説明

殺生物剤による構造的バリヤー(BSB)

特定の殺虫性殺生物剤および/もしくは忌避剤がコンクリート塊全体に組み込まれた状態で含まれているコンクリート製構造物または生コンクリートの殺生物剤による構造的バリヤーが提供される。本発明は、建築および建造の分野に特に適しており、土壌近くまたは土壌中に位置しているコンクリート構造物(スラブ、土台、埋設されている壁、プレハブコンクリートブロックなど)にさらに特に適している。シロアリ類に対する保護に好ましい殺虫剤は、クロルフェナピルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺虫性殺生物剤および/または忌避剤を含んでいるコンクリート組成物およびそれを製造する方法に関し、また、全ての種類の建造物および住宅に侵入する節足動物(例えば、昆虫、例えば、シロアリ類およびアリ類)が通り抜けることのできない構造を作り、それによって、物理化学的な殺生物剤によるバリヤーを提供するための、建設の分野における前記コンクリート組成物の使用にも関する。
【0002】
本発明は、個人の住居(例えば、個々の家)、共同住居、非居住用建築物(オフィス、商業用店舗など)の建造の分野における使用が意図されており、また、コンクリートを使用する必要がある任意の建造物の建造における使用も意図されている。さらに正確に言えば、本発明は、建造物のコンクリートの土台や建造物の1階に位置しているコンクリートのスラブを建造するのに使用することが意図されており、さらに、コンクリートの埋設された壁(例えば、地下室の壁、または、ガレージの壁、地表面の下に位置しているその他の建物の壁)に使用することも意図されている。
【0003】
本発明は、さらにまた、コンクリート構造物(例えば、プレハブコンクリートブロック、および、建築業界で使用される他のコンクリート構造物)の製造において使用することも意図されている。
【背景技術】
【0004】
ヨーロッパおよび特にフランスの大都市におけるレチクリテルメス属(Reticulitermes)に属する地下生息性シロアリの存在、および、フランスの海外県などの熱帯におけるコプトテルメス属(Coptotermes)、ヘテロテルメス属(Heterotermes)およびナスチテルメス属(Nasutitermes)に属する地下生息性シロアリの存在は、建造物にとって(特に、建造物がセルロース成分を含んでいる場合)脅威である。
【0005】
上記昆虫が建築物を攻撃する場合のそれら昆虫による危害から購入者および所有者を保護するために、フランスの議会は、2つの法令を適用する法律(法律第99-471号)を可決した。第1の法令は、2000年7月に公布された。それは、昆虫類の繁殖を制限するために知事および市長が講じなければならない手段を定めており、また、それは、そのような昆虫類の予防および駆除に関して市長に警察権を付与する。第2の法令は、本明細書の執筆時には草案の段階にあるが、それは、法律第99-471号の第7条に関する。それは、CCH(Construction and Building Code)を一部修正して、木を食する幼虫を有する昆虫およびシロアリ類による攻撃から建築物を保護するために建築業者および全てのタイプの建物を整備する専門家が講じなければならない多くの手段を規定する。
【0006】
履行されるために提供される手段の中で、第2の法令に関する命令によって、土壌と新しい建造物の間に設置されることが意図される以下の手段が列挙されている:
・ 物理化学的なバリヤー;
・ 物理的なバリヤー;
・ 建築上の手段。
【0007】
地下生息性シロアリは、シロアリ目(Isoptera)に属する。それらは、数千〜数百万の個体からなるコロニーで生活する社会性昆虫であり、そのコロニーの中で以下の階級に組織化されている:働きアリ、兵隊アリ、第一次生殖虫(primary reproductive)および幼形成体(neotenous adult)。殆どの場合、そのコロニーは土壌中に位置している(これが、地下生息性シロアリと称される理由である)。兵隊アリの役割は、コロニーを守ることである。それらは、直接的に食物を摂ることはなく、働きアリによって食物を与えられる。第一次生殖虫および幼形成体(第二次生殖虫(secondary reproductives))の役割は、繁殖であり、コロニーを確実に発展させることである。それらは、兵隊アリと同様に、食物を摂ることはなく、働きアリによって食物を与えられる。働きアリは、最も個体数の多い階級である(約80%〜90%)。働きアリは、食物(木、ボール紙、紙および別のセルロース系材料の中に見られるセルロース)を集めることに関与している。働きアリは、そのような食物を吐き戻して同種のシロアリに与える(栄養交換(trophallaxy)による食物の交換)。
【0008】
働きアリの探査行動は、終わることがない。かくして、働きアリは、食物源を求めて、土の中で全ての方向に穴を開ける。食物源が確認された場合、その食物源を訪れる働きアリの数が時間とともに増大するが、これは、働きアリが移動中に残す足跡フェロモン(track pheromone)の付着量が増大することにより明らかである。足跡フェロモンが存在していると、その食物源を訪れる頻度が増大する。しかしながら、ここで留意すべきことは、働きアリの一部は別の食物源の探査を継続し、それによって、コロニーの永続性が長期にわたって保証されるということである。
【0009】
コロニーが建造物の近くに存在している場合、そのシロアリの働きアリは、手当たり次第にその探査を建造物に向ける。それら働きアリは、土壌中を動き回るので、その建物の中に侵入するための優先的な場所は、土壌とその建造物の基礎の間にある領域内に位置している。
【0010】
古い建造物では、コンクリートのスラブがなく、シロアリは、基礎全体を介してその建物に侵入することができる(特に、その建物が、床板を介して土の上に載っている場合)。
【0011】
最近の建造物では、コンクリートスラブの存在が侵入に対する障害を形成する(但し、そのスラブにひびが入って、上記昆虫が通り抜けるための空間(平均寸法:長さ5mmおよび直径2mm)が残っている場合を除く)。さらに、下水管および種々の管(水道、ガス、電気などのための管)を通すために必要な保留されている部位は、優先的な場所であり、従って、弱点となる。
【0012】
従って、新しい建造物および全ての種類の改装を保護することを目的とした第2の法令の範囲内で、コンクリートスラブの湾曲部または上記保留されている部位の周囲の空間を使用して、土壌中に存在しているシロアリが建造物に侵入するのを防止するための手段を用いることが推奨されている。
【0013】
有害な節足動物(例えば、シロアリ類およびアリ類)の建築物への侵入に対する物理化学的なバリヤーを提供するために、建物の壁の表面および土台に殺虫剤を含浸させることは知られていている(例えば、以下のものを参照されたい:G. Buczkkowski et al., J. Econ. Entomol. 98(2005) 485-492; B. Kard, Pest Control 61(1993) 50-54)。しかしながら、上記方法の不利な点には、殺有害生物剤(pesticide)が溶脱して土の中に入るリスクが増大することなどがある。これは、効力を低下させ、また、生態学的な観点から考えれば有害である。さらに、そのような構造物にひび割れが存在している場合、当該バリヤーは、急速に全く効果が無くなる傾向を有する。
【0014】
特定の持続性有機塩素系殺虫剤(例えば、ディルドリン)を粉砕してセメントの中に入れるかまたはそれらを混合物として加えることが示唆されている(「ACI Journal, Proceedings V.56(1960) 904」の要約を参照されたい)。しかしながら、これら化学物質の持続性は、コンクリートとの混合物という条件下においてさえその性能を長期間にわたって確実に持続させるためには望ましいものではあり得るが、生態学的な観点から考えれば極めて有害である。このような理由により、また、上記化合物の強い毒性のために、それらは、殆どの国において、既に、ほぼ完全に禁止されている。
【0015】
コンクリート中で添加剤を使用する場合、それらの効果は多くのパラメータ(例えば、コンクリートの組成、セメントのタイプおよび温度など)に左右され得るので、一般に、多くの経験とコンクリートの特性の注意深い制御が求められる。2種類以上の添加剤を同時に使用する場合、干渉によってさらなる問題が生じ得るし、また、望ましくない特性がもたらされる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特定の種類の殺虫性殺生物剤が、コンクリート混合物の中に組み込んで、環境問題を回避しながら効果的で永続的な殺虫作用を提供するのに、特に有効であるということが分かった。
【課題を解決するための手段】
【0017】
従って、本発明の一態様において、殺虫性殺生物剤タイプおよび/または忌避剤タイプの添加剤をコンクリートの塊の中に組み込まれた状態で含んでいるコンクリート組成物が提供され、ここで、前記添加剤は、以下のものから選択される:
(A1) 有機(チオ)ホスフェート系;
(A2) カーバメート系;
(A3) ピレスロイド系;
(A4) ニコチン性受容体作動薬/拮抗薬化合物;
(A5) フィプロール(fiprol)タイプのGABA拮抗薬;
(A6) 大環状ラクトン殺虫剤;
(A7) METI I 化合物;
(A8) METI II および III 化合物;
(A9) 脱共役剤化合物;
(A10) 酸化的リン酸化阻害薬化合物;
(A11) 脱皮撹乱剤(moulting disruptor)化合物;
(A12) 混合機能オキシダーゼ阻害薬化合物;
(A13) ナトリウムチャネル遮断薬化合物;
(A14) マロノニトリル化合物;
(A15) 忌避剤;
および、
(A16) 化合物 アミトラズ、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、式(Γ4):
【化1】

【0018】
で表されるアミノキナゾリノン化合物、N-R'-2,2-ジハロ-1-R''シクロ-プロパンカルボキサミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリ-フルオロ-p-トリル)ヒドラゾンもしくはN-R'-2,2-ジ(R''')プロピオンアミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-ヒドラゾン[ここで、R'はメチルまたはエチルであり、ハロはクロロまたはブロモであり、R''は水素またはメチルであり、R'''はメチルまたはエチルである]、式(Γ5):
【化2】

【0019】
[式中、A1はCH3、Cl、BrまたはIであり、XはC-H、C-Cl、C-FまたはNであり、Y'はF、ClまたはBrであり、Y''はH、F、ClまたはCF3であり、B1は水素、Cl、Br、IまたはCNであり、B2はCl、Br、CF3、OCH2CF3、OCF2HまたはOCF2CHFOCF3であり、RBは水素、CH3またはCH(CH3)2である]
で表されるアントラニルアミド化合物。
【0020】
本発明の組成物から作られたコンクリートの厚板または壁は、有害な節足動物(例えば、シロアリ)に対する長期間にわたって持続する優れた保護を提供し、殺生物剤が溶脱して土壌中または当該建築物の屋内に入り込むのを防ぐ。当該殺生物剤は、コンクリート組成物の製造過程で添加されるので、殺生物剤によるバリヤーを提供するための余分なステップは回避される。従って、その製造方法は、経済的に魅力的なものである。
【0021】
本発明の別の態様において、本発明の組成物を調製する方法が提供され、ここで、該方法では、添加剤は、組成物に直接組み込まれるか、または、組成物の成分を介して組み込まれる。
【0022】
本発明のさらに別の態様において、本発明の組成物の建設の分野における使用が提供される。
【0023】
本発明のさらに別の態様において、建築物を有害な節足動物から保護する方法が提供され、ここで、該方法は、本発明の組成物を当該建築物の基礎および/または1以上の壁に組み込むステップを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
用語「殺生物剤(biocide)」は、以下で使用される場合、殺虫活性および/または忌避活性を有する生成物を包含する。
【0025】
用語「添加剤を含んでいる組成物」は、本明細書で使用される場合、例えば壁のコンクリートの多孔性外層に含浸させることやコンクリートの構造物内の穴またはひび割れに殺虫剤を注入することとは対照的に、当該殺生物剤がコンクリートの塊の中に本質的に均質に組み込まれていることを意味する。
【0026】
用語「殺虫剤(insecticide)」および「殺虫性(insecticidal)」は、全ての種類の有害な節足動物に対する殺虫作用または忌避作用を包含し、さらに、例えば、クモ形類動物に対する殺虫作用または忌避作用も包含する。
【0027】
殺虫性殺生物剤または忌避剤は、好ましくは、アルカリ性媒体中での分解に対して良好な耐性を示すように選択するか、または、製剤からなる組み合わせ(殺虫剤+マトリックス、または、忌避剤+マトリックス、または、殺虫剤+忌避剤+マトリックス)がアルカリ性媒体中での分解に対して良好な耐性を示すように製剤する。
【0028】
該殺生物剤は、有害な節足動物(例えば、有害な昆虫)の神経系に作用するか細胞のエネルギー生成プロセスに作用するかまたは別のいずれかの生物学的標的に作用して当該節足動物の死を引き起こす1種類以上の物質から構成させ得る。
【0029】
忌避剤は、節足動物を迂回させて、節足動物がコンクリート(特に、時間の経過とともに形成され得るひび割れや傷)に侵入するのを防止する生成物または殺虫剤であり得る。
【0030】
該殺虫性殺生物剤または該忌避剤は、好ましくは、殺生物剤に対する要件(欧州連合のDirective 98/8 CE)を満たす。
【0031】
殺生物剤の例としては、以下のものを挙げることができる:
A.1. 有機(チオ)ホスフェート系:アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシジメトン-メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
A.2. カーバメート系: アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカルブ、プロポクスル、チオジカルブ、トリアザメート;
A.3. ピレスロイド系: アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エムペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン I、ピレトリン II、レスメトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン;
A.4. ニコチン性受容体作動薬/拮抗薬化合物:クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド;
式(Γ1)
【化3】

【0032】
で表されるチアゾール化合物;
A.5. フィプロール(fiprol)タイプのGABA拮抗薬: アセトプロール、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、式(Γ2):
【化4】

【0033】
で表されるフェニルピラゾール化合物;
A.6. 大環状ラクトン殺虫剤: アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド;
A.7. METI I 化合物: フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム;
A.8. METI II および III 化合物: アセキノシル、フルアシプリム(fluacyprim)、ヒドラメチルノン;
A.9. 脱共役剤化合物:クロルフェナピル;
A.10. 酸化的リン酸化阻害薬化合物: シヘキサチン、ジアフェンチウロン、酸化フェンブタスズ、プロパルギット;
A.11. 脱皮撹乱剤(moulting disruptor)化合物: シロマジン;
A.12. 混合機能オキシダーゼ阻害薬化合物: ピペロニルブトキシド;
A.13. ナトリウムチャネル遮断薬化合物: インドキサカルブ、メタフルミゾン;
A14. マロノニトリル(malonodiitrile)化合物: JP 2002 284608、WO 02/89579、WO 02/90320、WO 02/90321、WO 04/06677、WO 04/20399、JP 2004 99597、WO 05/68423、WO 05/68432またはWO 05/63694に記載されている化合物、特に、マロノニトリル化合物 CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)5CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2C(CF3)2F、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2(CF2)3CF3、CF2H(CF2)3CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF3、CF3(CF2)2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、および、CF3CF2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H;
A15. 忌避剤: N,N-ジエチル-メタ-トルアミド(DEET)、N,N-ジエチルフェニルアセトアミド(DEPA)、1-(3-シクロヘキサン-1-イル-カルボニル)-2-メチルピペリン、(2-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)酢酸ラクトン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、インダロン(indalone)、メチルネオデカンアミド(MNDA)、昆虫の防除には用いられないピレスロイド(例えば、{(+/-)-3-アリル-2-メチル-4-オキソシクロペンタ-2-(+)-エニル-(+)-trans-クリサンテメート(エスビオスリン))、以下の植物抽出物(例えば、リモネン、オイゲノール、(+)-ユーカマロール((+)-Eucamalol)(1)、(-)-1-エピ-ユーカマロールなど)もしくは以下の植物(スポッティドガム(Eucalyptus maculata)、ハマゴウ(Vitex rotundifolia)、シムボポガン・マルチニイ(Cymbopogan martinii)、レモングラス(Cymbopogan citratus)(lemon grass)、シムボポガン・ナルトズス(Cymopogan nartdus)(シトロネラ))由来の粗植物抽出物から誘導されたまたはそれらの植物抽出物もしくは粗植物抽出物と同一の忌避剤、IR3535(ブチルアセチルアミノプロピオン酸エチル)、および、イカリジン(icaridin)(1-ピペリジンカルボン酸2-(2-ヒドロキシエチル)-1-メチルプロピルエステル);
A.16. 各種: アミトラズ、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、式(Γ4):
【化5】

【0034】
で表されるアミノキナゾリノン化合物、N-R'-2,2-ジハロ-1-R''シクロ-プロパンカルボキサミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリ-フルオロ-p-トリル)ヒドラゾンもしくはN-R'-2,2-ジ(R''')プロピオンアミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-ヒドラゾン[ここで、R'はメチルまたはエチルであり、ハロはクロロまたはブロモであり、R''は水素またはメチルであり、R'''はメチルまたはエチルである]、式(Γ5):
【化6】

【0035】
[式中、A1はCH3、Cl、BrまたはIであり、XはC-H、C-Cl、C-FまたはNであり、Y'はF、ClまたはBrであり、Y''はH、F、ClまたはCF3であり、B1は水素、Cl、Br、IまたはCNであり、B2はCl、Br、CF3、OCH2CF3、OCF2HまたはOCF2CHFOCF3であり、RBは水素、CH3またはCH(CH3)2である]
で表されるアントラニルアミド化合物。
【0036】
群Aに属する市販化合物は、数ある刊行物の中でもとりわけ「The Pesticide Manual, 13th Edition, British Crop Protection Council(2003)」の中に見いだされ得る。式(Γ2)で表されるチオアミド類およびそれらの調製については、WO 98/28279に記載されている。レピメクチンは、「Agro Project, PJB Publications Ltd, November 2004」により公知となっている。ベンクロチアズ(benclothiaz)およびその調製については、EP-A1 454621に記載されている。メチダチオンおよびパラオキソン並びにそれらの調製については、「Farm Chemicals Handbook, Volume 88, Meister Publishing Company, 2001」に記載されている。アセトプロールおよびその調製については、WO 98/28277に記載されている。メタフルミゾンおよびその調製については、EP-A1 462456に記載されている。フルピラゾホスについては、「Pesticide Science 54, 1988, p.237-243」およびUS 4822779に記載されている。ピラフルプロールおよびその調製については、JP 2002193709およびWO 01/00614に記載されている。ピリプロールおよびその調製については、WO 98/45274およびUS 6335357に記載されている。アミドフルメトおよびその調製については、US 6221890およびJP 21010907に記載されている。フルフェネリムおよびその調製については、WO 03/007717およびWO 03/007718に記載されている。シフルメトフェンおよびその調製については、WO 04/080180に記載されている。式(Γ5)で表されるアントラニルアミド類およびそれらの調製については、以下のものに記載されている:WO 01/70671;WO 02/48137;WO 03/24222、WO 03/15518、WO 04/67528;WO 04/33468;および、WO 05/118552。マロノニトリル化合物 CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)5CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2C(CF3)2F、CF3(CH2)2C(CN)2(CH2)2(CF2)3CF3、CF2H(CF2)3CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2H、CF3(CH2)2C(CN)2CH2(CF2)3CF3、CF3(CF2)2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2HおよびCF3CF2CH2C(CN)2CH2(CF2)3CF2Hについては、WO 05/63694に記載されている。
【0037】
2種類またはそれ以上の殺生物剤の混合物を使用することも可能である。
【0038】
以下の類
(A3) ピレスロイド系;
(A4) ニコチン性受容体拮抗薬;
(A5) フィプロール(fiprol)タイプのGABA拮抗薬;
および、
(A9) 脱共役剤化合物;
から選択される化合物を使用するのが好ましい。
【0039】
特に好ましいのは、以下の殺生物剤である:
アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン(fenithion)、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシジメトン-メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム(phomixin)、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エムペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン(permthrin)、プラレトリン、ピレトリン I(pyerthin I)、ピレトリン II(pyerthin II)、レスメトリン、シラフルオフェン(silafoufen)、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン;
(a) キチン阻害薬:ベンゾイル尿素系:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェンジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンテジン(clofentazine); (b)エクジソン拮抗薬:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン;(c) 幼若ホルモン様作用物質(juvenoid):ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;(d) 脂質生合成阻害薬:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド;
式(Γ1)
【化7】

【0040】
で表されるチアゾール化合物;
アセトプロール、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、式(Γ2):
【化8】

【0041】
で表されるフェニルピラゾール化合物;
および、
クロルフェナピル。
【0042】
さらに好ましい殺生物剤は、α-シペルメトリン、ビフェントリン、クロルフェナピル(chlorfenapyyr)、クロルピリホス、デルタメトリン、フィプロニル、ヘキサフルムロン、イミダクロプリド、ペルメトリンおよびトリフルムロンである。
【0043】
極めて特に好ましいのは、フィプロニルおよびクロルフェナピルであり、とりわけ、クロルフェナピルが好ましい。
【0044】
上記殺生物剤の薬量は、殺虫剤のタイプ、コンクリートのタイプ、所望される施用などに応じて広い範囲で変わる。
【0045】
一般に、それは、当該コンクリート組成物1kg当たり0.001〜10gの範囲内であり、好ましくは、当該コンクリート組成物1kg当たり0.01〜2gの範囲内であり、特に、当該コンクリート組成物1kg当たり0.05〜0.5gの範囲内である。
【0046】
通常、上記殺生物剤は、水性媒体に溶解または懸濁させた後、コンクリート混合物の中に組み込む。多くの種類の殺生物剤は水に充分には溶解しないので、良好な分散を確実なものとするために、製剤化された殺生物剤を使用するのが有利である。当該殺生物剤が充分に分散している限り、概ね、任意の慣習的な製剤タイプ(例えば、懸濁製剤(SC)など)が適している。しかしながら、コンクリート混合物の特性を劣化させないために、大量の溶媒は使用しないのが好ましい。
【0047】
上記殺生物剤は、シロアリ類および建築物で発生する別の有害な節足動物(アリ類、クモ類など)に対して、該シロアリ類および場合により該別の節足動物が当該物理化学的バリヤーを通り抜けるのを防止するという意味において、または、それらの生物が該バリヤーを通り抜けた後で死ぬという意味において、有効である。上記忌避剤は、シロアリ類および別の節足動物を必ずしも死に至らしめることなく、それらの標的生物が当該物理化学的バリヤーを通り抜けるのを防止することができる。
【0048】
考えられる有害な節足動物の一部としては、以下のものを挙げることができる:
地下シロアリ類(シロアリ目(Isoptera))、例えば、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・ヘスペルス(Reticulitermes hesperus)、レチクリテルメス・ビルギニクス(Reticulitermes virginicus)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・バンユレンシス(Reticulitermes banyulensis)、レチクリテルメス・グラッセイ(Reticulitermes grassei)、および、コプトテルメス・ホルモサヌス(Coptotermes formosanus)、ヘテロテルメス・アウレウス(Heterotermes aureus);
アリ類、ミツバチ類、スズメバチ類、ハバチ類(膜翅目(Hymenoptera))、例えば、アタリア・ロサエ(Athalia rosae)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・カピグアラ(Atta capiguara)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・ラエビガタ(Atta laevigata)、アッタ・ロブスタ(Atta robusta)、アッタ・セキスデンス(Atta sexdens)、アッタ・テクサナ(Atta texana)、クレマトガステル属種(Crematogaster spp.)、ホプロカムパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカムパ・テスツジネア(Hoplocampa testudinea)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata)、ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta)、ソレノプシス・リクテリ(Solenopsis richteri)、ソレノプシス・キシロニ(Solenopsis xyloni)、ポゴノミルメクス・バルバツス(Pogonomyrmex barbatus)、ポゴノミルメクス・カリホルニクス(Pogonomyrmex californicus)、フェイドレ・メガセファラ(Pheidole megacephala)、ダシムチラ・オシデンタリス(Dasymutilla occidentalis)、ボムブス属種(Bombus spp.)、ベスプラ・スクアモサ(Vespula squamosa)、パラベスプラ・ブルガリス(Paravespula vulgaris)、パラベスプラ・ペンシルバニカ(Paravespula pennsylvanica)、パラベスプラ・ゲルマニカ(Paravespula germanica)、ドリコベスプラ・マクラタ(Dolichovespula maculata)、ベスパ・クラブロ(Vespa crabro)、ポリステス・ルビギノサ(Polistes rubiginosa)、カムポノツス・(Camponotus floridanus)、および、リネピテマ・フミレ(Linepithema humile)。
【0049】
上記殺生物剤は、さまざまな方法でコンクリートに組み込むことができる(セメントの製造中に直接的に組み込むか、コンクリートの製造中に直接的に組み込むか、または、コンクリートの製造に使用する材料もしくは成分(砂利、セメント、水など)中に組み込むか、または、コンクリートの製造方法に関わっている材料もしくは成分中に組み込む)。
【0050】
本発明によるコンクリート混合物には、原理上は、任意のタイプのコンクリートを使用することができる。そのようなコンクリートには、通常のコンクリートに加えて、
軽量コンクリート、重量コンクリート、マスコンクリート(massive concrete)、繊維強化コンクリート、ポリマーコンクリートおよびモルタルなどがある。
【0051】
該コンクリート組成物は、本発明による殺生物剤の他に、主に、以下のものを含んでいる:(a)セメント、(b)骨材、(c)水、および、(d)場合によるさらなる添加剤。
【0052】
原理上、ポルトランドセメントなどの任意の種類のセメント成分(a)が適しており、そのようなものには、以下のものが包含される:白色ポルトランドセメント(white portland cement)、ポルトランドスラグセメント(portland slag cement)、シリカセメント(portland pozzolano cement)、フライアッシュセメント(portland fly-ash cement)、ポゾランセメント(pozzolanic cement)、トラスセメント(trass cement)、高炉セメント(blast furnace cement)、高耐硫酸塩セメント(cements with high sulfate resistance)、低熱セメント(cements with a low heat of hydration)、低アルカリセメント(low alkali cements)、高硫酸塩セメント(supersulfated cements)、撥水セメント(water repellent cements)、オイルウェルセメント(oil well cements)、ジェットセメント(regulated set cements)、膨張セメント(expanding cements)、メーソンリーセメント(masonry cements)および高アルミナセメント(high alumina cements)。
【0053】
上記セメント成分は、一般に、該コンクリート組成物の容積の約25%を構成する。
【0054】
骨材成分(b)は、充填材として作用し、また、砂などの任意の種類の骨材を含むことが可能であり、そのようなものには、以下のものが包含される:天然骨材および人工骨材;軽量骨材、普通骨材または重量骨材;並びに、鉱物材料、金属材料および有機材料。該骨材の粒度分布は、通常、0.01〜100mmの範囲内である。一般に、上記骨材は、該コンクリート組成物の容積の最大で約75%を構成する。
【0055】
成分(c)は水であり、この水には、殺生物剤を分散させて含有させることができる。また、この水は、殺生物剤を含有していない場合は、有機化合物または塩などの不純物の含有量は可能な限り少なくすべきである。
【0056】
該コンクリート混合物には、本発明の殺生物剤に加えて、場合により、慣習的なさらなる添加剤を含ませることができる。そのような添加剤としては、以下のものを挙げることができる:硬化性(setting and hardening)添加剤、例えば、硬化促進剤、または、硬化遅延剤、加工性添加剤、例えば、可塑剤および高性能可塑剤(superplasticizer)、多孔性添加剤、例えば、泡形成性(foam-forming)添加剤または空気除去性(air-removing)添加剤、膨張剤(expansion-producing agents)、腐食防止剤、殺菌剤(fungicidal or microbicidal agents)、防湿性および透水性低減性の添加剤、結合剤、並びに、顔料、さらに、細粒材料、例えば、非反応性岩質材料、反応性鉱物、シリカフュームおよび金属酸化物着色剤、または、ポリマー。
【0057】
本発明のコンクリート組成物を調製するために、該殺生物剤またはその濃厚分散液を、好ましくは、水と混合させ、その水を、好ましくは、セメントに添加し、次いで、そのセメントに骨材を組み入れる。
【0058】
充分に混合されて均質なフレッシュコンクリートを得るために、材料を、好ましくはミキサーの中に入れるが、ここで該ミキサーは、一般に、ブレードが備えられている回転するドラムからなるか、その中でブレードが縦軸を中心に回転する、固定されているかもしくは回転するパンからなるか、または、その中で螺旋形のブレードが回転する横軸を中心に動く横型ドラムからなる。必要とされる混合時間は、混合の強度およびバッチサイズに左右され、通常は、30〜120秒の範囲である。トラックミキサーで混合される(truck-mixed)コンクリートでは、トラックに搭載された、混合速度で回転するドラムの最大で100回転が必要であり得る。
【0059】
本発明のコンクリート組成物は、一般に、建設の分野で使用され、好ましくは、プレハブのコンクリート構造物の製造において、および、建築産業で使用される。
【0060】
本発明は、かくして、物理化学的なバリヤーを提供し、ここで、その物理的な部分はコンクリートによって形成され、化学的な部分は殺生物剤によって形成され、かつ/または、それは、該コンクリートの塊全体に組み込まれている。
【0061】
該組成物は、有利には、建築物の建造において使用され、特に、建築物の地面と接触している部分(従って、シロアリ類その他の有害な節足動物による攻撃の影響を特に受けやすい部分)に使用される。好ましくは、本発明のコンクリート組成物は、建築物の土台、基礎もしくは床において使用されるか、または、壁において、好ましくは、地面と接触している壁において、例えば、そのような壁および/もしくは土台の建造で使用されるコンクリートの厚板もしくは板石で使用される。
【0062】
さらに正確には、該組成物は、建造物のコンクリートの土台や建造物の1階に位置しているコンクリートのスラブを建造するのに使用することが意図されており、さらに、コンクリートの埋設された壁(例えば、地下室の壁、または、ガレージの壁、地表面の下に位置しているその他の建物の壁)に使用することも意図されている。
【0063】
本発明の組成物は、さらにまた、コンクリート構造物(例えば、プレハブコンクリートブロック、および、建築産業で使用される他のコンクリート構造物)の製造において使用することも意図されている。
【0064】
従って、本発明は、有害な節足動物から建築物を保護する方法を提供し、ここで、該方法は、建築物の基礎または1以上の壁に本発明組成物を組み込むことによる。
【0065】
さらなる態様において、建築物が提供され、ここで、該建築物は、その基礎の中におよび/またはその壁のうちの1以上の中に本発明の組成物を含んでいる。
【0066】
そのような建築物は、有害な節足動物(例えば、シロアリ類)による攻撃の影響を受けやすい任意の種類の建築物、例えば、居住用建築物、共同住宅、非居住用建築物(例えば、オフィス、倉庫、工業用建築物または厩舎など)であることが可能である。
【0067】
本出願において本発明の組成物について言及されている場合、それが、製造に関連した原料としての組成物および建築物に関連した硬化した組成物を示していることは、言うまでもない。
【実施例】
【0068】
下記実施例により本発明についてさらに説明するが、本発明はそれら実施例によって限定されることはない。
【0069】
実施例:
壁の処理に関するクロルフェナピルの抗シロアリ効力の測定
試験設定
シロアリのための通路を有するコンクリート製ブロック(高さ10cm)に注いで、混合水中の処理製品を組み込む。
【0070】
乾燥させ、浸透試験に付した後、試験の設定および実施は、標準規格「NF X41-541」に従う。試験片のバリヤー効果は、木製ブロックを含んでいる清浄な区画中でのシロアリの死亡率およびシロアリの侵入を評価することにより確認する。「EN NF 117」の採点法に従う木製ブロックの評価を試験の最後に実施する。
【表1】

【表2】

【0071】
上記試験は、クロルフェナピルで処理されたコンクリートが建築物に対するシロアリの攻撃を効果的に防止していることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート組成物であって、
(A1) 有機(チオ)ホスフェート系;
(A2) カーバメート系;
(A3) ピレスロイド系;
(A4) ニコチン性受容体作動薬/拮抗薬化合物;
(A5) フィプロール(fiprol)タイプのGABA拮抗薬;
(A6) 大環状ラクトン殺虫剤;
(A7) METI I 化合物;
(A8) METI II および III 化合物;
(A9) 脱共役剤化合物;
(A10) 酸化的リン酸化阻害薬化合物;
(A11) 脱皮撹乱剤(moulting disruptor)化合物;
(A12) 混合機能オキシダーゼ阻害薬化合物;
(A13) ナトリウムチャネル遮断薬化合物;
(A14) マロノニトリル化合物;
(A15) 忌避剤;
および、
(A16) 化合物 アミトラズ、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、フルベンジアミド、シエノピラフェン、フルピラゾホス、シフルメトフェン、アミドフルメト、式(Γ4):
【化1】

で表されるアミノキナゾリノン化合物、N-R'-2,2-ジハロ-1-R''シクロ-プロパンカルボキサミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリ-フルオロ-p-トリル)ヒドラゾンもしくはN-R'-2,2-ジ(R''')プロピオンアミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-ヒドラゾン[ここで、R'はメチルまたはエチルであり、ハロはクロロまたはブロモであり、R''は水素またはメチルであり、R'''はメチルまたはエチルである]、式(Γ5):
【化2】

[式中、A1はCH3、Cl、BrまたはIであり、XはC-H、C-Cl、C-FまたはNであり、Y'はF、ClまたはBrであり、Y''はH、F、ClまたはCF3であり、B1は水素、Cl、Br、IまたはCNであり、B2はCl、Br、CF3、OCH2CF3、OCF2HまたはOCF2CHFOCF3であり、RBは水素、CH3またはCH(CH3)2である]
で表されるアントラニルアミド化合物;
から選択される殺虫性殺生物剤タイプおよび/または忌避剤タイプの添加剤を当該コンクリートの塊の中に組み込まれた状態で含む、上記コンクリート組成物。
【請求項2】
前記添加剤が、以下の類
(A3) ピレスロイド系;
(A4) ニコチン性受容体拮抗薬;
(A5) フィプロール(firprol)タイプのGABA拮抗薬;
および、
(A9) 脱共役剤化合物;
から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記添加剤が、
アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン(fenithion)、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシジメトン-メチル、パラオキソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム(phomixin)、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
アレスリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、ベータ-シペルメトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エムペントリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン(permthrin)、プラレトリン、ピレトリン I(pyerthin I)、ピレトリン II(pyerthin II)、レスメトリン、シラフルオフェン(silafoufen)、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン;
(a) キチン阻害薬:ベンゾイル尿素系:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェンジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾクス、エトキサゾール、クロフェンテジン(clofentazine); (b)エクジソン拮抗薬:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラクチン;(c) 幼若ホルモン様作用物質(juvenoid):ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;(d) 脂質生合成阻害薬:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト;
クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセタミプリド、チアクロプリド;
式(Γ1)
【化3】

で表されるチアゾール化合物;
アセトプロール、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール、式(Γ2):
【化4】

で表されるフェニルピラゾール化合物;
および、
クロルフェナピル;
から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記添加剤が、クロルフェナピルである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記添加剤を、該コンクリート組成物1kg当たり0.001〜10gの量で含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記添加剤を、該コンクリート組成物1kg当たり0.01〜2gの量で含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を調製する方法であって、前記添加剤を、該組成物に直接組み込むか、または、該組成物の成分を介して組み込む、上記方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物の建設の分野における使用。
【請求項9】
建築物を有害な節足動物から保護する方法であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を当該建築物の基礎および/または1以上の壁に組み込むステップを含む、上記方法。
【請求項10】
その基礎の中におよび/またはその壁の1以上の中に請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物を含む、建築物。

【公表番号】特表2009−523685(P2009−523685A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538358(P2008−538358)
【出願日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068030
【国際公開番号】WO2007/051814
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(508133514)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】