説明

水引

【課題】針金と同じように紙葉の綴じ作業ができ、かつ、容易に接着して紙葉を綴じることが可能な紙葉の綴じ方法及び装置に使用される水引を提供する。
【解決手段】水引本体1の表面に再湿接着剤2を塗布してある。また、本水引は、太さが0.5mm〜0.7mmであって、引張強さが40〜50N(ニュートン)の剛度を有し、再湿接着剤が、カゼイン、アラビアゴム、でんぷん等の天然高分子又はポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸の塩類等の合成高分子である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書籍、週刊誌、カタログ等の中綴じあるいは紙綴じ方法に使用するための水引に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、書籍、週刊誌、カタログ等の簡易書籍綴じ方式である中綴じ方法は、針金を使用していた。この針金を使用して中綴じしていた書籍等を回収して再生する際に、針金からなる綴じ具を取り除かなければならなかった。この綴じ具を取り除く作業が必要ないように、発明者及び出願人は紙撚りを綴じ具とした紙葉の綴じ方法を開発し、既に提案して公知となっている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2006−110873号公報
【0003】
この既に公知となっている紙撚りを使用する綴じ方法では、紙撚りに柔軟性があるため、紙葉に開通した細孔に鉤針を通してこの鉤針に紙撚りを引っ掛けて、鉤針を引き込むことにより、紙撚りの両端部を対の細孔に挿通させている。この紙撚りの細孔への挿通作業は安定性及び確実性に欠けるという課題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、発明者及び出願人は、紙でできた水引を綴じ具として紙葉の通孔に対する水引の挿通作業を安定性及び確実性あるものとする新規な紙葉の綴じ方法及び装置を特願2006−320060で提案した。
本発明は、上記新規な紙葉の綴じ方法及び装置に使用される新規な水引を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そのために、本発明水引は、水引本体の表面に再湿接着剤を塗布してある。
また、本発明水引は、太さが0.5mm〜0.7mmであって、引張強さが40〜50N(ニュートン)の剛度を有するものである。
さらに、本発明水引は、再湿接着剤が、カゼイン、アラビアゴム、でんぷん等の天然高分子又はポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸の塩類等の合成高分子である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の水引は、水引本体の表面に再湿接着剤を塗布してあるから、水引は剛度があり、針金と同じように綴じ作業ができ、紙葉または水引を湿潤することにより、容易に接着して紙葉を綴じることができる効果がある。しかも、紙葉の再生の際、綴じ具である水引は紙であるからこれを紙葉から分離する必要がない。
【0007】
本発明の水引は、太さが0.5mm〜0.7mmであって、引張強さが40〜50N(ニュートン)の剛度を有するものであるから、針金と同じように紙葉の綴じ作業ができるものである。
また、本発明は、再湿接着剤が、カゼイン、アラビアゴム、でんぷん等の天然高分子又はポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸の塩類等の合成高分子であるから、紙葉または水引を湿潤させて折曲げするだけで紙葉を綴じることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図面に示した実施例により本発明水引の説明をする。
図中符合1が水引本体であり、この水引本体表面に再湿接着剤2を塗布してある。水引本体1は従前から使用されている水引であり、一般的には紙幅10〜12mm程の薄葉紙を撚って構成したものであって、太さが0.5〜0.7mmのものであり、引張強さが40〜50N(ニュートン)の剛度の強いものである。
【0009】
また、再湿接着剤は、カゼイン、アラビアゴム、でんぷん等の天然高分子又はポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸の塩類等の合成高分子であり、実施例では、サイデン化学株式会社のサイビノールRM−3あるいはヤマト株式会社のアラビックヤマトを使用した。
【0010】
水引本体1に再湿接着剤2を塗布する方法は、ロールコータ式又は浸漬式がある。ロールコータ式は、再湿接着剤が収納された槽に塗布ローラの一部を浸し、塗布ローラ上に水引を当ててフェルトにより挟み送り出して乾燥させるものである。
また、浸漬式は再湿接着剤が収納された槽内にローラを取り付け、水引をこのローラに案内させて再湿接着剤内を通過させ、送り出して乾燥させるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明水引の拡大断面図。
【符号の説明】
【0012】
1 水引本体
2 再湿接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水引本体の表面に再湿接着剤を塗布してある水引。
【請求項2】
太さが0.5mm〜0.7mmであって、引張強さが40〜50N(ニュートン)の剛度を有する請求項1に記載の水引。
【請求項3】
再湿接着剤が、カゼイン、アラビアゴム、でんぷん等の天然高分子又はポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリル酸の塩類等の合成高分子である上記請求項1又は2に記載の水引。

【図1】
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【公開番号】特開2008−138324(P2008−138324A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−326449(P2006−326449)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【出願人】(500169863)株式会社三協 (4)
【Fターム(参考)】