説明

水クラスターを用いた除電方法及びその装置

【課題】長期にわたって電極が汚れず、また濡れずに安定して前記微粒子に電荷を与えるこができるとともに高湿度エアーを帯電物に吹き付けることにより確実に帯電物の静電気を消去する。
【解決手段】高湿度エアー発生装置1において、相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作り、これをノズル装置7に誘導し、当該ノズル装置7は高湿度エアーが通過する通路にオリフィス8が設けられ、当該オリフィス8の最小径部に穿った孔9内に針状電極10が設けられ、当該電極10に印加された高電圧を放電させ、かつ前記孔9を通して外部より空気が通路内に吸引され、前記放電により前記高湿度エアーの多数の微粒子にプラス又はマイナスの電荷を与え、これらの電荷を付与された微粒子が相互に吸引されて多数の電荷集合クラスターとなり、これらを帯電物に吹き付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、除電方法及び装置に係り、特に、水溶液からなる均一なクラスター又はミストを含んだ高湿度エアーを発生させ、これをノズル装置に導き、当該ノズル装置内で前記クラスター又はミストに電荷を与え、プラス、マイナスの電荷を有する多数の分子的クラスターを含む高湿度エアーを帯電物に吹き付け、帯電物を除電する方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体や液晶ディスプレイなどの生産、組み立て環境においては、ESDによる静電気破壊や静電気による埃の付着などが発生するため製品から静電気を除去することが要求されている。そのため、除電装置としてイオナイザーが広く使用されている。例えば、コロナ放電によるイオナイザーは電極に高電圧を印加して放電針からのコロナ放電によりイオンを発生させ、このイオンを帯電物に送って、帯電物の電荷を逆極性のイオンで中和するようになっている。
【0003】
しかしながら、前記イオナイザーのように高圧放電によるだけの場合、尖端電極から放電させると電気力線の影響を受けて周辺の埃が寄せつけられて電極に付着する。そして電極に付着した埃等の空気中の物質が酸化物となって、放電により飛び散ることがあり、周囲の帯電物を汚す恐れがある。
【0004】
上記の問題点を解決するため、特許文献1に示すように、水溶液から成る微粒子を発生させて、これをノズル装置に導き、当該ノズル装置内で微粒子に電荷を与え、当該荷電された微粒子を帯電物に吹き付け、帯電物を除電する装置が開発された。
【0005】
この場合、電極はノズル装置の、水の微粒子が通過する面に曝されており、これらの微粒子によって電極が濡れてしまい放電できなくなるおそれがある。
【0006】
【特許文献1】特許第3895959号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、水溶液から成る分子的クラスター又はミストに電荷を与える電極が、前記クラスターに濡れない構成にすることにより、長期にわたって電極が汚れず、また、濡れずに安定して前記分子的クラスター又はミストに電荷を与えることができるとともに、荷電された水の分子的クラスターを帯電物に当て、静電誘導的に帯電物の静電気を消去する除電方法及び装置を提供して前記課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、高湿度エアー発生装置において、多数の水の微粒子を含んだ、相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作り、これをノズル装置に誘導し、当該ノズル装置は高湿度エアーが通過する通路にオリフィスが設けられ、当該オリフィスの最小径部に二つの電極及び吸気孔を設け、高電圧発生装置から高電圧が当該二つの電極に印加されてこれらの電極の間で放電を発生させ、かつ前記高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より空気が通路内に吸引され、前記放電により当該ノズル装置の通路を通過した前記高湿度エアーの多数の水の微粒子にプラス又はマイナスの電荷を与え、これらの多数の荷電された水の微粒子を含む高湿度エアーを帯電物に吹き付ける、除電方法とした。
【0009】
また、請求項2の発明は、高湿度エアー発生装置において、水によりミストを発生させて、これらのミストを含んだ、相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作り、これをノズル装置に誘導し、当該ノズル装置は高湿度エアーが通過する通路にオリフィスが設けられ、当該オリフィスの最小径部に二つの電極及び吸気孔を設け、高電圧発生装置から高電圧が当該二つの電極に印加されてこれらの電極の間で放電を発生させ、かつ前記高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より温風が通路内に吸引され、前記放電により当該ノズル装置の通路を通過した前記高湿度エアーの多数のミストにプラス又はマイナスの電荷を与え、これらの多数の荷電されたミストの水分が前記吸気孔から通路内に吸引された温風により気化し、より小径の微粒子となり、高濃度に荷電された高湿度エアーを帯電物に吹き付ける、除電方法とした。
【0010】
また、請求項3の発明は、前記高湿度エアー発生装置において使用する水に、炭酸ガス又は炭酸アンモニウム、その他の電解質の一つ又は複数を溶かした、請求項1又は2に記載の除電方法とした。
【0011】
また、請求項4の発明は、前記高湿度エアー発生装置において使用する空気に炭酸ガスを含ませた、請求項1又は2のいずれかに記載の除電方法とした。
【0012】
また、請求項5の発明は、前記高湿度エアー発生装置において使用する水に、界面活性剤を主体とした帯電防止剤を含ませた、請求項1〜4のいずれかに記載の除電方法とした。
【0013】
また、請求項6の発明は、前記ノズル装置において高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より通路内に吸引される空気に炭酸ガスを含ませ、前記高湿度エアーの中の水の微粒子に炭酸ガス又は炭酸アンモニウムを溶解させる、請求項1、2又は5のいずれかに記載の除電方法とした。
【0014】
また、請求項7の発明は、前記ノズル装置において高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より通路内に吸引される、温風に炭酸ガスを含ませ、前記高湿度エアーの中のミストの粒子に炭酸ガス又は炭酸アンモニウムを溶解させる、請求項2又は5に記載の除電方法とした。
【0015】
また、請求項8の発明は、前記相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーは、6〜12HOのクラスターを含んだ空気である、請求項1又は3に記載の除電方法とした。
【0016】
請求項9の発明は、高湿度エアー発生装置において、送風により空気を水に当てて、前記高湿度エアーを作り、これをノズル装置に誘導し、当該ノズル装置は高湿度エアーが通過する通路にオリフィスが設けられ、当該オリフィスの最小径部に二つの電極及び吸気孔を設け、高電圧発生装置から高電圧が当該二つの電極に印加されてこれらの電極の間で放電を発生させ、かつ前記高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より空気が通路内に吸引され、前記放電により当該ノズル装置の通路を通過した前記高湿度エアーの多数の分子的クラスターにプラス又はマイナスの電荷を与え、これらの多数の荷電された分子的クラスターの一部が相互に吸引し合い大きな電荷集合クラスターとなり、これらの電荷集合クラスターを含む高湿度エアーを帯電物に吹き付ける、請求項8に記載の除電方法とした。
【0017】
また、請求項10の発明は、高湿度エアー発生装置とこの装置から供給され高湿度エアーに含まれる多数の水の微粒子に電荷を与えて帯電物に噴霧するノズル装置とから成り、前記高湿度エアー発生装置は、送風により空気を水に当てて、相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作る装置であり、前記ノズル装置は高湿度エアーが通過する通路にオリフィスが設けられ、当該オリフィスの最小径部に二つの電極及び吸気孔を設け、前記二つの電極は高電圧発生装置からの高電圧が印加されてこれらの間で放電を発生させ、また、前記吸気孔を通して外部より気体を通路内に吸引し、前記放電により、当該ノズル装置の通路を通過した前記高湿度エアーの多数の水の微粒子にプラス又はマイナスの電荷を与え、これらの多数の荷電された水の微粒子を含む高湿度エアーを帯電物に吹き付ける構成とした、除電装置とした。
【0018】
また、請求項11の発明は、高湿度エアー発生装置とこの装置から供給され高湿度エアーに含まれる多数の水の微粒子に電荷を与えて帯電物に噴霧するノズル装置とから成り、前記高湿度エアー発生装置は、水によりミストを発生させて、これらのミストを含んだ相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作る装置であり、装置本体内に、ミストノズルで発生したミストを移送するミスト移送室を設け、このミスト移送室の側板外周を略包むようにエアー通路を設け、また、前記ミスト移送室及びエアー通路に装置本体の外部のエアーを送るブロアーと当該ブロアーにより送られる空気を暖めるヒーターとを備え、当該ヒーターにより暖められた温風により前記ミスト移送室内のミストを前記ノズル装置に送り、当該移送中に、ミストの水の微粒子が前記温風により小さくなり、また、前記エアー通路を通った温風は、前記ノズル装置の吸気孔から通路内に吸引され、当該温風により荷電された水の微粒子がさらに小さくなる構成としたことを特徴とする、請求項10に記載の除電装置とした。
【0019】
また、請求項12の発明は、前記オリフィスの最小径部に設けた二つの電極は、一つは前記吸気孔内に設け、他は当該吸気孔の内周縁に設けた、請求項10又は11に記載の除電装置とした。
【0020】
また、請求項13の発明は、前記オリフィスの最小径部に複数の孔及び複数の電極を設けた、請求項10、11又は12のいずれか記載の除電装置とした。
【0021】
また、請求項14の発明は、前記オリフィスの内周に設けた複数の電極は、プラス、マイナスの極性が順次変化する構成とした、請求項13に記載の除電装置とした。
【発明の効果】
【0022】
請求項1、2、9、10及び11の発明によれば、ノズル装置のオリフィス内の電極は、水の微粒子に晒されているが、この水の微粒子を含んだ高湿度エアーはオリフィス内を高速で通過し、当該オリフィス内は負圧となり、そこに、吸気孔を通って外部から空気が入るため、電極は水の微粒子が付着せず、濡れない。従って、長期にわたって安定して除電をすることが出来る。
【0023】
また、請求項8及び9の発明では、高湿度エアー発生装置において、水に空気を当てて、6〜12HOのクラスターを含んだ、相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作り、この高湿度エアーの多数の分子的クラスターに、ノズル装置のオリフィス箇所に設けた電極の放電によって、プラス又はマイナスの電荷を与え、電荷を与えられた分子的クラスターの一部は相互に吸引し合い、これらが繰り返されて電荷集合クラスターとなる。この電荷集合クラスターは外周に電気力線が出ておらず、従って、これらの各電荷集合クラスターは相互に干渉せず、それ故、ブロアー等で遠くに搬送することができる。また、各電荷集合クラスターの内部は電荷量を高めたプラス、マイナスの電荷が貯まっている。これらの電荷集合クラスターが帯電物に吹き付けられると、帯電物に当たった衝撃で、各電荷集合クラスターはプラス又はマイナスの電荷を有する分子的クラスターに分裂し、前記帯電物のプラス又はマイナスの電荷にはこれと逆極性の電荷を有する分子的クラスターが付着し静電誘導により電気力線のループができる。しかし、付着したクラスラーは瞬時に蒸発し電荷がなくなると、これと静電誘導的にバランスを保って帯電物の電荷も消去され、帯電物の静電気が瞬時にかつ確実に除去される。
【0024】
また、請求項2及び11の発明では、高湿度エアー発生装置において、水からミストを発生させ、このミストを含む、相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作り、この高湿度エアーの多数のミストに、ノズル装置のオリフィス箇所に設けた電極の放電によって、プラス又はマイナスの電荷を与え、これらの多数のミストの水分が前記吸気孔から通路内に吸引された温風により気化し、より小径の微粒子となり、高濃度に荷電された水の微粒子を含む高湿度エアーとなる。この様に、ミストの水分が気化することにより、より小径の微粒子となるが、体積が小さくなるのに比べ表面積の割合は大きくなるので、電荷量は飛躍的に大きくなる。これらの荷電されたミストを含む高湿度エアーが帯電物に吹き付けられると、前記帯電物のプラス又はマイナスの電荷にはこれと逆極性の電荷を有するミストが付着し、静電誘導により電気力線のループができる。しかし、付着したミストは瞬時に蒸発し電荷がなくなると、これと静電誘導的にバランスを保って帯電物の電荷も消去され、帯電物の静電気が瞬時にかつ確実に除去される。
【0025】
また、請求項11の発明によれば、ミスト移送室及びこれにつづくノズル装置の通路内で、通過中のミストに対して、温風を又は高温雰囲気下において、ミストの水の微粒子を小さくし、さらに、ノズル装置の通路内で荷電されたミストの微粒子に、吸気孔から吸引された温風を当てて、当該水の微粒子をより
小さくすることができ、ミストの微細化を意図的に促進させることにより、装置の小型化が可能となる。
【0026】
また、請求項3、4、6及び7の発明は、前記電荷を与えられた高湿度エアー又はミストは炭酸イオン又は他の電解質イオンと水素イオンに解離したクラスターの働きで、除電容量を大きくさせることができ、帯電物に吹き付けられると衝突した衝撃で、各分子的クラスターの水分が瞬時に蒸発し、中に溶けていた炭酸ガス、その他の電解質は気化する。その際炭酸ガス、その他の電解質の気化により炭酸ガス等の体積が膨張し、超音波振動が発生し、この超音波振動により帯電物表面に付着している塵埃等の微粒子は上下震動により表面から浮くため、隠れていた電気力線が現われ、上述のように電荷を有する分子的クラスターにより、静電気を消去し、除電を可能にする。このようにより確実な除電ができるとともに、前記超音波振動により帯電物の表面の除塵等の洗浄効果が発生する。
【0027】
また、請求項5の発明は、前記高湿度エアー発生装置において使用する水に、界面活性剤を主体とした帯電防止剤を含ませているため、電荷集合クラスター又は荷電した分子的クラスターを含む高湿度エアーを帯電物に吹き付け帯電物に吹き付けた際、水分は蒸発するが、帯電防止剤は帯電物に付着し、帯電物は除電されるだけではなく、帯電防止効果を有する。
【0028】
また、請求項13の発明は、複数の電極を極性の異なるものとし、これらの電極間で放電させることが出来るため、より多くのクラスターに確実に電荷を与えることができ、除電能力が向上する。
【0029】
また、請求項14の発明においては、前記複数の電極の極性が順次変化するため、より多くの分子的クタスターに電荷を与えることが出来るとともに、これらの分子的クラスターが活発に結合し合い、多数の電荷クラスターを発生させることができ、除電能力が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
この発明は、高湿度エアー発生装置において、水に送風により空気を当てて、6〜12HOの分子的クラスターを含んだ、相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作り、これをノズル装置に誘導し、当該ノズル装置は高湿度エアーが通過する通路にオリフィスが設けられ、当該オリフィスの最小径部に穿った吸気孔内に当該吸気孔の内周縁から離れた電極が設けられ、当該電極に、高電圧発生装置から高電圧が印加され、前記吸気孔の内周縁を接地した異極の電極との間で放電を発生させ、かつ前記吸気孔を通して外部より空気等の気体が通路内に吸引され、前記放電により当該ノズル装置の通路を通過した前記高湿度エアーの多数の分子的クラスターにプラス又はマイナスの電荷が与えられ、これらの多数の分子的クラスターの一部は相互に結合して大きな電荷集合クラスターとなり、これらの電荷集合クラスターを含む高湿度エアーを帯電物に吹き付ける除電方法とした。
【実施例1】
【0031】
以下、この発明の実施例を図に付いて説明する。
図1はこの発明の装置の概略構成を示し、図2はこの発明の装置の一部のノズル装置を示す。高湿度エアー発生装置1は下部にタンク1aを設けており、この中に純水を入れてある。また、このタンク1aには炭酸ガスボンベ2から炭酸ガスが注入可能となっている。また、この高湿度エアー発生装置1にはフィルター付きブロアー3からクリーンな空気が供給される。そして前記タンク1a内の純水を、ろ過フィルター4及び循環水ポンプ5を介して汲み上げて、高湿度エアー発生装置1内で前記空気に吹き付けることにより、当該高湿度エアー発生装置1内で高湿度エアー、即ち、6〜12HOの分子的クラスターを含んだ、水が40g以上/1mの過飽和状態の空気が生じる。
【0032】
この高湿度エアーを、パイプ6を通して除電ノズル装置7に導入する。除電ノズル装置7は高湿度エアーが通る通路7aを有し、その先端から高湿度エアーが外部に噴霧される。この通路7aにおいて当該通路7aの内径が狭くなったオリフィス8を有しており、そのオリフィス8の内径の一番狭くなった所に孔9を穿っている。この孔9には、当該孔9の内周縁から離れて針状電極10が設けられ、別途設けた高電圧発生器11からシールド線12を介して当該除電ノズル装置7の前記針状電極10に高電圧が印加される構成となっている。また、この針状電極10は接地されている。前記高電圧発生装置11で発生する高電圧は500V以上を要し、一般的には1500〜6000Vで使用している。また、当該高電圧は、交流でも直流でもよく、ノコギリ波、矩形のパルス電圧でもよい。
【0033】
また、前記孔9の周囲は異極の電極13となっており、この電極13は接地されている。これらの針状電極10と電極13との間で放電が行われ、当該オリフィス8を通過した高湿度エアーの分子的クラスターに電荷が与えられる。また、前記孔9に面して中空室14が設けられ、当該中空室14には外部の空気が常時誘導されている。前記オリフィス8内の最小内径部は、高湿度エアーの流れが一旦せき止められて解放されるため、負圧となっており、そこで前記針状電極10の周囲の孔9から前記中空室14内の空気がオリフィス8内に吸引される。これにより前記針状電極10の周囲は絶縁が保持される。
【0034】
そして、上記放電によりプラス又はマイナスの電荷を付与された各分子的クラスターの一部は、異極性同士が吸引し合いより大きな電荷集合クラスターに成長しながら電荷量を増大しつつノズル装置より放出される。この電荷集合クラスターは外部に電気力線が出ていないが、内部は大量にプラス、マイナスの電荷が貯まっている。この電荷集合クラスターの大きさは、0.1ミクロン以下のため、クリーンルーム内においても使用が可能である。
【0035】
この様に内部にプラス、マイナスの電荷をためた電荷集合クラスターは、被処理物である帯電物Mに当たるとプラス又はマイナスの電荷を有する多数の分子的クラスターに分裂し、前記帯電物Mのプラス又はマイナスの電荷に、これと逆極性の電荷を有する分子的クラスターが付着し、静電誘導により電気力線のループができる。しかし、付着したクラスターは瞬時に蒸発し電荷がなくなると、これと静電誘導的にバランスを保って帯電物の電荷も消去され、帯電物Mの静電気が瞬時にかつ確実に除去される。
【0036】
さらに除電効果を高める方法として、前記炭酸ガスボンベ2から炭酸ガスを前記高湿度エアー発生装置1のタンク1aに注入し、前記純水に炭酸ガスを溶解し、炭酸水を用いることにより、前記放電により重炭酸イオンと水素イオンに解離した分子的クラスターの働きで除電容量を増大させることができる。また、前記中空室14に前記炭酸ガスボンベ2から炭酸ガスを供給する構成とした場合、針状電極10の周囲の孔9からオリフィス8内に炭酸ガスが吸引され、針状電極10の絶縁が保持されるとともに、水クラスターへのイオン補給も兼ねることができる。
【0037】
そして、ノズル装置7からの放出時に大きな電荷集合クラスターに成長した重炭酸イオン含有の水クラスターは被処理物である帯電物M表面に衝突した衝撃で電荷を有する多数の分子的クラスターに分裂する。そして、各分子的クラスターの水分が瞬時に蒸発し、中に溶けていた炭酸ガスは気化する。その際炭酸ガスの気化により炭酸ガスの体積が膨張し、超音波振動が発生し、この超音波振動により帯電物表面に付着している塵埃等の微粒子は上下震動により表面から浮くため、隠れていた電気力線が現われ、上述のように電荷を有する分子的クラスターにより、静電気を消去し、除電を可能にする。このことは、不可能であった、隠れている静電気の除電を可能にしたこととなる。帯電している微細な塵埃は帯電物表面に付着することにより、静電誘導により電気力線のループを形成し、静電気を隠してしまう。この隠れている静電気の除電とともに帯電物の表面の塵挨等の除去によるクリーン化を可能にした。
【0038】
図3及び図4は前記高湿度エアー発生装置1の一具体例を示し、図3は一部断面側面図、図4は一部断面平面図である。
高湿度エアー発生装置1は上述のようにタンク1aを下部に有し、上部はサイクロン1bとなっている。前記フィルター付きブロアー3からのクリーンなエアーが前記サイクロン1bの上部に導かれる。一方前記タンク1aに入っている純水はろ過フィルター4及び循環水ポンプ5を介して汲み上げられ、前記サイクロン1bの上面に設けた扁平な部屋15に注入され、当該扁平な部屋の下面の多数の小孔15a(図4参照。図4では小孔15aの一部が描かれ、他は省略している)からサイクロン1bの中に滴下され、前記エアーに巻き込まれ、渦を巻いて下方に落ちていく。そして大きい水の粒子は漏斗1cからタンク1aに落ち、上記6〜12HOの分子的クラスターを含んだ、水が40g以上/1mの過飽和状態の空気である高湿度エアーのみが中央の小径筒部1dの下端開口部から入って上方に上がって外部に導出される。
【0039】
また、図5及び6は、前記高湿度エアー発生装置1の他の具体例を示し、図5は一部断面側面図、図6は一部断面平面図である。
高湿度エアー発生装置1は上述のようにタンク1aを下部に有し、上部はサイクロン1bとなっている。前記フィルター付きブロアー3からのクリーンなエアーが前記サイクロン1bの上部に導かれる。一方前記タンク1aに入っている純水はろ過フィルター4及び循環水ポンプ5を介して汲み上げられ、前記サイクロン1bの上部内側面に設けた内周室16に注入され、当該内周室16の内周壁に設けた多数の小孔16a(図5参照)からサイクロン1bの中に噴霧され、前記エアーに巻き込まれ、渦を巻いて下方に落ちていく。そして大きい水の粒子は漏斗1cからタンク1aに落ち、上記6〜12HOの分子的クラスターを含んだ、水が40g以上/1mの過飽和状態の空気である高湿度エアーのみが中央の小径筒部1dの下端開口部から入って上方に上がり外部に導出される。
【実施例2】
【0040】
また、この発明の実施例2を図7、図8及び図9に基づいて説明する。
図7は装置本体の縦断面側面図、図8は装置本体の高湿度エアー発生装置の下方からみた横断面図、図9は装置本体のノズル装置の概略構成図、図10は装置本体のノズル装置の正面図である。
【0041】
この装置本体21は縦長の箱型で、下部が高湿度エアー発生装置22、上部がノズル装置23となっている。高湿度エアー発生装置22の最下端部には水を入れるタンク部24が設けられ、当該タンク部24の天井部に、当該タンク部24の上に設けたミスト移送室25の漏斗状になった下部内に突出したミストノズル26が設けられている。このミストノズル26は、前記タンク部24の水をミストにし、前記ミスト移送室25の下部に当該ミストを噴霧するものである。このミストは多数の粒径20〜30μmからなる微粒子で構成され、ミスト移送室25において過飽和状態となる。
【0042】
また、この高湿度エアー発生装置22にはブロアー27が設けられ、装置21の内部に外部エアーを送風している。このエアーは、前記ミスト移送室25の漏斗状になった下部に穿った孔25a(図8を参照)から当該ミスト移送室25内に一部が入り、他は前記装置本体21の外壁内周とミスト移送室25の側板外周との間に設けたエアー通路28を通り、後述のノズル装置23の吸気孔31に入る構成となっている。また、当該エアーの一部は前記ミスト移送室25のパンチングメタルから成る側板の多数の小孔からミスト移送室25の内部に入る。また、前記装置21内にはヒーター29が設けられ、前記外部エアーがこのヒーター29で温められ、エアーは温度調節される。
【0043】
また、前記ノズル装置23は前記実施例1と略同じ構造になっており、前記ミスト移送室25から繋がっているミストの通路にオリフィス30が設けられ、当該オリフィス30に吸気孔31が設けられ、この吸気孔31内に一方の電極32が設けられている。また、他方の電極は当該吸気孔31の周縁である。そして、これらの対の電極は、図10に示すように、複数対設けられている。これらの対の電極で高圧放電する。
【0044】
そして、前記ミストノズル26で発生したミストを含むエアーはミスト移送室25内を上昇するが、前記ブロアー27とヒーター29による温風がミスト移送室25の下部の孔25aからミスト移送室25内に入り、側壁の内周を渦を巻くように上昇するため、前記ミストを含むエアーは前記温風で包み込まれ、過飽和状態の微粒化したミストとなる。この様にすると、過飽和状態のミストの液化を防ぐことができる。
【0045】
また、前記ノズル装置23では、ミストを含むエアーが通路となっているオリフィス30を通り、電極32と吸気孔31の電極の高圧放電により過飽和状態のミストの粒子を荷電する。そしてプラス、マイナスに荷電されたミストの粒子の一部は相互に吸引し合い大きな電荷集合ミストとなり、これらの多数の電荷集合ミストの水分が、前記吸気孔31から通路内に吸引された温風により気化し、小径の微粒子となり、高濃度に荷電された、6〜12HOの分子的クラスターを含む高湿度エアーとなって、帯電物に吹き付ける。そして、荷電された分子的クラスターにより、前記実施例1と同様に、帯電物の電荷は除電される。
【0046】
また、上記実施例1及び実施例2の二つの電極による放電は、高圧放電であり、火花放電ではない。従って、オゾン等の有害な活性物が生じない。
【0047】
また、二つの電極の態様について、上記実施例1では、ノズル装置7のオリフィス8に一個の孔9及び針状電極10を設けたが、これに限らず、複数個の孔9及び針状電極10を設けることも可能である。この場合、各針状電極10の極性を異にし、これらの針状電極10間で放電させることもできる。さらに、上記複数の針状電極の極性を順次変化させ、プラス、マイナスの極性が回転するようにすることもできる。このようにすると、通過する高湿度エアーのクラスターにより確実に電荷を与えることができる。
【0048】
またさらに、図11に示すように、二つの環状電極33を設け、オリフィスの内周に設けられた環状溝34の両端内部に二つ対向して設け、これらの二つの環状電極33の間の環状溝34の内周に、間隔を開けて吸気孔35を複数設けても良い。この場合、放電はこれら対向した二つの電極33の間で行われ、勿論前記環状溝34及びその周囲は絶縁物で構成されている。この様に、電極は種々の態様が考えられ、実施例1のもの、実施例2のもの、図11のものに限らず、他の態様のものでもよい。
【0049】
また、上記実施例1では、高湿度エアー発生装置1において、水が40g以上/1mの過飽和状態の空気の高湿度エアーを作っているが、これに限らず、相対湿度50%以上の空気を高湿度エアーとしてもよい。
【0050】
また、上記実施例1では、炭酸ガスを高湿度エアーの水に添加して溶かすため、前記タンク1aに炭酸ガスボンベ2から炭酸ガスを注入する方法、及び、炭酸ガスボンベ2から前記ノズル装置の中空室14に炭酸ガスを注入し、当該中空室14の孔9から、オリフィス8内に炭酸ガスを吸引する方法が採られているが、これらに限らず、前記フィルター付きブロアー3から供給するクリーンな空気に炭酸ガスを混入し、純水に当該炭酸ガスを溶かす方法としてもよい。また、炭酸ガスを中空室14からオリフィス8内に吸引する方法において、炭酸ガスに不活性ガスを混ぜることもできる。さらに、前記実施例1では炭酸ガスを添加する場合を説明したが、炭酸アンモニウム、その他の電解質を添加するとより除電効果が高い。
【0051】
また、上記実施例1、2において、ノズル装置にいて、吸気孔7又は31からの吸引されたエアーの圧力を高くし、帯電物に当該エアーを強く当てることにより、帯電物表面の、除電された塵や埃を容易に吹き飛ばすことができ、除電に加え除塵も同時に行える。
【0052】
さらに、この発明で使用するノズルとしては、液に圧力を加えて小孔から無化する一流体ノズルでも、液に高圧エアーを吹付けて無化する二流体ノズルでも使用できるが、不純物が入らない一流体ノズルの方が好ましい。
【0053】
最後に、この発明の荷電された水の微粒子を帯電物に噴霧する場合と、荷電されない水の微粒子を帯電物に噴霧した場合における帯電物の静電気消去時間を測定する実験を行った。
【0054】
実験は、図12に示すように、温度20〜22°C、湿度65〜70%RHの室内に、この発明の前記ノズル装置を置き、前記ノズル装置の送風域で、当該ノズル装置から30cm離れた正面に、樹脂板(ポリカーボネイト)を斜め上に向けて設置し、電圧センサを樹脂板の表面を測るように設置させ、前記樹脂板を乾いた筆で擦って約8kVに帯電させ、これを本発明のノズル装置にて除電する。前記水の微粒子に放電により荷電させる場合、放電は7kVの電圧を印加した。
【0055】
その結果、図13の1)に示すように、この発明の方法で行った場合、8kVの電圧は約3秒で0Vに減衰した。一方、水の微粒子の場合、図13の2)に示すように、8kVの電圧が0Vに減衰するために約40秒かかった。この様に、水の微粒子を荷電させると、除電が極めて速やかに行われることが実証された。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】この発明の実施例1の装置の概略構成図ある。
【図2】この発明の実施例1のノズル装置の概略構成を示し、(A)図はその正面図、(B)図はその側面図である。
【図3】この発明の実施例1の高湿度エアー発生装置の具体例を示す一部断面側面図である。
【図4】この発明の実施例1の高湿度エアー発生装置の具体例を示す一部断面平面図である。
【図5】この発明の実施例1の高湿度エアー発生装置の他の具体例を示す一部断面側面図である。
【図6】この発明の実施例1の高湿度エアー発生装置の他の具体例を示す一部断面平面図である。
【図7】この発明の実施例2の装置本体を示す縦断面側面図である。
【図8】この発明の実施例2の装置本体の高湿度エアー発生装置の下方からみた横断面図である。
【図9】この発明の実施例2の装置本体のノズル装置の拡大縦断面側面図である。
【図10】この発明の実施例2の装置本体のイズル装置の正面図である。
【図11】この発明のノズル装置の電極の他の例を示す縦断面側面図である。
【図12】この発明による除電時間の測定の実験装置を示す概略構成図である。
【図13】この発明の荷電された水の微粒子の噴霧による除電時間と荷電されない水の微粒子の噴霧による除電時間の各実験結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0057】
1 高湿度エアー発生装置 1a タンク
1b サイクロン部 1c 漏斗部
1d 小径筒 2 ガスボンベ
3 フィルター付きブロアー 4 フィルター
5 ポンプ 6 パイプ
7 ノズル装置 8 オリフィス
9 吸気孔 10 針状電極
11 高電圧発生器 12 シールド線
13 電極 14 中空室
15 扁平な部屋 16 内周室
21 装置本体 22 高湿度エアー発生装置
23 ノズル装置 24 タンク部
25 ミスト移送室 26 ミストノズル
27 ブロアー 28 エアー通路
29 ヒーター 30 オリフィス
31 吸気孔 32 電極
33 環状電極 34 環状溝
35 吸気孔


【特許請求の範囲】
【請求項1】
高湿度エアー発生装置において、多数の水の微粒子を含んだ、相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作り、
これをノズル装置に誘導し、当該ノズル装置は高湿度エアーが通過する通路にオリフィスが設けられ、当該オリフィスの最小径部に二つの電極及び吸気孔を設け、高電圧発生装置から高電圧が当該二つの電極に印加されてこれらの電極の間で放電を発生させ、かつ前記高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より空気が通路内に吸引され、
前記放電により当該ノズル装置の通路を通過した前記高湿度エアーの多数の水の微粒子にプラス又はマイナスの電荷を与え、これらの多数の荷電された水の微粒子を含む高湿度エアーを帯電物に吹き付けることを特徴とする、除電方法。
【請求項2】
高湿度エアー発生装置において、水によりミストを発生させて、これらのミストを含んだ、相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作り、
これをノズル装置に誘導し、当該ノズル装置は高湿度エアーが通過する通路にオリフィスが設けられ、当該オリフィスの最小径部に二つの電極及び吸気孔を設け、高電圧発生装置から高電圧が当該二つの電極に印加されてこれらの電極の間で放電を発生させ、かつ前記高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より温風が通路内に吸引され、
前記放電により当該ノズル装置の通路を通過した前記高湿度エアーの多数のミストにプラス又はマイナスの電荷を与え、これらの多数の荷電されたミストの水分が前記吸気孔から通路内に吸引された温風により気化し、より小径の微粒子となって高濃度に荷電された高湿度エアーを帯電物に吹き付けることを特徴とする、除電方法。
【請求項3】
前記高湿度エアー発生装置において使用する水に、炭酸ガス又は炭酸アンモニウム、その他の電解質の一つ又は複数を溶かしたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の除電方法。
【請求項4】
前記高湿度エアー発生装置において使用する空気に炭酸ガスを含ませたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の除電方法。
【請求項5】
前記高湿度エアー発生装置において使用する水に、界面活性剤を主体とした帯電防止剤を含ませたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の除電方法。
【請求項6】
前記ノズル装置において高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より通路内に吸引される空気に炭酸ガスを含ませ、前記高湿度エアーの中の水の微粒子に炭酸ガス又は炭酸アンモニウムを溶解させることを特徴とする、請求項1、2又は5のいずれかに記載の除電方法。
【請求項7】
前記ノズル装置において高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より通路内に吸引される温風に炭酸ガスを含ませ、前記高湿度エアーの中のミストの粒子に炭酸ガス又は炭酸アンモニウムを溶解させることを特徴とする、請求項2又は5に記載の除電方法。
【請求項8】
前記相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーは、6〜12HOの分子的クラスターを含んだ空気であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の除電方法。
【請求項9】
高湿度エアー発生装置において、送風により空気を水に当てて、前記高湿度エアーを作り、
これをノズル装置に誘導し、当該ノズル装置は高湿度エアーが通過する通路にオリフィスが設けられ、当該オリフィスの最小径部に二つの電極及び吸気孔を設け、高電圧発生装置から高電圧が当該二つの電極に印加されてこれらの電極の間で放電を発生させ、かつ前記高湿度エアーの通過に伴って前記吸気孔を通して外部より空気が通路内に吸引され、
前記放電により当該ノズル装置の通路を通過した前記高湿度エアーの多数の分子的クラスターにプラス又はマイナスの電荷を与え、これらの多数の荷電された分子的クラスターの一部が相互に吸引し合い大きな電荷集合クラスターとなり、これらの電荷集合クラスターを含む高湿度エアーを帯電物に吹き付けることを特徴とする、請求項8に記載の除電方法。
【請求項10】
高湿度エアー発生装置とこの装置から供給され高湿度エアーに含まれる多数の水の微粒子に電荷を与えて帯電物に噴霧するノズル装置とから成り、
前記高湿度エアー発生装置は、送風により空気を水に当てて相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーが作られる装置であり、
前記ノズル装置は高湿度エアーが通過する通路にオリフィスが設けられ、当該オリフィスの最小径部に二つの電極及び吸気孔が設けられ、前記二つの電極は高電圧発生装置からの高電圧が印加されてこれらの間で放電を発生させ、また、前記高湿度エアーの通過により前記吸気孔を通して外部より気体が通路内に吸引され、
前記放電により、当該ノズル装置の通路を通過した前記高湿度エアーの多数の水の微粒子にプラス又はマイナスの電荷が与えられ、これらの多数の荷電された水の微粒子を含む高湿度エアーを帯電物に吹き付ける構成としたことを特徴とする、除電装置。
【請求項11】
高湿度エアー発生装置とこの装置から供給され高湿度エアーに含まれる多数の水の微粒子に電荷を与えて帯電物に噴霧するノズル装置とから成り、
前記高湿度エアー発生装置は、水によりミストを発生させて、これらのミストを含んだ相対湿度50%以上の空気である高湿度エアーを作る装置であり、
装置本体内に、ミストノズルで発生したミストを移送するミスト移送室を設け、このミスト移送室の側板外周を略包むようにエアー通路を設け、また、前記ミスト移送室及びエアー通路に装置本体の外部のエアーを送るブロアーと当該ブロアーにより送られる空気を暖めるヒーターとを備え、当該ヒーターにより暖められた温風により前記ミスト移送室内のミストを前記ノズル装置に送り、当該移送中に、ミストの水の微粒子が前記温風により小さくなり、また、前記エアー通路を通った温風は、前記ノズル装置の吸気孔から通路内に吸引され、当該温風により荷電された水の微粒子がさらに小さくなる構成としたことを特徴とする、請求項10に記載の除電装置。
【請求項12】
前記オリフィスの最小径部に設けた二つの電極は、一つは前記吸気孔内に設け、他は当該吸気孔の内周縁に設けたことを特徴とする、請求項10又は11に記載の除電装置。
【請求項13】
前記オリフィスの最小径部に複数の孔及び複数の電極を設けたことを特徴とする、請求項10、11又は12のいずれか記載の除電装置。
【請求項14】
前記オリフィスの内周に設けた複数の電極は、プラス、マイナスの極性が順次変化する構成としたことを特徴とする、請求項13に記載の除電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−64395(P2012−64395A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206756(P2010−206756)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000110217)トッパン・フォームズ株式会社 (989)
【出願人】(508234729)理究株式会社 (8)
【Fターム(参考)】