えた(comprise)」とは、変化する権限の下で、排他的意味又は包括的意味を有するものであると認められる。本明細書の目的から、及び明示的でない限り、用語「有する、備えた」は包括的意味を有し、直接関連する列挙したコンポーネンツだけでなく、特定しない他のコンポーネンツをも含むことを意味する。したがって、用語「有する、備えた」は、任意の所与の権限内でできる限り広く解釈すべきであり、この理論的根拠は、用語「有していた、備えていた(comprised)」及び/又は「有している、備えている(comprising)」が使用される場合にも適用すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の目的は、従来技術の欠点を軽減できる歯のための組合せ手入れ器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、ハンドルユニットを有し、ハンドルユニットは、握り可能なベース部分と、それから延びるシャフト部分とを有し、シャフト部分は、前記握り可能なベース部分から遠い方に自由端を有し、更に、第1端部と第2端部を有するアームを有し、アームは、第1端部及び第2端部の各々に取付けられた歯の手入れ用アタッチメントを有し、ハンドルユニットのシャフト部分に対する第1位置と第2位置の間で移動できるように、シャフト部分の自由端に隣接した位置でハンドルユニットに枢動可能に連結され、第1位置において、アームのうちの歯の第1の手入れ用アタッチメントを含む部分が、歯の第1の手入れ用アタッチメントを使用できるように、ハンドルユニットのシャフト部分に対して離れる方向に延び、アームのうちの歯の第2の手入れ用アタッチメントを含む残りの部分が、ハンドルユニットのシャフト部分に隣接して配置され、第2位置において、アームのうちの歯の第2の手入れ用アタッチメントを含む部分が、歯の第2の手入れ用アタッチメントを使用できるように、ハンドルユニットのシャフト部分に対して離れる方向に延び、アームのうちの歯の第1の手入れ用アタッチメントを含む残りの部分が、ハンドルユニットのシャフト部分に隣接して配置される、歯の手入れ用器具を提供する。
【0006】
好ましい変形例では、アームは、その第1端部と第2端部の中間位置において、ハンドルユニットに枢動可能に連結され、アームは、その第1端部と第2端部との中間位置で、枢動可能にハンドルユニットに連結され、アームは第1位置と第2位置との間で容易に枢動可能である。
【0007】
好ましくは、アームは、ハンドルユニットに分離可能に連結される。
【0008】
1つの実施形態では、アームは、アーム及びハンドルユニットに設けられた相互係合可能な固定手段を介してハンドルユニットに連結され、相互係合可能な固定手段は、限定するわけではないが、例えば、ピン又はスクリュウ構造、弾性変形可能なスナップ式に嵌合及び分離可能な継手(カップリング)である。
【0009】
1つの実施形態では、ハンドルユニットは、アームのうちのバンドルユニットに隣接して配置された部分を、それに取付けられた歯の手入れ用アタッチメントをと一緒に収容するキャビティを有し、アームのうちの上記部分は、ハンドルの外面に対して凹み、それにより、他方の歯の手入れ用アタッチメントの使用の準備が整っているとき、使用されない歯の手入れ用アタッチメントを隠す。このように隠される歯の手入れ用アタッチメントは、アームの他端の他の歯の手入れ用アタッチメントの機能を妨げることがないので、この構造は、他のアタッチメントが使用されるときに、使用されない歯の手入れ用アタッチメントを取外す必要がない。かくして、日常使用するときに、2つの歯の手入れ用アタッチメントを常時アームに取付けた状態に維持しておくことができ、ユーザは、摩耗したアタッチメントを必要に応じて交換する場合を除き、使用のたびにアタッチメントを取外したり再び取付けたりする必要はない。
【0010】
1つの実施形態では、ハンドルユニットのシャフト部分は、フォーク状の1対の突起部分を有し、各突起部分は自由端を有し、キャビティは、1対の突起部分の互いに対向する1対の内面の間のスペースとして定められる。好ましくは、アームは、1対の突起部分の自由端の間に枢動可能に取付けられ、第1位置及び第2位置において、アームのうちの使用されない歯の手入れ用アタッチメントを含む一方の部分が、1対の突起部分の間のスペース内に収容され、アームのうちの歯の手入れ用アタッチメントを有する他方の部分が、1対の突起部分の自由端から離れる方向に延び、使用の準備が整えられる。
【0011】
1つの変形例では、アームと1対の突起部分との間の固定手段は、軸を有し、アームは、上記軸を中心に枢動することができる。軸は、1対の突起部分及びアームの各々を貫通するように形成された適当なサイズ及び形状の孔に挿入されるのが便利である。適当な軸の例は、スクリュウ、ピン又はロッドの任意の1つを含むが、これらに限定されない。
【0012】
他の変形例では、固定手段は、アームの互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対のピンを有し、1対のピンは、1対の突起部分に形成され前記1対のピンに対応する貫通ボアと係合可能である。選択的には、ピンはアームと一体に形成され、かくして、出っ張り部材をアームの互いに反対側に位置する外面に形成する。好ましくは、スロットが、貫通孔の内部と1対の突起部分の外面との間に且つ貫通孔に対して横断方向に形成され、それにより、1対の弾性変形可能なフラップを定め、アームのピンが、スロットを通って貫通孔に横方向に出し入れできる。好ましくは、各ピンの自由端の上に配置するためのキャップが設けられ、ピンをそれに対応する突起部分と固着させる。
【0013】
更に別の変形例では、固定手段は、アームの互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対の出っ張り部材を有する。選択的には、出っ張り部材はアームと一体に形成される。好ましくは、U字形チャネルが各突起部分の自由端にを形成される。1対の出っ張り部材は、U字形チャネルの開口を通ってU字形チャネルのベースに着座する。各突起部分の互いに対向する内面の各々に、テーパ部材が形成され、テーパ部材は、突起部分の互いに対向する内面の間の距離が各突起部分の自由端から握り可能なベース部分に向かって減少するように、各突起部分の自由端から握り可能なベース部分に向かって延びる。この構成では、アーム及びテーパ部材は、アーム及び突起部分が正しく整列しないならば出っ張り部材がU字形チャネルのベースに正しく着座することができないような、補完的形状を有するのが便利である。この構成では、アームと突起部分が正しく整列しているとき、テーパ部材は、アームの一部と弾性的に係合し、それにより、アームをハンドルユニットに対して適所にロックする。
【0014】
更に別の変形例では、固定手段は、アームの互いに反対側に位置する外面の各々に設けられたキー部材を有する。スロットが、各突起部分の自由端に形成された座部に回転可能に取付けられた回転レシーバに形成され、各キー部材は、それに対応するスロットと係合可能である。回転レシーバの座部と突起部分の外面との間を延びる第2のスロットが形成され、回転レシーバのスロットを突起部分の第2のスロットと整列させたとき、キー部材を第2スロットに通過させることによって、キー部材を回転レシーバのスロットに係合させることができる。理想的には、キー部材を、互いに整列した突起部分の第2のスロットと回転レシーバのスロットに係合させるとき、アームが前記ハンドルユニットに対して、第1位置と第2位置の中間の第3位置に位置決めされる向きで、キー部材がアームの上に位置する。アームを第3位置から第1位置に向かって又は第2位置に向かって回転させるとき、回転レシーバのスロットが突起部分の第2のスロットと整列せず、それにより、アームを突起部分に対して、アームの中間位置以外の任意の位置で突起部分に係合した状態で固着させる。
【0015】
最も好ましい実施形態では、ハンドルユニットは、アームをハンドルユニットに対する第1位置又は第2位置に分離可能にロックするように構成されたロック手段を有する。
【0016】
1つの実施形態では、ロック手段は、アームのうちのハンドルユニットに隣接して位置する部分を分離可能に固定するように構成されたキャッチ構造を有する。
【0017】
1つの変形例では、キャッチ構造は、スナップ式の嵌合及び分離機構を有し、スナップ式の嵌合及び分離機構は、突起部分の互いに対向する内面の各々に形成された弾性変形可能な部材を有し、アームをキャビティに入れるとき、2つの弾性変形可能な部材が変形し且つアームに弾性的に係合し、アームをハンドルユニットにロックする。
【0018】
他の変形例では、キャッチ構造は、アームをハンドルユニットに取付ける箇所に形成される。第1位置又は第2位置にあるアームをハンドルユニットに対して分離可能にロックする他の多くの分離可能なロック構造が本発明の範囲内にあることを、当業者は認識すべきである。理想的には、アームの第1端部及び第2端部の各々は、歯の手入れ用アタッチメントと分離可能に係合する手段を有し、それにより、ユーザが、望むときに歯の手入れ用アタッチメントを交換ですることを可能にする。
【0019】
好ましい実施形態では、ハンドルユニットは、1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを保管できるように構成された内部チャンバを有する。
【0020】
より好ましくは、1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを保持するように構成された保持手段が、前記内部チャンバ内に設けられる。
【0021】
好ましくは、保持手段は、内部チャンバに沿って延びるラックシャフトを有し、ラックシャフトは、歯の手入れ用アタッチメントを保持する複数の箇所を有する。
【0022】
1つの変形例では、ハンドルユニットの握り可能なベース部分は、管状壁を有し、内部チャンバは、管状壁によって構成される。
【0023】
他の実施形態では、握り可能なベース部分及びハンドルユニットのシャフト部分は、分離可能に係合して、ハンドルユニットを形成する。握り可能なベース部分及びシャフトの係合及び分離は、当業者に知られた多くの方法で達成でき、かかる方法は、例えば、ねじ、又は弾性変形可能なスナップ式の嵌合及び分離継手である。
【0024】
他の実施形態では、シャフト部分は、ラックシャフトを有し、ラックシャフトは、シャフト部分と握り可能なベース部分とを係合させたときにラックシャフトが握り可能なベース部分の開口端部を通って内部チャンバに入り且つ開口端部がシャフト部分の本体によって塞がれるように、シャフト部分に取付けられる。
【0025】
他の実施形態では、握り可能なベース部分は、シャフト部分から離れた開口端部を有する。この構成では、ラックシャフトは、着脱可能なインサートを有し、インサートは、握り可能なベース部分の開口端部を通って内部チャンバに入り、それにより、握り可能なベース部分を閉じる。
【0026】
好ましい実施形態では、アームの第1端部の歯の手入れ用アタッチメントは、歯ブラシヘッドを含み、アームの第2端部の歯の手入れ用アタッチメントは、使い捨て可能なデンタルフロスヘッドを含む。デンタルフロスヘッドは、好ましくは、ブラケット部材を有し、一定長さのデンタルフロスがブラケット部材を横断するように構成される。本発明が歯ブラシヘッドとデンタルフロスヘッドの組合せに限定されないことを、当業者は理解すべきである。実際、異なる形式又は同じ形式の任意の歯の手入れ用アタッチメントが、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0027】
上記構成は、1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを備えた歯のための組合せ手入れ器具を提供し、歯の手入れ用アタッチメントは、限定する訳ではないが、好ましくは異なる種類のものであり、異なるアタッチメントを取外したり再取付けしたりする必要なしに2つのアタッチメントをいつでも容易に利用できる便利さをユーザに与える。
【0028】
以下、本発明による歯の手入れ用器具の実施形態を例示するに過ぎない添付図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】歯ブラシアタッチメント及びデンタルフロスヘッドアタッチメントを備えた本発明による組合せ歯の手入れ用器具の正面図である。
【図2】図1の歯の手入れ用器具の側面図である。
【図3】図1及び図2の歯の手入れ用器具の背面図である。
【図4】本発明の歯の手入れ用器具のハンドルユニットの斜視図である。
【図5】図4のハンドルユニットのシャフト部分の背面図である。
【図6】図4のハンドルユニットのシャフト部分を示す側面図である。
【図7】図5及び図6のシャフト部分の変形例の側面図である。
【図8】複数の歯の手入れ用アタッチメントを保持するラックシャフトを示す、図5〜図7のシャフト部分の一部の斜視図である。
【図9】図4のハンドルユニットの握り可能なベース部分の斜視図である。
【図10】図8のラックシャフトの変形例の斜視図である。
【図11】図8のラックシャフトの変形例の斜視図である。
【図12】図9の握り可能なベース部分の変形例の斜視図である。
【図13】本発明の歯の手入れ用器具の回転アームをハンドルユニットに連結する固定手段の変形例の斜視図である。
【図14】本発明の歯の手入れ用器具の回転アームをハンドルユニットに連結する固定手段の変形例の斜視図である。
【図15】本発明の歯の手入れ用器具の回転アームをハンドルユニットに連結する固定手段の変形例の斜視図である。
【図16】本発明による組合せ歯の手入れ用器具の他の実施形態の背面図である。
【図16a】図16の歯の手入れ用器具のハンドルユニット及び着脱可能なインサートを示す分解斜視図である。
【図17】アーム部分とシャフト部分とが整列していない図16の歯の手入れ用器具の側面図である。
【図18】アーム部分がシャフト部分と整列している図16の歯の手入れ用器具の側面図である。
【図19】図16の歯の手入れ用器具のハンドルユニットの斜視図である。
【図20】図16の歯の手入れ用器具のアーム及びハンドルユニットの斜視図である。
【図21】図16の歯の手入れ用器具の整列していないアーム及びハンドルユニットの斜視図である。
【図22】図16の歯の手入れ用器具の整列しているアーム及びハンドルユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
最初に図1〜図3を参照すると、本発明の歯の手入れ用器具の全体が参照番号1で示されている。歯の手入れ用器具1は、ハンドルユニット2(図4も参照されたい)を有し、ハンドルユニット2は、握り可能なベース部分3と、このベース部分3から延びるシャフト部分4とを備えている。握り可能なベース部分3とシャフト部分4とは、互いに係合させたり分離させたりすることが可能である。シャフト部分4は、1対のフォーク状の突起部分(prong)5を有し、各突起部分5は、自由端5aを備えている。1対の突起部分5の互いに対向する内面5bの間に、キャビティ6が形成されている。
【0031】
アーム7が、1対の突起部分5の自由端5aに枢動可能に係合し、且つ、それから分離可能である。アーム7は、第1端部7aと第2端部7bを有し、第1端部7aと第2端部7bの中間の箇所において、1対の突起部分5と係合している。歯の手入れ用アタッチメントが、第1端部7aと第2端部7bの各々に取付けられている。
【0032】
ここに説明する実施形態では、アーム7の第1端部7aに取付けられた歯の手入れ用アタッチメントは、歯ブラシヘッド8であり、第2端部7bに取付けられた歯の手入れ用アタッチメントは、デンタルフロスヘッド9である。デンタルフロスヘッド9は、使い捨てヘッドであると共に、ブラケット部材9aを有し、ブラケット部材9aは、それを横切るように構成される一定の長さのデンタルフロス9bを有している(図8参照)。
【0033】
アーム7は、ハンドルユニット2に対する第1位置と第2位置との間で回転させることができるように1対の突起部分5と係合している。図1〜図3に示すように、第1位置では、アーム7のうちの歯ブラシヘッド8を含む部分が、1対の突起部分5の自由端5aからハンドルユニット2に対して離れる方向に延びている。同時に、アーム7のうちの回転軸線の他方の側でデンタルフロスヘッド9を含む部分が、1対の突起部分5の間のキャビティ6内に収容されている。この位置では、歯ブラシヘッド8は、使用モードの準備が整った状態にあり、デンタルフロスヘッド9は、キャビティ6内に隠されている。同様に、第2位置(図示せず)では、デンタルフロスヘッド9を含むアーム7の部分は、1対の突起部分5の自由端5aからハンドルユニット2に対して離れる方向に延び、アーム7のうちの歯ブラシヘッド8及びそれに結合している部分は、キャビティ6内に隠される。キャビティ6の寸法及び形状は、隠されるアタッチメントがアーム7の他方の端部の他のアタッチメントの機能を妨げないように、且つ、アームのうちの使用されない部分及びそれに取付けられたアタッチメントとを一緒に隠すことができるように定められる。この構成により、一方のアタッチメントを使用するとき、使用しない方のアタッチメントを取外す必要がなく、したがって、通常の使用時はいつも、2つのアタッチメントがアーム7に取付けられたままである。
【0034】
図5〜図7に示すように、ハンドルユニット2は、アーム7をハンドルユニット2に対する第1位置又は第2位置に分離可能にロックするためにスナップ式に嵌合及び分離可能なロック10を有している。このスナップ式に嵌合及び分離可能なロック10は、アーム7に係合させるために1対の突起部分5の互いに対向する内面5bの各々に形成された弾性変形可能なリップ11を有している。アーム7をキャビティ6内に入れると、アーム7に付与される外力により、リップ11が弾性変形し、アーム7がリップ11とリップ11の間に捕捉される。アーム7に作用するリップ11の弾性力は、他方の歯の手入れ用アタッチメントの使用中、アーム7を適所に保持するのに充分である。アーム7を第2位置に移動させるために、外力をアーム7に連続的に付与し、リップ11を変形させ、アーム7を分離させる。
【0035】
図9及び図12に示すように、ハンドルユニット2の握り可能なベース部分3は、内部チャンバ12及び開口端部12aを形成する管状壁を有している。図8、図10及び図11に示すように、シャフト部分4は、そのベース部分4aから延びるラックシャフト14を有している。シャフト部分4と握り可能なベース部分3を互いに係合させると、ラックシャフト14は、内部チャンバ12に入り、内部チャンバ12の開口端部12aは、シャフト部分4のベース部分4aによって塞がれる。ラックシャフト14は、複数のデンタルフロスヘッド9を保持するための複数の箇所を有し、複数の箇所は、凹部14aの形態をなしている。図8は、ラックシャフト14の変形例を示し、この変形例のラックシャフト14は、その一方の側に沿って形成された複数の凹部14aを有し、デンタルフロスヘッド9は、ブラケット9及びフロス9aがラックシャフト14を包囲するように凹部14aに保持されている。図10は、ラックシャフト14の他の変形例を示し、この変形例のラックシャフト14は、その互いに反対側に位置する2つの側面に沿って互い違いに形成された凹部14aを有し、デンタルフロスヘッド9は、図8と同じように、凹部14aに保持されている。図11に示すラックシャフト14の変形例では、ラックシャフト14は、ベース部分4aの中心からオフセットした位置でベース部分4aに取付けられている。凹部14aは、ラックシャフト14の一方の側に沿って形成され、デンタルフロスヘッド9は、それがベース部分4aと整列してラックシャフト14から横方向に延びるように凹部14aに保持されている。
【0036】
図16及び図16aに示す本発明の他の実施形態では、握り可能なベース部分3は、内部チャンバ120を形成する管状壁を有し、管状壁は、シャフト部分4から離れた開口端部120bを有している。ラックシャフト140を備えた着脱可能なインサート100が、内部チャンバ120に収容される。着脱可能なインサート100のベース100bは、内部チャンバ120の開口端部120bを閉じる。ラックシャフト140は、複数のデンタルフロスヘッドを保持するための複数の箇所を有し、複数の箇所は、凹部の形態をなしていることが理解される。また、ラックシャフト14の種々の上記変形例は、ラックシャフト140にも等しく適用できることを理解すべきである。
【0037】
図8及び図9に示すように、握り可能なベース部分3とシャフト部分4の係合及び分離は、ベース部分3及びシャフト部分4の係合ねじを介して達成される。図11及び図12に示す変形例では、握り可能なベース部分4は、シャフト部分4のベース部分4aに形成された凹部16に分離可能に係合するように弾性変形可能な出っ張り15を有している。図示していないけれども、握り可能なベース部分3に着脱可能なインサート100の係合及び分離を行う手段は、限定する訳ではないが、上記方法のいずれかを用いて達成することができる。
【0038】
図13〜図22は、アーム7をフォーク状の突起部分5に回転可能に連結する固定手段の変形例を示す。
【0039】
図13の変形例では、スクリュウ17が、各突起部分5及びアーム7を貫通するように形成された適当なサイズ及び形状の孔18に挿入される。
【0040】
図14は、アーム7の互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対のピン19を示す。ピン19は、フォーク状の突起部分5に形成された貫通孔20と係合可能である。貫通孔20の内部と突起部分5の外面との間には、孔20に対して横方向に延びるスロット21が形成されており、これにより、アーム7のピン19を貫通孔20にスロット21を通して横方向に出し入れすることができる。ピン19を突起部分5と係合させた状態に固定するために各ピン19の自由端の上に配置される適当なキャップ(図示せず)が設けられる。
【0041】
図15の変形例では、固定手段は、アーム7の互いに反対側に位置する外面の各々に設けられたキー部材22を有している。各キー部材22は、回転レシーバ24に形成されたそれぞれのスロット23と係合し、回転レシーバ24は、突起部分5の部材によって形成された座部25において、各突起部分5の自由端5aに回転可能に取付けられている。座部25と突起部分5の外面との間を延びる別のスロット26が形成されている。回転レシーバ24のスロット23が突起部分5のスロット26と整列するとき、キー部材22は、突起部分5のスロット26を通って回転レシーバ24のスロット25に入ることができる。キー部材22は、アーム7に対して横断方向に延びるようにアーム7に取付けられ、その結果、整列させたスロット23、26にキー部材22を係合させると、アーム7は、ハンドルユニット2に対して、アーム7の第1位置と第2位置の中間の第3位置(図15参照)に配置される。アーム7を中間位置から第1位置又は第2位置に回転させると、回転レシーバ24のスロット23が突起部分5のスロット26と整列しない状態になり、これにより、アーム7を、中間位置を除いた突起部分5に対するアームの任意の位置において、突起部分5と係合した状態に固着させる。
【0042】
図16〜図22に示す他の変形例では、アーム7と突起部分5を連結する固定手段は、第1端部7aと第2端部7bの中間でアーム7の互いに反対側に位置する外面の各々に設けられた1対の出っ張り部材30を有している。各出っ張り部材30は、フォーク状の各突起部分5の自由端5aに設けられたU字形チャネル31内に着座する。フォーク状の突起部分5の互いに対向する内面5bの各々に、テーパ部材32が形成されている。テーパ部材32は、ハンドルユニット2の握り可能なベース部分3に向かって延びており、これにより、フォーク状の突起部分5の互いに対向する内面5bと内面5bとの間の距離は、各突起部分の自由端5aからハンドルユニット2の握り可能なベース部分3に向かって減少している。テーパ部材32は、U字形チャネル31の周りに延びており、これによりテーパ部材もU字形チャネルを有する。アーム7の幅は、各端部7a、7bから、出っ張り部材30が位置する中間部7cの最大幅まで増大する。中間部7cの幅は、正しく整列されない限り、アーム7がU字形チャネル31に完全に入ることを防止する。
【0043】
特に図20、図21及び図22を参照すると、アーム7がハンドル部分2と係合される様子が示されている。出っ張り部材30はU字形チャネル31に係合する。フォーク状の突起部分5の互いに対向する内面5b間の距離が減少しているので、アーム7が正しく整列されないと、中間部分7cがテーパ状リップ32aに当接する。それにより、図21に示すように、出っ張り部材30がU字形チャネル31内に更に移動することが防止される。ここで図22を参照すると、アーム7が正しく整列されて、中間部分7cがU字形チャネル31を包囲するテーパ部材32の両アーム32a間に挿入され、したがって出っ張り部材30がU字形チャネル31のベースに完全に着座しているところが示されている(図18参照)。アーム7に作用するテーパ部材の弾性力により、他方のアタッチメントの使用中に、アーム7を所定位置に保持するのに充分な圧入が達成される。
【0044】
図示していないが、ブラシヘッド8及びデンタルフロスヘッド9は、固定手段を介してアーム7に分離可能に係合される。これにより、ユーザは、歯の手入れ用アタッチメントを望むように交換できる。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施形態(単一又は複数)を例示により説明したが、当業者ならば本発明の範囲を逸脱することなく他の変更を行ない得るであろうことは理解されよう。
【技術分野】
【0001】
本発明は歯の手入れ用器具に関し、より詳しくは、歯ブラシヘッド及びデンタルフロスヘッド等(但しこれらに限定されない)の2種類以上の歯科手入れ用アタッチメントを収容する歯のための組合せ手入れ用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
この分野では多くの歯の手入れ用器具が知られており、最も一般的なものは歯ブラシである。歯ブラシは、多くの異なる設計及び形状のものが提供されている。毎日使用する他の一般的な歯の手入れ用器具として、通常入手でき且つリールに巻かれたデンタルフロスがある。使い捨て型のデンタルフロスブラケットも入手でき、これらはY型ブラケットを有し、ブラケットの自由端の間にぴんと張られた一定長さのデンタルフロスを備えている。近年では、他の多くの歯の手入れ用器具が設計されかつマーケットで入手できる。多くのユーザにとって、種々の歯の手入れ用器具を別々に使用しかつ維持することは面倒でありかつ不便であった。歯ブラシヘッドと、デンタルフロスのリールを保管しておく内部隔室を備えたハンドルとを有する組合せ歯ブラシも知られている。しかしながら、必ずしも全てのユーザがリール型デンタルフロスを好むものではない。したがって、この分野では、歯のための改善された組合せ手入れ用器具が依然として要望されている。
【0003】
用語「有する、備えた(comprise)」とは、変化する権限の下で、排他的意味又は包括的意味を有するものであると認められる。本明細書の目的から、及び明示的でない限り、用語「有する、備えた」は包括的意味を有し、直接関連する列挙したコンポーネンツだけでなく、特定しない他のコンポーネンツをも含むことを意味する。したがって、用語「有する、備えた」は、任意の所与の権限内でできる限り広く解釈すべきであり、この理論的根拠は、用語「有していた、備えていた(comprised)」及び/又は「有している、備えている(comprising)」が使用される場合にも適用すべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって本発明の目的は、従来技術の欠点を軽減できる歯のための組合せ手入れ器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、ハンドルユニットを有し、ハンドルユニットは、握り可能なベース部分と、それから延びるシャフト部分とを有し、シャフト部分は、前記握り可能なベース部分から遠い方に自由端を有し、更に、第1端部と第2端部を有するアームを有し、アームは、第1端部及び第2端部の各々に取付けられた歯の手入れ用アタッチメントを有し、ハンドルユニットのシャフト部分に対する第1位置と第2位置の間で移動できるように、シャフト部分の自由端に隣接した位置でハンドルユニットに枢動可能に連結され、第1位置において、アームのうちの歯の第1の手入れ用アタッチメントを含む部分が、歯の第1の手入れ用アタッチメントを使用できるように、ハンドルユニットのシャフト部分に対して離れる方向に延び、アームのうちの歯の第2の手入れ用アタッチメントを含む残りの部分が、ハンドルユニットのシャフト部分に隣接して配置され、第2位置において、アームのうちの歯の第2の手入れ用アタッチメントを含む部分が、歯の第2の手入れ用アタッチメントを使用できるように、ハンドルユニットのシャフト部分に対して離れる方向に延び、アームのうちの歯の第1の手入れ用アタッチメントを含む残りの部分が、ハンドルユニットのシャフト部分に隣接して配置される、歯の手入れ用器具を提供する。
【0006】
好ましい変形例では、アームは、その第1端部と第2端部の中間位置において、ハンドルユニットに枢動可能に連結され、アームは、その第1端部と第2端部との中間位置で、枢動可能にハンドルユニットに連結され、アームは第1位置と第2位置との間で容易に枢動可能である。
【0007】
好ましくは、アームは、ハンドルユニットに分離可能に連結される。
【0008】
1つの実施形態では、アームは、アーム及びハンドルユニットに設けられた相互係合可能な固定手段を介してハンドルユニットに連結され、相互係合可能な固定手段は、限定するわけではないが、例えば、ピン又はスクリュウ構造、弾性変形可能なスナップ式に嵌合及び分離可能な継手(カップリング)である。
【0009】
1つの実施形態では、ハンドルユニットは、アームのうちのバンドルユニットに隣接して配置された部分を、それに取付けられた歯の手入れ用アタッチメントをと一緒に収容するキャビティを有し、アームのうちの上記部分は、ハンドルの外面に対して凹み、それにより、他方の歯の手入れ用アタッチメントの使用の準備が整っているとき、使用されない歯の手入れ用アタッチメントを隠す。このように隠される歯の手入れ用アタッチメントは、アームの他端の他の歯の手入れ用アタッチメントの機能を妨げることがないので、この構造は、他のアタッチメントが使用されるときに、使用されない歯の手入れ用アタッチメントを取外す必要がない。かくして、日常使用するときに、2つの歯の手入れ用アタッチメントを常時アームに取付けた状態に維持しておくことができ、ユーザは、摩耗したアタッチメントを必要に応じて交換する場合を除き、使用のたびにアタッチメントを取外したり再び取付けたりする必要はない。
【0010】
1つの実施形態では、ハンドルユニットのシャフト部分は、フォーク状の1対の突起部分を有し、各突起部分は自由端を有し、キャビティは、1対の突起部分の互いに対向する1対の内面の間のスペースとして定められる。好ましくは、アームは、1対の突起部分の自由端の間に枢動可能に取付けられ、第1位置及び第2位置において、アームのうちの使用されない歯の手入れ用アタッチメントを含む一方の部分が、1対の突起部分の間のスペース内に収容され、アームのうちの歯の手入れ用アタッチメントを有する他方の部分が、1対の突起部分の自由端から離れる方向に延び、使用の準備が整えられる。
【0011】
1つの変形例では、アームと1対の突起部分との間の固定手段は、軸を有し、アームは、上記軸を中心に枢動することができる。軸は、1対の突起部分及びアームの各々を貫通するように形成された適当なサイズ及び形状の孔に挿入されるのが便利である。適当な軸の例は、スクリュウ、ピン又はロッドの任意の1つを含むが、これらに限定されない。
【0012】
他の変形例では、固定手段は、アームの互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対のピンを有し、1対のピンは、1対の突起部分に形成され前記1対のピンに対応する貫通ボアと係合可能である。選択的には、ピンはアームと一体に形成され、かくして、出っ張り部材をアームの互いに反対側に位置する外面に形成する。好ましくは、スロットが、貫通孔の内部と1対の突起部分の外面との間に且つ貫通孔に対して横断方向に形成され、それにより、1対の弾性変形可能なフラップを定め、アームのピンが、スロットを通って貫通孔に横方向に出し入れできる。好ましくは、各ピンの自由端の上に配置するためのキャップが設けられ、ピンをそれに対応する突起部分と固着させる。
【0013】
更に別の変形例では、固定手段は、アームの互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対の出っ張り部材を有する。選択的には、出っ張り部材はアームと一体に形成される。好ましくは、U字形チャネルが各突起部分の自由端にを形成される。1対の出っ張り部材は、U字形チャネルの開口を通ってU字形チャネルのベースに着座する。各突起部分の互いに対向する内面の各々に、テーパ部材が形成され、テーパ部材は、突起部分の互いに対向する内面の間の距離が各突起部分の自由端から握り可能なベース部分に向かって減少するように、各突起部分の自由端から握り可能なベース部分に向かって延びる。この構成では、アーム及びテーパ部材は、アーム及び突起部分が正しく整列しないならば出っ張り部材がU字形チャネルのベースに正しく着座することができないような、補完的形状を有するのが便利である。この構成では、アームと突起部分が正しく整列しているとき、テーパ部材は、アームの一部と弾性的に係合し、それにより、アームをハンドルユニットに対して適所にロックする。
【0014】
更に別の変形例では、固定手段は、アームの互いに反対側に位置する外面の各々に設けられたキー部材を有する。スロットが、各突起部分の自由端に形成された座部に回転可能に取付けられた回転レシーバに形成され、各キー部材は、それに対応するスロットと係合可能である。回転レシーバの座部と突起部分の外面との間を延びる第2のスロットが形成され、回転レシーバのスロットを突起部分の第2のスロットと整列させたとき、キー部材を第2スロットに通過させることによって、キー部材を回転レシーバのスロットに係合させることができる。理想的には、キー部材を、互いに整列した突起部分の第2のスロットと回転レシーバのスロットに係合させるとき、アームが前記ハンドルユニットに対して、第1位置と第2位置の中間の第3位置に位置決めされる向きで、キー部材がアームの上に位置する。アームを第3位置から第1位置に向かって又は第2位置に向かって回転させるとき、回転レシーバのスロットが突起部分の第2のスロットと整列せず、それにより、アームを突起部分に対して、アームの中間位置以外の任意の位置で突起部分に係合した状態で固着させる。
【0015】
最も好ましい実施形態では、ハンドルユニットは、アームをハンドルユニットに対する第1位置又は第2位置に分離可能にロックするように構成されたロック手段を有する。
【0016】
1つの実施形態では、ロック手段は、アームのうちのハンドルユニットに隣接して位置する部分を分離可能に固定するように構成されたキャッチ構造を有する。
【0017】
1つの変形例では、キャッチ構造は、スナップ式の嵌合及び分離機構を有し、スナップ式の嵌合及び分離機構は、突起部分の互いに対向する内面の各々に形成された弾性変形可能な部材を有し、アームをキャビティに入れるとき、2つの弾性変形可能な部材が変形し且つアームに弾性的に係合し、アームをハンドルユニットにロックする。
【0018】
他の変形例では、キャッチ構造は、アームをハンドルユニットに取付ける箇所に形成される。第1位置又は第2位置にあるアームをハンドルユニットに対して分離可能にロックする他の多くの分離可能なロック構造が本発明の範囲内にあることを、当業者は認識すべきである。理想的には、アームの第1端部及び第2端部の各々は、歯の手入れ用アタッチメントと分離可能に係合する手段を有し、それにより、ユーザが、望むときに歯の手入れ用アタッチメントを交換ですることを可能にする。
【0019】
好ましい実施形態では、ハンドルユニットは、1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを保管できるように構成された内部チャンバを有する。
【0020】
より好ましくは、1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを保持するように構成された保持手段が、前記内部チャンバ内に設けられる。
【0021】
好ましくは、保持手段は、内部チャンバに沿って延びるラックシャフトを有し、ラックシャフトは、歯の手入れ用アタッチメントを保持する複数の箇所を有する。
【0022】
1つの変形例では、ハンドルユニットの握り可能なベース部分は、管状壁を有し、内部チャンバは、管状壁によって構成される。
【0023】
他の実施形態では、握り可能なベース部分及びハンドルユニットのシャフト部分は、分離可能に係合して、ハンドルユニットを形成する。握り可能なベース部分及びシャフトの係合及び分離は、当業者に知られた多くの方法で達成でき、かかる方法は、例えば、ねじ、又は弾性変形可能なスナップ式の嵌合及び分離継手である。
【0024】
他の実施形態では、シャフト部分は、ラックシャフトを有し、ラックシャフトは、シャフト部分と握り可能なベース部分とを係合させたときにラックシャフトが握り可能なベース部分の開口端部を通って内部チャンバに入り且つ開口端部がシャフト部分の本体によって塞がれるように、シャフト部分に取付けられる。
【0025】
他の実施形態では、握り可能なベース部分は、シャフト部分から離れた開口端部を有する。この構成では、ラックシャフトは、着脱可能なインサートを有し、インサートは、握り可能なベース部分の開口端部を通って内部チャンバに入り、それにより、握り可能なベース部分を閉じる。
【0026】
好ましい実施形態では、アームの第1端部の歯の手入れ用アタッチメントは、歯ブラシヘッドを含み、アームの第2端部の歯の手入れ用アタッチメントは、使い捨て可能なデンタルフロスヘッドを含む。デンタルフロスヘッドは、好ましくは、ブラケット部材を有し、一定長さのデンタルフロスがブラケット部材を横断するように構成される。本発明が歯ブラシヘッドとデンタルフロスヘッドの組合せに限定されないことを、当業者は理解すべきである。実際、異なる形式又は同じ形式の任意の歯の手入れ用アタッチメントが、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0027】
上記構成は、1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを備えた歯のための組合せ手入れ器具を提供し、歯の手入れ用アタッチメントは、限定する訳ではないが、好ましくは異なる種類のものであり、異なるアタッチメントを取外したり再取付けしたりする必要なしに2つのアタッチメントをいつでも容易に利用できる便利さをユーザに与える。
【0028】
以下、本発明による歯の手入れ用器具の実施形態を例示するに過ぎない添付図面を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】歯ブラシアタッチメント及びデンタルフロスヘッドアタッチメントを備えた本発明による組合せ歯の手入れ用器具の正面図である。
【図2】図1の歯の手入れ用器具の側面図である。
【図3】図1及び図2の歯の手入れ用器具の背面図である。
【図4】本発明の歯の手入れ用器具のハンドルユニットの斜視図である。
【図5】図4のハンドルユニットのシャフト部分の背面図である。
【図6】図4のハンドルユニットのシャフト部分を示す側面図である。
【図7】図5及び図6のシャフト部分の変形例の側面図である。
【図8】複数の歯の手入れ用アタッチメントを保持するラックシャフトを示す、図5〜図7のシャフト部分の一部の斜視図である。
【図9】図4のハンドルユニットの握り可能なベース部分の斜視図である。
【図10】図8のラックシャフトの変形例の斜視図である。
【図11】図8のラックシャフトの変形例の斜視図である。
【図12】図9の握り可能なベース部分の変形例の斜視図である。
【図13】本発明の歯の手入れ用器具の回転アームをハンドルユニットに連結する固定手段の変形例の斜視図である。
【図14】本発明の歯の手入れ用器具の回転アームをハンドルユニットに連結する固定手段の変形例の斜視図である。
【図15】本発明の歯の手入れ用器具の回転アームをハンドルユニットに連結する固定手段の変形例の斜視図である。
【図16】本発明による組合せ歯の手入れ用器具の他の実施形態の背面図である。
【図16a】図16の歯の手入れ用器具のハンドルユニット及び着脱可能なインサートを示す分解斜視図である。
【図17】アーム部分とシャフト部分とが整列していない図16の歯の手入れ用器具の側面図である。
【図18】アーム部分がシャフト部分と整列している図16の歯の手入れ用器具の側面図である。
【図19】図16の歯の手入れ用器具のハンドルユニットの斜視図である。
【図20】図16の歯の手入れ用器具のアーム及びハンドルユニットの斜視図である。
【図21】図16の歯の手入れ用器具の整列していないアーム及びハンドルユニットの斜視図である。
【図22】図16の歯の手入れ用器具の整列しているアーム及びハンドルユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
最初に図1〜図3を参照すると、本発明の歯の手入れ用器具の全体が参照番号1で示されている。歯の手入れ用器具1は、ハンドルユニット2(図4も参照されたい)を有し、ハンドルユニット2は、握り可能なベース部分3と、このベース部分3から延びるシャフト部分4とを備えている。握り可能なベース部分3とシャフト部分4とは、互いに係合させたり分離させたりすることが可能である。シャフト部分4は、1対のフォーク状の突起部分(prong)5を有し、各突起部分5は、自由端5aを備えている。1対の突起部分5の互いに対向する内面5bの間に、キャビティ6が形成されている。
【0031】
アーム7が、1対の突起部分5の自由端5aに枢動可能に係合し、且つ、それから分離可能である。アーム7は、第1端部7aと第2端部7bを有し、第1端部7aと第2端部7bの中間の箇所において、1対の突起部分5と係合している。歯の手入れ用アタッチメントが、第1端部7aと第2端部7bの各々に取付けられている。
【0032】
ここに説明する実施形態では、アーム7の第1端部7aに取付けられた歯の手入れ用アタッチメントは、歯ブラシヘッド8であり、第2端部7bに取付けられた歯の手入れ用アタッチメントは、デンタルフロスヘッド9である。デンタルフロスヘッド9は、使い捨てヘッドであると共に、ブラケット部材9aを有し、ブラケット部材9aは、それを横切るように構成される一定の長さのデンタルフロス9bを有している(図8参照)。
【0033】
アーム7は、ハンドルユニット2に対する第1位置と第2位置との間で回転させることができるように1対の突起部分5と係合している。図1〜図3に示すように、第1位置では、アーム7のうちの歯ブラシヘッド8を含む部分が、1対の突起部分5の自由端5aからハンドルユニット2に対して離れる方向に延びている。同時に、アーム7のうちの回転軸線の他方の側でデンタルフロスヘッド9を含む部分が、1対の突起部分5の間のキャビティ6内に収容されている。この位置では、歯ブラシヘッド8は、使用モードの準備が整った状態にあり、デンタルフロスヘッド9は、キャビティ6内に隠されている。同様に、第2位置(図示せず)では、デンタルフロスヘッド9を含むアーム7の部分は、1対の突起部分5の自由端5aからハンドルユニット2に対して離れる方向に延び、アーム7のうちの歯ブラシヘッド8及びそれに結合している部分は、キャビティ6内に隠される。キャビティ6の寸法及び形状は、隠されるアタッチメントがアーム7の他方の端部の他のアタッチメントの機能を妨げないように、且つ、アームのうちの使用されない部分及びそれに取付けられたアタッチメントとを一緒に隠すことができるように定められる。この構成により、一方のアタッチメントを使用するとき、使用しない方のアタッチメントを取外す必要がなく、したがって、通常の使用時はいつも、2つのアタッチメントがアーム7に取付けられたままである。
【0034】
図5〜図7に示すように、ハンドルユニット2は、アーム7をハンドルユニット2に対する第1位置又は第2位置に分離可能にロックするためにスナップ式に嵌合及び分離可能なロック10を有している。このスナップ式に嵌合及び分離可能なロック10は、アーム7に係合させるために1対の突起部分5の互いに対向する内面5bの各々に形成された弾性変形可能なリップ11を有している。アーム7をキャビティ6内に入れると、アーム7に付与される外力により、リップ11が弾性変形し、アーム7がリップ11とリップ11の間に捕捉される。アーム7に作用するリップ11の弾性力は、他方の歯の手入れ用アタッチメントの使用中、アーム7を適所に保持するのに充分である。アーム7を第2位置に移動させるために、外力をアーム7に連続的に付与し、リップ11を変形させ、アーム7を分離させる。
【0035】
図9及び図12に示すように、ハンドルユニット2の握り可能なベース部分3は、内部チャンバ12及び開口端部12aを形成する管状壁を有している。図8、図10及び図11に示すように、シャフト部分4は、そのベース部分4aから延びるラックシャフト14を有している。シャフト部分4と握り可能なベース部分3を互いに係合させると、ラックシャフト14は、内部チャンバ12に入り、内部チャンバ12の開口端部12aは、シャフト部分4のベース部分4aによって塞がれる。ラックシャフト14は、複数のデンタルフロスヘッド9を保持するための複数の箇所を有し、複数の箇所は、凹部14aの形態をなしている。図8は、ラックシャフト14の変形例を示し、この変形例のラックシャフト14は、その一方の側に沿って形成された複数の凹部14aを有し、デンタルフロスヘッド9は、ブラケット9及びフロス9aがラックシャフト14を包囲するように凹部14aに保持されている。図10は、ラックシャフト14の他の変形例を示し、この変形例のラックシャフト14は、その互いに反対側に位置する2つの側面に沿って互い違いに形成された凹部14aを有し、デンタルフロスヘッド9は、図8と同じように、凹部14aに保持されている。図11に示すラックシャフト14の変形例では、ラックシャフト14は、ベース部分4aの中心からオフセットした位置でベース部分4aに取付けられている。凹部14aは、ラックシャフト14の一方の側に沿って形成され、デンタルフロスヘッド9は、それがベース部分4aと整列してラックシャフト14から横方向に延びるように凹部14aに保持されている。
【0036】
図16及び図16aに示す本発明の他の実施形態では、握り可能なベース部分3は、内部チャンバ120を形成する管状壁を有し、管状壁は、シャフト部分4から離れた開口端部120bを有している。ラックシャフト140を備えた着脱可能なインサート100が、内部チャンバ120に収容される。着脱可能なインサート100のベース100bは、内部チャンバ120の開口端部120bを閉じる。ラックシャフト140は、複数のデンタルフロスヘッドを保持するための複数の箇所を有し、複数の箇所は、凹部の形態をなしていることが理解される。また、ラックシャフト14の種々の上記変形例は、ラックシャフト140にも等しく適用できることを理解すべきである。
【0037】
図8及び図9に示すように、握り可能なベース部分3とシャフト部分4の係合及び分離は、ベース部分3及びシャフト部分4の係合ねじを介して達成される。図11及び図12に示す変形例では、握り可能なベース部分4は、シャフト部分4のベース部分4aに形成された凹部16に分離可能に係合するように弾性変形可能な出っ張り15を有している。図示していないけれども、握り可能なベース部分3に着脱可能なインサート100の係合及び分離を行う手段は、限定する訳ではないが、上記方法のいずれかを用いて達成することができる。
【0038】
図13〜図22は、アーム7をフォーク状の突起部分5に回転可能に連結する固定手段の変形例を示す。
【0039】
図13の変形例では、スクリュウ17が、各突起部分5及びアーム7を貫通するように形成された適当なサイズ及び形状の孔18に挿入される。
【0040】
図14は、アーム7の互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対のピン19を示す。ピン19は、フォーク状の突起部分5に形成された貫通孔20と係合可能である。貫通孔20の内部と突起部分5の外面との間には、孔20に対して横方向に延びるスロット21が形成されており、これにより、アーム7のピン19を貫通孔20にスロット21を通して横方向に出し入れすることができる。ピン19を突起部分5と係合させた状態に固定するために各ピン19の自由端の上に配置される適当なキャップ(図示せず)が設けられる。
【0041】
図15の変形例では、固定手段は、アーム7の互いに反対側に位置する外面の各々に設けられたキー部材22を有している。各キー部材22は、回転レシーバ24に形成されたそれぞれのスロット23と係合し、回転レシーバ24は、突起部分5の部材によって形成された座部25において、各突起部分5の自由端5aに回転可能に取付けられている。座部25と突起部分5の外面との間を延びる別のスロット26が形成されている。回転レシーバ24のスロット23が突起部分5のスロット26と整列するとき、キー部材22は、突起部分5のスロット26を通って回転レシーバ24のスロット25に入ることができる。キー部材22は、アーム7に対して横断方向に延びるようにアーム7に取付けられ、その結果、整列させたスロット23、26にキー部材22を係合させると、アーム7は、ハンドルユニット2に対して、アーム7の第1位置と第2位置の中間の第3位置(図15参照)に配置される。アーム7を中間位置から第1位置又は第2位置に回転させると、回転レシーバ24のスロット23が突起部分5のスロット26と整列しない状態になり、これにより、アーム7を、中間位置を除いた突起部分5に対するアームの任意の位置において、突起部分5と係合した状態に固着させる。
【0042】
図16〜図22に示す他の変形例では、アーム7と突起部分5を連結する固定手段は、第1端部7aと第2端部7bの中間でアーム7の互いに反対側に位置する外面の各々に設けられた1対の出っ張り部材30を有している。各出っ張り部材30は、フォーク状の各突起部分5の自由端5aに設けられたU字形チャネル31内に着座する。フォーク状の突起部分5の互いに対向する内面5bの各々に、テーパ部材32が形成されている。テーパ部材32は、ハンドルユニット2の握り可能なベース部分3に向かって延びており、これにより、フォーク状の突起部分5の互いに対向する内面5bと内面5bとの間の距離は、各突起部分の自由端5aからハンドルユニット2の握り可能なベース部分3に向かって減少している。テーパ部材32は、U字形チャネル31の周りに延びており、これによりテーパ部材もU字形チャネルを有する。アーム7の幅は、各端部7a、7bから、出っ張り部材30が位置する中間部7cの最大幅まで増大する。中間部7cの幅は、正しく整列されない限り、アーム7がU字形チャネル31に完全に入ることを防止する。
【0043】
特に図20、図21及び図22を参照すると、アーム7がハンドル部分2と係合される様子が示されている。出っ張り部材30はU字形チャネル31に係合する。フォーク状の突起部分5の互いに対向する内面5b間の距離が減少しているので、アーム7が正しく整列されないと、中間部分7cがテーパ状リップ32aに当接する。それにより、図21に示すように、出っ張り部材30がU字形チャネル31内に更に移動することが防止される。ここで図22を参照すると、アーム7が正しく整列されて、中間部分7cがU字形チャネル31を包囲するテーパ部材32の両アーム32a間に挿入され、したがって出っ張り部材30がU字形チャネル31のベースに完全に着座しているところが示されている(図18参照)。アーム7に作用するテーパ部材の弾性力により、他方のアタッチメントの使用中に、アーム7を所定位置に保持するのに充分な圧入が達成される。
【0044】
図示していないが、ブラシヘッド8及びデンタルフロスヘッド9は、固定手段を介してアーム7に分離可能に係合される。これにより、ユーザは、歯の手入れ用アタッチメントを望むように交換できる。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施形態(単一又は複数)を例示により説明したが、当業者ならば本発明の範囲を逸脱することなく他の変更を行ない得るであろうことは理解されよう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯の手入れ用器具であって、
ハンドルユニットを有し、前記ハンドルユニットは、握り可能なベース部分と、それから延びるシャフト部分とを有し、前記シャフト部分は、前記握り可能なベース部分から遠い方に自由端を有し、
更に、第1端部と第2端部を有するアームを有し、前記アームは、前記第1端部及び前記第2端部の各々に取付けられた歯の手入れ用アタッチメントを有し、前記ハンドルユニットのシャフト部分に対する第1位置と第2位置の間で移動できるように、前記シャフト部分の自由端に隣接した位置で前記ハンドルユニットに枢動可能に連結され、
前記第1位置において、前記アームのうちの歯の第1の手入れ用アタッチメントを含む部分が、歯の第1の手入れ用アタッチメントを使用できるように、前記ハンドルユニットのシャフト部分に対して離れる方向に延び、前記アームのうちの歯の第2の手入れ用アタッチメントを含む残りの部分が、前記ハンドルユニットのシャフト部分に隣接して配置され、
前記第2位置において、前記アームのうちの歯の第2の手入れ用アタッチメントを含む部分が、歯の第2の手入れ用アタッチメントを使用できるように、前記ハンドルユニットのシャフト部分に対して離れる方向に延び、前記アームのうちの歯の第1の手入れ用アタッチメントを含む残りの部分が、前記ハンドルユニットのシャフト部分に隣接して配置される、歯の手入れ用器具。
【請求項2】
前記ハンドルユニットは、前記アームを前記ハンドルユニットに対する第1位置又は第2位置に分離可能にロックするように構成されたロック手段を有する、請求項1に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項3】
前記アームは、その第1端部と第2端部の中間位置において、ハンドルユニットに枢動可能に連結される、請求項2に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項4】
前記ハンドルユニットは、前記アームのうちの前記バンドルユニットに隣接して配置された部分を、それに取付けられた歯の手入れ用アタッチメントをと一緒に収容するキャビティを有し、前記アームのうちの前記部分は、ハンドルの外面に対して凹み、それにより、他方の歯の手入れ用アタッチメントの使用の準備が整っているとき、使用されない歯の手入れ用アタッチメントを隠す、請求項2又は3に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項5】
前記ハンドルユニットのシャフト部分は、フォーク状の1対の突起部分を有し、各突起部分は自由端を有し、前記キャビティは、前記1対の突起部分の互いに対向する1対の内面の間のスペースとして定められる、請求項1〜4の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項6】
前記アームは、前記1対の突起部分の自由端の間に枢動可能に取付けられ、前記第1位置及び前記第2位置において、前記アームのうちの使用されない歯の手入れ用アタッチメントを含む一方の部分が、前記1対の突起部分の間のスペース内に収容され、前記アームのうちの歯の手入れ用アタッチメントを有する他方の部分が、前記1対の突起部分の自由端から離れる方向に延び、使用の準備が整えられる、請求項5に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項7】
前記アームは、相互係合可能な固定手段を介してハンドルユニットに連結され、前記固定手段は、前記アーム及び前記ハンドルユニットに設けられる、請求項6に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項8】
前記アームと前記1対の突起部分との間の固定手段は、軸を有し、前記軸は、前記1対の突起部分及び前記アームの各々を貫通するように形成された適当なサイズ及び形状の孔に挿入される、請求項7に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項9】
前記軸は、スクリュウ、ピン又はロッドのいずれかである、請求項8に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項10】
前記固定手段は、前記アームの互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対のピンを有し、前記1対のピンは、前記1対の突起部分に形成され且つ前記1対のピンに対応する貫通ボアと係合可能であり、
スロットが、前記貫通孔の内部と前記1対の突起部分の外面との間に且つ前記貫通孔に対して横断方向に形成され、それにより、1対の弾性変形可能なフラップを定め、前記アームのピンが、前記スロットを通って前記貫通孔に横方向に出し入れでき、
各ピンの自由端の上に配置するためのキャップが設けられ、前記ピンをそれに対応する前記突起部分と固着させる、請求項7に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項11】
前記固定手段は、前記アームの互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対の出っ張り部材を有し、前記1対の出っ張り部材は、各前記突起部分の自由端に形成されたU字形チャネルのベースに着座し、各前記突起部分の互いに対向する内面の各々に、テーパ部材が形成され、前記テーパ部材は、前記突起部分の互いに対向する内面の間の距離が各前記突起部分の自由端から前記握り可能なベース部分に向かって減少するように、各前記突起部分の自由端から前記握り可能なベース部分に向かって延び、前記アーム及び前記テーパ部材は、前記アーム及び前記突起部分が正しく整列したときに、前記出っ張り部材がU字形チャネルのベースに正しく着座する補完的形状を有する、請求項7に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項12】
前記固定手段は、前記アームの互いに反対側に位置する外面の各々に設けられたキー部材を有し、スロットが、各突起部分の自由端に形成された座部に回転可能に取付けられた回転レシーバに形成され、各前記キー部材は、それに対応する前記スロットと係合可能であり、
前記回転レシーバの座部と前記突起部分の外面との間を延びる第2のスロットが形成され、前記回転レシーバのスロットを前記突起部分のスロットと整列させたとき、前記キー部材を第2スロットに通過させることによって、前記キー部材を前記回転レシーバのスロットに係合させることができ、
前記キー部材を、互いに整列した前記突起部分の第2のスロットと前記回転レシーバのスロットに係合させるとき、前記アームが前記ハンドルユニットに対して、前記第1位置と前記第2位置の中間の第3位置に位置決めされる向きで、前記キー部材が前記アームの上に位置し、
前記アームを前記第3位置から前記第1位置に向かって又は前記第2位置に向かって回転させるとき、前記回転レシーバのスロットが前記突起部分の第2のスロットと整列せず、それにより、前記アームを前記突起部分に対して、前記アームの中間位置以外の任意の位置で前記突起部分に係合した状態で固着させる、請求項7に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項13】
前記ロック手段は、前記アームのうちの前記ハンドルユニットに隣接して位置する部分を分離可能に固定するように構成されたキャッチ構造を有する、請求項2〜12の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項14】
前記キャッチ構造は、スナップ式の嵌合及び分離機構を有し、前記スナップ式の嵌合及び分離機構は、前記突起部分の互いに対向する内面の各々に形成された弾性変形可能な部材を有し、前記アームを前記キャビティに入れるとき、2つの前記弾性変形可能な部材が変形し且つ前記アームに弾性的に係合し、前記アームを前記ハンドルユニットにロックする、請求項13に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項15】
前記キャッチ構造は、前記アームを前記ハンドルユニットに取付ける箇所に形成される、請求項13に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項16】
前記ハンドルユニットは、1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを保管できるように構成された内部チャンバを有する、請求項1〜15の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項17】
前記ハンドルユニットの握り可能なベース部分は、管状壁を有し、前記内部チャンバは、前記管状壁によって構成される、請求項16に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項18】
1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを保持するように構成された保持手段が、前記内部チャンバ内に設けられる、請求項17に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項19】
前記保持手段は、前記内部チャンバに沿って延びるラックシャフトを有し、前記ラックシャフトは、歯の手入れ用アタッチメントを保持する複数の箇所を有する、請求項18に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項20】
前記ラックシャフトは、前記シャフト部分と前記握り可能なベース部分とを係合させたときに前記ラックシャフトが前記握り可能なベース部分の開口端部を通って内部チャンバに入り且つ前記開口端部が前記シャフト部分の本体によって塞がれるように、前記シャフト部分に取付けられる、請求項19に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項21】
前記ラックシャフトは、着脱可能なインサートを有する、請求項19に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項22】
前記アームは、前記ハンドルユニットに分離可能に連結される、請求項1〜21の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項23】
前記アームの第1端部及び第2端部の各々は、歯の手入れ用アタッチメントと分離可能に係合する手段を有する、請求項1〜22の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項24】
前記アームの第1端部の歯の手入れ用アタッチメントは、歯ブラシヘッドを含み、前記アームの第2端部の歯の手入れ用アタッチメントは、使い捨て可能なデンタルフロスヘッドを含む、請求項1〜23の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項25】
前記デンタルフロスヘッドは、ブラケット部材を有し、一定長さのデンタルフロスが前記ブラケット部材を横断するように構成される、請求項24に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項26】
添付図面に示しかつ添付図面に関連して本明細書に説明したものと実質的に同じである、歯の手入れ用器具。
【請求項1】
歯の手入れ用器具であって、
ハンドルユニットを有し、前記ハンドルユニットは、握り可能なベース部分と、それから延びるシャフト部分とを有し、前記シャフト部分は、前記握り可能なベース部分から遠い方に自由端を有し、
更に、第1端部と第2端部を有するアームを有し、前記アームは、前記第1端部及び前記第2端部の各々に取付けられた歯の手入れ用アタッチメントを有し、前記ハンドルユニットのシャフト部分に対する第1位置と第2位置の間で移動できるように、前記シャフト部分の自由端に隣接した位置で前記ハンドルユニットに枢動可能に連結され、
前記第1位置において、前記アームのうちの歯の第1の手入れ用アタッチメントを含む部分が、歯の第1の手入れ用アタッチメントを使用できるように、前記ハンドルユニットのシャフト部分に対して離れる方向に延び、前記アームのうちの歯の第2の手入れ用アタッチメントを含む残りの部分が、前記ハンドルユニットのシャフト部分に隣接して配置され、
前記第2位置において、前記アームのうちの歯の第2の手入れ用アタッチメントを含む部分が、歯の第2の手入れ用アタッチメントを使用できるように、前記ハンドルユニットのシャフト部分に対して離れる方向に延び、前記アームのうちの歯の第1の手入れ用アタッチメントを含む残りの部分が、前記ハンドルユニットのシャフト部分に隣接して配置される、歯の手入れ用器具。
【請求項2】
前記ハンドルユニットは、前記アームを前記ハンドルユニットに対する第1位置又は第2位置に分離可能にロックするように構成されたロック手段を有する、請求項1に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項3】
前記アームは、その第1端部と第2端部の中間位置において、ハンドルユニットに枢動可能に連結される、請求項2に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項4】
前記ハンドルユニットは、前記アームのうちの前記バンドルユニットに隣接して配置された部分を、それに取付けられた歯の手入れ用アタッチメントをと一緒に収容するキャビティを有し、前記アームのうちの前記部分は、ハンドルの外面に対して凹み、それにより、他方の歯の手入れ用アタッチメントの使用の準備が整っているとき、使用されない歯の手入れ用アタッチメントを隠す、請求項2又は3に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項5】
前記ハンドルユニットのシャフト部分は、フォーク状の1対の突起部分を有し、各突起部分は自由端を有し、前記キャビティは、前記1対の突起部分の互いに対向する1対の内面の間のスペースとして定められる、請求項1〜4の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項6】
前記アームは、前記1対の突起部分の自由端の間に枢動可能に取付けられ、前記第1位置及び前記第2位置において、前記アームのうちの使用されない歯の手入れ用アタッチメントを含む一方の部分が、前記1対の突起部分の間のスペース内に収容され、前記アームのうちの歯の手入れ用アタッチメントを有する他方の部分が、前記1対の突起部分の自由端から離れる方向に延び、使用の準備が整えられる、請求項5に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項7】
前記アームは、相互係合可能な固定手段を介してハンドルユニットに連結され、前記固定手段は、前記アーム及び前記ハンドルユニットに設けられる、請求項6に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項8】
前記アームと前記1対の突起部分との間の固定手段は、軸を有し、前記軸は、前記1対の突起部分及び前記アームの各々を貫通するように形成された適当なサイズ及び形状の孔に挿入される、請求項7に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項9】
前記軸は、スクリュウ、ピン又はロッドのいずれかである、請求項8に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項10】
前記固定手段は、前記アームの互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対のピンを有し、前記1対のピンは、前記1対の突起部分に形成され且つ前記1対のピンに対応する貫通ボアと係合可能であり、
スロットが、前記貫通孔の内部と前記1対の突起部分の外面との間に且つ前記貫通孔に対して横断方向に形成され、それにより、1対の弾性変形可能なフラップを定め、前記アームのピンが、前記スロットを通って前記貫通孔に横方向に出し入れでき、
各ピンの自由端の上に配置するためのキャップが設けられ、前記ピンをそれに対応する前記突起部分と固着させる、請求項7に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項11】
前記固定手段は、前記アームの互いに反対側に位置する1対の外面に設けられた1対の出っ張り部材を有し、前記1対の出っ張り部材は、各前記突起部分の自由端に形成されたU字形チャネルのベースに着座し、各前記突起部分の互いに対向する内面の各々に、テーパ部材が形成され、前記テーパ部材は、前記突起部分の互いに対向する内面の間の距離が各前記突起部分の自由端から前記握り可能なベース部分に向かって減少するように、各前記突起部分の自由端から前記握り可能なベース部分に向かって延び、前記アーム及び前記テーパ部材は、前記アーム及び前記突起部分が正しく整列したときに、前記出っ張り部材がU字形チャネルのベースに正しく着座する補完的形状を有する、請求項7に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項12】
前記固定手段は、前記アームの互いに反対側に位置する外面の各々に設けられたキー部材を有し、スロットが、各突起部分の自由端に形成された座部に回転可能に取付けられた回転レシーバに形成され、各前記キー部材は、それに対応する前記スロットと係合可能であり、
前記回転レシーバの座部と前記突起部分の外面との間を延びる第2のスロットが形成され、前記回転レシーバのスロットを前記突起部分のスロットと整列させたとき、前記キー部材を第2スロットに通過させることによって、前記キー部材を前記回転レシーバのスロットに係合させることができ、
前記キー部材を、互いに整列した前記突起部分の第2のスロットと前記回転レシーバのスロットに係合させるとき、前記アームが前記ハンドルユニットに対して、前記第1位置と前記第2位置の中間の第3位置に位置決めされる向きで、前記キー部材が前記アームの上に位置し、
前記アームを前記第3位置から前記第1位置に向かって又は前記第2位置に向かって回転させるとき、前記回転レシーバのスロットが前記突起部分の第2のスロットと整列せず、それにより、前記アームを前記突起部分に対して、前記アームの中間位置以外の任意の位置で前記突起部分に係合した状態で固着させる、請求項7に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項13】
前記ロック手段は、前記アームのうちの前記ハンドルユニットに隣接して位置する部分を分離可能に固定するように構成されたキャッチ構造を有する、請求項2〜12の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項14】
前記キャッチ構造は、スナップ式の嵌合及び分離機構を有し、前記スナップ式の嵌合及び分離機構は、前記突起部分の互いに対向する内面の各々に形成された弾性変形可能な部材を有し、前記アームを前記キャビティに入れるとき、2つの前記弾性変形可能な部材が変形し且つ前記アームに弾性的に係合し、前記アームを前記ハンドルユニットにロックする、請求項13に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項15】
前記キャッチ構造は、前記アームを前記ハンドルユニットに取付ける箇所に形成される、請求項13に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項16】
前記ハンドルユニットは、1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを保管できるように構成された内部チャンバを有する、請求項1〜15の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項17】
前記ハンドルユニットの握り可能なベース部分は、管状壁を有し、前記内部チャンバは、前記管状壁によって構成される、請求項16に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項18】
1つ又は2つ以上の歯の手入れ用アタッチメントを保持するように構成された保持手段が、前記内部チャンバ内に設けられる、請求項17に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項19】
前記保持手段は、前記内部チャンバに沿って延びるラックシャフトを有し、前記ラックシャフトは、歯の手入れ用アタッチメントを保持する複数の箇所を有する、請求項18に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項20】
前記ラックシャフトは、前記シャフト部分と前記握り可能なベース部分とを係合させたときに前記ラックシャフトが前記握り可能なベース部分の開口端部を通って内部チャンバに入り且つ前記開口端部が前記シャフト部分の本体によって塞がれるように、前記シャフト部分に取付けられる、請求項19に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項21】
前記ラックシャフトは、着脱可能なインサートを有する、請求項19に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項22】
前記アームは、前記ハンドルユニットに分離可能に連結される、請求項1〜21の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項23】
前記アームの第1端部及び第2端部の各々は、歯の手入れ用アタッチメントと分離可能に係合する手段を有する、請求項1〜22の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項24】
前記アームの第1端部の歯の手入れ用アタッチメントは、歯ブラシヘッドを含み、前記アームの第2端部の歯の手入れ用アタッチメントは、使い捨て可能なデンタルフロスヘッドを含む、請求項1〜23の何れか1項に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項25】
前記デンタルフロスヘッドは、ブラケット部材を有し、一定長さのデンタルフロスが前記ブラケット部材を横断するように構成される、請求項24に記載の歯の手入れ用器具。
【請求項26】
添付図面に示しかつ添付図面に関連して本明細書に説明したものと実質的に同じである、歯の手入れ用器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図16a】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図16a】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2011−528966(P2011−528966A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520443(P2011−520443)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059616
【国際公開番号】WO2010/012668
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511025123)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059616
【国際公開番号】WO2010/012668
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(511025123)
【Fターム(参考)】
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