気泡発生装置及びこれを内蔵した循環アダプタ
【課題】 微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させたり、より良質な気泡を生成させたりするという気泡品質の向上を図り得る気泡発生装置装置を提供する。
【解決手段】 微細気泡を含む噴出流が浴槽B内に放出される噴出ノズル15の正面位置に、円柱状の柱状体13を配設する。柱状体13として、両端部を半球状とし、柱状体13の基端部が噴出ノズルの絞り開放部152の開口端面に位置するように設定する。柱状体13を噴出流Fの噴出ノズルを出た直後から中心軸X近傍領域で生じる負圧領域に対応する大きさとする。柱状体13は図外の支持脚や支持アームにより本体ハウジング12に対し支持させる他、噴出ノズル15の前方位置に飛散防止板を付設する場合には開口部内を貫通するように支持アームで飛散防止板に支持させてもよい。
【解決手段】 微細気泡を含む噴出流が浴槽B内に放出される噴出ノズル15の正面位置に、円柱状の柱状体13を配設する。柱状体13として、両端部を半球状とし、柱状体13の基端部が噴出ノズルの絞り開放部152の開口端面に位置するように設定する。柱状体13を噴出流Fの噴出ノズルを出た直後から中心軸X近傍領域で生じる負圧領域に対応する大きさとする。柱状体13は図外の支持脚や支持アームにより本体ハウジング12に対し支持させる他、噴出ノズル15の前方位置に飛散防止板を付設する場合には開口部内を貫通するように支持アームで飛散防止板に支持させてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽に設けられて浴槽内の浴槽水中に微細気泡(マイクロバブル)を含んだ噴出流を放出させる噴出ノズルを備えた気泡発生装置及びこれを内蔵した循環アダプタに関し、特に噴出ノズルからの噴出流をより遠方まで放出させ得ると共に、より良質な気泡を生成し得るようにして、気泡品質の向上を図るための技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽内の浴槽水に対し微細気泡を発生させるものとして、旋回流の中心軸上に空気を導入して形成した気柱を、同軸上に位置するように凸部が形成された衝突板に衝突させることにより、微細気泡を発生させることを意図した技術が提案されている(例えば、特許文献1の図3等を参照)。
【0003】
なお、微細気泡を発生させるものではないが、浴槽内の浴槽水に対し旋回流を噴出させて入浴者のマッサージ効果を狙ったものとして、噴流ノズルの先端開口である噴出口の内部に板状の遮蔽体を設け、遮蔽体の周囲の隙間から旋回流が通過するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−126665号公報
【特許文献2】特開2008−136588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば図14にその原理図を例示したような気泡発生装置を用いて、浴槽水中に微細気泡を含んだ噴出流を放出させる場合に、その噴出流をより遠方に到達させたり、より良質な微細気泡を生成させたりする上で、これらの実現を妨げる次のような不都合のあることを本発明者らは見出した。すなわち、図14の気泡発生装置による気泡発生の原理を簡単に説明すると、旋回室101に対し外周側から水を噴出させることにより旋回室内に旋回流を生じさせ、この旋回流の発生に伴い作用する負圧により空気を旋回流の中心軸Xに沿って取り込み、これを噴出ノズル102から浴槽B内に対し噴出させることで微細気泡が混入した噴出流F′が浴槽水中に放出されるようにしている。しかしながら、中心軸Xに沿って気柱が生成された状態の旋回流が狭い噴出ノズル102から前方の浴槽水中に略円錐状に放出されると、放出直後の噴出流の中心軸近傍領域Nでは負圧が発生し、この負圧発生に起因して乱流などのロスが発生してしまうことになると考えられる。そして、この結果、噴出流の噴出流Fの勢いが削がれて噴出流がより遠方まで到達する妨げになったり、より微細化した良質な気泡の生成の妨げになったりするものと考えられる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させたり、より良質な気泡を生成させたりするという気泡品質の向上を図り得る気泡発生装置及びこれを内蔵した循環アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、微細気泡を含む旋回流状態の噴出流を浴槽内に放出させるための噴出ノズルを備えた気泡発生装置を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記噴出ノズルの正面位置に、全体が円筒状又は円柱状の形状を有しかつ上記噴出ノズルに臨む側の端部が半球状又は円錐状に形成し柱状体を、上記噴出ノズルの中心軸と同軸上に配設してなるようにした(請求項1)。
【0008】
本発明の場合、旋回流状態の噴出流が噴出ノズルから浴槽内に放出されると、旋回流が円錐状に拡大するため中心軸の側の内径側に負圧が生じることになる。上記の柱状体がなければ、噴出流の前進に従い負圧領域が拡大して乱流発生の要因となるものの、本発明の場合には、中心軸上に柱状体が配設されているため、噴出ノズルからの噴出流の放出に伴う負圧発生に基づき微細気泡を生成させつつも、それ以後の噴出流が柱状体の外表面に沿って前方に移動するようになって、以後の過度の負圧発生が柱状体の存在により抑制・防止されることになる。以上の結果、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることが可能となり、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることが可能となる。
【0009】
本発明における柱状体としては、上記噴出ノズルから放出された直後の噴出流においてその中心軸寄りに発生する負圧領域に対応する大きさを備えるようにすることができる(請求項2)。このようにすることにより、上記の過度の負圧発生や負圧領域の拡大を効果的に抑制して、乱流発生の抑制・防止による本発明の作用を有効に得られることになる。
【0010】
又、本発明における柱状体を、上記噴出ノズルに臨む側の端部が上記噴出ノズルの浴槽内に向けて開口する開口端面の近傍に位置するように配設することができる(請求項3)。このようにすることにより、噴出ノズルからの放出直後から生じる負圧領域の拡大に対応して、過度の負圧発生や負圧領域の拡大を効果的に抑制し得ることになり、これにより、上記の乱流発生の抑制・防止による本発明の作用を有効に得られることになる。
【0011】
さらに、本発明における噴出ノズルとして、旋回室よりも内径が絞られた絞り部と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有して浴槽に開口する絞り開放部とを備えて構成し、上記柱状体として、上記噴出ノズルに臨む側の端部と上記絞り開放部とで区画される両者間のドーナッツ環状の開口断面積が、上記絞り部の開口断面積と同等か、この絞り部の開口断面積よりも大きくなるように位置設定することができる(請求項4)。このようにすることにより、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることが可能となり、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることが可能となるという請求項1による作用を確実に実現させ得るようになる。
【0012】
加えて、本発明における噴出ノズルとして、旋回室よりも内径が絞られた絞り部と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有して浴槽に開口する絞り開放部とを備えて構成し、上記柱状体として、その外径が上記絞り部の内径以上で、かつ、上記絞り開放部の最大内径以下の寸法を有するように設定することができる(請求項5)。このようにすることで、請求項4と同様に、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることが可能となるという請求項1による作用を確実に実現させ得るようになる。
【0013】
この場合に、上記柱状体として、その長さが上記外径の2倍〜3倍の寸法を有するように設定することができる(請求項6)。このようにすることにより、気泡発生装置をコンパクトに維持しつつ、請求項1〜請求項5のいずれかによる作用を得ることが可能となる。
【0014】
又、本発明において、上記噴出ノズルから所定の隙間間隔だけ離れた前側位置に付設された飛散防止板をさらに備え、上記飛散防止板が上記噴出流を通過させるための開口部と、この開口部の外周側に拡がる領域を遮蔽して上記噴出流の飛散を防止するための遮蔽壁部とを備えて構成されたものとし、上記柱状体として、上記開口部に対し上記噴出ノズルの中心軸と同軸上に貫通配置されるように支持アームを介して支持されたものとすることができる(請求項7)。このようにすることにより、浴槽内の水位が低い場合に噴出ノズルから噴出流が放出された場合の飛散防止と、通常の浴槽水位での入浴の場合における請求項1〜請求項6のいずれかによる柱状体に基づく作用とを併せて得ることが可能となる。
【0015】
さらに、この場合における柱状体として、浴槽内に臨む側の端部が上記飛散防止板よりも浴槽内に向けて飛び出すように配設することができる(請求項8)。このようにすることにより、噴出流が直進性を維持してより遠方まで到達し得るように案内させることが可能となる。
【0016】
一方、浴槽に設置される循環アダプタに係る発明では、上記の請求項1〜請求項8のいずれかに記載の気泡発生装置を内蔵させることで(請求項9)、上記の請求項1〜請求項8のいずれかの気泡発生装置による作用を循環アダプタにおいて得られることになる。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明の気泡発生装置によれば、中心軸上に柱状体を配設しているため、噴出ノズルからの噴出流の放出に伴う負圧発生に基づき微細気泡を生成させつつも、それ以後の噴出流が柱状体の外表面に沿って前方に移動させることができ、以後の過度の負圧発生を柱状体の存在により抑制・防止させることができるようになる。この結果、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることができ、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることができるようになる。
【0018】
特に、請求項2によれば、柱状体として、噴出ノズルから放出された直後の噴出流においてその中心軸寄りに発生する負圧領域に対応する大きさを備えるようにすることで、上記の過度の負圧発生や負圧領域の拡大を効果的に抑制して、乱流発生の抑制・防止による本発明の効果を有効に得ることができることになる。
【0019】
又、請求項3によれば、柱状体を、噴出ノズルに臨む側の端部が噴出ノズルの浴槽内に向けて開口する開口端面の近傍に位置するように配設することで、噴出ノズルからの放出直後から生じる負圧領域の拡大に対応して、過度の負圧発生や負圧領域の拡大を効果的に抑制することができることになり、これにより、上記の乱流発生の抑制・防止による本発明の効果を有効に得ることができることになる。
【0020】
さらに、請求項4によれば、柱状体を、噴出ノズルに臨む側の端部と絞り開放部とで区画される両者間のドーナッツ環状の開口断面積が、絞り部の開口断面積と同等か、この絞り部の開口断面積よりも大きくなるように位置設定することで、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることができ、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることができるという本発明による効果を確実に実現させることができるようになる。
【0021】
加えて、請求項5によれば、柱状体の外径を噴出ノズルの絞り部の内径以上で、かつ、絞り開放部の最大内径以下に設定することで、請求項4と同様に、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることができるという本発明のによる効果を確実に実現させることができるようになる。
【0022】
この場合、請求項6によれば、柱状体の長さを上記外径の2倍〜3倍に設定することで、気泡発生装置をコンパクトに維持しつつ、請求項1〜請求項5のいずれかによる効果を得ることができることとなる。
【0023】
又、請求項7によれば、飛散防止板の開口部を貫通するように支持アームで支持することで、浴槽内の水位が低い場合に噴出ノズルから噴出流が放出された場合の飛散防止と、通常の浴槽水位での入浴の場合における請求項1〜請求項6のいずれかによる柱状体に基づく効果とを併せて得ることができるようになる。
【0024】
さらに、請求項8によれば、柱状体の浴槽内に臨む側の端部を飛散防止板よりも浴槽内に向けて飛び出す配設とすることで、噴出流の直進性を維持するように案内させることができ、噴出流をより遠方まで到達させることができるようになる。
【0025】
一方、浴槽に設置される循環アダプタに係る発明によれば、上記の請求項1〜請求項8のいずれかの気泡発生装置による効果を循環アダプタにおいて得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1(a)は第1実施形態に係る気泡発生装置を原理的に示す断面説明図であり、図1(b)は図1(a)の気泡発生装置を前面側からの斜視図により示す説明図であり、図1(c)は柱状体の他の形態例を示す図1(a)の部分対応説明図である。
【図2】図2(a)は図1(a)の部分拡大図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面における開口断面を示す断面説明図であり、図2(c)は図2(a)のB−B線断面における開口断面を示す断面説明図である。
【図3】図3は図1(a)による噴出流の放出状況を示す図1(a)対応図である。
【図4】図4(a)は第2実施形態を示す図1(a)対応図であり、図4(b)は第2実施形態の図1(b)対応図である。
【図5】図5(a)は第3実施形態を示す図1(a)対応図であり、図5(b)は第3実施形態の図1(b)対応図である。
【図6】図6(a)は第4実施形態を示す図1(a)対応図であり、図6(b)は第4実施形態の図1(b)対応図である。
【図7】気泡発生装置を循環アダプタに内蔵した第5実施形態を適用した風呂システムの例を示す説明図である。
【図8】第5実施形態の気泡発生装置を内蔵した追焚循環用の循環アダプタの斜視図である。
【図9】図8のC−C線断面説明図である。
【図10】図8及び図9の循環アダプタを用いた追い焚き運転の作動原理を示す説明図である。
【図11】図8及び図9の循環アダプタを用いた気泡発生運転の作動原理図を示す図10対応図である。
【図12】切替レバー等を省略した図9の要部の拡大図である。
【図13】飛散防止板の内面側を例示する循環アダプタの分解斜視図である。
【図14】本発明の課題を示すために例示した気泡発生装置の図3対応図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
<第1実施形態>
図1(a)は第1実施形態に係る原理的な気泡発生装置1を示す。この気泡発生装置1は、内部に旋回室11を区画形成した本体ハウジング12と、この本体ハウジング12の前側位置に付設された柱状体13とを備えて構成されたものである。旋回室11は中心軸Xを筒軸とする円筒状の内周面を有し、旋回流を生じさせるための水(湯又は水)が内部通路121を通して吐出口122から旋回室11の接線方向に吐出されるようになっている。又、旋回室11後端(図面の右端)には空気吐出口14が中心軸X上に開口されており、外部から取り込まれた空気が後述の負圧の作用により旋回室11内に吸気されるようになっている。旋回室11は前端側で孔径が絞られた噴出ノズル15を通して浴槽B内と連通されている。噴出ノズル15は、旋回室11側で旋回室11よりも内径が絞られた絞り部151と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有し絞り部151から浴槽B内にかけて徐々に拡径する台錐状の斜面により構成された絞り開放部152とで形成されている。
【0029】
上記柱状体13は、図1(b)にも示すように、中心軸Xに対し旋回室11及び噴出ノズル15と同軸上に配置されて例えば本体ハウジング12に対し図示省略の支持手段により支持されている。上記柱状体13は、円柱状又は円筒状の本体部131と、その一端であって噴出ノズル15に臨んで半球状に形成された基端部132と、他端部であって同様に半球状に形成された先端部133とを備えて構成されたものである。図例では密実なものを図示しているが、これに限らず、内部が空間とされた密閉筒で構成してもよいし、又、上記の基端部132の形状を半球状ではなくて図1(c)に符号132aにより例示するように円錐状に形成してもよい。
【0030】
この柱状体13と噴出ノズル15との関係について図2を参照しつつさらに詳細に説明すると、柱状体13の外径(本体部131の外径)Dが噴出ノズル15の絞り部151の内径d1よりも大きく(D>d1)、絞り開放部152の最大内径(開口端内径)d2よりも小さく(d2>D)、設定されている。又、柱状体13の中心軸Xに沿った長さLはその外径Dの2〜3倍に設定されている。D>d1としているのは、旋回室11から絞り部151に前進した旋回流は絞り部151で絞られて旋回外径が小さくなった後、絞り開放部152を経て浴槽B内の浴槽水中に放出されるに従い旋回外径が上記絞り部151の内径d1よりも大きくなるためである。又、d2>Dとしているのは、絞り部151から絞り開放部152にかけて旋回流の旋回外径が拡大し、浴槽水中に放出されてさらに大きくなるものの、その大きくなるに伴い中心軸近傍領域に負圧が発生するため、この負圧領域よりも大きくならないで、かつ、その負圧領域に相当する領域に柱状体13を存在させて充填させるようにするためである。つまり、柱状体13は噴出ノズル15から放出された直後の噴出流の中心軸近傍領域に生じるであろう負圧領域に相当する領域にほぼ対応する形状に設定されており、外径Dもそのような基準により定めればよい。さらに、柱状体13の長さLを2D〜3Dとしているのは、乱流抑制効果を得られる度合がL=2Dまでの範囲で急増し、2D〜3Dの範囲でほぼ最大に近づいて以後はほぼ同じとなるからである。
【0031】
又、柱状体13と噴出ノズル15との相互の位置関係としては次のようにする。すなわち、上記の絞り部151の開口断面積M1(B−B線断面の図2(b)参照)、及び、絞り開放部152と柱状体13の基端部132との間の傘状でかつドーナッツ環状の開口断面積M2(C−C線断面の図2(c)参照)の両者の関係が互いにほぼ等しいか、M1<M2になるように、柱状体13と噴出ノズル15との相互の位置関係が設定されている。これに従えば、柱状体13はその基端部132の頂点が絞り開放部152の開口端面153上に位置することになるように設定すればよい。つまり、開口端面153と基端部132の頂点とが互いに合致する位置に設定する、あるいは、開口端面153という仮想平面に基端部132の頂点がほぼ接することになる位置に設定すればよいことになる。なお、絞り開放部152の傾斜が多少変動したとしても、柱状体13の基端部132の頂点位置の変動はプラス・マイナスで小数点以下の範囲に止まるため、上記の開口端面153位置とほぼ合致するように基端部132の頂点を位置付ければよいということで一般化し得ることになる。
【0032】
以上の第1実施形態によれば、浴槽B内の浴槽水中に微細気泡を含む噴出流を放出させると、図3に示すように、まず、吐出口122から吐出された水流により旋回室11内の旋回流が発生し、この旋回流に伴い空気吐出口14に対し負圧が作用して、空気吐出口14から空気が旋回流の中心軸X上に巻き込まれることになる。そして、この中空渦状の旋回流が噴出ノズル15の絞り部151で一旦絞られた後に絞り開放部152で急開放される結果、所定の円錐状となった噴出流Fが前方(同図の左方)に放出されることになる。この際、円錐状に旋回流が拡大するため中心軸Xの側の内径側に負圧が生じることで、この負圧作用に基づき微細化した微細気泡を噴出流は含むことになる。その一方、本来であれば、その噴出流の前進に従い負圧領域がより拡大して乱流発生の要因となるものの、本実施形態では噴出ノズル15の開口端面153に接近して中心軸X上に柱状体13が存在しているため、絞り開放部152からの噴出流の急開放に伴う負圧発生に基づき微細気泡を生成させつつも、それ以後の噴出流が柱状体13の外表面に沿って前方に移動するようになって、以後の過度の負圧発生が柱状体13の存在により抑制・防止されることになる。以上の結果、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることができ、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることができるようになる。なお、図3では微細気泡を誇張して図示している。
【0033】
<第2実施形態>
図4(a),図4(b)は第2実施形態に係る気泡発生装置を示す。図4(a)は第1実施形態と同様に原理的な構成を示すものである。第2実施形態は柱状体13を本体ハウジング12に対し支持させる支持手段16の具体的構成として複数本(図例では3本)の逆Lの字状の支持脚161,161,…を用いた例を示すものである。この点でのみ第1実施形態と相違し、その他の構成は全て第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して重複した詳細説明を省略する。
【0034】
第2実施形態の支持脚161,161,…は、それぞれ基端部が本体ハウジング12の前端面123の外周側位置に固定され、先端部が柱状体13の本体部131であって先端部133側の位置に固定されている。いずれの位置設定も噴出ノズル15から放出される噴出流との干渉をできるだけ避けるためである。すなわち、各支持脚161の基端部が噴出ノズル15から外周側に極力離れて位置付けられ、各支持脚の先端部が噴出ノズル15から放出される噴出流から前方側に極力離れて位置付けられている。これにより、噴出流に出来るだけ邪魔にならない支持脚161,161,…によって柱状体13を本体ハウジング12に支持させることができる。そして、柱状体13による作用・効果も第1実施形態と同様に得ることができる。なお、支持脚161の本数は最低限1本でもよいが、耐久性の観点からは例えば上下両側又は左右両側の少なくとも2本以上で支持するようにすればよい。
【0035】
<第3実施形態>
図5(a),図5(b)は第3実施形態に係る気泡発生装置を示す。図5(a)は第1実施形態と同様に原理的な構成を示すものである。第3実施形態は柱状体13を本体ハウジング12に対し支持させる支持手段16bの具体的構成として複数本(図例では3本)の螺旋状の支持脚162,162,…を用いた例を示すものである。この点でのみ第1実施形態と相違し、その他の構成は全て第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して重複した詳細説明を省略する。
【0036】
第3実施形態の支持脚162,162,…は、それぞれ基端部が本体ハウジング12の前端面123の外周側位置に固定された後、中心軸Xを中心にして噴出流の旋回方向と同じ向きに螺旋方向に延び、先端部が柱状体13の本体部131であって先端部133側の位置に固定されている。基端部及び先端部の位置設定は第2実施形態で説明したと同様の理由、すなわち、噴出ノズル15から放出される噴出流に出来るだけ邪魔にならないようにしたものである。さらに、第3実施形態では、各支持脚162を噴出流の旋回方向と同じ向きの螺旋方向に延ばしているため、噴出流に対する影響を第2実施形態の場合よりもさらに低減させることができる。これにより、噴出流に対する影響を可及的に排除した支持脚162,162,…によって、柱状体13を本体ハウジング12に支持させることができる。そして、柱状体13による作用・効果も第1実施形態と同様に得ることができる。
【0037】
<第4実施形態>
図6(a),図6(b)は第4実施形態に係る気泡発生装置を示す。図6(a)は第1実施形態と同様に原理的な構成を示すものである。第4実施形態は柱状体13を本体ハウジング12に対し支持させる支持手段16cの具体的構成として飛散防止板17を利用した例を示すものである。この点でのみ第1実施形態と相違し、その他の構成は全て第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して重複した詳細説明を省略する。
【0038】
第4実施形態の飛散防止板17は、図6(b)にも示すように、中心軸Xに対し旋回室11及び噴出ノズル15と同軸上で貫通して開口する開口部171と、この開口部171の外周側に拡がる遮蔽壁部172とから構成されている。上記開口部171は噴出ノズル15から浴槽水中に放出される場合の噴出流を通過させる一方、上記遮蔽壁部172は開口部171の外周側領域を遮蔽して浴槽B内の水位が噴出ノズル15よりも低い場合に噴出ノズル15から空気中に噴出流が飛散することを防止するように構成されたものである。そして、上記飛散防止板17は、連結部173により本体ハウジング12に連結されて、本体ハウジング12の浴槽B内に臨む前端面123から所定の隙間間隔だけ離れた前側位置に支持されている。上記開口部171は、上記の絞り開放部152を構成する斜面の延長面が飛散防止板17との相対向面と交わることで形成される投影円と略同径の内径を有するように形成されている。飛散防止板17の上記の相対向面(本体ハウジング12の前端面123との相対向面)により構成される上記の遮蔽壁部172には凹み部174が形成されている。この凹み部174は、少なくとも開口部171の開口縁位置から外周側のドーナッツ環状の領域に形成されるものであり、望ましくは図例の如く飛散防止板17の外周縁位置(遮蔽壁部172の外周縁位置)までの全領域にわたり形成されている。
【0039】
上記凹み部174の形成により、本体ハウジング12との間の隙間間隔が凹み部174の底位置から本体ハウジング12の前端面123までの間隔となって、凹み部174が非形成の状態の隙間間隔よりも凹み部174を形成した分大きくなる。これにより、本体ハウジング12と飛散防止板17との間の隙間に対し噴出流の放出に伴い発生する環流が外周側から内周側へ流入する際の通過断面積を増大させ、その分、環流の流入に伴う圧力損失を低減させてスムーズに流入し得るようにしている。
【0040】
そして、以上の飛散防止板17の開口部171の内周面と、柱状体13の先端部133側とが放射方向に延びる複数(図例では3本)の支持アーム163,163,…によって互いに連結され、これにより、柱状体13が開口部171内を中心軸Xと同軸に貫通配置されるようになっている。加えて、柱状体13はその先端部133が飛散防止板17よりも浴室Bの前方に向けて若干飛び出すように位置設定されており、これにより、噴出流が直進性を維持してより遠方まで到達し得るように案内している。なお、支持アーム163の本数は第2又は第3実施形態と同様に支持剛性が確保できれば1本でもよく、好ましくは2本以上あればよい。
【0041】
この第4実施形態の場合、噴出ノズル15の絞り開放部152からの噴出流は開口部171内を通過しつつ、その中心軸X寄りの内周側が柱状体13の外表面に沿って前進することになって、柱状体13による作用・効果を第1実施形態と同様に得ることができる。又、浴槽B内の水位が噴出ノズル15よりも仮に低い場合には、噴出ノズル15から放出される噴出流が水中に放出されるときよりも広い円錐状に拡がった状態で放出されることになるものの、この場合であっても、開口部171範囲よりも外周側の流れは飛散防止板17の遮蔽壁部172に当たり、浴槽Bの前方への飛散が防止されることになる。
【0042】
<第5実施形態>
図7は第5実施形態の気泡発生装置を適用した風呂システムを示す。この風呂システムは、浴槽Bと、風呂用の追い焚き循環機能を備えた給湯器2と、戻り路31及び往き路32からなり浴槽B及び給湯器2を互いに接続する追い焚き循環配管3と、第5実施形態に係る後述の気泡発生装置5を内蔵した循環アダプタ4とを備えて構成されたものである。
【0043】
給湯器2は、例えば、追い焚き用熱交換器21と、これを加熱する燃焼バーナ22とを備えているものである。なお、給湯器2としては、追い焚き加熱用の構成を備えていれば、追い焚き用と給湯用とに互いに独立した缶体を備えた2缶2水式のものであるか、追い焚き用と給湯用とを共用する1缶2水式であるか、あるいは、温水循環式暖房回路が組み込まれて、その高温水を熱源とする液−液熱交換器により追い焚き加熱されるものであるかの別は問わず、いずれのものでも適用可能である。
【0044】
浴槽Bには、その一側壁面の底部近傍に循環アダプタ4が貫通した状態で設置され、この循環アダプタ4に対し、追い焚き循環配管3の戻り路31の上流端と、往き路32の下流端とが接続されている。そして、給湯器2内の循環ポンプ23が作動されると、浴槽B内の浴槽水(湯又は水)が循環アダプタ4及び戻り路31を通して給湯器2の熱交換器21に戻され、次いで、往き路32及び循環アダプタ4を通して浴槽B内に吐出される、という循環流が生じて循環作動されることになる。この循環作動の際に、燃焼バーナ22が燃焼作動されると、浴槽Bから戻された浴槽水が所定温度まで加熱されて追い焚きされる追い焚き運転モードになり、燃焼バーナ22が非燃焼状態のままであると、浴槽水による循環流のみが生じて気泡発生運転モードとなる。
【0045】
循環アダプタ4は、浴槽Bに対しその内側に配設される前面カバー体41及び飛散防止板47(図8も参照)と、主として浴槽Bの外側に配設される本体ハウジングを兼ねるアダプタ本体42とが一体化されて組み付けられるものであり、戻り路31に接続される戻り用接続口421と、往き路32に接続される往き用接続口422とがアダプタ本体42の後端から突出されるとともに、アダプタ本体42の後端面には空気取り入れ部51が設けられている。
【0046】
前面カバー体41は外周側のドーナッツリング状の部位を覆うものであり、その表面には多数の微小孔からなるフィルタ部材410が装着されている。この前面カバー体41の内周側領域には飛散防止板47が付設され、この飛散防止板47の前面上部位置には微細気泡を含む噴出流が放出(吐出又は噴出)される開口部471が開口形成されている。又、飛散防止板47の前面下部位置には半月状の案内開口472から切替レバー431が円弧状に往復移動可能に突出されている。この切替レバー431は、追い焚き運転モードと気泡発生運転モード(バブル温浴運転モード)との切換えを行うための操作部を構成し、この切替レバー431を備えた後述の切換弁機構43がアダプタ本体42内に組み込まれている。
【0047】
図9は気泡発生装置5が組み込まれた循環アダプタ4を図8のC−C線における断面図として示すものであり、図10又は図11は循環アダプタ4の詳細構造を省略して原理的な構造を示すものである。
【0048】
まず、循環アダプタ4の概略構造について主として図10又は図11を参照しつつ説明する。循環アダプタ4は、前述の循環ポンプ23(図7参照)の作動により浴槽B内から浴槽水を吸い込んで戻り路31に流すための吸い込み流路44と、往き路32からの循環水(浴槽水)を浴槽B内にそのまま流す追い焚き吐出流路45と、同様に往き路32からの循環水に対し微細気泡を含んだ状態で浴槽B内に噴出流として吐出させる気泡吐出流路46と、上記往き路32からの循環水を追い焚き吐出流路45の側に流す(追い焚き運転モード)か、気泡吐出流路46の側に流す(気泡発生運転モード)かのいずれかに切換える切換弁機構43とを備えている。
【0049】
吸い込み流路44は、図10又は図11に矢印Rで示すように、フィルタ部材410を介して前面カバー体41の外周領域から吸い込まれた浴槽水を合流させた後に戻り用接続口421まで導くように延びている。追い焚き吐出流路45は、図10に矢印Gで示すように、往き用接続口422からの循環水を分流室451に導いた後に開閉切換口452を通して前面カバー体41の下側に導き、その下側領域の外周面に開口する追い焚き吐出口453から浴槽B内に吐出するように延びている。
【0050】
気泡吐出流路46は、図11に矢印Bで示すように、往き用接続口422からの循環水を上記分流室451を介して内部通路としての分流路461に導いた後、吐出口462から旋回室463に噴出させて旋回室463に旋回流を生じさせ、空気吐出口52から吸気した空気により微細気泡を含んだ噴出流として噴出ノズル464及び開口部471を通して浴槽B内の前方に向けて放出させるように延びている。上記旋回室463はその内周面が円筒状に形成され、上記吐出口462はその旋回室463に対し接線方向に分流室451からの循環水を吐出させるように開口されている。この吐出口462からの循環水の吐出により旋回室463内に噴出ノズル464の側に向かう旋回流が生じ、この旋回流の発生に伴い気泡発生装置5の後述の空気吐出口52に対し負圧が作用することにより、空気吐出口52から空気が旋回流の中心に吸気されるようになっている。そして、旋回室463内の旋回流が内径の絞られた噴出ノズル464から急拡散される結果、微細気泡が混合した状態の噴出流となって浴槽B内に放出されることになる。
【0051】
切換弁機構43は、前端に切替レバー431が固定されて分流室451を突き抜けるように配置された切換軸432と、この切換軸432の途中に設けられた第1切換弁433及び第2切換弁434と、第1切換弁432を挟んで配置された形状記憶合金製バネ435及びバイアスバネ436とを備えて構成されている。この切換弁機構43は、分流室451に供給される循環水の温度の高低如何によって追い焚き運転モードと気泡発生運転モードとの自動切換が可能であると共に、切替レバー431の切換操作によっても追い焚き運転モードと気泡発生運転モードとの切換が可能となっている。例えば、分流室451に供給される循環水の温度が追い焚き用の高温(例えば80℃)であれば形状記憶合金製バネ435が伸長し、これにより第1切換弁433が分流路461を遮断する一方、第2切換弁434が開閉切換口452を開放した追い焚き運転モードに自動切換される(図10に示す状態参照)。一方、循環水の温度が上記の追い焚き用の高温よりも低温であれば形状記憶合金製バネ435が縮小し、これにより第1切換弁433が分流路461を開放する一方、第2切換弁434が開閉切換口452を遮断した気泡発生運転モードに自動切換される(図11に示す状態参照)。又、切替レバー431の切換操作により切換軸432を回転作動させることによっても、同様に追い焚き運転モードと気泡発生運転モードとに切換操作し得るようになっている。
【0052】
次に、気泡発生装置5についてより詳細に説明すると、図12に示すように、アダプタ本体42内に区画形成された旋回室463の前端側が噴出ノズル464を通して浴槽内と連通されている。この噴出ノズル464が開口するアダプタ本体42の前端面にはノズルガイド部481が形成されたノズルガイド48がネジ482により取り付けられ、このノズルガイド48に対し飛散防止板47が着脱可能に取り付けられるようになっている。上記ノズルガイド部481は、前方(同図の左方)に向けて徐々に拡径する台錐状のガイド面を備え、旋回室463、噴出ノズル464及び飛散防止板47の開口部471と共に軸Yと同軸に配設されている。飛散防止板47にはその後端面の上下各位置から係止爪473(図13も併せて参照)がノズルガイド48に向けて突出するように形成される一方、この各係止爪473と対応する位置のノズルガイド48には係止爪473と着脱可能に係合する係合孔483,483が形成されている。そして、係止爪473,473を係合孔483,483に押し入れて係合させることで、飛散防止板47がノズルガイド48に取り付けられるようになっている。なお、図12では上側の係止爪及び後述の支持アーム163の図示を省略し、図12及び図13のいずれでも切替レバー等の図示を省略している。
【0053】
上記の飛散防止板47は、開口部471の外周側領域が空気中に噴出流が放出される場合の飛散防止の機能を果たす遮蔽壁部474を構成し、この遮蔽壁部474のノズルガイド部481側の後端面に凹み部475が形成されている。この凹み部475は開口部471の外周側領域のドーナッツ環状領域に形成されたものであり、凹み部475と開口部471との境界位置となる開口縁位置にはノズルガイド48の側に尖るように突出する突縁476が形成されている。凹み部475の形成により、アダプタ本体42側であるノズルガイド部481との間の隙間間隔をより大きくして、第1実施形態で説明したと同様に、環流Kが外周側から内周側(軸Yの側)へ流入する際の通過断面積を増大させ、その分、環流Kの流入に伴う圧力損失を低減させてスムーズに流入し得るようにしている。
【0054】
そして、上記開口部471内には、柱状体13が支持アーム163,163,…(図8又は図13参照)によって中心軸Xと同軸上に貫通配置された状態で支持されている。各支持アーム163は第4実施形態のそれと同様構成を備えたものである。又、上記柱状体13の形状等の構成点、噴出ノズル464が絞り部と絞り開放部とで構成される点、柱状体13と噴出ノズル464とのサイズ上の関係や位置関係等の点は、第1実施形態で説明したものと同じである。加えて、柱状体13の先端部133が飛散防止板47よりも浴室Bの前方に向けて若干飛び出すように配置されており、これにより、噴出流が直進性を維持してより遠方まで到達し得るように案内している点は、第4実施形態と同様である。
【0055】
以上の第5実施形態により、第1実施形態で説明した気泡発生装置1をより具体化した気泡発生装置5を循環アダプタ4に内蔵し得るようにすることができ、循環アダプタ4において第1実施形態で説明したと同様の作用効果を得ることができるようになる。しかも、飛散防止板47により、飛散防止性能と気泡品質の向上との両立を図ることができるようになる。
【0056】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記各実施形態では、気泡発生装置1や、気泡発生装置5を内蔵した循環アダプタ4が浴槽Bの一側の壁面に設置された例を示したが、これに限らず、気泡発生装置1や上記の循環アダプタ4を浴槽Bの底側の壁面(底壁面)に設置し、気泡を含む噴出流が浴槽水に対し上向きに放出されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1,5 気泡発生装置
4 循環アダプタ
11 旋回室
13 柱状体
15,464 噴出ノズル
17,47 飛散防止板
132,132a 基端部(噴出ノズルに臨む側の端部)
133 先端部(浴槽内に臨む側の端部)
151 絞り部
152 絞り開放部
171,471 開口部
172,472 遮蔽壁部
B 浴槽
F 噴出流
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴槽に設けられて浴槽内の浴槽水中に微細気泡(マイクロバブル)を含んだ噴出流を放出させる噴出ノズルを備えた気泡発生装置及びこれを内蔵した循環アダプタに関し、特に噴出ノズルからの噴出流をより遠方まで放出させ得ると共に、より良質な気泡を生成し得るようにして、気泡品質の向上を図るための技術に係る。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽内の浴槽水に対し微細気泡を発生させるものとして、旋回流の中心軸上に空気を導入して形成した気柱を、同軸上に位置するように凸部が形成された衝突板に衝突させることにより、微細気泡を発生させることを意図した技術が提案されている(例えば、特許文献1の図3等を参照)。
【0003】
なお、微細気泡を発生させるものではないが、浴槽内の浴槽水に対し旋回流を噴出させて入浴者のマッサージ効果を狙ったものとして、噴流ノズルの先端開口である噴出口の内部に板状の遮蔽体を設け、遮蔽体の周囲の隙間から旋回流が通過するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−126665号公報
【特許文献2】特開2008−136588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えば図14にその原理図を例示したような気泡発生装置を用いて、浴槽水中に微細気泡を含んだ噴出流を放出させる場合に、その噴出流をより遠方に到達させたり、より良質な微細気泡を生成させたりする上で、これらの実現を妨げる次のような不都合のあることを本発明者らは見出した。すなわち、図14の気泡発生装置による気泡発生の原理を簡単に説明すると、旋回室101に対し外周側から水を噴出させることにより旋回室内に旋回流を生じさせ、この旋回流の発生に伴い作用する負圧により空気を旋回流の中心軸Xに沿って取り込み、これを噴出ノズル102から浴槽B内に対し噴出させることで微細気泡が混入した噴出流F′が浴槽水中に放出されるようにしている。しかしながら、中心軸Xに沿って気柱が生成された状態の旋回流が狭い噴出ノズル102から前方の浴槽水中に略円錐状に放出されると、放出直後の噴出流の中心軸近傍領域Nでは負圧が発生し、この負圧発生に起因して乱流などのロスが発生してしまうことになると考えられる。そして、この結果、噴出流の噴出流Fの勢いが削がれて噴出流がより遠方まで到達する妨げになったり、より微細化した良質な気泡の生成の妨げになったりするものと考えられる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させたり、より良質な気泡を生成させたりするという気泡品質の向上を図り得る気泡発生装置及びこれを内蔵した循環アダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明では、微細気泡を含む旋回流状態の噴出流を浴槽内に放出させるための噴出ノズルを備えた気泡発生装置を対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、上記噴出ノズルの正面位置に、全体が円筒状又は円柱状の形状を有しかつ上記噴出ノズルに臨む側の端部が半球状又は円錐状に形成し柱状体を、上記噴出ノズルの中心軸と同軸上に配設してなるようにした(請求項1)。
【0008】
本発明の場合、旋回流状態の噴出流が噴出ノズルから浴槽内に放出されると、旋回流が円錐状に拡大するため中心軸の側の内径側に負圧が生じることになる。上記の柱状体がなければ、噴出流の前進に従い負圧領域が拡大して乱流発生の要因となるものの、本発明の場合には、中心軸上に柱状体が配設されているため、噴出ノズルからの噴出流の放出に伴う負圧発生に基づき微細気泡を生成させつつも、それ以後の噴出流が柱状体の外表面に沿って前方に移動するようになって、以後の過度の負圧発生が柱状体の存在により抑制・防止されることになる。以上の結果、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることが可能となり、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることが可能となる。
【0009】
本発明における柱状体としては、上記噴出ノズルから放出された直後の噴出流においてその中心軸寄りに発生する負圧領域に対応する大きさを備えるようにすることができる(請求項2)。このようにすることにより、上記の過度の負圧発生や負圧領域の拡大を効果的に抑制して、乱流発生の抑制・防止による本発明の作用を有効に得られることになる。
【0010】
又、本発明における柱状体を、上記噴出ノズルに臨む側の端部が上記噴出ノズルの浴槽内に向けて開口する開口端面の近傍に位置するように配設することができる(請求項3)。このようにすることにより、噴出ノズルからの放出直後から生じる負圧領域の拡大に対応して、過度の負圧発生や負圧領域の拡大を効果的に抑制し得ることになり、これにより、上記の乱流発生の抑制・防止による本発明の作用を有効に得られることになる。
【0011】
さらに、本発明における噴出ノズルとして、旋回室よりも内径が絞られた絞り部と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有して浴槽に開口する絞り開放部とを備えて構成し、上記柱状体として、上記噴出ノズルに臨む側の端部と上記絞り開放部とで区画される両者間のドーナッツ環状の開口断面積が、上記絞り部の開口断面積と同等か、この絞り部の開口断面積よりも大きくなるように位置設定することができる(請求項4)。このようにすることにより、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることが可能となり、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることが可能となるという請求項1による作用を確実に実現させ得るようになる。
【0012】
加えて、本発明における噴出ノズルとして、旋回室よりも内径が絞られた絞り部と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有して浴槽に開口する絞り開放部とを備えて構成し、上記柱状体として、その外径が上記絞り部の内径以上で、かつ、上記絞り開放部の最大内径以下の寸法を有するように設定することができる(請求項5)。このようにすることで、請求項4と同様に、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることが可能となるという請求項1による作用を確実に実現させ得るようになる。
【0013】
この場合に、上記柱状体として、その長さが上記外径の2倍〜3倍の寸法を有するように設定することができる(請求項6)。このようにすることにより、気泡発生装置をコンパクトに維持しつつ、請求項1〜請求項5のいずれかによる作用を得ることが可能となる。
【0014】
又、本発明において、上記噴出ノズルから所定の隙間間隔だけ離れた前側位置に付設された飛散防止板をさらに備え、上記飛散防止板が上記噴出流を通過させるための開口部と、この開口部の外周側に拡がる領域を遮蔽して上記噴出流の飛散を防止するための遮蔽壁部とを備えて構成されたものとし、上記柱状体として、上記開口部に対し上記噴出ノズルの中心軸と同軸上に貫通配置されるように支持アームを介して支持されたものとすることができる(請求項7)。このようにすることにより、浴槽内の水位が低い場合に噴出ノズルから噴出流が放出された場合の飛散防止と、通常の浴槽水位での入浴の場合における請求項1〜請求項6のいずれかによる柱状体に基づく作用とを併せて得ることが可能となる。
【0015】
さらに、この場合における柱状体として、浴槽内に臨む側の端部が上記飛散防止板よりも浴槽内に向けて飛び出すように配設することができる(請求項8)。このようにすることにより、噴出流が直進性を維持してより遠方まで到達し得るように案内させることが可能となる。
【0016】
一方、浴槽に設置される循環アダプタに係る発明では、上記の請求項1〜請求項8のいずれかに記載の気泡発生装置を内蔵させることで(請求項9)、上記の請求項1〜請求項8のいずれかの気泡発生装置による作用を循環アダプタにおいて得られることになる。
【発明の効果】
【0017】
以上、説明したように、本発明の気泡発生装置によれば、中心軸上に柱状体を配設しているため、噴出ノズルからの噴出流の放出に伴う負圧発生に基づき微細気泡を生成させつつも、それ以後の噴出流が柱状体の外表面に沿って前方に移動させることができ、以後の過度の負圧発生を柱状体の存在により抑制・防止させることができるようになる。この結果、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることができ、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることができるようになる。
【0018】
特に、請求項2によれば、柱状体として、噴出ノズルから放出された直後の噴出流においてその中心軸寄りに発生する負圧領域に対応する大きさを備えるようにすることで、上記の過度の負圧発生や負圧領域の拡大を効果的に抑制して、乱流発生の抑制・防止による本発明の効果を有効に得ることができることになる。
【0019】
又、請求項3によれば、柱状体を、噴出ノズルに臨む側の端部が噴出ノズルの浴槽内に向けて開口する開口端面の近傍に位置するように配設することで、噴出ノズルからの放出直後から生じる負圧領域の拡大に対応して、過度の負圧発生や負圧領域の拡大を効果的に抑制することができることになり、これにより、上記の乱流発生の抑制・防止による本発明の効果を有効に得ることができることになる。
【0020】
さらに、請求項4によれば、柱状体を、噴出ノズルに臨む側の端部と絞り開放部とで区画される両者間のドーナッツ環状の開口断面積が、絞り部の開口断面積と同等か、この絞り部の開口断面積よりも大きくなるように位置設定することで、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることができ、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることができるという本発明による効果を確実に実現させることができるようになる。
【0021】
加えて、請求項5によれば、柱状体の外径を噴出ノズルの絞り部の内径以上で、かつ、絞り開放部の最大内径以下に設定することで、請求項4と同様に、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることができるという本発明のによる効果を確実に実現させることができるようになる。
【0022】
この場合、請求項6によれば、柱状体の長さを上記外径の2倍〜3倍に設定することで、気泡発生装置をコンパクトに維持しつつ、請求項1〜請求項5のいずれかによる効果を得ることができることとなる。
【0023】
又、請求項7によれば、飛散防止板の開口部を貫通するように支持アームで支持することで、浴槽内の水位が低い場合に噴出ノズルから噴出流が放出された場合の飛散防止と、通常の浴槽水位での入浴の場合における請求項1〜請求項6のいずれかによる柱状体に基づく効果とを併せて得ることができるようになる。
【0024】
さらに、請求項8によれば、柱状体の浴槽内に臨む側の端部を飛散防止板よりも浴槽内に向けて飛び出す配設とすることで、噴出流の直進性を維持するように案内させることができ、噴出流をより遠方まで到達させることができるようになる。
【0025】
一方、浴槽に設置される循環アダプタに係る発明によれば、上記の請求項1〜請求項8のいずれかの気泡発生装置による効果を循環アダプタにおいて得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1(a)は第1実施形態に係る気泡発生装置を原理的に示す断面説明図であり、図1(b)は図1(a)の気泡発生装置を前面側からの斜視図により示す説明図であり、図1(c)は柱状体の他の形態例を示す図1(a)の部分対応説明図である。
【図2】図2(a)は図1(a)の部分拡大図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面における開口断面を示す断面説明図であり、図2(c)は図2(a)のB−B線断面における開口断面を示す断面説明図である。
【図3】図3は図1(a)による噴出流の放出状況を示す図1(a)対応図である。
【図4】図4(a)は第2実施形態を示す図1(a)対応図であり、図4(b)は第2実施形態の図1(b)対応図である。
【図5】図5(a)は第3実施形態を示す図1(a)対応図であり、図5(b)は第3実施形態の図1(b)対応図である。
【図6】図6(a)は第4実施形態を示す図1(a)対応図であり、図6(b)は第4実施形態の図1(b)対応図である。
【図7】気泡発生装置を循環アダプタに内蔵した第5実施形態を適用した風呂システムの例を示す説明図である。
【図8】第5実施形態の気泡発生装置を内蔵した追焚循環用の循環アダプタの斜視図である。
【図9】図8のC−C線断面説明図である。
【図10】図8及び図9の循環アダプタを用いた追い焚き運転の作動原理を示す説明図である。
【図11】図8及び図9の循環アダプタを用いた気泡発生運転の作動原理図を示す図10対応図である。
【図12】切替レバー等を省略した図9の要部の拡大図である。
【図13】飛散防止板の内面側を例示する循環アダプタの分解斜視図である。
【図14】本発明の課題を示すために例示した気泡発生装置の図3対応図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
<第1実施形態>
図1(a)は第1実施形態に係る原理的な気泡発生装置1を示す。この気泡発生装置1は、内部に旋回室11を区画形成した本体ハウジング12と、この本体ハウジング12の前側位置に付設された柱状体13とを備えて構成されたものである。旋回室11は中心軸Xを筒軸とする円筒状の内周面を有し、旋回流を生じさせるための水(湯又は水)が内部通路121を通して吐出口122から旋回室11の接線方向に吐出されるようになっている。又、旋回室11後端(図面の右端)には空気吐出口14が中心軸X上に開口されており、外部から取り込まれた空気が後述の負圧の作用により旋回室11内に吸気されるようになっている。旋回室11は前端側で孔径が絞られた噴出ノズル15を通して浴槽B内と連通されている。噴出ノズル15は、旋回室11側で旋回室11よりも内径が絞られた絞り部151と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有し絞り部151から浴槽B内にかけて徐々に拡径する台錐状の斜面により構成された絞り開放部152とで形成されている。
【0029】
上記柱状体13は、図1(b)にも示すように、中心軸Xに対し旋回室11及び噴出ノズル15と同軸上に配置されて例えば本体ハウジング12に対し図示省略の支持手段により支持されている。上記柱状体13は、円柱状又は円筒状の本体部131と、その一端であって噴出ノズル15に臨んで半球状に形成された基端部132と、他端部であって同様に半球状に形成された先端部133とを備えて構成されたものである。図例では密実なものを図示しているが、これに限らず、内部が空間とされた密閉筒で構成してもよいし、又、上記の基端部132の形状を半球状ではなくて図1(c)に符号132aにより例示するように円錐状に形成してもよい。
【0030】
この柱状体13と噴出ノズル15との関係について図2を参照しつつさらに詳細に説明すると、柱状体13の外径(本体部131の外径)Dが噴出ノズル15の絞り部151の内径d1よりも大きく(D>d1)、絞り開放部152の最大内径(開口端内径)d2よりも小さく(d2>D)、設定されている。又、柱状体13の中心軸Xに沿った長さLはその外径Dの2〜3倍に設定されている。D>d1としているのは、旋回室11から絞り部151に前進した旋回流は絞り部151で絞られて旋回外径が小さくなった後、絞り開放部152を経て浴槽B内の浴槽水中に放出されるに従い旋回外径が上記絞り部151の内径d1よりも大きくなるためである。又、d2>Dとしているのは、絞り部151から絞り開放部152にかけて旋回流の旋回外径が拡大し、浴槽水中に放出されてさらに大きくなるものの、その大きくなるに伴い中心軸近傍領域に負圧が発生するため、この負圧領域よりも大きくならないで、かつ、その負圧領域に相当する領域に柱状体13を存在させて充填させるようにするためである。つまり、柱状体13は噴出ノズル15から放出された直後の噴出流の中心軸近傍領域に生じるであろう負圧領域に相当する領域にほぼ対応する形状に設定されており、外径Dもそのような基準により定めればよい。さらに、柱状体13の長さLを2D〜3Dとしているのは、乱流抑制効果を得られる度合がL=2Dまでの範囲で急増し、2D〜3Dの範囲でほぼ最大に近づいて以後はほぼ同じとなるからである。
【0031】
又、柱状体13と噴出ノズル15との相互の位置関係としては次のようにする。すなわち、上記の絞り部151の開口断面積M1(B−B線断面の図2(b)参照)、及び、絞り開放部152と柱状体13の基端部132との間の傘状でかつドーナッツ環状の開口断面積M2(C−C線断面の図2(c)参照)の両者の関係が互いにほぼ等しいか、M1<M2になるように、柱状体13と噴出ノズル15との相互の位置関係が設定されている。これに従えば、柱状体13はその基端部132の頂点が絞り開放部152の開口端面153上に位置することになるように設定すればよい。つまり、開口端面153と基端部132の頂点とが互いに合致する位置に設定する、あるいは、開口端面153という仮想平面に基端部132の頂点がほぼ接することになる位置に設定すればよいことになる。なお、絞り開放部152の傾斜が多少変動したとしても、柱状体13の基端部132の頂点位置の変動はプラス・マイナスで小数点以下の範囲に止まるため、上記の開口端面153位置とほぼ合致するように基端部132の頂点を位置付ければよいということで一般化し得ることになる。
【0032】
以上の第1実施形態によれば、浴槽B内の浴槽水中に微細気泡を含む噴出流を放出させると、図3に示すように、まず、吐出口122から吐出された水流により旋回室11内の旋回流が発生し、この旋回流に伴い空気吐出口14に対し負圧が作用して、空気吐出口14から空気が旋回流の中心軸X上に巻き込まれることになる。そして、この中空渦状の旋回流が噴出ノズル15の絞り部151で一旦絞られた後に絞り開放部152で急開放される結果、所定の円錐状となった噴出流Fが前方(同図の左方)に放出されることになる。この際、円錐状に旋回流が拡大するため中心軸Xの側の内径側に負圧が生じることで、この負圧作用に基づき微細化した微細気泡を噴出流は含むことになる。その一方、本来であれば、その噴出流の前進に従い負圧領域がより拡大して乱流発生の要因となるものの、本実施形態では噴出ノズル15の開口端面153に接近して中心軸X上に柱状体13が存在しているため、絞り開放部152からの噴出流の急開放に伴う負圧発生に基づき微細気泡を生成させつつも、それ以後の噴出流が柱状体13の外表面に沿って前方に移動するようになって、以後の過度の負圧発生が柱状体13の存在により抑制・防止されることになる。以上の結果、微細気泡の生成を効果的に行いつつも、乱流の発生を抑制・防止して噴出流をスムーズに前進させることができ、これにより、より良質な微細気泡を含んだ噴出流をより遠方まで到達させることができるようになる。なお、図3では微細気泡を誇張して図示している。
【0033】
<第2実施形態>
図4(a),図4(b)は第2実施形態に係る気泡発生装置を示す。図4(a)は第1実施形態と同様に原理的な構成を示すものである。第2実施形態は柱状体13を本体ハウジング12に対し支持させる支持手段16の具体的構成として複数本(図例では3本)の逆Lの字状の支持脚161,161,…を用いた例を示すものである。この点でのみ第1実施形態と相違し、その他の構成は全て第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して重複した詳細説明を省略する。
【0034】
第2実施形態の支持脚161,161,…は、それぞれ基端部が本体ハウジング12の前端面123の外周側位置に固定され、先端部が柱状体13の本体部131であって先端部133側の位置に固定されている。いずれの位置設定も噴出ノズル15から放出される噴出流との干渉をできるだけ避けるためである。すなわち、各支持脚161の基端部が噴出ノズル15から外周側に極力離れて位置付けられ、各支持脚の先端部が噴出ノズル15から放出される噴出流から前方側に極力離れて位置付けられている。これにより、噴出流に出来るだけ邪魔にならない支持脚161,161,…によって柱状体13を本体ハウジング12に支持させることができる。そして、柱状体13による作用・効果も第1実施形態と同様に得ることができる。なお、支持脚161の本数は最低限1本でもよいが、耐久性の観点からは例えば上下両側又は左右両側の少なくとも2本以上で支持するようにすればよい。
【0035】
<第3実施形態>
図5(a),図5(b)は第3実施形態に係る気泡発生装置を示す。図5(a)は第1実施形態と同様に原理的な構成を示すものである。第3実施形態は柱状体13を本体ハウジング12に対し支持させる支持手段16bの具体的構成として複数本(図例では3本)の螺旋状の支持脚162,162,…を用いた例を示すものである。この点でのみ第1実施形態と相違し、その他の構成は全て第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して重複した詳細説明を省略する。
【0036】
第3実施形態の支持脚162,162,…は、それぞれ基端部が本体ハウジング12の前端面123の外周側位置に固定された後、中心軸Xを中心にして噴出流の旋回方向と同じ向きに螺旋方向に延び、先端部が柱状体13の本体部131であって先端部133側の位置に固定されている。基端部及び先端部の位置設定は第2実施形態で説明したと同様の理由、すなわち、噴出ノズル15から放出される噴出流に出来るだけ邪魔にならないようにしたものである。さらに、第3実施形態では、各支持脚162を噴出流の旋回方向と同じ向きの螺旋方向に延ばしているため、噴出流に対する影響を第2実施形態の場合よりもさらに低減させることができる。これにより、噴出流に対する影響を可及的に排除した支持脚162,162,…によって、柱状体13を本体ハウジング12に支持させることができる。そして、柱状体13による作用・効果も第1実施形態と同様に得ることができる。
【0037】
<第4実施形態>
図6(a),図6(b)は第4実施形態に係る気泡発生装置を示す。図6(a)は第1実施形態と同様に原理的な構成を示すものである。第4実施形態は柱状体13を本体ハウジング12に対し支持させる支持手段16cの具体的構成として飛散防止板17を利用した例を示すものである。この点でのみ第1実施形態と相違し、その他の構成は全て第1実施形態と同様である。このため、第1実施形態と同様の構成要素については第1実施形態と同じ符号を付して重複した詳細説明を省略する。
【0038】
第4実施形態の飛散防止板17は、図6(b)にも示すように、中心軸Xに対し旋回室11及び噴出ノズル15と同軸上で貫通して開口する開口部171と、この開口部171の外周側に拡がる遮蔽壁部172とから構成されている。上記開口部171は噴出ノズル15から浴槽水中に放出される場合の噴出流を通過させる一方、上記遮蔽壁部172は開口部171の外周側領域を遮蔽して浴槽B内の水位が噴出ノズル15よりも低い場合に噴出ノズル15から空気中に噴出流が飛散することを防止するように構成されたものである。そして、上記飛散防止板17は、連結部173により本体ハウジング12に連結されて、本体ハウジング12の浴槽B内に臨む前端面123から所定の隙間間隔だけ離れた前側位置に支持されている。上記開口部171は、上記の絞り開放部152を構成する斜面の延長面が飛散防止板17との相対向面と交わることで形成される投影円と略同径の内径を有するように形成されている。飛散防止板17の上記の相対向面(本体ハウジング12の前端面123との相対向面)により構成される上記の遮蔽壁部172には凹み部174が形成されている。この凹み部174は、少なくとも開口部171の開口縁位置から外周側のドーナッツ環状の領域に形成されるものであり、望ましくは図例の如く飛散防止板17の外周縁位置(遮蔽壁部172の外周縁位置)までの全領域にわたり形成されている。
【0039】
上記凹み部174の形成により、本体ハウジング12との間の隙間間隔が凹み部174の底位置から本体ハウジング12の前端面123までの間隔となって、凹み部174が非形成の状態の隙間間隔よりも凹み部174を形成した分大きくなる。これにより、本体ハウジング12と飛散防止板17との間の隙間に対し噴出流の放出に伴い発生する環流が外周側から内周側へ流入する際の通過断面積を増大させ、その分、環流の流入に伴う圧力損失を低減させてスムーズに流入し得るようにしている。
【0040】
そして、以上の飛散防止板17の開口部171の内周面と、柱状体13の先端部133側とが放射方向に延びる複数(図例では3本)の支持アーム163,163,…によって互いに連結され、これにより、柱状体13が開口部171内を中心軸Xと同軸に貫通配置されるようになっている。加えて、柱状体13はその先端部133が飛散防止板17よりも浴室Bの前方に向けて若干飛び出すように位置設定されており、これにより、噴出流が直進性を維持してより遠方まで到達し得るように案内している。なお、支持アーム163の本数は第2又は第3実施形態と同様に支持剛性が確保できれば1本でもよく、好ましくは2本以上あればよい。
【0041】
この第4実施形態の場合、噴出ノズル15の絞り開放部152からの噴出流は開口部171内を通過しつつ、その中心軸X寄りの内周側が柱状体13の外表面に沿って前進することになって、柱状体13による作用・効果を第1実施形態と同様に得ることができる。又、浴槽B内の水位が噴出ノズル15よりも仮に低い場合には、噴出ノズル15から放出される噴出流が水中に放出されるときよりも広い円錐状に拡がった状態で放出されることになるものの、この場合であっても、開口部171範囲よりも外周側の流れは飛散防止板17の遮蔽壁部172に当たり、浴槽Bの前方への飛散が防止されることになる。
【0042】
<第5実施形態>
図7は第5実施形態の気泡発生装置を適用した風呂システムを示す。この風呂システムは、浴槽Bと、風呂用の追い焚き循環機能を備えた給湯器2と、戻り路31及び往き路32からなり浴槽B及び給湯器2を互いに接続する追い焚き循環配管3と、第5実施形態に係る後述の気泡発生装置5を内蔵した循環アダプタ4とを備えて構成されたものである。
【0043】
給湯器2は、例えば、追い焚き用熱交換器21と、これを加熱する燃焼バーナ22とを備えているものである。なお、給湯器2としては、追い焚き加熱用の構成を備えていれば、追い焚き用と給湯用とに互いに独立した缶体を備えた2缶2水式のものであるか、追い焚き用と給湯用とを共用する1缶2水式であるか、あるいは、温水循環式暖房回路が組み込まれて、その高温水を熱源とする液−液熱交換器により追い焚き加熱されるものであるかの別は問わず、いずれのものでも適用可能である。
【0044】
浴槽Bには、その一側壁面の底部近傍に循環アダプタ4が貫通した状態で設置され、この循環アダプタ4に対し、追い焚き循環配管3の戻り路31の上流端と、往き路32の下流端とが接続されている。そして、給湯器2内の循環ポンプ23が作動されると、浴槽B内の浴槽水(湯又は水)が循環アダプタ4及び戻り路31を通して給湯器2の熱交換器21に戻され、次いで、往き路32及び循環アダプタ4を通して浴槽B内に吐出される、という循環流が生じて循環作動されることになる。この循環作動の際に、燃焼バーナ22が燃焼作動されると、浴槽Bから戻された浴槽水が所定温度まで加熱されて追い焚きされる追い焚き運転モードになり、燃焼バーナ22が非燃焼状態のままであると、浴槽水による循環流のみが生じて気泡発生運転モードとなる。
【0045】
循環アダプタ4は、浴槽Bに対しその内側に配設される前面カバー体41及び飛散防止板47(図8も参照)と、主として浴槽Bの外側に配設される本体ハウジングを兼ねるアダプタ本体42とが一体化されて組み付けられるものであり、戻り路31に接続される戻り用接続口421と、往き路32に接続される往き用接続口422とがアダプタ本体42の後端から突出されるとともに、アダプタ本体42の後端面には空気取り入れ部51が設けられている。
【0046】
前面カバー体41は外周側のドーナッツリング状の部位を覆うものであり、その表面には多数の微小孔からなるフィルタ部材410が装着されている。この前面カバー体41の内周側領域には飛散防止板47が付設され、この飛散防止板47の前面上部位置には微細気泡を含む噴出流が放出(吐出又は噴出)される開口部471が開口形成されている。又、飛散防止板47の前面下部位置には半月状の案内開口472から切替レバー431が円弧状に往復移動可能に突出されている。この切替レバー431は、追い焚き運転モードと気泡発生運転モード(バブル温浴運転モード)との切換えを行うための操作部を構成し、この切替レバー431を備えた後述の切換弁機構43がアダプタ本体42内に組み込まれている。
【0047】
図9は気泡発生装置5が組み込まれた循環アダプタ4を図8のC−C線における断面図として示すものであり、図10又は図11は循環アダプタ4の詳細構造を省略して原理的な構造を示すものである。
【0048】
まず、循環アダプタ4の概略構造について主として図10又は図11を参照しつつ説明する。循環アダプタ4は、前述の循環ポンプ23(図7参照)の作動により浴槽B内から浴槽水を吸い込んで戻り路31に流すための吸い込み流路44と、往き路32からの循環水(浴槽水)を浴槽B内にそのまま流す追い焚き吐出流路45と、同様に往き路32からの循環水に対し微細気泡を含んだ状態で浴槽B内に噴出流として吐出させる気泡吐出流路46と、上記往き路32からの循環水を追い焚き吐出流路45の側に流す(追い焚き運転モード)か、気泡吐出流路46の側に流す(気泡発生運転モード)かのいずれかに切換える切換弁機構43とを備えている。
【0049】
吸い込み流路44は、図10又は図11に矢印Rで示すように、フィルタ部材410を介して前面カバー体41の外周領域から吸い込まれた浴槽水を合流させた後に戻り用接続口421まで導くように延びている。追い焚き吐出流路45は、図10に矢印Gで示すように、往き用接続口422からの循環水を分流室451に導いた後に開閉切換口452を通して前面カバー体41の下側に導き、その下側領域の外周面に開口する追い焚き吐出口453から浴槽B内に吐出するように延びている。
【0050】
気泡吐出流路46は、図11に矢印Bで示すように、往き用接続口422からの循環水を上記分流室451を介して内部通路としての分流路461に導いた後、吐出口462から旋回室463に噴出させて旋回室463に旋回流を生じさせ、空気吐出口52から吸気した空気により微細気泡を含んだ噴出流として噴出ノズル464及び開口部471を通して浴槽B内の前方に向けて放出させるように延びている。上記旋回室463はその内周面が円筒状に形成され、上記吐出口462はその旋回室463に対し接線方向に分流室451からの循環水を吐出させるように開口されている。この吐出口462からの循環水の吐出により旋回室463内に噴出ノズル464の側に向かう旋回流が生じ、この旋回流の発生に伴い気泡発生装置5の後述の空気吐出口52に対し負圧が作用することにより、空気吐出口52から空気が旋回流の中心に吸気されるようになっている。そして、旋回室463内の旋回流が内径の絞られた噴出ノズル464から急拡散される結果、微細気泡が混合した状態の噴出流となって浴槽B内に放出されることになる。
【0051】
切換弁機構43は、前端に切替レバー431が固定されて分流室451を突き抜けるように配置された切換軸432と、この切換軸432の途中に設けられた第1切換弁433及び第2切換弁434と、第1切換弁432を挟んで配置された形状記憶合金製バネ435及びバイアスバネ436とを備えて構成されている。この切換弁機構43は、分流室451に供給される循環水の温度の高低如何によって追い焚き運転モードと気泡発生運転モードとの自動切換が可能であると共に、切替レバー431の切換操作によっても追い焚き運転モードと気泡発生運転モードとの切換が可能となっている。例えば、分流室451に供給される循環水の温度が追い焚き用の高温(例えば80℃)であれば形状記憶合金製バネ435が伸長し、これにより第1切換弁433が分流路461を遮断する一方、第2切換弁434が開閉切換口452を開放した追い焚き運転モードに自動切換される(図10に示す状態参照)。一方、循環水の温度が上記の追い焚き用の高温よりも低温であれば形状記憶合金製バネ435が縮小し、これにより第1切換弁433が分流路461を開放する一方、第2切換弁434が開閉切換口452を遮断した気泡発生運転モードに自動切換される(図11に示す状態参照)。又、切替レバー431の切換操作により切換軸432を回転作動させることによっても、同様に追い焚き運転モードと気泡発生運転モードとに切換操作し得るようになっている。
【0052】
次に、気泡発生装置5についてより詳細に説明すると、図12に示すように、アダプタ本体42内に区画形成された旋回室463の前端側が噴出ノズル464を通して浴槽内と連通されている。この噴出ノズル464が開口するアダプタ本体42の前端面にはノズルガイド部481が形成されたノズルガイド48がネジ482により取り付けられ、このノズルガイド48に対し飛散防止板47が着脱可能に取り付けられるようになっている。上記ノズルガイド部481は、前方(同図の左方)に向けて徐々に拡径する台錐状のガイド面を備え、旋回室463、噴出ノズル464及び飛散防止板47の開口部471と共に軸Yと同軸に配設されている。飛散防止板47にはその後端面の上下各位置から係止爪473(図13も併せて参照)がノズルガイド48に向けて突出するように形成される一方、この各係止爪473と対応する位置のノズルガイド48には係止爪473と着脱可能に係合する係合孔483,483が形成されている。そして、係止爪473,473を係合孔483,483に押し入れて係合させることで、飛散防止板47がノズルガイド48に取り付けられるようになっている。なお、図12では上側の係止爪及び後述の支持アーム163の図示を省略し、図12及び図13のいずれでも切替レバー等の図示を省略している。
【0053】
上記の飛散防止板47は、開口部471の外周側領域が空気中に噴出流が放出される場合の飛散防止の機能を果たす遮蔽壁部474を構成し、この遮蔽壁部474のノズルガイド部481側の後端面に凹み部475が形成されている。この凹み部475は開口部471の外周側領域のドーナッツ環状領域に形成されたものであり、凹み部475と開口部471との境界位置となる開口縁位置にはノズルガイド48の側に尖るように突出する突縁476が形成されている。凹み部475の形成により、アダプタ本体42側であるノズルガイド部481との間の隙間間隔をより大きくして、第1実施形態で説明したと同様に、環流Kが外周側から内周側(軸Yの側)へ流入する際の通過断面積を増大させ、その分、環流Kの流入に伴う圧力損失を低減させてスムーズに流入し得るようにしている。
【0054】
そして、上記開口部471内には、柱状体13が支持アーム163,163,…(図8又は図13参照)によって中心軸Xと同軸上に貫通配置された状態で支持されている。各支持アーム163は第4実施形態のそれと同様構成を備えたものである。又、上記柱状体13の形状等の構成点、噴出ノズル464が絞り部と絞り開放部とで構成される点、柱状体13と噴出ノズル464とのサイズ上の関係や位置関係等の点は、第1実施形態で説明したものと同じである。加えて、柱状体13の先端部133が飛散防止板47よりも浴室Bの前方に向けて若干飛び出すように配置されており、これにより、噴出流が直進性を維持してより遠方まで到達し得るように案内している点は、第4実施形態と同様である。
【0055】
以上の第5実施形態により、第1実施形態で説明した気泡発生装置1をより具体化した気泡発生装置5を循環アダプタ4に内蔵し得るようにすることができ、循環アダプタ4において第1実施形態で説明したと同様の作用効果を得ることができるようになる。しかも、飛散防止板47により、飛散防止性能と気泡品質の向上との両立を図ることができるようになる。
【0056】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記各実施形態では、気泡発生装置1や、気泡発生装置5を内蔵した循環アダプタ4が浴槽Bの一側の壁面に設置された例を示したが、これに限らず、気泡発生装置1や上記の循環アダプタ4を浴槽Bの底側の壁面(底壁面)に設置し、気泡を含む噴出流が浴槽水に対し上向きに放出されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1,5 気泡発生装置
4 循環アダプタ
11 旋回室
13 柱状体
15,464 噴出ノズル
17,47 飛散防止板
132,132a 基端部(噴出ノズルに臨む側の端部)
133 先端部(浴槽内に臨む側の端部)
151 絞り部
152 絞り開放部
171,471 開口部
172,472 遮蔽壁部
B 浴槽
F 噴出流
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細気泡を含む旋回流状態の噴出流を浴槽内に放出させるための噴出ノズルを備えた気泡発生装置であって、
上記噴出ノズルの正面位置に、全体が円筒状又は円柱状の形状を有しかつ上記噴出ノズルに臨む側の端部が半球状又は円錐状に形成された柱状体が、上記噴出ノズルの中心軸と同軸上に配設されている、
ことを特徴とする気泡発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の気泡発生装置であって、
上記柱状体は、上記噴出ノズルから放出された直後の噴出流においてその中心軸寄りに発生する負圧領域に対応する大きさを備えている、気泡発生装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の気泡発生装置であって、
上記柱状体は、上記噴出ノズルに臨む側の端部が上記噴出ノズルの浴槽内に向けて開口する開口端面の近傍に位置するように配設されている、気泡発生装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の気泡発生装置であって、
上記噴出ノズルは、旋回室よりも内径が絞られた絞り部と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有して浴槽に開口する絞り開放部とを備えて構成され、
上記柱状体は、上記噴出ノズルに臨む側の端部と上記絞り開放部とで区画される両者間のドーナッツ環状の開口断面積が、上記絞り部の開口断面積と同等か、この絞り部の開口断面積よりも大きくなるように位置設定されている、気泡発生装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の気泡発生装置であって、
上記噴出ノズルは、旋回室よりも内径が絞られた絞り部と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有して浴槽に開口する絞り開放部とを備えて構成され、
上記柱状体は、その外径が上記絞り部の内径以上で、かつ、上記絞り開放部の最大内径以下の寸法を有するように設定されている、気泡発生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の気泡発生装置であって、
上記柱状体は、その長さが上記外径の2倍〜3倍の寸法を有するように設定されている、気泡発生装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の気泡発生装置であって、
上記噴出ノズルから所定の隙間間隔だけ離れた前側位置に付設された飛散防止板を備え、上記飛散防止板が上記噴出流を通過させるための開口部と、この開口部の外周側に拡がる領域を遮蔽して上記噴出流の飛散を防止するための遮蔽壁部とを備えて構成されており、
上記柱状体が上記開口部に対し上記噴出ノズルの中心軸と同軸上に貫通配置されるように支持アームを介して支持されている、気泡発生装置。
【請求項8】
請求項7に記載の気泡発生装置であって、
上記柱状体は、浴槽内に臨む側の端部が上記飛散防止板よりも浴槽内に向けて飛び出すように配設されている、気泡発生装置。
【請求項9】
浴槽に設置される循環アダプタであって、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の気泡発生装置が内蔵されている、
ことを特徴とする循環アダプタ。
【請求項1】
微細気泡を含む旋回流状態の噴出流を浴槽内に放出させるための噴出ノズルを備えた気泡発生装置であって、
上記噴出ノズルの正面位置に、全体が円筒状又は円柱状の形状を有しかつ上記噴出ノズルに臨む側の端部が半球状又は円錐状に形成された柱状体が、上記噴出ノズルの中心軸と同軸上に配設されている、
ことを特徴とする気泡発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の気泡発生装置であって、
上記柱状体は、上記噴出ノズルから放出された直後の噴出流においてその中心軸寄りに発生する負圧領域に対応する大きさを備えている、気泡発生装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の気泡発生装置であって、
上記柱状体は、上記噴出ノズルに臨む側の端部が上記噴出ノズルの浴槽内に向けて開口する開口端面の近傍に位置するように配設されている、気泡発生装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の気泡発生装置であって、
上記噴出ノズルは、旋回室よりも内径が絞られた絞り部と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有して浴槽に開口する絞り開放部とを備えて構成され、
上記柱状体は、上記噴出ノズルに臨む側の端部と上記絞り開放部とで区画される両者間のドーナッツ環状の開口断面積が、上記絞り部の開口断面積と同等か、この絞り部の開口断面積よりも大きくなるように位置設定されている、気泡発生装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の気泡発生装置であって、
上記噴出ノズルは、旋回室よりも内径が絞られた絞り部と、開口断面積が徐々に拡大するように扇状の断面を有して浴槽に開口する絞り開放部とを備えて構成され、
上記柱状体は、その外径が上記絞り部の内径以上で、かつ、上記絞り開放部の最大内径以下の寸法を有するように設定されている、気泡発生装置。
【請求項6】
請求項5に記載の気泡発生装置であって、
上記柱状体は、その長さが上記外径の2倍〜3倍の寸法を有するように設定されている、気泡発生装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれかに記載の気泡発生装置であって、
上記噴出ノズルから所定の隙間間隔だけ離れた前側位置に付設された飛散防止板を備え、上記飛散防止板が上記噴出流を通過させるための開口部と、この開口部の外周側に拡がる領域を遮蔽して上記噴出流の飛散を防止するための遮蔽壁部とを備えて構成されており、
上記柱状体が上記開口部に対し上記噴出ノズルの中心軸と同軸上に貫通配置されるように支持アームを介して支持されている、気泡発生装置。
【請求項8】
請求項7に記載の気泡発生装置であって、
上記柱状体は、浴槽内に臨む側の端部が上記飛散防止板よりも浴槽内に向けて飛び出すように配設されている、気泡発生装置。
【請求項9】
浴槽に設置される循環アダプタであって、
請求項1〜請求項4のいずれかに記載の気泡発生装置が内蔵されている、
ことを特徴とする循環アダプタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−10753(P2012−10753A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−147606(P2010−147606)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】
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