説明

気泡微細化装置

【課題】微細な気泡を効率良く大量に生成することのできる気泡微細化装置の提供。
【解決手段】液体に気体を混合して生成した気泡液W1に含まれる気泡を微細化する気泡微細化装置1にあって、気泡分離室2と気泡微細化処理室20とを備え、気泡分離室2は、気泡液W1を供給する液供給口6と内部で気泡液W1中に含まれる気泡中から自然浮上する大気泡を収集し取り出す気泡抜き口8とを備え、一方気泡微細化処理室20は、大気泡が取り除かれた気泡液W2を主旋回流aとして噴射する主噴射口25と主旋回流aに対して交流させる従旋回流bとして噴射する従噴射口26とを備えて気泡微細化処理室20内で気泡液W2中の小気泡を更に微細化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水や廃液等の液体中に含まれる気泡を更に微細化するのに有利に利用することができる気泡微細化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直径十〜数十μmの直径を有するマイクロバブルと呼ばれる微細化された気泡は、マイナスの電位を帯びることから、汚れ等のプラス電位のものに付着しやすい性質を有し、水中にある場合ゆっくり浮上する。この性質を利用して、従来から微細化された気泡を含む微細気泡液(水)は排水処理、魚介類養殖、機械部品の洗浄等、各種の産業分野で利用されている。このような微細な気泡を含む気泡液を生成するものとして、従来から旋回流を利用したものがある。例えば特許文献1に記載の発明がその例である。
【0003】
【特許文献1】特開2006−116365号公報
【0004】
特許文献1に記載の発明は、微細な気泡を含む気泡液(水)を発生させるものとして旋回流を利用した微細気泡発生装置となっている。
この微細気泡発生装置は、一端が閉塞された円筒形の容器の閉塞側に気体導入孔を開設し、前記円筒形の内壁円周面の一部にその接線方向に加圧液体導入口を開設するものとなっている。
【0005】
この微細気泡発生装置は、使用時に加圧液体導入口から円筒内に加圧液体を圧送してその内部に旋回流を生成することによって、円筒の中心軸の近辺に負圧部分を形成し、この負圧によって気体導入孔から円筒内に気体を吸い込み、圧力が最も低い中心軸上を気体が通過することによって、細い旋回気体渦を形成するものとなっている。そして、この円筒内で旋回流が加圧液体導入口から開口側へ向かって形成され、この旋回に伴って、液体と気体の比重差から液体には遠心力、気体には向心力が同時に働くことにより、液体部と気体部の分離された状態で、気体が開口側で噴射され、その噴射と同時に周囲の静液によって旋回が急激に弱められることにより、急激な旋回速度差が発生し、この旋回速度差によって旋回気体渦が切断されて、その結果として大量の微細気泡が発生し、開口側から放出される、とされたものである。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の微細気泡発生装置は、液中に気体を混入することによって微細化した気泡を生成するものであって、あらかじめ気泡液中に含まれる気泡を更に微細化をすることができない。
この様なことから、本願発明者は、上流側となる一端を閉塞し、下流側となる他端に放出口を設けてなる発生筒体に気泡液を噴射させる主噴射口と従噴射口とを開設し、前記発生筒体の内部において、前記主噴射口から噴射される気泡液によって主旋回流を作る一方、該主旋回流に対して前記従噴射口から噴射される気泡液流を交錯交流させることにより気泡同士を衝突させて気泡液中に含まれる気泡を微細化する気泡微細化器の開発に成功し、効果的に、しかも均一に微細化した気泡を得ることに成功している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した気泡微細化器は、気泡液を発生筒体の内部で主旋回流と従旋回流として激しく衝突させることにより、気泡液と気泡液中の気泡、または気泡液中の気泡同士が衝突して、気泡が粉砕されて微細な気泡を含む微細気泡液(ここで微細気泡液は、直径十〜数十μmの範囲の気泡粒を言う。以下同じ。)を生成する。
微細な気泡を含む気泡液の生成は上記の気泡微細化器において達成されるものであるが、この気泡微細化器によって気泡を微細化する前段階の気泡液、つまり、特許文献1等の従来の気泡生成手段によって得られる気泡液には、衝突に適さない大気泡も含まれている。この大気泡は上記の気泡微細化器の内部で衝突させても一部が大気泡のまま残り均一な微細化された気泡とならないことがある。
従って、効果的に気泡を微細化するためには旋回流の衝突によっても充分に微細化できない不都合な大気泡を事前に除去しておくことが求められる。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであり、従ってその目的とするところは、気泡液中の気泡を微細化する前処理として旋回流の衝突によっても充分に微細化できない大気泡を予め除去し、効果的に気泡液中の気泡を微細化することのできる気泡微細化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、液体に気体を混合して生成した気泡液に含まれる気泡を微細化する気泡微細化装置にあって、気泡分離室と気泡微細化処理室とを備え、前記気泡分離室は、前記気泡液を供給する液供給口と内部で前記気泡液中に含まれる気泡中から自然浮上する大気泡を収集し取り出す気泡抜き口とを備え、一方前記気泡微細化処理室は、前記大気泡が取り除かれた気泡液を主旋回流として噴射する主噴射口と前記主旋回流に対して交流させる従旋回流として噴射する従噴射口とを備えて該気泡微細化処理室内で前記気泡液中の小気泡を更に微細化することを特徴とした気泡微細化装置を提供するものである。
【0010】
この発明によれば、液供給口を通って気泡分離室に供給された気泡液は、気泡分離室内部を通過移動することになる。このとき浮力の大きい大気泡は移動中に上昇し、気泡抜き口に集められてこの気泡抜き口を通って外部へ排出される。
このように大気泡が取り除かれた気泡液には、浮力の小さい小気泡のみが残ることになる。
こうして大気泡が取り除かれた気泡液は気泡微細化処理室に圧送され、備えられた主噴射口及び従噴射口を通して気泡微細化処理室内に供給され、気泡液中の気泡の微細化が行われることになる。気泡液中の気泡の微細化にあたっては、まず気泡微細化処理室において、主噴射口から噴射された気泡液が気泡微細化処理室の内部で内周壁面を使って旋回することにより主旋回流を形成し、またこれに併せて従噴射口から別に気泡液が気泡微細化処理室の内部に噴射される。このとき、気泡微細化処理室で主旋回流の流れに従噴射口からの気泡液が交わり、従旋回流を作りながら主旋回流に衝突し、流れを阻害する中で気泡液と気泡液中の気泡、または気泡液中の気泡同士を衝突させ、気泡を粉砕して、微細化するのである。
【0011】
また、本発明は、気泡微細化処理室は、気泡分離室の内部に設けられることを特徴とした気泡微細化装置を提供するものである。
【0012】
この発明によれば、気泡微細化処理室が気泡分離室の内部に設けられることにより、気泡微細化装置全体を小型化することができる。
【0013】
また、本発明は、気泡分離室は、内部を仕切り板によって区画し、相互に連通させた第2室に気泡微細化処理室を配置することを特徴とした気泡微細化装置を提供するものである。
【0014】
この発明によれば、気泡分離室を仕切り板によって区画することにより、大気泡が取り除かれる前の気泡液が第2室に流入することを防ぐことができる。
【0015】
また、本発明は、気泡分離室は、内部を仕切り板によって上下に区画し、第2室を下方としたことを特徴とする気泡微細化装置を提供するものである。
【0016】
この発明によれば、第2室を気泡分離室の下方としたことにより、大気泡が取り除かれる前の気泡液が第2室に流入することをより確実に防ぐことができる。
【0017】
また、本発明は、気泡微細化処理室は、複数個設けられることを特徴とした気泡微細化器を提供するものである。
【0018】
この発明によれば、気泡微細化処理室を複数個設けることにより、一度に大量の気泡液中の気泡を微細化することができる。
【0019】
また、本発明は、気泡分離室と気泡微細化処理室との間に気泡液中から大気泡の自然上昇を誘導する流動域を設けたことを特徴とする気泡微細化装置を提供するものである。
【0020】
この発明によれば、気泡分離室と気泡微細化処理室との間に流動域を設けたことにより、流動域を通る気泡液中からの大気泡の自然浮上を誘導し、大気泡の除去を促進することができる。
【0021】
また、本発明は、気泡微細化処理室は、上流側となる一端を閉塞し、下流側となる他端に放出口を設ける筒体に形成して該筒体の胴部には主旋回流を発生させるための主噴射口と、従旋回流を発生させるための従噴射口とを上流側から下流側の順序で開設し、内部に送られる気泡液を交流させ、微細化することを特徴とした気泡微細化装置を提供するものである。
【0022】
この発明によれば、気泡微細化処理室を筒体に形成し、主噴射口と従噴射口とを上流側から下流側の順序で開設したことにより、安定した主旋回流を形成したのちに、従旋回流を効率良く交流させることができる。
【発明の効果】
【0023】
したがって、上記説明から、本発明の気泡微細化装置によれば、気泡分離室に気泡抜き口を設けたことにより、旋回流の衝突によっても均一に、また充分には微細化することのできない大気泡を予め取り除くことができることになる。そして、こののちに気泡微細化処理室において小気泡に揃えた中の気泡液中の気泡を微細化することから、効率良く気泡液中の気泡を粉砕して均一で、しかも微細な気泡を多量に含む微細気泡液を容易に生成することができることになる。
【0024】
また、気泡を微細化するために気泡微細化処理室を設け、この気泡微細化処理室の内部で主、従旋回流同士を圧力下で交流させることにより、気泡液と気泡液中の気泡、または気泡液中の気泡同士を衝突させることから、効果的に気泡を粉砕することができ、微細化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る気泡微細化器につきその実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態による気泡微細化装置1の平面図、図2は図1のA−A断面図である。
【0026】
本実施の形態に係る気泡微細化装置1は、図示しない気泡液生成器により生成されて圧送される大気泡を含む気泡液W1に含まれる気泡を微細化するためのものであり、この気泡微細化装置1によって微細化された気泡を含む微細気泡液W3は、図示しない被処理液等に送り出されることになる。
【0027】
気泡微細化装置1は、気泡分離室2、仕切り板3を備える。
気泡分離室2は、箱型に形成され、内部を仕切り板3によって、第1室4と第2室5とに区画される。
この気泡分離室2の上部には、気泡液W1を内部に供給するための液供給口6と、液圧計を接続するための液圧計接続口7と、気泡液W1に含まれる気泡中から自然浮上する大気泡を外部に放出するための気泡抜き口8とが開設されている。
(尚、ここで大気泡とは相互に結合し易い気泡径1mm以上のものをいう。以下同じ)
液供給口6と気泡抜き口8とは、気泡液W1中の大気泡が気泡分離室2の内部を流れ移動する間に、大気泡が自然分離し上昇することのできる間隔をおいて開設される。
液供給口6を通って第1室4に圧送供給された気泡液W1は、第1室4の内部を気泡抜き口6側に向って移動することになる。このとき浮力の大きい大気泡は移動中にその浮力によって上昇し、気泡抜き口8に集められ、この気泡抜き口8を通って外部へ排出されることになる。
【0028】
また、仕切り板3には、連絡孔3aが形成されており、第1室4と第2室5とを連通させている。この連絡孔3aは、第1室4の気泡抜き口8よりも下流側に形成されていることから、液供給口6付近で気泡液W1の流れにより撹拌流が発生しても、大気泡を再び巻き込んで気泡液W1のまま直接第2室5に流入するのを防ぐことができる。
【0029】
第2室5には、気泡液W1から大気泡が取り除かれて生成された気泡液W2の流れを安定化させるための第1整流室9と、第1整流室9の内部に設けられる第2整流室10と、第2整流室10の内部に設けられ、安定化された気泡液W2中の気泡を微細化するための気泡微細化処理室20とが設けられている。
また、第2室5の一端側には、後述する連結具13を螺合するため内部に雌ねじ12aが形成された筒状の取付部12が第2室5の内部に向って突出し、第2室5と外部とを連通させている。そしてこの取付部12の外側を囲むように箱型の第1整流室9が取り付けられている。
【0030】
第1整流室9は、仕切り板3の連絡孔3aを通じて第1室4から流入した気泡液W2の流れを安定化するために設けられたものであり、第2整流室10を囲むように箱型に形成され、下部に気泡液W2を内部に流入させるための連絡孔9aが形成されている。
このように、第2室5の内部に第1整流室9を設けたことにより、第2整流室10の内部である第1整流室9の外部には、気泡液W1が流れる流動域5aが形成されることになる。そしてここでもこの流動域5aを気泡液W1が通過する間に気泡液W1中の大気泡の自然浮上が誘導されることから、第1室4で取り除かれずに気泡液W1中に残った大気泡が取り除かれ、取り除かれた大気泡は連絡孔3aを通して気泡抜き口8に集められ外部へ排出除去されることになる。また、第1整流室9の下部に連絡孔9aが形成されているため、浮上する大気泡は第1整流室9の内部に流入するのを防止される。
【0031】
連結具13は、第2整流室10と気泡微細化処理室20とを第2室5に連結させ、気泡微細化処理室20を第2室5の外部に連通させるためのものであり、筒状に形成され、第2室5の取付部12の雌ねじ12aと螺合する雄ねじ13aが外周に形成される。また、第2室5の内側に位置する一端には、段を設けて外径を細く形成し、気泡微細化処理室20の端部に形成された雄ねじ23aを螺合するための雌ねじ15aが内周に形成された取付部15が形成される。
【0032】
第2整流室10は、円筒状に形成されており、一端が連結具13の取付部15の外周に嵌合される。また、他端には気泡液W2を内部に流入させるための連絡孔10aが形成されている。
【0033】
上述したように気泡分離室2において気泡液W1中から大気泡が取り除かれて気泡液W2が生成され、この気泡液W2が第1、第2整流室9,10を通って安定化されたのちに、気泡微細化処理室20において気泡液W2中の気泡の微細化が行われることになる。
【0034】
図3は気泡微細化処理室20の拡大斜視図であり、図4(a)は図3のB−B断面図であり、図4(b)は図3のC−C断面図であり、図5は図4のD−D断面図である。
【0035】
気泡微細化処理室20は、図3〜図5に示すように、上流側(図の左側)となる一端を蓋体21によって閉塞し、下流側(図の右側)となる他端に放出口22を設けてなる円筒形の筒体23から形成される。この筒体23には、圧送される気泡液W2を筒体23の外部から内部に噴射させるための主噴射口25と従噴射口26が開設されている。
また、筒体23の内部には、蓋体21に取り付けられた軸体27を軸心部Pに沿って長さ方向を揃えるようにして配置してある。
さらに、筒体23の放出口22側の端部の外周面には連結具13と螺合するための雄ねじ23aが形成されている。
【0036】
主噴射口25は、筒体23の周壁部24に開設され、従噴射口26よりも上流側に位置している。そして、図4(a)に示すように、主噴射口25の開口方向は、筒体23の軸心部P方向に対して直角に、且つ筒体23の内壁周面28に対して接線方向に開設され、気泡液W2を筒体23の内壁周面28に向けて噴射させることによって、この筒体23の内部で旋回流が形成できるようにしている。
【0037】
一方、従噴射口26は、上記主噴射口25よりも下流側に位置するように筒体23の壁部24に開設される。そして、この従噴射口26の開口方向は、図4(b)に示すように、筒体23の軸心部P方向に対して直角方向に向けて形成されており、主噴射口25からの噴射方向に対して筒体24の軸心部Pに近づくように変位させて気泡液W2を噴射させる位置に開設されている。
【0038】
軸体27は、図5に示すように、軸心部Pに沿って所定の範囲にわたって一定の外径にした円柱棒状の細径部29と、この細径部29の先端に連続して形成され、細径部29の径よりも大きい膨径部30と、膨径部30に連続して形成され、下流側の放出口に向かって次第に細径になる略円錐形の細径部31とからなる略銃弾形に構成される。
前記主噴射口25は実質的に細径部29の周囲(本実施の形態においては細径部29の上部)に向って開口し、また前記従噴射口26は縮径部31の最も上流側部分の周囲(本実施の形態においては縮径部31の上部)に向けて開口している。
【0039】
このように構成された気泡微細化処理室20は、筒体23の外部から圧送された気泡液W2を、一方では主噴射口25を通して筒体23の内部へ噴出させ、筒体23の内壁周面28に到達させたのち、この内壁周面28に沿って旋回させることによって主旋回流aを形成する。このとき気泡液W2は細径部29の周囲を旋回することにより、停滞することなく円滑かつ安定的に旋回流を形成することになる。
主旋回流aは、細径部29の周囲を旋回したのち膨径部30の上流側の側面32に衝突し、ここで流れを止められたのち、膨径部30によって筒体23の内壁面との間隔を狭められた周囲を流速を上げながら旋回し、上流側から下流側の放出口22に向かって流れる。
【0040】
他方、筒体23の外部から圧送された気泡液W2は従噴射口26を通って筒体23の内部へ噴出し、膨径部29の周囲を旋回することにより旋回流bとなる。
このとき、筒体23の内部では、主旋回流aが下流に向かって流れているため、気泡液W2が筒体23の内部に噴出すると、従噴射口26の近くの交流点32において、主旋回流aと従旋回流bが交差することになる。このように、主旋回流aと従旋回流bとが交流することによって、従旋回流bが主旋回流aの流れを阻止するように衝突することになり、気泡液W2と気泡液W2中の気泡、または気泡液W2中の気泡同士が激しく衝突し、気泡液W2中の気泡が粉砕されることになる。また、この粉砕と共に、気泡液W2にかかる圧力は狭められた膨径部30の周囲で高められたのちに縮径部31の周囲で急激に低くなるため、この圧力変化によって更に気泡液W2中の気泡が粉砕される。このように気泡が粉砕されることにより微細気泡液W3が生成され、放出口22から微細気泡を含む洗浄液等として放出されることになる。
【0041】
上述したように、本実施の形態に係る気泡微細化装置1によれば、気泡分離室2で気泡液W1中から大気泡を取り除くことにより、大気泡を含まない気泡径を揃えた気泡液W2を生成したのちに、気泡微細化処理室20で気泡液W2を微細化することによって、気泡微細化処理室20での気泡の微細化を確実に行うことができる。そしてこのことから、微細な気泡を多量に含む微細気泡液W3を容易に生成し、洗浄液等の被処理液として送りだすことができる。
【0042】
なお、前述の実施の形態においては、気泡分離室2の内部を仕切り板3によって区画する例を示したが、これに限られず、直接気泡分離室2の内部に気泡微細化処理室20を配置してもよく、また、気泡微細化処理室20を複数設けてもよい。
また、前述の実施の形態においては、第1室4と第2室5を上下に配置する例を示したが、例えば第1室4と第2室5とを並列させて配置してもよい。
さらに、前述の実施の形態においては、主噴射口25と従噴射口26をそれぞれ1つずつ形成する例を示したが、主噴射口25及び従噴射口26の数はそれぞれ1つ以上、かつ主噴射口25のうちの1つが最上流側に形成されていればよく、筒体23の周方向に分散するように複数配置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態による気泡微細化装置の平面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】気泡微細化処理室の拡大斜視図である。
【図4】(a)は図3のB−B断面図、(b)は図3のC−C断面図である。
【図5】図4(a)のD−D断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1 気泡微細化装置
2 気泡分離室
3 仕切り板
3a 連絡孔
4 第1室
5 第2室
5a 流動域
6 液供給口
7 水圧計接続口
8 気泡抜き口
9 第1整流室
9a 連絡孔
10 第2整流室
10a 連絡孔
12 取付部
12a 雌ねじ
13 連結具
13a 雄ねじ
15 取付部
15a 雌ねじ
20 気泡微細化処理室
21 蓋体
22 放出口
23 筒体
23a 雄ねじ
24 周壁部
25 主噴射口
26 従噴射口
27 軸体
28 内壁周面
29 細径部
30 膨径部
31 縮径部
32 交流点
P 軸心部
W1 気泡液
W2 気泡液
W3 微細気泡液
a 主旋回流
b 従旋回流

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体に気体を混合して生成した気泡液に含まれる気泡を微細化する気泡微細化装置にあって、気泡分離室と気泡微細化処理室とを備え、前記気泡分離室は、前記気泡液を供給する液供給口と内部で前記気泡液中に含まれる気泡中から自然浮上する大気泡を収集し取り出す気泡抜き口とを備え、一方前記気泡微細化処理室は、前記大気泡が取り除かれた気泡液を主旋回流として噴射する主噴射口と前記主旋回流に対して交流させる従旋回流として噴射する従噴射口とを備えて該気泡微細化処理室内で前記気泡液中の小気泡を更に微細化することを特徴とした気泡微細化装置。
【請求項2】
気泡微細化処理室は、気泡分離室の内部に設けられることを特徴とした請求項1に記載の気泡微細化装置。
【請求項3】
気泡分離室は、内部を仕切り板によって区画し、相互に連通させた第2室に気泡微細化処理室を配置することを特徴とした請求項1又は2に記載の気泡微細化装置。
【請求項4】
気泡分離室は、内部を仕切り板によって上下に区画し、第2室を下方としたことを特徴とする請求項3に記載の気泡微細化装置。
【請求項5】
気泡微細化処理室は、複数個設けられることを特徴とした請求項1乃至4のいずれかに記載の気泡微細化器。
【請求項6】
気泡分離室と気泡微細化処理室との間に気泡液中から大気泡の自然浮上を誘導する流動域を設けたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の気泡微細化装置。
【請求項7】
気泡微細化処理室は、上流側となる一端を閉塞し、下流側となる他端に放出口を設ける筒体に形成して該筒体の胴部には主旋回流を発生させるための主噴射口と、従旋回流を発生させるための従噴射口とを上流側から下流側の順序で開設し、内部に送られる気泡液を交流させ、微細化することを特徴とした請求項1乃至6のいずれかに記載の気泡微細化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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