説明

残留アンモニア濃度測定方法および装置

【課題】従来は、熱処理炉に残留アンモニア濃度の計測器を単に接続して、熱処理炉の残留アンモニア濃度を計測していたが、熱処理炉と計測器とを接続する流路配管内でアンモニアの分解が進行することから、正確な残留アンモニア濃度を計測することができず、熱処理炉を適正に制御することができなかった。
【解決手段】熱処理炉2内の雰囲気を導出ガスとして残留アンモニア濃度計測器11へ供給する流路配管21の途中部に分岐流路配管22を設け、分岐流路配管22の先端側を大気解放して、熱処理炉2内の雰囲気を分岐流路配管を通じて外部へ流出させ、分岐流路配管22の途中部に、導出ガスの流量を調節する流量調節バルブ12を設けて、流量調節バルブ12により分岐流路配管22内の導出ガスの流量を調節しながら、熱処理炉2内から流出する導出ガスの残留アンモニア濃度を前記残留アンモニア濃度計測器11により計測する、残留アンモニア濃度測定方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンモニアガスが供給される熱処理炉内の雰囲気における残留アンモニア濃度を計測する残留アンモニア濃度測定方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浸窒焼入れや浸炭浸窒焼入れなど鋼材表面に窒素を侵入させる処理を行う場合、処理対象となるワークが収納される熱処理炉内にアンモニアガスを供給し、供給したアンモニアガスによりワークに窒素を侵入させている。
このように鋼材表面に窒素を侵入させる処理を行って得られたワークの処理品質は、ワーク中の窒素濃度に左右されるが、ワーク中の窒素濃度は熱処理炉内における残留アンモニア濃度により変動するため、鋼材表面に窒素を侵入させる処理を行う場合には、熱処理炉内の残留アンモニア濃度を厳密に管理することが重要である。
このように、前記熱処理炉内における残留アンモニア濃度が重要であることから、従来から残留アンモニア濃度を管理するべく残留アンモニア濃度の測定が行われている。
【0003】
熱処理炉内の残留アンモニア濃度を計測する場合、熱処理炉内と残留アンモニア濃度計測器とを流路配管にて接続し、熱処理炉内の雰囲気を導出ガスとして、前記流路配管を通じて残留アンモニア濃度計測器へ導出して計測している。
【0004】
また、鋼材表面に窒素を侵入させる処理を行う処理装置においては、前述のように熱処理炉に残留アンモニア濃度計測器を接続し、例えば特許文献1に示すように、前記残留アンモニア濃度計測器により熱処理炉内の残留アンモニア濃度を自動で連続的に計測して、計測した残留アンモニア濃度をアンモニアの供給装置などにフィードバックし、熱処理炉内に供給するアンモニアの流量を調節して、熱処理炉内での処理条件を制御することが試みられている。
【0005】
ここで、図3に示すように、熱処理炉で鋼材表面に窒素を侵入させる処理を行う場合、熱処理炉内の温度が高温(例えば800℃程度)に保持されており、熱処理炉内では供給されたアンモニアガスの分解が進行する。
また、処理を行う熱処理炉が高温に保持されているため、熱処理炉に接続される前記流路配管も高温となっており、前記流路配管内でも前記熱処理炉内からの導出ガスにおけるアンモニアガスの分解が進行する。
【0006】
特に、残留アンモニア濃度計測器により残留アンモニア濃度を計測する際に使用する導出ガスの流量は少量であるため、前記流路配管内でのアンモニアガスの分解が顕著に進行することになり、熱処理炉内の残留アンモニア濃度と、流路配管を経由して残留アンモニア濃度計測器へ供給された導出ガスの残留アンモニア濃度とが異なることとなる。そのため、熱処理炉内の残留アンモニア濃度を正確に計測することが困難であった。
【0007】
前述のように、前記処理装置においては、残留アンモニア濃度計測器にて計測した残留アンモニア濃度をフィードバックして、熱処理炉内へ供給するアンモニアの流量を制御することが行われているが、熱処理炉に残留アンモニア濃度計測器を単に接続して計測しただけでは流路配管内でアンモニアの分解が進行することから、正確な残留アンモニア濃度を計測することができず、適正な制御を行うことができなかった。
【0008】
なお、熱処理炉内における真の残留アンモニア濃度は、熱処理炉と残留アンモニア濃度計測器を接続する流路配管の周囲に冷却水が循環する冷却水管を配置して前記流路配管を強制冷却し、流路配管内でのアンモニアの分解の進行を抑制することで計測を行うことができるが、実験的に熱処理炉を改造して前記冷却水管を配置することは可能であっても、量産工程で使用する熱処理炉に冷却水管を設けることは困難である。
【特許文献1】特開平8−13125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明では、前記流路配管を冷却するための大掛かりな設備を設けることなく、簡単な構成により熱処理炉内における真の残留アンモニア濃度を計測することができ、量産工程においてでも、計測した残留アンモニア濃度を用いて熱処理炉内での処理条件を適正に制御することなどが可能な残留アンモニア濃度測定方法および装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する残留アンモニア濃度測定方法および装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、アンモニアガスが供給される熱処理炉内の雰囲気における残留アンモニア濃度を計測器により計測する残留アンモニア濃度測定方法であって、熱処理炉内の雰囲気を前記計測器へ供給する流路の途中部に、前記流路から分岐した分岐流路を設け、前記分岐流路の先端側を大気解放して、前記熱処理炉内の雰囲気を前記分岐流路を通じて外部へ流出させ、前記分岐流路の途中部に、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量を調節する流量調節手段を設けて、前記流量調節手段により分岐流路内を流れる雰囲気の流量を調節しながら、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の残留アンモニア濃度を前記計測器により計測する。
【0011】
また、請求項2記載の如く、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量と、前記雰囲気における残留アンモニア濃度の前記計測器による計測値との関係を予め求めておき、前記流量と計測値との関係から、前記計測器の計測値が前記熱処理炉内における残留アンモニア濃度の真値となる前記流量の範囲を求め、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量が、求めた流量の範囲となるように前記流量調節手段を制御する。
【0012】
また、請求項3記載の如く、アンモニアガスが供給される熱処理炉内の雰囲気における残留アンモニア濃度を計測するための残留アンモニア濃度計測装置であって、熱処理炉内の雰囲気が供給され、該雰囲気における残留アンモニア濃度を計測する計測器と、前記熱処理炉内から前記計測器へ供給される雰囲気が流通する流路と、前記流路から分岐し、その先端が大気解放される分岐流路と、前記分岐流路の途中部に設けられ、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量を調節する流量調節手段とを備える。
【0013】
また、請求項4記載の如く、前記残留アンモニア濃度測定装置は、予め求められた前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量と、前記雰囲気における残留アンモニア濃度の前記計測器による計測値との関係が記憶される記憶手段と、前記流量と計測値との関係から、前記計測器の計測値が前記熱処理炉内における残留アンモニア濃度の真値となる前記流量の範囲を求める演算手段と、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量が、前記演算手段により求められた流量の範囲となるように前記流量調節手段を制御する制御手段とを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、流量調節手段を制御して分岐流路内を流れる雰囲気の流量を調節しながら、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の残留アンモニア濃度を前記計測器により計測することで、特に熱処理炉内から流出する雰囲気の流量が、前記計測器の計測値が熱処理炉内における残留アンモニア濃度の真値となる範囲の流量となるように前記流量調節手段を制御したうえで、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の残留アンモニア濃度を前記計測器により計測することで、該計測器による計測値を、前記熱処理炉内における残留アンモニア濃度の真値とすることができ、高精度な計測を行うことが可能となる。
これにより、前記流路を冷却するための大掛かりな設備を設けることなく、前記熱処理炉内における残留アンモニア濃度を高精度に計測することができ、熱処理炉内から流出する雰囲気を自動で連続的に計測して、計測した残留アンモニア濃度をアンモニアの供給装置などにフィードバックし、熱処理炉内に供給するアンモニアガスの流量を調節して、熱処理炉内での処理条件を制御する場合にも、熱処理炉内での処理条件を適正に制御することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
【0016】
図1には、浸窒焼入れや浸炭浸窒焼入れなど鋼材表面に窒素を侵入させる処理を行う熱処理炉2に接続される残留アンモニア濃度測定装置1を示している。
前記残留アンモニア濃度測定装置1は、前記熱処理炉2内の雰囲気における残留アンモニア濃度を計測する残留アンモニア濃度計測器11と、前記熱処理炉2と前記残留アンモニア濃度計測器11とを接続する流路配管21と、前記流路配管21の途中部から分岐する分岐流路配管22と、前記分岐流路配管22の途中部に設けられる流量計13および流量調節バルブ12と、前記流量調節バルブ12の開度の制御などを行う制御装置15とを備えている。
【0017】
前記熱処理炉2内には、アンモニアガス供給管25を通じて所定の流量のアンモニアガスが供給されている。
前記熱処理炉2においては、鋼材表面に窒素を侵入させる処理を行う場合、炉内の温度が高温(例えば800℃程度)に保持されており、炉内に供給されたアンモニアガスの一部が分解している。
【0018】
前記流路配管21内には熱処理炉2内の雰囲気が導出ガスとして流通しており、該導出ガスが流路配管21を通じて前記残留アンモニア濃度計測器11に供給されている。
前記残留アンモニア濃度計測器11に供給された導出ガスは、該残留アンモニア濃度計測器11内で残留アンモニア濃度を計測された後に、排気管23から大気中に放出される。
なお、残留アンモニア濃度の計測時の前記残留アンモニア濃度計測器11には、一定流量の導出ガスが供給される。
【0019】
前記分岐流路配管22は分岐点Sにて流路配管21から分岐しており、その先端側が大気解放されている。
また、前記分岐流路配管22の途中部には流量計13および流量調節バルブ12が設けられているが、本例では、分岐流路配管22における分岐点S側に流量調節バルブ12を配置し、先端側に流量計13を配置している。
但し、分岐点S側に流量計13を配置し、先端側に流量調節バルブ12を配置することも可能である。
【0020】
分岐流路配管22内には前記熱処理炉2内からの導出ガスが流れており、該導出ガスは前記流量調節バルブ12および流量計13を順次通過した後に、分岐流路配管22の先端側から大気中に放出される。
また、前記流量調節バルブ12により、分岐流路配管22内を流れる導出ガスの流量を調節することができ、前記流量計13により分岐流路配管22内を流れる導出ガスの流量を計測することが可能となっている。
【0021】
以上のように構成された残留アンモニア濃度測定装置1においては、前記流量調節バルブ12の開度を適宜調節して、前記分岐流路配管22内に所定流量Q2の導出ガスを流動させるとともに、前記残留アンモニア濃度計測器11に所定流量Q1の導出ガスを流動させながら、前記残留アンモニア濃度計測器11に供給された導出ガスの残留アンモニア濃度を計測することで、前記熱処理炉2内の残留アンモニア濃度を把握するようにしている。
【0022】
このように、前記残留アンモニア濃度計測器11に供給された導出ガスの残留アンモニア濃度を計測する場合、本残留アンモニア濃度測定装置1においては、前記分岐流路配管22内を流れる導出ガスの流量Q2が、次のような流量となるように前記流量調節バルブ12の開度を調節するようにしている。
【0023】
まず、前記熱処理炉2内における残留アンモニア濃度の真値を求める。残留アンモニア濃度の真値は、例えば、熱処理炉2に流路配管21を介して残留アンモニア濃度計測器11を接続するとともに、前記流路配管21の周囲に冷却水が循環する冷却水管を配置して該流路配管21を強制冷却し、流路配管21内でのアンモニアの分解の進行を抑制しつつ熱処理炉2内の残留アンモニア濃度を計測することで得ることができる。
【0024】
次に、前記熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量と、前記導出ガスにおける残留アンモニア濃度の前記残留アンモニア濃度計測器11による計測値との関係を求める。
前記熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量と、前記導出ガスにおける残留アンモニア濃度の計測値との関係は、図2に示すごとくである。
【0025】
つまり、導出ガスの流量が0からQaまでの範囲では、熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量が増加するに従って残留アンモニア濃度の計測値も増加していき、導出ガスの流量がQaに達すると、残留アンモニア濃度の計測値は前記熱処理炉2内における残留アンモニア濃度の真値Cとなる。
その後、導出ガスの流量がQaを超えると残留アンモニア濃度の計測値は前記真値Cのまま一定値を示す。
【0026】
この場合、熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量は、残留アンモニア濃度測定装置1における前記流量Q1と流量Q2とを加えた流量に相当するため、前記導出ガスにおける残留アンモニア濃度の計測値との関係は、前記残留アンモニア濃度測定装置1の流量調節バルブ12の開度を調節して流量Q2を変化させて(残留アンモニア濃度計測器11に供給される導出ガスの流量は一定)、熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量を制御しながら、前記残留アンモニア濃度計測器11による計測を行うことで求めることができる。
【0027】
この場合、前記分岐流路配管22内を流れる導出ガスの流量Q2は、前記流量計13により計測する。
また、前記制御装置15には記憶部15aが設けられており、前述のように求められた前記熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量と、前記導出ガスにおける残留アンモニア濃度の前記残留アンモニア濃度計測器11による計測値との関係が、前記記憶部15aに記憶されている。
【0028】
このようにして求めた、前記熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量と、導出ガスにおける残留アンモニア濃度の計測値との関係から、前記残留アンモニア濃度計測器11の計測値が前記熱処理炉2内における残留アンモニア濃度の真値となる、熱処理炉2内から流出する導出ガス流量の範囲を求めることができる。
本例の場合では、前記残留アンモニア濃度計測器11の計測値が前記熱処理炉2内における残留アンモニア濃度の真値となる、適正な導出ガス流量の範囲は、導出ガスの流量がQaを超える範囲となる。
【0029】
なお、前記制御装置15には演算部15bが設けられており、前記残留アンモニア濃度計測器11の計測値が前記熱処理炉2内における残留アンモニア濃度の真値となる、熱処理炉2内から流出する導出ガス流量の範囲は、前記演算部15bにより求められる。
この場合、前記演算部15bは、前記記憶部15aに記憶された前記熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量と、導出ガスにおける残留アンモニア濃度の計測値との関係を用いて、前記導出ガス流量の範囲を求める。
【0030】
従って、前記熱処理炉2内から流出する導出ガスの残留アンモニア濃度を前記残留アンモニア濃度計測器11により計測する場合、本残留アンモニア濃度測定装置1においては、熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量がQaを超える範囲の流量となるように、前記流量調節バルブ12の開度を制御して、前記分岐流路配管22内を流れる導出ガスの流量Q2を調節している。
なお、前記制御装置15には制御部15cが設けられており、該制御部15cにより前記流量調節バルブ12の開度の制御が行われる。
【0031】
このように、熱処理炉2内から流出する導出ガスの流量がQaを超える範囲、つまり前記残留アンモニア濃度計測器11の計測値が前記熱処理炉2内における残留アンモニア濃度の真値となる範囲の流量となるように、前記流量調節バルブ12の開度を制御したうえで、前記熱処理炉2内から流出する導出ガスの残留アンモニア濃度を前記残留アンモニア濃度計測器11により計測することで、該残留アンモニア濃度計測器11による計測値を、前記熱処理炉2内における残留アンモニア濃度の真値とすることができ、高精度な計測を行うことが可能となる。
【0032】
特に、本残留アンモニア濃度測定装置1においては、前記流路配管21を冷却するための大掛かりな設備を設けることなく、前記熱処理炉2内における残留アンモニア濃度を高精度に計測することができ、熱処理炉2内から流出する導出ガスを自動で連続的に計測して、計測した残留アンモニア濃度をアンモニアの供給装置などにフィードバックし、アンモニアガス供給管25から熱処理炉2内に供給するアンモニアガスの流量を調節して、熱処理炉2内での処理条件を制御する場合にも、熱処理炉2内での処理条件を適正に制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】残留アンモニア濃度測定装置を示す概略図である。
【図2】熱処理炉内から流出する雰囲気の流量と、前記雰囲気における残留アンモニア濃度の計測器による計測値との関係を示す図である。
【図3】従来の残留アンモニア濃度計測器により、熱処理炉内の雰囲気における残留アンモニア濃度を計測する際に、熱処理炉に接続される流路配管内でもアンモニアガスの分解が進行する様子を示す図である。
【符号の説明】
【0034】
1 残留アンモニア濃度測定装置
2 熱処理炉
11 残留アンモニア濃度計測器
12 流量調節バルブ
13 流量計
15 制御装置
15a 記憶部
15b 演算部
15c 制御部
21 流路配管
22 分岐流路配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンモニアガスが供給される熱処理炉内の雰囲気における残留アンモニア濃度を計測器により計測する残留アンモニア濃度測定方法であって、
熱処理炉内の雰囲気を前記計測器へ供給する流路の途中部に、前記流路から分岐した分岐流路を設け、
前記分岐流路の先端側を大気解放して、前記熱処理炉内の雰囲気を前記分岐流路を通じて外部へ流出させ、
前記分岐流路の途中部に、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量を調節する流量調節手段を設けて、
前記流量調節手段により分岐流路内を流れる雰囲気の流量を調節しながら、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の残留アンモニア濃度を前記計測器により計測する、
ことを特徴とする残留アンモニア濃度測定方法。
【請求項2】
前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量と、前記雰囲気における残留アンモニア濃度の前記計測器による計測値との関係を予め求めておき、
前記流量と計測値との関係から、前記計測器の計測値が前記熱処理炉内における残留アンモニア濃度の真値となる前記流量の範囲を求め、
前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量が、求めた流量の範囲となるように前記流量調節手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の残留アンモニア濃度測定方法。
【請求項3】
アンモニアガスが供給される熱処理炉内の雰囲気における残留アンモニア濃度を計測するための残留アンモニア濃度計測装置であって、
熱処理炉内の雰囲気が供給され、該雰囲気における残留アンモニア濃度を計測する計測器と、
前記熱処理炉内から前記計測器へ供給される雰囲気が流通する流路と、
前記流路から分岐し、その先端が大気解放される分岐流路と、
前記分岐流路の途中部に設けられ、前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量を調節する流量調節手段とを備える、
ことを特徴とする残留アンモニア濃度測定装置。
【請求項4】
前記残留アンモニア濃度測定装置は、予め求められた前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量と、前記雰囲気における残留アンモニア濃度の前記計測器による計測値との関係が記憶される記憶手段と、
前記流量と計測値との関係から、前記計測器の計測値が前記熱処理炉内における残留アンモニア濃度の真値となる前記流量の範囲を求める演算手段と、
前記熱処理炉内から流出する雰囲気の流量が、前記演算手段により求められた流量の範囲となるように前記流量調節手段を制御する制御手段とを備える、
ことを特徴とする請求項3に記載の残留アンモニア濃度測定装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−287071(P2009−287071A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139736(P2008−139736)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000219451)東亜ディーケーケー株式会社 (204)
【Fターム(参考)】