説明

水分量制御システム

構成要素を有する実質的に密閉された構造における周囲空気流中の水分量を制御するシステム。該システムは、少なくとも1つの湿度制御装置と、実質的に密閉された構造の複数の場所で空気流中の水分量を検出する複数のセンサとを含む。該複数のセンサは、少なくとも1つの湿度制御装置から離れて位置付けられ、少なくとも1つの湿度制御装置が影響を及ぼすように構成される構成要素の比較的至近に設置される。該システムはまた、複数のセンサの1つ又は複数によって検出された水分量レベルを受け取り、該検出された水分量レベルに基づいて複数の場所の周辺の周囲空気流中の水分量を変えるように少なくとも1つの湿度制御装置を制御するように構成される、コントローラを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水分量制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データセンタを、多数のラックに配置されたコンピュータシステムを収容する場所、例えば、部屋として定義することができる。
標準的なラック、すなわち電子機器のキャビネットは、米国電子工業会(EIA)エンクロージャ、78インチ(2メートル)高、24インチ(0.61メートル)幅及び30インチ(0.76メートル)奥行きとして規定される。
このようなラックは、多数のコンピュータシステム、約四十(40)から二百(200)以上のシステムを収容するように構成される。
コンピュータシステムは通常、多数のプリント回路板(PCB)、大容量記憶装置、電源、プロセッサ、マイクロコントローラ、及び半導体デバイスを含み、動作中に比較的大きな熱量を放散する。
【0003】
通常は1つ又は複数の空調(AC)ユニットを用いて、コンピュータシステムによって発せられる熱を放散するために冷却空気流が供給される。
水分が多すぎるとコンピュータシステム上で凝縮が起こる危険が増し、水分が少なすぎると静電気放電問題の危険が増すため、ACユニットによって供給される空気流中の水分量を制御することが有益である。
水分量を所望の範囲内に実質的に維持するために、ACユニットには、冷却空気流中の水分量を追加又は除去するように構成される加湿器/除湿器が設けられることが多い。
これらの装置が設けられているACユニットには、還流部(returns)に配置されて還流部を通ってACユニットに戻る空気流の相対湿度を検出する湿度センサも通常は設けられる。
さらに、ACユニットは、還流部における所定の相対湿度設定点に合うように冷却空気流の水分量を制御する。
【0004】
適切に設計及び配置されれば、また、所望の相対湿度範囲が広く、20%〜80%等であれば、ACユニットは通常、所望の範囲内に相対湿度レベルを維持することが可能である。
しかしながら、湿度制御は、ACユニットの還流部において検出される相対湿度にのみ基づき、且つ相対湿度は温度の関数であるため、ACユニットの1つが供給する空気流が低温すぎる場合等の問題があるときに、データセンタの特定のエリアが低温空気を受け取り得ることでそれらのエリアでの凝縮の形成が生じる可能性がある。
さらに、データセンタの同エリアに低温空気流を供給する際に、或るACユニットの除湿中に別のACユニットが加湿中である場合があるため、ACユニットの動作は比較的エネルギー非効率であり得る。
【発明の概要】
【0005】
したがって、従来の湿度制御機構に関連する欠点及び不利点に煩わされることなく、データセンタ等の構造において湿度制御が行われることが望ましいであろう。
【0006】
本発明の特徴は、図面を参照して以下の説明から当業者には明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明の一実施形態による、本発明の種々の例が実施され得る実質的に密閉された構造の一部の簡略斜視図を示す。
【図1B】本発明の一実施形態による、図1Aに示す実質的に密閉された構造の簡略平面図を示す。
【図2】本発明の一実施形態による、実質的に密閉された構造における周囲空気流中の水分量を制御するシステムの簡略ブロック図を示す。
【図3】本発明の一実施形態による、少なくとも1つの湿度制御装置を用いて実質的に密閉されたエリアにおける周囲空気流中の水分量を制御する方法のフロー図を示す。
【図4】本発明の一実施形態による、湿度制御装置のそれぞれに関する作用区域を特定するように図2に示す湿度制御装置及びセンサのコミッショニングを行う方法のフロー図を示す。
【図5】本発明の一実施形態による、図2に示すコントローラを実施又は実行するように構成されるコンピューティング装置のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
単純化及び説明のために、本発明は、本発明の例示的な実施形態を主に参照することによって記述される。
以下の説明では、本発明を完全に理解することを可能にするために、多くの特定の詳細が記載される。
しかしながら、本発明を、これらの特定の詳細に限定することなく実施することができることが、当業者には明らかであろう。
他の例では、本発明を不必要に曖昧にしないように、よく知られている方法及び構造は詳細には述べられていない。
【0009】
本明細書には、実質的に密閉された構造における周囲空気流中の水分量を制御するシステム及び方法が開示されている。
本明細書に開示されているシステム及び方法は、少なくとも1つの湿度制御装置と、実質的に密閉された構造の複数の場所で空気流中の水分量を検出する複数のセンサとの使用を含む。
複数のセンサは、少なくとも1つの湿度制御装置から離れて位置付けられ、少なくとも1つの湿度制御装置が影響を及ぼすように構成される構成要素の比較的至近に設置される。
「離れて位置付けられる」と言う用語、及び複数のセンサが少なくとも1つの湿度制御装置から離れて位置付けられる構成の例は、以下に示されている。
【0010】
本明細書に開示されているシステム及び方法の実施によって、実質的に密閉された構造における湿度レベルが、湿度制御が行われるべき場所で検出され得る。
さらに、1つ又は複数の湿度制御装置を作動させて、それらの場所に供給される空気流の湿度レベルを変えることができる。
したがって、これらの場所に配置されている電子構成要素を所望の環境条件下で維持できることで、それらの信頼性を高めると共に1つ又は複数の湿度制御装置を作動させる際のエネルギー効率を高めることができる。
【0011】
最初に図1Aを参照すると、本発明の種々の例が実施され得る実質的に密閉された構造100の一部の簡略斜視図が示されている。
実質的に密閉された構造100は、建物、部屋、コンテナ等の任意の適当なタイプの実質的に密閉された構造を含み得る。
したがって、「実質的に密閉された」と言う用語は、その環境が実質的に制御され得る構造を包含することが意図される。
この点で、実質的に密閉された構造100は、外部環境から完全に密封される必要はなく、外部環境から或る程度の影響を受け得る。
実際には、空調ユニット(複数可)が、或る程度の量の外部補給空気流を実質的に密閉された構造100に引き込むように構成され得る。
【0012】
一例によれば、図1Aに示す実質的に密閉された構造100は、コンピューティング、冷却制御、及び湿度制御機器を有するデータセンタを含む。
「データセンタ」と言う用語は、概して、1つ又は複数の電子構成要素が設置され得る部屋又は他の空間を示すことを意図するものである。
図1A及び図1Bに示す実質的に密閉された構造100は、一般的な図を示しており、本発明の範囲から逸脱することなく、他の構成要素を追加してもよく、又は既存の構成要素を除去若しくは変更してもよいことが、当業者には容易に明らかであるはずである。
さらに、本開示全体を通して、実質的に密閉された構造100がデータセンタを含むものとして特に言及されているが、実質的に密閉された構造100が本明細書で上述したような他のタイプの構造を含んでもよいことを理解すべきである。
【0013】
実質的に密閉された構造100は、複数のラック102〜108、例えば、電子機器のキャビネットが、平行な列で整列しているものとして示されている。
ラック102〜108の列のそれぞれは、上げ床110の上に配置された4つのラックを含むものとして示されている。
上げ床110の下の空間112には、複数のワイヤ及び通信回線(図示せず)を設けることができる。
空間112は、1つ又は複数の空調(AC)ユニット114a〜114n(nは2以上の整数)(ACユニット114a及び114bのみが図示されている)からラック102〜108に冷却空気流を送出するプレナムとして機能することもできる。
冷却空気流は、ラック102〜108の一部又は全部の間にあるベントタイル118を通して空間112からラック102〜108に送出することができる。
【0014】
ラック102〜108は、概して、複数の電子構成要素116、例えば、プロセッサ、マイクロコントローラ、高速ビデオカード、メモリ、半導体デバイス等を収容するように構成される。
電子構成要素116は、複数のサブシステム(図示せず)、例えば、コンピュータ、サーバ、ブレード型サーバ等の要素であり得る。
サブシステム及び構成要素は、種々の電子機能、例えば、計算、スイッチング、ルーティング、表示等の機能を実施するようになっていてもよい。
【0015】
ラック102〜108のうちベントタイル118に面している側は、ラックの前部又は入口とみなすことができ、ラック102〜108のうちベントタイル118に面していない側は、ラック102〜108の後部又は排出部とみなすことができる。
限定のためでなく簡単のために、本開示の全体を通して、ラック102〜108の種々の側の説明はこの呼び方に依拠する。
【0016】
ACユニット114a〜114nは、概して、矢印126で示すように受け取った加熱された空気を冷却し、且つ冷却空気を空間112に供給するように作動される。
図1Aには明示されていないが、ACユニット114a〜114nは、実質的に密閉された構造100の外部から補給空気流を引き込むこともできる。
種々の場合に、ACユニット114a〜114nは、空間112に冷却空気流を供給する前に空気流を加湿及び/又は除湿する装置を含む。
こうした場合、ACユニット114a〜114nは、例えば、ACユニット114a〜114nが空気流を冷却及び/又は加湿する際に達成するようにプログラムされる相対湿度設定点、温度設定点、又はこれら両方に基づいて、空間112に供給される空気流中の水分量レベルを増減させるように作動され得る。
この点で、ACユニット114aが相対湿度を制御しているとき、通常は温度設定点の増加によってACユニット114aが加湿を行うように駆動される一方で、通常は温度設定点の減少によってACユニット114aが除湿を行うようになる。
【0017】
図1A及び図1Bには、湿度制御装置130a〜130nも示されており、この場合、nは2以上の整数を示す(130a及び130bのみが図示されている)。
一般的には、湿度制御装置130a〜130nは、実質的に密閉された構造100における1つ又は複数の場所に供給される空気流中の水分量を変えるように構成される。
換言すれば、湿度制御装置は、空気流を受け取り、受け取った空気流中の水分量を変え、且つ水分量を変えた空気流を出力するように構成される。
さらに、湿度制御装置130a〜130nは、実質的に密閉された構造100の外部から補給空気流を引き込むことができ、実質的に密閉された構造100から受け取った空気流に加えて補給空気流の水分量を変えることができる。
【0018】
図1Aに示す例では、湿度制御装置130a〜130nは、ACユニット114a〜114nとは別個の構成要素である(comprise)。
しかしながら、他の例によれば、湿度制御装置130a〜130nの1つ又は複数は、ACユニット114a〜114nと一体化されてもよく、したがって上述の加湿装置及び/又は除湿装置を備えていてもよい。
さらに、湿度制御装置130a〜130nは、上げ床110よりも高い位置にあるものとして示されているが、湿度制御装置130a〜130nは、ACユニット114a〜114nと同様に、上げ床110上に配置されて空間112に空気流を供給することができる。
【0019】
ACユニット114〜114n及び湿度制御装置130a〜130nの一方又は両方が、コントローラ128によって制御され得る。
或る点では、コントローラ128は、ACユニット114a〜114nによって供給される空気の温度、湿度レベル、及び体積流量を変えるようにACユニット114a〜114nを制御し得る。
さらに、又は代替的に、コントローラ128は、湿度制御装置130a〜130nによって供給される空気流中の水分量レベルを変えるように湿度制御装置130a〜130nを制御し得る。
コントローラ128は、図2に関して本明細書でより詳細に後述される。
【0020】
ACユニット114a〜114nの一方又は両方を制御する際に、コントローラ128は、複数の湿度センサ140a〜140nから感知湿度データを受け取ることができ、この場合、nは2以上の整数であり、参照符号114n、130n、及び132nの「n」と必ずしも同じ値であるとは限らず、参照符号114n、130n、及び132nの「n」もまた互いに異なり得る。
湿度センサ140a〜140nは、湿度計、乾湿計等の任意の適当なタイプの湿度センサを含み得る。
さらに、湿度センサ140a〜140nは、任意の適当な方法で、例えば、有線ネットワーク、無線ネットワーク等を介してコントローラ128に感知データを通信するように構成される。
【0021】
湿度センサ140a〜140nは、図1Aに示す他の特徴から区別するためにダイヤモンド形を有するものとして示されている。
さらに、湿度センサ140a〜140nは、実質的に密閉された構造100の全体にわたって種々の位置に位置付けられるものとして示されている。
例えば、湿度センサのいくつか140a〜140cは、ラック102〜108の入口又は出口に沿って配置されるものとして示されている。
別の湿度センサ140dは、ベントタイル118の近くに配置されるものとして示されている。
さらに別の湿度センサ140nは、ラック108の上部に配置されるものとして示されている。
本明細書でより詳細に後述するように、湿度センサ140a〜140nが湿度制御装置130a〜130n及びACユニット114a〜114nから離れて位置付けられる限り、湿度センサ140a〜140n、実質的に密閉された構造100における任意の適当な場所に配置されうることを理解すべきである。
【0022】
簡単のため及び説明のために、実質的に密閉された構造100は、4列のラック102〜108、2つのACユニット114a、114b、及び2つの湿度制御装置130a、130bを含むものとして図1Aに示されている。
したがって、実質的に密閉された構造100は、図1Aに示すラック102〜108、ACユニット114a、114b、及び湿度制御装置130a、130bの数に基づいていかなる限定もされるべきではない。
さらに、ラック102〜108はすべて同様に図示されているが、ラック102〜108が異種構成であってもよい。
例えば、ラック102〜108は、異なる企業によって製造されてもよく、又は異なるタイプの電子構成要素116、例えば水平取り付けサーバ、ブレード型サーバ等を収容するように設計されてもよい。
【0023】
次に図1Bを参照すると、図1Aに示す実質的に密閉された構造100の簡略平面図が示されている。
実質的に密閉された構造100は、実質的に密閉された構造100の全体にわたって種々の場所に配置されるACユニット114a〜114nを含むものとして示されている。
複数のベントタイル118が、図1Bにも示されており、上述のようにラック102〜108に冷却空気流を送出するように構成される。
【0024】
本明細書で上述したように、ベントタイル118及びラック102〜108は、上げ床110の上に配置され、その下に空間112(図1A)がある。
図1Bには、湿度制御装置130a〜130nも示されている(130a及び130bのみが図示されている)。
第1の例によれば、単一の湿度制御装置130aが、実質的に密閉された構造100に含まれている周囲空気流中の水分量を変えるように実施され得る。
別の例によれば、複数の湿度制御装置130a〜130nが、実質的に密閉された構造100における各エリア又は区域内の水分量を変えるように実施され得る。
後者の例では、複数の湿度制御装置130a〜130nによる影響を受ける区域は、例えば、隔壁の使用、空気流量等によって互いに実質的に別個にされてもよく、又は互いに重なってもよい。
【0025】
実質的に密閉された構造100は、湿度制御装置130a及び130bにそれぞれ関連する区域を表す、点線で形成されたボックス132a及び破線で形成されたボックス132bと共に示されている。
各区域132a及び132bは、各湿度制御装置130a〜130nに対する湿度センサ140a〜140nの近さに基づいて特定され得る。
さらに、又は代替的に、各区域132a及び132bは、本明細書でより詳細に後述するコミッショニングプロセスを通して特定され得る。
区域132a及び132bの特定により、図1Bに示すように湿度センサ140a〜140nの一部又は全部が複数の区域132a及び132bに含まれるようになり得る。
区域132a及び132bは、簡単のために矩形の形状を有するものとして示されているにすぎないため、区域132a及び132bが、例えば後述するコミッショニングプロセスの実施に基づいて任意の適当な形状を有するものと特定され得ることを理解すべきである。
【0026】
湿度センサ140a〜140nから受け取った入力に基づいて、コントローラ128によって湿度制御装置130a〜130nが制御され得る種々の方法も、本明細書で以下により詳細に開示されており、湿度センサ140a〜140nは、実質的に密閉された構造100におけるラック102〜108及び他の構成要素に関して種々の場所に配置されるものとして示されている。
【0027】
次に図2を見ると、一例による、実質的に密閉された構造における周囲空気流中の水分量を制御するシステム200の簡略ブロック図が示されている。
システム200が付加的な要素を含んでいてもよく、システム200の範囲から逸脱することなく本明細書に記載の要素のいくつかを除去及び/又は変更してもよいことを理解すべきである。
さらに、システム200は、図1A及び図1Bに示す実質的に密閉された構造100に関して上述した構成要素の多くを含むものとして示されている。
しかしながら、図1A及び図1Bに示すものとは異なる環境でシステム200が用いられ得ることを理解すべきである。
【0028】
図示のように、システム200は、ソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアを含み得るコントローラ128を含む。
コントローラ128は、入力モジュール210、コミッショニングモジュール212、湿度制御モジュール214、及び冷却制御モジュール216を含むものとして示されている。
コミッショニングモジュール212及び冷却制御モジュール216は、システム200のすべての実施形態で実施されなくてもよいため、これらのモジュールは、コントローラ218のオプションのモジュールと見なすことができる。
その代わりに、コミッショニングモジュール212及び冷却制御モジュール216は、本明細書で後述するような種々の実施形態で実施され得る。
【0029】
コントローラ128がソフトウェアを含む場合、コントローラ218は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶させることができ、図1Aに示す電子構成要素116の1つ等のコンピューティング装置のプロセッサによって実行させることができる。
こうした場合、モジュール210〜216は、本明細書で後述する機能を実施するように構成されるソフトウェアモジュール又は他のプログラム若しくはアルゴリズムを含み得る。
コントローラ128がファームウェア又はハードウェアを含むような場合、コントローラ128は、本明細書に記載の機能を実施するように構成される回路又は他の装置を含み得る。
こうした場合、モジュール210〜216は、ソフトウェアモジュール及びハードウェアモジュールの1つ又は複数を含み得る。
【0030】
したがって、一例として、コントローラ128は、コンピューティング装置のプロセッサを含むことができ、モジュール210〜216は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶されているソフトウェアを含むことができる。
コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、データストア220又は別個の記憶装置を含み得る。
さらに、データストア220は、DRAM、EEPROM、MRAM、フラッシュメモリ等の揮発性及び/又は不揮発性メモリを含み得る。
さらに、又は代替的に、データストア220は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、又は他の光媒体若しくは磁気媒体等の取り外し可能媒体に対する読み取り及び書き込みを行うように構成される装置を含み得る。
【0031】
いずれにしても、コントローラ128は、建物、部屋、データセンタ等の実質的に密閉された構造100における周囲空気流中の水分量を制御するように実行又は実施され得る。
より詳細には、例えば、コントローラ128は、周囲空気流中の水分量レベルを所定の範囲内に実質的に維持するように実行又は実施され得る。
コントローラ128が水分量を制御し得る方法の種々の例を、本明細書で後述する。
【0032】
コントローラ128は、入力モジュール210を実施又は実行して、空気流中の水分量を検出するように構成される複数のセンサ140a〜140nからの入力を受け取り得る。
コントローラ128は、入力モジュール210を実行して、外部環境から実質的に密閉された構造100内に入れられた補給空気中の水分量を検出するように配置されている補給空気センサ202からの入力も受け取り得る。
コントローラ128は、複数のセンサ140a〜140n及び補給空気センサ202から受け取ったデータをデータストア220に記憶し得る。
図1Aに示すように、センサ140a〜140nは、実質的に密閉された構造100の全体にわたって種々の場所に配置される。
より詳細には、例えば、センサ140a〜140nは、水分量レベルを制御すべき種々の場所に配置される。
特定の例として、センサ140a〜140nは、電子構成要素116を含むラック102〜108の入口/出口に配置され得る。
この点で、センサ140a〜140nは、湿度制御装置から離れて配置される。
【0033】
図示されていないが、入力モジュール210は、温度センサ、圧力センサ等の複数の他のタイプのセンサからの入力を受け取るようにも構成され得る。
一例によれば、コントローラ128は、ACユニット114a〜114nを制御する際に他のタイプのセンサからの入力を利用し得る。
【0034】
コントローラ128は、コミッショニングモジュール212を実施又は実行して、複数の湿度制御装置130a〜130nのどれが実質的に密閉された構造100における1つ又は複数の区域132a〜132nのどれに供給される空気流中の水分量を変えるかを特定するように設計される、コミッショニングプロセスを実施し得る。
さらに、又は代替的に、コミッショニングモジュール212は、湿度制御装置130a〜130nのどれが水分量を少なくとも所定のレベルに変えるかを判断するために実施され得、その判断に基づいて1つ又は複数の区域132a〜132nを特定することができる。
【0035】
システム200を用いる実質的に密閉された構造100のすべてにコミッショニングプロセスが必要でない場合があるため、コミッショニングモジュール212はオプションであると見なされる。
例えば、コミッショニングモジュール212は、実質的に密閉された構造100が単一の湿度制御装置130aを含む場合に省かれ得る。
別の例では、コミッショニングモジュール212は、コントローラ128が複数の湿度制御装置130a〜130nをまとめて作動させるように構成される場合に省かれ得る。
【0036】
コントローラ128は、湿度制御モジュール214を実施又は実行して、湿度制御装置130a〜130nを制御するように構成される。
コントローラ128は、例えば、実質的に密閉された構造100の構成に基づいて、本明細書で後述するような種々の方法で湿度制御モジュール214を実施又は実行し得る。
【0037】
同じく本明細書でより詳細に後述するように、コントローラ128は、冷却制御モジュール216を実施又は実行して、ACユニット114a〜114nの1つ又は複数を制御するようにさらに構成される。
ACユニット114a〜114nの制御が別のコントローラによって行われる場合があるか、又はACユニット114a〜114nのそれぞれが互いに実質的に独立して動作する場合があるため、冷却制御モジュール216はオプションであると見なされ得る。
【0038】
一例によれば、湿度制御装置130a〜130nは、ACユニット114a〜114nから物理的に分離されている。
この例では、湿度制御装置130a〜130nは、ACユニット140a〜140nとは別個に作動され得る。
換言すれば、ACユニット114a〜114nの動作は、湿度制御装置130a〜130nの動作に直接影響を及ぼすことが意図されず、その逆も同様である。
【0039】
別の例によれば、湿度制御装置130a〜130nの少なくとも1つが、ACユニット114a〜114nの少なくとも1つと一体化される。
この例では、コントローラ128は、エネルギー効率を実質的に最適化するように種々の方法で一体型のACユニット114a及び湿度制御装置130aの両方を制御し得る。
一例として、コントローラ128は、一体型のACユニット114aが能動的に冷却を行っているときに湿度制御装置130aが能動的に加湿を行っていないように、一体型のACユニット114a及び湿度制御装置130aを制御し得る。
同様に、コントローラ128は、一体型のACユニット114aが能動的に加熱を行っているときに湿度制御装置130aが能動的に除湿を行っていないように、一体型のACユニット114a及び湿度制御装置130aを制御し得る。
【0040】
コントローラ128は、ACユニット114a〜114nのそれぞれに関する作用領域を特定するためにコミッショニングプロセスを実施し得る。
適当なコミッショニングプロセスは、2005年3月11日付けで出願された「Commissioning of Sensors」と題する本発明の譲受人に譲渡された米国特許第7,117,129号明細書に開示されており、当該特許の開示はその全体が参照により本明細書に援用される。
コミッショニングプロセスを実施する際に、コントローラ128は、ACユニット114a〜114nの1つ又は複数が1つ又は複数の他のACユニット114a〜114nの作用領域と実質的に重なる作用領域を有すると判断する場合がある。
【0041】
コントローラ128は、複数のACユニット114a〜114nのどれが湿度制御装置130a〜130nを有するかを判断することができ、特定の領域を制御するものが、その特定の領域を制御するACユニット114a〜114nの潜在的プールにおけるACユニット114a〜114nの温度制御の状態を考慮して特定のタイプの湿度制御に用いられるべきである。
一例として、除湿を行うには低温空気が必要であるため、特定の領域を除湿するために、コントローラ128は、異なるACユニット114bと比べて最低温度で動作しているACユニット114aを利用することで、比較的高温の空気を供給しているACユニット114bを選択する場合よりもこのオプションのエネルギー効率を高めることができる。
【0042】
次に、図3に示す方法300の以下のフロー図に関して、システム200を用いて実質的に密閉された構造100における周囲空気流中の水分量を制御し得る方法の例を説明する。
方法300が一般的な図を表しており、方法300の範囲から逸脱することなく、他のステップを追加してもよく、又は既存のステップを削除、修正、又は再構成してもよいことが、当業者には明らかなはずである。
【0043】
方法300の説明は、図2に示すシステム200に関して行うため、図2に記載の要素を参照する。
しかしながら、方法300はシステム200に記載の要素に限定されないことを理解すべきである。
むしろ、方法300は、システム200に記載のものとは異なる構成を有するシステムにより実施され得ることを理解すべきである。
【0044】
コントローラ128は、実質的に密閉された構造100の周囲空気流中の水分量を制御する際に、モジュール210〜216の1つ又は複数を実施又は実行して方法300を行い得る。
【0045】
一例によれば、図3は、より詳細には、少なくとも1つの湿度制御装置130aを用いて実質的に密閉された構造100における周囲空気流中の水分量を制御する方法300のフロー図を示している。
図示のように、水分量、又は相対湿度若しくは絶対湿度である湿度を、ステップ302に示すように、複数の湿度センサ140a〜140nを用いて実質的に密閉されたエリア100における複数の場所で検出する。
【0046】
図1Aに関して上述したように、湿度センサ140a〜140nは、少なくとも1つの湿度制御装置130a〜130nから離れて位置付けられる。
さらに、複数の湿度制御装置130a〜130nがシステム200で用いられる場合、湿度センサ140a〜140nも、複数の湿度制御装置130a〜130nのそれぞれから離れて位置付けられる。
湿度センサ140a〜140nが湿度制御装置130a〜130nの至近に位置付けられないという理由から、湿度センサ140a〜140nは、湿度制御装置130a〜130nから「離れて位置付けられる」と見なされる。
換言すれば、「離れて位置付けられる」とは、1つ又は複数の環境条件が湿度制御装置130a〜130nと湿度センサ140a〜140nとの間で異なり得るように、湿度センサ140a〜140nが湿度制御装置130a〜130nから十分に遠くに位置付けられることを含むように定義され得る。
さらに、又は代替的に、「離れて位置付けられる」とは、湿度制御装置130a〜130nが湿度制御装置130a〜130nによって供給される空気流中の水分量を変えるように構成される、実質的に密閉された構造100における位置に、湿度センサ140a〜140nが位置付けられることを含むように定義され得る。
したがって、例えば、「離れて位置付けられる」とは、ラック102〜108に空気が受け入れられる任意の場所に、湿度センサ140a〜140nが配置されることを含むように定義され得る。
これらの場所として、例えば、ラック102〜108の入口、空間112、ベントタイル118を含む通路等が挙げられ得る。
【0047】
ステップ304において、コントローラ128は、湿度センサ140a〜140nによって検出された水分量に関するデータを受け取る。
ステップ306に示すように、コントローラ128は、データを処理して1つ又は複数の場所における水分量レベルが所定の水分量範囲内にあるか否かを判断し得る。
所定の水分量範囲は、例えば、構成要素116の製造業者による規定、試験による特定、ASHRAE等の1つ又は複数の規格による規定等に応じた、1つ又は複数の場所に配置されている構成要素116に関する水分量許容範囲を含み得る。
一例として、所定の範囲は、約20パーセント〜80パーセントであり得る。
別の例として、所定の範囲は、約40パーセント〜55パーセントであり得る。
所定の範囲は、例えば、空気中の水分量レベルに対する構成要素116の感度に応じ得る。
【0048】
一例によれば、ステップ306において、湿度センサ140a〜140nから受け取った検出された水分量データに基づいて、コントローラ128は、実質的に密閉されたエリア100のうちどのエリアが所定の範囲内にある水分量レベルを有するか、及びどのエリアが所定の範囲外にある水分量レベルを有するかを特定し得る。
この例では、コントローラ128は、湿度制御装置130a〜130nのどれが種々のエリアに含まれる空気流中の水分量を変えるように動作可能であるかを判断し得る。
コントローラ128が湿度制御装置130a〜130nのコミッショニングを行ってそれらの各作用区域を特定し得る方法の例は、図4に関して本明細書で後述する。
【0049】
いずれにしても、実質的に密閉された構造100の全エリアを含む場合がある、水分量が所定の範囲内にあると判断されるような領域に関しては、コントローラ128は、湿度制御装置130a〜130nの動作を変えなくてもよい。
さらに、ステップ302において複数の場所における水分量が再度検出され得ると共に、ステップ304及び306が繰り返され得る。
しかしながら、同じく実質的に密閉された構造100の全エリアを含む場合がある、水分量が所定の範囲外にあると判断されるようなエリアに関しては、ステップ308に示すように、コントローラ128は、それらのエリアに影響を及ぼすように動作可能である湿度制御装置130a〜130nの1つ又は複数の動作を変えることができる。
【0050】
より詳細には、ステップ308において、コントローラ128は、それらのエリアに供給される空気流中の水分量含有レベルを1つ又は複数の湿度制御装置130a〜130nに増減させることによって、1つ又は複数の湿度制御装置130a〜130nの動作を変え得る。
1つ又は複数の湿度制御装置130a〜130nは、空気流中の水分量が所定の範囲を下回っていることに応答して水分量を増加させ、空気流中の水分量が所定の範囲を上回っていることに応答して水分量を減少させるように制御され得る。
【0051】
さらに、ステップ308において1つ又は複数の湿度制御装置130a〜130nの動作が変えられると、ステップ302において複数の場所における水分量が再度検出され得ると共に、水分量の継続的な監視及び調整を可能にするように実質的に連続的にステップ304〜308が繰り返され得る。
【0052】
外部環境からの空気流が実質的に密閉された構造100内に入れられる別の例によれば、ステップ302において、外部環境からの空気流の水分量、又は相対湿度若しくは絶対湿度である湿度が、水分量に加えて複数の場所で検出される。
さらに、ステップ304において、コントローラ128は、補給空気センサ202によって検出された水分量に関するデータを受け取る。
さらに、ステップ308において、コントローラ128は、1つ又は複数の湿度制御装置130a〜130nの動作を変える際に、外部環境から受け取った空気流の水分量を考慮し得る。
一例として、外部環境から受け取った空気流中の水分量が比較的高く、且つ外部環境から受け取った空気の量が比較的多量である場合、コントローラ128は、1つ又は複数の湿度制御装置130a〜130nを作動させて湿度のより上限に比較的近付けることができる。
【0053】
別の例として、外部環境から受け取った空気流中の水分量が比較的高く、且つ外部環境から受け取った空気の量が比較的多量であり、且つステップ306において、湿度センサ140a〜140nによって検出された水分量が所定の範囲を下回っている場合、コントローラ128は、より多くの空気流を外部環境から実質的に密閉されたエリア100に入れることができる。
さらに、コントローラ128は、外部環境に含まれる湿度の量に基づいて、実質的に密閉されたエリア100に入れられた空気流の量を変えることができる。
或る点では、1つ又は複数の湿度制御装置130a〜130nは、例えばOSHA又はASHRAEの要件を満たすために、外部環境から入れられた空気流中の水分量により大きく依存することによって比較的少量のエネルギーを消費するように作動され得る。
【0054】
次に図4を参照すると、湿度制御装置130a〜130nのそれぞれに関する作用区域132a〜132nを特定するように湿度制御装置130a〜130n及びセンサ140a〜140nのコミッショニングを行う方法400のフロー図が示されている。
方法400が一般的な図を表しており、方法400の範囲から逸脱することなく、他のステップを追加してもよく、又は既存のステップを削除、修正、又は再構成してもよいことが、当業者には明らかなはずである。
【0055】
コントローラ128は、コミッショニングモジュール212を実施又は実行して方法400を行って、実質的に密閉された構造100におけるどの区域132a〜132nで湿度制御装置130a〜130nのそれぞれが少なくとも所定の作用レベルを各自有するかを特定し得る。
各区域132a〜132nが特定されると、センサ140a〜140nが区域132a〜132nのどれに位置付けられているかに基づいて、センサ140a〜140nのそれぞれが、湿度制御装置130a〜130nの1つ又は複数に関連付けられ得る。
すなわち、特定の区域132aに含まれるセンサ140a〜140nは、その特定の区域132aに関連する湿度制御装置130aに関連付けられると見なされる。
【0056】
一般的に、方法400では、湿度制御装置130a〜130nのそれぞれが、湿度制御装置130a〜130nによって供給される空気流に水分量を注入するか又は空気流から水分量を除去することによって、順次等の異なる時点で独立して摂動される(perturbed)。
摂動に対する湿度センサ140a〜140nの応答が、測定されて時間の関数として記録される。
所定の閾値よりも大きな水分量の変化率を記録するような湿度センサ140a〜140nは、その湿度制御装置の区域132a〜132n内にあると見なされる。
【0057】
より詳細には、ステップ402において、コントローラ128は、湿度制御装置130a〜130nを第1のレベルに設定し得る。
第1のレベルは、例えば、湿度制御装置130a〜130nのすべてに共通の湿度出力レベルを含み得る。
コントローラ128は、ステップ404において一定期間待機した後で、ステップ406において湿度センサ140a〜140nによって得られた湿度測定値を記録し得る。
コントローラ128は、比較的定常の動作状態に達することを可能にするために、この期間を経過させ得る。
さらに、ステップ406における期間中、コントローラ128は、湿度センサ140a〜140nの1つ又は複数によって検出された湿度レベルがこの期間中に振動する場合は湿度センサ140a〜140nの1つ又は複数に関する中央湿度読み値を求め得る。
この場合、ステップ406において記録された湿度測定値は、時間平均値を含み得る。
【0058】
ステップ408において、コントローラ128は、空気流中の水分量を指定量だけ変化させるように湿度制御装置130aを制御し得る。
指定量は、比較的認識可能な量だけ第1のレベルの水分量と異なる量を含み得る。
コントローラ128は、ステップ410において一定期間再度待機した後で、ステップ412において湿度センサ140a〜140nから受け取った湿度情報を記録し得る。
コントローラ128は、湿度制御装置130aの1つによって供給される空気流の水分量変化後に比較的定常の動作状態に達することを可能にするために、この期間を経過させ得る。
さらに、ステップ410における期間中、コントローラ128は、湿度センサ140a〜140nの1つ又は複数によって検出された湿度レベルがこの期間中に振動する場合は湿度センサ140a〜140nの1つ又は複数に関する中央湿度読み値を求め得る。
この場合、ステップ412において記録された湿度測定値は、時間平均値を含み得る。
【0059】
いずれにしても、ステップ414において、コントローラ128は、湿度測定値がステップ412において記録された湿度測定値から湿度センサ140a〜140nの場所で変化したレベルを求め得る。
より詳細には、例えば、コントローラ128は、ステップ406において記録された湿度測定値をステップ412において記録された湿度測定値と比較して、湿度レベルに認識可能な変化があったか否か、及びどの程度の変化が生じたかを判断し得る。
【0060】
ステップ416において、コントローラ128は、ステップ408において摂動させた湿度制御装置130aの作用区域を特定する。
コントローラ128は、湿度センサ140a〜140nによって検出されるように湿度レベルが変化した程度に基づいて判断を行うことができる。
一例として、コントローラ128は、湿度制御装置130a〜130nの湿度相関指数(HCI)を計算し得る。
湿度制御装置130a及び湿度センサ140aのHCIは、湿度制御装置130aによって供給される空気流の湿度の変化後に湿度センサ140aによって検出される湿度の変化として定義され得る。
【0061】
コントローラ128は、湿度センサ140a〜140nのどれが所定のレベルを超える湿度レベルの変化を検出したかも特定し得る。
所定のレベルは、各湿度センサ140a〜140nの感度レベル、特定された区域132a〜132nの分布等のような、複数の種々の因子のいずれかに基づいて設定され得る。
さらに、検出した湿度レベルが所定のレベルを超えて変化した湿度センサ140a〜140nの場所は、その湿度制御装置130aに関連する区域132aとして特定され得る。
【0062】
一例によれば、方法400は、実質的に密閉された構造100におけるどの区域132a〜132nで湿度制御装置130a〜130nのそれぞれが少なくとも所定の作用レベルを各自有するかを特定するために、別個の動作としてではなく湿度制御装置130a〜130nの実際の動作中に行われ得る。
この例では、方法400は、湿度制御装置130a〜130nが正常動作中に十分な読みを可能にするほど十分に湿度レベルを変えていない場合に実施され得る。
【0063】
種々のアクチュエータに関する作用区域132a〜132nがセンサ測定値に基づいて特定され得る種々の方法のより詳細な説明を、米国特許第7,117,129号明細書で見ることができる。
【0064】
ステップ418において、コントローラ128は、特定された作用区域132aに含まれる湿度センサ140a〜140nと湿度制御装置130aとの間の相関を記録する。
換言すれば、コントローラ128は、湿度制御装置130aがそれに相関する湿度センサ140a〜140nに少なくとも所定のレベルの作用を及ぼすこと、したがって相関する湿度センサ140a〜140nの各場所に少なくとも所定のレベルの作用を及ぼすことを記録する。
【0065】
ステップ420において、コントローラ128は、方法400を別の湿度制御装置130bに関して繰り返すべきか否かを判断する。
別の湿度制御装置130bと湿度センサ140a〜140nとの間のさらなる相関を求めるべきであると判断される場合、ステップ402において、湿度制御装置130a〜130nによって供給される空気流中の湿度レベルが第1のレベルに再度設定され得る。
ステップ402に続いて、コントローラ128は、上述のように、ステップ404において一定期間再度待機した後で、ステップ406において湿度センサ140a〜140nから受け取った湿度情報を記録し得る。
さらに、コントローラ128は、ステップ402〜420を繰り返して、湿度制御装置130a〜130nと湿度センサ140a〜140nとの間の相関を特定して記録し得る。
まだコミッショニングされていない湿度制御装置130a〜130nがそれ以上ないとコントローラ128が判断すると、ステップ422に示すように、方法400が終了し得る。
【0066】
一例によれば、ステップ404及びステップ410において湿度センサ140a〜140nの状態が定常状態に達することを可能にするための期間待機する代わりに、湿度測定値の変化が、ステップ406及びステップ412において時間の関数として記録され得る。この例では、ステップ406及びステップ412において、時間の変化(dt)の関数としての湿度の変化(dH)を、例えばdH/dtとして測定し得る。
さらに、ステップ414において、湿度センサ140a〜140nのdH/dt測定値が所定のdH/dt閾値を超えるか否かに基づいて、湿度制御装置130a〜130nと湿度センサ140a〜140nとの間の相関が求められ得る。
ステップ416において、この相関を用いて、湿度制御装置130a〜130nのそれぞれに関する作用区域を特定することができる。
【0067】
上述の方法400及び代替的な例の実施を通して、コントローラ128は、実質的に密閉された構造100の1つ又は複数の場所における水分量レベルが所定の湿度範囲外にあるという判断に応じて湿度制御装置130a〜130nのどれを作動させるかを比較的迅速に特定することができる。
区域132a〜132nのいくつかが互いに重なり得るため、湿度センサ140a〜140nの1つ又は複数が区域132a〜132nの2つ以上の中にある場合が生じ得る。
したがって、コントローラ128は、重なった区域132a〜132n内の湿度センサ140a〜140nにおける湿度レベルを変える際に、複数の湿度制御装置130a〜130nから選択を行い得る。
【0068】
一例によれば、コントローラ128は、湿度センサ140a〜140nの1つ又は複数が所定の湿度範囲外にあるときに、湿度制御装置130a〜130nの1つ又は複数を無作為に選択して作動させ得る。
別の例によれば、コントローラ128は、湿度センサ140a〜140nの1つ又は複数が所定の湿度範囲外にあるときに、領域132aの1つ又は複数の湿度センサ140a〜140nに所定のレベルの作用を及ぼす湿度制御装置130a〜130nのすべてを選択して作動させ得る。
さらなる例によれば、コントローラ128は、湿度レベルを変える作用を及ぼす範囲が最大である湿度制御装置130aを選択し得る。
これらの例のいずれにおいても、複数の湿度制御装置130a〜130nが作動される場合、複数の湿度制御装置130a〜130nのそれぞれが、単一の湿度制御装置130aで行われるよりも比較的低いレベルに作動され得る。
【0069】
複数の湿度制御装置130a〜130nが同じ湿度センサ140a〜140nに影響を及ぼすことができる場合、湿度制御装置130a〜130nの間での競合(fighting)の可能性がある。
より詳細には、例えば、湿度制御装置の1つ130aが、湿度センサ140a(区域132aに位置付けられている)によって検出された湿度レベルに基づいて空気流中に水分量を追加中である場合があり、別の湿度制御装置130bが、湿度センサ140b(区域132bに位置付けられている)によって検出された湿度レベルに基づいて空気流から水分量を除去中である場合があり、さらなるセンサ140cが、湿度制御装置130a及び130bの両方の区域132a及び132bに位置付けられている場合がある。
この例では、湿度センサ140cが所定のレベルを下回る湿度レベルを検出した場合、コントローラ128は、湿度センサ140cが位置付けられている場所の加湿及び除湿の両方を行う際に湿度制御装置130a及び130bが過剰なエネルギーを消費するのを実質的に防止するために、湿度制御装置130a及び130bのどちらを作動させるかを判断し得る。
【0070】
より詳細には、例えば、コントローラ128は、コミッショニングモジュール212を実施して、区域132a〜132nのそれぞれに関する制御センサを特定し得る。
制御センサは、区域132a〜132nのそれぞれにおける設定点湿度との最大の正の湿度差を有する湿度センサ140a〜140nとして定義され得る。
湿度センサ140a〜140nのすべてが設定点湿度との負の湿度温度差を有する場合、特定の区域132a〜132nの制御センサは、設定点湿度との最大の負の差を有する湿度センサ140a〜140nである。
制御センサを決定するために用いられる設定点湿度は、湿度センサ140a〜140n間で変わり得るため、湿度センサ140a〜140nのすべてで同一である必要はない。
【0071】
概して、コントローラ128は、制御センサの湿度レベルに基づいて区域132a〜132nにおける湿度レベルを変更するように湿度制御装置130a〜130nを制御するように構成される。
したがって、上記の例では、湿度センサ140cが湿度制御装置130a及び湿度制御装置130bの一方又は両方の制御センサである場合、コントローラ128は、湿度センサ140cによって検出される湿度レベルに基づいて湿度制御装置130a及び130bの一方又は両方を制御し得る。
湿度センサ140cが区域132a又は132bのいずれの制御センサでもない場合、コントローラ128は、各区域132a及び132bにおける制御センサの検出湿度情報に基づいて湿度制御装置130a及び130bを作動させ続け得る。
【0072】
制御センサ、アクチュエータ、及びアクチュエータファミリ、並びにそれらを特定、制御、及び変更する種々の方法のより詳細な説明が、米国特許第7,117,129号明細書、及び2005年3月25日付けで出願され「Temperature Control Using a Sensor Network」と題する、本発明の譲受人に譲渡された同時係属中の米国特許出願第11/089,608号明細書(代理人整理番号200500812−1)で説明されており、これらの開示はその全体が参照により本明細書に援用される。
【0073】
さらなる例によれば、コントローラ128は、湿度制御に関してエネルギー浪費を実質的に最小にするような形で動作するように複数のACユニット114a〜114nも制御し得る。
より詳細には、例えば、コントローラ128は、エネルギーの浪費につながる複数のACユニット114a〜114nの動作の食い違いを実質的に防止するようにこれらを制御し得る。
通常、加湿器/除湿器が設けられているACユニット114a〜114nは、冷却中に空気流を除湿し且つ空気流の加熱中に空気流を加湿することによって動作する。
したがって、ACユニット114a〜114nは、例えば、ACユニット114a〜114nが空気流を加熱しながら除湿しているとき、又は空気流を冷却しながら加湿しているときに、動作が食い違っていると見なされ得る。
【0074】
この問題を実質的に回避するために、コントローラ128は、湿度制御装置130a〜130n及びセンサ140a〜140nのコミッショニングに関して上述したように、ACユニット114a〜114nが所定のレベルの作用を及ぼす区域132a〜132nを特定するように構成される。
互いに重なる区域132a〜132nにおいて、コントローラ128は、特定の区域132aが冷却及び加湿の両方を必要とする場合に1つのACユニット114aが空気流の冷却に用いられて別のACユニット114bが空気流の加湿に用いられるように、ACユニット114a〜114nを制御するように構成される。
この点で、ACユニット114a〜114nは、所望の状態を実質的に維持しながら上述の食い違いを実質的に回避するように作動され得る。
【0075】
方法300及び400に記載されている動作の一部又は全部は、任意の所望のコンピュータアクセス可能な媒体に、ユーティリティ、プログラム、又はサブプログラムとして含まれ得る。
さらに、方法300及び400は、アクティブ及び非アクティブ両方のさまざまな形態で存在し得るコンピュータプログラムにより具現され得る。
たとえば、これらのコンピュータプログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、実行可能コード、又は他のフォーマットでのプログラム命令から成るソフトウェアプログラム(複数可)として存在することができる。
上記のいずれも、記憶装置及び信号を含むコンピュータ読み取り可能媒体上に圧縮又は非圧縮形態で具現することができる。
【0076】
例示的なコンピュータ読み取り可能記憶装置としては、従来のコンピュータシステムのRAM、ROM、EPROM、EEPROM、及び磁気又は光ディスク又はテープが挙げられる。
例示的なコンピュータ読み取り可能信号は、搬送波を用いて変調されるか否かに関係なく、インターネット又は他のネットワークを介してダウンロードされる信号を含む、コンピュータプログラムをホスティング又は実行するコンピュータシステムがアクセスするように構成され得る信号である。
上記の具体的な例としては、CDROMでの又はインターネットダウンロードによるプログラムの配布が挙げられる。
或る意味では、抽象的実体としてのインターネット自体がコンピュータ読み取り可能媒体である。
コンピュータネットワーク全般にも同じことが当てはまる。
したがって、上述の機能を実行することが可能な電子装置が上記に列挙したような機能を行うことができることを理解されたい。
【0077】
図5は、一例によれば、図1A及び図2に示すコントローラ128を実施又は実行するように構成されるコンピューティング装置500のブロック図を示している。
この点で、コンピューティング装置500は、コントローラ128に関して本明細書で上述した機能の1つ又は複数を実行するためのプラットフォームとして用いられ得る。
【0078】
コンピューティング装置500は、方法300及び400に記載のステップの一部又は全部を実施又は実行し得るプロセッサ502を含む。
プロセッサ502からのコマンド及びデータは、通信バス504上で通信される。
コンピューティング装置500は、プロセッサ502のためのプログラムコードがランタイム中に実行され得る、ランダムアクセスメモリ(RAM)等のメインメモリ506、及び二次メモリ508も含む。
二次メモリ508は、たとえば、フロッピーディスケットドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ等に相当する、方法300及び400のためのプログラムコードのコピーを記憶させることができる1つ又は複数のハードディスクドライブ510及び/又は取り外し可能記憶ドライブ512を含む。
【0079】
取り外し可能記憶ドライブ510は、既知の方法で取り外し可能記憶ユニット514からの読み取り及び/又は取り外し可能記憶ユニット514への書き込みを行う。
ユーザ入出力装置は、キーボード516、マウス518、及びディスプレイ520を含み得る。
ディスプレイアダプタ522は、通信バス504及びディスプレイ520とインタフェースすることができ、プロセッサ502からのディスプレイデータを受け取ってそのディスプレイデータをディスプレイ520に対するディスプレイコマンドに変換することができる。
さらに、プロセッサ(複数可)502は、ネットワークアダプタ524を介してネットワーク上、たとえばインターネット、LAN等で通信を行うことができる。
【0080】
他の既知の電子構成要素をコンピューティング装置500に追加しても置き換えてもよいことは、当業者には明らかとなるであろう。
また、図5に記載される構成要素の1つ又は複数はオプションであり得る(たとえば、ユーザ入力装置、二次メモリ等)ことも明らかとなるであろう。
【0081】
本明細書で述べ、示されたものは、本発明の好ましい実施形態並びにその変形の一部である。
本明細書で使用される用語、説明、及び図は、例示のためにのみ記載され、限定であることを意味しない。
添付の特許請求の範囲、及びその均等物によって規定され、全ての用語が、別途指示がない限り、その最も広く妥当な意味で意図される、本発明の精神及び範囲内で、多くの変形が可能であることを、当業者は認識するであろう。
【符号の説明】
【0082】
100 実質的に密閉された構造
102〜108 ラック
114a〜114n ACユニット
128 コントローラ
130a〜130n 湿度制御装置
140a〜140n センサ
202 補給空気センサ
210 入力モジュール
212 コミッショニングモジュール
214 湿度制御モジュール
216 冷却制御モジュール
220 データストア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成要素を有する実質的に密閉された構造における周囲空気流中の水分量を制御するシステムであって、
少なくとも1つの湿度制御装置と、
前記実質的に密閉された構造の複数の場所で空気流中の水分量を検出する複数のセンサであって、前記少なくとも1つの湿度制御装置から離れて位置付けられ、前記少なくとも1つの湿度制御装置が影響を及ぼすように構成される前記構成要素の比較的至近に設置される複数のセンサと、
前記複数のセンサの1つ又は複数によって検出された水分量レベルを受け取り、該検出された水分量レベルに基づいて前記複数の場所の周辺の周囲空気流中の水分量を変えるように前記少なくとも1つの湿度制御装置を制御するように構成されるコントローラと
を備えるシステム。
【請求項2】
前記実質的に密閉された構造は、
複数のラックを有するデータセンタ
を含み、
前記複数のセンサは、前記複数のラックの1つ又は複数に供給される空気流及び該複数のラックの1つ又は複数から排出される空気流の少なくとも一方の水分量を検出するように配置される
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
複数の湿度制御装置であって、該複数の湿度制御装置のそれぞれが前記実質的に密閉された構造の各区域に空気流を供給するように構成され、前記区域が互いに重なることができる複数の湿度制御装置
をさらに備え、
前記コントローラは、前記複数の湿度制御装置のそれぞれを互いに独立して制御するように構成される
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、コミッショニングプロセスを通して、前記複数のセンサのどれが前記区域のどれに位置付けられているかを特定することにより、前記複数の湿度制御装置のどれが前記複数のセンサのどれに少なくとも所定のレベルの作用を及ぼすかを特定するようにさらに構成される
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記区域のそれぞれに関する制御センサを特定するようにさらに構成され、
前記コントローラは、前記制御センサによって検出される湿度レベルに基づいて前記複数の湿度制御装置の制御決定を行うように構成される
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
空調ユニットであって、前記少なくとも1つの湿度制御装置が該空調ユニットから物理的に分離され、前記コントローラが該空調ユニットとは別個に前記少なくとも1つの湿度制御装置を制御するように構成される、空調ユニットをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
空調ユニットであって、前記少なくとも1つの湿度制御装置が該空調ユニットと一体化され、前記コントローラがエネルギー効率を実質的に最適化するような1つ又は複数の方法で該空調ユニット及び前記少なくとも1つの湿度制御装置の両方を制御するように構成される、空調ユニット
をさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
複数の空調ユニットであって、該複数の空調ユニットのそれぞれが湿度制御装置と一体化され、該空調ユニットの少なくとも2つが前記実質的に密閉された構造の同じ区域内の状態を変えるように動作可能であり、前記コントローラが該空調ユニットの前記少なくとも2つの動作が食い違うのを実質的に防止するように該空調ユニットの該少なくとも2つを作動させるようにさらに構成される、複数の空調ユニット
をさらに備える請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記実質的に密閉された構造の外部環境における水分量レベルを検出するように構成される、補給空気センサ
をさらに備え、
前記コントローラは、前記補給空気センサによって検出された水分量レベルを受け取り、前記複数の場所の周辺の周囲空気流中の水分量を変える際に前記検出された水分量レベルに基づいて前記少なくとも1つの湿度制御装置を制御するようにさらに構成される
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの湿度制御装置を用いて実質的に密閉された構造における周囲空気流中の水分量を制御する方法であって、
複数の湿度センサを用いて前記実質的に密閉されたエリアにおける複数の場所で空気流中の水分量を検出することであって、前記複数の湿度センサは、前記少なくとも1つの湿度制御装置から離れて位置付けられ、前記複数のセンサは、前記少なくとも1つの湿度制御装置が影響を及ぼすように構成される構成要素の比較的至近に設置される、検出することと、
前記複数の場所で検出された水分量に関するデータを受け取ることと、
前記複数の場所の1つ又は複数に供給される空気流の水分量を変えるように前記少なくとも1つの湿度制御装置を作動させることと
を含む方法。
【請求項11】
前記複数の場所の1つ又は複数での水分量が所定の範囲内にあるか否かを判断すること をさらに含み、
前記少なくとも1つの湿度制御装置を作動させることは、
水分量が前記所定の範囲外にあることに応答して、前記複数の場所の前記1つ又は複数に供給される空気流中の水分量を変えること
をさらに含む
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記実質的に密閉された構造は、
複数のラックを有するデータセンタ
を含み、
前記水分量を検出することは、
前記複数のラックの少なくとも1つの入口及び出口の一方又は両方での水分量を検出すること
をさらに含む
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記実質的に密閉された構造は、
複数の湿度制御装置
を備え、
前記複数のセンサのどれが前記区域のどれに位置付けられるかを特定することにより、前記複数の湿度制御装置のどれが前記複数のセンサのどれに少なくとも所定のレベルの作用を及ぼすかを特定するように、前記複数の湿度制御装置及び前記複数のセンサのコミッショニングを行うことと、
前記実質的に密閉された構造の各区域に空気流を供給するように前記複数の湿度制御装置を互いに独立して作動させることであって、前記区域は互いに重なることができる、作動させることと
をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の湿度制御装置のコミッショニングを行うことは、
前記区域のそれぞれに関する制御センサを特定すること
をさらに含み、
前記複数の湿度制御装置を独立して作動させることは、
前記制御センサそれぞれによって検出される湿度レベルに基づいて前記複数の湿度制御装置を独立して作動させること
をさらに含む
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記区域のそれぞれに関する制御センサを特定することは、
前記複数のセンサのうち、設定点湿度との最大の正の湿度差及び該設定点湿度との最大の負の差の一方を有するセンサを、前記制御センサとして選択すること
をさらに含む
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記実質的に密閉された構造は、
空調ユニット
を含み、
前記空調ユニット及び前記少なくとも1つの湿度制御装置を互いに独立して作動させること
をさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記実質的に密閉された構造は、
複数の空調ユニット
を含み、
該複数の空調ユニットのそれぞれは、
湿度制御装置
を含み、
前記空調ユニットの少なくとも2つは、前記実質的に密閉された構造の同じ区域内の状態を変えるように動作可能であり、
前記空調ユニットの前記少なくとも2つの動作が食い違うのを実質的に防止するように該空調ユニットの該少なくとも2つを作動させることをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記実質的に密閉された構造の外部環境からの空気流を受け取ることと、
前記外部環境からの空気流中の水分量を検出することと、
前記外部環境からの空気流中で検出された水分量に関するデータを受け取ることと
をさらに含み、
前記少なくとも1つの湿度制御装置を作動させることは、
前記複数の場所の1つ又は複数に供給される空気流の水分量を変えるように前記少なくとも1つの湿度制御装置を作動させる際に、前記外部環境からの空気流中で検出された水分量を考慮に入れること
をさらに含む
請求項10に記載の方法。
【請求項19】
実質的に密閉された構造の同じ区域内の状態を変えるように動作可能な少なくとも2つの空調ユニットを用いて周囲空気流中の水分量を制御する方法であって、前記空調ユニットのそれぞれが湿度制御装置を各自有し、
前記方法は、
空気流を供給するように第1の空調ユニットを作動させることと、
前記第1の空調ユニットと動作が食い違わないように該第1の空調ユニットの前記湿度制御装置を作動させることと、
空気流を供給するように第2の空調ユニットを作動させることと、
前記第1の空調ユニットと動作が食い違うように前記第2の空調ユニットの前記湿度制御装置を作動させることと
を含む方法。
【請求項20】
1つ又は複数のコンピュータプログラムが埋め込まれているコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記1つ又は複数のコンピュータプログラムは、少なくとも1つの湿度制御装置を用いて実質的に密閉された構造における周囲空気流中の水分量を制御する方法を実施し、
前記1つ又は複数のコンピュータプログラムは、
複数の湿度センサを用いて前記実質的に密閉されたエリアにおける複数の場所で検出された水分量に関するデータを受け取ることであって、前記複数の湿度センサは、前記少なくとも1つの湿度制御装置から離れて位置付けられ、前記複数のセンサは、前記少なくとも1つの湿度制御装置が影響を及ぼすように構成される構成要素の比較的至近に設置される、受け取ることと、
前記複数の場所の1つ又は複数での水分量が所定の範囲内にあるか否かを判断することと、
前記水分量が所定の範囲外にあることに応答して、前記複数の場所の前記1つ又は複数に供給される空気流の水分量を変えるように前記少なくとも1つの湿度制御装置を作動させることと
に関する命令セットを含む
コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項21】
前記実質的に密閉された構造は、
複数の湿度制御装置
を備え、
前記1つ又は複数のコンピュータプログラムは、
前記複数のセンサのどれが前記区域のどれに位置付けられるかを特定することにより、前記複数の湿度制御装置のどれが前記複数のセンサのどれに少なくとも所定のレベルの作用を及ぼすかを特定するように、前記複数の湿度制御装置及び前記複数のセンサのコミッショニングを行うことと、
前記コミッショニングに基づいて前記実質的に密閉された構造の各区域に空気流を供給するように前記複数の湿度制御装置を互いに独立して作動させることであって、前記区域は互いに重なることができる、作動させることと
に関する命令セットをさらに含む
請求項20に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−508307(P2011−508307A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539407(P2010−539407)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/088626
【国際公開番号】WO2009/082401
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】