説明

歯肉専用の低周波刺激器

【課題】 本発明は歯肉に密着させることができるマウスピース(mouth piece)状の導電性シリコン材料の電極パッドを接続して歯肉に低周波刺激を与えることによって血液循環を促進させるとともに痛みを緩和させこれによって歯肉を健康にすることができる歯肉専用の低周波刺激器を提供する。
【解決手段】 低周波発生器(1)と電極パッド(2)で構成された低周波刺激器において、低周波発生器(1)から発生された低周波電流を前記電極パッド(2)に伝達する接続ケーブル(4)、前記電極パッド(2)の一側に形成され接続ケーブルが接続される接続端子(3)を備え、前記電極パッド(2)はマウスピース状でかつ接続端子(3)を通じて流される低周波電流を歯肉に伝達させる導電性シリコンで形成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯肉の血液循環を促進させることができる低周波刺激器に関し、より詳しくは低周波刺激によって公知のマッサージ方法に比較してより一層容易にしかも効率的に歯肉の血液循環を促進させるとともに痛みを緩和させることができるようにした歯肉専用の低周波刺激器に関する。
【背景技術】
【0002】
大韓民国特許願第1998−020204号(特許文献1)によれば、歯肉の健康のためにマッサージを行う場合に、棒状のスティックを用い、自分の親指を除いた残りの四指を掴んで上唇及び下唇の縁の皮膚にソフトに触れさせ、これにより歯肉を刺激し、歯肉の血液循環を促進させることが行われている。
また、大韓民国実用新案登録願第1996−0022498号(特許文献2)には歯磨き器などの器具を用いて歯肉に水を高圧で噴射し、これによって歯肉をマッサージするようにした歯肉のマッサージ方法が開示されている。
【0003】
しかし、大韓民国特許願第1998−020204号では手や器具を用いているので、ユーザーは退屈であり、かかる器具を用いるのは不便で、効率のよいものではなかった。さらに、大韓民国実用新案登録願第1996−0022498号の高水圧噴射によるマッサージ方法では利用できる場所が限定され、水を用いているので、マッサージを継続して行うことができない。
【0004】
また、低周波を用いて歯肉を刺激することのできる幾つかの機器が知られ、市販されているが、電極パッドが歯肉を刺激するのに適したような機器ではなかった。
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許願第1998−020204号
【特許文献2】大韓民国実用新案登録願第1996−0022498号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は従来技術における問題点を解決することにある。
本発明の他の目的は歯肉に密着するマウスピース(mouth piece)形状の導電性シリコン電極パッドが接続され、低周波刺激が歯肉に与えられ、これによって歯肉の血液循環が促進されるとともに、歯肉の痛みが緩和される結果、歯肉が健康になるようにした歯肉専用の低周波刺激器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る歯肉専用の低周波刺激器は、前述の目的を達成するため、低周波発生器と電極パッドで構成される低周波刺激器において、低周波発生器で発生された低周波電流を電極パッドに与える接続ケーブルを備え、電極パッドの一側には接続ケーブルが接続される接続端子を形成し、電極パッドをマウスピース状に形成するとともに、接続端子を通して与えられる低周波電流を通電し得る導電性のシリコン材料を用いて製造するようにしたことを特徴とする。
【0008】
さらに、電極パッドの内側(歯肉の外側に接触する側の部分)は導電性のシリコンパッドで形成され、電極パッドの外側(唇の内側に接触する側の部分)は非導電性のシリコンパッドで形成される。
【0009】
また、電極パッドにおいて、非導電性のシリコンパッドは断面V字状に形成され、V字形状の非導電性のシリコンパッド内に歯牙を挟み込まれ、装着したときに歯肉が位置するV字形状の非導電性のシリコンパッドの内側には導電性のシリコンパッドが固着される。
【0010】
さらに、電極パッドはマウスピース形状の非導電性シリコンパッド(6)が上下の歯肉を同時に覆うことができるような大きさに形成され、装着したときに歯肉に対応する非導電性のシリコンパッドの上側と下側のそれぞれに導電性シリコンパッドが固着されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明に係る歯肉専用の低周波刺激器の好ましい実施例を詳しく説明する。
【0012】
図1は本発明に係る歯肉専用の低周波刺激器の構成図であり、図2は本発明の一実施例によって唇内側と歯肉外側に密着される部分が導電性シリコン材料である電極パッドの斜視図であり、図3は本発明の一実施例による歯肉外側に密着される部分だけ導電性シリコン材料である電極パッドの斜視図であり、図4は本発明の一実施例による歯牙をV状のパッドの中に挟んで歯肉の内側及び外側に密着される部分が導電性シリコン材料である電極パッドの斜視図であり、図5は本発明の一実施例による、歯肉外側の上側部分及び下側部分を非導電性シリコンパッドで覆うとともにパッドの歯肉内側の上側部分及び下側部分に密着される部分が導電性シリコン材料である電極パッドの斜視図である。
【0013】
図1に示されたように、歯肉専用の低周波刺激器には低周波発生器(1)、低周波発生器(1)で発生された低周波電流を通電する接続ケーブル(4)、一側に接続ケーブル(4)が挿入される接続端子(3)、及び導電性シリコン材料を用いてマウスピース(mouth piece)形状に形成された電極パッド(2)が設けられている。
【0014】
これによって、低周波発生器(1)で発生された低周波電流は接続ケーブル(4)、接続端子(3)及び導電性シリコン材料で形成されたマウスピース(mouth piece)状の電極パッド(2)を通じて歯肉に与えられる。このとき、マウスピース(mouth piece)状の電極パッド(2)は歯肉にソフトにかつ隙間なく密着されるので、低周波電流が流れるときに如何なる痛みを感じさせることなく、歯肉を刺激することができる。
【0015】
図2は両側面のいずれもが導電性シリコン材料であるマウスピース状の電極パッドを示した斜視図である。図示されるように、マウスピース状の電極パッド(2)の両側面がいずれも導電性シリコンパッド(5)で成形される。したがって、唇内側と歯肉外側の間に電極パッド(2)を挟んだ状態で低周波電流を発生させると、電極パッド(2)に伝達された低周波電流は唇内方と歯肉外方をともに刺激することになる。
【0016】
図3は一側面が導電性シリコン材料であるマウスピース状の電極パッドを示した斜視図である。図示されるように、電極パッド(2)の内側(歯肉外側に接触する部分)は導電性シリコンパッド(5)で形成され、外側(唇内側に接触する部分)は非導電性シリコンパッド(6)で形成され、導電性シリコンパッド(5)及び非導電性シリコンパッド(6)は相互に一体的に製造されている。接続端子(3)は非導電性シリコンパッド(6)を貫通して導電性シリコンパッド(5)に接続されている。
【0017】
したがって、唇内側と歯肉外側の間に電極パッド(2)を挟んだ状態で低周波電流を発生させると、電極パッド(2)に伝達された低周波電流は歯肉外側に位置する導電性シリコンパッド(5)だけに伝達され、歯肉の外側を刺激することになる。
【0018】
図4はV字状の電極パッドの斜視図である。図示されるように、マウスピース(mouth piece)状の電極パッド(2)では中央に歯牙を挟むことができるように非導電性シリコンパッド(6)が断面V字状に形成され、装着したときに歯肉が位置するV字形状の非導電性シリコンパッド(6)の内側に導電性シリコンパッド(5)が固着されている。接続端子(3)は非導電性シリコンパッド(6)を貫通して導電性シリコンパッド(5)に接続されている。
【0019】
したがって、V字形状の電極パッド(2)の溝が歯牙を覆うように挟むと、導電性シリコンパッド(5)の部分は歯肉の内側及び外側に位置する。低周波電流を発生させると、電極パッド(2)に伝達された低周波電流は歯肉の側方と外側に位置する導電性シリコンパッド(5)に伝達され、歯肉全体を刺激することになる。
【0020】
図5は上側歯肉及び下側歯肉を同時に刺激できる電極パッドの斜視図であり、図6は装着した状態を示す図である。図示されるように、非導電性シリコンパッド(6)がマウスピース状でかつ上側歯肉及び下側歯肉を同時に覆うことができる大きさで形成され、非導電性シリコンパッド(6)の上側と下側の装着した時に歯肉に対応する部分のそれぞれに導電性シリコンパッド(5)が固着されている。接続端子(3)は非導電性シリコンパッド(6)を貫通して導電性シリコンパッド(5)に各々接続される。
【0021】
したがって、図6に示されたように、マウスピース状の電極パッド(2)を唇と歯肉の間に挿入すると、導電性シリコンパッド(5)の部分が上側歯肉及び下側歯肉の外側に位置する。低周波電流を発生させると、電極パッド(2)に伝達された低周波電流は歯肉の外側に位置する導電性シリコンパッド(5)に伝達され、上側歯肉及び下側歯肉の外側を刺激することになる。
【0022】
本発明は上述の実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者なら誰でも多様な変形実施が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0023】
以上のように、本発明による歯肉専用の低周波刺激器はマウスピース状であるので、歯肉に容易にかつ効率よく低周波刺激を与えることができ、歯肉の血液循環を促進させて健康な歯肉を維持することができ、炎症による痛みも緩和させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明による歯肉専用の低周波刺激器を示す構成図である。
【図2】本発明の一実施例によって唇内側と歯肉外側に密着される部分が導電性シリコン材料である電極パッドを示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例による歯肉外側に密着される部分が導電性シリコン材料である電極パッドを示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例による歯牙を挟む導電性シリコンパッドを示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施例による歯肉外側の上下を同時に覆うことのできる電極パッドを示す斜視図である。
【図6】図5に示す電極パッドの装着した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1:低周波発生器
2:電極パッド
3:接続端子
4:接続ケーブル
5:導電性シリコンパッド
6:非導電性シリコンパッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低周波発生器(1)と電極パッド(2)で構成された低周波刺激器において、前記低周波発生器(1)から発生された低周波電流を前記電極パッド(2)に伝達する接続ケーブル(4)及び前記電極パッド(2)の一側に形成され接続ケーブルが接続される接続端子(3)を備え、
前記電極パッド(2)はマウスピース状でかつ接続端子(3)を通じて流れる低周波電流を歯肉に伝達させる導電性シリコンで形成されていることを特徴とする歯肉専用の低周波刺激器。
【請求項2】
前記電極パッド(2)の内側(歯肉の外側る接触する部分)は導電性シリコンパッド(5)で形成され、外側(唇の内側に接触する部分)は非導電性シリコンパッド(6)で形成されている請求項1記載の歯肉専用の低周波刺激器。
【請求項3】
前記電極パッド(2)は歯牙を挟むことができるように非電気伝導性シリコンパッド(6)が断面V字状に形成され、装着したときに歯肉が位置するV字形状の非導電性シリコンパッド(6)の内側に導電性シリコンパッド(5)が固着されている請求項1記載の歯肉専用の低周波刺激器。
【請求項4】
前記電極パッド(2)はマウスピース形状の非導電性シリコンパッド(6)が上側歯肉及び下側歯肉を同時に覆うことができる大きさに形成され、装着したときに歯肉に対応する非導電性シリコンパッド(6)の上側と下側のそれぞれに導電性のシリコンパッド(5)が固着されている請求項1記載の歯肉専用の低周波刺激器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−503312(P2008−503312A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517960(P2007−517960)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001953
【国際公開番号】WO2006/001644
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(506418873)
【Fターム(参考)】