説明

殻に封入されている錠剤を貼り付けて管理する台紙。

【課題】医師の処方による錠剤の種類が多くなり、次の診察日までの服用分として、二か月分〜三か月分の錠剤を纏めて大量に支給されるのが一般的で、これを朝、昼、夜、食前、食後など、飲み方の決まりに従い、毎日、処方通りに正しく服用するには、病人、介護人共々細心の注意と厳密な管理が必要であり、飲み間違いや、飲み忘れなどがないように、合理的に工夫された管理用具が要望されている。それに応える管理用の台紙を提供する。
【解決手段】台紙の本体となる用紙1に、幅7〜9ミリ程度の粘着帯2を設け、その上方(下方のどちらでも良い)を、摘要欄3としたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医師の処方による多種類の錠剤を、飲み間違ったり、飲み忘れたりせず処方通りに服用しやすいように、殻に封入した錠剤を台紙に並べて貼り付けて管理するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明に係る、従来広く普及している用具として次の二つがある。
(その1)
殻に封入した錠剤を医師の処方通りに分別し、一回に飲む分を小さい箱や袋に入れて病人に宛がい、或いは又、その一週間分を収納出来るように28区画に小さく仕切ってある管理箱。
(その2)
携帯に便利なように布やレザーで作られ、28区画に仕切って小袋状にし、そこに錠剤を入れて管理するものであるが、双方基本の発想は同じで、共通する次の欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の用具は、収納部を28区画に小さく仕切った容器であり、錠剤の出し入れがしにくい難点と、錠剤の数や種類が容器の外側からは判りにくく、飲んだ錠剤の空き殻はバラバラで散逸しやすく管理しにくいなどの欠点があり、錠剤の数が合わなくなった時などは全部取り出して入念に調べ直すことになり、その手間は煩雑で、老齢者や病人の手には負えないことであり、旅行時など、かさばるものは携帯に不便である。
本発明は、従来の用具とは発想を異にし、殻に封入した状態の錠剤を、台紙に設けた粘着帯に一列に並べて貼り付け、更に、これを立体化して錠剤の数や種類、又、飲んだものと、飲まずに残っている錠剤の状態が一目瞭然に判り管理しやすいようにし、視覚的な刺激効果も加味して病人の注意を惹き自覚を促すものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
図2に示すように、台紙の本体となる用紙(コピー用紙などで良い)(1)に、幅7〜9ミリ程度の粘着帯(2)を設け(両面粘着テープを張るとよい)、その上方、或いは、下方(どちらでも良い)を、日付、曜日、区切り線(7)(8)や、錠剤の飲み方などを大きく表記出来る摘要欄(3)としたものである。
【発明の効果】
【0005】
イ、 一日に飲むべき錠剤を医師の処方通りに分別し、台紙に設けた粘着帯に一列に並べて貼り付けるので、その数や種類など一目瞭然で管理しやすい。
ロ、 摘要欄に日付,曜日、区切り線や錠剤の飲み方と個数などを任意に大きく表記出来るので老齢の病人にも判りやすい。
ハ、 折り線(6)で台紙を折り曲げると、錠剤を封入した殻は斜めに立ち上がって立体化して目立つものとなり、凸部を押し込むと錠剤は裏側に飛び出し、殻の中央部は無色透明な状態となり、若し、残っている錠剤があれば直ぐ判り、飲み忘れる心配はなくなる。
ニ、 空になった殻も其の侭台紙に貼り付いて残り証拠品となるので、病人も自分の思い違いを自覚しやすくなり、介護人と揉めるトラブルの予防効果が顕著である。
ホ、 本発明は、台紙となるコピー用紙などに両面粘着テープを貼り付けた簡易な物故、使い捨てに出来る大変安価なもので、旅行時などの携帯にも便利である。
ヘ、 認知症患者の特異性は、飲んでいない錠剤を「飲んだ・・・」と言い張り、その逆もあり、或いは又、飲んだのか?飲んでいないのか自分で判らなくなることもあり、それに伴い介護人と揉めるトラブルは日常的である。糖尿病とか高血圧症など幾多の病気を併せ持つ病人は多く、その場合、処方の錠剤の種類が多くなるので、病人、介護人共々細心の注意と、厳密な管理が必要となり、本発明は、その要望に応える管理用具の提供を目的とし、従来の欠点を解決したばかりでなく、詳述した効果は、本発明独自の新規なもので、特に認知症や老齢病人の介護に役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】 本発明の平面図である。
【図2】 殻に封入した錠剤を粘着帯の上に並べた実施例の過程を示す平面図である。
【図3】 従来の管理用具を示す平面図で、参考図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明すれば、台紙(1)(コピー用紙などで良い)に、幅7〜9ミリ程度の粘着帯(2)(両面粘着テープを貼れば良い)を設けたもので、その上部を(下部も含む)摘要欄(3)としたものであり,尚、粘着帯の両側縁部と略中央部に、折り線(4)(5)(6)を入れると折目が綺麗に仕上がる。
【0008】
図2を参照しつつ、本発明の実施例と錠剤のセットの仕方などを説明すれば、先ず、両面粘着テープの剥離紙を剥ぎ取り、錠剤を封入した殻(15〜18ミリ角位)の一辺を折り線(4)に合わせて乗せると粘着するので、同じ要領で錠剤を次々に並べた後、手前の台紙(1)を上方に折り曲げて殻の下縁を粘着したあと、更に、折り線(5)で手前に折り曲げて押さえると、殻の額が粘着帯で挟み込まれて固定される。この平面的状態でも使用出来るが、更に、折り線(6)で台紙を向い側に折り曲げると総べての殻が斜めに立ち上がって立体化する。
【0009】
図2の摘要欄の区切り線(7)(8)と、飲み方などの表記は、病気に依って錠剤の数など其々異なるので適宜に手書きする。
【符号の説明】
【0010】
I 台紙となる用紙
2 粘着帯(両面粘着テープを貼る)
3 摘要欄(台紙本体である)
4 折り線
5 折り線
6 折り線
7 区切り線
8 区切り線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面に示し明細書に詳記の通り、台紙の本体となる用紙(1)に、幅7〜9ミリ程度の粘着帯(2)を設け(両面粘着テープを貼るとよい)、その上方、或いは、下方(どちらでもよい)を、日付、曜日、区切り線(7)(8)や、錠剤の数と飲み方などを大きく表記出来る摘要欄(3)とした構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−40318(P2012−40318A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192869(P2010−192869)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【出願人】(510234456)
【Fターム(参考)】