説明

水分が減少した含水アセトニトリルの取得方法

【課題】含水アセトニトリルから水分が減少した含水アセトニトリルを取得する方法を提供する。
【解決手段】水およびアセトニトリルを含有する含水アセトニトリルから、水分が減少した含水アセトニトリルを取得する方法であり、前記の水およびアセトニトリルを含有する含水アセトニトリルと炭素数3〜8のアルケンとを混合する工程(1)、工程(1)で得られた混合物を上層と下層とに分液する工程(2)、ならびに工程(2)で分液した上層を回収する工程(3)を含むことを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分が減少した含水アセトニトリルを取得する方法、詳しくは、含水アセトニトリルから水分の一部を除去することによって、水分が減少した含水アセトニトリルを取得する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒存在下、過酸化水素を用いてプロピレンからプロピレンオキシドを製造する際、溶媒としてアセトニトリル/水の混合溶媒を使用する方法が知られている。例えば、下記特許文献1には、アセトニトリルと水とを重量比で50:50の割合で含む混合溶媒中、プロピレンと過酸化水素とを反応させることによってプロピレンオキシドを得る方法が開示されている。
【0003】
この方法では、過酸化水素から水が副生成物として生成するため、混合溶媒中の水が増加する。即ち、アセトニトリル/水を混合溶媒として用いる場合、プロピレンオキシドの製造によって、混合溶媒中の水の割合が大きくなる。
【0004】
また、下記特許文献2には、プロピレンと過酸化水素とを反応させることによってプロピレンオキシドを得る方法において、混合溶媒としてのアセトニトリル/水中の水の濃度は、プロピレンオキシドの生成に影響を与えること、そして、過剰に多くの水を含む場合には、プロピレンオキシドの生成速度が小さくなることが開示されている。従って、過度に増加した水を除去しない場合には、混合溶媒中の水の割合が所望の範囲から逸脱して大きくなり過ぎ、反応に悪影響をもたらし得るため、そのように水が増加した混合溶媒から水の一部を除去する必要がある。
【0005】
尚、本明細書において使用する「含水アセトニトリル」なる用語は、アセトニトリルおよび水を含有する液体混合物を意味する。アセトニトリル/水の混合溶媒中にてアルケンおよび過酸化水素からアルケンオキシドを製造する場合、混合溶媒は、水およびアセトニトリルに加えて、アルケンオキシドおよびそれに由来する多価アルコールから成る群から選択される少なくとも一種の有機化合物を含有することがあり、本明細書では、含水アセトニトリルは、そのような有機化合物を更に含有してもよい。尚、含水アセトニトリルは、残存している未反応の反応原料を更に含んでよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−327581号公報
【特許文献2】特開2009−256301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
含水アセトニトリルから水分が減少した含水アセトニトリルを取得する方法として、含水アセトニトリルを蒸留処理に付して、水分が減少した含水アセトニトリルを得る方法がある。しかしながら、この方法は、除去すべき水を塔底から取り出し、残りを留出させる蒸留処理を用いるため、消費エネルギーが多く、必ずしも充分に満足できる方法とは言えない。そこで、含水アセトニトリルから水分が減少した含水アセトニトリルを取得する新たな方法を提案することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題について検討を重ねた結果、本発明に到った。
【0009】
本発明は、水およびアセトニトリルを含有する含水アセトニトリルから、水分が減少した含水アセトニトリルを取得する方法を提供し、この方法は、
前記の水およびアセトニトリルを含有する含水アセトニトリルと、炭素数3〜8のアルケン(以下、「特定のアルケン」とも記す)とを混合する工程(1)(以下、「混合工程(1)」とも記す)、
工程(1)で得られた混合物を上層と下層とに分液する工程(2)(以下、「分液工程(2)」とも記す)、ならびに
工程(2)で分液した上層を回収する工程(3)(以下、「上層回収工程(3)」とも記す)
を含む。換言すれば、本発明の方法は、含水アセトニトリルから、含水アセトニトリルに含まれる水の一部を除去する方法とも呼べる。
【0010】
分液工程(2)における上層は、アセトニトリル、水および特定のアルケンを含んで成り、混合工程(1)における、除水すべき含水アセトニトリル(「元の含水アセトニトリル」とも呼ぶ)におけるより低い濃度で水を含む。他方、分液工程(2)における下層は、同様にアセトニトリル、水および特定のアルケンを含んで成り、混合工程(1)における含水アセトニトリルにおけるより高い濃度で水を含む。尚、本明細書において、含水アセトニトリルにおける水およびアセトニトリルの総量に対する水の量の割合が小さくなる場合に「より低い濃度」なる用語を使用し、他方、そのような水の量の割合が大きくなる場合に「より高い濃度」なる用語を使用している。
【0011】
従って、上層回収工程(3)において回収する上層に含まれる水の濃度は、混合工程(1)における元の含水アセトニトリルに含まれる水の濃度より低くなる、即ち、元の含水アセトニトリルから水の一部が除去された含水アセトニトリルが得られることになる。
【0012】
本発明の方法において、特定のアルケンには、具体的にはプロピレン、ブテン、ペンテンおよびヘキセンが含まれる。本発明の方法は、特定のアルケンが液体状態である条件下で実施するのが好ましい。従って、本方法を実施する条件は、特定のアルケンが液体状態で存在するように、必要に応じて、加圧状態となるように選択する。例えば、プロピレンまたはブテンを特定のアルケンとして用いる場合は、加圧条件を採用するのが好ましい。ペンテン、ヘキセンを特定のアルケンとして用いる場合は、通常、常圧条件を採用できる。好ましい特定のアルケンは、プロピレンであり、プロピレンオキシド製造においては、プロピレンは反応原料として用いる為、水分が減少した含水アセトニトリルにプロピレンが含まれていても、それを除去する必要が無い点、即ち、水分が減少した含水アセトニトリルからプロピレンを除去しなくても混合溶媒としてプロピレンオキシドの製造に使用できる点で有利である。
【0013】
工程(1)において元の含水アセトニトリルと混合する特定のアルケンの量は、元の含水アセトニトリルより低い濃度で水を含む上層を得ることができる限り、特に限定されるものではないが、元の含水アセトニトリルに含まれるアセトニトリルの100重量部に対して、好ましくは5〜40重量部、より好ましくは10〜40重量部である。
【0014】
本発明の方法における条件によっては、分液の進行が遅く、その結果、上層と下層との界面が現れる迄に時間を要したり、あるいは、通常の操作条件下では、上層と下層との間に明確な界面が実質的に現れない場合がある。そのような場合、本発明の好ましい態様では、混合工程(1)において、アルカリ金属イオンを共存させる、具体的には、特定のアルケンに加えて、そのようなアルカリ金属の水酸化物を更に追加するのが好ましい。このように、アルカリ金属水酸化物を共存させることによって、分液工程(2)における分液が促進され、上層と下層との界面がより迅速に現れる、および/または、界面がより明確になる。好ましいアルカリ金属水酸化物は、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等であり、これらは、少ない添加量でアセトニトリル水を分液させることができる点で有利である。通常、アルカリ金属水酸化物は、工程(1)で得られた混合物にそのまま追加してもよいが、その水溶液の形態で追加して混合工程(1)で使用するのが好ましい。
【0015】
本発明の方法は、アセトニトリルと水とを含有する混合溶媒中でアルケン(例えばプロピレン)と過酸化水素とを反応させることによってアルケンオキシド(例えばプロピレンオキシド)を製造するに際して、反応生成物であるアルケンオキシドを反応混合物から取り出す工程を経て得られる、アセトニトリルおよび水を含有する含水アセトニトリルから、水分が減少した含水アセトニトリルを取得するのに好適に使用できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の方法では、含水アセトニトリルと特定のアルケンと混合し、その後、上層および下層に分液し、上層を回収することによって、元の含水アセトニトリルから、水分が減少した含水アセトニトリルを取得することができるので、非常に簡単な操作で含水アセトニトリルから水の一部を除去できるという点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の方法を用いて、プロピレンオキシド製造プロセスで生じる含水アセトニトリルから、水分が減少した含水アセトニトリルを取得するプロセスを模式的に示すフローシートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の方法では、混合工程(1)および分液工程(2)はいずれの適当な方法で実施してもよい。元の含水アセトニトリルと特定のアルケンとを混合し、その後、分液して上層および下層を形成する操作は、本来的には、相互溶解度に限界がある例えば3成分系の性質を利用する液―液抽出操作と同様である。従って、本発明の方法は、抽出操作を実施する装置を用いて実施でき、いずれの適当な抽出装置をも使用することができる。
【0019】
例えば、撹拌装置を有する槽に含水アセトニトリルと特定のアルケンとを供給して、これらを撹拌装置によって混合することによって混合工程(1)を実施し、その後、撹拌装置を停止して静置して上層および下層に分液することによって分液工程(2)を実施し、分液した上層を回収することによって上層回収工程(3)を実施することによって本発明の方法を実施できる。この場合、本発明の方法を回分式で実施することになる。
【0020】
別の態様では、連続抽出操作を実施できる装置を利用して本発明の方法を実施する。例えば、ミキサー−セトラー装置を用いて、ミキサーに含水アセトニトリルおよび特定のアルケンを連続的に供給し、そこでこれらを混合し、ミキサーからこれらの混合物を連続的に取り出してセトラーに連続的に供給して分液させ、セトラーから上層および下層を連続的に回収する。
【0021】
更に別の態様は、塔型の連続抽出装置を用いて、水を除去すべき含水アセトニトリルを塔の上方に供給し、特定のアルケンを塔の下方に供給し、これらを向流で接触させて装置の頂部からアセトニトリルに富む相としての分液した上層、即ち、より低い濃度で水を含む上層を回収し、装置の塔底から、水に富む相としての分液した下層、即ち、より高い濃度で水を含む上層を取り出す。
【0022】
本発明の方法では、元の含水アセトニトリルと比較して、水濃度が低下したアセトニトリルに富む相を上層として得、水濃度がより高い水相を下層として得る。特定のアルケンは、水に対する溶解度が非常に小さいので、下層には殆ど分配されない。元の含水アセトニトリルに含まれていたアセトニトリルは、通常、大部分(例えば70〜80%程度)が上層に分配され、残りが下層に分配される。元の含水アセトニトリルに含まれていた水は、上層および下層の双方に分配される。
【0023】
本発明の方法は、いずれの適当な操作条件で実施してもよい。操作温度および操作圧力を適当に選択して、元の含水アセトニトリルおよび特定のアルケンが液体で存在するような条件下で本発明の方法を実施する。通常、分液速度の面では、温度が高い方が有利だが、一方、相互溶解度が高くなる為、分液の効率が低下する。例えば20℃〜60℃で実施するのが有利である。
【0024】
本発明の方法は、例えば先に説明したアセトニトリルと水とを含有する混合溶媒中でアルケン(例えばプロピレン)と過酸化水素とを反応させることによってアルケンオキシド(例えばプロピレンオキシド)を製造するに際して、反応生成物であるアルケンオキシドを反応混合物から取り出す工程を経て得られる、アセトニトリルおよび水を含有する含水アセトニトリルから、水の一部を除去するのに使用できる。具体的には、プロピレンオキシド製造プロセスにおいて、プロピレンオキシドを含む反応混合物からプロピレンオキシドを取り出した後、得られた混合物を元の含水アセトニトリルとして取り出す。当該混合物中の水濃度は、プロピレンオキシドの他の製造条件に応じて、一般的には20〜60重量%の範囲の所定濃度領域で、例えば約30重量%で維持して製造プロセスが継続される。プロピレンオキシドが生成するにつれて混合溶媒中の水濃度が増加するので、本発明の方法を用いて、元の含水アセトニトリルから水の一部を除去する。
【0025】
より具体的には、元の含水アセトニトリルと特定のアルケンとを混合し、そして、上層および下層に分液する。上層は、水濃度が低下したアセトニトリルに富む相であり、更に、特定のアルケンを含む。必要に応じて、このアルケンをいずれかの適当な方法で除去して水濃度が低下した含水アセトニトリルを得、これをアルケンオキシド製造プロセスに戻して混合溶媒として使用する。また、下層は、アセトニトリルを含む水に富む相であり、これに含まれるアセトニトリルも回収して、アルケンオキシド製造プロセスに戻して使用することができる。下層からのアセトニトリルの回収は、いずれの適当な方法を使用してもよく、例えば、下層を共沸蒸留操作に付し、塔頂から、アセトニトリル/水の共沸組成物を得、塔底から水を得ることができる。尚、共沸組成物はアセトニトリルを約80重量%またはそれ以上の量で含むため、これもアルケンオキシド製造プロセスに戻して混合溶媒として使用することができる。
【0026】
本発明の方法では、分液を促進するために、混合工程(1)において、特定のアルケンに加えて、元の含水アセトニトリルとアルカリ金属水酸化物とを混合するのが好ましい。アルカリ金属水酸化物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を例示でき、水酸化ナトリウムを使用するのが好ましい。アルカリ金属水酸化物は、その水溶液の形態で、使用するのが好ましく、アルカリ金属水酸化物が均一に分配され易い。
【0027】
使用するアルカリ金属水酸化物の量は、分液が促進される限り、いずれの適当な量であってもよいが、通常、元の含水アセトニトリルに含まれる水1重量部に対して、好ましくは0.001重量部以上、0.1重量部以下の量で、好ましくは、0.0047重量部以上、0.014重量部以下の量で使用する。
【0028】
次に、図1を参照して本発明の方法を更に具体的に説明する。図1は、プロピレンオキシド製造プロセスにおいて、プロピレンオキシドを取り出した後に得られる含水アセトニトリルから、水の一部を除去して、水分が減少した含水アセトニトリルを取得するプロセスの模式的フローシートを示す。
【0029】
プロピレンオキシド製造プロセスにおいて、プロピレンオキシドを取り出した後に得られる含水アセトニトリル(ATN/HO)2と特定のアルケン4とを混合し、その後、これらを水除去装置6に供給する。この装置としては、上述のように液−液抽出装置として使用されているもの、例えば充填塔または棚段塔のような抽出塔を利用できる。尚、水除去装置6に供給する手前の箇所(8で示す箇所)にて、撹拌槽のような混合装置を用いて含水アセトニトリル2とアルケン4とを混合してよい。水除去装置6では、分液が起こり、上層に相当する相が上昇し、他方、下層に相当する層が下降し、いずれか一方の相が連続相を形成し、他方の相が分散相を形成する。
【0030】
充填塔または棚段塔のような微分接触型の抽出装置を用いる場合、図示するように、含水アセトニトリル2と特定のアルケン4とを予め混合することなく、含水アセトニトリルを装置の上方に、また、特定のアルケンを装置の下方に、これらを別々の箇所から抽出装置に供給して、装置内で混合工程とその後の分液工程を実施してもよい。
【0031】
尚、図示した態様では、アルカリ金属水酸化物として、水除去装置6の上方から水酸化ナトリウム水溶液(例えば40%水溶液)14を供給し、これが装置16を降下する間に分液を促進する。尚、水酸化ナトリウムは、水溶液ではなく、含水アセトニトリルに溶解させたものを供給してもよい。
【0032】
水除去装置6において上層を形成する相は、アセトニトリルを主成分として含み、それに加えて、水および特定のアルケンを含有し、水除去装置6の上方から上層ストリーム10として回収される。上述のように、元の含水アセトニトリル2に含まれる水の濃度(例えば33重量%)は、操作条件に応じて、上層10において減少している(例えば21重量%)ので、上層10をアルケンオキシド製造プロセスで混合溶媒として使用できる。
【0033】
尚、上層には特定のアルケンが含まれるので、それがアルケンオキシド製造プロセスで問題になる場合には、それを適当な方法、例えば蒸留操作によって除去する。本発明の方法にて用いる特定のアルケンが、アルケンオキシド製造プロセスに用いるアルケンと同じである場合、特定のアルケンが含まれることは有利である。例えば、プロピレンオキシドの製造プロセスに用いる含水アセトニトリルから水を除去する場合、プロピレンを特定のアルケンとして用いると有利である。
【0034】
水除去装置6において下層を形成する相は、元の含水アセトニトリルから除去された水を含み、それに同伴されるアセトニトリルをも含む。更に、特定のアルケンもわずかに含む。そのような相は、水除去装置6の下方から下層ストリーム12として排出される。この下層12は、相当量のアセトニトリルを含むので、アセトニトリルを回収するために、共沸蒸留装置16に供給する。
【0035】
共沸蒸留装置16では、塔頂からアセトニトリル/水の共沸組成物がストリーム18として留出し、それを凝縮して一部を還流として装置16に戻し、残りをストリーム22として系外に取り出す。この共沸組成物は、常圧で蒸留操作をする場合、84重量%のアセトニトリルを含み、残部は水である。尚、下層が微量の特定のアルケンを含む場合は、これも塔頂から一緒に留出する。
【0036】
また、共沸蒸留装置16からは、缶出ストリーム20として水が排出される。尚、元の含水アセトニトリルと水酸化ナトリウムとを混合する場合は、缶出液は水酸化ナトリウムを含む。その場合、缶出液20に硫酸(HSO)26を加えて水酸化ナトリウムを中和した後、ストリーム28として系外に排出できる。
【0037】
尚、ストリーム22も、アルケンオキシド製造プロセスで混合溶媒として使用できる。従って、図示した態様では、ストリーム22をストリーム24に合流させている。
【実施例】
【0038】
水、アセトニトリル(ATN)および1−ヘキセンの液−液平衡関係を種々の温度で測定した。具体的には表1〜表4に示す量で各成分を秤量して分液ロートに入れ、これを十分に振って混合した後、静置して上層および下層に分液させ、上層を回収した。上層および下層の量を測定し、また、これらの組成も分析した、その結果も表に示す。
【0039】
【表1】

測定温度:50℃、40%NaOH水溶液使用
1)特定のアルケンとしての1−ヘキセン
2)仕込量については40%水酸化ナトリウム水溶液の量、上層および下層については分析により得られたNa量に基づく換算NaOH量
下記の表2および表3においても同じ。
【0040】
【表2】

測定温度:50℃、40%NaOH水溶液使用
【0041】
【表3】

測定温度:50℃、40%NaOH水溶液使用
【0042】
【表4】

測定温度:50℃、40%NaOH水溶液使用
【符号の説明】
【0043】
2…含水アセトニトリル、4…特定のアルケン、6…水除去装置、
10…上層ストリーム、12…下層ストリーム、14…水酸化ナトリウム、
16…共沸蒸留装置、18…留出ストリーム、20…缶出ストリーム、22…留出液、
26…硫酸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水およびアセトニトリルを含有する含水アセトニトリルから、水分が減少した含水アセトニトリルを取得する方法であり、
前記の水およびアセトニトリルを含有する含水アセトニトリルと炭素数3〜8のアルケンとを混合してこれらの混合物を得る工程(1)、
工程(1)で得られた混合物を上層と下層とに分液する工程(2)、ならびに
工程(2)で分液した上層を回収する工程(3)
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
工程(1)におけるアルケンの量は、前記の水およびアセトニトリルを含有する含水アセトニトリルに含まれるアセトニトリル100重量部に対して5〜40重量部であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
工程(1)において、さらに前記の水およびアセトニトリルを含有する含水アセトニトリルとアルカリ金属の水酸化物とを混合することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
アルカリ金属の水酸化物は水酸化ナトリウムであることを特徴とする請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記の水およびアセトニトリルを含有する含水アセトニトリルは、アセトニトリルと水とを含んで成る混合溶媒中でアルケンと過酸化水素とを反応させることによって得られる反応混合物からアルケンオキシドを取り出す工程を経て得られる含水アセトニトリルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2013−75844(P2013−75844A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215828(P2011−215828)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】