気体を利用した潅水による植物栽培方法
【目的】目詰まりが無く、懸濁物質を含む水や養液でも利用できる潅水方法による植物栽培方法を提供する。
【構成】圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を植物の根圏に導き植物を栽培する方法、に構成した。
【構成】圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を植物の根圏に導き植物を栽培する方法、に構成した。
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は、水槽等容器内に満たされた水、養液等液体を潅水し植物を栽培する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、植物栽培における水や養液の自動潅水には、多数の細孔を有する潅水チュ−ブ、細孔から水を噴霧するスプリンクラ−、液を滴下する細いチュ−ブなどが用いられている。いずれも細孔を介して液体を送るため、目詰まりが発生する問題点がある。このため懸濁物質を含む水や有機養液は利用できない難点がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、目詰まりが無く、懸濁物質を含む水や養液でも利用できる潅水方法による植物栽培方法を提供するものである。
【問題を解決するための手段】
【0004】
第1に、圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を培養土jに定植された植物hの根圏上の培養土jに導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法であり、
第2に、圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに、下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口し、ほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる複数の潅水器tの流入口iと養液タンクw内の養液を植物に送るため圃場に配設された送液管yを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層jを形成せしめ、この気体層jの上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を培養土jに定植された植物hの根圏上の培養土jに導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法であり、
第3に、圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を植物根圏部育成用函体eの上部開口部から噴水管pの上方に吊るされた植物hの根に到達させ、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法であり、
第4に、圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を孔を有する栽培床mに敷き詰められた培養基nに定植された植物hの根圏に導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法である。
【実施例と作用】
【0005】
次に、図面により本発明を詳しく説明する。図1は、本発明の装置の一実施態様を示す図面であり、図1は縦断面図である。潅水器tは、上部密閉容器c、噴水管p、空気圧入機としてブロワ−a、ブロワ−aと上部密閉容器cの通気部kを連絡する通気管f、流入口iよりなる。噴水管pは、上部密閉容器cの上部隔壁dを貫通し、上部隔壁dのやや下方にほぼ水平に開口し、ほぼ鉛直に設けられている。噴水管pの上端は養液タンクwの液面s2より上の位置に開口するよう構成されている。流入口iは、噴水管p下端よりも下方に位置する部位に設けられ、送液管yを介して養液タンクwに連絡されている。上部隔壁d、側壁1,液面s1及び噴水管p外壁面により、気相部gが形成されている。噴水管p上端には方向変換装置として管2が取り付けられている。
ブロワ−aを作動させ、通気管fを介して、気相部gに空気を連続的に圧入すると、液面s1は下降する。その後、液面s1は噴水管Pの下端に達しても、液体の固体に対する付着力と表面張力の作用により、さらに下降する。やがて、液体の固体に対する付着力及び表面張力による作用が限界に達すると、気相部gの空気が、噴水管p下端の開口部の周囲から一気に噴水管p内に流入し、噴水管p内の水を押し上げながら、噴水管p内に空気層を形成する。同時に噴水管p内に流入した空気に相当する水が送液管yより上部密閉容器c内に流入してくる。同時に、空気層は、噴水管p内空気層上方の液の大部分を押し上げ、噴水管p内空気層下方の液を引き上げながら、噴水管p内を上昇し、液と共に噴水管p上端より勢いよく噴出する。 いったん上昇した液面s1は、空気の圧入によりすぐに下降を始め、元に戻る。以後周期的にこの噴出が繰り返される。噴出した養液は管2によって方向が変換され、植物hの根元の周囲の培養土j上に潅水される。噴水管pは口径が大きいので、養液に微粒子が含まれていても目詰まりがない。ブロワ−aを停止すると、潅水も停止する。ブロワ−aをON/OFFしながら適度の潅水を行い、植物hを栽培する。潅水の自動化も容易である。
養液タンクwには養液貯留タンク3からポンプ4により管6を介して養液を補給する。余剰養液は返送管5を介して、養液貯留タンク3に戻る。潅水量よりやや多い養液を養液タンクwに補給すれば、液面s1の位置がほぼ一定となり、一定の速度で潅水できる。
図2は圃場での営農栽培の態様を示した平面図である。植物hが栽培されている畝間に送液管yを配設し、これに多数の潅水器tを連結し、それぞれに通気管f(図示せず。図1参照)を取り付け、ブロワ−aにより潅水器tの気相部g(図示せず。図1参照)に空気を圧入し、養液タンクw内の養液を植物hに潅水する。
図3は、圃場での営農栽培の別の態様を示した平面図である。送液管yの下流端7を養液貯留タンク3に連絡し、養液タンクw、送液管y上流端8、送液管下流端7、養液貯留タンク3、管6、養液タンクwの順で、循環する流れを形成する。沈降性の高い固形物を含む養液を使用する場合、固形物の沈積を防止する効果がある。
図4は、本発明の別の実施例を示す縦断面図である。底が付いた植物根圏部育成用函体e内底部に潅水器tを設置し、潅水器tによる噴水を植物根圏部育成用函体eの上部開口部から噴水管pの上方に吊るされた植物hの根に到達させ、植物hを栽培する点が,前述の実施例と異なる。植物根圏部育成用函体e内底部に落下した養液は、管9を介して養液貯留タンク3に戻る。本発明によれば、養液に固形物が含まれていても、根圏を好気的環境に保つ利点を持つ噴水型水耕栽培が実施できる。
図5は、図4に示した実施例の別の態様を示す平面図である。細長い植物根圏部育成用函体eが並置され、その間に送液管yを配設し、これと植物根圏部育成用函体e底部に設置された多数の潅水器tを連結し、それぞれに通気管f(図示せず。図4参照)を取り付け、ブロワ−aにより潅水器tの気相部g(図示せず。図4参照)に空気を圧入し、養液タンクw内の養液を植物hの根に潅水する。
図6及び図7は、本発明の別の実施例を示すそれぞれ平面図、縦断面図である。養液タンクwの上に植物根圏部育成用函体eを設け、養液タンクwの下方に潅水器tを設置した点が図4に示した実施例と異なる。養液タンクwと根圏部育成用函体eを一体化して構成するため容器が1つで済み経済的である。また、養液は直接流入口iから流入し、潅水器tにより噴水される。その後落下した養液は直接養液タンクwに戻るので、使用する管、容器が減少し、経済的である。
図8は、本発明の別の実施例を示す縦断面図である。透明樹脂等光透過性材質で構成された養液タンクwの上に植物根圏部育成用函体eを設け、養液タンクwの下方に隔壁dを設け、隔壁dと養液タンクwの側壁と底部12とで上部密閉容器cを構成し、流入口iに管13を設け、養液タンクwと上部密閉容器c下方を連絡し、潅水器tを構成した点が図6及び図7に示した実施例と異なる。本実施例では、養液の量が簡単に把握でき、太陽光が入射するので内部の養液や空気が温められ、植物の生育に良いという利点がある。
図6、図7、図8に示した栽培は家庭で簡単に実施することも可能である。
図9は、本発明に用いられる方向変換装置の1つの態様を示す縦断面図である。頂点に穴を有し底面の無い逆円錐状方向変換装置14が噴水管pの上端上方に取り付けてある。この逆円錐状方向変換装置14によれば、上方及び横手方向に満遍なく養液を潅水できる。
図10及び図11は、本発明の別の実施例を示すそれぞれ平面図、縦断面図である。養液タンクwの上に孔を有する栽培床mを設け、養液タンクwの下方に潅水器tを設置し、噴水管pを栽培床m上方に開口させ、この開口部に方向変換装置vを備える点が図4に示した実施例、図6及び図7に示した実施例と異なる。ブロワ−aにより潅水器tの気相部gに空気を圧入し、養液を噴水管pを介して上方に噴水させる。噴水は、方向変換装置vにより横手方向に飛散し、培養基n上に落下する。これによって、培養基nに定植された植物hの根に養液が供給される。余剰液は栽培床mの孔を介して養液タンクwに戻る。培養基nとしては、透水性の高い材質すなわちモミガラ、オガコ、砂、礫等、又はこれら混合物が適当である。本発明においては、ブロワ−aを連続的に運転しても、上述のように間欠的に潅水が行なわれるので、養液が溜まることも無く培養基n内根圏は好気的環境に保たれる。培養基nとして土を用いることもできるが、透水性が低いため、天候、植物の状態等の条件に応じて、ブロワ−aの運転をオンオフ制御して潅水量を調節する必要がある。培養基nとして前述のような透水性の高い材質を用いれば、この調節操作が不要となり、より経済的である。また、方向変換装置vによって広い範囲に潅水できる。本実施例では、透明樹脂等光透過性材質で構成された養液タンクwを用いている。これによって、養液の量が簡単に把握でき、また太陽光が入射するので内部の養液や空気が温められ、植物の生育に良いという利点がある。非光透過性材質で構成された養液タンクwを用いることもできることは言うまでもない。
図12は、本発明の別の実施例を示す縦断面図である。横手方向に長い養液タンクwの上に孔を有する栽培床mを設け、養液タンクwの下方に潅水器tを多数設置し、それぞれの噴水管pを栽培床m上方に開口させ、この開口部に方向変換装置vを備える点が、図10及び図11に示した実施例と異なる。本実施例は、営農栽培に適する。
本発明の潅水器tについて、1回の噴出による噴水の量と高さは、上部密閉容器c内気液接触面積の噴水管p断面積に対する比、もぐり水深(噴水管p下方開口部3から液面S2までの距離)、噴水管p断面積、及び噴水管p長さによって決まる。上部密閉容器c内気液接触面積の噴水管p断面積に対する比が大きいほど、噴水管p内に形成される空気層の高さが増加し、上昇速度が大きくなるので、より高く噴水できる。上部密閉容器c内気液接触面積の噴水管p断面積に対する比は200〜300以上が適当である。このように、本発明の装置は、連続的に通気される空気を溜め込み、一気に放出するので、通気量がわずかでも、噴出回数は減少するが、1回の噴水の大きさは、変わらない。わずかな通気量で大きな噴水が得られる。
噴水管p下端の断面は、ほぼ水平にする。これにより、空気が噴水管p内に一様に流入し、効果的に空気層が形成される。噴水管pの口径が大きい場合、この水平性が特に要求される。
【実施例1】
【0006】
本発明の実施例を説明する。実験は、図7に示した装置により行なった。
上部密閉容器cは、300mm塩ビパイプを10cmに切断し、上下に塩ビ板を溶接した。流入口iとしては,30mmの穴を設けた。上部密閉容器c上部隔壁dに口径20mm塩ビ管を鉛直に挿入接着し、噴水管pとした。この装置で、噴水に関する実験を行なった。
もぐり水深15cm、水面上噴水管p高さ35cm、通気量ほぼ400〜500ml/分で、水面上ほぼ80cmの高さ、2分〜3分に1回の割合で噴水が行なえた。その後、養豚糞尿廃水でつくった完熟液肥を水で希釈し、これを養液(浮遊物質を含む)とし、トマトを栽培した。5月に定植し、健全に生長した。
【実施例2】
【0007】
本発明の別の実施例を説明する。実験は、図10及び図11に示した装置により行なった。透明養液タンクw(縦33cm、横44cm、深さ24cm、ポリプロピレン製)底部に、噴水管p(16A塩ビパイプ)を備えた潅水器t(縦23cm、横33cm、高さ5cm、ポリプロピレン製)を固定した。透明養液タンクwの上部に栽培床m(縦33cm、横47cm、深さ7.5cm)を設置し、砂と礫の混合物(軽石5mm〜1.5mm、桐生砂を体積比およそ2:1の割合で混合)をおよそ3cmの深さまで充填した。透明養液タンクwに19cmの深さまで養液を入れた。この栽培装置3基に対してそれぞれの潅水器t内気相部gに、ブロワ−a(1.1w)により空気を通気し、1分〜2分に1回の割合で噴水が行なえた。噴水は、方向変換装置vの板面に衝突し、横手方向に飛散し、栽培床mのほぼ全域に落下した。この装置に植物の苗を定植し栽培を行なった。夜間にはブロワ−aは停止した。発酵鶏糞、食物残渣に水を加え、数日間熟成させたものを養液として用いた。青シソ、モロヘイヤ、キュウリ、トマト、インゲン、ナス、ニガ瓜が健全に生長した。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明は
(1)目詰まりの無い潅水器を用いるので、食品残渣、家畜糞尿等の完熟液肥等、固形物(浮遊物質)を含む養液を、ろ過等の処理なしで自動潅水により植物を栽培できる。
(2)このため、食品残渣、家畜糞尿の液肥としての利用、有機養液栽培が簡単に行なえ、循環型農業の発展に資する。
(3)潅水器は、養液と接触する機械的な部分や運動部分がないので、故障も少なく、メンテナンスが安価にできる。また合成樹脂で潅水器を構成でき、養液による腐蝕がほとんど無く、耐久性に優れる。
等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】は、本発明の装置の一実施態様を示す縦断面図である。
【図2】は平面図である。
【図3】は平面図である。
【図4】は本発明の装置のまた別の一実施態様を示す縦断面図である。
【図5】は平面図である。
【図6】は平面図である。
【図7】は図6の縦断面図である。
【図8】は縦断面図である。
【図9】は縦断面図である。
【図10】は平面図である。
【図11】は縦断面図である。
【図12】は縦断面図である。
【符号の説明】
【0010】
aはブロワ−,cは上部密閉容器、gは気相部,iは流入口,pは噴水管,fは通気管、kは通気部、dは隔壁、tは潅水器、wは養液タンク、yは送液管、hは植物、jは培養土、eは植物根圏部育成用函体、mは栽培床、nは培養基,vは方向変換装置、1は側壁、2は管、3は養液貯留タンク、4はポンプ、5は返送管、6は管、7は送液管y下流端、8は送液管上流端、9は管、10は養液投入口、11は弁、12は養液タンクw低部、13は管、14は逆円錐状方向変換装置、15は養液排出管、16は弁、s1は液面、s2は液面、である。実線矢印は噴水、養液の移動方向を示す。
【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は、水槽等容器内に満たされた水、養液等液体を潅水し植物を栽培する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、植物栽培における水や養液の自動潅水には、多数の細孔を有する潅水チュ−ブ、細孔から水を噴霧するスプリンクラ−、液を滴下する細いチュ−ブなどが用いられている。いずれも細孔を介して液体を送るため、目詰まりが発生する問題点がある。このため懸濁物質を含む水や有機養液は利用できない難点がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、目詰まりが無く、懸濁物質を含む水や養液でも利用できる潅水方法による植物栽培方法を提供するものである。
【問題を解決するための手段】
【0004】
第1に、圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を培養土jに定植された植物hの根圏上の培養土jに導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法であり、
第2に、圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに、下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口し、ほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる複数の潅水器tの流入口iと養液タンクw内の養液を植物に送るため圃場に配設された送液管yを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層jを形成せしめ、この気体層jの上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を培養土jに定植された植物hの根圏上の培養土jに導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法であり、
第3に、圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を植物根圏部育成用函体eの上部開口部から噴水管pの上方に吊るされた植物hの根に到達させ、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法であり、
第4に、圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を孔を有する栽培床mに敷き詰められた培養基nに定植された植物hの根圏に導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法である。
【実施例と作用】
【0005】
次に、図面により本発明を詳しく説明する。図1は、本発明の装置の一実施態様を示す図面であり、図1は縦断面図である。潅水器tは、上部密閉容器c、噴水管p、空気圧入機としてブロワ−a、ブロワ−aと上部密閉容器cの通気部kを連絡する通気管f、流入口iよりなる。噴水管pは、上部密閉容器cの上部隔壁dを貫通し、上部隔壁dのやや下方にほぼ水平に開口し、ほぼ鉛直に設けられている。噴水管pの上端は養液タンクwの液面s2より上の位置に開口するよう構成されている。流入口iは、噴水管p下端よりも下方に位置する部位に設けられ、送液管yを介して養液タンクwに連絡されている。上部隔壁d、側壁1,液面s1及び噴水管p外壁面により、気相部gが形成されている。噴水管p上端には方向変換装置として管2が取り付けられている。
ブロワ−aを作動させ、通気管fを介して、気相部gに空気を連続的に圧入すると、液面s1は下降する。その後、液面s1は噴水管Pの下端に達しても、液体の固体に対する付着力と表面張力の作用により、さらに下降する。やがて、液体の固体に対する付着力及び表面張力による作用が限界に達すると、気相部gの空気が、噴水管p下端の開口部の周囲から一気に噴水管p内に流入し、噴水管p内の水を押し上げながら、噴水管p内に空気層を形成する。同時に噴水管p内に流入した空気に相当する水が送液管yより上部密閉容器c内に流入してくる。同時に、空気層は、噴水管p内空気層上方の液の大部分を押し上げ、噴水管p内空気層下方の液を引き上げながら、噴水管p内を上昇し、液と共に噴水管p上端より勢いよく噴出する。 いったん上昇した液面s1は、空気の圧入によりすぐに下降を始め、元に戻る。以後周期的にこの噴出が繰り返される。噴出した養液は管2によって方向が変換され、植物hの根元の周囲の培養土j上に潅水される。噴水管pは口径が大きいので、養液に微粒子が含まれていても目詰まりがない。ブロワ−aを停止すると、潅水も停止する。ブロワ−aをON/OFFしながら適度の潅水を行い、植物hを栽培する。潅水の自動化も容易である。
養液タンクwには養液貯留タンク3からポンプ4により管6を介して養液を補給する。余剰養液は返送管5を介して、養液貯留タンク3に戻る。潅水量よりやや多い養液を養液タンクwに補給すれば、液面s1の位置がほぼ一定となり、一定の速度で潅水できる。
図2は圃場での営農栽培の態様を示した平面図である。植物hが栽培されている畝間に送液管yを配設し、これに多数の潅水器tを連結し、それぞれに通気管f(図示せず。図1参照)を取り付け、ブロワ−aにより潅水器tの気相部g(図示せず。図1参照)に空気を圧入し、養液タンクw内の養液を植物hに潅水する。
図3は、圃場での営農栽培の別の態様を示した平面図である。送液管yの下流端7を養液貯留タンク3に連絡し、養液タンクw、送液管y上流端8、送液管下流端7、養液貯留タンク3、管6、養液タンクwの順で、循環する流れを形成する。沈降性の高い固形物を含む養液を使用する場合、固形物の沈積を防止する効果がある。
図4は、本発明の別の実施例を示す縦断面図である。底が付いた植物根圏部育成用函体e内底部に潅水器tを設置し、潅水器tによる噴水を植物根圏部育成用函体eの上部開口部から噴水管pの上方に吊るされた植物hの根に到達させ、植物hを栽培する点が,前述の実施例と異なる。植物根圏部育成用函体e内底部に落下した養液は、管9を介して養液貯留タンク3に戻る。本発明によれば、養液に固形物が含まれていても、根圏を好気的環境に保つ利点を持つ噴水型水耕栽培が実施できる。
図5は、図4に示した実施例の別の態様を示す平面図である。細長い植物根圏部育成用函体eが並置され、その間に送液管yを配設し、これと植物根圏部育成用函体e底部に設置された多数の潅水器tを連結し、それぞれに通気管f(図示せず。図4参照)を取り付け、ブロワ−aにより潅水器tの気相部g(図示せず。図4参照)に空気を圧入し、養液タンクw内の養液を植物hの根に潅水する。
図6及び図7は、本発明の別の実施例を示すそれぞれ平面図、縦断面図である。養液タンクwの上に植物根圏部育成用函体eを設け、養液タンクwの下方に潅水器tを設置した点が図4に示した実施例と異なる。養液タンクwと根圏部育成用函体eを一体化して構成するため容器が1つで済み経済的である。また、養液は直接流入口iから流入し、潅水器tにより噴水される。その後落下した養液は直接養液タンクwに戻るので、使用する管、容器が減少し、経済的である。
図8は、本発明の別の実施例を示す縦断面図である。透明樹脂等光透過性材質で構成された養液タンクwの上に植物根圏部育成用函体eを設け、養液タンクwの下方に隔壁dを設け、隔壁dと養液タンクwの側壁と底部12とで上部密閉容器cを構成し、流入口iに管13を設け、養液タンクwと上部密閉容器c下方を連絡し、潅水器tを構成した点が図6及び図7に示した実施例と異なる。本実施例では、養液の量が簡単に把握でき、太陽光が入射するので内部の養液や空気が温められ、植物の生育に良いという利点がある。
図6、図7、図8に示した栽培は家庭で簡単に実施することも可能である。
図9は、本発明に用いられる方向変換装置の1つの態様を示す縦断面図である。頂点に穴を有し底面の無い逆円錐状方向変換装置14が噴水管pの上端上方に取り付けてある。この逆円錐状方向変換装置14によれば、上方及び横手方向に満遍なく養液を潅水できる。
図10及び図11は、本発明の別の実施例を示すそれぞれ平面図、縦断面図である。養液タンクwの上に孔を有する栽培床mを設け、養液タンクwの下方に潅水器tを設置し、噴水管pを栽培床m上方に開口させ、この開口部に方向変換装置vを備える点が図4に示した実施例、図6及び図7に示した実施例と異なる。ブロワ−aにより潅水器tの気相部gに空気を圧入し、養液を噴水管pを介して上方に噴水させる。噴水は、方向変換装置vにより横手方向に飛散し、培養基n上に落下する。これによって、培養基nに定植された植物hの根に養液が供給される。余剰液は栽培床mの孔を介して養液タンクwに戻る。培養基nとしては、透水性の高い材質すなわちモミガラ、オガコ、砂、礫等、又はこれら混合物が適当である。本発明においては、ブロワ−aを連続的に運転しても、上述のように間欠的に潅水が行なわれるので、養液が溜まることも無く培養基n内根圏は好気的環境に保たれる。培養基nとして土を用いることもできるが、透水性が低いため、天候、植物の状態等の条件に応じて、ブロワ−aの運転をオンオフ制御して潅水量を調節する必要がある。培養基nとして前述のような透水性の高い材質を用いれば、この調節操作が不要となり、より経済的である。また、方向変換装置vによって広い範囲に潅水できる。本実施例では、透明樹脂等光透過性材質で構成された養液タンクwを用いている。これによって、養液の量が簡単に把握でき、また太陽光が入射するので内部の養液や空気が温められ、植物の生育に良いという利点がある。非光透過性材質で構成された養液タンクwを用いることもできることは言うまでもない。
図12は、本発明の別の実施例を示す縦断面図である。横手方向に長い養液タンクwの上に孔を有する栽培床mを設け、養液タンクwの下方に潅水器tを多数設置し、それぞれの噴水管pを栽培床m上方に開口させ、この開口部に方向変換装置vを備える点が、図10及び図11に示した実施例と異なる。本実施例は、営農栽培に適する。
本発明の潅水器tについて、1回の噴出による噴水の量と高さは、上部密閉容器c内気液接触面積の噴水管p断面積に対する比、もぐり水深(噴水管p下方開口部3から液面S2までの距離)、噴水管p断面積、及び噴水管p長さによって決まる。上部密閉容器c内気液接触面積の噴水管p断面積に対する比が大きいほど、噴水管p内に形成される空気層の高さが増加し、上昇速度が大きくなるので、より高く噴水できる。上部密閉容器c内気液接触面積の噴水管p断面積に対する比は200〜300以上が適当である。このように、本発明の装置は、連続的に通気される空気を溜め込み、一気に放出するので、通気量がわずかでも、噴出回数は減少するが、1回の噴水の大きさは、変わらない。わずかな通気量で大きな噴水が得られる。
噴水管p下端の断面は、ほぼ水平にする。これにより、空気が噴水管p内に一様に流入し、効果的に空気層が形成される。噴水管pの口径が大きい場合、この水平性が特に要求される。
【実施例1】
【0006】
本発明の実施例を説明する。実験は、図7に示した装置により行なった。
上部密閉容器cは、300mm塩ビパイプを10cmに切断し、上下に塩ビ板を溶接した。流入口iとしては,30mmの穴を設けた。上部密閉容器c上部隔壁dに口径20mm塩ビ管を鉛直に挿入接着し、噴水管pとした。この装置で、噴水に関する実験を行なった。
もぐり水深15cm、水面上噴水管p高さ35cm、通気量ほぼ400〜500ml/分で、水面上ほぼ80cmの高さ、2分〜3分に1回の割合で噴水が行なえた。その後、養豚糞尿廃水でつくった完熟液肥を水で希釈し、これを養液(浮遊物質を含む)とし、トマトを栽培した。5月に定植し、健全に生長した。
【実施例2】
【0007】
本発明の別の実施例を説明する。実験は、図10及び図11に示した装置により行なった。透明養液タンクw(縦33cm、横44cm、深さ24cm、ポリプロピレン製)底部に、噴水管p(16A塩ビパイプ)を備えた潅水器t(縦23cm、横33cm、高さ5cm、ポリプロピレン製)を固定した。透明養液タンクwの上部に栽培床m(縦33cm、横47cm、深さ7.5cm)を設置し、砂と礫の混合物(軽石5mm〜1.5mm、桐生砂を体積比およそ2:1の割合で混合)をおよそ3cmの深さまで充填した。透明養液タンクwに19cmの深さまで養液を入れた。この栽培装置3基に対してそれぞれの潅水器t内気相部gに、ブロワ−a(1.1w)により空気を通気し、1分〜2分に1回の割合で噴水が行なえた。噴水は、方向変換装置vの板面に衝突し、横手方向に飛散し、栽培床mのほぼ全域に落下した。この装置に植物の苗を定植し栽培を行なった。夜間にはブロワ−aは停止した。発酵鶏糞、食物残渣に水を加え、数日間熟成させたものを養液として用いた。青シソ、モロヘイヤ、キュウリ、トマト、インゲン、ナス、ニガ瓜が健全に生長した。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明は
(1)目詰まりの無い潅水器を用いるので、食品残渣、家畜糞尿等の完熟液肥等、固形物(浮遊物質)を含む養液を、ろ過等の処理なしで自動潅水により植物を栽培できる。
(2)このため、食品残渣、家畜糞尿の液肥としての利用、有機養液栽培が簡単に行なえ、循環型農業の発展に資する。
(3)潅水器は、養液と接触する機械的な部分や運動部分がないので、故障も少なく、メンテナンスが安価にできる。また合成樹脂で潅水器を構成でき、養液による腐蝕がほとんど無く、耐久性に優れる。
等の利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】は、本発明の装置の一実施態様を示す縦断面図である。
【図2】は平面図である。
【図3】は平面図である。
【図4】は本発明の装置のまた別の一実施態様を示す縦断面図である。
【図5】は平面図である。
【図6】は平面図である。
【図7】は図6の縦断面図である。
【図8】は縦断面図である。
【図9】は縦断面図である。
【図10】は平面図である。
【図11】は縦断面図である。
【図12】は縦断面図である。
【符号の説明】
【0010】
aはブロワ−,cは上部密閉容器、gは気相部,iは流入口,pは噴水管,fは通気管、kは通気部、dは隔壁、tは潅水器、wは養液タンク、yは送液管、hは植物、jは培養土、eは植物根圏部育成用函体、mは栽培床、nは培養基,vは方向変換装置、1は側壁、2は管、3は養液貯留タンク、4はポンプ、5は返送管、6は管、7は送液管y下流端、8は送液管上流端、9は管、10は養液投入口、11は弁、12は養液タンクw低部、13は管、14は逆円錐状方向変換装置、15は養液排出管、16は弁、s1は液面、s2は液面、である。実線矢印は噴水、養液の移動方向を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を培養土jに定植された植物hの根圏上の培養土jに導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項2】
圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに、下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口し、ほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる複数の潅水器tの流入口iと養液タンクw内の養液を植物に送るため圃場に配設された送液管yを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を培養土jに定植された植物hの根圏上の培養土jに導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項3】
前記送液管yの下流端の養液を養液タンクwに送り、養液を循環流動させることを特徴とする請求項2記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項4】
圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を植物根圏部育成用函体eの上部開口部から噴水管pの上方に吊るされた植物hの根に到達させ、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項5】
養液タンクwの上に植物根圏部育成用函体eを設け、養液タンクw内の下方に潅水器tを設置或いは構成したことを特徴とする請求項4記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項6】
圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を孔を有する栽培床mに敷き詰められた培養基nに定植された植物hの根圏に導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項7】
養液タンクwの上に栽培床mを設け、養液タンクw内の下方に潅水器tを設置或いは構成したことを特徴とする請求項6記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項8】
培養基nが砂または礫であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項9】
養液タンクwを光透過性材質で構成したことを特徴とする請求項5又は請求項7又は請求項8記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項10】
噴水管pの上端又は上端の上方に方向変換装置vを設け、噴水を横手方向に導くことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6記載又は請求項7又は請求項8又は請求項9記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項1】
圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を培養土jに定植された植物hの根圏上の培養土jに導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項2】
圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに、下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口し、ほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる複数の潅水器tの流入口iと養液タンクw内の養液を植物に送るため圃場に配設された送液管yを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を培養土jに定植された植物hの根圏上の培養土jに導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項3】
前記送液管yの下流端の養液を養液タンクwに送り、養液を循環流動させることを特徴とする請求項2記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項4】
圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を植物根圏部育成用函体eの上部開口部から噴水管pの上方に吊るされた植物hの根に到達させ、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項5】
養液タンクwの上に植物根圏部育成用函体eを設け、養液タンクw内の下方に潅水器tを設置或いは構成したことを特徴とする請求項4記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項6】
圧縮空気を利用して養液タンクwに満たされた水、養液等液体を植物に潅水し、植物を栽培する方法であって、(1)下方に養液の流入口iを有する上部密閉容器c、(2)上部密閉容器cの上部隔壁dに下端が隔壁dのやや下方の位置及び上端が養液タンクwの液面上の位置に開口しほぼ鉛直に設けられた噴水管p、及び(3)密閉容器c内上方に気体を圧入するための通気口k、よりなる潅水器tの流入口iと水、養液等液体が満たされた養液タンクwを連通し、上部密閉容器c内上方に気相部gを形成し、気相部g内に気体を圧入し、液体の固体に対する付着力及び表面張力を利用して、間欠的かつ一気に気体を噴水管p内に溢流させ、噴水管p内に気体層を形成せしめ、この気体層の上昇によって養液タンクw液面より上方に噴水させるとともに、この噴水を孔を有する栽培床mに敷き詰められた培養基nに定植された植物hの根圏に導き、植物hを栽培することを特徴とする気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項7】
養液タンクwの上に栽培床mを設け、養液タンクw内の下方に潅水器tを設置或いは構成したことを特徴とする請求項6記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項8】
培養基nが砂または礫であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項9】
養液タンクwを光透過性材質で構成したことを特徴とする請求項5又は請求項7又は請求項8記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【請求項10】
噴水管pの上端又は上端の上方に方向変換装置vを設け、噴水を横手方向に導くことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4又は請求項5又は請求項6記載又は請求項7又は請求項8又は請求項9記載の気体を利用した潅水による植物栽培方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−135(P2007−135A)
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307813(P2005−307813)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(591110849)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(591110849)
【Fターム(参考)】
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