説明

歯科技工用重合装置

【課題】用いられるLED光源の数量を少なく抑制して効率的な重合を可能とする歯科技工用重合装置を提供する。
【解決手段】歯科補綴物1に用いられる光硬化性材料を硬化させる歯科技工用重合装置10であって、筐体11と、筐体内に、重合が行われる重合空間Aを形成するように配置される仕切り壁13と、重合空間の下部に設けられ、歯科補綴物を直接又は他の部材を介して配置する回転可能な回転台14と、回転台の上方に形成される歯科補綴物を配置可能な領域である重合領域Bに対して硬化のための光を照射する複数のLED光源15b、15cと、を備え、複数のLED光源のうち少なくとも1つ15cは、その光軸が斜め上方に傾斜するように重合領域に向けられて配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科の分野、特に歯科技工の分野において歯科補綴物等を製作する際に用いられ、光硬化性材料を硬化させる歯科技工用重合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科の分野、特に歯科技工の分野において、歯牙の修復物や義歯床等の歯科補綴物を製作するに際し、硬化させる前の光硬化性材料を用いて歯科補綴物の形状を造り込み、これに光を照射して光硬化性材料を硬化させることにより形状を確定させる手法が広く行われている。ここで、光硬化性材料を硬化(重合)させるために光を照射する機器が歯科技工用重合装置である。
【0003】
従来、歯科技工用重合装置の光源としては、蛍光灯、ハロゲンランプ、又はキセノンランプ等が用いられてきた。しかしながらこのような光源は寿命が必ずしも長いとは言えず、光源の交換を比較的頻繁におこなう必要があった。また、市販されている歯科用光硬化性材料の多くは、波長の短い青色や紫色の光で硬化(重合)させることができるが、上記の光源は広い波長域の光を出射するので、光硬化性材料を硬化させるために必要な波長域以外の波長をも含んでいた。従って、これらの光源では不要な波長域において無駄なエネルギーを使用してしまうことから効率のよい光の照射であるとは言えなかった。
【0004】
これに対して、特許文献1、2には、発光ダイオード(LED)を用いた歯科技工用重合装置が開示され、特定の波長域の光を出射する発光ダイオードを複数配置することにより従来よりも効率的な光の照射を可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4403315号公報
【特許文献2】特許第4130372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、重合対象となる歯科補綴物は、歯牙、歯列を模しているので非常に複雑な表面形状を有しており、このような複雑な形状に対しても効率よくムラの無い重合を可能とする要望があった。ムラの無い重合を可能とするために、例えば特許文献1のように多くの発光ダイオードを配置することもできる(特許文献1の第0025段落の記載)。しかし、光源の交換や消費電力等の観点から、使用する光源の数量をできるだけ少なくすることが好ましい。
【0007】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、用いられるLED光源の数量を少なく抑制して効率的な重合を可能とする歯科技工用重合装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明について説明する。なお、ここでは分かり易さのため括弧書きで図面の参照符号を併せて示すが、本発明はこれに限定されることはない。
【0009】
請求項1に記載の発明は、歯科補綴物(1)に用いられる光硬化性材料を硬化させる歯科技工用重合装置(10、20)であって、筐体(11)と、筐体内に、重合が行われる重合空間(A)を形成するように配置される仕切り壁(13、23)と、重合空間の下部に設けられ、歯科補綴物を直接又は他の部材を介して配置する回転可能な回転台(14)と、回転台の上方に形成される歯科補綴物を配置可能な領域である重合領域(B)に対して硬化のための光を照射する複数のLED光源(15b、15c)と、を備え、複数のLED光源のうち少なくとも1つ(15c)は、その光軸が斜め上方に傾斜するように重合領域に向けられて配置されている、歯科技工用重合装置である。
ここで、「光軸」は、1つのLED光源から出射される光の輝度分布のうち最も輝度が高い方向を意味する。以下同様である。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の歯科技工用重合装置(10、20)において、光軸が斜め上方に傾斜するように重合領域(B)に向けられて配置されたLED光源(15c)が複数設けられており、該複数のLED光源のうち少なくとも1つは紫色又は近紫外線のLEDであることを特徴とする。
ここで、紫色の光を出射するLED光源は380nm以上440nm未満の範囲にピーク波長を有することを意味し、近紫外線を出射するLEDは、315nm以上380nm未満の範囲内にピーク波長を有することを意味する。
特に好ましくは、近紫外線を出射するLED又は紫色の光を出射するLEDにより、370nm〜410nmの範囲にピーク波長を有する光である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の歯科技工用重合装置(10、20)において、歯科補綴物(1)の重合領域(B)内における高さ位置を調整するために、回転台の上に高さ調整部材が配置される、又は回転台自体を上下動可能とする機構を具備する。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科技工用重合装置(10、20)において、さらに、複数のLED光源の少なくとも1つ(15b)は、その光軸が斜め下方に傾斜するように重合領域(B)に向けられて配置されている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の歯科技工用重合装置によれば、用いられるLED光源の数量を少なく抑制して効率的な重合が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】1つの実施形態に係る歯科技工用重合装置の構成を概念的に示した正面図である。
【図2】1つの実施形態に係る歯科技工用重合装置の構成を概念的に示した側面図である。
【図3】歯科補綴物のアンダーカット部を説明するための図である。
【図4】他の実施形態に係る歯科技工用重合装置の構成を概念的に示した正面図である。
【図5】他の実施形態に係る歯科技工用重合装置の構成を概念的に示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
【0016】
図1、図2は、1つの実施形態に係る歯科技工用重合装置10の構成を概念的に示した図で、図1は正面から見た図、図2は側面から見た図である。
歯科技工用重合装置10は、筐体11、フタ12、仕切り壁13、回転台14、及びLED光源群15を備えている。以下、各構成について説明する。また、歯科技工用重合装置10には、これ以外にも該装置として機能するための公知の機器(例えば電源装置、電気回路、電気配線等)が備えられる。また、LED光源群15から発生する熱を放熱するための手段が設けられていてもよい。
【0017】
筐体11は、図1、図2からわかるように歯科技工用重合装置10の外殻を構成する部材であり、歯科技工用重合装置10を構成する各部材の大部分がこの内側に配置される。
【0018】
フタ12は、後述する仕切り壁13と併せて重合空間Aを形成する壁の一部として機能し、筐体11に設けられた開口に覆いかぶさるように配置されるフタ部材である。フタ12は開閉可能とされ、その開時には外から重合空間Aに連通可能とされ、閉時には重合空間Aを閉鎖する。すなわち、フタ12を開けて重合空間A内に歯科補綴物1等を出し入れでき、フタ12を閉じた姿勢で歯科補綴物1に光を照射する。
【0019】
仕切り壁13は、筐体11内に重合するための空間である重合空間Aを形成する部材であり、図1、図2に示したように複数の板状の部材が立体的に組み合わされている。図1からわかるように本実施形態では複数の板状の部材が、正面視で六角形が形成されるように組み合わされている。このように、仕切り壁により重合空間を正面視(図1の視点)、又は側面視(図2の視点)で多角形で形成し、その内の少なくとも2つの面から、該面の法線方向に光軸を有するLED15b、15cにより光が出射されることが好ましい。これにより、歯科補綴物1の上面(咬合面)はLED15bにより、表面積の多い側面はLED15b、15cにより、及びアンダーカット部にはLED15cにより確実に光を照射できるので、少ない数のLEDで歯科補綴物1の形状に見合った光の照射が可能となる。アンダーカット部については後で説明する。すなわち、後述するように、LED15b、LED15cのような、光軸が水平又は斜めに傾いている光を歯科補綴物1に照射することにより、回転台14による歯科補綴物1の回転と相まって光が照射される面積を大きくすることができる。
ただし、重合空間Aを形成することができれば、仕切り壁の形態は特に限定されることはなく、例えば曲面を有するドーム状や、中空の球体の一部であってもよい。
【0020】
回転台14は、仕切り壁13により形成される重合空間Aの底部に設けられ、モータ14aにより回転可能なテーブル状の部材である。回転台14には直接、又は高さ位置を調整するための、例えば、所定の厚さのブロック状又は板状の高さ調整部材(不図示)を介して歯科補綴物1が置かれる。回転台14は、モータ14aにより回転する軸14bに取り付けられることにより、回転台14自体が回転可能となっている。従ってここに配置される歯科補綴物1等も回転させることができ、さらに均一な硬化(重合)を可能としている。
回転台14にはこのように歯科補綴物1が載せられることからもわかるように、該回転台14の上方には重合領域Bが形成される。重合領域Bは重合空間Aのうち、実際に歯科補綴物1が配置されて重合を行い得る領域である。
歯科補綴物1の重合領域B内における高さ位置を調整するために、上記のように高さ調整部材を用いてもよいし、回転台14自体を上下動可能とする機構を設けてもよい。回転台14を上下動させるための機構は特に限定されるものではないが、回転台14を回転させる軸14bを上下動可能とする形態を挙げることができる。
【0021】
LED光源群15は、複数の発光ダイオード(LED)15a、15b、15cから構成されており、各LED15a、15b、15cは仕切り壁13のうち、重合空間A側となる側の面に配置されている。LED15a、LED15b、及びLED15cは、その光軸が重合領域Bに向けられているが、当該光軸の向きはLED15aとLED15bとLED15cとでは異なるように配置されている。ここで、「光軸」とは、LEDから出射される光の輝度分布のうち最も輝度が高い方向を意味する。より詳しくは次の通りである。
【0022】
LED15aは上部の仕切り壁13に設置され、重合空間Aの上部から下方に存する重合領域Bに向けて光を出射するLED光源である。具体的には、歯科技工用重合装置10が歯科補綴物1を硬化(重合)させる姿勢で、LED15aの光軸が水平面となす角をθaとしたとき、θaが90°である。
LED15bは、LED15aより下方の仕切り壁13に配置され、重合空間Aの側方から水平又は斜め下方に重合領域Bに向けて光を出射するLED光源である。具体的には、歯科技工用重合装置10が歯科補綴物1を硬化(重合)させる姿勢で、LED15bの光軸が重合領域Bに向かうとともに、該光軸が水平面となす角をθbとしたとき、0≦θb<90°である。LED15aが設けられない場合には、より好ましくは30°≦θb<90°である。
LED15cは、LED15bより下方の仕切り壁13に配置され、重合空間Aの側方から斜め上方に重合領域Bに向けて光を出射するLED光源である。具体的には、歯科技工用重合装置10が歯科補綴物1を硬化(重合)させる姿勢で、LED15cの光軸が重合領域Bに向かうとともに、該光軸が水平面となす角をθcとしたとき、θc<0°である。
ここで、成す角の正負は、光軸が下方を向いているときを正、光軸が上方を向いているときを負とする。
【0023】
LED15a、15b、15cは、歯科補綴物1に用いられる光硬化性材料を硬化させるために必要な波長を含む光を発光する発光ダイオード(LED)である。通常、このような光硬化性材料が硬化する波長域は360nm〜500nmであることから、近紫外線、紫色、青色、又は白色のLEDが好ましい。光硬化性材料の典型的な例として光重合触媒にカンファーキノンを用いた樹脂材料を挙げることができる。この材料の硬化(重合)開始の波長は470nm程度である。
ここで、近紫外線を出射するLEDは、315nm以上380nm未満の範囲内にピーク波長を有し、同様に紫色の光を出射するLEDは380nm以上440nm未満、青色の光を出射する光は440nm以上550nm未満の範囲にピーク波長を有する光を意味する。好ましくは近紫外線を出射するLEDは、370nm以上380nm未満の範囲内にピーク波長を有し、同様に紫色の光を出射するLEDは380nm〜410nm、青色の光を出射する光は450nm〜490nmの範囲にピーク波長を有する光である。
【0024】
近紫外線、紫色、青色、及び白色のLEDの配置の態様は特に限定されることなく、いずれか一種類であってもよいし、二種類、又は三種類のLEDを含めるように配置してもよい。さらに、1つのパッケージに複数のLED素子を搭載したマルチチップ型LEDを使用してもよい。
LEDの配置数量について特に限定されることはないが、LED15b、LED15cが配置され、それぞれにつき複数のLEDが配設されていることが好ましい。また、市販されている光硬化性材料の硬化特性の観点から、複数のLED15bのうち少なくとも1つは近紫外線、紫色又は青色のLEDであることがさらに好ましい。同様に、複数のLED15cのうち少なくとも1つは近紫外線、紫色又青色のLEDであることが好ましい。特にLED15cについては、後述するように歯科補綴物1のアンダーカット部C、D(図3参照)を効率良く重合する観点から少なくとも1つは近紫外線又は紫色LEDが含まれることが好ましい。
本実施形態では、LED15aを3つ青色LEDで構成し、LED15bを8個の青色LED及び1つの紫色LEDで構成し、並びに、LED15cを5個の青色LED及び1つの紫色LEDで構成した。
【0025】
以上のような構成部材を備える歯科技工用重合装置10により例えば次のようにして歯科補綴物1を形成することができる。
硬化前の光硬化性材料により形造った歯科補綴物1を筐体11内の回転台14上の重合領域B内に配置する。この際には歯科補綴物1を直接回転台14上に載せてもよいし、歯科補綴物1の高さ位置を調整するための高さ調整部材を介して回転台14上に載せてもよい。また、回転台14を直接上下動させる機構が設けられていればこれを用いて歯科補綴物の高さ位置を調整できる。
次にフタ12を閉鎖してLED15a、LED15b、LED15cを点灯するとともに、回転台14を回転させる。これにより、LED15a、LED15b、LED15cからの光により歯科補綴物1の光硬化性材料が硬化(重合)を開始する。そして所定の時間、光を照射し続けることにより光硬化材料が硬化して形状が確定する。
【0026】
ここで、歯科技工用重合装置10では、LED15a、LED15bのように、上方、又は側方から重合領域Bに向けて光を照射するLED光源が備えられることに加え、斜め下方から重合領域Bに向けて光を照射するLED15cが備えられている。これにより、複雑な形状である歯科補綴物1に対しても硬化(重合)むらを防止することができる。より詳しくは次の通りである。図3には歯科補綴物1の一部を拡大した図を示した。硬化(重合)させる歯科補綴物1は人間の歯牙、歯列が模擬して形成されているので、その表面形状は複雑であり、図3にC、Dで示したようなアンダーカット部が存在する。アンダーカット部C、Dにおける光硬化材料を硬化(重合)させることを考えると、上方からの光が届かず、水平からの光では光量が不十分となり、硬化(重合)ができなかったり、他の部位に比べて硬化(重合)が遅くなってしまう。従来の歯科技工用重合装置では、アンダーカット部を硬化(重合)するために歯科補綴物の向きを変えて再度硬化(重合)することが必要なことがよくあった。これに対して、歯科技工用重合装置10ではLED15cにより下方からも歯科補綴物1に対して光を照射することができるので、アンダーカット部C、Dも他の部位と同様に硬化(重合)が可能となる。
【0027】
また、歯科技工用重合装置10における上記のような効率のよいLED15a、15b、15cの配置によれば、使用されるLEDの数量を抑えることができる。例えば本実施形態では、上記したように、LED15aを3個、LED15bを9個、LED15cを6個とし、合計18個で構成している。当該LEDの数量はこれに限定されるものではないが、LEDの数量の最小値としてLED15bを1個、LED15cを1個で構成することも可能である。ただし、LED15b、LED15cをそれぞれ複数配置して重合時間を短くするという観点から、LED15bを2個(例えば青色1個、紫色1個)、LED15cを2個(例えば青色1個、紫色1個)を最小値とすることが好ましい。
なお、この場合には上記したように、図1で示したLED15aが設けられない場合なので、図1に示したθbは30°≦θb<90°であることが好ましい。
【0028】
さらに、歯科補綴物1を載置する台を回転台14のように回転することができるものとすれば当該回転により、さらに効率のよい光の照射が可能となる。
【0029】
次に他の実施形態の歯科技工用重合装置20について説明する。図4、図5は、他の実施形態に係る歯科技工用重合装置20の構成を概念的に示した図で、図4は正面から見た図、図5は側面から見た図である。
歯科技工用重合装置20は、筐体11、フタ12、仕切り壁23、回転台14、及びLED光源群15を備えている。歯科技工用重合装置20には、これ以外にも該装置として機能するための公知の機器(例えば電源装置、電気回路、電気配線等)が備えられる。また、LED光源群15から発生する熱を放熱するための手段が設けられていてもよい。
歯科技工用重合装置20に備えられる構成は歯科技工用重合装置10で説明したものと共通する部位があるので、当該共通する部位については同じ符号を付して説明を省略する。
【0030】
本実施形態の歯科技工用重合装置20では、仕切り壁23のうち、少なくともLEDの光軸が交わる部位の周辺が透光性を有する部材により形成され、その外側にLED光源群15が備えられている点で、歯科技工用重合装置10と異なる。透光性のある部材は特に限定されることはないが、LED光源群15からの光を拡散又は集光させる目的で、ここにレンズを備えても良い。また、透光性のある部材は、重合空間A側と外側とで材料が異なる2層以上の部材としてもよい。例えば、重合空間A側に透明樹脂のフィルムや薄板を備え、これより外側に樹脂レンズ又はガラスレンズを備えることが挙げられる。これによれば、当該透光性を有する部材のうち、重合空間Aに晒される側が、硬化(重合)される材料により汚れても重合空間A側の層のみを貼りかえることができ、透光性を有する部材の汚れや傷による光量の減衰を防止することが可能となる。
【0031】
すなわち、歯科技工用重合装置20では、重合空間Aを、光を透過する仕切り壁23により形成し、その外側から光を照射する態様である。これによれば、歯科技工用重合装置10と同様の効果を奏するものとしつつ、LED15a、15b、15cを汚れ等から保護することができる。また、重合空間AとLED15a、15b、15cとを離隔することで、LED15a、15b、15cから発生する熱を、重合空間A内に影響を与えることなく効率良く外に逃がすことが可能となる。
【符号の説明】
【0032】
10、20 歯科技工用重合装置
11 筐体
12 フタ
13、23 仕切り壁
14 回転台
15 LED光源群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科補綴物に用いられる光硬化性材料を硬化させる歯科技工用重合装置であって、
筐体と、
前記筐体内に、重合が行われる重合空間を形成するように配置される仕切り壁と、
前記重合空間の下部に設けられ、前記歯科補綴物を直接又は他の部材を介して配置する回転可能な回転台と、
前記回転台の上方に形成される前記歯科補綴物を配置可能な領域である重合領域に対して前記硬化のための光を照射する複数のLED光源と、を備え、
前記複数のLED光源のうち少なくとも1つは、その光軸が斜め上方に傾斜するように前記重合領域に向けられて配置されている、
歯科技工用重合装置。
【請求項2】
前記光軸が斜め上方に傾斜するように前記重合領域に向けられて配置されたLED光源が複数設けられており、該複数のLED光源のうち少なくとも1つは紫色又は近紫外線のLEDであることを特徴とする請求項1に記載の歯科技工用重合装置。
【請求項3】
前記歯科補綴物の前記重合領域内における高さ位置を調整するために、前記回転台の上に高さ調整部材を配置する、又は前記回転台自体を上下動可能とする機構を具備する請求項1又は2に記載の歯科技工用重合装置。
【請求項4】
さらに、前記複数のLED光源の少なくとも1つは、その光軸が斜め下方に傾斜するように前記重合領域に向けられて配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の歯科技工用重合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−17616(P2013−17616A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152718(P2011−152718)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【出願人】(000181217)株式会社ジーシー (279)