説明

水ベースのレンズ調製物からシリコーンハイドロゲルレンズを製造するための方法

本明細書において、シリコーンハイドロゲルレンズを製造するための方法を記載する。本方法は、水ベースのレンズ形成組成物を成形用型に注入すること、成形用型中のレンズ形成組成物を硬化してレンズを形成すること、そして、成形用型からレンズを取り出すことを包含する。レンズ形成組成物は、(i)ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマー、(ii)少なくとも1つの親水性ビニルモノマー、(iii)界面活性剤、及び(iv)水を含む。界面活性剤は、化学線重合性基を有さず、そして、約10重量%〜約40重量%の1つ以上のポリシロキサン部分ならびに約90重量%〜約60重量%の親水性ユニット及び/又は部分を有するコポリマーである、ポリシロキサン含有界面活性剤である。本方法は、溶媒として水の使用を可能にし、有機溶媒の必要性を減少させる。さらに、本方法から製造されるレンズは、改良された酸素透過度などの特性を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景技術
近年、高い酸素透過度及び快適性からソフトシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズの人気が高まっている。しかしながら、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを製造するためのレンズ調製物は、一般的に、少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー又はマクロマーを含む。レンズ調製物に使用されるシリコーン含有ビニルモノマー又はマクロマーは非常に多くの疎水性部分を含有することから、硬化させる前に透明な調製物を生成するためには有機溶媒を使用する必要がある。コンタクトレンズを製造する際に、有機溶媒を使用すると多くの問題が生じる。例えば、レンズの製造過程で発生する有機蒸気により安全性の懸念が生じる可能性がある。従って、有機溶媒を使用することなくシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを製造する手順が望まれている。
【0002】
発明の概要
本明細書において、シリコーンハイドロゲルレンズを製造するための方法を記載する。本方法は、水ベースのレンズ形成組成物を成形用型に注入すること、成形用型中のレンズ形成組成物を硬化してレンズを形成すること、そして、成形用型からレンズを取り出すことを包含する。水ベースのレンズ形成組成物は、(i)ポリシロキサン含有ビニルマクロマー、(ii)場合により、親水性ビニルモノマー、(iii)ポリシロキサン含有界面活性剤、及び(iv)水を含む。ポリシロキサン含有界面活性剤は、室温で液体であり、化学線重合性基を有さず(即ち、化学線重合性ではない)、そして、約10重量%〜約40重量%の1つ以上のポリシロキサン部分ならびに約60重量%〜約90重量%の親水性ユニット及び/又は部分を含むコポリマーである。ポリシロキサン含有界面活性剤は、実質的に透明な溶液を生成するために、レンズ形成組成物中に、ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーを水に溶解させるのに十分な量で存在する。本方法は、溶媒として水の使用を可能にし、有機溶媒の必要性を減少させる。本発明の利点は、その一部は本明細書下記で説明し、そして、一部は本明細書から明らかとなるであろうが、もしくは、以下に記載の態様の実施により理解することもできる。以下に記載の利点は、特に添付の特許請求の範囲に指摘する要素及び組み合わせによって実現し、達成されるであろう。前述の一般的記載及び下記の詳細な説明の両方ともが、単に例示及び説明のためのものであって、限定するものではないことを理解されたい。
【0003】
発明の詳細な説明
眼科用レンズ及び方法を開示及び記載する前に、以下に記載の態様が特定の化合物、合成方法又は使用に限定されず、それ自体が当然のことながら変更可能であることを理解されたい。また、本明細書において使用される専門用語が、単に特定の態様を記載するためのものであり、限定するものではないことを理解されたい。
【0004】
以下の本明細書及び特許請求の範囲において、多くの用語を参照するが、これらは下記の意味を有すると定義されるものとする:
【0005】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上そうでないと明確に指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意すべきである。従って、例えば、「モノマー」に関しては、2つ以上のこのようなモノマーの混合物などを含む。
【0006】
「任意の」又は「場合による」は、その後に記載される事象又は状況が起こってもよいが起こらなくてもよいこと、そして、その記載が事象又は状況が起こる場合と事象又は状況が起こらない場合を含むことを意味する。例えば、語句「任意の着色剤」は、着色剤が存在していても存在していなくてもよいことを意味する。
【0007】
特に規定のない限り、本明細書において使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるものと同一の意味を有する。本開示を通して用いられる下記用語は、特に規定のない限り、下記の意味を有すると理解されるものとする。
【0008】
本明細書において使用される用語「アルキル」は、1〜24個の炭素原子の分岐鎖又は非分岐鎖の飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、へキシル、へプチル、オクチル、デシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどである。「低級アルキル」基は、1〜6個の炭素原子を含有するアルキル基である。
【0009】
本明細書において使用される用語「アミノ」は、式−NRR’(式中、R及びR’は、独立して、水素、アルキル基又はアリール基である)を有する。
【0010】
本明細書において使用される用語「アルキレン」は、二価ラジカル炭化水素を指す。
【0011】
本明細書において使用される用語「シクロアルキル」は、少なくとも3個の炭素原子からなる炭素ベースの非芳香族環である。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシルなどが含まれるが、これらに限定されない。用語「ヘテロシクロアルキル基」は、環炭素原子の少なくとも1個が、非限定的に、窒素、酸素、硫黄又はリンなどのヘテロ原子で置換されている上記で定義されるシクロアルキル基である。シクロアルキル基は、置換又は非置換であってもよい。シクロアルキル基は、非限定的に、アルキル、アルキニル、アルケニル、アリール、ハロゲン化物、ニトロ、アミノ、エステル、ケトン、アルデヒド、ヒドロキシ、カルボン酸又はアルコキシを含む1個以上の基で置換されていてもよい。
【0012】
本明細書において使用される用語「アリール」は、非限定的に、ベンゼン、ナフタレンなどを含む任意の炭素ベースの芳香族基である。用語「芳香族」は、また、芳香族基環内に少なくとも1個のヘテロ原子が包含された芳香族基として定義される「ヘテロアリール基」を含む。ヘテロ原子の例には、窒素、酸素、硫黄及びリンが含まれるが、これらに限定されない。アリール基は、置換又は非置換であってもよい。アリール基は、非限定的に、アルキル、アルキニル、アルケニル、アリール、ハロゲン化物、ニトロ、アミノ、エステル、ケトン、アルデヒド、ヒドロキシ、カルボン酸又はアルコキシを含む1個以上の基で置換されていてもよい。
【0013】
本明細書において使用される用語「ポリ(アルキレンオキシド)鎖」は、式−(RO)−(RO)−(RO)−(式中、R、R及びRは、独立して、エチレン(−CHCH−)又はプロピレン(−CH(CH)−CH−)二価ラジカルであり、そして、n、m及びlは、独立して、0〜100であり、但し、n、m及びlの合計は、3〜100であり、そして、R、R及びRの少なくとも1つは、エチレン二価ラジカルである)を有する二価ラジカルである。
【0014】
本明細書において使用される用語「アルキレンアミン」は、式−(RNR−(式中、Rは、直鎖又は分岐鎖C−C−アルキレンであり、nは、1〜10であり、そして、Rは、水素、アルキル基又はアリール基である)を有する1つ以上の繰り返しユニットからなる基である。
【0015】
本明細書において使用される用語「カルボニル」は、C=O基からなる基又は分子である。カルボニル基は、アルデヒド、ケトン、エステル、無水物又はカルボン酸基として存在することができる。
【0016】
本明細書において使用される用語「ジカルボニル」は、2つのC=O基からなる基又は分子である。それぞれのカルボニル基は、独立して、アルデヒド、ケトン、エステル、無水物又はカルボン酸基として存在することができる。
【0017】
「ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマー」は、少なくとも1つのエチレン不飽和基と少なくとも1つのポリシロキサンユニット又は部分を含有するビニルモノマー又はマクロマーを指す。
【0018】
本明細書において使用される用語「ポリシロキサンユニット又は部分」は、式(1):
【化1】


[式中、R〜R10は、独立して、C−C−アルキル、C−C−アルキル−もしくはC−C−アルコキシ置換フェニル、フルオロ(C−C18−アルキル)、シアノ(C−C12−アルキル)又は−alk−であり、ここで、alkは、C−C−アルキレン二価ラジカルであり、p、q及びrは、独立して、0〜700の整数であり、そして、(p+q+r)は、5〜700である]
で表される二価ラジカル又は多価ラジカルである。
【0019】
「ハイドロゲル」は、完全に水和した場合に少なくとも10重量%の水を吸収することができるポリマー材料を指す。ハイドロゲル材料は、追加のモノマー及び/又はマクロマーの存在下又は非存在下で、少なくとも1つの親水性モノマーを重合又は共重合することにより、又は、他の重合性成分(例えば、ビニルモノマー、ビニルマクロマー及び/又は架橋剤)の存在下又は非存在下で、プレポリマーを架橋させることにより得ることができる。
【0020】
「シリコーンハイドロゲル」は、少なくとも1つのシリコーン含有ビニルモノマー又は少なくとも1つのシリコーン含有マクロマー又は少なくとも1つのシリコーン含有プレポリマーを含む重合性組成物を共重合することにより得られるハイドロゲルを指す。
【0021】
本明細書において使用される「親水性」は、脂質よりも水と容易に会合する材料又はその一部を示す。
【0022】
レンズ形成組成物に関して、用語「水ベース」は、レンズ形成組成物の調製において使用される溶媒が、水であるか、又は水と水混和性の1つ以上の有機溶媒との混合物であることを意味する。ここで溶媒混合物は、少なくとも約70重量%、好ましくは、少なくとも約80重量%、より好ましくは、少なくとも約90重量%、最も好ましくは、少なくとも約98重量%の水を含む。
【0023】
本明細書において使用される用語「流体」は、材料が液体のように流動することができることを指す。
【0024】
本明細書において使用される「化学線による」は、重合性組成物又は材料の硬化又は重合に関して、硬化(例えば、架橋及び/又は重合)が、例えば、UV照射、電離放射線(例えば、ガンマ線又はX線照射)、マイクロ波照射などの化学線照射により行われることを意味する。熱硬化又は化学線硬化の方法は、当業者によく知られている。
【0025】
本明細書において使用される「ビニルモノマー」又は「モノマー」は、エチレン不飽和基を有し、化学線又は熱で重合することが可能な低分子量化合物を指す。低分子量は、典型的には、700ダルトン未満の平均分子量を意味する。
【0026】
用語「オレフィン不飽和基」又は「エチレン不飽和基」は、本明細書において広い意味で使用され、少なくとも1つの>C=C<基を含有する任意の基を包含することを意図する。典型的なエチレン不飽和基には、アクリロイル、メタクリロイル、アリル、ビニル、スチレニル(styrenyl)又は他のC=C含有基が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
本明細書において使用される「親水性ビニルモノマー」は、水溶性であるか、又は完全に水和した場合に少なくとも10重量%の水を吸収することができるホモポリマーを形成することが可能なビニルモノマーを指す。
【0028】
「マクロマー」は、フリーラジカル重合反応を受けることが可能なエチレン不飽和を含有する中分子量〜高分子量の化合物又はポリマーを指す。中分子量及び高分子量は、典型的には、700ダルトン超の平均分子量を意味する。
【0029】
「プレポリマー」は、2個以上のエチレン不飽和基を有し、化学線又は熱で硬化して(例えば、架橋及び/又は重合)(フリーラジカル重合機構に従って)、開始ポリマーよりもはるかに大きい分子量を有する架橋及び/又は重合ポリマーを得ることができる開始ポリマーを指す。
【0030】
本明細書において使用されるポリマー材料(モノマー又はマクロマー材料を含む)の「分子量」は、特に指示のない限り、又は試験条件が別途指示されない限り、重量平均分子量を指す。
【0031】
「光開始剤」は、光を使用してラジカル架橋及び/又は重合反応を開始する化学物質を指す。適切な開始剤には、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、DAROCURE(登録商標)1173及びIRGACURE(登録商標)2959などのDAROCURE(登録商標)型及びIRGACURE(登録商標)型が含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
「熱開始剤」は、熱エネルギーを使用してラジカル架橋及び/又は重合反応を開始する化学物質を指す。適切な熱開始剤の例には、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの態様においては、熱開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)である。
【0033】
本明細書において使用される「着色剤」には、レンズ又はレンズ形成材料に含有させることができる染料又は色素が含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
「抗菌剤」は、その用語が当技術分野で公知であるように、微生物の増殖を低下又は排除又は阻害することが可能な化学物質を指す。
【0035】
「コンタクトレンズ」は、装着者の目の上又は中に配置することができる構造物を指す。コンタクトレンズは、使用者の視力を矯正、改善又は変更することができるが、そうである必要はない。コンタクトレンズは、当技術分野で知られている又は今後開発される任意の適切な材料からなることができ、そして、ソフトレンズ、ハードレンズ又はハイブリッドレンズであることができる。典型的には、コンタクトレンズは、前面及び反対の後面ならびにその前面と後面がテーパー状になった周縁エッジを有する。
【0036】
材料固有の「酸素透過度」(Dk)は、酸素が材料を透過する割合である。本発明によれば、用語「酸素透過度(Dk)」は、材料又はコンタクトレンズに関して、見掛けの酸素透過度を意味し、これは、実施例1において説明されるような電量分析法に従って測定される面積の平均厚90又は100ミクロンの試料(膜又はレンズ)を用いて測定される。酸素透過度は、従来よりbarrer単位で表され、「barrer」は、[(酸素cm3)(mm)/(cm)(秒)(mmHg)]×10−10として定義される。
【0037】
レンズ又は材料の「酸素伝達率」Dk/tは、酸素が、測定される面積の平均厚t[mm単位]を有する特定のレンズ又は材料を透過する割合である。酸素伝達率は、従来より、barrer/mm単位で表され、「barrer/mm」は、[(酸素cm)/(cm)(秒)(mmHg)]×10−9として定義される。
【0038】
本明細書において、シリコーンハイドロゲルレンズを製造するための方法を記載する。一態様においては、本方法は、
a.(i)ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマー;(ii)場合により、親水性ビニルモノマー;(iii)ポリシロキサン含有界面活性剤、及び(iv)水を含む水ベースのレンズ形成組成物を成形用型に注入すること(ここで、ポリシロキサン含有界面活性剤は、室温で液体であり、化学線重合性基を有さず、そして、約10重量%〜約40重量%の1つ以上のポリシロキサン部分ならびに約90重量%〜約60重量%の親水性ユニット及び/又は部分を含むコポリマーであり、実質的に透明な溶液を生成するために、ポリシロキサン含有界面活性剤は、ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーを水に溶解させるのに十分な量で存在する);
b.組成物を硬化してレンズを製造すること;そして
c.成形用型からレンズを取り出すこと
を含む。
【0039】
「ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマー」は、少なくとも1つのエチレン不飽和基及び上述の式(1)で表されるポリシロキサン部分を含有する化合物を指す。このような化合物の例は、様々な分子量のモノメタクリル化又はモノアクリル化ポリジメチルシロキサン(例えば、モノ−3−メタクリルオキシプロピル末端、モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン又はモノ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピル末端、モノ−ブチル末端ポリジメチルシロキサン);様々な分子量のジメタクリル化又はジアクリル化ポリジメチルシロキサン;ビニルカーボネート末端ポリジメチルシロキサン;ビニルカルバメート末端ポリジメチルシロキサン;様々な分子量のビニル末端ポリジメチルシロキサン;メタクリルアミド末端ポリジメチルシロキサン;アクリルアミド末端ポリジメチルシロキサン;アクリレート末端ポリジメチルシロキサン;メタクリレート末端ポリジメチルシロキサン;ビス−3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン;N,N,N’,N’−テトラキス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−α,ω−ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサン;ポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマー;US5,760,100号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のマクロマーA、マクロマーB、マクロマーC及びマクロマーDからなる群より選択されるシロキサン含有マクロマー;グリシジルメタクリレートとアミノ官能基ポリジメチルシロキサンとの反応生成物;ヒドロキシル官能基化シロキサン含有ビニルモノマーもしくはマクロマー;米国特許第4,136,250、4,153,641、4,182,822、4,189,546、4,343,927、4,254,248、4,355,147、4,276,402、4,327,203、4,341,889、4,486,577、4,543,398、4,605,712、4,661,575、4,684,538、4,703,097、4,833,218、4,837,289、4,954,586、4,954,587、5,010,141、5,034,461、5,070,170、5,079,319、5039,761、5,346,946、5,358,995、5,387,632、5,416,132、5,451,617、5,486,579、5,962,548、5,981,675、6,039,913及び6,762,264号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示のポリシロキサン含有マクロマー;米国特許第4,259,467、4,260,725及び4,261,875号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示のポリシロキサン含有マクロマーである。ポリジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドからなるジ及びトリブロックマクロマーもまた有用であろう。例えば、メタクリレートで末端キャップしたポリエチレンオキシド−ブロック−ポリジメチルシロキサン−ブロック−ポリエチレンオキシドを使用して、酸素透過度を向上させることもできる。適切な単官能基のヒドロキシル官能基化シロキサン含有ビニルモノマー/マクロマー及び適切な多官能基のヒドロキシル官能基化シロキサン含有ビニルモノマー/マクロマーが、Gelest, Inc、Morrisville, PAから市販されている。
【0040】
別の種類の好ましいポリシロキサン含有マクロマーは、親水性部分及び疎水性部分を含むシリコーン含有プレポリマーである。親水性部分及び疎水性部分を有する任意の適切なシリコーン含有プレポリマーを本発明で使用することができる。このようなシリコーン含有プレポリマーの例には、所有者が同じ米国特許第6,039,913、7,091,283、7,268,189及び7,238,750、7,521,519号;所有者が同じ米国特許出願公報第US 2008-0015315 A1、US 2008-0143958 A1、US 2008-0143003 A1、US 2008-0234457 A1、US 2008-0231798 A1号、ならびに所有者が同じ米国特許出願第61/180,449及び61/180,453号に記載のものが含まれ、これらの全てが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0041】
本明細書に記載の方法において、1つ以上の親水性ビニルモノマーを使用して、シリコーンハイドロゲルレンズを製造する。任意の適切な親水性ビニルモノマーを本明細書において使用することができる。親水性ビニルモノマーの例には、ヒドロキシル置換低級アルキル(C−C)(メタ)アクリレート、ヒドロキシル置換低級アルキルビニルエーテル、C−Cアルキル(メタ)アクリルアミド、ジ−(C−C−アルキル)(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロール、N−ビニル−2−ピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−ビニル−4,4’−ジアルキルオキサゾリン−5−オン、2−及び4−ビニルピリジン、アミノ(低級アルキル)−(ここで、用語「アミノ」は、第4級アンモニウムも含む)、モノ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)及びジ(低級アルキルアミノ)(低級アルキル)(メタ)アクリレート、アリルアルコール、N−ビニル−C−Cアルキルアミド、N−ビニル−N−C−C−アルキルアミド、最大1500の重量平均分子量を有するC−C−アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0042】
好ましい親水性ビニルモノマーの例は、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、N,N−ジメチルメタクリルアミド(DMMA)、2−アクリルアミドグリコール酸、3−アクリロイルアミノ−1−プロパノール、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−アクリルアミド、N−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、5−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−n−プロピル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−n−プロピル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−イソプロピル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−イソプロピル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−n−ブチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−tert−ブチル−3−メチレン−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリレート塩酸塩、アミノプロピルメタクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、グリセロールメタクリレート(GMA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、アリルアルコール、ビニルピリジン、最大1500の重量平均分子量を有するC−C−アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、アリルアルコール、N−ビニルカプロラクタム及びその混合物である。
【0043】
また、本明細書において、シリコーン含有ビニルモノマーを使用して、シリコーンハイドロゲルレンズを製造することができる。好ましいシリコーン含有ビニルモノマーの例には、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]−(メタ)アクリルアミド、N−[トリス(ジメチルプロピルシロキシ)シリルプロピル]−(メタ)アクリルアミド、N−[トリス(ジメチルフェニルシロキシ)シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N−[トリス(ジメチルエチルシロキシ)シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシ−3−(3−(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル)−2−メチルアクリルアミド;N−(2−ヒドロキシ−3−(3−(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル)アクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]−2−メチルアクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]アクリルアミド;N−(2−ヒドロキシ−3−(3−(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)−2−メチルアクリルアミド;N−(2−ヒドロキシ−3−(3−(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)アクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル]−2−メチルアクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル]アクリルアミド;N−[2−ヒドロキシ−3−(3−(t−ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]−2−メチルアクリルアミド;N−[2−ヒドロキシ−3−(3−(t−ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]アクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(t−ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]−2−メチルアクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(t−ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]アクリルアミド;3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルメタクリレート(TRIS)、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン)、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリルオキシ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)−プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、N−2−メタクリルオキシエチル−O−(メチル−ビス−トリメチルシロキシ−3−プロピル)シリルカルバメート、3−(トリメチルシリル)プロピルビニルカーボネート、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−トリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]−プロピルビニルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカーボネート、t−ブチルジメチルシロキシエチルビニルカーボネート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネート及びトリメチルシリルメチルビニルカーボネート)が含まれるが、これらに限定されない。式(1)で表される最も好ましいシロキサン含有(メタ)アクリルアミドモノマーは、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]アクリルアミド、TRIS、N−[2−ヒドロキシ−3−(3−(t−ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]アクリルアミドである。
【0044】
水ベースのレンズ形成組成物は、また、1つ以上の疎水性モノマーを含むことができる。特定量の疎水性ビニルモノマーをレンズ形成材料に含有させることにより、得られるポリマーの機械的性質(例えば、弾性係数)を向上させることができる。ほとんどの疎水性ビニルモノマーを使用することができる。好ましい疎水性ビニルモノマーの例には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、スチレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、1−ブテン、ブタジエン、メタクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、ペルフルオロへキシルエチル−チオ−カルボニル−アミノエチル−メタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレートが含まれる。
【0045】
ポリシロキサン含有界面活性剤に関して、界面活性剤は、化学線重合性基を有さず、そして、約10重量%〜約40重量%の1つ以上のポリシロキサン部分ならびに約90重量%〜約60重量%の親水性ユニット及び/又は部分を含むコポリマーである。また、ポリシロキサン含有界面活性剤が、ポリシロキサン部分ではなく、そして、界面活性剤の残りの重量%を構成する疎水性ユニット及び/部分を含有してもよいことを理解すべきである。
【0046】
本発明によれば、ポリシロキサン含有界面活性剤における1つ以上のポリシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン含有界面活性剤の総重量に対する式(1)で表されるポリシロキサン部分の全重量%の比で決定される。ポリシロキサン含有界面活性剤における親水性ユニット及び/又は部分の含有量は、ポリシロキサン含有界面活性剤の総重量に対する全親水性ユニット及び/又は部分の総重量の比である。
【0047】
本願を通して使用される用語「親水性ユニット」は、(1)ヒドロキシル基、カルボン酸基、アミノ基(例えば、−NH、−NHR又は−NRR’、式中、R及びR’は、互いに独立して、メチル又はエチルである)、ウレタン結合(−NH−CO−O−)、尿素結合(−NH−CO−NH−)及びアミド結合(−CO−NH−又は−CO−NR−)からなる群より選択される親水性基;(2)親水性ビニルモノマー又は親水性架橋剤(即ち、2つ以上のエチレン不飽和基を有し、700ダルトン以下の分子量を有する化合物)のエチレン不飽和基が関与するフリーラジカル共重合反応から得られ、ポリマーの構造の一部となるポリマーユニット;(3)式−(RO)−(RO)−(RO)−で表されるポリ(アルキレンオキシド)鎖(式中、R、R及びRは、互いに独立して、エチレン(−CHCH−)又はプロピレン(−CH(CH)−CH−)二価ラジカルであり、そして、n、m及びlは、互いに独立して、0〜100であり、但し、n、m及びlの合計は、3〜100であり、そして、R、R及びRの少なくとも1つは、エチレン二価ラジカルである);又は(4)その組み合わせを指す。
【0048】
室温は、約20℃〜約30℃の温度を意味する。
【0049】
親水性ビニルモノマーの例は、上述のとおりである。水ベースの組成物は、また、1つ以上の親水性架橋剤を含むことができる。親水性架橋剤の例には、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、トリ(エチレングリコール)ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレート、エチレンジアミンジメチルアクリルアミド(ethylenediamine dimethyacrylamide)、グリセロールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、700ダルトン以下の分子量を有するジ−アクリレート末端ポリエチレングリコール、700ダルトン以下の分子量を有するジ−メタクリレート末端ポリエチレングリコール、700ダルトン以下の分子量を有するジ−アクリルアミド末端ポリエチレングリコール、700ダルトン以下の分子量を有するジ−メタクリルアミド末端ポリエチレングリコール、700ダルトン以下の分子量を有するジ−ビニル−末端ポリエチレングリコール及びその組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
界面活性剤は、化学線重合性基を全く含有しない。従って、レンズ形成材料を硬化する際に、界面活性剤はこれらの成分と重合しない。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、光硬化及びコンタクトレンズの形成後、界面活性剤は、徐々に、保存溶液中に取り込まれながら、製造されたレンズからゆっくりと遊離されうると考えられる。さらに、界面活性剤は、対象者により使用される際にコンタクトレンズから遊離して、快適剤(comfort agent)として作用することができる。
【0051】
界面活性剤の合成は、当業者に知られている様々な標準的な有機化学技術を用いて達成することができる。例えば、本発明の界面活性剤は、米国特許出願公報第US 2008-0234457 A1号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の類似の方法に従って得ることができる。界面活性剤は、(a)約10重量%〜約40重量%の2つの第一又は第二官能基で末端化した少なくとも1つの直線状ポリシロキサン含有化合物(即ち、2つの官能基を2つの対向末端にそれぞれ1つずつ有する)、(b)約90重量%〜約60重量%の(i)2つの末端第一又は第二官能基を有する少なくとも1つの直線状親水性モノマー又はポリマー及び(ii)第一又は第二官能基の一方のみを有する少なくとも1つの親水性ポリマー、ならびに(c)互いに独立して、3つ以上の第一又は第二官能基を有する有機化合物である1つ以上の分岐剤を含む混合物を共重合することにより得ることができる。ここで、第一及び第二官能基は、互いに異なっており、アミン基、ヒドロキシル、カルボキシ、イソシアネート、エポキシ及び酸ハロゲン化物基からなる群より選択され;第一及び第二官能基は、互いに異なってはいるが、カップリング剤の存在下又は非存在下で互いに共反応して、ウレタン、尿素、エーテル及びアミドからなる群より選択される共有結合を形成し;混合物中の第二官能基に対する第一官能基又は第一官能基に対する第二官能基のモル当量の比は、約1.1〜約20、好ましくは、約1.1〜約5、より好ましくは、約1.1〜約3である。
【0052】
第一官能基がアミン基であり、第二官能基がイソシアネート基である場合、得られる中間コポリマーは、アミン−キャップポリ尿素である。
【0053】
第一官能基がイソシアネート基であり、第二官能基がアミン基である場合、得られる中間コポリマーは、イソシアネート−キャップポリ尿素である。
【0054】
第一官能基がヒドロキシ基であり、第二官能基がイソシアネート基である場合、得られる中間コポリマーは、ヒドロキシ−キャップポリウレタンである。
【0055】
第一官能基がイソシアネート基であり、第二官能基がヒドロキシ基である場合、得られる中間コポリマーは、イソシアネート−キャップポリウレタンである。
【0056】
第一官能基がアミン基であり、第二官能基が酸ハロゲン化物基である場合、得られる中間コポリマーは、アミン−キャップポリアミドである。
【0057】
第一官能基がアミン基であり、第二官能基がカルボキシル基である場合、EDCの存在下において得られる中間コポリマーは、アミン−キャップポリアミドである。
【0058】
第一官能基がカルボキシル基であり、第二官能基がアミン基である場合、EDCの存在下において得られる中間コポリマーは、カルボキシル−キャップポリアミドである。
【0059】
第一官能基がヒドロキシ基であり、第二官能基がエポキシ基である場合、得られる中間コポリマーは、ヒドロキシ−キャップポリエーテルである。
【0060】
アミノ基、ヒドロキシル基、酸塩化物基及びエポキシ基からなる群より選択される2つの末端官能基を有する典型的な直線状ポリシロキサン含有化合物は、例えば、ポリ(ジアルキルシロキサン)、ポリ(ジアリールシロキサン)、ポリアリールアルキルシロキサン、異なるジアルキルシロキサンのコポリマー、ジアルキルシロキサンとジアリールシロキサン又はアリールアルキルシロキサンのコポリマーなどの二官能基末端ポリシロキサンである。好ましくは、シロキサン含有化合物は、二官能基末端ポリジメチルシロキサンである。様々な二官能基末端の機能性ポリシロキサンを、販売業者(例えば、Gelest, Inc又はFluorochem)から入手することができる。また、当業者であれば、このような二官能基末端ポリシロキサンを、当技術分野で知られている手順及びJournal of Polymer Science Chemistry, 33, 1773 (1995)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の手順に従ってどのように調製するかは明白であろう。
【0061】
アミノ基、ヒドロキシル基、酸塩化物基及びエポキシ基からなる群より選択される2つの末端官能基を有する典型的な親水性モノマー又は親水性マクロマーは、二官能基末端ポリ(エチレングリコール)(PEG)、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの二官能基末端ブロックコポリマー(PEG/PPGブロックコポリマー、例えば、ポロキサマー又はポロキサミン)、二官能基末端ポリマーポリアルキルアクリルアミド、二官能基末端ポリアルキルメタクリルアミド、二官能基末端ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンと1つ以上のビニルモノマーの二官能基末端コポリマー(例えば、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、酢酸ビニル又はその混合物など)、ジアミン−又はジカルボキシル末端ポリビニルアルコール(官能基末端酢酸ポリビニルのメタノリシス又は加水分解から得られる)、及び酢酸ビニルと1つ以上のビニルモノマーの二官能基末端コポリマー(好ましくは、メタノリシス又は加水分解を受けた)(例えば、ジアルキルアミノアルキルアクリレート、ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリルアミド、又はその混合物)である。
【0062】
様々なアミン末端PEG、ヒドロキシル末端PEG及びエポキシ末端PEGを、Polyscience及びShearwater Polymers, inc.などの販売業者から入手することができる。
【0063】
ポリシロキサン含有界面活性剤は、また、米国特許出願公報第2008/0015315 A1号及び米国特許第7,091283号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の類似の手順に従って調製することができる。例えば、本発明の界面活性剤は、(1)1又は2つのエチレン不飽和基を有する約10重量%〜約40重量%の1つ以上のポリシロキサン含有マクロマー、ならびに(2)約90重量%〜約60重量%の1つ以上の親水性ビニルモノマー及び/又は親水性プレポリマーを含む重合性組成物を重合することにより調製することができる。
【0064】
本発明の界面活性剤は、また、ポリシロキサン部分の2つの末端の少なくとも1つを、結合を介して親水性ポリマー鎖で末端キャップした少なくとも1つの直線状ポリシロキサン部分を含む直線状ポリシロキサンコポリマーの調製に関する米国特許出願第12/616,166号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の類似の手順に従って調製することができる。好ましい直線状ポリシロキサンコポリマーは、式(2):
【化2】


[式中、
rは、0又は1の整数であり;
及びAは、独立して、直鎖又は分岐鎖C−C10−アルキレン二価ラジカルであり;
及びXは、独立して、直接結合、
【化3】


(式中、R’は、H又はC−C−アルキルである)
からなる群より選択される結合であり;
及びLは、互いに独立して、
【化4】


であり;
PDMSは、式(3):
【化5】


{式中、νは、0又は1であり、ωは、0〜5の整数であり、U及びUは、独立して、−R11−X−E−X−R’11−で表される二価ラジカルであり(式中、R11及びR’11は、独立して、直鎖又は分岐鎖C−C10−アルキレン二価ラジカルであり、X及びXは、互いに独立して、
【化6】


(式中、R’は、H又はC−C−アルキルである)
からなる群より選択される結合であり、Eは、1〜40個の炭素原子を有するアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アルキルアリールジラジカル又はアリールジラジカルであり、これらは、場合により、主鎖にエーテル、チオ又はアミン結合を有する)、D、D及びDは、互いに独立して、式(1):
【化7】


(式中、R〜R10は、独立して、C−C−アルキル、C−C−アルキル−もしくはC−C−アルコキシ置換フェニル、フルオロ(C−C18−アルキル)、シアノ(C−C12−アルキル)又は−alk−であり、ここで、alkは、C−C−アルキレン二価ラジカルであり、p、q及びrは、独立して、0〜700の整数であり、そして、(p+q+r)は、5〜700である)
で表される二価基を示す}
で表されるポリシロキサン二価ラジカルであり;
及びYは、独立して、式(4)又は(5):
【化8】


{式中、
12及びR13は、互いに独立して、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルもしくはC−C−アリールであるか、又は、R12及びR13は、一緒になって、−(CH−であり(式中、gは、2〜6の整数である)、
alk’は、直鎖又は分岐鎖C−C10−アルキレン二価ラジカルであり、
A及びAは、独立して、−O−、−NR’−又は−S−であり;
は、
【化9】


からなる群より選択される結合である}
で表される二価ラジカルであり;そして、
Tは、上述の親水性ビニルモノマーからなる群より選択される、好ましくは、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、重量平均分子量200〜1500を有するC−C−アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N−ビニル−N−メチルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド及びビニルアルコールからなる群より選択される、1つ以上の親水性ビニルモノマー由来のモノマーユニットからなる一価の親水性ポリマー鎖である]
により定義される。
【0065】
一態様においては、界面活性剤は、約10重量%〜約40重量%の1つ以上のポリシロキサンATRPマクロ開始剤と米国仮特許出願第61/180,453号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の類似の手順により生成される約90重量%〜約60重量%の少なくとも1つの親水性ビニルモノマーを含む反応混合物の原子移動ラジカル重合(ATRP)生成物のコポリマーである。
【0066】
別の態様においては、界面活性剤は、米国特許出願公報第2009/0143499 A1号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の類似の手順に従って得られる。例えば、界面活性剤は、(1)少なくとも2つの第一反応基を有する約90重量%〜約60重量%の少なくとも1つのポリ(オキシアルキレン)、(2)少なくとも2つの第二反応基を有する約10重量%〜約40重量%の少なくとも1つのポリシロキサン、ならびに(3)場合により、1つのエン含有基及び1つの第一又は第二反応基を有するヘテロ二官能基化合物を含む混合物を共重合することにより生成することができる。ここで、第一及び第二反応基は、互いに異なって、チオール基又はアシル基のいずれかであり、Michael付加反応を受けて炭素−硫黄結合を形成する。
【0067】
一態様においては、水ベースのレンズ形成組成物は、ポリシロキサン含有ビニルマクロマー及びポリシロキサン含有界面活性剤を含む。ここで、ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーは、約50重量%〜約99重量%の1つ以上のポリシロキサン部分ならびに0〜約40重量%の親水性ユニット及び/又は部分を含み、ポリシロキサン含有界面活性剤は、約10重量%〜約40重量%の1つ以上のポリシロキサン部分ならびに約90重量%〜約60重量%の親水性ユニット及び/又は部分を含む。ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーが、ポリシロキサン部分ではなく、そして、界面活性剤の残りの重量%を構成する疎水性ユニット及び/部分を含有してもよいことを理解すべきである。
【0068】
別の態様においては、界面活性剤及びポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーは、同一ではないにせよ類似の親水性及び疎水性部分(即ち、化学基)を有する。これを、以下の例により、式Iを有するシリコーン含有ビニルマクロマーを用いて説明する。
CP−PAO−ALK−PDMS−ALK−PAO−CP (I)
[式中、PDMSは、二価のポリ(二置換シロキサン)であり、ALKは、少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレン又はアルキレンオキシ基であり、DUは、ジウレタン含有基であり、PAOは、式−(RO)−(RO)−(RO)−で表される二価のポリオキシアルキレン(式中、R、R及びRは、互いに独立して、エチレン(−CHCH−)又はプロピレン(−CH(CH)−CH−)二価ラジカルであり、そして、n、m及びlは、互いに独立して、0〜100であり、但し、n、m及びlの合計は、3〜100であり、そして、R、R及びRの少なくとも1つは、エチレン二価ラジカルである);又は(4)その組み合わせであり、そして、CPは、アクリレート及びメタクリレート(マクロマーA:米国特許第5,760,100号)である]
式Iを有するマクロマーの結合体(a conjugate of the macromer)である界面活性剤の例は、式IIで表される。
X−PAO−ALK−PDMS−ALK−PAO−X (II)
[式中、Xは、非化学線重合性基である]
この例において、界面活性剤及びマクロマーの親水性及び疎水性部分(即ち、PAO、ALK、PDMS)は同一である。しかしながら、マクロマー及び界面活性剤の親水性及び疎水性部分が必ずしも同一である必要はない。マクロマー及び界面活性剤に存在する親水性及び疎水性部分が、それぞれ、類似の親水性及び疎水性を有する場合、その部分は同一である必要はない。界面活性剤は、様々な官能基で置換されていてもよい。例えば、上記式IIのXは、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、カルボン酸基、エステルなどであってもよい。
【0069】
いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、界面活性剤における親水性ユニット及び/又は部分が、ポリシロキサン部分よりもはるかに高い重量%であるという理由から、これは水溶性であると考えられる。両親媒性であることから(界面活性剤にポリシロキサン部分と親水性ユニット/部分の両方が存在するため)、界面活性剤は、水中でポリシロキサン含有ビニルマクロマーと相互作用する。その相互作用は、イオン性相互作用、極性相互作用又はその組み合わせであることができる。マクロマーが水で調製される場合、界面活性剤とマクロマー間の相互作用はエマルションの形成を抑制又は最小限にすることができる。従って、界面活性剤はマクロマーをより水溶性にする。特定の態様においては、マクロマーが界面活性剤と組み合わせて使用される場合、有機溶媒の非存在下で、水に完全に溶解して均一の溶液を生成することができる。一態様においては、シリコーン含有ビニルマクロマーと界面活性剤を、まず水と混合して、その後、他のレンズ形成材料を添加する。
【0070】
本明細書に記載の方法において使用される界面活性剤の量は、使用されるマクロマーの量に応じて変更することができる。ポリシロキサン含有界面活性剤は、実質的に透明な溶液を生成するために、レンズ形成組成物中に、ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーを水に溶解させるのに十分な量で存在する。ここで、その溶液は、完全に均一であるか、又は粒子状物質が、あったとしても目視で検出できない程度で微量含有する。好ましくは、その溶液は、色素−着色剤を全く含有せずに、少なくとも約85%、より好ましくは、少なくとも約90%、さらにより好ましくは、少なくとも約95%、最も好ましくは、少なくとも約98%の光透過率を有する。一態様においては、界面活性剤の量は、レンズ形成材料の約1重量%〜約30重量%である。
【0071】
レンズ形成組成物は、上述の成分の他に、レンズの構造完全性及び機械的強度を向上させるために、700ダルトン以下の分子量を有する架橋剤を含んでもよい。架橋剤の例には、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、トリ(エチレングリコール)ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジ(エチレングリコール)ジメタクリレート、トリメチロプロパントリメタクリレート(trimethylopropane trimethacrylate)、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビニルメタクリレート、エチレンジアミンジメチルアクリルアミド、グリセロールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、アリルメタクリレート及びそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。好ましい架橋剤は、テトラ(エチレングリコール)ジアクリレート、トリ(エチレングリコール)ジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジ(エチレングリコール)ジアクリレート、トリアリルイソシアヌレート又はトリアリルシアヌレートである。
【0072】
シリコーンハイドロゲルレンズを製造するためのレンズ形成組成物は、また、例えば、重合開始剤(例えば、光開始剤又は熱開始剤)、可視性着色剤(例えば、染料、色素又はそれらの混合物)、重合性UV吸収剤、重合性潜在性(latent)UV吸収剤、抗菌剤(例えば、好ましくは、銀ナノ粒子)、生物活性剤、浸出性潤滑剤などの当業者に知られている様々な成分を含むことができる。
【0073】
適切な光開始剤の例には、ベンゾインメチルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイルホスフィンオキシド、1−ヒドロキシシクロへキシル-フェニルケトン又はDarocure(登録商標)もしくはIrgacure(登録商標)型、例えば、Darocure(登録商標)1173もしくはIrgacure(登録商標)2959が含まれるが、これらに限定されない。ベンゾイルホスフィン開始剤の例には、2,4,6−トリ−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−プロピルフェニルホスフィンオキシド;及びビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−N−ブチルフェニルホスフィンオキシドが含まれる。光開始剤の量は広範囲で選択することができ、プレポリマー1g当たり最大0.05g、好ましくは、プレポリマー1g当たり最大0.003gの量を使用することができる。当業者であれば、適切な光開始剤の選択方法をよく理解しているであろう。熱開始剤の例には、例えば、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパンニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイルなどの過酸化物が含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
いくつかの態様においては、レンズ形成組成物は、UV吸収剤、着色剤、抗菌剤、阻害剤、充填剤又はその任意の組み合わせをさらに含むことができる。一態様においては、紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾトリアゾール又はベンゾフェノンを含むことができる。多くのベンゾトリアゾール及びベンゾフェノンUV吸収剤が知られており、多くが市販されている。ベンゾトリアゾール又はベンゾフェノンUV吸収剤のタイプ(identity)は重要ではないが、所望のUV吸収特性を得るためにその特徴的なUVカットオフに基づいて選択する必要がある。
【0075】
いくつかの態様においては、上述のレンズ形成組成物を、特定の形状及びサイズの成形用型に流し込む。眼用デバイスがコンタクトレンズである場合、そのレンズは当技術分野で知られた技術を用いて製造することができる。例えば、コンタクトレンズは、例えば、米国特許第3,408,429号に記載の、従来の「スピンキャスティング法」で製造するか、又は、米国特許第4,347,198;5,508,317;5,583,463;5,789,464;及び5,849,810号に記載の、静止状態でのフルキャスト成形プロセスにより製造することができる。
【0076】
コンタクトレンズを製造するためのレンズ成形用型は、当技術分野でよく知られている。例えば、成形用型(フルキャスト成形用)は、一般的に、少なくとも2つの成形用型部位(もしくは部分)又は成形用型半部、即ち、第一及び第二の成形用型半部を含む。第一の成形用型半部は、第一の成形(又は光学)表面を規定し、第二の成形用型半部は、第二の成形(又は光学)表面を規定する。第一及び第二の成形用型半部は、第一の成形表面と第二の成形表面の間にレンズ形成キャビティが形成されるように互いを合わせるように構成される。成形用型半部の成形表面は、成形用型のキャビティ形成表面であり、レンズ形成材料と直接接触している。
【0077】
コンタクトレンズをキャスト成形するための成形用型部位を製造する方法は、一般的に、当業者によく知られている。第一及び第二の成形用型半部は、射出成形又は旋盤加工などの様々な技術により形成することができる。成形用型半部を形成するための適切なプロセスの例は、米国特許第4,444,711;4,460,534;5,843,346;及び5,894,002号に開示されており、これはまた、参照により本明細書に組み込まれる。
【0078】
実質的には、当技術分野で知られている成形用型を製造するための全ての材料を使用して、接眼レンズを作製するための成形用型を製造することができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、PMMA、環状オレフィンコポリマー(例えば、Ticona GmbH of Frankfurt, Germany and Summit, New Jersey製のTopas(登録商標)COC、;Zeon Chemicals LP, Louisville, KY製のZeonex(登録商標)及びZeonor(登録商標))などのポリマー材料を使用することができる。石英ガラス及びサファイアなどのUV光透過性の他の材料を使用してもよい。
【0079】
レンズ形成組成物を成形用型に流し込むと、混合物が硬化(即ち、重合)して、ポリマーマトリクスが生成し、最終的にレンズを形成する。重合工程を実施するための技術は、レンズ形成材料の選択に応じて改変される。一態様においては、混合物を含有する成形用型を、空間的に制限した化学線に曝して、マクロマーと他のレンズ形成材料を重合することができる。他の態様においては、混合物を含有する成形用型は、マクロマーと追加のレンズ形成材料を硬化させるために加熱してもよい。
【0080】
他の態様においては、混合物を硬化するために使用されるエネルギーは、周辺境界が明確に規定された領域に空間制限的に衝突させるために、例えば、マスク、スクリーン又はその組み合わせにより方向付けられた光線の形態である。例えば、空間的に制限したUV照射は、米国特許第6,627,124号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の図1〜9で図示されるように、UV不透過性領域(マスクされている領域)に囲まれた透明な領域又は覆われていない領域(マスクされていない領域)を有するマスク又はスクリーンを使用して達成することができる。マスクされていない領域は、マスクされていない領域と共に明確に規定された周辺境界を有する。架橋に使用されるエネルギーは、放射線エネルギー、UV照射、可視光線、ガンマ線、電子線又は熱放射であり、放射線エネルギーは、好ましくは、良好な制限を達成し、また一方でエネルギーの効率的使用を達成するために、実質的に平行光線の形態である。
【0081】
一態様においては、レンズ形成組成物を含有する成形用型は、300nm超、310nm超、320nm超、330nm超、340nm超、350nm超、360nm超、370nm超又は380nm超の波長の光に曝される。当技術分野で知られているカットオフフィルターは、特定波長のエネルギーが成形用型及びレンズ形成材料と接触するのをフィルターにかけて防ぐことができる。混合物をエネルギーに曝す時間は、比較的短く、例えば、150分以下、90分以下、60分以下、20分以下、10分以下、5分以下、1〜60秒、又は1〜30秒である。
【0082】
本明細書において製造されたレンズの表面は、当技術分野で知られた技術を用いて処理又は修飾することができる。本明細書において使用される「表面修飾」又は「表面処理」は、ある物品の形成の前又は後に、物品を表面処理プロセス(又は、表面修飾プロセス)で処理することを意味する。そのような表面処理には、(1)物品の表面のコーティング、(2)物品の表面への化学種の吸着、(3)物品表面の化学基の化学的性質(例えば、静電荷)の変化、又は(4)物品の表面特性の他の修飾がある。典型的な表面処理プロセスには、エネルギー(例えば、プラズマ、静電気、放射線又は他のエネルギー源)による表面処理、化学処理、物品表面への親水性モノマー又はマクロマーのグラフティング(grafting)、米国特許第6,719,929号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示の成形用型−トランスファーコーティングプロセス、米国特許第6,367,929及び6,822,016号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に提示されるコンタクトレンズ製造用のレンズ調製物への湿潤剤の導入、米国特許出願第60/811,949号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示の強化成形用型−トランスファーコーティング、及びLbLコーティングが含まれるが、これらに限定されない。好ましいタイプの表面処理プロセスは、イオン化ガスを物品の表面に適用するプラズマプロセスである。プラズマガス及びプロセス条件は、米国特許第4,312,575及び4,632,844号により詳しく記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。プラズマガスは、好ましくは、低級アルカンと窒素、酸素又は不活性ガスの混合物である。
【0083】
本明細書に記載の方法により、コンタクトレンズ又は眼内レンズなどの様々なシリコーンハイドロゲルレンズを製造することができる。
【0084】
実施例
以下の実施例は、本明細書において記載及び請求される化合物、組成物及び方法がどのように実施され、評価されるかの完全な開示及び説明を与えるために当業者に提供されるものであり、そして、これらは、単に例示を意図するものであり、発明者等が本発明とみなす範囲を限定することを意図するものではない。数値(例えば、量、温度など)に関しては正確を期したが、若干の誤差及び偏差は考慮されるべきである。特に指示しない限り、部は重量部であり、温度は℃又は周囲温度であり、そして、圧力は大気圧又はその近傍圧である。反応条件、例えば、成分濃度、所望の溶媒、溶媒混合物、温度、圧力ならびに記載のプロセスから得られる生成物の純度及び収率を最適化するために使用することができるその他の反応範囲及び条件の変形及び組み合わせが多くある。このようなプロセス条件を最適化するためには、妥当な日常的実験のみが必要であろう。
【0085】
実施例1
酸素透過度の測定
レンズの酸素透過度及びレンズ材料の酸素伝達率は、米国特許第5,760,100号及びWinterton等の論文(The Cornea: Transactions of the World Congress on the Cornea 111, H.D. Cavanagh Ed., Raven Press: New York 1988, pp273-280)に記載の技術と類似の技術に従って決定することができる。これら両方は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。湿潤セル中(即ち、ガス流を相対湿度約100%に維持した)、34℃で、Dk1000装置(Applied Design and Development Co., Norcross, GAから入手可能)又は類似の分析装置を用いて酸素フラックス(J)を測定する。既知の酸素%(例えば、21%)の気流を、約10〜20cm3/分の速度でレンズの一方側から通過し、レンズの反対側に窒素流を約10〜20cm3/分の速度で通す。測定の前に、既定の試験温度で少なくとも30分間(但し、45分以下)、試料を試験媒体(即ち、食塩水又は蒸留水)で平衡化する。オーバーレイヤーとして使用される任意の試験媒体を、測定の前に、既定の試験温度で少なくとも30分間(但し、45分以下)平衡化する。撹拌モーターの速度を、ステッピングモーターコントローラーの表示設定400±15に対応する1200±50rpmに設定する。周囲系の大気圧P測定を測定する。試験で曝露される領域のレンズ厚(t)を、Mitotoya micrometer VL-50又は類似の装置を用いて約10箇所測定することにより決定し、測定値の平均をとる。窒素流の酸素濃度(即ち、レンズを通って拡散する酸素)を、DK1000装置用いて測定する。レンズ材料の見掛けの酸素透過度Dkappを下記式から決定する:
Dkapp=Jt/(P酸素
[式中、J=酸素フラックス[O2 μl/cm2−分]
酸素=(P測定−P蒸気)=(気流中のO%)[mmHg]=気流中の酸素の分圧
測定=大気圧(mmHg)
蒸気=34℃で0mmHg(乾燥セル中)(mmHg)
蒸気=34℃で40mmHg(湿潤セル中)(mmHg)
t=曝露試験領域のレンズの平均厚(mm)
Dkappは、barrer単位で表される。
材料の酸素伝達率(Dk/t)は、酸素透過度(Dkapp)をレンズの平均厚(t)で割って算出することができる。
【0086】
イオン透過度の測定
レンズのイオン透過度は、米国特許第5,760,100号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載の手順に従って測定することができる。イオン透過度の値は、標準材料であるレンズ材料Alsaconに対する相対イオノフラックス拡散係数(D/Dref)である。Alsaconは、イオノフラックス拡散係数0.314×10−3mm2/分を有する。
【0087】
実施例2
本実施例は、ポリシロキサンコポリマーの水ベース溶液の調製を説明する。あるポリシロキサンブロックコポリマーGP−690(HO−PEG−PDMS−PEG−OH、Mw=3172)は、約63重量%のポリシロキサン部分及び約37重量%の親水性ポリマー部分(ポリエチレングリコール、PEG)を有する。GP−690は、本実施例において、ポリシロキサンビニルマクロマーの代わりに使用される。他のポリシロキサンブロックコポリマーDBE−C25(HO−PEG−PDMS−PEG−OH、Mw=3600〜4400)は、約40重量%のポリシロキサン部分及び約60重量%の親水性ポリマー部分(PEG)を有する。DEB−C25は、本実施例において、ポリシロキサン含有界面活性剤として使用される。
【0088】
約5.2gのGP−690(「マクロマー」)を約5gの水と混合する場合、GP−690が水に不溶で、不透明な混合物が得られることが見出される。
【0089】
約5.2gのDBE(「界面活性剤」)を約5gの水と混合する場合、DBEが水に可溶で、清澄(透明)な溶液が得られることが見出される。
【0090】
約2.6gのGP−690及び2.6gのDBE−C25を混合し、ホモジナイズして液体を得て、これを、約5gの水と混合する場合、清澄(透明)な溶液が得られる。
【0091】
本願を通して、様々な出版物が参照される。本明細書に記載の化合物、組成物及び方法をさらに詳しく記述するために、これらの出版物の開示は、参照によりその全体が本願に組み込まれる。
【0092】
本明細書に記載の化合物、組成物及び方法に対して、様々な改変及び変形を実施することができる。本明細書に記載の化合物、組成物及び方法の他の態様は、本明細書に記載の化合物、組成物及び方法の説明及び実施を考察することにより明らかとなるであろう。本説明及び実施例は、例示として考慮されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを製造する方法であって、
a.(i)ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマー;(ii)場合により、親水性ビニルモノマー;(iii)ポリシロキサン含有界面活性剤、及び(iv)水を含む水ベースのレンズ形成組成物を成形用型に注入すること(ここで、ポリシロキサン含有界面活性剤は、室温で液体であり、化学線重合性基を有さず、そして、約10重量%〜約40重量%の1つ以上のポリシロキサン部分ならびに約90重量%〜約60重量%の親水性ユニット及び/又は部分を含むコポリマーであり、実質的に透明な溶液を生成するために、ポリシロキサン含有界面活性剤は、ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーを水に溶解させるのに十分な量で存在する);
b.組成物を硬化してレンズを製造すること;そして
c.成形用型からレンズを取り出すこと
を含む方法。
【請求項2】
水ベースのレンズ形成組成物が、約50重量%〜約99重量%の1つ以上のポリシロキサン部分を含むポリシロキサン含有ビニルマクロマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ポリシロキサン含有ビニルモノマー又はマクロマーが、モノメタクリル化又はモノアクリル化ポリジメチルシロキサン;ジメタクリル化又はジアクリル化ポリジメチルシロキサン;ビニルカーボネート末端ポリジメチルシロキサン;ビニルカルバメート末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ポリジメチルシロキサン;メタクリルアミド末端ポリジメチルシロキサン;アクリルアミド末端ポリジメチルシロキサン;アクリレート末端ポリジメチルシロキサン;メタクリレート末端ポリジメチルシロキサン;ビス−3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシプロピルポリジメチルシロキサン;N,N,N’,N’−テトラキス(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−α,ω−ビス−3−アミノプロピル−ポリジメチルシロキサン;ポリシロキサニルアルキル(メタ)アクリルモノマー、又はその任意の組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ポリシロキサン含有ビニルマクロマーが、シリコーン含有プレポリマーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
水ベースのレンズ形成組成物が、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、N,N−ジメチルメタクリルアミド(DMMA)、2−アクリルアミドグリコール酸、3−アクリロイルアミノ−1−プロパノール、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]−アクリルアミド、N−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−メチル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−エチル−5−メチレン−2−ピロリドン、5−メチル−3−メチレン−2−ピロリドン、5−エチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−n−プロピル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−n−プロピル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−イソプロピル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−イソプロピル−5−メチレン−2−ピロリドン、1−n−ブチル−3−メチレン−2−ピロリドン、1−tert−ブチル−3−メチレン−2−ピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、トリメチルアンモニウム2−ヒドロキシプロピルメタクリレート塩酸塩、アミノプロピルメタクリレート塩酸塩、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、グリセロールメタクリレート(GMA)、N−ビニル−2−ピロリドン(NVP)、アリルアルコール、ビニルピリジン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイソプロピルアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、アリルアルコール、N−ビニルカプロラクタム、又はその任意の組み合わせである少なくとも1つの親水性ビニルモノマーを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
界面活性剤が、(a)約10重量%〜約40重量%の2つの第一又は第二官能基で末端化した少なくとも1つの直線状ポリシロキサン含有化合物、(b)約90重量%〜約60重量%の(i)2つの末端第一又は第二官能基を有する少なくとも1つの直線状親水性化合物又はポリマー、及び(ii)第一又は第二官能基の一方のみを有する少なくとも1つの親水性ポリマー、ならびに(c)互いに独立して、3つ以上の第一又は第二官能基を有する有機化合物である1つ以上の分岐剤を含む混合物(ここで、第一及び第二官能基は、互いに異なっており、アミン基、ヒドロキシル、カルボキシ、イソシアネート、エポキシ及び酸ハロゲン化物基からなる群より選択され、そして、第一及び第二官能基は、カップリング剤の存在下又は非存在下で互いに共反応して共有結合を形成する)を共重合することにより得られる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
界面活性剤が、(1)約10重量%〜約40重量%の1又は2つのエチレン不飽和基を有する1つ以上のポリシロキサン含有マクロマーならびに(2)約90重量%〜約60重量%の1つ以上の親水性ビニルモノマー及び/又は親水性プレポリマーを含む混合物を共重合することにより得られる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
界面活性剤が、ポリシロキサン部分の2つの末端の少なくとも1つを、結合を介して親水性ポリマー鎖で末端キャップした少なくとも1つの直線状ポリシロキサンポリマーを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
界面活性剤が、式(2):
【化10】


[式中、
rは、0又は1の整数であり;
及びAは、独立して、直鎖又は分岐鎖C−C10−アルキレン二価ラジカルであり;
及びXは、独立して、直接結合、
【化11】


(式中、R’は、H又はC−C−アルキルである)
からなる群より選択される結合であり;
及びLは、独立して、
【化12】


であり;
PDMSは、式(3):
【化13】


{式中、νは、0又は1であり、ωは、0〜5の整数であり;
及びUは、独立して、−R11−X−E−X−R’11−で表される二価ラジカルであり(式中、R11及びR’11は、独立して、直鎖又は分岐鎖C−C10−アルキレン二価ラジカルであり、X及びXは、互いに独立して、
【化14】


(式中、R’は、H又はC−C−アルキルである)
からなる群より選択される結合であり、Eは、1〜40個の炭素原子を有するアルキルジラジカル、シクロアルキルジラジカル、アルキルシクロアルキルジラジカル、アルキルアリールジラジカル又はアリールジラジカルであり、場合により、主鎖にエーテル、チオ又はアミン結合を有する);
、D及びDは、独立して、式(1):
【化15】


(式中、R〜R10は、独立して、C−C−アルキル、C−C−アルキル−もしくはC−C−アルコキシ置換フェニル、フルオロ(C−C18−アルキル)、シアノ(C−C12−アルキル)又は−alk−であり、ここで、alkは、C−C−アルキレン二価ラジカルであり、p、q及びrは、独立して、0〜700の整数であり、そして、(p+q+r)は、5〜700である)
で表される二価基である}
で表されるポリシロキサン二価ラジカルであり;
及びYは、独立して、式(4)又は(5):
【化16】


{式中、R12及びR13は、独立して、水素、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルもしくはC−C−アリールであるか、又は、R12及びR13は、一緒になって、−(CH−であり(式中、gは、2〜6の整数である)、
alk’は、直鎖又は分岐鎖C−C10−アルキレン二価ラジカルであり、
A及びAは、独立して、−O−、−NR’−又は−S−であり、
は、
【化17】


からなる群より選択される結合である}
で表される二価ラジカルであり;そして、
Tは、1つ以上の親水性ビニルモノマー由来のモノマーユニットを含む一価の親水性ポリマー鎖である]
により定義される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
水ベースのレンズ形成組成物が、式Iで表されるポリシロキサン含有ビニルマクロマー及び式IIで表されるポリシロキサン含有界面活性剤:
CP−PAO−ALK−PDMS−ALK−PAO−CP(I)
X−PAO−ALK−PDMS−ALK−PAO−X(II)
[式中、PDMSは、二価のポリ(二置換シロキサン)であり、ALKは、少なくとも3個の炭素原子を有するアルキレン又はアルキレンオキシ基であり、DUは、ジウレタン含有基であり、PAOは、式−(RO)−(RO)−(RO)−で表される二価のポリオキシアルキレンであり(式中、R、R及びRは、互いに独立して、エチレン(−CHCH−)又はプロピレン(−CH(CH)−CH−)二価ラジカルであり、そして、n、m及びlは、互いに独立して、0〜100であり、但し、n、m及びlの合計は、3〜100であり、そして、R、R及びRの少なくとも1つは、エチレン二価ラジカルである)、CPは、アクリレート及びメタクリレートであり、そして、Xは、非化学線重合性基である]
を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
レンズ形成組成物が、疎水性モノマーをさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
疎水性モノマーが、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、スチレン、クロロプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、1−ブテン、ブタジエン、メタクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、ペルフルオロへキシルエチル−チオ−カルボニル−アミノエチル−メタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリフルオロエチルメタクリレート、ヘキサフルオロ−イソプロピルメタクリレート、ヘキサフルオロブチルメタクリレート、又はその任意の組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
レンズ形成組成物が、N−[トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル]−(メタ)アクリルアミド、N−[トリス(ジメチルプロピルシロキシ)−シリルプロピル]−(メタ)アクリルアミド、N−[トリス(ジメチルフェニルシロキシ)シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N−[トリス(ジメチルエチルシロキシ)シリルプロピル](メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシ−3−(3−(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル)−2−メチルアクリルアミド;N−(2−ヒドロキシ−3−(3−(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル)アクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]−2−メチルアクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(ビス(トリメチルシリルオキシ)メチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]アクリルアミド;N−(2−ヒドロキシ−3−(3−(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)−2−メチルアクリルアミド;N−(2−ヒドロキシ−3−(3−(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル)アクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル]−2−メチルアクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル)プロピルオキシ)プロピル]アクリルアミド;N−[2−ヒドロキシ−3−(3−(t−ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]−2−メチルアクリルアミド;N−[2−ヒドロキシ−3−(3−(t−ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]アクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(t−ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]−2−メチルアクリルアミド;N,N−ビス[2−ヒドロキシ−3−(3−(t−ブチルジメチルシリル)プロピルオキシ)プロピル]アクリルアミド;3−メタクリルオキシプロピルペンタメチルジシロキサン、トリス(トリメチルシリルオキシ)シリルプロピルメタクリレート(TRIS)、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン)、(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−メタクリルオキシ−2−(2−ヒドロキシエトキシ)−プロピルオキシ)プロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、N−2−メタクリルオキシエチル−O−(メチル−ビス−トリメチルシロキシ−3−プロピル)シリルカルバメート、3−(トリメチルシリル)プロピルビニルカーボネート、3−(ビニルオキシカルボニルチオ)プロピル−トリス(トリメチルシロキシ)シラン、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルアリルカルバメート、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルビニルカーボネート、t−ブチルジメチル−シロキシエチルビニルカーボネート;トリメチルシリルエチルビニルカーボネート、トリメチルシリルメチルビニルカーボネート、及びその組み合わせからなる群より選択されるシリコーン含有ビニルモノマーをさらに含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
レンズ形成組成物が、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロプロパントリメタクリレート(trimethylopropane trimethacrylate)、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビニルメタクリレート、エチレンジアミンジメチルアクリルアミド(ethylenediamine dimethyacrylamide)、エチレンジアミンジアクリルアミド、グリセロールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、アリルメタクリレート、アリルメタクリレート、1,3−ビス(メタクリルアミドプロピル)−1,1,3,3−テトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、N,N’−エチレンビスアクリルアミド、N,N’−エチレンビスメタクリルアミド,1,3−ビス(N−メタクリルアミドプロピル)−1,1,3,3−テトラキス−(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、1,3−ビス(メタクリルアミドブチル)−1,1,3,3−テトラキス(トリメチルシロキシ)−ジシロキサン、1,3−ビス(アクリルアミドプロピル)−1,1,3,3−テトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、1,3−ビス(メタクリルオキシエチルウレイドプロピル)−1,1,3,3−テトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、及びその組み合わせからなる群より選択される架橋剤をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
レンズ形成組成物が、UV吸収剤、着色剤、抗菌剤、阻害剤、充填剤、又はその任意の組み合わせをさらに含む、請求項14に記載の方法。

【公表番号】特表2013−513822(P2013−513822A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543273(P2012−543273)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059616
【国際公開番号】WO2011/075377
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】