説明

水切りかご

【課題】PETボトルや紙パック等の飲料容器を簡単に倒立姿勢に保持することができる水切りかごを提供する。
【解決手段】かご本体2は、底面部及び対向一対の側面部を形成する複数の第1線材11と、底面部及び他の対向一対の側面部を形成する、底面部において各第1線材11に交差する複数の第2線材12とを備えており、底面部の長手方向の一方の端部側に、3本の第1線材11を部分的に上方側に立ち上がるように屈曲させることによって、紙パックやPETボトル等の飲料容器の口部内に挿入することで、飲料容器を倒立姿勢に支持する支持突起1Aが3カ所形成されていると共に、底面部の長手方向の他方の端部側に、隣り合う2本の第1線材11、11を、相互に離反する方向に部分的に突出するように湾曲させることによって、ボトル容器の口部を嵌め入れることで、ボトル容器を倒立姿勢に保持する嵌合保持部1Bが2カ所形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流し台のシンク内等に設置して使用する水切りかごに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の水切りかごは、ステンレス等によって形成された複数の線材を縦横に交差させることによってカゴ状に形成したものであり、洗った食器類をそのまま収容することで、食器類に付いた水を切ることができるようになっている。
【0003】
こういった水切りかごでは、その底面部が主としてフラットに形成されているが、例えば、図7に示す水切りかご50のように、複数の線材51における側面を形成している部分を屈曲させることによって、少なくとも一方の側面に段部52を形成すると共に、複数の線材51における底面を形成している部分を屈曲させることによって、外向きの凸部53を形成したものがある。
【0004】
この水切りかご50では、図8に示すように、大きな皿dを、線材51に交差している線材52の底面を形成している部分間において、隣り合う線材51の間に立てかけることにより、一方の側面に形成されている段部52と、底面に形成されている外向きの凸部53とによって支えられ、立てた状態で水切りすることができる。
【0005】
【特許文献1】特開2002−330880号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年は、飲料容器であるPETボトルや紙パック等をリサイクルするために、使用後のこういった飲料容器を家庭で水洗いするようになってきており、水洗いしたこれらの飲料容器も水切りかごに収納して水切りを行うことになる。
【0007】
しかしながら、上述したように、この種の水切りかごでは、その底面がフラットに形成されていたり、皿等の食器を立てて収容することができるように、底面を形成している複数の線材を屈曲させることによって外向きの凸部等が形成されているだけなので、PETボトルや紙パック等の飲料容器を倒立姿勢で保持することができず、確実に水切りを行うことができないといった問題がある。
【0008】
特に、こういった水切りかごに、PETボトルや紙パック等の飲料容器だけを収容して水切りを行う場合は、食器類等に持たせかけて支えることができないので、上述した問題が顕著に現れることになる。
【0009】
そこで、この発明の課題は、PETボトルや紙パック等の飲料容器を簡単に倒立姿勢に保持することができる水切りかごを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、複数の線材によって形成された編目状の底面部を有する水切りかごにおいて、前記底面部を形成する前記線材を部分的に上方側に立ち上がるように変形させることによって、飲料容器の口部内に挿入することで、飲料容器を倒立姿勢に支持する支持突起を形成したことを特徴とする水切りかごを提供するものである。
【0011】
また、上記の課題を解決するため、請求項2に係る発明は、複数の線材によって形成された編目状の底面部を有する水切りかごにおいて、前記底面部を形成する前記線材を平面的に変形させることによって、ボトル容器の口部を嵌め入れることで、前記ボトル容器を倒立姿勢に保持する嵌合保持部を形成したことを特徴とする水切りかごを提供するものである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、請求項1に係る発明の水切りかごでは、底面部に形成された上方側に立ち上がる支持突起を、PETボトルや紙パック等の飲料容器の口部内に挿入することで、飲料容器を倒立姿勢に支持することができるので、水洗いした飲料容器を確実に水切りすることができる。
【0013】
以上のように、請求項2に係る発明の水切りかごでは、底面部を形成する線材を平面的に変形させることによって底面部に形成された嵌合保持部に、ボトル容器の口部を嵌め入れることで、ボトル容器を倒立姿勢に支持することができるので、水洗いしたボトル容器を確実に水切りすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1〜図4に示すように、この水切りかご1は、前端側のコーナ部が大きく湾曲した略長方形状の底面部及びこの底面部の周縁から立ち上がる対向2対の側面部を備えた網目状のかご本体2と、このかご本体2の底面部に固着された脚部3と、かご本体2の側面部に固着された手提げ部4とから構成されており、かご本体2、脚部3及び手提げ部4は、それぞれステンレス製の線材によって形成されている。
【0015】
前記かご本体2は、底面部及び対向一対の側面部を形成する、底面部の長手方向に延びる複数の第1線材11と、底面部及び他の対向一対の側面部を形成する、底面部において各第1線材11に交差するように、底面部の短手方向に延びる複数の第2線材12と、側面部において第1線材11及び第2線材12に交差した状態で、第1線材11及び第2線材12に連結された複数の第3線材13と、第1線材11及び第2線材12の端部を連結した第4線材14とから構成されており、第1線材11、第2線材12及び第3線材13としては、直径2.5mmの断面円形状のものが、第4線材14としては、直径5.0mmの断面円形状のものがそれぞれ使用されている。
【0016】
前記かご本体2には、底面部の長手方向の一方の端部側に、3本の第1線材11を部分的に上方側に立ち上がるように屈曲させることによって、図5に示すように、紙パックPやPETボトル等の飲料容器の口部内に挿入することで、飲料容器を倒立姿勢に支持する、幅20mm、高さ40〜70mmの支持突起1Aが3カ所形成されていると共に、底面部の長手方向の他方の端部側に、隣り合う2本の第1線材11、11を、相互に離反する方向に部分的に突出するように湾曲させることによって、図6に示すように、ボトル容器Bの口部を嵌め入れることで、ボトル容器Bを倒立姿勢に保持する嵌合保持部1Bが2カ所形成されている。なお、湾曲した前記嵌合保持部1Bの最大幅は28mmであり、国産PETボトルのスクリューキャップのねじ山部外径と略同じか、僅かに(1mm程度)大きい寸法に設定されている。
【0017】
前記脚部3は、第4線材14と同様の太い線材によって形成された、平行に配置された一対の取付部15a、15aと、この一対の取付部15a、15aを、その一端側で連結する、下方側に突出した本体部15bとから構成されており、一対の取付部15a、15aが2本の第2線材12に固着されている。
【0018】
前記手提げ部4は、第4線材14と同様の太い線材によって門型に形成されており、かご本体2の底面部の短手方向に対向するように、第4線材14に固着されている。
【0019】
以上のように、この水切りかご1では、かご本体2の底面部に形成された上方側に立ち上がる支持突起1Aを、紙パックPやPETボトルB等の飲料容器の口部内に挿入することで、飲料容器を倒立姿勢に支持することができるので、水洗いした飲料容器を確実に水切りすることができる。
【0020】
また、かご本体2の底面部に形成された嵌合保持部1Bに、PETボトルB等のボトル容器の口部を嵌め入れることで、ボトル容器Bを倒立姿勢に支持することができるので、水洗いしたボトル容器Bを確実に水切りすることができる。
【0021】
なお、上述した実施形態では、かご本体2の底面部の長手方向に延びる第1線材11によって、支持突起1Aや嵌合保持部1Bを形成しているが、これに限定されるものではなく、かご本体2の底面部の短手方向に延びる第2線材12によって、支持突起1Aや嵌合保持部1Bを形成することも可能である。
【0022】
また、上述した実施形態では、支持突起1A及び嵌合保持部1Bの双方を備えた水切りかご1について説明したが、これに限定されるものではなく、支持突起1A及び嵌合保持部1Bのいずれか一方だけを設けてもよい。
【0023】
また、上述した実施形態では、第1線材11〜第4線材14によって形成されたかご本体2、脚部3及び手提げ部4を備えた水切りかご1について説明したが、本発明の水切りかごは、少なくとも、支持突起や嵌合保持部を有する、複数の線材によって形成された編目状の底面部を備えていればよく、かご本体、脚部3及び手提げ部4の形態や脚部3及び手提げ部4の有無については、特に限定されない。
【0024】
また、上述した実施形態では、国産PETボトルに対応した嵌合保持部1Bだけを備えた水切りかごについて説明したが、これに限定されるものではなく、外国産PETボトルのねじ山外径(33mm)に対応する嵌合保持部等、一つの水切りかごに、寸法や形状等が異なる複数種類の嵌合保持部を設けてもよい。
【0025】
また、ボトル容器の口部を嵌合保持部1Bに嵌め入れる方法としては、斜めに差し込むようにして嵌め入れる他、ボトル容器を垂直にして口部のねじ部を嵌合保持部1Bに沿わせた状態で、ボトル容器を回転しながら嵌め入れるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明にかかる水切りかごの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同上の水切りかごを示す平面図である。
【図3】同上の水切りかごを示す正面図である。
【図4】同上の水切りかごを示す側面図である。
【図5】同上の水切りかごに形成された支持突起によって紙パックを支持した状態を示す部分正面図である。
【図6】同上の水切りかごに形成された嵌合保持部にボトル容器の口部を嵌め入れることで、ボトル容器を倒立姿勢に支持した状態を示す部分断面図である。
【図7】従来の水切りかごを示す斜視図である。
【図8】同上の水切りかごの使用状態を示す正面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 水切りかご
1A 支持突起
1B 嵌合保持部
2 かご本体
3 脚部
4 手提げ部
11 第1線材
12 第2線材
13 第3線材
14 第4線材
15a 取付部
15b 本体部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の線材によって形成された編目状の底面部を有する水切りかごにおいて、
前記底面部を形成する前記線材を部分的に上方側に立ち上がるように変形させることによって、飲料容器の口部内に挿入することで、飲料容器を倒立姿勢に支持する支持突起を形成したことを特徴とする水切りかご。
【請求項2】
複数の線材によって形成された編目状の底面部を有する水切りかごにおいて、
前記底面部を形成する前記線材を平面的に変形させることによって、ボトル容器の口部を嵌め入れることで、前記ボトル容器を倒立姿勢に保持する嵌合保持部を形成したことを特徴とする水切りかご。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate