説明

毛髪処理組成物用塗布用具

本発明は、毛髪処理組成物を毛髪ストランドに正確に、また乱雑にならないように、そして均一に塗布することを可能にする塗布用具(1)に関する。前記塗布用具(1)は、連結部(30)によってくぼみ部(20)に運動可能な形で接合されたプレート(10)と、不織布、発泡体又はこれらの組み合わせから選択された少なくとも1つの調量層とを含む。前記調量層は、0.15mm〜39.5mmのキャリパーと、59%〜93%の、本明細書に定義されている圧縮率とを有する。前記調量層は、第1の調量層(50)であって、前記くぼみ部(20)の周縁部(222)の上に置かれていてよく、あるいは、第2の調量層(60)であって、前記プレート(10)の内表面(101)の上に、好ましくは外辺部(103)に沿って置かれていてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物を繊維、好ましくはケラチン性繊維に正確に、また乱雑にならないように、そして均一に塗布することを可能にする塗布用具に関する。不織布、発泡体又はこれらの組み合わせから選択された調量層を含む塗布用具は特に、毛髪ストランド効果を提供する毛髪処理組成物用として意図されている。
【背景技術】
【0002】
別個の毛髪ストランドに毛髪処理組成物を塗布すると、ユーザーは、頭部全体への塗布とは異なる見た目を達成することができる。毛髪ストランド効果を提供する毛髪処理組成物としては、ハイライト組成物、染色組成物、パーマ組成物、スタイリング組成物及びこれらの混合物が挙げられる。
【0003】
ハイライト組成物及び染色組成物によって提供されるもののような毛髪ストランド効果は、望ましい場所に正確に適用しなければならない。例えば、十分すぎる量のハイライト組成物を毛根に塗布すると、その組成物は、隣接した未選択の毛髪ストランドに移動することがある。これによって、最終結果全般が変わる場合があると共に、ユーザーが作り出そうとしていた模様が完全に分裂する場合がある。これに加えて、ハイライト組成物及び染色組成物のような毛髪処理組成物は、メラニン色素を白くするための強酸化剤を必要とする構成成分を含む。その化学反応性を考えると、ハイライト組成物及び染色組成物の塗布は大抵、予想外にも毛根ラインに過度に供給されると、頭皮にも移動することがあり、場合によっては、無用な皮膚炎につながる場合もある。これに加えて、過剰な量の製品を毛根に塗布した場合、毛髪の全長にわたって色彩効果が一貫したものにならず、望ましくない視覚効果につながる。その代わりに、不十分な組成物を毛髪ストランドに塗布した場合、毛髪ストランド効果の均一性が得られないことがあり、視覚的に許容不可能である最終結果を引き起こす。したがって、処理する毛髪ストランドにわたって、一貫した量の製品を均一に塗布することが重要である。
【0004】
ハイライトのような毛髪ストランド効果を提供するための1つの既知の方法は、キャップ・フック式システムである。頭を覆うように、穴が設けられたキャップを配置し、毛髪ストランドをフックによって引き出す。キャップ・フック式システムは、正確とは程遠く、キャップ上の穴を介して毛髪ストランドを無作為に選択してしまう、またハイライト組成物を、選択した毛髪ストランドの一部にしか塗布しないうえに、毛根部分に塗布しない可能性があるなどのいくつかの欠点を持つ。
【0005】
いくつかの塗布用具が、キャップ・フック式システムの代替物として、毛髪ストランドの独立した束に毛髪処理組成物を塗布するためのものとして設計されてきた。これらの塗布用具は、2つの一般分野に属する。1つの分野は、櫛及び/又はブラシをベースとした塗布用具を含む。もう一方のグループは、関節構造を呈する2つの部分を有する塗布用具を含み、この2つの部分は、相互に対して運動可能な部分である。この後者の分野では、多くの試みが開示されてきた。米国特許第3,030,968号は、浸漬作業によって充填される液体処理材用の塗布用具に言及している。この塗布用具は、トラフと、U字型弾性バネの脚部の末端部上に取り付けられた毛髪ガイド部材とを含む。このバネによって、手での圧縮が可能になり、毛髪ガイド部材がトラフに適合可能になる。米国特許第6,062,231号は、毛髪用製品を毛髪ストランドに塗布するための用具を開示している。この用具は、関節構造を呈する2つの部分、即ち、浸漬作業によって充填される塗布手段と、前記用具を使用している間、この塗布用具手段の上に毛髪ストランドを保つ保持部材とを含む。米国特許出願公開第2003/0024544号には、別の試みが示されており、毛髪用製品のための空洞と、伸縮自在に変形可能である保持部材とが設けられた用具が開示されている。この保持部材は、多孔質又は繊維性材料を含むことがあり、空洞には、毛髪処理組成物の塗布中に毛髪ストランドを適所に保つ少なくとも1つの切り欠きが設けられている。
【0006】
毛髪ストランド効果、具体的にはハイライト及び染色の効果を得るために組成物を自分で塗布することは本質的に困難であると一般的には認識されている。期待される最終結果を得るには、いくつかの技術的課題に対処するために、毛髪処理組成物を自分で塗布するのを容易にできる塗布用具を考案する必要があるが、具体的には、この塗布用具は、毛髪ストランドの独立した束に組成物を均一に塗布しなければならない。組成物がハイライト組成物又は染色組成物であるとき、均一性は非常に重要である。これらの組成物によって提供される永続的効果は、塗布後直ちに目に見えるものではなく、また結果が魅力的なものでない場合に、簡単には逆戻りできない。つまり、塗布用具は、毛髪ストランドの束の全長及び全幅にわたって、かつ、同様に、前側表面及び後側表面上で、均質なコーティングを確実に実現しなければならない。
【0007】
これに加えて、このような塗布用具は、隣接する毛髪ストランド又は頭皮及び皮膚に移動させることなく、毛髪ストランド効果を提供するのに十分な量の毛髪処理組成物を塗布しなければならない。更には、ユーザーが毛髪ストランドの束に沿って塗布用具を動かす間、塗布用具は、毛髪処理組成物を塗布してから、後に毛髪処理組成物をこすり落としてはならない。また、このような塗布用具による塗布作業は、毛髪処理組成物が毛髪処理用塗布用具から漏れることなく、整然と清潔な形で実施されなければならない。
【0008】
最後に、このような毛髪処理組成物用塗布用具は、使いやすくなければならず、間違いなく安価で、かつ製造しやすくなければならず、毛髪処理組成物を充填する量及び場所などに関して、何ら特別な経験及び研修を必要としてはならない。理想的には、消費者は、単に、製造者の提供するわずかな指示に従うことによって、塗布用具を充填及び使用できなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3,030,968号
【特許文献2】米国特許第6,062,231号
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0024544号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、当該技術分野において解決すべきものとして今も残っているのは、上で定義した技術的問題を克服できる毛髪処理用塗布用具である。
【0011】
塗布用具(本明細書において以下に定義される)は、毛髪処理組成物の塗布を著しく改善して、毛髪ストランド効果を提供できることが今では判明している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従って、毛髪処理組成物を毛髪に塗布するための塗布用具(1)が提供され、前記塗布用具(1)は、プレート(10)と、くぼみ部(20)とを含み、前記プレート(10)は、外辺部(103)と、内表面(101)と、外表面(102)とを含み、前記くぼみ部(20)は、底部(201)と壁部(202)とを含み、前記壁部(202)は、前記底部(201)から出て上方に延びており、前記壁部(202)は、周縁部(222)を有し、前記周縁部(222)は、前記くぼみ部(20)の開口部(203)と内部容積部(204)とを画定し、前記塗布用具(1)が、閉じた状態と開いた状態との間で切り替わることができるように、前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)は、連結部(30)によって運動可能な形で接合されており、前記塗布用具(1)が閉じた状態のとき、前記プレート(10)の前記内表面(101)は、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係にあり、前記塗布用具(1)が開いた状態のとき、前記プレート(10)の前記内表面(101)は、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と遠位関係にあり、前記閉じた状態の前記塗布用具(1)は、前記プレート(10)の前記外辺部(103)から前記壁(202)の前記周縁部(222)までの平均距離(D1)を有し、前記塗布用具(1)は、少なくとも1つの調量層を含み、前記少なくとも1つの調量層は、不織布、発泡体及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記少なくとも1つの調量層は、約59%〜約93%の、本明細書に定義されている圧縮率と、約0.40mm〜約21.88mmのキャリパーとを有し、前記少なくとも1つの調量層のキャリパーの前記平均距離(D1)に対する比は、下記の数学的関係(I)
4.375×D1≧キャリパー(mm)≧0.792×D1 (I)
によって定義される。
【0013】
更には、前記毛髪ストランドを本発明による前記塗布用具(1)と接触させることによって、毛髪処理組成物を毛髪ストランドに塗布する方法、及び本発明による塗布用具(1)を含むキットについても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1A】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態の斜視図。前記塗布用具は、プレート(10)と、くぼみ部(20)と、連結部(30)とを含む。この実施形態では、周縁部(222)を見せるために一部が取り除かれた第1の調量層(50)が、前記くぼみ部(20)の前記壁部(202)の前記周縁部(222)の上に置かれている。塗布用具(1)は、この図では開いた状態で示されており、前記プレート(10)の前記内表面(101)は、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と遠位関係にある。
【図1B】プレート(10)とくぼみ部(20)とを含む、本発明による塗布用具(1)の実施形態の斜視図。この実施形態では、前記少なくとも1つの調量層は、前記プレート(10)の前記外辺部(103)に沿って、前記プレート(10)の前記内表面(101)の上に置かれた第2の調量層(60)である。
【図2A】本発明による塗布用具(1)の実施形態の斜視図。塗布用具(1)は、この実施形態においては、閉じた状態で示されている。該近位縁(90、91)が該軸Yと実質的に平行になると共に、該末端縁(80、81)が、互いの方に向かって接近する形で、前記プレート(10)の前記内表面(101)(この実施形態では、実質的に平らである)から、2つの実質的に同一の第1フィン(70)及び第2フィン(71)が、突出しているのを見せるために、前記くぼみ部(20)の前記壁部(202)の一部が取り除かれている。第1の調量層(50)は、前記壁部(202)の前記周縁部(222)の上に置かれており、第2の調量層(60)は、前記プレート(10)の前記外辺部(103)に沿って、前記実質的に平らな内表面(101)の上に置かれている。
【図2B】図2Aに示されている前記プレート(10)の横断面図。この横断面図は、図2Aの線ABに沿って、前記軸Yに垂直に切断したものである。前記の2つの実質的に同一な第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、実質的に等しい第1の平均長(L1)及び第2の平均長(L2)分延びており、前記実質的に平らな内表面(101)と共に、実質的に等しい角度α及びβを形成する。
【図2C】図2Bに示されているものと同じ横断面図。しかし、前記プレート(10)の前記外辺部(130)と前記壁部(202)の前記周縁部(222)との間の前記平均距離(D1)を明白に示している。前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)も示されている。
【図3】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態の斜視図。前記プレート(10)は、連結部(30)によって、運動可能な形で前記くぼみ部(20)に接合されている。実質的に角錘台の形状を有する部材(40)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している。前記周縁部(222)の上には、第1の調量層(50)と、2つの止め具機構(この図では、2つの実質的に同一の半球(402、403)によって表されている)とが示されている。前記くぼみ部(20)の底部(201)の上には、連結部(30)の横の前記壁部(202)に隣接して、前記塗布用具(1)は封止手段(401)を含む。
【図4】本発明による塗布用具(1)の実施形態の斜視図。前記塗布用具(1)は、連結部(30)によってくぼみ部(20)に連結されたプレート(10)を含む。前記連結部(30)は、ピン(38)によって固着された2つの雌部品(32、34)を含む。2つのストリップ(11、12)が、前記くぼみ部(20)の前記壁部(202)の前記周縁部(222)の上に配置されている。第1の調量層は、2つの断片(50、50’)の形で、前記周縁部(222)の上に置かれている。第2の調量層は、2つの断片(60、60’)の形で、前記外辺部(103)に沿って前記内表面(101)の上に置かれている。2つの実質的に同一のフィン(70、71)を収容するために、2つの実質的に同一の溝(49、59)が、前記プレート(10)を切り開いている。
【図5A】本発明による前記塗布用具(1)の前記プレート(10)の横断面図。これらの横断面図は、軸Yに沿って、前記プレート(10)の中央で切断したものである。1つ以上の浸漬手段が、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している。前記1つ以上の浸漬手段は、図5Aでは、実質的に角錐形状を有する部材(40)である。
【図5B】本発明による前記塗布用具(1)の前記プレート(10)の横断面図。これらの横断面図は、軸Yに沿って、前記プレート(10)の中央で切断したものである。1つ以上の浸漬手段が、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している。前記1つ以上の浸漬手段は、図5Bでは複数の歯(41)である。
【図5C】本発明による前記塗布用具(1)の前記プレート(10)の横断面図。これらの横断面図は、軸Yに沿って、前記プレート(10)の中央で切断したものである。1つ以上の浸漬手段が、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している。前記1つ以上の浸漬手段は、図5Cでは、実質的に平行六面体の形状を有する部材(40)である。
【図5D】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態のプレート(10)の横断面図。この横断面図は、前記軸Y(図5E〜5Gでは図示せず)に対して横断方向に、かつ、実質的に前記プレート(10)の中央で切断したものである。図は、第1フィン(70)及び第2フィン(71)を含むプレート(10)を示しており、前記フィン(70、71)は、異なる形を有する。
【図5E】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態のプレート(10)の横断面図。この横断面図は、前記軸Y(図5E〜5Gでは図示せず)に対して横断方向に、かつ、実質的に前記プレート(10)の中央で切断したものである。図は、第1フィン(70)及び第2フィン(71)を含むプレート(10)を示しており、前記フィン(70、71)は、異なる形を有する。
【図5F】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態のプレート(10)の横断面図。この横断面図は、前記軸Y(図5E〜5Gでは図示せず)に対して横断方向に、かつ、実質的に前記プレート(10)の中央で切断したものである。図は、第1フィン(70)及び第2フィン(71)を含むプレート(10)を示しており、前記フィン(70、71)は、異なる形を有する。
【図5G】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態のプレート(10)の横断面図。この横断面図は、前記軸Y(図5E〜5Gでは図示せず)に対して横断方向に、かつ、実質的に前記プレート(10)の中央で切断したものである。図は、第1フィン(70)及び第2フィン(71)を含むプレート(10)を示しており、前記フィン(70、71)は、異なる形を有する。
【図5H】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態のプレート(10)の横断面図。この横断面図は、前記軸Y(図5H〜5Mでは図示せず)に対して横断方向に、かつ、実質的に前記プレート(10)の中央で切断したものである。図は、第1フィン(70)及び第のフィン(71)を含むプレート(10)を示しており、前記フィン(70、71)のそれぞれは、実質的に矩形の形を有する。前記プレート(10)の前記内表面(101)は、図5Hでは波状である。
【図5L】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態のプレート(10)の横断面図。この横断面図は、前記軸Y(図5H〜5Mでは図示せず)に対して横断方向に、かつ、実質的に前記プレート(10)の中央で切断したものである。図は、第1フィン(70)及び第のフィン(71)を含むプレート(10)を示しており、前記フィン(70、71)のそれぞれは、実質的に矩形の形を有する。前記プレート(10)の前記内表面(101)は、図5Lでは凹状である。
【図5M】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態のプレート(10)の横断面図。この横断面図は、前記軸Y(図5H〜5Mでは図示せず)に対して横断方向に、かつ、実質的に前記プレート(10)の中央で切断したものである。図は、第1フィン(70)及び第のフィン(71)を含むプレート(10)を示しており、前記フィン(70、71)のそれぞれは、実質的に矩形の形を有する。前記プレート(10)の前記内表面(101)は、図5Mでは凸状である。
【図5N】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態のプレート(10)の内表面(101)の斜視図。第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出しており、図5Nでは、前記フィン(70、71)及びそれらの近位縁(90、91)は湾曲している。
【図5P】本発明による前記塗布用具(1)の実施形態のプレート(10)の内表面(101)の斜視図。第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出しており、図5Pでは、前記フィン(70、71)は突出部(75)を有する。
【図6】本発明による塗布用具(1)の実地形態において、ハイライト組成物を毛髪ストランドの束に塗布するとき、前記第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)を変えることによって、毛髪上への平均投与量(◇)及び平均均一性(■)がいかに変化するかを示している。
【図7】約2.0mmの平均距離(D1)の場合の、種々のキャリパー(独立したキャリパーの総計)と、本明細書で定義されている種々の圧縮率とを有する調量層の例を示している。
【図8】約1.5mmの平均距離(D1)の場合の、種々のキャリパー(独立したキャリパーの総計)と、本明細書で定義されている種々の圧縮率とを有する調量層の例を示している。
【図9】約3.0mmの平均距離(D1)の場合の、種々のキャリパー(独立したキャリパーの総計)と、本明細書で定義されている種々の圧縮率とを有する調量層の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的では、毛髪という用語は、生きている毛髪、即ち、生物上の毛髪と、生きていない毛髪、即ち、かつら、ヘアピース、又は生きていないケラチン繊維の他の集合体との両方を指す。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が意図される。
【0016】
本発明の目的では、「上に置かれた」という用語は一般的に、この用語が言及する機構を配置する行為ではなく、この用語が言及する機構の場所を示すために用いられる。
【0017】
本発明は、本明細書に記載する特徴が、上記技術的問題を解決するために本発明中で選択される特定の関係で組み合わされるとき、それらが有する相乗関係によって特徴付けられる。
【0018】
本明細書に記載されている技術的効果を達成するために、本発明による、毛髪処理組成物を毛髪に塗布するための塗布用具(1)は、図1Aに示されているように、プレート(10)及びくぼみ部(20)を含む。連結部(30)は、前記プレート(10)を前記くぼみ部(20)に運動可能な形で接合する。前記プレート(10)は、外辺部(103)、内表面(101)及び外表面(102)を含む。前記くぼみ部(20)は、底部(201)及び壁部(202)によって形成され、前記壁部(202)は、前記底部(201)から出て、上方に延びている。前記壁部(202)は周縁部(222)を含み、前記壁部(202)と前記周縁部(222)は、図1に示されているように、前記くぼみ部(20)の開口部(203)と内部容積部(204)とを画定する。前記塗布用具(1)が、開いた状態から閉じた状態に切り替わることができるように、前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)は、前記連結部(30)によって運動可能な形で接合される。この後者の状態では、前記プレート(10)の前記内表面(101)は、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係にある。
【0019】
前記塗布用具(1)は、閉じた状態のとき、前記プレート(10)の前記外辺部(103)から前記壁部(202)の前記周縁部(222)までの平均距離(D1)を含む。前記平均距離(D1)は、好ましくは0.5mm〜5.0mm、より好ましくは0.8mm〜4.0mm、更に好ましくは1.0mm〜3.0mmである。
【0020】
前記塗布用具(1)は、少なくとも1つの調量層を含み、前記調量層は、不織布、発泡体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0021】
前記少なくとも1つの調量層は、第1の調量層(50)であってよい。前記第1の調量層(50)は、前記くぼみ部(20)の前記壁部(well)(202)の前記周縁部(222)の上に置かれている。
【0022】
前記少なくとも1つの調量層は、第2の調量層(60)であってもよい。前記第2の調量層(60)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)の上に、好ましくは、前記プレート(10)の前記外辺部(103)に沿って置かれている。
【0023】
好ましくは、前記塗布用具(1)は、第1の調量層(50)と第2の調量層(60)とを含む。
【0024】
前記少なくとも1つの調量層は、約59%〜約93%の、本明細書に定義されている圧縮率と、約0.40mm〜約21.88mmのキャリパーとを有する。前記少なくとも1つの調量層のキャリパーの前記平均距離(D1)に対する比は、下記の等式(I)によって定義され、その数学的関係(I)は以下のとおりである。
4.375×D1≧キャリパー(mm)≧0.792×D1 (I)
【0025】
キャリパーという用語は、本明細書で使用する場合、存在する少なくとも1つの調量層の全部の数の総計を指し、第1の調量層(50)と第2の調量層(60)とを含む塗布用具(1)の実施形態では、キャリパーは、前記第1の調量層(50)と前記第2の調量層(60)のキャリパーの総計である。
【0026】
圧縮率という用語は、本明細書で使用する場合、存在する各調量層のことを指す。即ち、第1の調量層(50)と第2の調量層(60)とを含む実施形態では、これらの第1の調量層(50)と第2の調量層(60)の各々が、圧縮率要件を満たさなければならない。
【0027】
本明細書に記載されている第1の調量層(50)及び/又は第2の調量層(60)によって、前記塗布用具(1)は、清潔で乱雑にならない形なうえに、本明細書において以下で実証されているように均一に、毛髪処理組成物を毛髪ストランドに塗布可能になる。
【0028】
1.塗布用具
本発明による塗布用具(1)は、くぼみ部(20)に運動可能な形で接合されたプレート(10)を含む。本発明による前記塗布用具(1)の前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)は、人間工学的寸法のものであるため、どちらの手にも簡単に適合することができる。前記プレート(10)の形は、様々であってよい。矩形、正方形、円形、長円形、楕円形又はこれらの組み合わせは、製造しやすいため有用であり得るが、他の形、とりわけ、消費者が認識しやすい他の形も用いてよい。
【0029】
前記塗布用具(1)の前記プレート(10)は、軸Yを含む。軸Yは、前記プレート(10)の中央から真っ直ぐ延びていると共に、前記連結部(30)を横断方向に、好ましくは垂直に横切る。
【0030】
前記プレート(10)は、外辺部(103)、内表面(101)及び外表面(102)を含む。前記くぼみ部(20)は、底部(201)、壁部(202)を含み、前記壁部(202)は、周縁部(222)を含む。前記周縁部(222)は、前記くぼみ部(20)の開口部(203)及び内部容積部(204)を画定する。前記内部容積部(204)は好ましくは、毛髪処理組成物を収容するためのものである。
【0031】
好ましくは、前記プレート(10)の前記外辺部(103)及び前記くぼみ部(20)の前記壁部(202)の前記周縁部(222)は、曲線状でも尖っていてもよい。前記プレート(10)の前記外辺部(103)及び前記くぼみ部(20)の前記壁部(202)の前記周縁部(222)は、それぞれ独立して、ある長さを有する。好ましくは、前記外辺部(103)及び前記周縁部(222)は、実質的に等しい長さを有する。前記周縁部(222)は幅も含む。好ましくは、前記周縁部(222)の前記幅は、約1mm〜約20mm、より好ましくは約2mm〜約15mm、更に好ましくは約3mm〜約8mmである。
【0032】
前記プレート(10)の前記内表面(101)及び前記外表面(102)、並びに、前記くぼみ部(20)の前記底部(201)及び前記壁部(202)は、前記内表面(101)との、及び/又は前記外表面(102)との、及び/又は前記底部(201)との、及び/又は前記壁部(202)との可視的及び/又は触覚的な相違を有する1つ以上の区域を更に含んでもよい。可視的又は触覚的な相違は、色及び/又は色合いの相違、パターン、印及び/又はエンボスでの相違を含む。これらの可視的又は触覚的な相違、色及び/若しくは色合いの相違、パターン、印、並びに/又はエンボスでの相違、具体的には、くぼみ部(20)の中に存在する相違は、毛髪処理組成物をどこに、どれぐらいの量で前記くぼみ部(20)の中に充填すべきかを示す目的で提供してよい。
【0033】
前記プレート(10)の前記内表面(101)は、図2Aに示されているように、実質的に平らであってよく、又は図5Lに示されているように、凹状であってもよく、又は図5Mに示されているように、凸状であってもよい。これに加えて、前記内表面(101)は、図5Hに示されているように、波状のパターンを有してもよい。好ましくは、前記プレート(10)の前記内表面(101)は実質的に平らである。前記内表面(101)は、実質的に平らなとき、好ましくは、約2cm2〜150cm2、好ましくは約2cm2〜約70cm2、更に好ましくは約3cm2〜約50cm2、更に好ましくは約4cm2〜約30cm2の表面積を有する。
【0034】
前記外表面(102)、前記壁部(202)及び前記底部(201)も、実質的に平ら、凹状、凸状、又は波状であってもよい。好ましくは、前記くぼみ部(20)の前記底部(201)は実質的に平らである。
【0035】
前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)は、毛髪処理組成物を支持できるいずれかの既知の材料又は材料の組み合わせから製造してよい。好適な材料は、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートのような、ポリマー樹脂である。使用できる他の材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アセチル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エチレンビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコーン若しくは熱可塑性エラストマー、適切な場合には熱可塑性バルカネート(vulcanate)若しくはコポリマー、可撓性のある柔軟な基材、例えば板紙、金属系の基材及びアルミニウム箔、フィルム状基材、若しくは複数の積層、又は前記材料の複数の層の組み合わせが挙げられる。
【0036】
前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)の製造方法としては、射出成形、共射出成形、オーバーモールディング、インモールドアセンブリ、圧縮成形、吹込成形、ブリスター型シェルの熱成形又は真空成形、及び水平面又は垂直面におけるキャリアプラスチック又はボード材料上への積層を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0037】
連結部(30)は、前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)とを運動可能な形で接合する。連結部(30)は、塗布用具(1)の制御に対するユーザー感覚を向上させるために、また、ユーザーが、どちらの手を用いても、塗布用具(1)を毛髪ストランドの各束まで正確かつ簡単に誘導できるようにするために、必要である。これに加えて、連結部(30)によって、ユーザーは、毎回塗布後に前記プレート(10)の位置を前記くぼみ部(20)の上に調節する必要なく、前記塗布用具(1)を毛髪ストランドの1つの束から、別の束まで動かせるようになる。
【0038】
前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)は連結部(30)によって運動可能な形で接合されているため、前記塗布用具(1)は、開いた状態から閉じた状態に切り替わることができる。前記塗布用具(1)は、図2Aでは、閉じた状態で示されている。前記用具(10)が閉じた状態であるとき、前記プレート(10)の前記内表面(101)は、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係にある。前記塗布用具(1)が閉じた状態のとき、前記プレート(10)の前記外辺部(103)は、前記くぼみ部(20)の前記壁部(20)の前記周縁部(222)からの平均距離(D1)を有する。前記平均距離(D1)は、好ましくは約0.5mm〜約5.0mm、より好ましくは約0.8mm〜約4.0mm、更に好ましくは約1.0mm〜約3.0mmである。平均距離(D1)は、後述のように、ミツトヨデジマチック(Mitutoyo Digimatic)キャリパーを用いて割り出した。
【0039】
開いた状態から閉じた状態に切り替わるために、前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)は、前記連結部(30)を中心に旋回してよい。1つの実施形態では、塗布用具(1)は開いた状態にあり、ユーザーは、前記プレート(10)の前記外表面(102)上と、前記くぼみ部(20)の前記底部(201)の上に圧力を加えて、用具(10)を閉じた状態にする。前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)を閉じた状態から再び開いた状態に動かすために、前記プレート(10)の前記外表面(102)及び前記くぼみ部(10)のいずれかに、独立して、ユーザーの指に合った1つ以上の嵌め合い手段が設けられていてもよく、あるいは、連結部(30)自体が、好ましくは跳ね戻ることによって、前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)の最初の配向を回復してもよい。この跳ね戻り特性は好ましくは、制御不能な形でかつ不意に発生してはならない。さもなければ、ユーザーの手及び指を傷つける恐れがあるからである。無制御の跳ね戻りは、毛髪処理組成物を塗布用具(1)から不注意に移動させ、乱雑状態を引き起こす恐れもある。連結部(30)は、好ましくは、大半の消費者による使用に適した適当な圧力で作用しなければならない。
【0040】
前記連結部(30)の特徴は、前記連結部(30)を製造するために使用される材料の固有の特性であることもできるし、又は前記連結部(30)自体の設計によってもたらすこともできる。前記連結部(30)は好ましくは、いくつかの用途内での有用性に影響を与えるように破損するか又は損傷を受けるべきではない。前記連結部(30)は好ましくは、ユーザーによって加えられる圧力に対してあまり抵抗力があるべきではなく、さもなければ繰り返し使用する間にユーザーの手及び指を痛める恐れがある。前記連結部(30)は、過度に脆弱であるべきでなく、又は塗布用具(1)の誘導の認識をほとんど若しくは一切もたらすべきではない。
【0041】
前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)は、ユーザーの手、例えば親指と人差し指の間を含め、連結部(30)のための上記の要件を満たすいずれかの好適な手段によって連結する。1つの実施形態では、前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)は、ピンセット様又はトング様の連結部(30)のアームの末端部に取り付けられている。別の実施形態では、前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)は、1つ以上のヒンジ、好ましくは1つのヒンジによって連結する。好ましくは、前記連結部(30)は、前記プレート(10)の前記外辺部(103)、及び前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)と接触すると共に、これらに隣接して配置される。前記1つ以上のヒンジは、「ライブ(live)」射出成形ヒンジ、共射出ヒンジ、オーバーモールドヒンジ、インモールドアセンブリ、板バネ若しくは他の適切なバネアセンブリ、ストラップヒンジ、キスカットによって形成された折り目、切り込み、又は畳み目を含む、多くの方法で形成することができる。
【0042】
特定の実施形態では、前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)の双方とも、同じ射出成形型内で、例えばポリプロピレンから製造してもよい。同様にポリプロピレンから作製された一体型ヒンジ(living hinge)を、前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)との間に作ってもよい。破断せずに複数回曲げることのできる一体型ヒンジ(living hinge)を提供するために、ポリプロピレンが使用されてもよい。一体型ヒンジ(living hinge)は、典型的には離型プロセス中に閉じられる。
【0043】
特定の実施形態では、前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)の双方とも、同じ射出成形型内で、例えばポリプロピレンから製造してもよく、ヒンジは、熱可塑性エラストマー若しくは熱可塑性バルカネート(vulcanate)又はヒンジに上述の特性を与えるために使用できる他の任意の材料の共射出、インモールドアセンブリ、又はオーバーモールディングによって作ることができる。
【0044】
本明細書に記載されているような塗布用具(1)を用いて、毛髪処理組成物を毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束に塗布するには、前記毛髪ストランドを前記塗布用具(1)と接触させる。好ましくは、前記塗布用具が開いた状態の間に、前記毛髪ストランドを前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)との間に配置する。前記プレート(10)の前記内表面(101)を前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係にし、前記毛髪ストランドの全長にわたって前記塗布用具(1)を当てた。
【0045】
好ましくは、本明細書に記載されているような少なくとも1つの浸漬手段は、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している。少なくとも1つの浸漬手段が存在すると、前記毛髪ストランドは、前記くぼみ部(20)内で曲げられる。理論に束縛されるものではないが、少なくとも1つの浸漬手段を有することによって、前記毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束は、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)においてのみならず、前記くぼみ部(20)の前記内部容積部(204)内でも、前記毛髪処理組成物と接触できるようになると考えられる。これは、塗布の均一性、特に、本明細書で後述されているような後側及び前側の均一性を向上させる。
【0046】
本発明の1つの実施形態では、前記少なくとも1つの浸漬手段は、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している部材(40)であり、前記部材(40)は、図3に示されているように、好ましくは実質的に角錘台の形状を有する。前記部材(40)は、様々な形状を有してもよく、この形状としては、平行六面体形状、立方体形状、円筒形状、又は図5Aに示されているような円錘形状若しくは角錐形状が挙げられるが、これらに限定されない。前記部材は、図5Cに示されているように、実質的に平行六面体の形状を有してもよい。また、前記部材(40)は、複数の独立したユニットが合わさってグループ化したもので構成されていてもよく、前記独立したユニットは、図5Bに示されているように、束毛、歯群、又は歯(41)を含んでよい。前記部材(40)は、図3に示されているように、好ましくは実質的に角錐台の形状を有する。本明細書に示されていない別の実施形態では、前記部材(40)は、円形基部を介して回転可能な形で、2本のピンを介して前記内表面(101)に嵌合する円筒部を含み、前記プレート(10)の前記内表面(101)から出ている。
【0047】
前記部材(40)は、最大高(H)で前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出しており、最大幅(W)及び最大長(L)で、前記内表面(101)に沿って延びている。前記部材(40)は好ましくは、前記最大高(H)で、前記軸Yと直交して突出している。前記部材(40)は、その最大長(L)で、前記軸Yに沿ってか、又は、前記軸Yと実質的に平行にか、又は前記軸Yを横断してかのいずれかで、前記プレート(10)の前記内表面(101)に沿って延びていてもよい。
【0048】
好ましくは、前記最大長(L)は、前記最大幅(W)の少なくとも2倍である。最大長(L)は、好ましくは約20.0cm〜約0.2cm、より好ましくは約15.0cm〜約0.3cm、更に好ましくは約10.0cm〜約0.5cmである。最大幅(W)は好ましくは、約2.5cm〜約0.01cm、より好ましくは約1.0cm〜約0.02cm、更に好ましくは約0.5cm〜約0.03cmである。最大高(H)は好ましくは、約5.0cm〜約0.1cm、より好ましくは約2.5cm〜約0.2cm、更に好ましくは約1.5cm〜約0.3cmである。
【0049】
前記塗布用具(1)が閉じた状態であるとき、前記部材(40)は、前記くぼみ部(20)の前記底部(201)と接触しないため、通路が残り、前記毛髪ストランド、好ましくは前記毛髪ストランドの束は拘束されない。
【0050】
前記部材(40)は、前記塗布用具(1)に従属させて、又は前記塗布用具(1)から独立させて、毛髪処理組成物を支持することのできる任意かの既知の材料又は材料の組み合わせから製造してよい。好適な材料は、ポリオレフィン、例えばポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレートのような、ポリマー樹脂である。使用できる他の材料としては、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アセチル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エチレンビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコーン若しくは熱可塑性エラストマー、適切な場合熱可塑性バルカネート(vulcanate)若しくはコポリマー、可撓性のある柔軟な材料、例えば、金属系の基材及びアルミニウム箔、フィルム状基材、若しくは複数の積層、又は前記材料の複数の層の組み合わせが挙げられる。
【0051】
前記部材(40)の製造方法としては、射出成形、共射出成形、オーバーモールディング、インモールドアセンブリ、圧縮成形、吹込成形、熱成形、又は真空成形を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0052】
前記部材(40)を前記塗布用具(1)から独立させて製造するとき、前記部材(40)は、いずれかの好適な方法によって、前記プレート(10)の内表面(101)に取り付けてよい。有用な方法は、圧力、超音波力、無線周波数又は高周波数、共押出した熱活性化接着剤を含む熱溶接であるが、これらに限定されない。前記部材(40)は、両面テープ、熱硬化性樹脂、ホットメルト及びコールドシール、接着又は押出積層体を含む接着剤によって、前記塗布用具(1)に取り付けてもよい。ベルクロ(登録商標)、締め付け、スナップロック、シールビーズ、止めピン及び磁性のような機械的な連結又は絡み合い手段を使用して、前記部材(40)を前記塗布用具(1)に接着してもよい。
【0053】
本発明による別の実施形態では、前記少なくとも1つの浸漬手段は、第1フィン(70)を含む。好ましくは、前記少なくとも1つの浸漬手段は、第1フィン(70)及び第2フィン(71)を含み、これらは、図2Aに示されているように、独立して前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している。本発明の範囲内の「フィン」という用語は、好ましくは後述のように実質的に一定の厚みの、材料のストリップ又はシートを画定する。前記第1フィン(70)及び/又は第2フィン(71)の形状は、様々であってよく、好ましくは、前記第1フィン(70)及び/又は第2フィン(71)は、平行六面体の形状を有し、この形状においては、6つの面のうちの2つが、残りの4つの面の面積の少なくとも2倍である面積にわたっている。これらの2つの面は、好ましくは実質的に平らな表面を有する。前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)の形は、様々であってよい。矩形、正方形、円形、長円形、楕円形、又はこれらの組み合わせが有用であり得る。図2Aに示されている矩形が好ましい。前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)のその他の形及び形状を用いて、前記くぼみ部(20)の前記内部容積部(204)内の前記毛髪ストランドを曲げてもよい。いくつかの例が、図5D、5E、5F及び5Gに示されている。
【0054】
前記第1フィン(70)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出しており、約2mm〜約30mmの第1の平均長(L1)分延びている。前記第1フィン(70)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)と共に、約15°〜約75°の角度αを形成する。好ましくは、図2A及び2Bに示されているように、前記プレート(10)の前記内表面(101)が実質的に平らなとき、前記角度αは、約25°〜約55°、より好ましくは約35°〜約55°、更に好ましくは約35°〜約50°である。好ましくは、第2フィン(71)は、図2A及び2Bに示されているように、前記第1フィン(70)から独立して、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出しており、この場合、前記第2フィン(71)は、前記第1フィン(70)から独立して、1°〜90°の角度βを形成する。前記第2フィン(71)は、前記第1フィン(70)から独立して、約2mm〜約30mmの第2の平均長(L2)分延びている。好ましくは、前記プレート(10)の前記内表面(101)が実質的に平らなとき、前記角度βは、約25°〜約55°、より好ましくは約35°〜約55°、更に好ましくは約35°〜約50°である。より好ましくは、前記プレート(10)の前記内表面(101)は実質的に平らであり、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記の実質的に平らな内表面(101)と共に、約25°〜約55°の、実質的に等しい角度α及びβを形成する。好ましくは、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は独立して、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出しており、実質的に等しい第1及び第2の平均長(L1、L2)で延びている。
【0055】
前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)の各々は、末端縁(80、81)及び近位縁(90、91)を有する。前記近位縁(90、91)は、図2Aに示されているように、前記プレート(10)の前記内表面(101)に取り付けられた縁である。前記近位縁(90、91)は、前記第1フィン(70)においては平均幅(W1)、第2フィン(71)においては平均幅(W2)によってそれぞれ独立して、かつ、前記第1フィン(70)においては平均厚(T1)、前記第2フィン(71)においては平均厚(T2)によって、それぞれ独立して、境界が定められている。前記平均幅(W1)及び(W2)は、好ましくは約20cm〜約0.5cm、より好ましくは約15cm〜約1.0cm、更に好ましくは約10cm〜約1.5cmの幅である。前記平均厚(T1)及び(T2)は、好ましくは約5mm〜約0.1mm、より好ましくは約4mm〜約0.5mm、更に好ましくは約3mm〜約0.5mmである。また、好ましくは、前記末端縁(80、81)は、近位縁(90、91)のように、実質的に等しい平均幅(W1)及び(W2)、並びに実質的に等しい平均厚(T1)及び(T2)を有する。前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、図5Pに示されているように、突出部(75)を有してもよく、あるいは、特に視覚的又は触知的装飾を提供する目的でエンボス加工されていてもよい。好ましくは、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、一定の厚みを有する。
【0056】
前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、相互に対していずれかの配向で、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出していてもよい。1つの実施形態では、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)、並びにそれらの近位縁(90、91)は、図5Nに示されているように、湾曲している。好ましくは、図2Aに示されているように、前記第1フィン(70)の前記近位縁(90)が、前記第2フィン(71)の前記近位縁(91)と実質的に平行であるように、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記内表面(101)から突出している。好ましくは、前記第1フィン(71)の前記近位縁(90)、より好ましくは、前記第1フィン(70)の前記近位縁(90)及び前記第2フィン(71)の前記近位縁(91)は、図2A及び2Bに示されているように、前記プレート(120)の前記軸Yと平行に、前記内表面(121)から突出している。
【0057】
前記塗布用具(1)が、第1フィン(70)及び第2フィン(71)を含むとき、かつ、前記第1フィン(70)の前記近位縁(90)及び前記第2フィン(71)の前記近位縁(91)が独立して、平行な形で、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出しているか否かに関係なく、前記第1フィン(70)の前記末端縁(80)及び前記第2フィン(71)の前記末端縁(81)は、図2Bに示されているように、互いの方に向かって接近しても、反対方向に向かって離れてもよく、あるいは、接近することなく同じ方向に向いていてもよい。
【0058】
本発明による前記塗布用具(1)の1つの実施形態では、前記塗布用具(1)は、第1フィン(70)及び第2フィン(71)を含み、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は独立して、実質的に等しい平均長(L1)及び(L2)分延びており、前記プレート(10)の前記内表面(101)は実質的に平らであり、前記第1フィン(70)及び前記第2フィン(71)は、前記の実質的に平らな内表面(121)と共に、約25°〜約55°の実質的に等しい角度α及びβを形成し、前記第1フィン(70)の前記近位縁(90)及び前記第2フィン(71)の前記近位縁(91)は、前記プレート(10)の前記軸Yと平行に、前記の実質的に平らな内表面(101)から突出しており、前記末端縁(80、81)は、図2Aに示されているように、互いの方に向かって接近している。
【0059】
前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、様々な材料で提供してよく、前記塗布用具(1)から独立させて製造してよい。前記第1フィン(70)及び前記第2フィン(71)に有用な材料の例としては、ポリオレフィンのようなポリマー樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はポリエチレンテレフタレートが挙げられるが、これらに限定されない。ポリ塩化ビニル、ポリアミド、アセチル、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エチレンビニルアルコール、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリクロロプレン(polychloropene)、エチレンビニルアセテート、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアセテート若しくはポリスチレン、天然ゴム、ラテックス、ナイロン、ニトリル、シリコーン、ポリウレタン、又は適切な場合には熱可塑性エラストマー若しくはコポリマー、又は発泡体、又は可撓性のある柔軟な基材、例えば紙、板材、金属系の基材、及びアルミニウム箔、フィルム状基材、又は複数の積層、あるいは前記材料の複数の層の組み合わせを含め、その他の材料を用いることもできる。
【0060】
特定の実施形態では、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)の両方、並びに前記プレート(10)は、同じ射出成形型又は共射出成形型内で、例えばポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリル、アクリロニトリルスチレンアクリレート、エチレンビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、シリコーン、又は熱可塑性エラストマーから製造してもよい。
【0061】
前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)の製造方法は、前記塗布用具(1)から独立していてよい。有用な製造プロセスとしては、射出成形、共射出成形、オーバーモールディング、インモールドアセンブリ、圧縮成形、吹込成形、熱成形、又は真空成形を挙げることができるが、これらに限定されない。前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)を前記塗布用具(1)から独立して製造するとき、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、任意の好適な方法によって、前記プレート(10)の前記内表面(101)に取り付けてよい。有用な方法は、圧力、超音波力、無線周波数又は高周波数、共押出した熱活性化接着剤を含む熱溶接であるが、これらに限定されない。また、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、両面テープ、熱硬化性樹脂、ホットメルト及びコールドシール、接着又は押出積層体を含む接着剤によって、前記塗布用具(1)に取り付けてもよい。ベルクロ(登録商標)、締め付け、スナップロック、シールビーズ、止めピン及び磁性のような機械的な連結又は絡み合い手段を使用して、前記塗布用具(1)に前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)を接着してもよい。
【0062】
2.調量層
本発明による塗布用具(1)は、本明細書に記載されているような少なくとも1つの調量層(50)によって特徴付けられる。前記少なくとも1つの調量層は、不織布、発泡体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。前記少なくとも1つの調量層は、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)の上に置かれた第1の調量層(50)であってよい。前記少なくとも1つの調量層は、第2の調量層(60)であってもよい。前記第2の調量層(60)は、前記内表面(101)の上に、より好ましくは、前記プレート(10)の前記外辺部(103)に沿って置かれている。好ましくは、前記塗布用具(1)は、第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)を含む。
【0063】
理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載されているように、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)の上に置かれた第1の調量層(50)として、及び/又は、前記プレート(10)の前記内表面(101)の上に、好ましくは前記外辺部(103)に沿って置かれた第2の調量層(60)として、少なくとも1つの調量層を有することによって、本発明による塗布用具(1)は、毛髪処理組成物を塗布できるだけではなく、毛髪ストランド全体にわたって均一な塗布ができるようになると考えられる。均一性は、毛髪トリートメントの塗布作業において、特に前記毛髪処理組成物がハイライト組成物又は染色組成物であるとき、重要なキーポイントである。これらの組成物によって提供される永続的効果は、塗布後直ちに目に見えるものではなく、また結果が魅力的なものでない場合に、簡単には逆戻りできない。つまり、塗布用具は、前記毛髪ストランドの束の全長及び全幅にわたって、かつ、同様に、前側表面及び後側表面上で、均質な塗布を確実に実現しなければならない。毛髪処理組成物の塗布は、顔の周辺の毛髪ストランドの束のように、手の届く頭部領域上では比較的容易であり得るが、後頭部への塗布は難問である。したがって、塗布される毛髪処理組成物の量のみならず、塗布する方法も重要である。本発明による塗布用具(1)は、毛髪処理組成物を毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束に塗布するのを容易にするためだけに設計されているのではない。また、非常に均質かつ再現可能な塗布作業を実現するように、前記塗布用具(1)は、塗布用具(1)を使用している間、塗布したばかりの前記毛髪処理組成物が、過剰な量で塗布されること、及び前記毛髪ストランドから取り除かれることを防ぐ。
【0064】
本発明では、好ましくは、本発明による前記第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)の目的が、本明細書に記載されているような特定のキャリパー及び圧縮率を有する不織布、発泡体、又はこれらの組み合わせの群によって満たされることが驚くべきことに分かっている。
【0065】
キャリパーは、前記少なくとも1つの調量層の厚みの尺度であり、前記少なくとも1つの調量層が毛髪ストランドと相互作用するか否かを決定する。キャリパーという用語は、本明細書で使用する場合、存在する少なくとも1つの調量層の全部の数のキャリパーの総計を指す。したがって、第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)を含む実施形態では、キャリパーは、第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)のキャリパーの総計である。前記第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)のそれぞれは、独立してキャリパーを有し、前記第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)の前記キャリパーの総計は、約0.40mm〜約21.88mm、好ましくは約0.63mm〜約17.50mm、更に好ましくは約0.79mm〜約13.13mmである。第1の調量層(50)は、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)の上に置かれ、及び/又は第2の調量層(60)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)の上に置かれている。前記プレート(10)の前記内表面(101)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係になると、前記プレート(10)の前記外辺部(103)は、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)までの平均距離(D1)を有する。前記少なくとも1つの調量キャリパー(前記の第1の調量層(50)及び/又は第2の調量層(60)の独立したキャリパーの総計である)の前記平均距離(D1)に対する比は、下記の数学的関係(I)
4.375×D1≧キャリパー(mm)≧0.792×D1 (I)
によって定義される。
【0066】
理論に束縛されるものではないが、上に定義されているようなキャリパーの平均距離(D1)に対するこの比によって、前記毛髪ストランドは、プレート(10)とくぼみ部(20)との間にぴったり収まることが可能になると考えられる。これに加えて、毛髪ストランドが、くぼみ部(20)内を通過する間に前記毛髪処理組成物を受容すると、前記少なくとも1つの調量層は、前記毛髪処理組成物が前記毛髪ストランドからこすり落とされるのを防ぐ。
【0067】
前記毛髪ストランドが、前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)との間にぴったり収まることができるのは、前記第1の調量層(50)及び/又は第2の調量層(60)のキャリパーのみならず、これらの特定の調量層が、特定の力の下で、規定の時間範囲の間、圧縮できることにも関係している。
【0068】
理論に束縛されるものではないが、本明細書における以下で定義されているような特定の圧縮率を有する調量層によってのみ、本発明による塗布用具(1)を用いて、毛髪処理組成物を毛髪ストランドに均一な形で塗布すると共に、塗布したばかりの毛髪処理組成物がこすり落とされるか又はふき取られるのを防ぐことが可能になると考えられる。
【0069】
前記第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)のそれぞれは独立して、約0.5kPaにおいて、約59%〜約93%の圧縮率を有する。前記圧縮率は、好ましくは約60%〜約85%、より好ましくは約60%〜約77%である。
【0070】
前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)は好ましくは、本明細書で定義されているように、実質的に等しいキャリパー及び/又は実質的に等しい圧縮率を有する。
【0071】
前記第1の調量層(50)は、前記くぼみ部(20)の前記壁部(202)の前記周縁部(222)の上に置かれている。前記第1の調量層(50)は、前記周縁部(222)の上に、連続又は不連続な形で置かれていてもよい。不連続とは、前記調量層が、座状(loci)部若しくは島状部を形成する場合があるか、又は中断される場合があることを意味する。
【0072】
1つの実施形態では、前記周縁部(222)が目に見えずに、前記第1の調量層(50)によって完全に覆われるように、前記第1の調量層(50)は、前記壁部(202)の前記周縁部(222)全体の上に置かれている。別の実施形態では、前記第1の調量層(50)は、前記周縁部(222)の一部の上にのみ置かれており、例えば、図2Aに示されているように、前記周縁部(222)の前記長さの一部のみが、前記第1の調量層(50)を含んでよい。
【0073】
本発明による前記塗布用具(1)が浸漬手段を含むとき、前記第1の調量層(50)は、下に説明されているように、前記浸漬手段に対応した状態になるように、前記周縁部(222)の上に置かれる。前記塗布用具(1)が浸漬手段、例えば、図3に示されているような部材(40)を含むとき、前記部材(40)は、最大長(L)で、前記内表面(101)に沿って延びている。本発明による塗布用具(1)による毛髪処理組成物の塗布は、前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)との間に前記毛髪ストランドを配置することによって行い、好ましくは、前記毛髪ストランドは、前記部材(40)の前記最大長(L)を実質的に横断するように配置する。均一な塗布を達成するために、前記第1の調量層(50)は好ましくは、前記塗布用具(1)が閉じた状態であるときに前記部材(40)の前記最大長(L)と実質的に平行である周縁部(222)の一部の上に置かれている。
【0074】
図2Aに示されているような、本発明の別の実施形態では、前記浸漬手段は、第1フィン(70)及び第2フィン(71)を含む。前記第1フィン(70)の前記近位縁(90)及び前記第2フィン(71)の前記近位縁(91)は、前記プレート(10)の前記軸Yと実質的に平行である。この実施形態では、前記第1の調量層(50)は好ましくは、前記塗布用具(1)が閉じた状態であるときに前記第1フィン(70)の前記近位縁(90)及び前記第2フィン(71)の前記近位縁(91)と実質的に平行である前記周縁部(222)の一部の上に置かれている。
【0075】
明らかなことに、上で論じた両方の実施形態において、前記第1の調量層は、不連続的である(50、50’)と共に、前記部材(40)の前記最大長(L)、又は図4に示されているような前記第1フィン(70)の前記末端縁(90)及び第2フィン(71)の前記末端縁(91)と平行である両側の前記壁部(222)の前記周縁部(222)の上に置かれていてよい。
【0076】
好ましくは、本発明による塗布用具(1)は、前記くぼみ部(202)の前記周縁部(222)の上に、後述のような封止手段(401)を含むとき、前記第1の調量層は、前記封止手段(401)に接触しているか否かを問わず、前記封止手段(401)に隣接して、前記周縁部(222)の上に置かれている。
【0077】
本発明による塗布用具(1)が、第2の調量層(60)を含むとき、前記第2の調量層(60)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)の上に、より好ましくは、前記プレート(10)の前記外辺部(103)に沿って置かれている。前記第1の調量層(50)について上で述べたように、前記第2の調量層(60)も、前記プレート(10)の前記内表面(101)の上に、連続又は不連続な形で置かれていてもよい。
【0078】
1つの実施形態では、前記第2の調量層(60)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)全体の上に置かれていてよい。浸漬手段が存在する場合、前記第2の調量層(60)は、前記浸漬手段の上に置かれていてもよく、好ましくは、前記第2の調量層(60)は、前記浸漬手段の上に置かれていない。
【0079】
別の実施形態では、前記第2の調量層(60)は、前記内表面(101)の一部の上にのみ、好ましくは、前記プレート(10)の前記外辺部(103)に沿って置かれている。
【0080】
前記塗布用具(1)が第1の調量層(50)を含むとき、図2Aに示されているように、前記プレート(10)の前記内表面(101)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係になると、前記第2の調量層(60)が、前記第1の調量層(50)に並置されるように、好ましくは、前記第2の調量層(60)は、前記プレート(10)の前記内表面(101)の上に置かれている。
【0081】
前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)は独立して、約3mm〜約40cm、好ましくは約5mm〜約10cm、より好ましくは約8mm〜約5cmの長さを有してもよい。
【0082】
前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)は独立して、前記長さに沿って一定又は不定の幅を有してもよい。前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)は独立して、約1mm〜約20mm、好ましくは約2mm〜約15mm、より好ましくは約3mm〜約8mmの幅を有してもよい。
【0083】
好ましくは、前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)は、実質的に等しい幅及び実質的に等しい長さを有し、前記プレート(10)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係になると、前記第2の調量層(60)が実質的に、前記第1の調量層(50)の鏡像になるように、前記第1の調量層(50)は、前記周縁部(222)の上に、前記第2の調量層(60)は、前記外辺部(103)に沿って前記内表面(101)の上に置かれている。更に好ましくは、前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)は、実質的に等しくかつ一定の幅、長さ及びキャリパーを有する。
【0084】
前記第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)は、不織布、発泡体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0085】
好適な不織布は、アセテート繊維、アクリル繊維、セルロースエステル繊維、モダクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、レーヨン繊維、ポリエチレン発泡体、ケラチン繊維、セルロース繊維、絹繊維、及びこれらの組み合わせから選択された天然又は合成繊維から構成されてよい。不織布は、ポリオレフィン若しくはポリエステル等のモノコンポーネント構成成分繊維、ポリエチレン/ポリプロピレン若しくはポリエチレン/ポリエステルのシース/コア繊維又は並列繊維などのバイコンポーネント繊維、あるいは2つ以上の熱可塑性ポリマーのブレンドによって構成される2組成繊維(bi-constituent fibers)から構成されてもよい。
【0086】
好適なカード不織材の例としては、PGI214及びリベルテックス(Libeltex)01−766 DI−4が挙げられる。好適な不織布の更なる例としては、USFELT F−50及びアールストロム(Ahlstrom)18008が挙げられる。
【0087】
発泡材料は、低密度エラストマー、プラスチック、及び様々な多孔度を持つ他の材料から作製され、モールディング、キャスティング、押出成形、引抜成形、機械加工、熱成形、プラスチック溶接、吹込成形、ラピッドプロトタイピング技術、研削(grinding)、及び/又は他の特殊プロセスを使用して完成形状へと加工できる連続気泡発泡体、例えば可撓性発泡体、及び網状発泡体(reticular foams)、及びシンタクチック発泡体から選択してよい。発泡材料は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、アクリル、エポキシ樹脂、フルオロポリマー、イソプレン−スチレン及びスチレン−ブタジエン−スチレン、種々の系に基づく合成ゴム又はエラストマー、例えばシリコーン、ポリウレタン、ポリオレフィン、及びネオプレン、ニトリルゴム、天然又は植物系原材料から形成されるプラスチック又はエラストマー、例えば天然ゴム(ポリイソプレン)又はバルカナイズドファイバー、水性及び水系樹脂並びにラテックス材料を含む種々の化学系から構成してもよい。発泡体用の化学系としては、エチレンコポリマー、発泡ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリプロピレン、フェノール、ポリ尿素、及びビニルを挙げることができる。好適な発泡体の例としては、レクティセルブルプレン(Recticel Bulpren)D32133、レクティセル(Recticel)D27150 B、及びレクティセルブルプレン(Recticel Bulpren)S31048が挙げられる。
【0088】
また、本発明の調量層としては、物理的に重ね合わせるか、合わせて連続して接合(積層)するか、不連続なパターンでか、又は別個の座状部で外縁を結合することによって、同じ又は異なる材料の1つ以上の重ね層を有する複合材料も挙げられる。このような実施形態では、調量層のキャリパーは、複合材料全体又は何重にもなった材料のキャリパーであると見なされる。
【0089】
前記第1の調量層(50)は前記周縁部(222)に、第2の調量層(60)は前記プレート(10)の前記内表面(101)に、任意の好適な方法で取り付けてもよい。ただし、前記方法が、前記調量層(50、60)の性能を損なわない又は変更しないことを条件とする。有用な方法は、これに限定されるものではないが、圧力、超音波力、無線周波数又は高周波数、共押出した熱活性化接着剤、静電接着、例えば繊維によるフロック加工を含む熱溶接である。また、前記調量層(50、60)は、両面テープ、熱硬化性樹脂、ホットメルト及びコールドシール、接着又は押出積層体を含む接着剤によって、塗布用具(1)に取り付けてもよい。ベルクロ(登録商標)、締め付け、スナップロック、シールビーズ、止めピン及び磁性のような機械的な連結又は絡み合い手段を使用して接着してもよい。
【0090】
3.実験データ
本発明者らは驚くべきことに、毛髪処理組成物の毛髪ストランドへの満足のいく塗布を達成するために、前記毛髪ストランドが、塗布用具(1)の中に充填されている前記毛髪処理組成物と接触する必要があるのみならず、前記毛髪処理組成物を、塗布の実行中に取り除くことなく、前記毛髪ストランドに均一に塗布しなければならないことを見出した。
【0091】
塗布用具(1)によって毛髪処理組成物を毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束に塗布するために、前記毛髪ストランドは、前記プレート(10)と、毛髪処理組成物が事前に充填されている前記くぼみ部(20)との間に、実質的に真っ直ぐに配置する。好ましくは、前記プレート(10)は、前記毛髪ストランドを前記くぼみ部(20)の中に曲げ入れるための浸漬手段を含む。
【0092】
理論に束縛されるものではないが、前記塗布用具(1)が、第1の調量層(50)、好ましくは、本明細書に記載されているように、第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)を含むと、毛髪処理組成物が毛根から毛先まで均一に分配されると考えられる。したがって、過剰な量の前記毛髪処理組成物を塗布した場合、前記調量層は、前記毛髪処理組成物を取り除くことなく、前記毛髪ストランドの全長にわたって、前記毛髪処理組成物を均一かつ均質に分配することができる。
【0093】
本明細書で記載されているような特定のキャリパー、平均距離(D1)に対するキャリパーの比、及び圧縮率を有する調量層(50、60)のみが、本発明の技術的効果を提供できることを証明するために、以下の実験データを提供する。
【0094】
長さ及び幅が約39mm、高さが約3mmという寸法の正方形のプレート(10)をアクリルで製造した。正方形のくぼみ部(20)もアクリルで製造した。前記くぼみ部(20)の前記内部容積部(204)は、長さ及び幅が約29mm、高さが約5mmという寸法を有した。前記周縁部(222)も幅が約5mmとなるように、前記壁部(202)は、幅が約5mmであった。前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)の製造プロセス中に、連結部(30)を作った。前記連結部(30)は、2つの雌部品(32、34)からなり、図4に示されているように、1つは、前記プレート(10)の前記外辺部(103)に、1つは、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)に位置するものであった。直径が約25mm、長さが約35mmの円筒ピン(38)によって、この2つの雌部品を固着した。封止手段として働くように、長さが約39mm、幅が約2.5mm、高さが約2mmという寸法を有するアクリルストリップ(11)を、前記連結部(30)の横の前記周縁部(222)の上に固着した。止め具機構として働くように、図4に示されているように、前記縁部と反対側の前記連結部(30)が作られた縁部で、前記正方形くぼみ部(20)の周縁部(222)の上に、第2の実質的に同一のストリップ(12)を膠で付けた。前記プレート(10)の前記内表面(101)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係になると、即ち、閉じた状態であると、前記プレート(10)の前記外辺部(103)は、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)までの平均距離(D1)として、約2.0mmを有する。
【0095】
2つの実質的に同一のフィン(70、71)を収容するために、前記プレート(10)には、前記プレート(10)の前記内表面(101)と約55°の角度で、2つの溝(49、59)を作った。前記溝(49、59)は、それぞれ、長さが約24mm、幅が約1mmのものであった。図4に示されているように、前記溝(49、59)のそれぞれは、連結部(30)が配置された前記縁部と隣接した前記正方形のプレート(10)の前記縁部から約7mm、かつ、連結部(38)が配置された前記縁部と反対側の縁部から約7.5mmに配置した。前記溝(49、59)は、相互に、及び前記プレート(10)の前記軸Yと実質的に平行であった。
【0096】
MCPシリコンラバー(MCP Silicon Rubber)RTC−1604で製造した2つの実質的に同一のフィン(70、71)は、約7.3mmの第1及び第2の平均長(L1、L2)、約24mmの平均幅(W1、W2)、並びに約1mmの平均厚(T1、T2)を有した。図4に示されているように、前記フィン(70、71)が前記内表面(101)から突出するように、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)を前記溝(49、59)の中に滑り入れた。前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)は、前記溝(49、59)の中への機械的嵌め合いによって、適所に保持された。
【0097】
この塗布用具(1)を用いて、種々の調量層を試験した。図4に示されているように、調量層(50、50’)の2つのストリップを、前記止め具機構(12)と前記封止手段(11)との間に配置した。同じ調量層(60、60’)の実質的に等しい寸法の2つの追加的なストリップを、同じ手段によって、前記プレート(10)の前記内表面(101)に、前記外辺部(103)に沿って取り付けた。塗布用具(1)が閉じた状態になると、第2の調量層のこれらの2つのストリップ(60、60’)は、前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)と平行になるのに加えて、第1の調量層の前記2つのストリップ(50、50’)と並置するように配置した。
【0098】
上記の塗布用具(1)を開いた状態に保ちながら、前記くぼみ部(20)に、下記の表1による着色毛髪処理組成物を約2.0グラム充填した。
【0099】
表1:種々の調量層を有する塗布用具を試験するのに用いた着色毛髪処理組成物
【0100】
【表1】

【0101】
着色毛髪処理組成物は、約100mLのボトル内で約9.71グラムの過硫酸塩粉末を約35.00グラムの顕色剤と混合することによって調製した。混合作業は、前記ボトルを約30秒間、手で振ることによって行った。下に説明されているように塗布の均一性の視覚的評価を容易にするために、顔料を含めた。
【0102】
重さが約0.30グラム、長さが約30.5cmの毛髪ストランドの束(白人ライトブラウン(Caucasian Light Brown)−ニューヨーク州バルハラ(Valhalla)のインターナショナル・ヘア・インポーツ・アンド・プロダクツ(International Hair Imports and Products))を、前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)との間に実質的に真っ直ぐ、かつ、調量層の前記ストリップ(50、50’、60、60’)を横断するように配置した。止め具機構として機能する前記ストリップ(12)が圧縮作用を止めるまで、前記プレート(10)の内表面(101)を、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係にした。前記プレート(10)の実質的に平らな内表面(101)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)及び前記周縁部(222)と同じ広がりを有したため、前記プレートは、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)及び前記周縁部(222)を完全かつ正確に覆った。毛髪処理組成物を充填済みの前記くぼみ部(20)内に、前記毛髪ストランドの束を曲げ入れた。毛髪ストランドの束の上に、前記正方形のプレート(10)及び前記正方形のくぼみ部(20)を保持しながら、毛髪ストランドの束の長さ全体に、3秒間の当て時間で、塗布用具を当てた。毛髪ストランドの束の重量を記録した。同じ実験を3回繰り返し、結果を平均し、堆積された着色毛髪処理組成物の毛髪上への平均投与量として、毛髪1グラム当たりのグラム数で、図6に示した。これに加えて、塗布の平均均一性も記録した。
【0103】
塗布の均一性は、毛根から毛先まで(毛髪束の全長にわたって)、中心から縁まで(毛髪束の全幅にわたって)、前側から後側まで(毛髪束の両側)について、1〜5の評定尺度(1は、最低の均一性を表す)を用いて、視覚評価した。これらの評点を組み合わせて平均均一性を得たが、この結果は、表2Aに示されている。
【0104】
図6は、試験された調量層のタイプに応じて、毛髪1グラム当たりに堆積された着色毛髪処理組成物の毛髪上への平均投与量(グラム単位)(◇マークで示されている)、及び平均均一性(■マークで示されている)を示している。図6の位置0に示されているように、上述されているようなものであるが前記少なくとも1つの調量層のない塗布用具(1)も使用した。試験されたこれらの調量層のキャリパー及び圧縮率は、下記の表2Aにまとめられている。
【0105】
表2A:約2.0mmの平均距離(D1)の場合の、試験された調量層のタイプ、キャリパー、及び圧縮率、並びにそれらの性能の一覧。満足のいく性能を達成するためのキャリパーの総計は、D1=2.0mmの場合、8.750≧キャリパー(mm)≧1.584mmという数学的関係(I)によって得られる。
【0106】
【表2】

【0107】
表2の縦列1は、図6における前記調量層の位置を示し、縦列2は、調量層のタイプを示し、縦列3は、下に示されている試験方法に従って実施した3回の測定の平均値としてのキャリパーを示している。縦列4は、少なくとも1つの調量層のキャリパーを得るために、第1の調量層及び第2の調量層のキャリパーの平均総計を示している。縦列5は、本明細書で下に定義されている試験方法に従って実施した3回の実験から測定した平均圧縮率を百分率で示している。同一の調量層を種々のキャリパーで試験すると共に、種々の調量層を実質的に等しいキャリパーで試験した。不織布、発泡体及びこれらの組み合わせも試験した。縦列6は、上記のように前記着色毛髪処理組成物を毛髪ストランドの束に塗布する作業の毛髪上への平均投与量を、縦列7は、平均均一性を示している。
【0108】
満足のいく毛髪処理塗布は、少なくとも約4の平均均一性と、毛髪1グラム当たり少なくとも0.3グラムの着色毛髪処理組成物の毛髪上への平均投与量との組み合わせであると、本発明者らによって定義された。
【0109】
図6で見ることができるとおり、第1の調量層(50)及び第2の調量層(60)のない塗布用具(1)は、平均均一性が少なくとも4ではないため、毛髪処理組成物を満足のいく形で塗布しない。
【0110】
前記試験された各調量層の、本明細書で定義されているキャリパー及び圧縮率を図7に記録し、前記着色毛髪処理組成物を満足のいく形で塗布した調量層の周囲に、図7の点線として境界線を描いた。
【0111】
ハイライト製品を、約30℃で約30分間、毛髪ストランドの束の上に留めて、水で1分間すすぎ、24時間、空気乾燥した。満足のいく塗布を実現させる、調量層付きの塗布用具で処理した毛髪ストランドの束を観察したところ、より明るい均一な色に変化していた。
【0112】
上記の寸法に従って第2の正方形くぼみ部(20)を製造した。このケースでは、実質的に同一のストリップ(11、12)は、約1.5mmの高さで製造した。前記プレート(10)の前記内表面(101)が、前記第2のくぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係になると、前記プレート(10)の前記外辺部(103)は、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)までの平均距離(D1)として1.5mmを有する。
【0113】
第2の塗布用具(1)で、同じタイプの毛髪、同じ方法によって、表2Aから選択した調量層を用いて、同じ実験を繰り返した。平均投与量及び均一性の評定は表2Bにまとめられると共に、図8に記録されており、前記着色毛髪処理組成物を満足のいく形で塗布した調量層の周囲に、図8の点線として境界線を描いた。
【0114】
表2B:約1.5mmの平均距離(D1)の場合の、試験された調量層のタイプ、キャリパー、及び圧縮率、並びにそれらの性能の一覧。満足のいく性能を達成するためのキャリパーの総計は、D1=1.5mmの場合、6.563≧キャリパー(mm)≧1.188という数学的関係(I)によって得られる。
【0115】
【表3】

【0116】
上記の寸法に従って第3の正方形のくぼみ部(20)を製造した。このケースでは、実質的に同一のストリップ(11、12)は、約3.0mmの高さで製造した。前記プレート(10)の前記内表面(101)が、前記第2のくぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係になると、前記プレート(10)の前記外辺部(103)は、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)までの平均距離(D1)として3.0mmを有する。
【0117】
第2の塗布用具(1)で、同じタイプの毛髪、同じ方法によって、表2Aから選択した調量層を用いて、同じ実験を繰り返した。平均投与量及び均一性の評定は表2Cにまとめられると共に、図9に記録されており、前記着色毛髪処理組成物を満足のいく形で塗布した調量層の周囲に、図9の点線として境界線を描いた。
【0118】
表2C:約3.0mmの平均距離(D1)の場合の、試験された調量層のタイプ、キャリパー、及び圧縮率、並びにそれらの性能の一覧。満足のいく性能を達成するために必要なキャリパーは、D1=3.0mmの場合、13.125≧キャリパー(mm)≧2.376という数学的関係(I)によって得られる。
【0119】
【表4】

【0120】
これらの実験データは、本発明の基準に従うと、前記第1の調量層(50)、好ましくは前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)の、本明細書で定義されているキャリパー及び圧縮率が、本発明による塗布器(1)による塗布の毛髪上への平均投与量及び平均均一性と相関関係があることを示している。前記調量層が不織布であるか、発泡体であるか又はこれらの組み合わせであるかに関わらず、特定の範囲のキャリパー及び圧縮率のみが、満足のいく塗布をもたらす。これに加えて、本明細書に記載されているような技術的効果を提供するためには、正しいキャリパー及び正しい圧縮率で、同じ調量層を選択しなければならず、本明細書に定義されている前記圧縮率は、約59%〜約93%であり、前記キャリパーは、数学的関係(I)
4.375×D1≧キャリパー(mm)≧0.792×D1 (I)
によって定義される。
式中、前記キャリパーは、前記第1の調量層及び前記第2の調量層の独立したキャリパーの総計である。
【0121】
4.付加的な機構
塗布用具(1)は、1つ以上の封止手段を更に含んでもよく、好ましくは、1つの封止手段(401)が、毛髪処理用塗布用具(1)内に存在する。前記封止手段(401)は、図3に示されているように、前記くぼみ部(20)内において、前記壁部(202)の位置で前記底部(201)上に、前記連結部(30)に隣接させて配置してもよい。前記封止手段(401)は、前記くぼみ部(20)の前記底部(201)上に、前記壁部(202)に隣接させて、連結部(30)の側面に、又は前記内表面(101)上に、前記連結部(30)に隣接させて配置してもよい。好ましくは、前記封止手段(401)は、前記連結部(30)の一部である。
【0122】
前記プレート(10)の前記内表面(101)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係になるとき、毛髪処理組成物が連結部(30)の方に移動するのを防ぐと共に、毛髪が前記連結部(30)内に閉じ込められるのを防ぐ目的で、封止手段(401)を提供する。前記くぼみ部(20)の底部(201)の上に、前記連結部(30)の側面で前記壁部(202)と隣接して、封止手段(401)を有することによって、プレート(10)を、連結部(30)を中心に旋回させて前記くぼみ部(20)の方に動かしたときに、毛髪処理組成物が連結部(30)自体の方に移動するのを防ぐ。前記封止手段(401)の特定の実施形態に関連する更なる利点は、毛髪処理組成物をどこに、どれぐらい前記くぼみ部(20)の内部容積部(204)の中に充填すべきかをユーザーが理解するのを助ける視覚教材を封止手段が含むことである。封止手段(401)は、毛髪処理組成物に対するバリアとして働き、その代わりに、毛髪処理組成物は、前記くぼみ部(20)内に留まらざるを得ない。このくぼみ部において、毛髪処理組成物は、乱雑状態を引き起こすことなく毛髪ストランドの束をコーティングするのに利用できる。
【0123】
封止手段(401)を製造するのに有用な材料は、前記プレート(10)を製造するためのものとして本明細書で詳しく上述されている材料から選択してよい。使用できる他の材料としては、ポリウレタン及びポリオレフィン発泡体、不織布、適切な場合にはフェルト、可撓性のある柔軟な基材、例えば板紙、金属系の基材及びアルミニウム箔、フィルム状基材、若しくは複数の積層体、又は前記材料の複数の層の組み合わせが挙げられる。前記封止手段(401)は、上記材料を組み合わせることによって製造してもよい。
【0124】
1つ以上の止め具機構を前記塗布用具(1)の上に組み入れてもよい。止め具機構は、前記連結部(30)と連携して、前記プレート(10)の前記内表面(101)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係になると、前記外辺部(103)と前記周縁部(222)との間の平均距離(D1)が確実に制御されるようにする。1つ以上の止め具機構は、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)を越えて押出される処理組成物を減らすことができる。
【0125】
特定の実施形態では、止め具機構は、同じ又は異なる材料を有する前記プレート(10)、前記くぼみ部(20)、及び前記連結部(30)と同じ製造工程中に製造してもよい。特定の実施形態では、止め具機構は、1つ以上の歯、櫛状構造の歯群であってもよい。図3に示されているような1つの実施形態では、2つの止め具機構が、前記くぼみ部(20)の前記壁部(201)の前記周縁部(222)の上に構成されており、好ましくは、前記2つの止め具機構は、2つの実質的に同一の半球(402、403)である。特定の他の実施形態では、本明細書には示されていないが、止め具機構を連結部(30)自体の中に一体化されていてもよい。
【0126】
止め具機構(402)を製造するのに有用な材料は、適切な場合、前記プレート(10)を製造するためのものとして本明細書で詳しく上述されている材料及びそれらの組み合わせから選択してよい。
【0127】
指を使って、毛髪処理組成物を塗布すべき毛髪ストランドを選択してもよい。しかし、本発明の塗布用具(1)には、毛髪ストランド選択手段を更に設けてもよい。毛髪ストランドの選択手段の例は、これらに限定されるものではないが、スパイク、フック、鉤針、クリップ又はビーズである。毛髪ストランド選択手段は、前記プレート(10)及び/又は前記くぼみ部(20)の上に組み入れてもよい。ペンナイフの刃で起こる動きのように、毛髪ストランド選択手段が、前記プレート(10)及び/又は前記くぼみ部(20)に近い位置から遠い位置まで揺れ動くことができるように、前記手段は、スナップ機構によって、前記プレート(10)及び/又は前記くぼみ部(20)に取り付けてもよい。また、毛髪ストランド選択手段は、本明細書で後述されているようなキットの構成要素として、本発明の塗布用具(1)に別個に提供してもよい。
【0128】
本明細書に開示されている塗布用具(1)は、前記プレート(10)の外表面(102)の上、及び/又は前記くぼみ部(20)の底面(201)の上に把持区域を更に含んでもよい。前記把持区域は、把持部を提供するように設計されている。これらの把持区域は、毛髪処理用塗布用具を製造するときに共射出又はオーバーモールディング法を用いて製造してもよい。有用な材料としては、前記封止手段(401)の製造用として本明細書で詳しく上述されている材料及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0129】
これに加えて、把持区域は、前記プレート(10)の外表面(102)、及び/又は前記くぼみ部(20)の底面(201)のエンボス加工、デボス加工、若しくはコーティングによって形成してもよい。把持手段は、前記プレート(10)の外表面(102)の上、及び/又は前記くぼみ部(20)の前記底面(201)の上に存在する空洞であってもよい。最後に、把持手段は、ユーザーの指に適合する締結手段として提供してもよい。
【0130】
前記プレート(10)の前記内表面(101)、前記第1の調量層(50)及び/若しくは第2の調量層(60)、並びに/又は前記くぼみ部(20)の開口部(203)を保護するために、剥離ライナー又はバリアが存在してもよい。剥離ライナー又はバリアは、剥離可能又は再密閉可能であってもよく、また、プラスチック、アルミニウム積層構造物から構成されてもよい。これらの材料のいくつかの例としては、低密度ポリエチレン又はポリエチレンとポリ−イソブチレンとのブレンドと、アルミニウム箔及びポリエチレンテレフタレート又は二軸配向ポリプロピレン剥離可能箔との積層体が挙げられ、これらの材料は、耐ガス材料、特に過酸化水素を含む毛髪処理組成物用のものから作製してよく、アルミニウム積層化箔、プラスチック支持体上への金属化アルミニウム、ポリクロロ−トリフルオロエチレンのアクラー(Aclar)(登録商標)、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコールコポリマー、シリカ、及び酸化アルミニウムが挙げられる。
【0131】
本発明による塗布用具(1)中へ毛髪処理組成物を充填するための分配又は充填用具を取り付けるか、適合させるか、又は設置するのに適した、1つ以上の手段が存在してよい。前記手段の例は、前記プレート(10)、並びに/又は、前記くぼみ部(20)の前記底部(201)及び/若しくは前記壁部(202)の上に存在するノズル及びオリフィス、パウチポケット、又は一方向若しくは二方向弁であるが、これらに限定されない。前記手段は、塗布用具(1)に永久的に連結してもよく、又は取り外し可能であってもよく、前記手段は、使い捨て可能又は再利用可能であってもよく、前記手段は、本明細書で後述されているようなキットの別個の構成要素として提供してもよい。
【0132】
6.使用方法
本発明は、本発明による前記塗布用具(1)を用いて、毛髪処理組成物を毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束に塗布する方法にも関し、前記塗布用具(1)は、前記毛髪処理組成物を含み、前記方法によって、前記毛髪ストランドを前記塗布用具(1)と接触させる。前記塗布用具(1)には、1つ以上の毛髪処理組成物を事前に充填してもよいが、好ましくは、前記毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束を前記塗布用具(1)と接触させる前に、1つ以上の毛髪処理組成物を前記塗布用具(1)の中に充填する。
【0133】
毛髪処理組成物は、任意の手段によって、毛髪処理用塗布用具(1)の上に充填することができる。1つの実施形態では、例えばへら又は注射器で、絞ることのできるチューブで、分配ボトルで、単相又は二相ポンプで、容積置換をもたらす単相又は二相ピストンで、サッシェで、又は任意のその他の好適なディスペンサーで、毛髪処理組成物を塗布することによって、毛髪処理組成物を前記くぼみ部(20)の前記内部容積部(204)の中に直接充填する。上述のように毛髪処理用塗布用具(1)の中へ毛髪処理組成物を充填するための任意の手段が存在するとき、毛髪処理組成物は、前記手段内、及び/又は前記くぼみ部(20)の前記壁部(202)若しくは底部(201)内に存在する一方向若しくは二方向弁によって、前記くぼみ部(20)の中に充填してよい。
【0134】
毛髪処理組成物は、単一の毛髪処理組成物であってよく、又は毛髪に塗布する前に第2の毛髪処理組成物と混合する必要のある第1の毛髪処理組成物によって形成してもよい。好ましくは、前記第1及び第2の毛髪処理組成物を混合して、第3の毛髪処理組成物を形成する。前記第3の毛髪処理組成物は、前記毛髪処理用塗布用具(1)によって毛髪ストランド、好ましくは毛髪ストランドの束と接触させる前に、前記毛髪処理用塗布用具(1)内に充填する。前記第1及び第2の毛髪処理組成物は、前記毛髪処理用塗布用具(1)の中に充填する前に、振り混ぜるか又は攪拌することによって混合してもよく、あるいは専用の2つ又は複数のチャンバを有する容器を静的ミキサーと結合したものを用いることによって、充填作業中に混合してもよい。また、この混合は、毛髪処理組成物を調製するために、2つ以上の毛髪処理組成物を混合できるか、又は粉末を水若しくはその他の溶媒と混合できる追加の手段を介在させることによって、行ってもよい。前記介在手段には、混合済み毛髪処理組成物を毛髪処理用塗布用具(1)の中に注入又は充填する機構を設けることもできる。
【0135】
複数又は後続の充填は、毛髪処理用塗布用具(1)をトレイ内に配置することによって、又は単一の毛髪処理組成物若しくは必要な全ての量の毛髪処理組成物のいずれかを分配できる、複数のチャンバを有するボトル、チューブ、若しくは他の塗布用具に毛髪処理用塗布用具(1)を連結するか、取り付けることによって実現してよい。トレイを用いるとき、前記トレイは、毛髪処理用塗布用具(1)が配置又は適応される少なくとも1つの区画を含む。このトレイは、毛髪処理組成物が充填及び/又は貯蔵されると共に、毛髪処理用塗布用具(1)と連通している1つ以上の区画を更に含んでよい。
【0136】
毛髪処理用塗布用具(1)上に充填される毛髪処理組成物の量は、そのサイズ及び容量並びに所望の最終結果によって決まる。毛髪処理用塗布用具(1)には好ましくは、約0.5グラム〜約20グラムの量の毛髪処理組成物、より好ましくは約0.75グラム〜約17グラム、更に好ましくは約1グラム〜約10グラムの量の毛髪処理組成物を充填してもよい。
【0137】
毛髪処理塗布用具(1)に1つ以上の毛髪処理組成物を充填したら、ユーザーは、前記塗布用具(1)の前記プレート(10)の外表面(102)及び前記くぼみ部(20)の底部(201)を片手で、好ましくは親指と人差し指の間に持つ。ユーザーが、処理する毛髪ストランドを選択したら、塗布用具(1)を開いた状態にしたまま、前記毛髪ストランド、好ましくは前記毛髪ストランドの束を、前記プレート(10)と前記格納部分(20)との間に配置する。続いて、前記プレート(10)の前記内表面(101)を前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係にする。前記毛髪ストランドの全長にわたって、好ましくは前記毛髪ストランドの束の上に、前記塗布用具(1)を当てて、1つ以上の毛髪処理組成物を塗布する。より好ましくは、前記毛髪処理用塗布用具(1)は、前記毛髪ストランドの毛根ラインに、好ましくは、前記毛髪ストランドの束の毛根ラインに配置する。また、毛髪の限られた領域のみに毛髪処理組成物を塗布してもよく、即ち、ユーザーは、毛髪処理組成物で毛根ラインのみをコーティングすることができる。当てる作業は、1回超、好ましくは2回、繰り返してよい。
【0138】
特定の実施形態では、第1の毛髪処理組成物は、既知の従来の方法のいずれかを介して、前処理又は後処理として毛髪に塗布し、第2の毛髪処理組成物は、本発明による毛髪処理用塗布用具(1)を介して塗布することができる。例えば、第1の毛髪処理組成物は、頭部全体の着色を行う染色組成物であり、第2の毛髪処理組成物は、頭部全体の着色に色の変化を加えるために用いるハイライト組成物である。あるいは、頭部全体の着色後に、異なる染色組成物を用いて、毛色の変化を加えることもできる。当業者であれば、毛髪処理組成物のこのような多くの組み合わせを用いて、様々な結果を作り出すことができることを理解するであろう。
【0139】
最後に、毛髪処理組成物の塗布は、ぬれた状態又は乾燥した状態の毛髪上で行われてもよく、任意に、第1の組成物の毛髪への塗布と第2の組成物の毛髪への塗布との間に、リンス又はシャンプー工程を含めることができる。
【0140】
7.毛髪処理組成物、その使用法、及びキット
本発明は更にキットを含む。前記キットは、本発明による塗布用具(1)と、1つ以上の個別包装された毛髪処理組成物とを含む。好ましくは、これらの組成物は、スタイリング組成物、染色組成物、ハイライト組成物又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。これらの毛髪処理組成物のそれぞれ又はそれらの組み合わせを用いて、上記の前記毛髪用具(1)による毛髪ストランド効果を提供することができる。好ましくは、前記1つ以上の毛髪処理組成物は、1s-1において、約10Pa〜約160Pa、より好ましくは約12Pa〜約120Pa、最も好ましくは15Pa〜80Paのレオロジーを有する。より好ましくは、前記1つ以上の毛髪処理組成物はハイライト組成物である。
【0141】
毛髪処理組成物のレオロジーは、TAインスツルメンツ(TA Instruments)のアドバンスト・レオメーター(Advanced Rheometer)(AR)2000を用いて測定する。この計器には、15.0mmの内半径を有する同心円筒基部と、14.00mmの半径及び42.00mmの高さを有する標準サイズの羽根構造が設けられている。この構造ギャップは、4000マイクロメートルに設定する。1つを超える製剤で構成される毛髪処理組成物は、それらの種々の製剤をサンプルポット内で30秒間、手で振って十分に混合することによって調製する。続いて、混合済みの毛髪処理組成物を直ちに同心円筒基部の中に配置し、羽根の頂部が毛髪処理組成物によって覆われるように、標準的な羽根構造を構造ギャップまで下げる。温度を25℃に平衡化してから、剪断速度が対数的に約0.05から約200s-1に上昇する前に、毛髪処理組成物を更に30秒間置いて、10個当たり7つの点を記録する。全ての段階において、温度を25℃に保つ。剪断応力は、1.0s-1において記録すると共に、Paで報告する。
【0142】
本発明による毛髪処理用塗布用具(1)と共に用いることのできる毛髪処理組成物の例は、下記の表5、6、及び7に示されている。
【0143】
毛髪処理組成物は、既知であるか、従来より使用されているか、さもなければ、毛髪処理組成物、特に酸化ブリーチング及び染料組成物で用いるのに有効な構成成分を含んでよく、その構成成分としては、顕色剤染料化合物、カップラー染料化合物、直接染料、酸化剤、還元剤、増粘剤、キレート化剤(chelants)、pH調節剤及び緩衝剤、アルカリ化剤、炭酸イオン源及びラジカルスカベンジャー系、グリシン、アモジメチコン、エチレンジアミン二コハク酸、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性若しくは双極性界面活性剤、又はこれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性若しくは双極性ポリマー、疎水変性ポリマー、又はこれらの混合物、芳香剤、分散剤、溶媒、過酸化物安定化剤、キレート化剤(chelants)、湿潤剤、タンパク質及びその誘導体、植物材料(例えば、アロエ、カモミール及びヘンナ抽出物)、シリコーン(揮発性又は不揮発性、変性又は未変性)、被膜形成剤、セルロースポリマー及びそれらの誘導体、セラミド、保存剤、ゲルネットワーク、変色指示剤及び乳白剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適ないくつかの補助剤は、国際化粧品成分事典及びハンドブック(International Cosmetics Ingredient Dictionary and Handbook)(第8版、化粧品、洗面用化粧品、及び芳香剤協会(The Cosmetics, Toiletry, and Fragrance Association)に列挙されている。特に、第2巻、3項(化学分類)及び4項(機能)は、特定の目的又は複数の目的を達成するための具体的な補助剤を識別するのに有用である。代表的であるが網羅的ではないポリマー及び増粘剤のリストは、「化粧品用のポリマー及び増粘剤百科事典(The Encyclopaedia of Polymers and Thickeners for Cosmetics)」、ロバート・Y・ロックヘッド(Robert Y. Lochhead)、PhD、及びウィリアム・R・フロン(William R. Fron)編集・監修、南ミシシッピ大学(University of Southern Mississippi)、ポリマー科学学部(Department of Polymer Science)に見出すことができる。
【0144】
本発明は更にキットを含む。前記キットは、上記のような塗布用具(1)と、1つ以上の個別包装された毛髪処理組成物とを含む。1つを超える塗布用具(1)が前記キット内に含まれていてもよい。
【0145】
本発明の1つの実施形態では、前記1つ以上の個別包装された毛髪処理組成物は、第1の個別包装された毛髪処理組成物、及び第2の個別包装された毛髪処理組成物を含む。前記第1及び第2の個別包装された毛髪処理組成物を混合すると、第3の毛髪処理組成物が形成される。そのような組成物の例としては、典型的には酸化染料と酸化剤とを含有するいわゆる半永久及び永久着色剤、並びに、酸化剤とアルカリ化剤とを含有し、任意に過硫酸塩を有するハイライト用組成物が挙げられる。好ましくは、前記第1の個別包装された組成物は酸化剤を含み、前記第2の個別包装された組成物はアルカリ化剤を含む。好ましくは、前記酸化剤は過酸化水素である。より好ましくは、前記第1及び/又は第2の個別包装された毛髪処理組成物の少なくとも1つは、過硫酸塩を含む。
【0146】
本発明によるキットの1つの実施形態では、前記第1の個別包装された毛髪処理組成物は、前記第1の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、過酸化水素を3%〜12%含み、前記第2の個別包装された毛髪処理組成物は、粉末又はペースト活性化剤の形態であり、前記第2の個別包装された毛髪処理組成物は、前記第2の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム又はこれらの混合物から選択された過硫酸塩を10%〜60%含む。前記キットは、任意に、第3の個別包装された毛髪処理組成物を含み、この第3の組成物は、前記第3の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、水性賦形剤中のアルカリ化剤を3%〜25%含む。
【0147】
本発明の別の実施形態では、前記第1の個別包装された毛髪処理組成物は、前記第1の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、過酸化水素を1.5%〜12%含み、前記第2の個別包装された毛髪処理組成物は、前記第2の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、直接染料、酸化染料前駆体、酸化染料カップラー、又はこれらの混合物から選択された染料を0.01%〜6%含む。
【0148】
追加的な個別包装された毛髪処理組成物がキット内に存在してもよく、その組成物は、シャンプー、コンディショナー、又はスタイリング製品を含んでよい。
【0149】
以下には、本発明による毛髪処理用塗布用具(1)の中に充填してよい毛髪処理組成物のいくつかの例が示されている。
【0150】
相1(表3の1.1、2.1、3.1、4.1、5.1、6.1、7.1、8.1又は9.1)のいずれかの製剤約45g(液体形態)を、粉末形態である相2(表3の1.2、2.2、3.2、4.2、5.2、6.2、7.2、8.2又は9.2)のいずれかの製剤15gと混合することによって、毛髪ブリーチング組成物を調製した。混合は、以下のように行った。相2の粉末製剤を混合トレイの中に入れ、相1の液体製剤を前記粉末の上に注いだ。続いて、へらを用いて、これら2つの製剤を合わせて混合して、ブリーチング組成物を形成した。ブリーチング組成物が目視で均質になったときに、混合を終わらせた。
【0151】
表3:混合するとハイライト組成物を形成できる相1及び2の処方。全ての成分は製剤相に対する重量パーセントで示されている。
【0152】
【表5】

1カーボポール(Carbopol)(商標)956、ノベオン社(Noveon Inc.)
2ケルトロール(Keltrol)(商標)T−CPケルコ(CP Kelco)
3ステアリルアルコール クロダコール(Crodacol)S−95、クローダ社(Croda, Inc.)
4セチルアルコール、クロダコール(Crodacol)C−70、クローダ社(Croda, Inc.)
5セテアレス(Cetearth)25、クレモフォア(Cremophor)A25、BASF社(BASF Corporation)
6アキュリン(Aculyn)(商標)33、ローム・アンド・ハース・カンパニー社(Rohm and Hass Company Inc.)
7ナトロゾル(Natrosol)(商標)プラスCSグレード330、ハーキュレス社(Hercules Incorporated)
8サルケア(Salcare)(商標)SC90 チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals Corporation)
9カーボポール(Carbopol)(商標)ウルトレズ(Ultrez)10
【0153】
別の例では、トレイの中で、過酸化水素を含む表4の構成成分(a1)30gを、過硫酸塩を含む表4の構成成分(b1)15gとへらで混合することによって、ブリーチング組成物を調製した。別の例では、ブリーチング組成物は、以下のように調製した。既に表4の構成成分(a2)を約60g収容した約160mLのボトルの中に、粉末形態の過硫酸塩を含む表4の構成成分(b2)10gを加えた。最後に、エタノールアミンを含む表4の構成成分(c2)約20gを前記ボトルに加えた。ノズルが設けられたキャップで、このボトルを閉じた。均質な毛髪ブリーチング組成物が形成されるまで、前記3つの構成成分の入ったボトルを手で振ることによって、混合を行った。
【0154】
表4:混合してハイライト組成物を形成できる構成成分(a1)、(a2)、(b1)、(b2)及び(c2)の処方。全ての成分は、グラムで示されている。
【0155】
【表6−1】

【0156】
【表6−2】

10セテアリルアルコール−クロダコール(Crodacol)CS−50、クローダ社(Croda, Inc.)
11トリデセス2カルボキサミドMEA−アミノール(Aminol)A15、カオウ・ケミカルズ社(Kao Chemicals GmbH)
12セテアレス−30−オイムルギン(Eumulgin)(商標)B3、コグニス社(Cognis GmbH)
13ペンテト酸五ナトリウム−ベルセネックス(Versenex)80、ダウ・ケミカルズ社(Dow Chemicals)
14セテアリルアルコール(及び)セテアレス−20−クロデックス(Crodex)N、クローダ社(Croda Inc)
15グリセリルステアレート−シトロール(Cithrol)GMS 0400、クローダ社(Croda Inc)
16オレス−10−ボルポ(Volpo)10、クローダ社(Croda Inc.)
17オレス−2−ボルポ(Volpo)N2、クローダ社(Croda Inc.)
18ステアルアミドプロピルジメチルアミン−インクロミン(Incromine)SB、クローダ社(Croda Inc.)
19アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマー、カーボポール(Carbopol)(商標)ウルトレズ(Ultrez)20、ノベオン社(Noveon Inc.)
20ステアリン酸マグネシウム−ラジアスター(Radiastar)(商標)1100、オレオン社(Oleon NV)
21スルホコハク酸ジエチルへキシルナトリウム、ゲロポン(Geropon)SS−0−75、ロディア社(Rhodia Inc.)
22VP/VAコポリマー−ルビスコール(Luviskol)(商標)VA73E BASF社(BASF Corporation)
23ポリデセン−ピュアシン(Puresyn)(商標)1000 エクソンモービル・ケミカル社(ExxonMobil Chemical Company)
24ラウリル硫酸ナトリウム−エンピコール(Empicol)(登録商標)LX32、オールブライト・アンド・ウィルソンUK社(Albright and Wilson UK Ltd)
25セテアリルアルコール/ヒドロキシエチルベヘンアミドプロピルジモニウムクロリド/ヘキシレングリコール、インクロクアットベヘニル(Incroquat Behenyl)HE、クローダ社(Croda Inc.)
26コカミドMEA、アミデックス(Amidex)(登録商標)CME、ロディア(Rhodia)
27ジリノール酸、エンポル(Empol)(登録商標)1008、コグニス社(Cognis Corporation)
28コムギ胚アンホ二酢酸二ナトリウム(Disodium wheatgermamphodiacetate)、マッカム(Mackam)2W、マッキンタイア・グループ社(McIntyre Group Ltd)
29ダイマージリノール酸リノールアミドプロピルジメチルアミン、ネコン(Necon)LO−80、アルゾ/バーナル・ケミカル(Alzo/Bernal Chemical)
30ステアルアミドMEA リウォミド(Rewomid)(登録商標)S280、デグサ・ケア・アンド・サーフェス・スペシャリティズ(Degussa Care and Surface Specialities)
【0157】
別の例では、表5に示されているような直接染料、製剤(a4)を含有する染色組成物は、調製工程を必要とすることなく、直接用いてよい。
【0158】
更なる例では、表7の製剤(a5)約60gを、表5の製剤(b5)約60gとボトル内で激しく振って混合することによって、酸化染料を含む染色組成物を調製した。
【0159】
表5:混合すると酸化染料を含む染色組成物を形成できる染色組成物(a4)、並びに製剤(a5)及び(b5)。全ての成分は、グラムで示されている。
【0160】
【表7】

31オレス−10−ボルポ(Volpo)10、クローダ社(Croda Inc.)
32C12〜15パレス−3、ネオドル(Neodol)25−3、シェル・ケミカル社(Shell Chemical Company)
33ステアレス−21−クロムル(Cromul)EM1207、クローダ社(Croda Inc)
34ジリノール酸−エンポル(Empol)(登録商標)1008、コグニス社(Cognis Corporation)
35コカミドMEA−アミデックス(Amidex)(登録商標)CME、ロディア(Rhodia)
36ベヘントリモニウムクロリド−インクロクアットベヘニル(Incroquat Behenyl)TMC−85−クローダ社(Croda Inc)
37ダイマージリノール酸リノールアミドプロピルジメチルアミン−ネコン(Necon)LO−80、アルゾ/バーナル・ケミカル(Alzo/Bernal Chemical)
38M−アミノフェノール−ロドル(Rodol)EG、ジョス.H.ルーヴェンシュタイン&サンズ社(Jos. H. Lowenstein & Sons, Inc.)
391−ナフトール−ロドル(Rodol)ERN、ジョス.H.ルーヴェンシュタイン&サンズ社(Jos. H. Lowenstein & Sons, Inc.)
40レゾルシノール−ロドル(Rodol)RS、ジョス.H.ルーヴェンシュタイン&サンズ社(Jos. H. Lowenstein & Sons, Inc.)
41p−フェニレンジアミン−ロドル(Rodol)D、ジョス.H.ルーヴェンシュタイン&サンズ社(Jos. H. Lowenstein & Sons, Inc.)
42p−アミノフェノール ロドル(Rodol)Pベース(ジョス.H.ルーヴェンシュタイン&サンズ社(Jos. H. Lowenstein & Sons, Inc.))
43HC黄2−ベルソル・イエロー(Velsol Yellow)2、クラリアント社(Clariant Corporation)
44分散黒9−ルーバデン・ブラック(Lowadene Black)9、ジョス.H.ルーヴェンシュタイン&サンズ社(Jos. H. Lowenstein & Sons, Inc.)
45HC赤3−ベルソル・レッド(Velsol Red)3、クラリアント社(Clariant Corporation)
46分散バイオレット1−ルーバデン・バイオレット(Lowadene Violet)1、ジョス.H.ルーヴェンシュタイン&サンズ社(Jos. H. Lowenstein & Sons, Inc.)
47カーボポール(Carbopol)(登録商標)956、ノベオン社(Noveon Inc.)
48HC橙1−カラーエクス(Colorex)HCO1、ケミカル・コンパウンズ社(Chemical Compounds Inc.)
【0161】
8.試験方法
キャリパー
「ASTM D 5736−95嵩高不織布地の厚みに関する標準試験法(Standard Test Method for Thickness of Highloft Non-Woven Fabrics)」に記載されている一般的な手順を用いて調量層のキャリパーを割り出した。ダイカッターを用いて、直径約35.7mmの、調量層の円形サンプルを作製した。取り扱い中に調量層を圧縮及び/又は阻害しないように注意した。折り目、ひだ、不均一性、畳み目、又は裁断マークなどのような欠陥を有する全ての調量層を試験対象から外した。直径40mmの2つの平行な円形プレート(圧縮プレート−アンビル及び押さえ金)が配置されると共に、製造者のガイドラインに従って圧縮プレートモードで較正されたTAインスツルメンツ社(TA Instruments Ltd)製DMA 2980上でキャリパーを測定した。本明細書に記載されている手順に従ってキャリパーを測定できるいずれの機器も用いることができる。2つの平行なプレートの対向する平らな表面を、それらの休止位置から接触状態にして、寸法変化を手でゼロにした。これらのプレートを休止位置に戻し、取り扱い中に基材が圧縮及び/又は阻害されないようにしながら、試験を行う調量層を下方のプレートの表面上の中心に配置した。予荷重力をゼロニュートンに設定した。0.02kPaの圧力をサンプルに5秒で加えて、その圧力を更に10秒間一定に保った。0.02kPaに達してから9〜10秒のときにキャリパーを記録した。各調量層に対して、この測定を新しいサンプル上で3回繰り返した。0.02kPaでの平均キャリパーを平均キャリパーとして定め、四捨五入して0.001mm単位で記録した。同じ方法を適用して、不織布、発泡体、及びこれらの組み合わせの調量層のキャリパーを測定した。
【0162】
圧縮率
以下の等式(II)に従って、調量層の圧縮率を圧縮百分率として割り出した。
【0163】
【数1】

【0164】
まず、上述のように0.02kPaの圧力において、TAインスツルメンツ社(TA Instruments Ltd)製DMA2980上で、調量層のキャリパーを割り出した。本明細書において後述されている手順に従って圧縮率を測定できるいずれの機器も用いることができる。0.02kPaに達してから9〜10秒のときにキャリパーを記録した。続いて、0.5kPaの圧力を同じサンプルに5秒で加えて、その圧力を更に10秒間一定に保った。圧力を一定に保ってから9〜10秒のときに、0.5kPaでのキャリパーを記録した。各調量層に対して、この測定を新しいサンプル上で3回繰り返した。0.5kPaでの平均キャリパーを、四捨五入して0.001mm単位で記録し、上記の等式(II)に従って圧縮百分率を算出した。同じ方法を適用して、不織布、発泡体、及びこれらの組み合わせから選択された調量層のキャリパーを測定した。調量層のキャリパーを測定して、それらの圧縮率を割り出すために、0.5kPaの圧力を選択した。これは、消費者が本発明による塗布用具(1)に加える可能性がある有意な圧力に相当する。これに加えて、0.5kPaの圧力によって、種々の調量層の圧縮率を相互から測定可能になる。
【0165】
平均距離(D1)
前記塗布用具が閉じた状態であり、前記プレートの前記内表面(101)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部と並置関係にあるときに、前記プレート(10)の前記外辺部(103)と、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)との間の平均距離(D1)を測定した。ミツトヨデジマチック(Mitutoyo Digimatic)キャリパーを前記外辺部(103)に配置し、前記外辺部(103)から前記周縁部(222)までの距離を測定した。外辺部(103)及び周縁部(222)の周囲の別の10個の点に対して、この測定を繰り返した。前記10個の点は、前記くぼみ部(20)の前記周縁部(222)の全長にわたってそれぞれ等間隔で選定した。10個の測定値を平均して、平均距離(D1)を得た。前記プレート(10)の外辺部(103)に、いずれかの止め具機構が配置されている場合、その止め具機構は、前記外辺部(103)の一部ではないため、測定値には含まれていない。
【0166】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪処理組成物を毛髪に塗布するための塗布用具(1)であって、前記塗布用具(1)が、
プレート(10)と、
くぼみ部(20)と
を含み、
前記プレート(10)が、外辺部(103)と、内表面(101)と、外表面(102)とを含み、
前記くぼみ部(20)が、底部(201)と壁部(202)とを含み、前記壁部(202)が、前記底部(201)から出て上方に延びており、前記壁部(202)が、周縁部(222)を有し、前記周縁部(222)が、前記くぼみ部(20)の開口部(203)と内部容積部(204)とを画定し、
前記塗布用具(1)が閉じた状態と開いた状態との間で切り替わることができるように、前記プレート(10)及び前記くぼみ部(20)が、連結部(30)によって運動可能な形で接合されており、
前記塗布用具(1)が閉じた状態のとき、前記プレート(10)の前記内表面(101)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係にあり、
前記塗布用具(1)が開いた状態のとき、前記プレート(10)の前記内表面(101)が、前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と遠位関係にあり、
前記閉じた状態の前記塗布用具(1)が、前記プレート(10)の前記外辺部(103)から前記壁部(202)の前記周縁部(222)までの平均距離(D1)を有し、
前記塗布用具(1)が、少なくとも1つの調量層を含み、
前記少なくとも1つの調量層が、不織布、発泡体及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
前記少なくとも1つの調量層が、59%〜93%の、本明細書で定義されている圧縮率と、0.40mm〜21.88mmのキャリパーとを有し、
前記少なくとも1つの調量層のキャリパーの前記平均距離(D1)に対する比が、下記の数学的関係(I)
4.375×D1≧キャリパー(mm)≧0.792×D1 (I)
によって定義される、塗布用具(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの調量層が、前記壁部(20)の前記くぼみ部(202)の前記周縁部(222)の上に置かれた第1の調量層(50)である、請求項1に記載の塗布用具(1)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの調量層が、前記プレート(10)の前記内表面(101)の上に、好ましくは前記プレート(10)の前記外辺部(103)に沿って置かれた第2の調量層(60)である、請求項1に記載の塗布用具(1)。
【請求項4】
前記塗布用具(1)が、前記第1の調量層(50)と、前記第2の調量層(60)とを含む、請求項2又は3に記載の塗布用具(1)。
【請求項5】
前記塗布用具(1)が閉じた状態のとき、前記プレート(10)の前記外辺部(103)が、前記くぼみ部(20)の前記壁部(202)の前記周縁部(222)からの平均距離(D1)として、0.5mm〜5.0mm、好ましくは0.8mm〜4.0mm、より好ましくは1.0mm〜3.0mmを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の塗布用具(1)。
【請求項6】
前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)のそれぞれが、独立してキャリパーを有し、前記少なくとも1つの調量層のキャリパーが、約0.63mm〜17.50mm、更に好ましくは0.79mm〜13.13mmである、請求項4に記載の塗布用具(1)。
【請求項7】
前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)の前記圧縮率がそれぞれ独立して、約60%〜85%、好ましくは60%〜77%である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の塗布用具(1)。
【請求項8】
前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)が、実質的に等しいキャリパーを有する、請求項2〜7のいずれか一項に記載の塗布用具(1)。
【請求項9】
前記第1の調量層(50)及び前記第2の調量層(60)が、本明細書で定義されている実質的に等しい圧縮率を有する、請求項2〜8のいずれか一項に記載の塗布用具(1)。
【請求項10】
少なくとも1つの浸漬手段が、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している、請求項1〜9のいずれか一項に記載の塗布用具(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つの浸漬手段が、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している部材(40)であり、前記部材(40)が好ましくは、実質的に角錘台の形状を有する、請求項10に記載の塗布用具(1)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの浸漬手段が、第1フィン(70)を含み、前記第1フィン(70)が、前記内表面(101)と共に、1°〜90°の角度αを形成する、請求項10に記載の塗布用具(1)。
【請求項13】
前記塗布用具(1)が、前記第1フィン(70)から独立して、前記プレート(10)の前記内表面(101)から突出している第2フィン(71)を更に含み、
前記第2フィン(71)が、前記プレート(10)の前記内表面(101)と共に、かつ、前記第1フィン(70)から独立して、1°〜90°の角度βを形成する、請求項12に記載の塗布用具(1)。
【請求項14】
前記第1フィン(70)及び第2フィン(71)が実質的に同一であると共に、実質的に等しい角度α及びβを形成し、前記角度α及びβが25°〜55°、好ましくは35°〜55°、更に好ましくは35°〜50°である、請求項13に記載の塗布用具(1)。
【請求項15】
前記プレート(10)の前記外辺部(103)が、前記くぼみ部(20)の前記壁部(202)の前記周縁部(222)と実質的に同一の広がりを有する、請求項1〜14のいずれか一項に記載の塗布用具(1)。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか一項に記載の前記塗布用具(1)を用いて、毛髪処理組成物を毛髪ストランドに塗布する方法であって、
前記塗布用具(1)が前記毛髪処理組成物を含み、
前記塗布用具(1)が開いた状態の間に、前記毛髪ストランド、好ましくは前記毛髪ストランドの束を、前記プレート(10)と前記くぼみ部(20)との間に配置し、
前記プレート(100)の前記内表面(101)を前記くぼみ部(20)の前記開口部(203)と並置関係にし、
前記毛髪ストランドの全長にわたって前記塗布用具(1)を当てる方法。
【請求項17】
請求項1〜16のいずれか一項に記載の塗布用具(1)と、1つ以上の個別包装された毛髪処理組成物とを含む、キット。
【請求項18】
前記1つ以上の個別包装された毛髪処理組成物が、少なくとも第1及び第2の個別包装された毛髪処理組成物を含み、
前記第1及び第2の個別包装された毛髪処理組成物を混合して、第3の毛髪処理組成物を形成し、
前記第1の個別包装された毛髪処理組成物が、酸化剤を含み、
前記第2の個別包装された毛髪処理組成物が、アルカリ化剤を含む、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
前記第1の個別包装された毛髪処理組成物が、前記第1の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、過酸化水素を3%〜12%含み、
前記第2の個別包装された毛髪処理組成物が、粉末又はペーストの形態であり、
前記第2の個別包装された毛髪処理組成物が、前記第2の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム又はこれらの混合物から選択された過硫酸塩を10%〜60%含み、
前記キットが任意に、第3の個別包装された毛髪処理組成物を含み、前記第3の毛髪処理組成物が、前記第3の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、水性賦形剤中のアルカリ化剤を3%〜25%含む、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
前記第1の個別包装された毛髪処理組成物が、前記第1の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、過酸化水素を1.5%〜12%含み、
前記第2の個別包装された毛髪処理組成物が、前記第2の個別包装された毛髪処理組成物の重量比で、直接染料、酸化染料前駆体、酸化染料カップラー又はこれらの混合物から選択される染料を0.01%〜6%含む、請求項18に記載のキット。
【請求項21】
前記塗布用具(1)の使用説明書を更に含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載のキット。
【請求項22】
毛髪ストランド効果を提供するために、請求項1〜18に記載の塗布用具(1)を伴う、1つ以上の毛髪処理組成物又はそれらの組み合わせの使用。
【請求項23】
前記1つ以上の毛髪処理組成物が、1s-1において、10Pa〜160Pa、好ましくは12Pa〜120Paのレオロジーを有する、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記1つ以上の毛髪処理組成物がハイライト組成物である、請求項22又は23に記載の使用。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図2C】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図5D】
image rotate

【図5E】
image rotate

【図5F】
image rotate

【図5G】
image rotate

【図5H】
image rotate

【図5L】
image rotate

【図5M】
image rotate

【図5N】
image rotate

【図5P】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2010−528799(P2010−528799A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511762(P2010−511762)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052272
【国際公開番号】WO2008/152571
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】