説明

歯ブラシ

テーパ付き剛毛およびテーパなし剛毛を備える剛毛を有する歯ブラシヘッドであって、テーパなし剛毛は、第1の長い長さLNおよび第2の短い長さLNである、面からの2つの異なる長さまで延在する、歯ブラシヘッド。好ましい実施形態では、テーパなし剛毛は、グリップハンドルから離れ、また、グリップハンドルに向かう反対方向に傾斜する房内のテーパ付き剛毛と組合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯ブラシ、特に歯ブラシヘッドの剛毛構成に関する。特に、本発明は、テーパ付き剛毛繊維を備える改良型歯ブラシ剛毛構成に関する。
【背景技術】
【0002】
歯ブラシは、ユーザの口に挿入するためのヘッドおよび使用中に保持される把持ハンドルを一般に備え、首領域がその間にあるよく知られている製品である。歯ブラシヘッドは、通常、本明細書で「剛毛表面(bristle surface)」と呼ばれる表面を有し、剛毛表面から、剛毛が、剛毛表面に最も近い剛毛の下端から剛毛表面から遠い上端まで延在する。歯ブラシ剛毛はまた、剛毛表面から延在する複数の繊維の房で配設された、剛性があるが柔軟性がある材料の繊維を一般に含むよく知られている製品である。ポリアミドナイロンは、歯ブラシ剛毛材料として非常によく使用される。
【0003】
ほとんどの歯ブラシにおいて、剛毛繊維は、端が丸い最上端を除いてその下端からその上端までその全長に沿って同じ断面を有するが、浅い全体が円錐の傾斜プロファイルでその上端に向かってその断面が減少するテーパ付き剛毛を使用することも知られている。テーパ付き剛毛は、上端で薄いが、テーパなし繊維に対して異なる曲げ特性や柔軟性を有する。特に、テーパ付き剛毛は、歯の間の空間、いわゆる「歯間(interproximal)」腔に達するときの有効性のために知られている。たとえば、こうした剛毛は、とりわけ、EP−A−1 234 525、EP−A−1 415 572、US−A−6,546,586、WO−A−97/42853、WO−A−97/42854、WO−A−01/32053、WO−A−82741、EP−A−0 596 633に開示される。
【0004】
剛毛表面上でのテーパ付き剛毛の特定の相対的配置も知られている。たとえばUS−A−6,546,586は、各房が、一様断面の短い繊維およびその上端に向かってテーパが付く長い繊維の形態で、ポリブチレンテレフタレートでできた複数の剛毛繊維を含む歯ブラシヘッドを開示する。たとえば電気歯ブラシ用のヘッドを開示するUS−A−2006/0096053から、歯ブラシヘッド上でテーパ付き剛毛とテーパなし剛毛を組合せることが知られている。他の開示、たとえばUS−A−3,103,679、WO−A−96/16571、およびDE−A−35 28 596から、房内で長い剛毛と短い剛毛を組合せることも知られている。
【0005】
一般に、こうしたテーパ付き剛毛を生産する2つの方法が存在する。1つの方法は、剛毛繊維の端を化学的に侵食することである。他の方法は、剛毛繊維をテーパになるように機械的に研磨することである。特に、テーパ付き剛毛とテーパなし剛毛との間で長さの差を達成するために、剛毛繊維を、歯ブラシヘッド上でその位置で正確に機械的に研磨することが難しいことが過去にわかった。WO−A−96/16571に開示されるタイプの知られている歯ブラシは、口内感触が悪いため、商業的に成功しなかったことが知られている。しかし、最近の新しい機械的剛毛研磨技術は、特にテーパなし剛毛と組合せた、テーパ付き歯ブラシ剛毛の、長さの変化、傾斜、房形成パターンなどを探求する新しい可能性を広げた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
テーパ付き剛毛繊維を組み込む改良型歯ブラシヘッドを提供すること、たとえば、特に歯間腔において、歯肉縁で、歯肉下へのアクセスにおいて、歯の清掃を提供し、同様に、製造の利点を有することを特に意図して、テーパ付き剛毛とテーパなし剛毛の組合せを有する歯ブラシヘッドの可能性を探求することが本発明の目的である。本発明の他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、剛毛の複数の房がそこから延在する剛毛表面を有する歯ブラシヘッドにおいて、前記剛毛は、それぞれが複数の剛毛を含む複数の房で配列され、前記剛毛は、複数のテーパ付き剛毛および複数のテーパなし剛毛を備える、歯ブラシヘッドであって、前記テーパなし剛毛は、第1の長い長さLNおよび第2の短い長さLNである、表面(剛毛表面)からの2つの異なる長さまで延在する歯ブラシヘッドが提供される。
【0008】
用語「テーパ付き剛毛(tapered bristles)」は、歯ブラシ剛毛技術の用語であり、同義語は、たとえばUS−A−2006/0096053で使用される「尖った剛毛(pointed bristles)」またはたとえばEP 1 425 989Bで使用される「針形状の剛毛(needle shaped bristles)」である。こうした「テーパ付き剛毛」は、剛毛面から遠いその長さのかなりの部分、たとえば剛毛表面から遠いその長さの10〜50%にわたって全体が円錐のテーパ付きプロファイルを有する。「テーパなし剛毛(non-tapered bristles)」は、慣例的に、剛毛表面から遠いその一番端が丸くされて、ユーザの軟部組織に対する、普通ならギザギザの端による損傷を防止するのに役立つことを除いて、実質的に一様な断面を有する点で、こうしたテーパ付き剛毛から区別される。当技術分野で、この従来の方法で端が丸くされているだけの剛毛は、「テーパ付き剛毛」ではない。
【0009】
本発明の歯ブラシヘッドでは、テーパなし剛毛は、その全てが、実質的に長さLNだけであるかまたは長さLNだけであるように、実質的に2つだけの別々の長さLNおよびLNまで延在してもよく、これらの2つの長さの間にテーパなし剛毛の長さの連続体は存在しない。
【0010】
本発明の歯ブラシヘッドでは、テーパ付き剛毛は、たとえば、第1の長い長さLTおよび第2の短い長さLTである、表面からの2つの異なる長さまで延在してもよい。たとえば、こうしたテーパ付き剛毛は、テーパ付き剛毛が全て、実質的に長さLTだけであるかまたは長さLTだけであるように、実質的に2つだけの別々の長さLTおよびLTまで延在してもよく、これらの2つの長さの間にテーパなし剛毛の長さの連続体は存在しない。
【0011】
本発明は、種々の実施形態で実現されてもよい。
【0012】
一実施形態では、複数の房の1つまたは複数はそれぞれ、複数のテーパ付き剛毛および複数のテーパなし剛毛を備えてもよく、テーパなし剛毛は、第1の長い長さLNおよび第2の短い長さLNである、面からの2つの異なる長さまで延在する。
【0013】
この実施形態では、こうした1つまたは複数の房において、テーパ付き剛毛は全て、テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてもよい、実質的に同じ長さLTであってよい。あるいはこの実施形態では、こうした1つまたは複数の房内で、テーパ付き剛毛は、2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTであり、LTおよびLTは共に、テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてもよい。
【0014】
別の実施形態では、剛毛表面上の房は、テーパなし剛毛を含む房を備え、こうした房では、テーパなし剛毛は、第1の長い長さLNおよび第2の短い長さLNである、表面からの2つの異なる長さまで延在し、テーパ付き剛毛は、これらの房と別個の房に含まれる。テーパ付き剛毛を含むこうした房は、テーパ付き剛毛だけを含んでもよい。
【0015】
この実施形態では、テーパ付き剛毛を含む房において、テーパ付き房はその全てが、テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてよい、実質的に同じ長さLTを有し得る。あるいはこの実施形態では、テーパ付き剛毛を含むこうした1つまたは複数の房において、テーパ付き剛毛は、2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTであってよく、LTおよびLTは共に、テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてよい。
【0016】
別の実施形態では、剛毛表面上の房は、第1の長い長さLNだけであるテーパなし剛毛を含む房、および、第2の短い長さLNだけであるテーパなし剛毛を含む房を備え、テーパ付き剛毛は、テーパなし剛毛を含むこれらの房と別個の房に含まれる。
【0017】
この実施形態では、テーパ付き剛毛を含む房において、テーパ付き房はその全てが、テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてよい、実質的に同じ長さLTを有し得る。あるいはこの実施形態では、1つまたは複数のこうした房内では、テーパ付き剛毛は、2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTを有してもよく、長さLTおよびLTは共に、テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてもよい。
【0018】
これらの後者の2つの実施形態では、テーパなし剛毛を含む1つまたは複数の房は、テーパ付き剛毛を含む1つまたは複数の房と長手方向に交互に配置されてもよい。最後に述べた実施形態では、第1の長い長さLNのテーパなし剛毛を含む1つまたは複数の房は、第2の短い長さLNのテーパなし剛毛を含む1つまたは複数の房と長手方向に交互に配置されてもよい。
【0019】
別の実施形態では、剛毛表面上の房は、第1の長い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む房、および、第2の短い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む房を備え、こうした房は、テーパ付き剛毛を含んでもよい。
【0020】
たとえば、この最後の実施形態では、第1の長い長さLNのテーパなし剛毛を含む房だけが、同様にテーパ付き剛毛を含んでもよい。あるいは、第2の短い長さLNの前記テーパなし剛毛を含む房だけが、同様にテーパ付き剛毛を含んでもよい。あるいは、第1の長い長さLNのテーパなし剛毛を含む房および第2の短い長さLNのテーパなし剛毛を含む房は共に、テーパ付き剛毛を含んでもよい。
【0021】
たとえば、この最後の実施形態では、テーパ付き剛毛は全て、テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてよい、実質的に同じ長さLTであってよい。あるいはこの実施形態では、テーパ付き剛毛は、2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さであり、こうした長い長さおよび短い長さは共に、テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてもよい。あるいはこの実施形態では、テーパ付き剛毛は、2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTであってよく、LTおよびLTは共に、テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてもよい。たとえば、LTとLTとの差は、LNとLNとの差に対応してもよい。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、歯ブラシ把持ハンドルに接続されているかまたは接続可能であり、それにより、ヘッド−把持ハンドル長手方向を規定する、歯ブラシヘッドが提供され、ヘッドは、長手方向に細長く、かつ、長手方向に垂直な、ヘッドを横切る幅方向を有し、ヘッドは、剛毛の複数の房がそこから延在する剛毛表面を有し、複数の剛毛房は、
剛毛表面から遠い剛毛の端部が、剛毛表面に最も近い端部に比べてハンドルから長手方向に遠くなるように、剛毛表面に対して75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜する少なくとも1つの第1の房と、
第1の房から幅方向に離間した少なくとも1つの第2の房であって、剛毛表面から遠い剛毛の端部が、剛毛表面に最も近い端部に比べてハンドルに対して長手方向に近くなるように、剛毛表面に対して75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜する、少なくとも1つの第2の房とを備え、
複数の剛毛房において、少なくとも1つの第1の房および/または少なくとも1つの第2の房は、テーパ付き剛毛を備え、
複数の第1の房は、長い長さを有する第1の房および短い長さを有する第1の房を備え、複数の第2の房は、長い長さを有する第2の房および短い長さを有する第2の房を備えてもよい。
【0023】
この態様では、好ましくは、剛毛表面に沿う長手方向成分に関して延在する線に沿って配列された複数の第1の房、および、剛毛表面に沿う長手方向成分に関して延在する線に沿って配列された複数の第2の房が存在し、第1の房の線は第2の房の線から幅方向に離間する。こうした線は、長手方向に平行、長手方向に鋭角、湾曲、ジグザグ、または曲線であってよい。歯ブラシヘッドの幅を横切って、第1の房および第2の房の複数のこうした線の対が存在してもよい。
【0024】
この態様では、それぞれの長い長さは同じであってよい。それぞれの短い長さは同じであってよい。この実施形態では、第1および第2の房の長い長さは同じであってよく、第1および第2の房の短い長さは同じであってよい。
【0025】
この態様では、第1の房の線上で、長い長さの個々の房は、短い長さの房と長手方向に交互に配置されてもよい。同様に、第2の房の線上で、長い長さの個々の房は、短い長さの房と長手方向に交互に配置されてもよい。あるいは、房の線上で、長い長さまたは短い長さの個々の房は、それぞれ短い長さまたは長い長さの2つ以上の房と長手方向に交互に配置されてもよい。あるいは、房の線上で、長い長さまたは短い長さの2つ以上の房は、それぞれ短い長さまたは長い長さの1つまたは複数の房と長手方向に交互に配置されてもよい。この実施形態では、適切には、テーパ付き剛毛の長さは、第1および第2の房の短い長さより長い、好ましくは、第1および第2の房の長い長さより長い。
【0026】
この態様では、好ましくは、傾斜角度は剛毛表面に対して78〜82°であり、好ましくは、房は全て剛毛表面に対して同じ鋭い傾斜角度で傾斜するが、第1および第2の房は反対方向に傾斜する。
【0027】
本発明の第3の態様では、歯ブラシヘッドは、剛毛の複数の房がそこから延在する剛毛表面を有し、複数の剛毛房は、
剛毛表面から遠い剛毛の端部が、剛毛表面に最も近い端部に比べてハンドルから長手方向に遠くなるように、剛毛表面に対して75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜する少なくとも1つの第1の房と、
第1の房から幅方向に離間した少なくとも1つの第2の房であって、剛毛表面から遠い剛毛の端部が、剛毛表面に最も近い端部に比べてハンドルに対して長手方向に近くなるように、剛毛表面に対して75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜する、少なくとも1つの第2の房とを備え、
複数の第1の房は、長い長さLNを有するテーパなし剛毛を備える房、および、短い長さLNを有するテーパなし剛毛を備える房を備え、
少なくとも1つの第1の房および/または少なくとも1つの第2の房は、同様にテーパ付き剛毛を備える。
【0028】
この態様では、第1および第2の房内のテーパなし剛毛のそれぞれの長い長さLNは同じであってよい。この実施形態では、第1および第2の房内のテーパなし剛毛のそれぞれの短い長さLNは同じであってよい。
【0029】
この態様では、長い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む個々の第1の房は、短い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む第1の房と長手方向に交互に配置されてもよい。同様に、第2の房の線上で、長い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む個々の第2の房は、短い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む第2の房と長手方向に交互に配置されてもよい。
【0030】
あるいは、長い長さLNまたは短い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む個々の第1の房は、それぞれ短い長さLNまたは長い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む2つ以上の房と長手方向に交互に配置されてもよい。
【0031】
あるいは、長い長さLNまたは短い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む2つ以上の房は、それぞれ短い長さLNまたは長い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む2つ以上の房と長手方向に交互に配置されてもよい。
【0032】
この態様では、適切には、テーパ付き剛毛の長さLTは、テーパなし剛毛の短い長さLNより長い、好ましくは、テーパなし剛毛の長い長さLNより長い。
【0033】
ある実施形態では、長いテーパリング剛毛および短いテーパリング剛毛は、長さが7mm以下でたとえば4mm以下だけ、たとえば2〜4mm異なる。
【0034】
通常、短いテーパリング剛毛が剛毛表面から延在する長さは9±1mmであり、長いテーパリング剛毛が剛毛表面から延在する長さは13±1mmである。
【0035】
通常、テーパリング剛毛は、断面が、通常0.1〜0.25mm、たとえば最大で0.15〜0.20mmの円であってよい。これは、歯ブラシ剛毛繊維についての典型的な標準寸法である。一構造体では、各房は、2〜12の長いテーパリング剛毛および20〜30の短いテーパリング剛毛を含んでもよい。
【0036】
テーパリング剛毛と非テーパリング剛毛の両方を含む房では、房内の5〜7のテーパリング剛毛および26〜28の非テーパリング剛毛が、最適な効果のための適した数であることが見出された。
【0037】
房内のこの範囲の数の長いテーパリング剛毛および短いテーパリング剛毛は、許容可能な口内感触を提供し、歯間に長い剛毛を入れるという点で有利でありうることが見出された。少な過ぎる長い剛毛は、ユーザにとって心地よく感じさせない可能性があり、多過ぎると、歯間に多数の長い剛毛入れることは容易でない可能性がある。
【0038】
長いテーパリング剛毛および短いテーパリング剛毛は、種々の方法で房内に配設されてもよい。たとえば、長い剛毛は、房の中心長手方向軸の周りに主に配設されてもよい。たとえば別法として、長い剛毛は、房内に本質的にランダムに配設されてもよい。
【0039】
本発明の歯ブラシヘッドでは、テーパリング剛毛を備える房は、ヘッドの剛毛表面上に種々の方法で配設されてもよい。たとえば歯ブラシヘッド上の房は全て、こうした房を備えてもよく、剛毛表面上に従来のパターンで配設されてもよい。たとえばこうした房は、テーパなし剛毛だけを備える房と組合せて、ヘッドの剛毛表面上にあるパターンで配設されてもよい。
【0040】
通常、テーパリング剛毛は、ポリアミド、たとえばナイロン、特に材料Tynex(登録商標)で作られてもよい。これは、特に、剛毛繊維の端をテーパリングプロファイルに研磨することが可能な入手機械の現在の最適化状態およびTynex(登録商標)としてのこうした剛毛繊維材料の特性による。
【0041】
好ましいプロセスでは、本発明の歯ブラシヘッドは、テーパ付き剛毛になる剛毛が、最初に面内に固着され(fix)、剛毛の上端が、その後、テーパ付き形状に機械的に研磨されるプロセスによって作られてもよい。こうした機械研磨を行うことができる機械は、歯ブラシ製造技術で知られている。
【0042】
この固着は、たとえば、面内の房ソケット穴への挿入によって、または、ヘッドが作られる射出成形プロセス中にヘッドの熱い流体可塑性材料内へ剛毛が固着されるいわゆる「アンカーレス(anchorless)」プロセスによってもよい。
【0043】
あるいは、剛毛繊維は、既にテーパが付いた形態で購入されてもよい。2つの主要なタイプのこうした市販のテーパリング剛毛繊維が存在する。
【0044】
ダブルエンド剛毛繊維は、両端にテーパが付けられ、繊維を中央で「U」形状に折り曲げ、従来のアンカーを使用して、剛毛表面内のソケット穴に、「U」形状の折り曲げた中央領域を配置することによって歯ブラシ剛毛表面に通常搭載される。本発明の歯ブラシヘッドでは、テーパリングおよび非テーパリング剛毛繊維は、慣例的に、「U」形状で折り曲げられ、「U」の屈曲部が、ソケット穴に挿入され、従来の金属アンカーによってソケット穴内に保持された、こうした両端付き繊維を備えてもよい。こうした構造体では、「U」形状繊維の各長さは、剛毛表面から延在する2つの剛毛を提供する。
【0045】
シングルエンド剛毛繊維は、一端だけにテーパが付けられ、テーパなし端に近い繊維を「J」形状に折り曲げ、従来の「アンカー」を使用して剛毛表面内のソケット穴内に「J」形状の折り曲げた端領域を配置することによって歯ブラシ剛毛表面内に通常搭載される。
【0046】
さらなる態様では、本発明は、本明細書で述べたヘッドを備える歯ブラシを提供する。
【0047】
本発明のハンドルおよび歯ブラシヘッドは、可塑性材料およびエラストマー材料などの知られている材料で作られてもよく、知られている特徴を組み込んでもよい。たとえばハンドルは、ハンドルの柔軟性を修正する特徴、たとえばEP−A−0336641に開示される折り曲げられた領域を組み込んでもよい。たとえばヘッドとハンドルとの間の接続は、たとえばWO−A−9724949に開示される柔軟接続であってよい。たとえば歯ブラシヘッドは、たとえばWO−A−9707707に開示される、フレキシブルリンクされたセグメントに分割されてもよい。たとえばヘッドとハンドルとの間の接続は、柔軟接続であってよく、歯ブラシヘッドは、たとえばWO−A−9837788に開示される、フレキシブルリンクされたセグメントに分割されてもよい。
【0048】
本発明の歯ブラシは、手動式、すなわち、手のアクションだけによってユーザの歯に接触させられる歯ブラシであってよく、または、ヘッドの剛毛が、電気式、たとえば電気駆動式モータによって移動する電動歯ブラシであってよい。
【0049】
本発明は、以下添付図を参照して実施例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】歯ブラシを一般に示す図である。
【図2】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図3】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図4】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図5】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図6】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図7】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図8】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図9】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図10】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図11】本発明の歯ブラシヘッドの剛毛の配置を示す図である。
【図12】剛毛表面に対して非垂直角度で傾斜する房の配置を示す図である。
【図13】剛毛表面に対して非垂直角度で傾斜する房の配置を示す図である。
【図14】剛毛表面に対して非垂直角度で傾斜する房の配置を示す図である。
【図15】剛毛表面に対して非垂直角度で傾斜する房の配置を示す図である。
【図16】剛毛表面に対して非垂直角度で傾斜する房の配置を示す図である。
【図17】剛毛表面に対して非垂直角度で傾斜する房の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1では、ユーザの口に挿入するためのヘッド10および使用中に保持される把持ハンドル11を備え、首領域12がその間にある歯ブラシが一般に示される。歯ブラシヘッド10は、ハッチング線で示すヘッド−ハンドル方向の長手方向L- -Lを有する。歯ブラシヘッド10は、剛毛表面に最も近い下端から剛毛表面13から遠い上端まで剛毛方向Bに、剛毛の複数の房14(全体が示される)がそこから延在する、本明細書で「剛毛表面(bristle surface)」と呼ばれる表面13を有する。
【0052】
図1はまた、2つの剛毛14の剛毛表面13から遠い端部を詳細に示す。15は、テーパなし剛毛であり、その長さのほとんど全て、すなわち、たとえば95%以上の領域15Aについて全体が円柱のプロファイルを有し、約5%以下の一番端15Bが、滑らかな曲線 、たとえば楕円で丸くなっている。16は、テーパ付き剛毛であり、剛毛表面13に近く、その長さの約70%以上までの領域16Aにおいて全体が円柱のプロファイルを有するが、剛毛表面から遠い領域16Bにわたるその長さの一番端、たとえば30%以下の部分について、鋭く全体が円錐の先端でテーパが付けられている。
【0053】
図2では、本発明の歯ブラシの実施形態の剛毛表面が側面図で示される。この実施形態では、剛毛表面に最も近い、また、剛毛表面から最も遠い、剛毛表面13から延在する剛毛の単一の房21の端部が詳細に示される。房21は、テーパ付き剛毛22および複数のテーパなし剛毛23、24を備える。テーパなし剛毛23、24は、第1の長い長さLNのテーパなし剛毛23および第2の短い長さLNのテーパなし剛毛24を備える。テーパなし剛毛は全て、第1の長い長さLNまたは第2の短い長さLNのいずれかである。図2に示す実施形態では、テーパ付き剛毛22は全て、テーパなし剛毛23の第1の長い長さLNより長い、実質的に同じ長さLTである。
【0054】
図3では、図2に示す構造体の変形が示される。単一の房31(図1で見られる房14である)は、テーパ付き剛毛32、33および複数のテーパなし剛毛34、35を備える。テーパなし剛毛34、35は、第1の長い長さLNのテーパなし剛毛34および第2の短い長さLNのテーパなし剛毛35を備える。房31内で、テーパ付き剛毛32、33は、2つのそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTであり、LTおよびLTは共に、テーパなし剛毛34の第1の長い長さLNより長い。テーパなし剛毛は全て、第1の長い長さLNまたは第2の短い長さLNのいずれかである。
【0055】
図4では、本発明の歯ブラシヘッドの別の実施形態の剛毛構成が、側面図で示される。この実施形態では、剛毛表面13から延在する剛毛の複数の房41、42が示される。房41は、テーパなし剛毛を含み、こうした房41では、テーパなし剛毛は、第1の長い長さLNおよび第2の短い長さLNである、表面からの異なる長さまで延在する。テーパなし剛毛は全て、第1の長い長さLNまたは第2の短い長さLNのいずれかである。テーパ付き剛毛だけを含む房42は、房41から離れている。房42では、テーパ付き剛毛は全て、房41内のテーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い、実質的に同じ長さLTである。
【0056】
図5では、図4に示す構成の変形が示され、図4と共通の部分は、共通の番号が付けられている。この変形では、房51内で、2つのそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTを有するテーパ付き剛毛が存在し、LTおよびLTは共に、房41内のテーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い。テーパ付き剛毛は全て、第1の長い長さLTまたは第2の短い長さLTのいずれかである。
【0057】
図6では、本発明の歯ブラシヘッドの別の実施形態の剛毛構成が、側面図で示される。この実施形態では、剛毛表面13上の(全体的な)房61は、第1の長い長さLNだけであるテーパなし剛毛を含む房62、および、第2の短い長さLNだけであるテーパなし剛毛を含む房63を備える。テーパなし剛毛は全て、第1の長い長さLNまたは第2の短い長さLNのいずれかである。テーパ付き剛毛は、テーパなし剛毛を含むこれらの房62および63と別個の房64内に含まれる。テーパ付き剛毛を含む房64では、テーパ付き剛毛は、房62内のテーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い、実質的に同じ長さLTである。あるいは、(図示しない)LTは、第1の長い長さLNと同じかまたはそれより短くてもよい。
【0058】
図7では、図6の構造体の変形が示され、図6と共通の特徴は、相応して番号が付けられている。図7では、房71内で、テーパ付き剛毛は、2つのそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTである。この変形では、LTおよびLTは共に、房63内のテーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長くてもよい。テーパ付き剛毛は全て、第1の長い長さLTまたは第2の短い長さLTのいずれかである。
【0059】
図4、5、6、および7の実施形態では、テーパなし剛毛を含む1つまたは複数の房41、62、63は、テーパ付き剛毛を含む1つまたは複数の房42、51、64、71と長手方向に交互に配置されてもよい。たとえば、第1の長い長さLNのテーパなし剛毛を含む1つまたは複数の房62は、第2の短い長さLNのテーパなし剛毛を含む1つまたは複数の房63と長手方向に交互に配置されてもよい。たとえば、これは、図6および7に示される。
【0060】
図8では、本発明の歯ブラシヘッドの別の実施形態の剛毛構成が、側面図で示される。この実施形態では、剛毛表面13上の房は、第1の長い長さLNであるテーパなし剛毛を含む房81、および、第2の短い長さLNのテーパなし剛毛を含む房82を備える。テーパなし剛毛は全て、第1の長い長さLNまたは第2の短い長さLNのいずれかである。房82はまた、全てが同じ長さLTであるテーパ付き剛毛83を含む。長さLTは、第1の長い長さLNと同じである。
【0061】
図9では、本発明の歯ブラシヘッドの別の実施形態の剛毛構成が、側面図で示される。この実施形態では、剛毛表面上の房は、第1の長い長さLNであるテーパなし剛毛を含む房91、および、第2の短い長さLNのテーパなし剛毛を含む房92を備える。テーパなし剛毛は全て、第1の長い長さLNまたは第2の短い長さLNのいずれかである。房91はまた、全てが同じ長さLT(LNより長い)であるテーパ付き剛毛93を含む。
【0062】
図10では、本発明の歯ブラシヘッドの別の実施形態の剛毛構成が、側面図で示される。この実施形態では、剛毛表面13上の房は、第1の長い長さLNであるテーパなし剛毛を含む房101、および、第2の短い長さLNのテーパなし剛毛を含む房102を備える。テーパなし剛毛は全て、第1の長い長さLNまたは第2の短い長さLNのいずれかである。房101と102は共に、全てが同じ長さLT(LNより長い)であるテーパ付き剛毛103、104を含む。
【0063】
図11では、本発明の歯ブラシヘッドの別の実施形態の剛毛構成が、側面図で示される。この実施形態では、剛毛表面上の房は、第1の長い長さLNであるテーパなし剛毛を含む房111、および、第2の短い長さLNのテーパなし剛毛を含む房112を備える。テーパなし剛毛は全て、第1の長い長さLNまたは第2の短い長さLNのいずれかである。房112はテーパ付き剛毛113を含み、房111はテーパ付き剛毛114を含む。テーパ付き剛毛113および114は、それぞれ2つの異なる長さLTおよびLTであり、LTとLTとの差は、LNとLNとの差に対応する。テーパ付き剛毛は共に、第1の長い長さLTまたは第2の短い長さLTのいずれかである。
【0064】
図8、9、10、および11の実施形態では、房81、81;91、92;101、102、および111、112は、剛毛表面13に沿って長手方向に交互に配置される。
【0065】
図12〜17は、本発明の第2および第3の態様の歯ブラシヘッドを例示する。
【0066】
図12では、本発明の歯ブラシのヘッド121および首122の長手方向にすぐ隣の部分の、幅方向に見る断面図が示される。首122は、把持ハンドル(図示せず)と一体になるようにヘッド121を接続する。剛毛表面123から、剛毛の複数の房124が端から端まで延在する。複数の剛毛房124は、剛毛表面123から遠い剛毛の端部が、剛毛表面123に最も近い端部に比べてハンドルから長手方向に遠くなるように、剛毛表面に対して鋭角「A1」75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜した複数の第1の房1241を備える。房124はさらに、第1の房1241から幅方向に離間した複数の第2の房1242を備え、第2の房1242はまた、剛毛表面123から遠い剛毛の端部が、剛毛表面123に最も近い端部に比べてハンドルに対して長手方向に近くなるように、剛毛表面に対して鋭角「A2」75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜している。
【0067】
第1の房1241と第2の房1242は、剛毛表面123に沿う長手方向成分に関して延在する各線上に配列される。こうした配置は、房1241、1242が傾斜する方向を示す平面図13でより明確に示される。
【0068】
図12に示すように、複数の第1および第2の房1241および1242は、長い長さLNを有するテーパなし剛毛を備えた房と、短い長さLNを有するテーパなし剛毛を備えた房を有している。そして、それぞれの長い長さLNの房は同じであり、それぞれの短い長さLNの房は同じである。
【0069】
長さLNのテーパなし剛毛を含む第1および第2の房1241および1242はまた、テーパ付き剛毛125を備え、これらのテーパ付き剛毛は、テーパ付き剛毛125が房内のテーパなし剛毛の端部を超えるように、テーパなし剛毛の長さLNより長い長さLTを有する。
【0070】
図12に示すように、長い長さLNの個々の房は、短い長さLNの房と長手方向に交互に配置される。
【0071】
テーパ付き剛毛125を含む長い長さLNの房1241、1242の間で長手方向に、テーパ付き剛毛を含むのではなくテーパなし剛毛を含む長さLNの短い房が存在する。
【0072】
図13に示す構造体では、ハンドル首122から遠いヘッド121の端部に隣接して、矢印で示す方向、すなわち第1の房1241と同じ方向に傾斜する複数の房126のクラスタが存在する。これらの房126は、房1241内のテーパなし剛毛と同じ長さのテーパなし剛毛、および、テーパ付き剛毛であって、房126内のテーパなし剛毛の端部を超えてテーパ付き剛毛が延在するように、房126内のテーパなし剛毛の長さより長い長さを有する、テーパ付き剛毛を備える。
【0073】
図14を参照して、これは、図12と類似の図で本発明の別の実施形態を示す。図14は、ヘッド141、および、把持ハンドル(図示せず)と一体になるようにヘッド141を接続する首142の長手方向にすぐ隣の部分の、幅方向に見る側面図を示す。剛毛表面143から、剛毛の複数の房144が端から端まで延在する。複数の剛毛房144の配置は、図12に示す房と類似するが、図14に示す配置では、短い長さである房145、146はまた、テーパ付き剛毛147およびテーパなし剛毛を含み、テーパ付き剛毛147の長さは房145、146内のテーパなし剛毛の長さより長い。長い長さの房148はまた、テーパ付き剛毛149およびテーパなし剛毛を含み、テーパ付き剛毛149の長さは房148内のテーパなし剛毛の長さより長い。
【0074】
図15を参照して、これは、図14と類似の図で本発明の別の実施形態を示す。図15は、ヘッド151、および、把持ハンドル(図示せず)にヘッド141を一体に結合する首152の長手方向にすぐ隣の部分の、幅方向に見る側面図を示す。剛毛表面153から、剛毛の複数の房154が端から端まで延在する。複数の剛毛房154の配置は、図12に示す房124と類似するが、図15に示す配置では、長い長さである第1の房155は、全体が長い長さを有するテーパ付き剛毛からなる。長い長さを有する第2の房156は、テーパなし剛毛とテーパ付き剛毛157を共に備え、テーパ付き剛毛157は、房156内のテーパなし剛毛より長い。房155、156より短い長さの房158は、テーパなし剛毛だけを備える。
【0075】
図16を参照して、これは、歯ブラシヘッド161、および、把持ハンドル(図示せず)と一体になるようにヘッド161を接続するすぐ隣の首162の部分の、長手方向L−Lおよび幅方向W−Wに垂直な方向に剛毛表面163を見下ろす平面図を示す。図13と同様の配置では、第1の房164、165および第2の房166のパターンは、(全体的に)剛毛表面163から延在し、矢印は、房164、165、166のそれぞれの傾斜方向を示す。図16では、テーパ付き剛毛およびテーパなし剛毛を含み、テーパ付き剛毛がテーパなし剛毛より長い第1の房1641、1642の対は、テーパなし剛毛だけからなる個々の第1の房1643と一直線上に長手方向に交互に配置される。房164、165、166では、たとえば上記図12〜15の構造体と類似の、それぞれ長い長さおよび短い長さである房が存在する。この配置では、第2の房166および第1の房の遠い線165は、全体がテーパなし剛毛からなる。したがって、この配置では、剛毛表面163上の房164、165、166のパターンにおいて幅方向に最も外側である第1の房の線164だけがテーパ付き剛毛を含む。
【0076】
図13と類似して、ハンドル162から最も遠いヘッド161の端部に隣接して、長い長さの房167のクラスタが存在し、房167は、第1の房164、165の方向に傾き、テーパなし剛毛およびテーパ付き剛毛を備え、これらの房167内のテーパ付き剛毛はテーパなし剛毛より長い。
【0077】
テーパ付き剛毛を含む房が、房の幅方向に最も外側の線だけに設けられてもよく、たとえば図12〜15に示すように、テーパ付き剛毛の他の配置で設けられうることが当業者にすぐに明らかになるであろう。
【0078】
たとえば、図17を参照して、これは、歯ブラシヘッド171、および、把持ハンドル(図示せず)と一体になるようにヘッドを接続するすぐ隣の首172の部分の、長手方向L−Lおよび幅方向W−Wに垂直な方向に剛毛表面173を見下ろす平面図を示す。図16と同様の配置では、第1の房174、175および第2の房176のパターンは、図16と類似の配置で剛毛表面173から延在し、矢印は、房のそれぞれの傾斜方向を示す。図17では、第1の房174は全て、テーパ付き剛毛およびテーパなし剛毛を含み、これらの房174では、テーパ付き剛毛は、房174内のテーパなし剛毛より長い。房174、175、176では、たとえば上記図12〜16の構造体と類似の、長い長さおよび短い長さである房が存在する。この配置では、第2の房176および第1の房の遠い線175は、全体がテーパなし剛毛からなる。したがって、この配置では、剛毛表面173上の房174、175、176のパターンにおいて幅方向に最も外側である第1の房の線174だけがテーパ付き剛毛を含む。図13と類似して、ハンドル172から最も遠いヘッド171の端部に隣接して、長い長さの房177のクラスタが存在し、房177は、第1の房164の方向に傾き、テーパなし剛毛だけを備える。通常、図12〜17では、長い長さは11〜13mmであってよく、短い長さは9〜11mmであってよい。たとえば、テーパ付き剛毛は、長い長さより1〜5mm、たとえば2〜4mm長くてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛毛の複数の房がそこから延在する剛毛表面を有し、前記剛毛は、それぞれが複数の剛毛を含む複数の房で配列され、前記剛毛は、複数のテーパ付き剛毛および複数のテーパなし剛毛を備える、歯ブラシヘッドであって、
前記テーパなし剛毛は、前記表面から2つの異なる長さである第1の長い長さLNおよび第2の短い長さLNまで延在することを特徴とする歯ブラシヘッド。
【請求項2】
前記テーパなし剛毛はその全てが、実質的に長さLNだけであるかまたは長さLNだけであるように、実質的に2つだけの別々の長さLNおよびLNまで延在する請求項1に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項3】
前記テーパ付き剛毛は、第1の長い長さLTおよび第2の短い長さLTである前記表面からの2つの異なる長さまで延在する請求項1または2に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項4】
前記テーパ付き剛毛はその全てが、実質的に長さLTだけであるかまたは長さLTだけであるように、実質的に2つだけの別々の長さLTおよびLTまで延在する請求項3に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項5】
前記複数の房の1つまたは複数はそれぞれ、複数のテーパ付き剛毛および複数のテーパなし剛毛を備え、前記テーパなし剛毛は、前記表面から2つの異なる長さである第1の長い長さLNおよび第2の短い長さLNまで延在する請求項1から4のいずれかに記載の歯ブラシヘッド。
【請求項6】
前記1つまたは複数の房において前記テーパ付き剛毛はその全てが、前記テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い、実質的に同じ長さLTを有している請求項5に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項7】
前記1つまたは複数の房において、前記テーパ付き剛毛は2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTを有し、LTおよびLTは共に前記テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い請求項5に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項8】
前記剛毛表面上の前記房は前記テーパなし剛毛を含む房を備え、前記房において、前記テーパなし剛毛は、前記表面から2つの異なる長さである第1の長い長さLNおよび第2の短い長さLNまで延在し、前記テーパ付き剛毛は前記房と別個の房に含まれる請求項1から4のいずれかに記載の歯ブラシヘッド。
【請求項9】
テーパ付き剛毛を含む房において前記テーパ付き剛毛はその全てが、前記テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い、実質的に同じ長さLTを有している請求項8に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項10】
テーパ付き剛毛を含む1つまたは複数の房において、前記テーパ付き剛毛は2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTを有し、LTおよびLTは共に前記テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い請求項8に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項11】
前記剛毛表面上の前記房は、第1の長い長さLNだけであるテーパなし剛毛を含む房、および、第2の短い長さLNだけであるテーパなし剛毛を含む房を備え、前記テーパ付き剛毛は、テーパなし剛毛を含む房と別個の房に含まれる請求項1から4のいずれかに記載の歯ブラシヘッド。
【請求項12】
テーパ付き剛毛を含む房において前記テーパ付き房はその全てが、前記テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い、実質的に同じ長さLTである請求項11に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項13】
テーパ付き剛毛を含む房において、前記テーパ付き剛毛は2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTを有し、LTおよびLTは共に前記テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い請求項11に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項14】
前記剛毛表面上の前記房は、第1の長い長さLNであるテーパなし剛毛を含む房、および、第2の短い長さLNであるテーパなし剛毛を含む房を備え、前記房はテーパ付き剛毛を含むことができる請求項1から4のいずれかに記載の歯ブラシヘッド。
【請求項15】
第1の長い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む房だけが、同様に前記テーパ付き剛毛を含む請求項14に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項16】
第2の短い長さLNを有する前記テーパなし剛毛を含む房だけが、同様に前記テーパ付き剛毛を含む請求項15に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項17】
第1の長い長さLNを有するテーパなし剛毛を含む房と第2の短い長さLNを有する前記テーパなし剛毛を含む房は共に、前記テーパ付き剛毛を含む請求項15に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項18】
前記テーパ付き剛毛はその全てが、前記テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い、実質的に同じ長さLTを有している請求項15に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項19】
前記テーパ付き剛毛は2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さを有し、前記長い長さおよび短い長さは共に、前記テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い請求項15に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項20】
前記テーパ付き剛毛は2つ以上のそれぞれ長い長さおよび短い長さLTおよびLTを有し、LTおよびLTは共に前記テーパなし剛毛の第1の長い長さLNより長い請求項15に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項21】
歯ブラシ把持ハンドルに接続されているかまたは接続可能であり、それにより、ヘッド−把持ハンドル長手方向を規定する歯ブラシヘッドであって、前記長手方向に細長く、かつ、前記長手方向に垂直なヘッドを横切る幅方向を有し、剛毛の複数の房がそこから延在する剛毛表面を有し、前記複数の剛毛房は、
前記剛毛表面から遠い前記剛毛の端部が、前記剛毛表面に最も近い端部に比べて前記ハンドルから長手方向に遠くなるように、前記剛毛表面に対して75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜する少なくとも1つの第1の房と、
前記第1の房から幅方向に離間した少なくとも1つの第2の房であって、前記剛毛表面から遠い前記剛毛の端部が、前記剛毛表面に最も近い端部に比べて前記ハンドルに対して長手方向に近くなるように、前記剛毛表面に対して75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜する、少なくとも1つの第2の房と、を備え、
前記複数の剛毛房において、少なくとも1つの第1の房および/または少なくとも1つの第2の房はテーパ付き剛毛を備え、
前記複数の第1の房は、長い長さを有する第1の房および短い長さを有する第1の房を備え、前記複数の第2の房は、長い長さを有する第2の房および短い長さを有する第2の房を備えることのできる歯ブラシヘッド。
【請求項22】
前記剛毛表面に沿う長手方向成分に関して延在する線に沿って配列された複数の第1の房、および、前記剛毛表面に沿う長手方向成分に関して延在する線に沿って配列された複数の第2の房が存在し、第1の房の線は第2の房の線から幅方向に離間する請求項21に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項23】
それぞれの前記長い長さは同じである請求項21または22に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項24】
それぞれの前記短い長さは同じである請求項21、22、または23に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項25】
前記第1および第2の房の長い長さは同じであり、前記第1および第2の房の短い長さは同じである請求項24に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項26】
第1の房の線上で、長い長さの個々の房は、短い長さの房と長手方向に交互に配置される請求項21から25のいずれかに記載の歯ブラシヘッド。
【請求項27】
第2の房の線上で、長い長さの個々の房は、短い長さの房と長手方向に交互に配置される請求項26に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項28】
剛毛の複数の房がそこから延在する剛毛表面を有し、前記複数の剛毛房は、
前記剛毛表面から遠い前記剛毛の端部が、前記剛毛表面に最も近い端部に比べて前記ハンドルから長手方向に遠くなるように、前記剛毛表面に対して75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜する少なくとも1つの第1の房と、
前記第1の房から幅方向に離間した少なくとも1つの第2の房であって、前記剛毛表面から遠い前記剛毛の端部が、前記剛毛表面に最も近い端部に比べて前記ハンドルに対して長手方向に近くなるように、前記剛毛表面に対して75〜85°の長手成分を有する方向に傾斜する、少なくとも1つの第2の房と、を備え、
前記複数の第1の房は、長い長さLNを有するテーパなし剛毛を備える房、および、短い長さLNを有するテーパなし剛毛を備える房を備え、
少なくとも1つの第1の房および/または少なくとも1つの第2の房は、同様にテーパ付き剛毛を備える請求項1に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項29】
第1および第2の房内のテーパなし剛毛のそれぞれの前記長い長さLNは同じである請求項28に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項30】
前記第1および第2の房内のテーパなし剛毛のそれぞれの前記短い長さLNは同じである請求項28または29に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項31】
長い長さLNのテーパなし剛毛を含む個々の第1の房は、短い長さLNのテーパなし剛毛を含む第1の房と長手方向に交互に配置される請求項28、29または30に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項32】
第2の房の線上で、長い長さLNのテーパなし剛毛を含む個々の第2の房は、短い長さLNのテーパなし剛毛を含む第2の房と長手方向に交互に配置される請求項31に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項33】
長い長さLNまたは短い長さLNのテーパなし剛毛を含む個々の第1の房は、それぞれ短い長さLNまたは長い長さLNのテーパなし剛毛を含む2つ以上の房と長手方向に交互に配置される請求項28、29または30に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項34】
長い長さLNまたは短い長さLNのテーパなし剛毛を含む2つ以上の房は、それぞれ短い長さLNまたは長い長さLNのテーパなし剛毛を含む2つ以上の房と長手方向に交互に配置される請求項28から31のいずれか1項に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項35】
前記テーパ付き剛毛の長さLTは、前記テーパなし剛毛の長い長さLNより長い請求項28から34のいずれか1項に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項36】
傾斜角度は、前記剛毛表面に対して78〜82°である請求項21から35のいずれか1項に記載の歯ブラシヘッド。
【請求項37】
請求項1から36のいずれかに記載の歯ブラシヘッドを備える歯ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2012−511944(P2012−511944A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540136(P2011−540136)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067076
【国際公開番号】WO2010/069919
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(501390806)グラクソスミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト (20)
【氏名又は名称原語表記】GlaxoSmithKline Consumer Healthcare GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】