説明

殺真菌剤として使用されるヘテロ二環式化合物

本発明は、式I:
【化1】


の二環式化合物及び式Iの農業上許容される塩に関し、さらには少なくとも1つの式Iの化合物及び/又は式Iの農業上許容される塩と少なくとも1つの固体又は液体担体とを含んでなる作物保護組成物、並びに病原性真菌を抑制する方法を記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規の二環式化合物、及び有害な真菌を抑制するためのその使用、及びかかる化合物を活性成分として含んでなる作物保護組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
EP-A 71792、US 5,994,360、EP-A 550113及びWO 02/48151は、置換された又は置換されてないフェニル基をピリミジン環の5-位置に有する殺真菌活性ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン及びトリアゾロ[1,5-a]ピリミジンを記載している。殺真菌作用を有するイミダゾロ[1,2-a]ピリミジンは、WO03/022850により公知である。
【0003】
EP-A 770615は、塩素又は臭素をピリミジン環の4-及び6-位置に有する5-アリールアゾロピリミジンを調製する方法を記載している。
【0004】
先行技術で公知のアゾロピリミジンは殺真菌作用が不満足であるか又は低い作物植物安全性などの欲しない特性を有することが多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、改良された殺真菌活性及び/又はより優れた作物植物安全性を有する新規化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、式I:
【化1】

【0007】
[式中、
A1又はA5はCでありかつ2つの基A1、A5のうちの他の基はN、C又はC-R3であり;
A2、A3、A4は互いに独立してN又はC-R3aであり、
ここで、もしA1とA5が両方ともCであれば、基A2、A3又はA4のうちの1つはS又は基N-R4であってもよく、そして、
ここで、
二重結合によって、
A1とA2及びA3とA4が結合しているか、又は
A2とA3及びA4とA5が結合しているか、又は
A1とA5及びA2とA3が結合しているか、又は
A1とA5及びA3とA4が結合しているか、又は
A1とA2及びA4とA5が結合しており;
nは0、1、2、3、4又は5であり;
Raはハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ又はC(O)R5であり;
R1はハロゲン、シアノ、C1-C10-アルキル(ここでC1-C10-アルキル基の炭素原子は珪素原子により置換えられていてもよい)、C1-C6-ハロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル(ここで最後に挙げた2つの基のシクロアルキル部分は置換されていないか又はC1-C4-アルキリデン、C1-C4-アルキル、ハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシからなる群から選択される1、2、3、4、5、又は6個の基を含有してもよく、かつC3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキルのアルキル部分は、置換されていないか又はハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシからなる群から選択される1、2、3、又は4個の基を含有してもよい)、C5-C8-シクロアルケニル(これは置換されていないか又は、C1-C4-アルキル、ハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシからなる群から選択される1、2、3、又は4個の基を含有してもよい)、OR6、SR6、NR7R8、式-C(R11)(R12)C(=NOR13)(R14)の基又は式-C(=NOR15)C(=NOR16)(R17)の基であり;
R2はハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、OR6、SR6又はNR7R8であり;
R3、R3aは互いに独立して水素、CN、ハロゲン、C1-C6-アルキル又はC2-C6-アルケニルであり;
R4は水素、C1-C6-アルキル又はC2-C6-アルケニルであり;
R5は水素、OH、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C2-C6-アルケニル、C1-C6-アルキルアミノ又はジ-C1-C6-アルキルアミノ、ピペリジン-1-イル、ピロリジン-1-イル又はモルホリン-4-イルであり;
R6は水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル又はCOR9であり;
R7、R8は互いに独立して水素、C1-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C4-C10-アルカジエニル、C2-C10-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、C5-C10-ビシクロアルキル、フェニル、ナフチル、5員若しくは6員の飽和又は部分的不飽和ヘテロ環(環原子として、N、O及びSからなる群から選択される1、2又は3個のへテロ原子を有しうる)又は5員若しくは6員の芳香族ヘテロ環(環原子として、N、O及びSからなる群から選択される1、2又は3個のへテロ原子を有しうる)であり、ここで、R7、R8として挙げた基は部分的に又は全てハロゲン化されていてもよく、及び/又は1、2又は3個の基Rb(ここでRbはシアノ、ニトロ、OH、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、ピペリジン-1-イル、ピロリジン-1-イル又はモルホリン-4-イルからなる群から選択される)を有してもよく;
R7とR8はまた、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6又は7員の飽和又は不飽和ヘテロ環(これらは環原子としてO、S、N及びNR10からなる群から選択される1、2、3又は4個のさらなるヘテロ原子を有してもよく、部分的に又は全てハロゲン化されていてもよく、そして1、2又は3個の基Rbを有してもよい)を形成してもよく;
R9、R10は、互いに独立して水素又はC1-C6-アルキルであり;
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17は、互いに独立して、水素又はC1-C6-アルキルであり;
但し、A5がCであり、かつA2、A3及びA4が同時に次の意味をもつ、すなわちA2がN又はC-R3aであり、A3がC-R3aでありそしてA4がN又はC-R3aであるときは、A1はNでない。]
の二環式化合物及び化合物Iの農業上許容される塩によって達成される。
【0008】
従って、本発明は、もしA1がNでありかつA5がCでありかつ基A2、A3及びA4が互いに独立してN又はC-R3aであれば、R1とR2が両方ともOHであるか又は両方ともハロゲンである式Iの化合物を除いて、式Iで表される二環式化合物及びその農業上許容される塩を提供する。
【0009】
さらに本発明は、式Iの二環式化合物及びその農業上許容される塩の、植物病原性真菌(=有害な真菌)を抑制するための使用、並びに植物病原性の有害な真菌を抑制する方法であって、真菌又は真菌の攻撃に対して保護すべき材料、植物、土壌若しくは種子を式Iの化合物及び/又は式Iの農業上許容される塩の有効量を用いて処理することを含んでなる上記方法を提供する。
【0010】
本発明は、有害な真菌を抑制するための組成物であって、少なくとも1種の式Iの化合物及び/又はその農業上許容される塩並びに少なくとも1種の液体又は固体の担体を含んでなる上記組成物を提供する。
【0011】
置換パターンに応じて、式Iの化合物は1以上のキラリティ中心を有することがあり、その場合、上記化合物はエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物として存在する。本発明は、純粋なエナンチオマー又はジアステレオマーの両方及びそれらの混合物を提供する。本発明はまた、式Iの化合物の互変異性体も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好適な農業上有用な塩は、特にその陽イオン及びその陰イオンが、それぞれ、化合物Iの殺真菌性作用に悪影響を与えることのない、陽イオンの塩又は酸の酸付加塩である。従って、好適な陽イオンは、特に、アルカリ金属、好ましくはナトリウム及びカリウム、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム、マグネシウム及びバリウム、並びに遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛及び鉄のイオン、そしてまた、もし所望であれば、1〜4個のC1-C4-アルキル置換基及び/又は1個のフェニル若しくはベンジル置換基を有してもよいアンモニウムイオン、好ましくは、ジイソプロピルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、さらにまた、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホニウム、及びスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホキソニウムである。
【0013】
有用な酸付加塩の陰イオンは、主に、塩化、臭化、フッ化、硫酸水素、硫酸、リン酸二水素、リン酸水素、リン酸、硝酸、炭酸水素、炭酸、ヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロリン酸、安息香酸、及びC1-C4-アルカン酸、好ましくは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸及び酪酸である。これらは、Iを、対応する陰イオンの酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸又は硝酸と反応させることにより生成させることができる。
【0014】
上記の式に与えた基の定義においては、一般的に問題の置換基を表す集団的用語を使用する。用語「Cn-Cm」は、問題の置換基又は置換基の部分のそれぞれの場合に可能である炭素原子数を意味する。
【0015】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味し;
アルキル並びにアルコキシ、アルキルチオ、アルキルアミノ及びジアルキルアミノ中の全てのアルキル部分は、1〜4、1〜6、1〜8又は1〜10個の炭素原子を有する飽和直鎖又は分枝炭化水素基、例えば、C1-C6-アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル及び1-エチル-2-メチルプロピルを意味し;
ハロアルキルは、いくつかの又は全ての水素原子がこれらの基において上記のハロゲン原子により置換えられていてもよい1〜4又は1〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分枝アルキル基(上記のように)、例えば、C1-C2-ハロアルキル、例えばクロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル及び1,1,1-トリフルオロプロプ-2-イルを意味し;
アルケニルは、2〜4、2〜6、2〜8又は2〜10個の炭素原子及び1つの二重結合を任意の位置に有するモノ不飽和直鎖又は分枝炭化水素基、例えば、C2-C6-アルケニル、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニルを意味し;
アルカジエニルは、4〜10個の炭素原子及び2つの二重結合を任意の位置に有するダブル不飽和直鎖又は分枝炭化水素基、例えば1,3-ブタジエニル、1-メチル-1,3-ブタジエニル、2-メチル-1,3-ブタジエニル、ペンタ-1,3-ジエン-1-イル、ヘキサ-1,4-ジエン-1-イル、ヘキサ-1,4-ジエン-3-イル、ヘキサ-1,4-ジエン-6-イル、ヘキサ-1,5-ジエン-1-イル、ヘキサ-1,5-ジエン-3-イル、ヘキサ-1,5-ジエン-4-イル、ヘプタ-1,4-ジエン-1-イル、ヘプタ-1,4-ジエン-3-イル、ヘプタ-1,4-ジエン-6-イル、ヘプタ-1,4-ジエン-7-イル、ヘプタ-1,5-ジエン-1-イル、ヘプタ-1,5-ジエン-3-イル、ヘプタ-1,5-ジエン-4-イル、ヘプタ-1,5-ジエン-7-イル、ヘプタ-1,6-ジエン-1-イル、ヘプタ-1,6-ジエン-3-イル、ヘプタ-1,6-ジエン-4-イル、ヘプタ-1,6-ジエン-5-イル、ヘプタ-1,6-ジエン-2-イル、オクタ-1,4-ジエン-1-イル、オクタ-1,4-ジエン-2-イル、オクタ-1,4-ジエン-3-イル、オクタ-1,4-ジエン-6-イル、オクタ-1,4-ジエン-7-イル、オクタ-1,5-ジエン-1-イル、オクタ-1,5-ジエン-3-イル、オクタ-1,5-ジエン-4-イル、オクタ-1,5-ジエン-7-イル、オクタ-1,6-ジエン-1-イル、オクタ-1,6-ジエン-3-イル、オクタ-1,6-ジエン-4-イル、オクタ-1,6-ジエン-5-イル、オクタ-1,6-ジエン-2-イル、デカ-1,4-ジエニル、デカ-1,5-ジエニル、デカ-1,6-ジエニル、デカ-1,7-ジエニル、デカ-1,8-ジエニル、デカ-2,5-ジエニル、デカ-2,6-ジエニル、デカ-2,7-ジエニル、デカ-2,8-ジエニルを意味し;
アルキニルは、2〜4、2〜6、2〜8又は2〜10個の炭素原子及び三重結合を任意の位置に有する直鎖又は分枝炭化水素、例えば、C2-C6-アルキニル、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-メチル-2-プロピニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-メチル-2-ブチニル、1-メチル-3-ブチニル、2-メチル-3-ブチニル、3-メチル-1-ブチニル、1,1-ジメチル-2-プロピニル、1-エチル-2-プロピニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、1-メチル-2-ペンチニル、1-メチル-3-ペンチニル、1-メチル-4-ペンチニル、2-メチル-3-ペンチニル、2-メチル-4-ペンチニル、3-メチル-1-ペンチニル、3-メチル-4-ペンチニル、4-メチル-1-ペンチニル、4-メチル-2-ペンチニル、1,1-ジメチル-2-ブチニル、1,1-ジメチル-3-ブチニル、1,2-ジメチル-3-ブチニル、2,2-ジメチル-3-ブチニル、3,3-ジメチル-1-ブチニル、1-エチル-2-ブチニル、1-エチル-3-ブチニル、2-エチル-3-ブチニル及び1-エチル-1-メチル-2-プロピニルを意味し;
アルキリデンは、1〜4個、好ましくは1又は2個の炭素原子を有しかつ1つの炭素原子上に親アルカンより2個少ない水素原子を有する直鎖又は分枝炭化水素基、例えばメチレン、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン、及びブチリデンを意味し;
シクロアルキルは、3〜8個、好ましくは3〜6個の炭素環原子を有しかつ単環式飽和炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルであって、置換されていなくても、又はC1-C4-アルキリデン、C1-C4-アルキル、ハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシから選択される1、2、3、4、5、又は6個の基を有してもよい上記単環式飽和炭化水素基を意味し;
シクロアルケニルは、5〜8個、好ましくは5〜6個の炭素環原子を有する単環式モノ不飽和炭化水素基、例えば、シクロペンテン-1-イル、シクロペンテン-3-イル、シクロヘキセン-1-イル、シクロヘキセン-3-イル及びシクロヘキセン-4-イルであって、置換されていなくても、又はC1-C4-アルキル、ハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシから選択される1、2、3又は4個の基を有してもよい上記単環式モノ不飽和炭化水素基を意味し;
ビシクロアルキルは、5〜10個の炭素原子を有する二環式炭化水素基、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプト-1-イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-7-イル、ビシクロ[2.2.2]オクト-1-イル、ビシクロ[2.2.2]オクト-2-イル、ビシクロ[3.3.0]オクチル及びビシクロ[4.4.0]デシルを意味し;
C1-C4-アルコキシは、酸素を経由して結合している1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ、ブトキシ、1-メチルプロポキシ、2-メチルプロポキシ又は1,1-ジメチルエトキシを意味し;
C1-C6-アルコキシは、上記C1-C4-アルコキシ及びまた、例えば、ペントキシ、1-メチルブトキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、1,1-ジメチルプロポキシ、1,2-ジメチルプロポキシ、2,2-ジメチルプロポキシ、1-エチルプロポキシ、ヘキソキシ、1-メチルペントキシ、2-メチルペントキシ、3-メチルペントキシ、4-メチルペントキシ、1,1-ジメチルブトキシ、1,2-ジメチルブトキシ、1,3-ジメチルブトキシ、2,2-ジメチルブトキシ、2,3-ジメチルブトキシ、3,3-ジメチルブトキシ、1-エチルブトキシ、2-エチルブトキシ、1,1,2-トリメチルプロポキシ、1,2,2-トリメチルプロポキシ、1-エチル-1-メチルプロポキシ又は1-エチル-2-メチルプロポキシも意味し;
C1-C4-ハロアルコキシは、部分的に又は全て弗素、塩素、臭素及び/又はヨウ素により、好ましくは弗素により置換された上記C1-C4-アルコキシ基、すなわち、例えば、OCH2F、OCHF2、OCF3、OCH2Cl、OCHCl2、OCCl3、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2-ブロモエトキシ、2-ヨードエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、OC2F5、2-フルオロプロポキシ、3-フルオロプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、2,3-ジフルオロプロポキシ、2-クロロプロポキシ、3-クロロプロポキシ、2,3-ジクロロプロポキシ、2-ブロモプロポキシ、3-ブロモプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、3,3,3-トリクロロプロポキシ、OCH2-C2F5、OCF2-C2F5、1-(CH2F)-2-フルオロエトキシ、1-(CH2Cl)-2-クロロエトキシ、1-(CH2Br)-2-ブロモエトキシ、4-フルオロブトキシ、4-クロロブトキシ、4-ブロモブトキシ又はノナフルオロブトキシを意味し;
C1-C6-ハロアルコキシは、上記C1-C4-ハロアルコキシ及びまた、例えば、5-フルオロペントキシ、5-クロロペントキシ、5-ブロモペントキシ、5-ヨードペントキシ、ウンデカフルオロペントキシ、6-フルオロヘキソキシ、6-クロロヘキソキシ、6-ブロモヘキソキシ、6-ヨードヘキソキシ又はトリデカフルオロヘキソキシも意味し;
アルケニルオキシは、酸素原子を経由して結合した上記アルケニル、例えば、C2-C6-アルケニルオキシ、例えばビニルオキシ、1-プロペニルオキシ、2-プロペニルオキシ、1-メチルエテニルオキシ、1-ブテニルオキシ、2-ブテニルオキシ、3-ブテニルオキシ、1-メチル-1-プロペニルオキシ、2-メチル-1-プロペニルオキシ、1-メチル-2-プロペニルオキシ、2-メチル-2-プロペニルオキシ、1-ペンテニルオキシ、2-ペンテニルオキシ、3-ペンテニルオキシ、4-ペンテニルオキシ、1-メチル-1-ブテニルオキシ、2-メチル-1-ブテニルオキシ、3-メチル-1-ブテニルオキシ、1-メチル-2-ブテニルオキシ、2-メチル-2-ブテニルオキシ、3-メチル-2-ブテニルオキシ、1-メチル-3-ブテニルオキシ、2-メチル-3-ブテニルオキシ、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニルオキシ、1,2-ジメチル-1-プロペニルオキシ、1,2-ジメチル-2-プロペニルオキシ、1-エチル-1-プロペニルオキシ、1-エチル-2-プロペニルオキシ、1-ヘキセニルオキシ、2-ヘキセニルオキシ、3-ヘキセニルオキシ、4-ヘキセニルオキシ、5-ヘキセニルオキシ、1-メチル-1-ペンテニルオキシ、2-メチル-1-ペンテニルオキシ、3-メチル-1-ペンテニルオキシ、4-メチル-1-ペンテニルオキシ、1-メチル-2-ペンテニルオキシ、2-メチル-2-ペンテニルオキシ、3-メチル-2-ペンテニルオキシ、4-メチル-2-ペンテニルオキシ、1-メチル-3-ペンテニルオキシ、2-メチル-3-ペンテニルオキシ、3-メチル-3-ペンテニルオキシ、4-メチル-3-ペンテニルオキシ、1-メチル-4-ペンテニルオキシ、2-メチル-4-ペンテニルオキシ、3-メチル-4-ペンテニルオキシ、4-メチル-4-ペンテニルオキシ、1,1-ジメチル-2-ブテニルオキシ、1,1-ジメチル-3-ブテニルオキシ、1,2-ジメチル-1-ブテニルオキシ、1,2-ジメチル-2-ブテニルオキシ、1,2-ジメチル-3-ブテニルオキシ、1,3-ジメチル-1-ブテニルオキシ、1,3-ジメチル-2-ブテニルオキシ、1,3-ジメチル-3-ブテニルオキシ、2,2-ジメチル-3-ブテニルオキシ、2,3-ジメチル-1-ブテニルオキシ、2,3-ジメチル-2-ブテニルオキシ、2,3-ジメチル-3-ブテニルオキシ、3,3-ジメチル-1-ブテニルオキシ、3,3-ジメチル-2-ブテニルオキシ、1-エチル-1-ブテニルオキシ、1-エチル-2-ブテニルオキシ、1-エチル-3-ブテニルオキシ、2-エチル-1-ブテニルオキシ、2-エチル-2-ブテニルオキシ、2-エチル-3-ブテニルオキシ、1,1,2-トリメチル-2-プロペニルオキシ、1-エチル-1-メチル-2-プロペニルオキシ、1-エチル-2-メチル-1-プロペニルオキシ及び1-エチル-2-メチル-2-プロペニルオキシを意味し;
アルキニルオキシは、酸素原子を経由して結合した上記アルキニル、例えばC3-C6-アルキニルオキシ、例えば2-プロピニルオキシ、2-ブチニルオキシ、3-ブチニルオキシ、1-メチル-2-プロピニルオキシ、2-ペンチニルオキシ、3-ペンチニルオキシ、4-ペンチニルオキシ、1-メチル-2-ブチニルオキシ、1-メチル-3-ブチニルオキシ、2-メチル-3-ブチニルオキシ、1-エチル-2-プロピニルオキシ、2-ヘキシニルオキシ、3-ヘキシニルオキシ、4-ヘキシニルオキシ、5-ヘキシニルオキシ、1-メチル-2-ペンチニルオキシ、1-メチル-3-ペンチニルオキシなどを意味し;
酸素、窒素及び硫黄からなる群由来の1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員若しくは6員の飽和又は部分的不飽和へテロ環は、例えば、環原子として、炭素原子に加えて、1〜3個の窒素原子及び/又は1個の酸素若しくは硫黄原子又は1個若しくは2個の酸素及び/若しくは硫黄原子を含有する単環及び二環式ヘテロ環(ヘテロシクリル)、例えば2-テトラヒドロフラニル、3-テトラヒドロフラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-テトラヒドロチエニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル、3-イソオキサゾリジニル、4-イソオキサゾリジニル、5-イソオキサゾリジニル、3-イソチアゾリジニル、4-イソチアゾリジニル、5-イソチアゾリジニル、3-ピラゾリジニル、4-ピラゾリジニル、5-ピラゾリジニル、2-オキサゾリジニル、4-オキサゾリジニル、5-オキサゾリジニル、2-チアゾリジニル、4-チアゾリジニル、5-チアゾリジニル、2-イミダゾリジニル、4-イミダゾリジニル、1,2,4-オキサジアゾリジン-3-イル、1,2,4-オキサジアゾリジン-5-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-3-イル、1,2,4-チアジアゾリジン-5-イル、1,2,4-トリアゾリジン-3-イル、1,3,4-オキサジアゾリジン-2-イル、1,3,4-チアジアゾリジン-2-イル、1,3,4-トリアゾリジン-2-イル、2,3-ジヒドロフル-2-イル、2,3-ジヒドロフル-3-イル、2,4-ジヒドロフル-2-イル、2,4-ジヒドロフル-3-イル、2,3-ジヒドロチエン-2-イル、2,3-ジヒドロチエン-3-イル、2,4-ジヒドロチエン-2-イル、2,4-ジヒドロチエン-3-イル、2-ピロリン-2-イル、2-ピロリン-3-イル、3-ピロリン-2-イル、3-ピロリン-3-イル、2-イソオキサゾリン-3-イル、3-イソオキサゾリン-3-イル、4-イソオキサゾリン-3-イル、2-イソオキサゾリン-4-イル、3-イソオキサゾリン-4-イル、4-イソオキサゾリン-4-イル、2-イソオキサゾリン-5-イル、3-イソオキサゾリン-5-イル、4-イソオキサゾリン-5-イル、2-イソチアゾリン-3-イル、3-イソチアゾリン-3-イル、4-イソチアゾリン-3-イル、2-イソチアゾリン-4-イル、3-イソチアゾリン-4-イル、4-イソチアゾリン-4-イル、2-イソチアゾリン-5-イル、3-イソチアゾリン-5-イル、4-イソチアゾリン-5-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-1-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-2-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-3-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-4-イル、2,3-ジヒドロピラゾール-5-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-1-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-3-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-4-イル、3,4-ジヒドロピラゾール-5-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-1-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-3-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-4-イル、4,5-ジヒドロピラゾール-5-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-2-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-3-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-4-イル、2,3-ジヒドロオキサゾール-5-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-2-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-3-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-4-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-5-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-2-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-3-イル、3,4-ジヒドロオキサゾール-4-イル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、1,3-ジオキサン-5-イル、2-テトラヒドロピラニル、4-テトラヒドロピラニル、2-テトラヒドロチエニル、3-ヘキサヒドロピリダジニル、4-ヘキサヒドロピリダジニル、2-ヘキサヒドロピリミジニル、4-ヘキサヒドロピリミジニル、5-ヘキサヒドロピリミジニル、2-ピペラジニル、1,3,5-ヘキサヒドロトリアジン-2-イル及び1,2,4-ヘキサヒドロトリアジン-3-イルを意味し;
酸素、窒素及び硫黄からなる群由来の1、2又は3個のヘテロ原子を含有する5員又は6員の芳香族ヘテロ環は、単環又は二環式ヘテロアリール、例えば、環原子として、炭素原子に加えて、1〜3個の窒素原子、又は1若しくは2個の窒素原子と1個の硫黄若しくは酸素原子を含有する5員ヘテロアリール、例えば2-フリル、3-フリル、2-チエニル、3-チエニル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、3-ピラゾリル、4-ピラゾリル、5-ピラゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル及び1,3,4-トリアゾール-2-イル;環原子として、炭素原子に加えて、1〜3個の窒素原子を含有する5員ヘテロアリール、例えばピロール-1-イル、ピラゾール-1-イル、イミダゾール-1-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル及び1,2,4-トリアゾール-1-イル;環原子として、1〜3個の窒素原子を含有する6員ヘテロアリール、例えばピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、2-ピラジニル、1,3,5-トリアジン-2-イル及び1,2,4-トリアジン-3-イルを意味する。
【0016】
本発明の第1の好ましい実施形態は、それぞれ二重結合により、A1とA2及びA3とA4が結合している式Iの化合物に関する。一般的に、この場合、A1はCでありかつA5はNである。残りの基A2、A3及びA4はこの場合、互いに独立してN又はC-R3aである。これらには、例えば、式I.a、I.b及びI.c:
【化2】

【0017】
で表される化合物が含まれる。
【0018】
これらのなかで好ましいのは、A1がCであり、A2及びA5がNでありそして残りの基A3及びA4が互いに独立してN又はC-R3aである式Iの化合物、例えば式I.b及びI.cの化合物である。
【0019】
さらなる本発明の好ましい実施形態は、それぞれ二重結合により、A2とA3及びA4とA5が結合している式Iの化合物に関する。この場合、A1は一般的にN又はC-R3でありかつA5はCである。例は、A2及びA3はC-R3aでありかつA4はN又はC-R3aである化合物I、例えば、式I.d及びI.e:
【化3】

【0020】
の化合物である。A1は好ましくはNである。
【0021】
それぞれ二重結合により、A2とA3及びA4とA5が結合し、そしてA1がNでありかつA5がCである式Iの化合物のなかでは、A3がNであり、A2及びA4が互いに独立してC-R3a又はNである化合物が好ましい。これらには、例えば、式I.f、I.g、I.h及びI.k:
【化4】

【0022】
の化合物が含まれる。
【0023】
さらなる本発明の好ましい実施形態は、それぞれ二重結合により、A1とA5及びA2とA3が、又はA1とA5及びA3とA4が結合している式Iの化合物に関する。一般的にこの場合、A1及びA5はCである。これらのなかで好ましいのは、基A2又はA4の1つがSでありそして残りの基A2、A3及びA4が互いに独立してN又はC-R3aである化合物I、例えば、式I.m、I.n、I.o、I.p、I.q、I.r、I.s及びI.t:
【化5】


【0024】
の化合物である。
【0025】
これらのなかで、同じく好ましい化合物は、基A2又はA4の1つがN-R4でありそして残りの基A2、A3及びA4が互いに独立してN又はC-R3aである化合物I、例えば、式I.u及びI.v:
【化6】

【0026】
の化合物である。
【0027】
式I.a〜I.vにおいて、基Ra、n、R1、R2、R3、R3a及びR4は以上に定義した通りであり、そして、特に以下に示した意味を有することが好ましい。R3a'及びR3a"はR3aについて定義した通りである。
【0028】
式I.a〜I.vの化合物のなかで、式I.c、I.f、I.g及びI.kの化合物は特に好ましい。式I.m、I.n、I.o、I.p、I.q、I.r、I.s、I.t、I.u及びI.vの化合物も好ましい。
【0029】
殺真菌剤として本発明による化合物Iの使用を考えるとき、基n、Ra、R1及びR2は、互いに独立してそして好ましくは組合わせて次の意味を有する。
【0030】
nは、1、2、3又は4、特に2又は3であり。
【0031】
Raは、ハロゲン、特に弗素又は塩素、C1-C4-アルキル、特にメチル、アルコキシ、特にメトキシ、C1-C2-フルオロアルキル、特にジフルオロメチル及びトリフルオロメチル、並びにC1-C2-フルオロアルコキシ、特にジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシである。特に好ましくは、Raは、ハロゲン、特に弗素又は塩素、C1-C4-アルキル、特にメチル、及びC1-C4-アルコキシ、特にメトキシからなる群から選択される。
【0032】
R1は、C1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、又は特に基NR7R8である。
【0033】
R2は、ハロゲン、特に塩素、又はC1-C4-アルキル、特にメチルである。
【0034】
もしR1がC1-C6-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルケニル、C2-C6-アルケニル又はC2-C6-アルキニルであれば、R2は好ましくはC1-C4-アルキルそして特にメチルである。
【0035】
もしR1が基NR7R8であれば、R2は好ましくは塩素及びC1-C4-アルキルからなる群から選択され、そして特に塩素及びメチルからなる群から選択される。
【0036】
もしR1が基NR7R8であれば、基R7、R8の少なくとも1つは好ましくは水素と異なる。特に、R7はC1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル又はC2-C6-アルキニルである。R8は特に水素又はC1-C6-アルキルである。
【0037】
好ましい基NR7R8には、飽和又は部分的不飽和ヘテロ環式基が含まれ、このヘテロ環式基は環原子として窒素原子に加えてO、S及びNR10からなる群から選択されるさらなる1個のヘテロ原子を有してもよく、そしてC1-C6-アルキル及びC1-C6-ハロアルキルからなる群から選択される1又は2個の置換基を有してもよい。好ましくは、上記ヘテロ環式基は、環原子として5〜7個の原子を有する。かかるヘテロ環式基の例は、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロピリジン、例えば1,2,3,6-テトラヒドロピリジン、ピペラジン及びアゼパンであり、これらは上記の方式で置換されていてもよい。
【0038】
本発明の化合物Iの殺真菌剤としての使用を考えると、基:
【化7】

【0039】
は、好ましくは、式:
【化8】

【0040】
[式中、
Ra1は弗素、塩素又はメチルであり;
Ra2は水素又は弗素であり;
Ra3は水素、弗素、塩素、C1-C4-アルキル、特にメチル、又はC1-C4-アルコキシ、特にメトキシであり;
Ra4は水素又は弗素であり;
Ra5は水素、弗素、塩素又はC1-C4-アルキル、特にメチルである]の基である。
【0041】
ここで、基Ra3、Ra5の少なくとも1つは水素でない。特に、基Ra2、Ra4の少なくとも1つ、そして特に好ましくは両方が水素である。
【0042】
さらに、基R3、R3a、R3a'、R3a"R4、R5及びR6は互いに独立して、そして好ましくは基n、Ra、R1及びR2の好ましい意味と組み合わせて、次の意味を有する:
R3は水素であり;
R3aは水素であり;
R3a'は水素又はCNであり;
R3a"は水素であり;
R4はC1-C4-アルキルであり;
R5は水素、C1-C4-アルキル又はC1-C4-アルコキシであり;
R6は水素、C1-C4-アルキル又はC1-C4-アルキルカルボニルである。
【0043】
R10は好ましくはH又はC1-C4-アルキル、例えばメチルである。R11及びR12は、互いに独立してH又はメチル、特にHである。R13、R15及びR16は好ましくはC1-C4-アルキルであり、R14及びR17は好ましくはC1-C4-アルキルである。
【0044】
特に好ましい式Iの化合物は、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-6-クロロである]の化合物(化合物I.c.1)である。これらの例は、化合物I.c.1[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.1[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0045】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジフルオロである]の化合物(化合物I.c.2)である。これらの例は、化合物I.c.2[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.2[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0046】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジクロロである]の化合物(化合物I.c.3)である。これらの例は、化合物I.c.3[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.3[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0047】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-6-メチルである]の化合物(化合物I.c.4)である。これらの例は、化合物I.c.4[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.4[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0048】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4,6-トリフルオロである]の化合物(化合物I.c.5)である。これらの例は、化合物I.c.5[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.5[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0049】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジフルオロ-4-メトキシである]の化合物(化合物I.c.6)である。これらの例は、化合物I.c.6[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.6[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0050】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-メチル-4-フルオロである]の化合物(化合物I.c.7)である。これらの例は、化合物I.c.7[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.7[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0051】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロである]の化合物(化合物I.c.8)である。これらの例は、化合物I.c.8[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.8[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0052】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-クロロである]の化合物(化合物I.c.9)である。これらの例は、化合物I.c.9[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.9[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0053】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4-ジフルオロである]の化合物(化合物I.c.10)である。これらの例は、化合物I.c.10[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.10[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0054】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-4-クロロである]の化合物(化合物I.c.11)である。これらの例は、化合物I.c.11[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.11[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0055】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-クロロ-4-フルオロである]の化合物(化合物I.c.12)である。これらの例は、化合物I.c.12[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.12[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0056】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-メチルである]の化合物(化合物I.c.13)である。これらの例は、化合物I.c.13[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.13[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0057】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4-ジメチルである]の化合物(化合物I.c.14)である。これらの例は、化合物I.c. [式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.14[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0058】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-4-メチルである]の化合物(化合物I.c.15)である。これらの例は、化合物I.c.15[式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.15[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0059】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.c[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジメチルである]の化合物(化合物I.c.16)である。これらの例は、化合物I.c.16 [式中、R2は塩素であり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.c.16[式中、R2はメチルであり、R3a'は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0060】
特に好ましい式Iの化合物は、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-6-クロロである]の化合物(化合物I.f.1)である。これらの例は、化合物I.f.1[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.1[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.1[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.1[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0061】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジフルオロである]の化合物(化合物I.f.2)である。これらの例は、化合物I.f.2[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.2[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.2[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.2[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0062】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジクロロである]の化合物(化合物I.f.3)である。これらの例は、化合物I.f.3[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.3[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.3[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.3[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0063】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-6-メチルである]の化合物(化合物I.f.4)である。これらの例は、化合物I.f.4[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.4[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.4[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.4[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0064】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4,6-トリフルオロである]の化合物(化合物I.f.5)である。これらの例は、化合物I.f.5[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.5[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.5[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.5[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0065】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジフルオロ-4-メトキシである]の化合物(化合物I.f.6)である。これらの例は、化合物I.f.6[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.6[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.6[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.6[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0066】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-メチル-4-フルオロである]の化合物(化合物I.f.7)である。これらの例は、化合物I.f.7[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.7[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.7[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.7[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0067】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロである]の化合物(化合物I.f.8)である。これらの例は、化合物I.f.8[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.8[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.8[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.8[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0068】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-クロロである]の化合物(化合物I.f.9)である。これらの例は、化合物I.f.9[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.9[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.9[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.9[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0069】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4-ジフルオロである]の化合物(化合物I.f.10)である。これらの例は、化合物I.f.10[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.10[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.10[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.10[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0070】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-4-クロロである]の化合物(化合物I.f.11)である。これらの例は、化合物I.f.11[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.11[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.11[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.11[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0071】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-クロロ-4-フルオロである]の化合物(化合物I.f.12)である。これらの例は、化合物I.f.12[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.12[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.12[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.12[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0072】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-メチルである]の化合物(化合物I.f.13)である。これらの例は、化合物I.f.13[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.13[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.13[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.13[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0073】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4-ジメチルである]の化合物(化合物I.f.14)である。これらの例は、化合物I.f.14[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.14[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.14[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.14[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0074】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-4-メチルである]の化合物(化合物I.f.15)である。これらの例は、化合物I.f.15[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.15[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.15[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.15[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0075】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.f[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジメチルである]の化合物(化合物I.f.16)である。これらの例は、化合物I.f.16[式中、R2は塩素であり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.f.16[式中、R2はメチルであり、R3a'及びR3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.16[式中、R2は塩素であり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。例にはまた、化合物I.f.16[式中、R2はメチルであり、R3a'はCNであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0076】
特に好ましい式Iの化合物は、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-6-クロロである]の化合物(化合物I.g.1)である。これらの例は、化合物I.g.1[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.1[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0077】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジフルオロである]の化合物(化合物I.g.2)である。これらの例は、化合物I.g.2[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.2[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0078】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジクロロである]の化合物(化合物I.g.3)である。これらの例は、化合物I.g.3[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.3[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0079】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-6-メチルである]の化合物(化合物I.g.4)である。これらの例は、化合物I.g.4[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.4[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0080】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4,6-トリフルオロである]の化合物(化合物I.g.5)である。これらの例は、化合物I.g.5[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.5[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0081】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジフルオロ-4-メトキシである]の化合物(化合物I.g.6)である。これらの例は、化合物I.g.6[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.6[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0082】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-メチル-4-フルオロである]の化合物(化合物I.g.7)である。これらの例は、化合物I.g.7[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.7[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0083】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロである]の化合物(化合物I.g.8)である。これらの例は、化合物I.g.8[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.8[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0084】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-クロロである]の化合物(化合物I.g.9)である。これらの例は、化合物I.g.9[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.9[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0085】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4-ジフルオロである]の化合物(化合物I.g.10)である。これらの例は、化合物I.g.10[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.10[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0086】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-4-クロロである]の化合物(化合物I.g.11)である。これらの例は、化合物I.g.11[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.11[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0087】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-クロロ-4-フルオロである]の化合物(化合物I.g.12)である。これらの例は、化合物I.g.12[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.12[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0088】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-メチルである]の化合物(化合物I.g.13)である。これらの例は、化合物I.g.13[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.13[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0089】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4-ジメチルである]の化合物(化合物I.g.14)である。これらの例は、化合物I.g.14[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.14[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0090】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-4-メチルである]の化合物(化合物I.g.15)である。これらの例は、化合物I.g.15[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.15[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0091】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.g[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジメチルである]の化合物(化合物I.g.16)である。これらの例は、化合物I.g.16[式中、R2は塩素であり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.g.16[式中、R2はメチルであり、R3a"は水素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0092】
特に好ましい式Iの化合物は、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-6-クロロである]の化合物(化合物I.k.1)である。これらの例は、化合物I.k.1[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.1[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0093】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジフルオロである]の化合物(化合物I.k.2)である。これらの例は、化合物I.k.2[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.2[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0094】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジクロロである]の化合物(化合物I.k.3)である。これらの例は、化合物I.k.3[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.3[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0095】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-6-メチルである]の化合物(化合物I.k.4)である。これらの例は、化合物I.k.4[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.4[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0096】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4,6-トリフルオロである]の化合物(化合物I.k.5)である。これらの例は、化合物I.k.5[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.5[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0097】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジフルオロ-4-メトキシである]の化合物(化合物I.k.6)である。これらの例は、化合物I.k.6[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.6[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0098】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-メチル-4-フルオロである]の化合物(化合物I.k.7)である。これらの例は、化合物I.k.7[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.7[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0099】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロである]の化合物(化合物I.k.8)である。これらの例は、化合物I.k.8[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.8[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0100】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-クロロである]の化合物(化合物I.k.9)である。これらの例は、化合物I.k.9[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.9[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0101】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4-ジフルオロである]の化合物(化合物I.k.10)である。これらの例は、化合物I.k.10[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.10[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0102】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-4-クロロである]の化合物(化合物I.k.11)である。これらの例は、化合物I.k.11[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.11[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0103】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-クロロ-4-フルオロである]の化合物(化合物I.k.12)である。これらの例は、化合物I.k.12[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.12[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0104】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-メチルである]の化合物(化合物I.k.13)である。これらの例は、化合物I.k.13[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.13[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0105】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,4-ジメチルである]の化合物(化合物I.k.14)である。これらの例は、化合物I.k.14[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.14[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0106】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2-フルオロ-4-メチルである]の化合物(化合物I.k.15)である。これらの例は、化合物I.k.15[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.15[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0107】
特に好ましい式Iの化合物はさらに、式I.k[式中、R2は塩素又はメチルでありそして(Ra)nは2,6-ジメチルである]の化合物(化合物I.k.16)である。これらの例は、化合物I.k.16[式中、R2は塩素であり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]である。例にはまた、化合物I.k.16[式中、R2はメチルであり、R1はNR7R8(式中、R7、R8は一緒に、それぞれの場合、表Aのある行に掲げた意味を有する)であるか又はR1は表Bのある行に掲げた意味を有する]が含まれる。
【0108】
表A
【表1】




【0109】
表B
【表2】











【0110】
本発明による式Iの化合物は、公知の先行技術の方法と同じように、以下のスキームに示した合成法により調製することができる。
【0111】
スキーム1:
【化9】

【0112】
スキーム1において、n、Ra、R1、R2及びA1〜A5は先に定義した通りである。式IIにおいて、A1'はN、NH又はC-R3aである。式IIにおいて、それぞれ二重結合によって、A5=Nの場合、基A1'とA2及びA3とA4が結合し、そしてA5=Cの場合、基A5とA1'及びA3とA4が結合するか又は代わりにA4とA5及びA3とA2が結合している。RはC1-C4-アルキル、特にメチル又はエチルである。
【0113】
スキーム1によれば、第1ステップにおいて、式IIのヘテロアリールアミンを、好適に置換された2-フェニルマロン酸ジアルキルIIIと縮合させる。好適な式IIのヘテロアリールアミンの例は、2-アミノピロール、1-アミノピラゾール、1-アミノ-1,2,4-トリアゾール、1-アミノ-1,3,4-トリアゾール、5-アミノ-1,2,3-トリアゾール、4-アミノチアゾール、5-アミノチアゾール、4-アミノイソチアゾール、5-アミノイソチアゾール、4-アミノチア-2,3-ジアゾール、5-アミノチア-2,3-ジアゾール、5-アミノ-1,2,3,4-テトラゾール、1-アルキル-5-アミノイミダゾール、1-アルキル-4-アミノイミダゾール及び2-アミノイミダゾールである。従って、
1-アミノピラゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.aが得られ、
1-アミノ-1,2,4-トリアゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.bが得られ,
1-アミノ-1,3,4-トリアゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.cが得られ,
2-アミノピロールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.eが得られ,
5-アミノイミダゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.fが得られ,
4-アミノ-1,2,3-トリアゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.hが得られ,
5-アミノ-1,2,3,4-テトラゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.kが得られ,
5-アミノイソチアゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.mが得られ,
5-アミノチアゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.nが得られ,
5-アミノチア-2,3-ジアゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.oが得られ,
4-アミノイソチアゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.pが得られ,
4-アミノチアゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.qが得られ,
4-アミノチア-2,3-ジアゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.rが得られ,
2-アミノチオフェンを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.sが得られ,
3-アミノチオフェンを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.tが得られ,
1-アルキル-5-アミノイミダゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.uが得られ,
1-アルキル-4-アミノイミダゾールを用いるときは、R1=R2=OHである化合物I.vが得られる。
【0114】
縮合は一般的に酸性触媒としてのブレンステッド又はルイス酸の存在のもとで又は塩基性触媒の存在のもとで実施される。好適な酸性触媒の例は、塩化亜鉛、リン酸、塩酸、酢酸、及び塩酸と塩化亜鉛の混合物である。塩基性触媒の例は、三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリ-n-ブチルアミン、ピリジン塩基、例えばピリジン及びキノリン、並びにアミジン塩基、例えばDBN又はDBUである。
【0115】
酸触媒を用いるこのタイプの縮合反応は、原理的に文献、例えばG. Saint-Rufら, J. Heterocycl. Chem. 1981, 18, pp.1565-1570;I. Adachiら, Chem. and Pharm. Bull. 1987, 35, pp.3235-3252;B. M Lynchら, Can. J. Chem. 1988, 66, pp.420-428;Y. Blacheら, Heterocycles, 1994, 38, pp.1527-1532;V.D. Piazら, Heterocycles 1985, 23, pp.2639-2644;A. Elbannanyら, Pharmazie 1988, 43, pp.128-129;D. Brugierら, Tetrahedron 2000, pp.56, 2985-2933;K. C. Joshiら, J .Heterocycl. Chem. 1979, 16, pp.1141-1145から公知である。これらの文献に記載の方法を、類似した方法で、本発明による化合物I{R1=R2=OH}を調製するために用いることができる。
【0116】
塩基性触媒を用いるこのタイプの縮合反応は、原理的に文献、例えば、EP-A 770615から公知である。この応用に記載の方法を、類似した方法で、本発明による化合物I{R1=R2=OH}を調製するために用いることができる。
【0117】
ステップ1に示した縮合は、式I[式中、R1及びR2は両方ともOHである]のアゾロ化合物を与える。かかるアゾロ化合物I{R1=R2=OH}は、他のアゾロ化合物Iを調製するための中間物として特に重要である。これらの化合物中のOH基は、1以上のステップで他の官能基に変換することができる。一般的には、この目的のために、OH基を最初にハロゲン原子、特に塩素原子に変換する(ステップ1aを参照)。
【0118】
スキーム1a:
【化10】

【0119】
この変換は、例えば、I(R1=R2=OH)を好適なハロゲン化剤(スキーム1aでは塩素化剤[Cl]について示した)と反応させることにより達成することができる。好適なハロゲン化剤は、例えば、三臭化リン、オキシ三臭化リン、及び、特にPOCl3、PCl3/Cl2及びPCl5などの塩素化剤、並びにこれらの試薬の混合物である。反応は、過剰のハロゲン化剤(POCl3)のもとで、又は不活性溶媒、例えば、アセトニトリル若しくは1,2-ジクロロエタン中で実施することができる。塩素化については、I(R1=R2=OH)をPOCl3中で反応させることが好ましい。
【0120】
この反応は通常、10〜180℃にて実施する。実施上の理由で、反応温度は通常、使用する塩素化剤(POCl3)又は溶媒の沸点に対応させる。この方法は、N,N-ジメチルホルムアミド又は窒素塩基、例えば、N,N-ジメチルアニリンを、触媒量又は化学量論量だけ加えて実施するのが有利である。
【0121】
冒頭に引用した先行技術と同じように、得られるジハロ化合物I、例えば、ジクロロ化合物I{R1=R2=Cl}を次いで他の化合物Iに変換することができる。従って、式I[式中、R1及びR2の両方がハロゲンである]のアゾロ化合物は、他のアゾロ化合物Iを調製するための中間物として特に重要である。かかる変換をスキーム1b及び1cにまとめた。
【0122】
こうして、スキーム1bに示したように、ジクロロ化合物I{R1=R2=Cl}を、例えば、アミンHNR7R8と反応させて、化合物I[式中、R1はNR7R8でありかつR2は塩素である]を得ることができる。
【0123】
スキーム1b
【化11】

【0124】
スキーム1bの第1ステップで示した方法は、原理的に5-クロロ-7-アミノ-6-アリール-1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンを調製するためのWO 98/46607及びUS 5,593,996により公知であり、そして類似した方法で、化合物I{R1=NR7R8、R2=Cl}を調製するために採用することができる。
【0125】
ジクロロ化合物I{R1=R2=Cl}のアミンHNR7R8との反応は、通常0-150℃にて、好ましくは10-120℃にて、不活性溶媒中で、もし適当であれば補助塩基の存在のもとで実施する。この方法は、原理的に、例えば、J. Chem. Res. S (7), pp.286-287 (1995)及びLiebigs Ann. Chem., pp.1703-1705 (1995)から、並びに冒頭で引用した先行技術から公知であり、そして類似した方法で本発明による化合物を調製するために採用することができる。
【0126】
好適な溶媒は、プロトン性溶媒、例えばアルコール、例えばエタノール、並びにまた、非プロトン性溶媒、例えば芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素及びエーテル、例えばトルエン、o-、m-及びp-キシレン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert-ブチルメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、特にtert-ブチルメチルエーテル及びテトラヒドロフラン、並びにまた上記溶媒の混合物である。好適な補助塩基は、例えば、以下に記載の塩基である:アルカリ金属炭酸塩及び炭酸水素塩、例えばNaHCO3、及びNa2CO3、アルカリ金属水素リン酸塩、例えばNa2HPO4、アルカリ金属ホウ酸塩、例えばNa2B4O7、三級アミン及びピリジン化合物、ジエチルアニリン及びエチルジイソプロピルアミンである。好適な補助塩基はまた、過剰のアミンHNR7R8である。
【0127】
成分は通常、近似的に化学量論の比で用いる。しかし、過剰のアミンHNR7R8を用いることが有利でありうる。
【0128】
アミンHNR7R8は、市販されているか又は文献から公知であるか又は公知の方法により調製することができる。
【0129】
この方法で得た化合物I{R1=NR7R8、R2=Cl}において、その塩素原子を公知の方法で他の置換基R2に変換することができる。
【0130】
式Iの化合物[式中、R2がOR6である]を、対応する式I{R1=NR7R8,R2=Cl}のクロロ化合物から、アルカリ金属水酸化物{OR6=OH}、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属アルコキシド{OR6=O-アルキル、O-ハロアルキル}との反応によって得ることができる[cf.: Heterocycles, Vol. 32, pp.1327-1340 (1991);J. Heterocycl. Chem. Vol. 19, pp.1565-1567 (1982);Geterotsikl. Soedin, pp.400-402 (1991)]。化合物[式中、R2=OHである]を公知の方法によるエステル化すると、化合物I[式中、R2がO-C(O)R9である]を得る。化合物[式中、R2=OHである]は、公知のエーテル化法により、対応する化合物I[式中、R2はO-アルキル、O-ハロアルキル又はO-アルケニルである]に変換することができる。
【0131】
式Iの化合物[式中、R2がシアノである]を、対応する式I{R1=NR7R8、R2=Cl}のクロロ化合物から、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は遷移金属のシアン化物、例えばNaCN、KCN又はZn(CN)2との反応によって得ることができる(Heterocycles, Vol. 39, pp.345-356 (1994);Collect. Czech. Chem. Commun. Vol. 60, pp.1386-1389 (1995);Acta Chim. Scand., Vol. 50, pp.58-63 (1996)を参照)。
【0132】
式I{R1=NR7R8、R2=Cl}のクロロ化合物の、式I[式中、R2はC1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニルである]の化合物への変換を、公知の方法で、有機金属化合物R2a-Met[式中、R2aはC1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニルであり、そしてMetはリチウム、マグネシウム又は亜鉛である]との反応により、実施することができる。反応は、好ましくは、触媒量の又は特に少なくとも等モル量の遷移金属塩及び/又は遷移金属化合物、特にCu塩、例えばCu(I)-ハロゲン化物、そして特にCu(I)-ヨウ化物の存在のもとで実施する。一般的に、反応は不活性有機溶媒、例えば上記エーテルの1種、特にテトラヒドロフラン、脂肪族又は脂環式炭化水素、例えばヘキサン、シクロヘキサンなど、芳香族炭化水素、例えばトルエン、又はこれらの溶媒の混合物中で実施する。この反応に必要な温度は、-100〜+100℃の範囲、そして特に-80℃〜+40℃の範囲である。
【0133】
式I[式中、R1がNR7R8でありかつR2がメチルである]の化合物も、式I{R1=NR7R8、R2=Cl}のクロロ化合物から、塩基の存在のもとでのマロン酸ジアルキルとの反応又はマロン酸ジアルキルのアルカリ金属塩との反応、並びにその後の酸性加水分解により、調製することもできる。この方法は原理的にUS 5,994,360により公知であって、R1がNR7R8でありかつR2がメチルである化合物Iの調製に、同じように応用することができる。
【0134】
スキーム1bに示した合成を適当に改変することによって、記載した方法を用いて、第1ステップで基NR7R8の代わりに、ニトリル基、基OR6'{R6'=アルキル}又は基S-R6"{R6"=H又はアルキル}を、置換基R1として導入することも可能である。
【0135】
式I[式中、R1はC1-C10-アルキル(C1-C10-アルキル基の1個の炭素原子が珪素原子により置換えられていてもよい)、C1-C6-ハロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、置換されてないか又は置換されたC3-C8-シクロアルキル、置換されてないか又は置換されたC3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、置換されてないか又は置換されたC5-C8-シクロアルケニルである]の化合物を、スキーム1cに示した方法により、ジクロロ化合物I{R1=R2=Cl}を上記の方法で有機金属化合物R2a-Met[式中、R2aはR1に対して先に定義した通りでありかつMetはリチウム、マグネシウム又は亜鉛である]と反応させることにより調製することができる。
【0136】
スキーム1c:
【化12】

【0137】
ステップa)に示した反応は、WO99/41255に記載された方法と同じように実施することができる。得られる化合物の塩素原子(置換基R2)を、スキーム1bに記載の方法を用いて他の置換基R2に変換することができる。
【0138】
式I[式中、R1はC1-C10-アルキル(C1-C10-アルキル基の1個の炭素原子が珪素原子により置換えられていてもよい)、C1-C6-ハロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、置換されてないか又は置換されたC3-C8-シクロアルキル、置換されてないか又は置換されたC3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル、置換されてないか又は置換されたC5-C8-シクロアルケニルである]の化合物はまた、スキーム1、ステップa)に記載の合成と同じように、式IIIの出発物質を適当に改変することにより調製することもできる。これらの方法をスキーム1d及び1eに示す。
【0139】
スキーム1dによれば、式IIIのフェニルマロン酸エステルの代わりに、採用される出発物質は式IIIaのフェニル-β-ケトエステル(式中、R1は先に定義された通りでありかつRはC1-C4-アルキル、特にメチル又はエチルである)である。
【0140】
スキーム1d:
【化13】

【0141】
得られる化合物Iにおいて、そのヒドロキシル基(置換基R2)を、次いで他の置換基R2にスキーム1a、1b及び1cに与えた方法を用いて変換することができる。
【0142】
スキーム1eによれば、式IIIbの2-フェニル-b-ジケトンを、式IIIのフェニルマロン酸エステルの代わりに用いる。ここで、R1とR2は互いに独立して次の意味:C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル又はC5-C8-シクロアルケニルを有する。
【0143】
スキーム1e:
【化14】

【0144】
化合物Iを調製するために用いられる式IIIのフェニルマロン酸エステルは、冒頭に引用した先行技術により公知であるか、又は公知の方法により、Suzukiカップリング(総括はA. Suzukiら in Chem. Rev. 1995, 95, pp.2457-2483を参照)で、2-ブロモマロン酸エステルの、適当に置換されたフェニルボロン酸又はフェニルボロン酸誘導体とのPd触媒カップリングにより調製することができる。類似した方法で、置換された2-フェニル-3-オキソカルボン酸エステルIIIa及び置換されたα-フェニル-β-ジケトンIIIbを調製することも可能である。α-フェニル-β-ジケトンIIIbはさらにWO 02/74753により公知である。
【0145】
式IIのヘテロアリールアミンのいくつかは、市販されているか又は文献、例えばJ. Het. Chem. 1970, 7, p.1159;J.Org.Chem. 1985, 50, p.5520;Synthesis 1989, 4, p.269;Tetrahedron Lett. 1995, 36, p.9261より公知であるか、又は、対応するニトロヘテロ芳香族化合物を公知の方法で還元することにより調製することができる。
【0146】
本発明による式Iの化合物へのさらなる合成経路を、スキーム2に示す。ここで、スキーム1、ステップa)に示した方法、又はスキーム1eに示した方法と同じように、式IVの2-ブロモ-1,3-ジケトンを式IIのヘテロアリールアミンと反応させる。
【0147】
スキーム2:
【化15】

【0148】
スキーム2において、n、Ra及びA1〜A5は先に定義した通りである。式IIにおいて、A1'はN、NH又はCHである。式IIにおいて、それぞれ二重結合によって、A5=Nの場合、基A1'とA2及びA3とA4が結合し、そしてA5=Cの場合、基A5とA1'及びA3とA4又は代わりにA4とA5及びA3がA2が結合している。互いに独立して、式IVのR1a及びR2aは、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル又はC5-C8-シクロアルケニルである。式VIにおいて、(RO)2Bはホウ酸から誘導された基、例えば(HO)2B、(C1-C4-アルキル-O)2B、又はホウ酸から誘導された基である。[Pd]はパラジウム(0)錯体であり、好ましくは4個のトリアルキルホスフィン若しくはトリアリールホスフィンリガンドを有する。
【0149】
IIのIVとの反応は通常、スキーム1に与えた塩基性縮合条件のもとで実施する。このタイプの塩基触媒を用いる縮合反応は、原理的に文献により、例えばEP-A 770615により公知である。同開示に記載の方法を、類似した方法で、本発明による化合物Vを調製するために用いることができる。IIのIVとの反応はまた、酸触媒としてブレンステッド又はルイス酸の存在のもとで実施することもできる。好適な酸触媒の例は、スキーム1、ステップa)に関係して記載した酸触媒である。そこに記載された方法を、類似した方法で、本発明による化合物Vを調製するために用いることができる(そこに引用した文献も参照されたい)。
【0150】
縮合で得た化合物Vを次いでフェニルボロン酸化合物VIと、Suzuki反応(上記参照)の条件下で反応させる。これに必要な反応条件は、文献、例えばA. Suzukiら(Chem. Rev. 1995, 95, pp.2457-2483、J. Org. Chem. 1984, 49, p.5237、及びJ. Org. Chem. 2001, 66(21) pp.7124-7128)により公知である。
【0151】
式I.g[式中、R1とR2は互いに独立してハロゲン、NR7R8、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニルである]の化合物はまた、スキーム3に示した合成法により調製することもできる。
【0152】
スキーム3:
【化16】

【0153】
スキーム3において、n、及びRaは先に定義した通りである。RはC1-C4-アルキル又はC1-C4-ハロアルキル、特にメチルであり、そしてR1とR2は互いに独立してハロゲン、NR7R8、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル又はC5-C8-シクロアルケニルである。好ましくは、スキーム3のR1はNR7R8(式中、R7、R8は先に定義された通りである)である。R2は好ましくはハロゲンそして特に塩素である。
【0154】
スキーム3のステップa)においては、ピリミジン化合物VIIを、公知の方法でヒドラジン又はヒドラジン水和物と反応させ、式VIIIの化合物を得る。かかる反応は原理的に文献、例えばD.T Hurstら, Heterocycles 1977, 6, pp.1999-2004より公知であり、それらの方法は、類似した方法で化合物VIIIを調製するために用いることができる。
【0155】
ステップb)においては、2-ヒドラジノピリミジンVIIIを次いで、カルボン酸、R3a-COOH、特にギ酸又はギ酸同等体、例えば、オルトギ酸エステル、例えばオルトギ酸トリエチル、ビス(ジメチルアミノ)メトキシメタン、ジメチルアミノ(ビスメトキシ)メタンなどを用いて環化する。環化は、Heterocycles 1986, 24, pp.1899-1909;J. Chem. Res. 1995, 11, p.434f.;J. Heterocycl. Chem. 1998, 35, pp.325-327;Pharmazie 2000, 55, pp.356-358;J. Heterocycl. Chem.1990, 27, pp.1559-1563;Org. Prep.. Proced. Int. 1991, 23, pp.413-418;Liebigs Ann. Chem. 1984, pp.1653-1661;Heterocycles, 1984, 22, p.1821;又はChem. Ber. 1970, 103, p.1960に記載の通り、1ステップで行うことができる。しかし、反応はまた、2ステップで、第1ステップにおいて、化合物VIIIをオルトギ酸トリエチル、ビス(ジメチルアミノ)メトキシメタン又はジメチルアミノ(ビスメトキシ)メタンを用いて、高温で非プロトン性溶媒、例えばエーテル、例えばテトラヒドロフラン、又はジメチルホルムアミド中で反応させ、次いで、得られる中間体を酸触媒を用いて環化することにより実施し、化合物Iを得ることもできる。この目的に対する方法は、例えば、Z. Chem. 1990, 20, 320f.;Croat. Chem. Acta 1976, 48, pp.161-167;Liebigs Ann. Chem. 1980, pp.1448-1453;J. Chem. Soc. Perkin. Trans. 1984, pp.993-998 ;J. Heterocycl. Chem. 1996, 33, pp.1073-1077により公知であり、同じように、化合物Iの調製に応用することができる。
【0156】
式VIIの化合物は、原理的にWO 02/74753により公知であるか又は同開示に記載の方法により調製することができる。
【0157】
式I.q[式中、R1はNR7R8でありかつR2はC1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル又はC3-C8-シクロアルキルである]の化合物はまた、スキーム4に示した合成法により調製することもできる。
【0158】
スキーム4:
【化17】

【0159】
スキーム4において、n、Ra、R7及びR8は先に定義された通りである。R2bはC1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル又はC3-C8-シクロアルキル、特にメチルである。
【0160】
ステップa)において、式IXのピリジン化合物を、好ましくは酸性反応条件下で、例えば酢酸中で、J. Org. Chem. 1983, 48, p.1064に記載の方法によって臭素化する。これにより、式Xの3,5-ジブロモピリジンを得る。
【0161】
第2のステップb)において、3,5-ジブロモピリジンXを、例えば、Synthetic Commun. 1996, 26, p.3783に記載の方法により、キサントゲン酸エチル、例えばKSC(S)OC2H5と反応させることにより環化して、式XIの6-メルカプトチアゾロ[4,5-b]ピリジンを得ることができる。ステップc)において、次いでメルカプトチアゾロ[4,5-b]ピリジンXIを、Metzgerら, Bull. Soc. Chim. France, 1956, p.1701に記載の方法を使用しラネーニッケルを用いて還元してチアゾロ[4,5-b]ピリジン XIIを得る。あるいは、3,5-ジブロモピリジンXを、例えば、N. Suzuki, Chem. Pharm. Bull., 1979, 27(1), pp.1-11に記載の方法により、直接環化してチアゾロ[4,5-b]ピリジンXIIを得ることもできる(ステップb')。
【0162】
得られるチアゾロ[4,5-b]ピリジンXIIを、次いで式VIのフェニルボロン酸化合物と、スキーム2(上記)に記載の方法によりSuzuki反応の条件下で反応させて、3-(置換された)-フェニルチアゾロ[4,5-b]ピリジンI.qを得る。
【0163】
上記ピリジン化合物を、有機化学の標準的方法により、例えばスキーム5に示した方法により調製することができる。
【0164】
スキーム5
【化18】

【0165】
a):WO 96/39407に記載の方法による、POCl3との反応;
b):J. Org. Chem. 1984, 49, p.5237に記載の方法による、HNR7R8との反応;
c):J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 1990, p.2409に記載の方法による、NaNH2との反応。
【0166】
化合物Iは殺真菌剤として好適である。これらの化合物は、特に子嚢菌類、不完全菌類、藻菌類、及び担子菌類に属する広範な植物病原性真菌に対する顕著な有効性により特徴づけられる。これらの化合物の一部は浸透移行性を有して有効であり、葉及び土壌の殺真菌剤として植物保護に使用することができる。
【0167】
上記化合物はさまざまな栽培植物、例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、カラスムギ、イネ、トウモロコシ、イネ科植物、バナナ、ワタ、ダイズ、コーヒー、サトウキビ、ブドウ、果樹及び観賞植物、並びに野菜、例えば、キュウリ、インゲンマメ、トマト、ジャガイモ及びウリ科植物の、及びこれらの植物の種子の、多数の真菌の抑制に特に重要である。
【0168】
上記化合物は下記の植物病害の抑制に特に適している:
・果樹及び野菜における、アルタナリア種(Alternaria)、
・禾穀類、イネ及び芝生における、ビポラリス種(Bipolaris)及びドレキスレラ種(Drechslera)
・禾穀類における、ブルメリア・グラミニス種(Blumeria graminis)(うどんこ病)
・イチゴ、野菜、観葉植物及びブドウにおける、ボトリチス・シネレア種(Botrytis cinerea)(灰色かび病)、
・ウリ科植物における、エリシフェ・シコラセアルム種(Erysiphe cichoracearum)及びスファエロテカ・フリギネア種(Sphaerotheca fuliginea)、
・種々の植物における、フザリウム種(Fusarium)及びベルチシリウム種(Verticillium)、
・禾穀類、バナナ及びラッカセイにおける、マイコスファエレラ種(Mycosphaerella)、
・ジャガイモ及びトマトにおける、フィトフトラ・インフェスタンス種(Phytophthora infestans)、
・ブドウにおける、プラスモパラ・ビチコラ種(Plasmopara viticola)、
・リンゴにおける、ポドスファエラ・ロイコトリカ種(Podosphaera leucotricha)、
・コムギ及びオオムギにおける、シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)、
・ホップ及びびキュウリにおける、シュードペロノスポラ種(Pseudoperonospora)、
・禾穀類における、プッシニア種(Puccinia)、
・イネにおける、ピリクラリア・オリゼ種(Pyricularia oryzae)、
・ワタ、イネ及び芝生における、リゾクトニア種(Rhizoctonia)、
・コムギにおける、セプトリア・トリチシ種(Septoria tritici)及びスタゴノスポラ・ノドルム種(Stagonospora nodorum)、
・ブドウにおける、ウンシヌラ・ネカトル種(Uncinula necator)、
・禾穀類及びサトウキビにおける、ウスチラゴ種(Ustilago)、並びに
・リンゴ及び西洋ナシにおける、ベンツリア種(Venturia)(瘡蓋病)。
【0169】
化合物Iはまた、材料(例えば、木材、紙、塗料分散液、繊維又は織物等)の保護、及び貯蔵作物の保護のための、パエシロミセス・バリオチイ種(Paecilomyces variotii)などの有害真菌の抑制にも適している。
【0170】
化合物Iは、殺真菌作用として有効な量の活性化合物を用いて、真菌、又は真菌の攻撃から保護すべき植物、種子、材料若しくは土壌を処理することにより、使用される。施用は、真菌による材料、植物若しくは種子の感染前及び感染後の両方で行うことができる。
【0171】
殺真菌性組成物は、一般に、重量比で0.1〜95%、好ましくは0.5〜90%の活性化合物を含んでなる。
【0172】
植物の保護に用いる場合、施用量は、所望の効果の内容に応じて、1haあたり活性化合物0.01〜2.0kgである。
【0173】
種子の処理では、一般的に、種子の1キログラムあたり0.001〜0.1g、好ましくは0.01〜0.05gの量の活性化合物が必要である。
【0174】
材料若しくは貯蔵作物の保護に用いる場合、施用する活性化合物の量は、施用場所の種類及び所望の効果によって決まる。材料の保護に通例施用する量は、例えば、処理する材料1立方メートルあたり活性化合物0.001g〜2kg、好ましくは0.005g〜1kgである。
【0175】
化合物Iは、通常の製剤、例えば、溶液、乳剤、懸濁剤、微粒子剤、粉末製剤、ペースト剤及び粒剤に加工することができる。施用形態はそれぞれの意図する用途によって決まる;いかなる場合も、本発明の化合物の微細かつ均一な分布を保証しなければならない。
【0176】
製剤は、公知の方法で、例えば、活性化合物を溶媒及び/又は担体により(所望であれば乳化剤及び分散剤を用いて)希釈することにより調製し、水が希釈剤である場合は、補助溶媒として他の有機溶媒を使用することも可能である。この目的に好適な助剤は基本的に:芳香族化合物(例えばキシレン)、塩素化芳香族化合物(例えばクロロベンゼン)、パラフィン(例えば石油留分)、アルコール類(例えばメタノール、ブタノール)、ケトン類(例えばシクロヘキサノン)、アミン類(例えばエタノールアミン、ジメチルホルムアミド)及び水などの溶媒;粉末化した天然鉱物(例えばカオリン、粘土、滑石、白亜)及び粉末化した合成鉱石(例えば、高分散性ケイ酸、ケイ酸塩)などの担体;非イオン性及び陰イオン性乳化剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホン酸塩及びアリールスルホン酸塩)などの乳化剤;並びに、亜硫酸パルプ廃液及びメチルセルロースなどの分散剤である。
【0177】
好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸及びジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びアンモニウム塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、脂肪アルコールの硫酸エステル及び脂肪酸、並びにそれらのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレン及びナフタレン誘導体のホルムアルデヒドとの縮合物、ナフタレン若しくはナフタレンスルホン酸のフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール及びノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコールエチレンオキシド縮合物、エトキシル化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、亜硫酸パルプ廃液及びメチルセルロースである。
【0178】
中〜高沸点を有する石油分留画分(例えば灯油若しくはディーゼル油)、さらにコールタール油、並びに植物若しくは動物起源の油、脂肪族、環式及び芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン若しくはその誘導体)、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホルム、四塩化炭素、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、クロロベンゼン若しくはイソホロン、又は高極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン若しくは水)は、直接噴霧可能な溶液、乳剤、ペースト剤若しくは油分散剤を調製するために好適である。
【0179】
散布のための粉末製剤及び微粒子剤は、活性物質を固体担体と一緒に混合、又は粉砕することによって調製することができる。
【0180】
粒剤、例えばコーティングを施した粒剤、含浸粒剤及び均質な粒剤は、活性化合物を固体担体と結合させることにより調製することができる。固体担体は、例えば、鉱物土類(例えば、シリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アッタクレイ(attaclay)、石灰岩、生石灰、白亜、ボーラス(bole)、黄土、粘土、苦灰石、珪藻土)、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉末化した合成材料、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム若しくは尿素)、及び植物製品(例えば、穀物粉、樹皮粉、木粉及び堅果殻粉)、セルロース粉末、並びに他の固体担体である。
【0181】
製剤は、一般的に、0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%の活性化合物を含んでなる。活性化合物は、90%〜100%、好ましくは95%〜100%の純度(NMRスペクトルによる)でこの製剤に使用される。
【0182】
製剤の例は下記の通りである:
I.本発明の化合物5重量部を細かく粉砕したカオリン95重量部とよく混合する。これにより5重量%の活性成分を含有する微粒子剤が得られる。
【0183】
II.本発明の化合物30重量部を、シリカゲル微粒子92重量部及び上記シリカゲル表面にあらかじめ噴霧しておいた流動パラフィン8重量部の混合物とともに、よく混合する。この方法で、すぐれた粘着性を有する活性化合物製剤(活性化合物含量23重量%)を得る。
【0184】
III.本発明の化合物10重量部を、混合液(本混合液は、キシレン90重量部、エチレンオキシド8〜10molのオレイン酸N-モノエタノールアミド1molとの付加生成物6重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩2重量部、及びエチレンオキシド40molのヒマシ油1molとの付加生成物2重量部からなる)に溶解する(活性化合物含量は9重量%)。
【0185】
IV.本発明の化合物20重量部を、混合液(本混合液は、シクロヘキサノン60重量部、イソブタノール30重量部、エチレンオキシド7molのイソオクチルフェノール1molとの付加生成物5重量部、及びエチレンオキシド40molのヒマシ油1molとの付加生成物5重量部からなる)に溶解する(活性化合物含量は16重量%)。
【0186】
V.本発明の化合物80重量部を、ジイソブチルナフタレン-α-スルホン酸ナトリウム3重量部、亜硫酸パルプ廃液から得られるリグノスルホン酸ナトリウム塩10重量部、及びシリカゲル微粒子7重量部とよく混合し、そしてハンマーミルで粉砕する(活性化合物含量は80重量%)。
【0187】
VI.本発明の化合物90重量部を、N-メチル-α-ピロリドン10重量部と混合し、微小な液滴の形で使用するのに好適な溶液を得る(活性化合物含量は90重量%)。
【0188】
VII.本発明の化合物20重量部を、混合液(本混合液は、シクロヘキサノン40重量部、イソブタノール30重量部、エチレンオキシド7molのイソオクチルフェノール1molとの付加生成物20重量部、及びエチレンオキシド40molのヒマシ油1molとの付加生成物10重量部からなる)に溶解する。この溶液を100,000重量部の水中に加えて水中に微細に分散させることによって、活性化合物0.02重量%を含有する水分散システムを得る。
【0189】
VIII.本発明の化合物20重量部を、ジイソブチルナフタレン-α-スルホン酸ナトリウム塩3重量部、亜硫酸パルプ廃液から得られるリグノスルホン酸ナトリウム塩17重量部及びシリカゲル微粒子60重量部とよく混合し、ハンマーミルで粉砕する。この混合物を20,000重量部の水に微細に分散させることによって、活性化合物0.1重量%を含んでなる噴霧乳剤を得る。
【0190】
活性化合物は、その製剤、又はそれから調製した施用形態の形で、例えば、直接噴霧可能な溶液、粉末製剤、懸濁剤若しくは分散剤、乳剤、油分散剤、ペースト剤、微粒子剤、散布用製剤、又は粒剤の形で、噴射、噴霧、微粒子剤散布、散布又は散水により使用することができる。施用形態は全く、意図する目的次第である;こうした施用形態は、いかなる場合にも、本発明の活性化合物の可能な限り微細な分散を保証しなければならない。
【0191】
水性の施用形態は、濃縮乳剤、ペースト剤又は水和性粉末製剤(噴射粉末製剤、油分散剤)から、水を添加することにより調製することができる。乳剤、ペースト剤又は油分散剤を調製するために、当該物質を、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤を用いて、水自体に均質化してもよいし、又は油若しくは溶媒に溶解してもよい。しかしまた、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤、及び、おそらくは、溶媒又は油を含有して、水による希釈に好適である濃縮物を調製することもできる。
【0192】
そのまま使用できる製剤中の活性化合物の濃度は、比較的広い範囲で変えることができる。一般的に、0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%である。
【0193】
活性化合物はまた、高濃度微量散布(ultra-low volume;ULV)法で成功裏に使用することもでき、95重量%を越える活性化合物、又はさらに添加剤なしで活性化合物を有する製剤を施用することも可能である。
【0194】
さまざまな種類の油、除草剤、殺真菌剤、他の殺虫剤及び殺細菌剤を、必要であれば、使用直前であっても、活性化合物に添加することができる(タンク混合)。これらの薬剤を本発明の組成物に、1:10〜10:1の重量比で加えることができる。
【0195】
本発明の組成物は、殺真菌剤としての施用形態において、他の活性化合物、例えば除草剤、殺虫剤、成長調節剤、殺真菌剤と、又は肥料と共存してもよい。化合物I又はそれを含有する組成物を、施用する形態で殺真菌剤として他の抗真菌剤と混合すると、多くの場合、活性の殺真菌スペクトルが拡大する。
【0196】
下記は、本発明の化合物とともに使用することのできる殺真菌剤の一覧であって、この一覧は可能な組み合わせを例示することを意図する:
・アシルアラニン、例えば、ベナラキシル、メタラキシル、オフレース又はオキサジキシル、
・アミン誘導体、例えばアルジモルフ、ドジン、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、グアザチン、イミノクタジン、スピロキサミン又はトリデモルフ、
・アニリノピリミジン、例えばピリメタニル、メパニミリム又はシプロジニル、
・抗生物質、例えばシクロヘキシミド、グリセオフルビン、カスガマイシン、ナタマイシン、ポリオキシン又はストレプトマイシン,
アゾール、例えばビテルタノール、ブロモコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニトロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、ヘキサコナゾール、イマザリル、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロクロラズ、プロチオコナゾール、テブコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリフルミゾール又はトリチコナゾール、
・ジカルボキシミド、例えばイプロジオン、ミクロゾリン、プロシミドン又はビンクロゾリン、
・ジチオカルバメート、例えばフェルバム、ナバム、マネブ、マンコゼブ、メタム、メチラム、プロピネブ、ポリカーバメート、チラム、ジラム又はジネブ、
・ヘテロ環式化合物、例えばアニラジン、ベノミル、ボスカリド、カルベンダジム、カルボキシン、オキシカルボキシン、シアゾファミド、ダゾメット、ジチアノン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモル、フベリダゾール、フルトラニル、フラメトピル、イソプロチオラン、メプロニル、ヌアリモール(nuarimol)、プロペナゾール、プロキナジド、ピリフェノックス、ピロキロン、キノキシフェン、シルチオファム、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チアジニル、トリシクラゾール又はトリホリン、
・銅殺真菌剤、例えばボルドー混合液、酢酸銅、オキシ塩化銅又は塩基性硫酸銅、
・ニトロフェニル誘導体、例えばビナパクリル、ジノカップ、ジノブトン又はニトロフタル-イソプロピル、
・フェニルピロール、例えばフェンピクロニル又はフルジオキソニル、
・硫黄、
・他の殺真菌剤、例えばアシベンゾラル-S-メチル、ベンチアバリカルブ、カルプロパミド、クロロタロニル、シフルフェンアミド、シモキサニル、ダゾメット、ジクロメジン、ジクロシメット、ジエトフェンカブ、エジフェンホス、エタボキサム、フェンヘキサミド、酢酸フェンチン、フェノキサニル、フェリモゾン、フルアジナム、ホセチル、ホセチル-アルミニウム、イプロバリカルブ、ヘキサクロロベンゼン、メトラフェノン、ペンシクロン、プロパモカルブ、フタリド、トルクロホス-メチル、キントゼン又はゾキサミド、
・ストロビルリン、例えばアゾキシストロビン、ジモキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン又はトリフロキシストロビン、
・スルフェン酸誘導体、例えばカプタホル、カプタン、ジクロロフルアニド、ホルペット又はトリルフルアニド、
・シンナミドと類似化合物、例えばジメトモルフ、フルメトベル(flumetover)又はフルモルフ。
【実施例】
【0197】
合成実施例
下記の合成実施例に記載の手順を用いて、出発化合物を適当に修飾することにより、さらなる化合物Iを調製した。このようにして得た化合物を下表に物理データとともに列挙する。
【0198】
実施例1:7-フェニル-8-イソブチル-6-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン
1.1 7-ブロモ-8-イソブチル-6-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン
0℃にて、臭素32g(0.2mol)の四塩化炭素100ml中の溶液を、6-メチルヘプタン-2,4-ジオン28.6g(0.2mol)の四塩化炭素120ml及び水120ml中の溶液に滴下した。添加を終えた後、反応混合物を0℃にて45分間攪拌した。有機相を分離除去し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、乾燥剤を濾過除去し、そしてその混合物を、減圧下で濃縮して乾燥し、臭素化ジオン44gを得た。得た粗中間物を氷酢酸400mlに溶解し、1,2,4-トリアゾール-4-イルアミン16.8g(0.2mol)を加え、そして反応混合物を還流で1.5時間加熱した。有機溶媒を除去し、tert-ブチルメチルエーテル、水及び1N水酸化ナトリウム水溶液を加えた。相分離後、有機相を乾燥し、乾燥剤を濾過除去し、そして混合物を、減圧下で濃縮して乾燥し、暗色の油を得た。得られる油をシリカゲルクロマトグラフィ(移動相:シクロヘキサン+酢酸エチル(2:1 v/v))により精製し、7-ブロモ-8-イソブチル-6-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン6.6gを粘性の油として得た。
1H-NMR (CDCl3)δ[ppm]: 1.0 (d, 6H), 2.5 (m, 1H), 2.7 (s, 3H), 3.2 (d, 2H), 9.0 (s, 1H)。
【0199】
1.2 7-フェニル-8-イソブチル-6-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン
実施例1.1からの7-ブロモ-8-イソブチル-6-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジン0.5mmol、フェニルボロン酸0.75mmol、炭酸水素ナトリウム1.5mmol及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 0.03mmolのテトラヒドロフラン5ml及び水2ml中の混合物を、還流にて24時間加熱した。反応混合物を次いで室温まで冷却させ、セライトを通して濾過した。減圧下で、濾液を濃縮して乾燥し、そして得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ(移動相:シクロヘキサン+酢酸エチル)により精製し、表題化合物0.08gを得た。
1H-NMR (CDCl3) δ [ppm]: 0.8 (d, 2H), 2.2 (s, 3H), 2.4 (m, 1H), 2.7 (d, 2H), 7.2 (d, 2H), 7.5 (m, 3H), 9.0 (s, 1H)。
【0200】
以下の表1aに掲げた式I.c{R3a=H}:
【化19】

【0201】
の化合物を、同じような方法で調製した。
【0202】
表1a
【表3】


【0203】
実施例23: 5-クロロ-6-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)テトラゾロ[1,5-a]ピリミジン
23.1. 5,7-ジヒドロキシ-6-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)テトラゾロ[1,5-a]ピリミジン
5-アミノテトラゾール(0.15mol)、2-アミノテトラゾール(0.15mol)、2-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)マロン酸ジエチル(0.15mol)及びトリブチルアミン(50ml)の混合物を、180℃にて6時間加熱した。反応混合物を70℃に冷却し、水酸化ナトリウム21gの水22ml中の溶液を加え、そしてその混合物を30分間攪拌した。有機相を分離除去し、水相をジエチルエーテルを用いて抽出した。その水相を濃塩酸を用いて酸性化した。沈降物を濾過除去し、そして乾燥して、生成物7gを得た。
【0204】
23.2. 5,7-ジクロロ-6-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)テトラゾロ[1,5-a]ピリミジン
実施例23.1からの5,7-ジヒドロキシ-6-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)テトラゾロ[1,5-a]ピリミジン(6g)とオキシ塩化リン(20ml)の混合物を還流にて8時間加熱した。オキシ塩化リンのいくらかを次いで蒸留除去した。残留物をジクロロメタンと水の混合物中に注いだ。有機相を分離除去し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、表題化合物4gを得た。
【0205】
23.3. 5-クロロ-6-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)テトラゾロ[1,5-a]ピリミジン
4-メチルピペリジン(1.5mmol)、トリエチルアミン(1.5mmol)及びジクロロメタン(10ml)の混合物を、攪拌しながら、5,7-ジクロロ-6-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)テトラゾロ[1,5-a]ピリミジン(1.5mmol、実施例23.2から)とジクロロメタン(20ml)の混合物に加えた。その混合物を室温にて16時間攪拌し、次いで希塩酸(5%)を用いて洗浄した。有機相を分離除去し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、そして残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製して、生成物0.26gを得た。
【0206】
表1bに掲げた一般式1.k{R2=Cl、(Ra)n=2,4,6-トリフルオロメチル}:
【化20】

【0207】
の化合物を同じような方法で調製した。
【0208】
表1b:
【表4】

【0209】
実施例31: 7-クロロ-5-イソプロピルアミノ-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ-[4,3-a]ピリミジン
31.1. 6-クロロ-2-ヒドラジノ-4-イソプロピルアミノ-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリミジン
6-クロロ-4-イソプロピルアミノ-2-メチルスルホニル-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリミジン16.3g(43mmol)をエタノール50ml中に懸濁し、ヒドラジン水和物5.3g(0.17mol)を加え、その混合物を還流にて90分間加熱した。反応混合物を次いで減圧下で濃縮し、そして残留物をエタノール中に移し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして再濃縮した。残留物を次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィ(移動相:シクロヘキサン:酢酸エチル(2:1))により精製した。これにより、生成物14.2gを淡黄色の固体として得た。融点143〜150℃。
【0210】
31.2. N,N-ジメチル-N'-(4-クロロ-6-イソプロピルアミノ-5-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)ヒドラゾノホルムアミド
ジメトキシメチルジメチルアミン6mlを、実施例31.1からのヒドラジノピリミジン1.0g(3mmol)のテトラヒドロフラン10ml中の溶液に加え、そして混合物を室温にて16時間及び還流下で2時間攪拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮し、その残留物を次いでシリカゲル上のクロマトグラフィ(移動相:シクロヘキサン:酢酸エチル(2:1))により精製した。これにより、生成物0.6gを淡褐色の融点204〜207℃の固体として得た。
【0211】
31.3. 7-クロロ-5-イソプロピルアミノ-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリミジン
実施例31.2からのピリミジン化合物0.25g(0.65mmol)をテトラヒドロフラン12.5mlに溶解した。酢酸0.2g(3.3mmol)を加え、その混合物を室温にて15時間、並びに40℃及び60℃にて2時間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィ(移動相:シクロヘキサン:メチルtert-ブチルエーテル(2:1))で精製した。これにより、生成物0.18gをベージュ色の融点268〜273℃の固体として得た。
【0212】
実施例33:2-メチル-4-(4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボニトリル
33.1. 4-ヒドロキシ-2-メチル-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボキサミド
3-オキソ-2-(2,4,6-トリフルオロフェニル)酪酸エチル31.0g(0.119mol)、4-アミノイミダゾール-5-カルボキサミド-塩酸塩19.4g(0.119mol)及びトリブチルアミン22.0g(0.119mol)の混合物を15時間140℃にて攪拌した。反応混合物を冷却して得た懸濁液をメチルtert-ブチルエーテル及び酢酸エチルにより希釈して、得られた固体を単離した。固体をメチルtert-ブチルエーテル及び酢酸エチルを用いて洗浄し、真空乾燥箱内で40℃にて真空乾燥した。このようして、表題化合物の位置異性体(regioisomer)の混合物31.2gを得た。
【0213】
33.2. 4-クロロ-2-メチル-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボニトリル
実施例33.1からの4-ヒドロキシ-2-メチル-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボキサミド31.2g(0.097mol)及びオキシ塩化リン180ml(20当量)を、40時間還流にて攪拌しながら加熱した。反応混合物を冷却した後、メチルtert-ブチルエーテルを用いて希釈し、その混合物を滴状で45分間30℃にて水酸化ナトリウムの希薄溶液に加えた。得た懸濁液をシリカゲル上で濾過し、メチルtert-ブチルエーテルを用いて洗浄した。その水相をメチルtert-ブチルエーテルにより抽出し、そして組合わせた有機相を水によって洗浄し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、そして濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィ(溶出液:シクロヘキサン:酢酸エチル)により精製した。これにより、融点183℃を有する表題化合物及びその他の位置異性体2.4gを得た。
【0214】
33.3. 2-メチル-4-(4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボニトリル
実施例33.2からの4-クロロ-2-メチル-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボニトリル0.15g(0.46mmol)、メチルピペリジン0.1g(0.92mmol)及びトリエチルアミン0.1g(0.92mmol)のテトラヒドロフラン2ml中の混合物を、還流にて72時間加熱した。冷却した後、メチルtert-ブチルエーテル及び2N塩酸を加えた。こうして得た混合物の水相をメチルtert-ブチルエーテルを用いて抽出し、組合わせた有機相を水を用いて洗浄し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮した。残留物をシリカゲル上のクロマトグラフィ(溶出液:シクロヘキサン/酢酸エチル)で処理することにより、2-メチル-4-(4-メチルピペリジン-1-イル)-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボニトリル100mgを得た。
【0215】
実施例34: 2-メトキシ-4-メチル-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボニトリル
実施例33.2からの2-クロロ-4-メチル-3-(2,4,6-トリfluorフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボニトリル0.2g(0.62mmol)及びナトリウムメチラートの30%溶液0.11g(0.62mmol)を45時間室温にてメタノール2ml中で攪拌した。次いでジクロロメタン及び2N塩酸を加えた。有機層を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮し、それによって融点225℃の表題化合物0.17gを得た。
【0216】
実施例35:4-メチル-2-メチルアミノ-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボニトリル
実施例33.2からの2-クロロ-4-メチル-3-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-イミダゾ[1,5-a]ピリミジン-8-カルボニトリル0.2g(0.62mmol)、メチルアミン0.1g(1.24mmol)及びトリエチルアミン0.23g(1.24mmol)のメタノール2ml中の混合物を、35℃にて24時間攪拌した。次いで、ジクロロメタン及び2N塩酸を加えた。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして濃縮した。こうして表題化合物60mgを得た。
【0217】
下の表1cに掲げた式I.f{(Ra)n=2,4,6-トリフルオロ}:
【化21】

【0218】
を、同じように調製した。表1.cはまた、実施例33〜37の化合物の分光学的データ及び化合物実施例34の融点も掲げている。
【0219】
表1c
【表5】

【0220】
実施例38: 7-(2,4-ジフルオロフェニル)-8-イソブチル-6-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-b]ピリダジン
表題化合物を実施例1の方法により調製した。融点:103-105℃。
【0221】
有害な真菌に対する活性の使用例
式Iの化合物の殺真菌作用を次の実験により実証した。
【0222】
使用例1及び2については、活性化合物を、活性化合物のアセトン又はジメチルスルホキシド(DMSO)中の0.25重量%ストック溶液として製剤した。乳化剤Uniperol(登録商標)EL(エトキシル化アルキルフェノールに基づく乳濁化及び分散作用を有する湿潤剤)1重量%をこの溶液に加え、その混合物を水により所望の濃度まで希釈した。
【0223】
使用例1:トマト輪紋病菌、アルテルナリア・ソラニ種(Alternaria solani)に起因するトマトの夏疫病に対する活性、保護用
トマト品種「Large Fruited St. Pierre」の鉢植え植物の葉に、以下に記載した活性化合物の濃度を有する水懸濁液を、液滴が滴るまで噴霧した。翌日、葉にトマト輪紋病菌(Alternaria solani)の胞子の2%生麦芽溶液中の水懸濁液(濃度0.17×106個胞子/ml)を用いて感染させた。その後、この植物を、水蒸気飽和した、温度20〜22℃の小室内に入れた。5日後、無処理のまま感染させた対照植物に夏疫病が発生し、その感染は目視により%として決定できる程度であった。
【0224】
表2:
【表6】

【0225】
使用例2:うどんこ病菌、プラスモパラ・ビチコラ種(Plasmopara viticola)に起因するブドウのベト病に対する活性、保護用
品種「Muller-Thurgau」の鉢植えブドウの葉に、以下に記載した活性化合物の濃度を有する水懸濁液を、液滴が滴るまで噴霧した。翌日、葉の裏面にうどんこ病菌(Plasmopara viticola)の遊走子の水懸濁液を接種した。その後、ブドウを、最初、水蒸気飽和した小室内に24℃にて48時間、次いで温室内に20〜30℃にて5日間置いた。この期間の後に、植物を再び湿った小室に16時間置いて、胞子嚢柄萌生(sporangiophore eruption)を促進した。その後、葉の裏面における感染の拡大の程度を目視で決定した。
【0226】
表3:
【表7】

【0227】
使用例3:ウドンコカビ科(Erysiphe [同義語Blumeria] graminis)フォルマ・スペシアリス・トリチシ種(forma specialis tritici)に起因するコムギのうどんこかび病に対する活性、保護用途
鉢植えで育てた、品種「Newton」のコムギ実生の葉に、以下に記載した活性化合物の濃度を有する水性懸濁液を、液滴が滴るまで噴霧した。懸濁液又は乳濁化液は、活性化合物5%、シクロヘキサノン94%及び乳濁化剤(Tween 20)1%を含有するストック溶液から、水で希釈して調製した。スプレーコーティングが乾燥した後3〜5時間に、コムギのウドンコカビ菌(ウドンコカビ科(Erysiphe [同義語Blumeria] graminis)フォルマ・スペシアリス・トリチシ(forma specialis tritici)種)の胞子を散布した。試験植物をその後、温度20〜24℃、相対湿度60〜90%の温室内に置いた。7日後、うどんこかびの発生の程度を、目視により全葉面積の感染%として決定した。
【0228】
表4:
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
A1又はA5はCでありかつ2つの基A1、A5のうちの他の基はN、C又はC-R3であり;
A2、A3、A4は互いに独立してN又はC-R3aであり、
ここで、もしA1とA5が両方ともCであれば、基A2、A3又はA4のうちの1つはS又はN-R4基であってもよく、
そしてもしA1がNであり、A3がC-R3aでありかつA5がCであれば、A4はN又はC-R3aでなく、
そして、ここで
二重結合によって、
A1とA2及びA3とA4が結合しているか、又は
A2とA3及びA4とA5が結合しているか、又は
A1とA5及びA2とA3が結合しているか、又は
A1とA5及びA3とA4が結合しているか、又は
A1とA2及びA4とA5が結合しており;
nは0、1、2、3、4又は5であり;
Raはハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ又はC(O)R5であり;
R1はハロゲン、シアノ、C1-C10-アルキル(ここでC1-C10-アルキル基の炭素原子は珪素原子により置換えられていてもよい)、C1-C6-ハロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル(ここで最後に挙げた2つの基のシクロアルキル部分は置換されていないか又はC1-C4-アルキリデン、C1-C4-アルキル、ハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシからなる群から選択される1、2、3、4、5、又は6個の基を含有してもよく、かつC3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキルのアルキル部分は、置換されていないか又はハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシからなる群から選択される1、2、3、又は4個の基を含有してもよい)、C5-C8-シクロアルケニル(置換されていないか又は、C1-C4-アルキル、ハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシの基からなる群から選択される1、2、3、又は4個の基を含有してもよい)、OR6、SR6、NR7R8、式-C(R11)(R12)C(=NOR13)(R14)の基又は式-C(=NOR15)C(=NOR16)(R17)の基であり;
R2はハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、OR6、SR6又はNR7R8であり;
R3、R3aは互いに独立して水素、CN、ハロゲン、C1-C6-アルキル又はC2-C6-アルケニルであり;
R4は水素、C1-C6-アルキル又はC2-C6-アルケニルであり;
R5は水素、OH、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C2-C6-アルケニル、C1-C6-アルキルアミノ又はジ-C1-C6-アルキルアミノ、ピペリジン-1-イル、ピロリジン-1-イル又はモルホリン-4-イルであり;
R6は水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル又はCOR9であり;
R7、R8は互いに独立して水素、C1-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C4-C10-アルカジエニル、C2-C10-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、C5-C10-ビシクロアルキル、フェニル、ナフチル、5員若しくは6員の飽和又は部分的不飽和ヘテロ環(環原子として、N、O及びSからなる群から選択される1、2又は3個のへテロ原子を有しうる)又は5員若しくは6員の芳香族ヘテロ環(環原子として、N、O及びSからなる群から選択される1、2又は3個のへテロ原子を有しうる)であり、ここで、R7、R8として挙げた基は部分的に又は全てハロゲン化されていてもよく、及び/又は1、2又は3個の基Rb(ここでRbはシアノ、ニトロ、OH、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、ピペリジン-1-イル、ピロリジン-1-イル又はモルホリン-4-イルからなる群から選択される)を有してもよく;
R7とR8はまた、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6又は7員の飽和又は不飽和ヘテロ環(環原子としてO、S、N及びNR10からなる群から選択される1、2、3又は4個のさらなるヘテロ原子を有しうる)を形成し、部分的に又は全てハロゲン化されていてもよく、そして1、2又は3個の基Rbを有してもよく;
R9、R10は、互いに独立して水素又はC1-C6-アルキルであり;
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17は、互いに独立して、水素又はC1-C6-アルキルである]
で表される二環式化合物又は化合物Iの農業上許容される塩(但し、A1がNでありかつA5がCであれば、R1及びR2が両方ともOHであるか又は両方ともハロゲンである化合物を除く)。
【請求項2】
R1がハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、OR6、SR6又はNR7R8であり;そして
R2がハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、OR6、SR6又はNR7R8である、式Iに記載の化合物。
【請求項3】
A1がCでありかつA5はNでありそしてA2、A3及びA4は互いに独立してN又はC-R3aである、請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
A2がNである、請求項3に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
A1及びA3がNであり、A5がCでありそしてA2及びA4が互いに独立してN又はC-R3aである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
A1がNでありかつA5はCでありそしてA2、A3及びA4が互いに独立してC-R3aである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
A1及びA5がCであり、基A2又はA4のうちの1つが硫黄であり、そして基A2又はA4のうちの他の1つ及び基A3が互いに独立してC-R3a又はNである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
nが1、2、3又は4である、先行する請求項のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
【化2】

[式中、
Ra1はフッ素、塩素又はメチルであり;
Ra2は水素又はフッ素であり;
Ra3は水素、フッ素、塩素、C1-C4-アルキル又はC1-C4-アルコキシであり;
Ra4は水素又はフッ素であり;
Ra5は水素、フッ素、塩素又はC1-C4-アルキルである]
である、先行する請求項のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
R1が、基R7、R8の少なくとも1つは水素と異なる基NR7R8である、先行する請求項のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
請求項10に記載の式I[式中、
R7はC1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルキニル又はC2-C6-アルケニルであり;
R8は水素又はC1-C6-アルキルであるか;又は
R7、R8はそれらの結合する窒素原子と一緒に飽和又は部分的不飽和窒素へテロ環を形成し、そのヘテロ環は環原子としてO、S及びNR10(ここで、R10は請求項1に定義された通りである)からなる群から選択されるへテロ原子を有してもよく、かつC1-C6-アルキル及びC1-C6-ハロアルキルからなる群から選択される1又は2個の置換基を有してもよい]の化合物。
【請求項12】
R2がハロゲン又はC1-C4-アルキルである、請求項10又は11に記載の式Iの化合物。
【請求項13】
R1がC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル又はC3-C8-シクロアルケニルでありそしてR2がC1-C4-アルキルである、先行する請求項のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその農業上許容される塩の、植物病原性真菌を抑制するための使用。
【請求項15】
植物病原性真菌を抑制するための組成物であって、少なくとも1つの請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物及び/又は式Iの農業上許容される塩並びに少なくとも1つの固体又は液体担体を含んでなる上記組成物。
【請求項16】
植物病原性真菌を抑制するための方法であって、真菌又は真菌の攻撃に対して保護すべき材料、植物、土壌又は種子を、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物及び/又はその農業上許容される塩の有効量を用いて処理することを含んでなる上記方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
A1又はA5はCでありかつ2つの基A1、A5のうちの他の基はN、C又はC-R3であり;
A2、A3、A4は互いに独立してN又はC-R3aであり、
ここで、もしA1とA5が両方ともCであれば、基A2、A3又はA4のうちの1つはS又はN-R4基であってもよく、
そしてもしA1がNであり、A3がC-R3aでありかつA5がCであれば、A4はN又はC-R3aでなく、
そして、ここで
二重結合によって、
A1とA2及びA3とA4が結合しているか、又は
A2とA3及びA4とA5が結合しているか、又は
A1とA5及びA2とA3が結合しているか、又は
A1とA5及びA3とA4が結合しているか、又は
A1とA2及びA4とA5が結合しており;
nは0、1、2、3、4又は5であり;
Raはハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ又はC(O)R5であり;
R1はハロゲン、シアノ、C1-C10-アルキル(ここでC1-C10-アルキル基の炭素原子は珪素原子により置換えられていてもよい)、C1-C6-ハロアルキル、C2-C10-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキル(ここで最後に挙げた2つの基のシクロアルキル部分は置換されていないか又はC1-C4-アルキリデン、C1-C4-アルキル、ハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシからなる群から選択される1、2、3、4、5、又は6個の基を含有してもよく、かつC3-C8-シクロアルキル-C1-C4-アルキルのアルキル部分は、置換されていないか又はハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシからなる群から選択される1、2、3、又は4個の基を含有してもよい)、C5-C8-シクロアルケニル(置換されていないか又は、C1-C4-アルキル、ハロゲン、C1-C4-ハロアルキル及びヒドロキシの基からなる群から選択される1、2、3、又は4個の基を含有してもよい)、OR6、SR6、NR7R8、式-C(R11)(R12)C(=NOR13)(R14)の基又は式-C(=NOR15)C(=NOR16)(R17)の基であり;
R2はハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-ハロアルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、OR6、SR6又はNR7R8であり;
R3、R3aは互いに独立して水素、CN、ハロゲン、C1-C6-アルキル又はC2-C6-アルケニルであり;
R4は水素、C1-C6-アルキル又はC2-C6-アルケニルであり;
R5は水素、OH、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C2-C6-アルケニル、C1-C6-アルキルアミノ又はジ-C1-C6-アルキルアミノ、ピペリジン-1-イル、ピロリジン-1-イル又はモルホリン-4-イルであり;
R6は水素、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル又はCOR9であり;
R7、R8は互いに独立して水素、C1-C10-アルキル、C2-C10-アルケニル、C4-C10-アルカジエニル、C2-C10-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、C5-C10-ビシクロアルキル、フェニル、ナフチル、5員若しくは6員の飽和又は部分的不飽和ヘテロ環(環原子として、N、O及びSからなる群から選択される1、2又は3個のへテロ原子を有しうる)又は5員若しくは6員の芳香族ヘテロ環(環原子として、N、O及びSからなる群から選択される1、2又は3個のへテロ原子を有しうる)であり、ここで、R7、R8として挙げた基は部分的に又は全てハロゲン化されていてもよく、及び/又は1、2又は3個の基Rb(ここでRbはシアノ、ニトロ、OH、C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ、C1-C6-ハロアルキル、C1-C6-ハロアルコキシ、C1-C6-アルキルチオ、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルケニルオキシ、C2-C6-アルキニル、C2-C6-アルキニルオキシ、C1-C6-アルキルアミノ、ジ-C1-C6-アルキルアミノ、ピペリジン-1-イル、ピロリジン-1-イル又はモルホリン-4-イルからなる群から選択される)を有してもよく;
R7とR8はまた、それらが結合している窒素原子と一緒になって、5、6又は7員の飽和又は不飽和ヘテロ環(環原子としてO、S、N及びNR10からなる群から選択される1、2、3又は4個のさらなるヘテロ原子を有しうる)を形成し、部分的に又は全てハロゲン化されていてもよく、そして1、2又は3個の基Rbを有してもよく;
R9、R10は、互いに独立して水素又はC1-C6-アルキルであり;
R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17は、互いに独立して、水素又はC1-C6-アルキルである]
で表される二環式化合物又は化合物Iの農業上許容される塩(但し、A1がNでありかつA5がCであれば、R1及びR2が両方ともOHであるか又は両方ともハロゲンである化合物を除く)。
【請求項2】
R1がハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、OR6、SR6又はNR7R8であり;そして
R2がハロゲン、シアノ、C1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル、C5-C8-シクロアルケニル、OR6、SR6又はNR7R8である、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項3】
A1がCでありかつA5はNでありそしてA2、A3及びA4は互いに独立してN又はC-R3aである、請求項1又は2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
A2がNである、請求項3に記載の式Iの化合物。
【請求項5】
A1及びA3がNであり、A5がCでありそしてA2及びA4が互いに独立してN又はC-R3aである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
A1がNでありかつA5はCでありそしてA2、A3及びA4が互いに独立してC-R3aである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
A1及びA5がCであり、基A2又はA4のうちの1つが硫黄であり、そして基A2又はA4のうちの他の1つ及び基A3が互いに独立してC-R3a又はNである、請求項1に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
式Iにおいて、A1、A2、A3及びA4がNであり、そしてA5がCである請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項9】
式Iにおいて、A1及びA3がNであり、そしてA2及びA4がそれぞれC-R3aであり、A5がCである請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項10】
式Iにおいて、A2、A3及びA5がNであり、そしてA1がCであり、A4がC-R3aである請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項11】
nが1、2、3又は4である、先行する請求項のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項12】
【化2】

[式中、
Ra1はフッ素、塩素又はメチルであり;
Ra2は水素又はフッ素であり;
Ra3は水素、フッ素、塩素、C1-C4-アルキル又はC1-C4-アルコキシであり;
Ra4は水素又はフッ素であり;
Ra5は水素、フッ素、塩素又はC1-C4-アルキルである]
である、先行する請求項のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項13】
R1が、基R7、R8の少なくとも1つは水素と異なる基NR7R8である、先行する請求項のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項14】
請求項13に記載の式I[式中、
R7はC1-C6-アルキル、C1-C6-ハロアルキル、C2-C6-アルキニル又はC2-C6-アルケニルであり;
R8は水素又はC1-C6-アルキルであるか;又は
R7、R8はそれらの結合する窒素原子と一緒に飽和又は部分的不飽和窒素へテロ環を形成し、そのヘテロ環は環原子としてO、S及びNR10(ここで、R10は請求項1に定義された通りである)からなる群から選択されるへテロ原子を有してもよく、かつC1-C6-アルキル及びC1-C6-ハロアルキルからなる群から選択される1又は2個の置換基を有してもよい]の化合物。
【請求項15】
R2がハロゲン又はC1-C4-アルキルである、請求項13又は14に記載の式Iの化合物。
【請求項16】
R1がC1-C6-アルキル、C2-C6-アルケニル、C2-C6-アルキニル、C3-C8-シクロアルキル又はC3-C8-シクロアルケニルでありそしてR2がC1-C4-アルキルである、先行する請求項のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその農業上許容される塩の、植物病原性真菌を抑制するための使用。
【請求項18】
植物病原性真菌を抑制するための組成物であって、少なくとも1つの請求項1〜16のいずれか1項に記載の式Iの化合物及び/又は式Iの農業上許容される塩並びに少なくとも1つの固体又は液体担体を含んでなる上記組成物。
【請求項19】
植物病原性真菌を抑制するための方法であって、真菌又は真菌の攻撃に対して保護すべき材料、植物、土壌又は種子を、請求項1〜16のいずれか1項に記載の式Iの化合物及び/又はその農業上許容される塩の有効量を用いて処理することを含んでなる上記方法。

【公表番号】特表2006−523647(P2006−523647A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505170(P2006−505170)
【出願日】平成16年4月16日(2004.4.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004067
【国際公開番号】WO2004/092175
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】