説明

気象情報処理装置及びコンピュータプログラム

【課題】 太陽光発電装置からの情報を用いて天気を予想する。
【解決手段】 太陽光発電装置から得られる発電データ、好ましくは併設した雨量計から得られる雨量データ等の気象関連データを用い、気象状況データを作成し、その気象状況データをユーザ端末に送信してユーザに気象変化の予測をさせ、さらに、ユーザにより作成したユーザ予想データを添削する手段を備えた構成である。ユーザは、本発明の気象情報処理装置20を利用することにより、容易に気象予測の学習を行うことができる。このため、例えば、気象予報士の資格などを目指すユーザの学習効果を高めるのに有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電装置から得られる情報を利用した気象情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、太陽光発電装置の発電状態から天気を予測する技術が開示されている。これは、太陽光発電装置によって発電された電力のデータ(発電データ)を取得して、この発電データをもとに日照データを求め、その日照データから天気の変化を予測するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−121558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、太陽光発電装置の発電状態を利用することで、それ以前の技術である専用の照度検出計を用いた場合よりも、簡易かつ正確に日照の状態(快晴、晴れ、曇り、雨等)を測定し、天気の予測精度を上げようとするものである。
【0005】
一方、近年、特に都市部において局地的な集中豪雨の発生が多くなっている。これは夏場のヒートアイランド現象が要因の一つとして考えられているが、積乱雲が局地的に急激に発達して生じるため、予測が困難であることが指摘されている。
【0006】
太陽光発電装置は、近年、省エネと環境保護の見地から関心が高まり、広大な敷地や工場施設の屋根等に多数の太陽光発電モジュール(パネル)を敷設したりすることが行われているほか、一般の住宅やオフィスビルなどの屋根、屋上への設置も著しく増加している。また、太陽光発電装置は、その発電量等のデータを管理者が把握するためそれらのデータを管理者側のコンピュータに送信するための通信手段(太陽光発電装置と管理者側のコンピュータとの間の通信回線を含む通信設備)が既に確保されている。従って、設置数が益々増加してきている各地の太陽光発電装置のデータは、局地的な天気の状態の把握、予測に適している。
【0007】
しかるに、特許文献1の技術は、結局は、一般的な天気予報を太陽光発電装置から得られる情報を利用して実現するものに過ぎず、太陽光発電装置から得られる情報やそれを利用して求めた天気予報のさらなる利用については何らの言及もない。また、特許文献1の技術では、基本的に日照度合いを予測できるのみであり、雨量の把握や予測を直接行うことはできない。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、太陽光発電装置から得られる情報を、天気の予測に用いるだけでなく、さらに有効に活用することができる気象情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明は、複数の地域に設置された各太陽光発電装置と通信手段を介して接続された気象情報処理装置であって、前記各太陽光発電装置において測定された所定時刻における気象関連データと、当該気象関連データを送信した各太陽光発電装置の位置情報とを受信する気象関連データ受信手段と、前記気象関連データ受信手段により受信された前記気象関連データと位置情報に基づき、所定時刻における気象状況データを作成して出力する気象状況作成出力手段と、前記気象状況作成出力手段により作成された前記気象状況データに基づき予想天気データを作成する予想天気データ作成手段と、前記気象状況作成出力手段により出力された前記気象状況データを、通信手段を介してユーザ端末に送信する気象状況データ送信手段と、前記ユーザ端末に送信された気象状況データに基づきユーザが作成して当該ユーザ端末から送信されるユーザ予想データを受信するユーザ予想データ受信手段と、前記ユーザ予想データ受信手段により受信された前記ユーザ予想データを、前記予想天気データ作成手段により作成した予想天気データと比較し、前記ユーザ予想データを添削するユーザ予想データ添削手段と、前記ユーザ予想データ添削手段により得られた添削結果情報を、前記ユーザ端末に送信する添削結果情報送信手段とを具備する気象情報処理装置を提供する。
【0010】
前記気象情報処理装置において、前記気象状況作成出力手段は、前記気象状況データを時系列に複数作成し、前記気象状況データ送信手段は、この複数作成された気象状況データを前記ユーザ端末に送信する構成であることが好ましい。前記気象情報処理装置において、前記気象関連データ受信手段により受信される、前記太陽光発電装置において測定される所定時刻における気象関連データが、当該太陽光発電装置の発電データを含み、前記気象状況作成出力手段が、当該発電データから日照データを求める日照データ算出手段を備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、複数の地域に設置された各太陽光発電装置と通信手段を介して接続されたコンピュータから構成される気象情報処理装置に導入されるコンピュータプログラムであって、前記各太陽光発電装置において測定された所定時刻における気象関連データと、当該気象関連データを送信した各太陽光発電装置の位置情報とを受信する気象関連データ受信手段と、前記気象関連データ受信手段により受信された前記気象関連データと位置情報に基づき、所定時刻における気象状況データを作成して出力する気象状況作成出力手段と、前記気象状況作成出力手段により作成された前記気象状況データに基づき予想天気データを作成する予想天気データ作成手段と、前記気象状況作成出力手段により出力された前記気象状況データを、通信手段を介してユーザ端末に送信する気象状況データ送信手段と、前記ユーザ端末に送信された気象状況データに基づきユーザが作成して当該ユーザ端末から送信されるユーザ予想データを受信するユーザ予想データ受信手段と、前記ユーザ予想データ受信手段により受信された前記ユーザ予想データを、前記予想天気データ作成手段により作成した予想天気データと比較し、前記ユーザ予想データを添削するユーザ予想データ添削手段と、前記ユーザ予想データ添削手段により得られた添削結果情報を、前記ユーザ端末に送信する添削結果情報送信手段とを具備するコンピュータプログラムを提供する。
【0012】
前記コンピュータプログラムにおいて、前記気象状況作成出力手段は、前記気象状況データを時系列に複数作成し、前記気象状況データ送信手段は、この複数作成された気象状況データを前記ユーザ端末に送信する構成であることが好ましい。前記コンピュータプログラムにおいて、前記気象関連データ受信手段により受信される、前記太陽光発電装置において測定される所定時刻における気象関連データが、当該太陽光発電装置の発電データを含み、前記気象状況作成出力手段が、当該発電データから日照データを求める日照データ算出手段を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、太陽光発電装置から得られる発電データ、好ましくは併設した雨量計から得られる雨量データ等の気象関連データを用い、気象状況データを作成し、その気象状況データをユーザ端末に送信してユーザに気象変化の予測をさせ、さらに、ユーザにより作成したユーザ予想データを添削する手段を備えた構成である。ユーザは、本発明の気象情報処理装置を利用することにより、容易に気象予測の学習を行うことができる。このため、例えば、気象予報士の資格などを目指すユーザの学習効果を高めるのに有効である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一の実施形態に係る気象情報処理装置と各地の太陽光発電装置との関係を説明するための図である。
【図2】上記実施形態の気象情報処理装置、太陽光発電装置を利用してユーザが天気を予想する仕組みの全体構造を説明するための図である。
【図3】上記実施形態の気象情報処理装置の構成を説明するための図である。
【図4】予想天気データ作成手段により作成した予想天気データの一例を示した図である。
【図5】(a)はユーザ予想データの一例を示した図であり、(b)はユーザ予想データの他の例を示した図である。
【図6】ユーザ予想データ添削手段による添削結果の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態の気象情報処理装置20は、図1及び図2に示したように、各地の太陽光発電装置10及びユーザ端末40と、通信手段50を介して接続されている。
【0016】
太陽光発電装置10は、複数の太陽電池セル12を平面上に配列した太陽光発電モジュール(パネル)11のほか、その太陽光発電モジュール11から得られる直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナ(PCS)13、発電量等を計測する電力計測装置14、PCSの交流電力を受電して変電する受変電設備15を備えて構成される。電力計測装置14は、そのデータ送受信部から出力データである発電データ等を、本実施形態において各種情報を収集し管理する気象情報処理装置20に通信手段50(太陽光発電装置10及び気象情報処理装置20間の通信回線を含む通信設備)を介して送信する。なお、太陽光発電モジュール(パネル)11は、それらを複数枚組み合わせて直列接続してストリングとしたもの、さらに複数のストリングを並列接続してアレイにしたもの等であってもよい。また、通信手段50の通信回線としては、インターネット等の公衆通信回線、PLC(電力線搬送通信)等が含まれ、また、有線、無線のいずれも含む。
【0017】
太陽光発電モジュール11は、一般家屋の屋根やオフィスビルの屋上等に設置されるが、この太陽光発電モジュール11に隣接して雨量計16を設けることが好ましい。太陽光発電モジュール11が設置されている場所は、上部に障害物のない日当たりのよい場所であるため、雨量計16の設置場所としても適する。雨量計16としては自動計測可能なものが用いられ、例えば受水器に溜まった降水の嵩を測定する。雨量計16は、太陽光発電装置10の電力計測装置14に電気的に接続され、降水の測定データは、雨量計16の制御部から電力計測装置14に、例えば、一定時間毎に送られ、通信手段50を介して、発電データと共に気象情報処理装置20に送信される。また、温度計、湿度計(図示せず)も併せて設け、それらの情報も気象情報処理装置20に送信する構成とすることが好ましい。
【0018】
気象情報処理装置20は、一般家屋やオフィスビル等に複数設置される各太陽光発電装置10に通信手段50を介して接続されると共に、気象予測を行うユーザのユーザ端末40ともインターネット等の通信手段50を介して接続される。気象情報処理装置20は、コンピュータから構成され、図3に示したように、コンピュータプログラムである気象関連データ受信手段21、気象状況作成出力手段22、予想天気データ作成手段23、気象状況データ送信手段24、ユーザ予想データ受信手段25、ユーザ予想データ添削手段26、添削結果情報送信手段27等が設定されている。
【0019】
なお、これらのコンピュータプログラムは、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、DVD−ROMなどの記録媒体へ記憶させて提供することもできるし、通信回線を通じて伝送することも可能である。また、気象情報処理装置20は、各地の太陽光発電装置10の位置情報を記憶した太陽光発電装置データベース(太陽光発電装置D/B)28、本実施形態の気象情報処理装置20にアクセスしてその情報を利用するユーザの電子メールアドレス等を記憶したユーザデータベース(ユーザD/B)29等を備えている。
【0020】
気象関連データ受信手段21は、太陽光発電装置10及び該太陽光発電装置10に付設された雨量計16や温度計等から、通信手段50を介して、気象関連データを受信する。気象関連データとしては、例えば、太陽光発電装置10の発電データ、雨量計16の雨量データ、温度計の温度データ等が挙げられる。雨量データや温度データは、雨量計16や温度計等によって直接測定されるため、受信した雨量データ等を直接利用することができるが、発電データは、発電量等を示すデータであるため、気象の状況を直接に捉えたものではない。しかしながら、本実施形態によれば、後述の気象状況作成出力手段22に設定される日照データ算出手段221がこの発電データから日照データを求めることができるため、気象関連データ受信手段21は、これを気象関連データの一つとして受信する。
【0021】
気象状況作成出力手段22は、気象関連データ受信手段21によって受信した気象関連データを用い、当該気象関連データを送信した太陽光発電装置10の位置情報(雨量計16の位置情報でもある)を太陽光発電装置D/B28から読み込んで、測定した時刻における当該位置の気象状況データを求めて出力する。例えば、「東京都中央区XX町1−2−3、曇り、降水量0mm」というように出力する。また、地図上にプロットした太陽光発電装置10の設置地点上に、天気記号を表示したり、降水量を棒グラフ等により表示したりして出力してもよい。さらには、風向き、気温などを含めて天気図を作成して出力してもよい。
【0022】
気象関連データのうち、雨量計16あるいは温度計や風向風速計(図示せず)などにより直接測定される雨量データ、気温データ、風向や風速のデータ等については、気象状況作成出力手段22は、それらのデータを太陽光発電装置10の位置情報と共に、特別の加工処理をすることなく出力できるが、発電データをそのまま日照データとして用いることはできない。そこで、気象状況作成出力手段22には、日照データ算出手段221が設けられている。
【0023】
日照データ算出手段221は、予め、例えば、所定の太陽光発電装置10の設置地点の経度、緯度を参照して、その太陽光発電装置10の理論出力値を求めておく。この理論出力値を、発電データとして受信した実際の出力値と比較する。理論出力値が所定時期の快晴時の日照強度に相当すると仮定すると、実際の出力値が理論出力値とどの程度の差があるかで、日照強度(日照データ)がどの程度であるかを求める。日照データ算出手段221は、得られた日照強度から、快晴時の値と比較し、晴れ、曇り、雨等を推定する。
【0024】
予想天気データ作成手段23は、気象状況作成出力手段22により作成・出力された気象状況データを用いて今後の予想天気データを作成する。予想天気データは、例えば、図4に示したように、予想日時、予想地区、予想天気、予想雨量、予想気温といった文字情報や記号情報からなる。なお、後述のユーザ予想データのように、天気図上に表してもよい(図5(b)参照)。気象状況データがある一つの時刻に対応したものだけでは、予想天気データの精度に影響するため、好ましくは2時刻以上の時系列の気象状況データを参照して予想天気データを作成する。
【0025】
気象状況データ送信手段24は、気象状況作成出力手段22により出力された上記の気象状況データを、通信手段50を介してユーザ端末40に送信する。この場合、好ましくは、2時刻以上の時系列の気象状況データを送信する。気象状況データ送信手段24は、予め会員登録されたユーザの電子メールアドレス等をユーザD/B29から読み込んで送信する。
【0026】
ユーザ端末40によって気象状況データを受信すると、ユーザはこの気象状況データを用いて将来の所定時刻の天気を予測し、その予測天気をユーザ予想データとして気象情報処理装置20に送信する。ユーザ予想データ受信手段25は、このユーザ予想データを受信する。ユーザ予想データは、例えば、図5(a)に示したように、ユーザID、予想日時、予想地区、予想天気、予想雨量、予想気温といった文字情報や記号情報からなり、ユーザ予想データデータベース(ユーザ予想データD/B)30に登録される。また、ユーザ予想データは、図5(b)に示したように、予想する地区の地図上に天気記号や文字情報を表してなる天気図であってもよい。
【0027】
ユーザ予想データ添削手段26は、予想天気データ作成手段23によって作成した予想天気データ(図4参照)を模範解答とし、ユーザ予想データ受信手段25により受信したユーザ予想データ(図5参照)を模範解答である予想天気データと比較して添削し、図6に示したような添削結果情報を得る。添削結果情報は、添削結果集計データベース(添削結果集計D/B)31に記憶されると共に、添削結果情報送信手段27により通信手段50を介してユーザ端末40に送信される。
【0028】
本実施形態によれば、各地点に設置された太陽光発電装置10の電力計測装置14から通信手段50を介して、例えば、30分おきに、発電データが送信されると共に、雨量計16により計測される雨量データや温度計により測定される気温データが気象情報処理装置20に送信され、気象関連データ受信手段21がこれらの気象関連データを受信する。例えば、11:00の情報として、「東京都○○区のA地点、発電量(発電データ):○○kW、降水量:40mm、気温25℃」、「愛知県XX市のB地点、発電量(発電データ):XXkW、降水量:1mm、気温22℃」等の気象関連データが気象関連データ受信手段21により受信される。
【0029】
次に、上記の気象関連データのうち、発電量(発電データ)を用いて、日照データ算出手段221が日照強度(日照データ)を求める。これは、上記のように、例えば、基準となる快晴時点の日照強度と比較し、各地点における天気(快晴、晴れ、曇り、雨等)を相対的に判断する。それにより、例えば、「東京都○○区のA地点、雨」、「愛知県XX市のB地点、曇り」」等の判断がなされる。そして、気象情報作成出力手段22は、この日照データと上記の雨量データや気温データ等を、文字情報として出力するか、あるいは、例えば、上記の「東京都○○区のA地点」の例であれば、A地点に該当する地図上の位置に「雨」の天気記号を表示し、その隣に「40mm」という降水量や「25℃」という気温を棒グラフにして表示するなどして気象状況データを作成する。
【0030】
予想天気データ作成手段23が例えば2時刻の気象状況データを用いて予想天気データを作成する。例えば、16:00の情報として、「東京都○○区のA地点」が「曇り」と判断され、上記の11:00時点よりも降水量が5mmに減り、「愛知県XX市のB地点」が「晴れ」と判断され、同じく11:00時点よりも降水量が減って0mmとなっている場合、例えば、図4に示したように、翌日9:00の「東京都○○区のA地点」の天気を「晴れ、降水量:0mm、気温22℃」と予想して、A地点に該当する地図上の位置に「晴れ」の天気記号を表示し、その隣に降水量「0mm」と表示するなどして予想天気データを作成する。
【0031】
一方、ユーザ端末40において気象状況データを受信したユーザも、受信した気象状況データを参照して、翌日9:00の予想天気をユーザ予想データとして作成する。例えば、上記の気象関連データからユーザIDNo.10のユーザが、図5(a)に示したように、「○○月××日 9:00」「東京都○○区のA地点」の天気を「雨、降水量:5mm、気温18℃」と予想し、気象情報処理装置20に送信する。この情報は、ユーザ予想データ受信手段25により受信される。すると、ユーザ予想データ添削手段26が動作し、予想天気データ作成手段23によって作成した「東京都○○区のA地点」の「晴天、降水量:0mm、気温22℃」という予想天気データ(模範解答)と比較して、ユーザIDNo.10の解答である「雨、降水量:5mm、気温18℃」を添削する。
【0032】
ここで、気象情報処理装置20には、予め、例えば、日照データに関し、「快晴、晴れ、曇り、雨」の4段階で評価する場合、模範解答と同じ場合を「100点」とし、1段階相違することに「−20点」とする評価テーブル(日照評価テーブル)、降水量に関しては、模範解答との差が「±1mm以内:100点」、「±5mm以内:80点」、「±15mm以内:60点」、「それ以上の場合:40点」といった評価テーブル(雨量評価テーブル)、あるいは、気温に関しては、模範解答との差が「±1℃以内:100点」、「±3℃以内:80点」、「±6℃以内:60点」、「それ以上の場合:40点」といった評価テーブル(気温評価テーブル)等を準備しておく。ユーザ予想データ添削手段26はこの各評価テーブルを用いて添削する。例えば、ユーザIDNo.10の解答は、日照データについては、模範解答が「晴れ」であるのに対し「雨」となっているため、図6に示したように、「60点」と評価し、雨量データについては、差が5mmであるため、「80点」と評価し、気温データについては、差が4℃であるため、「60点」と評価する。
【0033】
なお、予想天気データ作成手段23により作成される予想天気データ及びユーザが作成したユーザ予想データは、通常は、1地点だけではなく、複数地点における予想天気データであるため、例えば、各地点の点数を上記のように一つずつ添削した上で、総合の平均点や、日照データや雨量データ別の平均点を添削結果として求めるようにしてもよい(図6参照)。このようにして添削結果が得られると、添削結果集計D/B31に記憶されると共に、添削結果情報送信手段27によりユーザ端末40に送信される。
【0034】
ユーザは、このようにして、天気を予想し、その予想が正しいか否かの結果を受け取ることができる。従って、天気の学習、気象予報士の資格取得のための学習などに役立つ。また、太陽光発電装置から得られる情報を用いているため、発電量と日照との関係などの学習にも役立ち、太陽光発電に関する関心も高まる。また、太陽光発電装置が急速に普及していることから、予測に用いる太陽光発電装置の地域、時間を限定する選択をすることで、局地的な天気の変化の予測、例えば、現在、千代田区で発生した雷雨が、数時間後に隣接の中央区でも起こるといった予測を行うこともできる。
【符号の説明】
【0035】
10 太陽光発電装置
11 太陽光発電モジュール
12 太陽電池セル
14 電力計測装置
20 気象情報処理装置
21 気象関連データ受信手段
22 気象状況作成出力手段
221 日照データ算出手段
23 予想天気データ作成手段
24 気象状況データ送信手段
25 ユーザ予想データ受信手段
26 ユーザ予想データ添削手段
27 添削結果情報送信手段
28 太陽光発電装置データベース
29 ユーザデータベース
30 ユーザ予想データデータベース
31 添削結果集計データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の地域に設置された各太陽光発電装置と通信手段を介して接続された気象情報処理装置であって、
前記各太陽光発電装置において測定された所定時刻における気象関連データと、当該気象関連データを送信した各太陽光発電装置の位置情報とを受信する気象関連データ受信手段と、
前記気象関連データ受信手段により受信された前記気象関連データと位置情報に基づき、所定時刻における気象状況データを作成して出力する気象状況作成出力手段と、
前記気象状況作成出力手段により作成された前記気象状況データに基づき予想天気データを作成する予想天気データ作成手段と、
前記気象状況作成出力手段により出力された前記気象状況データを、通信手段を介してユーザ端末に送信する気象状況データ送信手段と、
前記ユーザ端末に送信された気象状況データに基づきユーザが作成して当該ユーザ端末から送信されるユーザ予想データを受信するユーザ予想データ受信手段と、
前記ユーザ予想データ受信手段により受信された前記ユーザ予想データを、前記予想天気データ作成手段により作成した予想天気データと比較し、前記ユーザ予想データを添削するユーザ予想データ添削手段と、
前記ユーザ予想データ添削手段により得られた添削結果情報を、前記ユーザ端末に送信する添削結果情報送信手段と
を具備する気象情報処理装置。
【請求項2】
前記気象状況作成出力手段が、前記気象状況データを時系列に複数作成し、前記気象状況データ送信手段は、この複数作成された気象状況データを前記ユーザ端末に送信するものである請求項1記載の気象情報処理装置。
【請求項3】
前記気象関連データ受信手段により受信される、前記太陽光発電装置において測定される所定時刻における気象関連データが、当該太陽光発電装置の発電データを含み、前記気象状況作成出力手段が、当該発電データから日照データを求める日照データ算出手段を備える請求項1記載の気象情報処理装置。
【請求項4】
複数の地域に設置された各太陽光発電装置と通信手段を介して接続されたコンピュータから構成される気象情報処理装置に導入されるコンピュータプログラムであって、
前記各太陽光発電装置において測定された所定時刻における気象関連データと、当該気象関連データを送信した各太陽光発電装置の位置情報とを受信する気象関連データ受信手段と、
前記気象関連データ受信手段により受信された前記気象関連データと位置情報に基づき、所定時刻における気象状況データを作成して出力する気象状況作成出力手段と、
前記気象状況作成出力手段により作成された前記気象状況データに基づき予想天気データを作成する予想天気データ作成手段と、
前記気象状況作成出力手段により出力された前記気象状況データを、通信手段を介してユーザ端末に送信する気象状況データ送信手段と、
前記ユーザ端末に送信された気象状況データに基づきユーザが作成して当該ユーザ端末から送信されるユーザ予想データを受信するユーザ予想データ受信手段と、
前記ユーザ予想データ受信手段により受信された前記ユーザ予想データを、前記予想天気データ作成手段により作成した予想天気データと比較し、前記ユーザ予想データを添削するユーザ予想データ添削手段と、
前記ユーザ予想データ添削手段により得られた添削結果情報を、前記ユーザ端末に送信する添削結果情報送信手段と
を具備するコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記気象状況作成出力手段が、前記気象状況データを時系列に複数作成し、前記気象状況データ送信手段は、この複数作成された気象状況データを前記ユーザ端末に送信するものである請求項4記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記気象関連データ受信手段により受信される、前記太陽光発電装置において測定される所定時刻における気象関連データが、当該太陽光発電装置の発電データを含み、前記気象状況作成出力手段が、当該発電データから日照データを求める日照データ算出手段を備える請求項4記載のコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate