説明

水性ポリウレタン分散体の製造法

【課題】
イソシアネート成分として、芳香族ポリイソシアネートを主成分とするにも拘らず、均質で高い安定性を有し、接着力、耐熱性に優れた水性ポリウレタン分散体の製造法を提供する。
【解決手段】
脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソシアネート基が添加したイソシアネート基の20〜80%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネート、必要に応じてポリヒドロキシ化合物を反応させて得られた自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを、水中で乳化後鎖延長剤と反応させて水性ポリウレタン分散体を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性ポリウレタン分散体の製造法に関し、接着剤、塗料、印刷インキ、各種のコーティング剤等の用途に使用可能であり、特に初期接着力、耐熱性に優れた接着剤に適した水性ポリウレタン分散体の製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
水性ポリウレタン分散体は、例えば、ポリウレタンプレポリマー骨核中に親水性基を分子骨格中に導入して自己乳化性を付与し、当該自己乳化性ポリウレタンプレポリマーを中和後、水に分散させ、さらにポリアミンで鎖延長させることにより製造される。
【0003】
この際、有機ポリイソシアネートとして、芳香族ポリイソシアネートを使用すると、その遊離イソシアネート基の反応性が非常に強いため、イソシアネート基と水との反応による高分子量化が無視できない割合で生じたり、ポリアミンによる鎖延長反応の際にゲル化が起こるため、均質で安定性の高い高分子分散体を得ることは難しかった。
【0004】
このため、通常は、有機ポリイソシアネートとして反応性の低い脂肪族系及び脂環族系イソシアネートが使用されている。しかしながら、これらのイソシアネート自体は、汎用の芳香族ポリイソシアネートより高価であるため、得られた水性ポリウレタン分散体が高価であるという問題があった。また、性能的にも機械的強度及び耐熱性の観点から必ずしも満足されるものではなかった。
【0005】
安価な芳香族ポリイソシアネートを主成分とした水性ポリウレタン分散体を得る方法が提案されているが(例えば、特許文献1及び2参照)、これらの安定性は不十分であったり、得られた塗膜の機械的強度、耐熱性が劣る等の問題が残されている。
【0006】
【特許文献1】特開平2−269723号公報
【特許文献2】特許第3193400号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、イソシアネート成分として、芳香族ポリイシシアートを主成分とするにも拘らず、均質で高い安定性を有し、接着力、耐熱性に優れた水性ポリウレタン分散体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、新規な水性ポリウレタン分散体及びその製造法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、以下の各項に示すとおりの水性ポリウレタン分散体及びその製造法である。
【0010】
[1](1)脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソアネート基が添加したイシシアネート基の20〜80%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネートを反応させて自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを得、(2)当該自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを水中で乳化した後、鎖延長剤と反応させることを特徴とする水性ポリウレタン分散体の製造法。
【0011】
[2](1)脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソアネート基が添加したイシシアネート基の20〜80%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネート及びポリヒドロキシ化合物を反応させて自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを得、(2)当該自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを水中で乳化した後、鎖延長剤と反応させることを特徴とする水性ポリウレタン分散体の製造法。
【0012】
[3]芳香族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基と脂肪族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比が1〜20であり、かつイソシアネート基の合計とポリヒドロキシ化合物由来の水酸基の合計のモル比が1.05〜1.4であることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の水性ポリウレタン分散体の製造法。
【0013】
[4]芳香族ポリイソシアネートが4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の水性ポリウレタン分散体の製造法。
【0014】
[5]水性ポリウレタン分散体の平均粒子径が0.02〜0.5μmであることを特徴とする上記[1]乃至[4]に記載の水性ポリウレタン分散体の製造法。
【0015】
[6]上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の製造法により得られた水性ポリウレタン分散体。
【0016】
[7]上記[1]乃至[5]のいずれかに記載の製造法により得られた水性ポリウレタン分散体を主成分とする水性接着剤。
【発明の効果】
【0017】
本発明により得られた水性ポリウレタン分散体は、均質で分散安定性が極めて良好である。この水性ポリウレタ分散体は、接着剤、塗料、印刷インキ、各種のコーティング剤等の用途に使用可能であり、特に初期接着力、耐熱に優れた接着剤として適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の水性ポリウレタン分散体は、(1)脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソシアネート基が添加したイソシアネート基の20〜80%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネート、必要に応じてポリヒドロキシ化合物を反応させて自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを得、(2)当該自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを水中で乳化した後、鎖延長剤と反応させることにより得られる。
【0019】
本発明で使用するポリヒドロキシ化合物は、イソシアネート基に対して反応性を有する水酸基を2つ以上含む化合物である。
【0020】
高分子ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、ポリエステルポリオール(a)、ポリエーテルポリオール(b)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0021】
ポリエステルポリオール(a)としては、例えば、縮合ポリエステルポリオール(a1)、ポリカーボネートポリオール(a2)、ポリラクトンポリオール(a3)が挙げられる。
【0022】
縮合ポリエステルポリオール(a1)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のジオール類とコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等のジカルボン酸との反応物が挙げられ、具体的には、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール及びポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール等のアジペート系縮合ポリエステルジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、及びポリブチレンアゼレートジオール等のアゼレート系縮合ポリエステルジオールを例示できる。
【0023】
ポリカーボネートポリオール(a2)としては、例えば、上記ジオール類とジメチルカーボネート等によって代表されるようなジアルキルカーボネートの反応物が挙げられ、具体的には、ポリテトラメチレンカーボネートジオール、ポリ3−メチルペンタメチレンカーボネートジオール及びポリヘキサメチレンカーボネートジオールを例示できる。
【0024】
ポリラクトンポリオール(a3)としては、例えば、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びこれらの2種以上の混合物の開環重合物が挙げられ、具体的にはポリカプロラクトンジオールを例示できる。
【0025】
ポリエーテルポリオール(b)としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノールA等の活性水素原子を少なくとも2個有する化合物の1種又は2種以上を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のモノマーの1種又は2種以上を付加重合させた反応物が挙げられ、ブロック付加、ランダム付加又は両者の混合系でも良い。具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコールを例示できる。これらの高分子ポリヒドロキシ化合物の中で、縮合ポリエステルポリオール(a1)及びポリカーボネートポリオール(a2)が接着力の観点から好ましい。
【0026】
高分子ポリヒドロキシ化合物の水酸基価としては、10〜300mgKOH/gが好ましく、より好ましくは20〜250mgKOH/gである。水酸基価は、JIS−K0070に規定された方法で測定できる。
【0027】
低分子ポリヒドロキシ化合物として、具体的に、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール、ビスフェノールA、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシベンゼン及びそれらのアルキレンオキシド付加体のポリオール、また多官能成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール等が挙げられる。
【0028】
自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを合成する際に、当該プレポリマー骨核中に共重合によって親水性基を導入することができるポリヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等が挙げられる。これらを原料の一部として製造したカルボキシレート基含有ポリエステルポリオールも好適に用いることができる。また、5−スルホイソフタル酸、スルホテレフタル酸、4−スルホフタル酸等によってスルホネート基が導入されたポリエステルポリオールを使用しても良い。これらの親水性基が導入されたポリヒドロキシ化合物は、アンモニア、トリエチルアミン等の有機アミンやNa、K、Li、Ca等の金属塩基から選ばれる少なくとも1種によって中和した後、プレポリマーの原料として用いることもできる。
【0029】
これらの親水性基を導入可能なポリヒドロキシ化合物を用いたウレタン骨格への親水性基の導入量は、ウレタン樹脂1gあたり0.05〜1.0mmolの範囲であることが好ましい。親水性基の導入量が0.05mmol以下の場合は、水性ポリウレタンの分散安定性が不十分となり相分離が進みやすい。また、0.5mmolを超える場合は、乾燥塗膜の耐水性が低下するおそれがある。
【0030】
本発明で用いられる芳香族ポリイソシアネートは、芳香族環に直接少なくとも2個のイソシアネート基が結合している化合物であり、具体的には、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、粗製MDI、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びこれらのビュレット化合物やイソシアヌレート化合物が挙げられる。また、これらの混合物を使用することもできる。これらの化合物の中で、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートが接着強度及び耐熱性の観点から好ましい。
【0031】
本発明で用いられる脂肪族ポリイソシアネートは、脂肪族炭化水素の炭素に直接少なくとも2個のイソシアネート基が結合している化合物であり、具体的には、線状の脂肪族ポリイソシアネートとして、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートとして、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン(水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートとして、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられ、これらのビュレット化合物やイソシアヌレート化合物も含まれる。また、これらの混合物を使用することもできる。これらの化合物の中で、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート及び3−イソシアナトメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンが接着力に優れ、低価格であることから好ましい。
【0032】
本発明で使用する自己乳化性末端NCO型ポリウレタンプレポリマーは、脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソアネート基が添加したイシシアネート基の20〜80%になるまで、好ましくは30〜70%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネート、必要に応じてポリヒドロキシ化合物を反応させることで得られる。すなわち、本発明においては、脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、脂肪族イソシアネート基の残留率([残留イソシアネート基]/[反応前イソシアネート基])が通常20〜80%の範囲になるまで、好ましくは30〜70%になるまで反応させる。
【0033】
このような方法でプレポリマーを合成することで、主として末端に脂肪族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基を有するプレポリマーが効率的に得られる。このため、乳化中の水との副反応や、ポリアミンによる鎖延長時のゲル化が抑制されるため、安定性に優れた水性ポリウレタン分散体を得ることができる。
【0034】
本発明において、イソシアネート基と水酸基のモル比(NCO/OH)は1.03〜1.5の範囲が好ましく、1.05〜1.4がさらに好ましい。1.03以下では、プレポリマーの粘度が高くなりすぎて分散不良を起こしやすく、1.5以上ではポリアミンで鎖延長する際にゲル化が起こりやすい。また、芳香族イソシアネート基と脂肪族イソシアネート基のモル比は1〜20が好ましく、さらに好ましくは1.5〜10である。芳香族イソシアネート基と脂肪族イソシアネート基のモル比が20以上の場合、均一な分散体が得られ難く、また、1以下の場合は、乾燥塗膜の機械的物性が低下する傾向がある。ここで芳香族イソシアネート基とは、芳香族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基であり、同様に脂肪族イソシアネート基とは、脂肪族イソシアネート由来のイソシアネート基である。
【0035】
プレポリマーの合成を行う際に、反応を均一に進行させるため、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のイソシアネート基に不活性な有機溶剤を反応中、又は反応終了後に添加してもよい。反応温度は30℃〜120℃の温度範囲で0.1〜10時間反応させることが好ましい。
【0036】
本発明の水性ポリウレタン分散体は、親水性基又は中和された親水性基を有する自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを水に乳化、分散した後、鎖延長剤と反応させることによって得られる。プレポリマーがカルボキシル基やスルホン酸基のような塩形成可能な親水性基を含む場合は、中和剤を用いて親水化した後、水に乳化、分散させる。
【0037】
親水化(中和)の方法としては、特に限定するものではないが、例えば、(a)プレポリマーの合成中又は合成後に中和剤と反応させる、(b)プレポリマーを中和剤を含む水に分散させる等の方法で行うことができる。また、中和剤としての塩基性化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基類、アンモニア水、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジメチルアミノエタノール、N−メチルモルホリン等の第3級アミン類が挙げられる。
【0038】
本発明において使用する鎖延長剤は、1級又は2級のアミノ基を2個以上含有するポリアミン化合物又は水であって、プレポリマーの残イソシアネート基を鎖延長することで高分子量化し、接着強度や耐熱性を付与する目的で使用される。具体的なポリアミン化合物として、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ピペラジン、ヒドラジン、炭酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。ポリアミン化合物の使用量はプレポリマーの末端イソシアネート基に対して0.5〜1.5等量、好ましくは0.6〜1.0等量で任意に選ぶことができる。
【0039】
鎖延長後、ウレタン分散体が有機溶剤を含有する場合は、減圧下、30〜80℃で溶媒を留去することにより、水性ポリウレタン分散体を得ることができる。
【0040】
本発明の水性ポリウレタン分散体を含有する組成物を調製する際には、乳化剤を使用することもできる。本発明で使用可能な乳化剤としては、特に限定するものではないが、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールエーテル型、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレート型、ポリオキシエチレンアルキルエーテル型、ソルビタン誘導体型、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル型等のノニオン系乳化剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩型、ジアルキルサクシネートスルホン酸塩型等のアニオン系乳化剤、カチオン系乳化剤、及び両性イオン系乳化剤等が挙げられる。これら乳化剤の中でもノニオン系乳化剤、及び/又はアニオン系乳化剤が好適であり、乳化剤の含有量はポリウレタン樹脂固形分に対して、好ましくは10%以下である。
【0041】
また、更に耐久性を向上させる目的で、架橋剤を使用することもできる。本発明で使用できる架橋剤としては、例えば、アミノ樹脂、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、ポリイソシアネート化合物等を挙げることができる。
【0042】
さらに、凝集性を阻害しない範囲で通常に使用される添加剤、例えば、可塑剤、粘着付与剤(ロジン樹脂、ロジンエステル樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂石油樹脂、クマロン樹脂等)、充填剤、顔料、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、防腐剤等を使用することも可能である。
【実施例】
【0043】
以下に、本発明を、実施例を用いて詳細に説明するが、それらの内容は本発明の範囲を特に制限するものではない。本発明の水性ポリウレタン分散体に関する測定法及び評価法は以下の通りである。
【0044】
[イソシアネート濃度の測定方法]
プレポリマー溶液2〜5gを精秤し、トルエン10mlに溶解させる。この溶液に0.5規定のn−ジブチルアミンのトルエン溶液10mlを加え、15分間放置する。反応終了後、0.5規定の塩酸で逆滴定し、中和に要した塩酸の体積からイソシアネート基のモル数を求める。イソシアネート濃度は、以下の式で計算できる。
【0045】
イソシアネート濃度=イソシアネート基のモル数×42(イソシアネート基の式量)/採取したプレポリマーの重量(g)×100(%)。
【0046】
したがって、脂肪族イソシアネート基の残留率([残留イソシアネート基]/[反応前イソシアネート基])は、反応後のイソシアネート濃度/反応前のイソシアネート濃度×100(%)により計算することができる。
【0047】
[平均粒子径の測定方法]
水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は、マイクロトラックUPA150(日機装(株)製)を使用して粒径分布を測定し、体積平均粒径を求めた。
【0048】
[接着強度の測定方法]
水性ポリウレタン分散体を50mm(幅)×150mm(長さ)×2mm(厚さ)の2枚のPVCシートに刷毛を用いて、1平方メートルあたり100g塗布した。60℃で5分間熱風乾燥機中にて乾燥させた後、ローラーで張り合わせた後、1インチの幅で打ち抜くことで試験片を調製した。張り合わせ1分後、1日後の剥離強度を引張り試験機によって、速度100mm/分の条件で測定した。
【0049】
[耐熱クリープの評価方法]
上記の試験片を1日間室温にて養生硬化させた。試験片に0.3kgの錘を吊して、70℃にて30分間熱風循環乾燥機に入れ、180度方向の耐熱クリープ試験を行った。剥離した距離(mm)、又は錘が落下した時間を測定した。
【0050】
実施例1.
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.2部、メチルエチルケトン95.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート25.4部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は2.25%であり、上記混合物を80℃で2.5時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は1.13%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は50%であり、添加したイソシアネート基の50%が未反応であった。
【0051】
続いて、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート42.9部を加え、さらに3時間反応させ、プレポリマー溶液を得た。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン7.8部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水466.0部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液25.9部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は0.12μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1か月静置し安定性を評価したところ、外観上全く変化が無く、安定であった。
【0052】
得られた水性ポリウレタン分散体を用いて、接着強度及び耐熱クリープ性の評価を行った結果を表1に示す。本発明の水性ポリウレタン分散体は、優れた接着強度と耐熱クリープ性を有していた。
【0053】
【表1】

【0054】
実施例2.
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.3部、メチルエチルケトン96.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート12.7部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は1.18%であり、上記混合物を80℃で2.5時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は0.65%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は55%であり、添加したイソシアネート基の55%が未反応であった。
【0055】
続いて、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート57.3部を加え、さらに3時間反応させ、プレポリマー溶液を得た。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン7.9部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水466.0部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液25.6部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は0.20μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1か月静置し安定性を評価したところ、外観上全く変化が無く、安定であった。
【0056】
得られた水性ポリウレタン分散体を用いて、接着強度及び耐熱クリープ性の評価を行った結果を表1にあわせて示す。本発明の水性ポリウレタン分散体は、優れた接着強度と耐熱クリープ性を有していた。
【0057】
実施例3.
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.2部、メチルエチルケトン95.0部を加え、均一溶液になった後、ヘキサメチレンジイソシアネート9.7部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は1.20%であり、上記混合物を80℃で2.5時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は0.72%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は60%であり、添加したイソシアネート基の60%が未反応であった。
【0058】
続いて、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート57.6部を加え、さらに3時間反応させ、プレポリマー溶液を得た。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン7.9部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水466.0部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液27.3部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は0.25μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1か月静置し安定性を評価したところ、外観上全く変化が無く、安定であった。
【0059】
得られた水性ポリウレタン分散体を用いて、接着強度及び耐熱クリープ性の評価を行った結果を表1にあわせて示す。本発明の水性ポリウレタン分散体は、優れた接着強度と耐熱クリープ性を有していた。
【0060】
比較例1.
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.3部、メチルエチルケトン96.0部を加え、均一溶液になった後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート71.5部を加え、3時間反応させ、プレポリマー溶液を得た。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン7.8部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水466.0部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液25.2部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は2.0μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1ヶ月静置し安定性を評価したところ、固形分の沈降が認められた。
【0061】
得られた水性ポリウレタン分散体を用いて、接着強度及び耐熱クリープ性の評価を行った結果を表2に示す。イソシアネート成分として、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを単独で使用した場合、接着強度が非常に低い水性ポリウレタン分散体しか得られなかった。乳化の際に、イソシアネート基と水又はポリアミンが激しく反応し、ゲル化が進んだものと推定される。
【0062】
【表2】

【0063】
比較例2.
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸14.2部、メチルエチルケトン101.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート32.7部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は2.85%であり、上記混合物を80℃で2.5時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は1.54%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は54%であり、添加したイソシアネート基の54%が未反応であった。
【0064】
続いて、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート55.2部を加え、さらに3時間反応させ、プレポリマー溶液を得た。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン8.0部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水440.0部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液70.0部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は0.15μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1か月静置し安定性を評価したところ、外観上全く変化が無く、安定であった。
【0065】
得られた水性ポリウレタン分散体を用いて、接着強度及び耐熱クリープ性の評価を行った結果を表2にあわせて示す。プレポリマーの合成において、水酸基に対するイソシアネート基の量を高く設定し、残留イソシアネート濃度の高いプレポリマーを用いた場合、接着強度が非常に低い水性ポリウレタン分散体しか得られなかった。
【0066】
比較例3.
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.6部、メチルエチルケトン96.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート2.8部を加えた。脂肪族ポリイソシアネートを添加した直後の溶液中のイソシアネート濃度は0.266%であり、上記混合物を80℃で2時間反応させた時点でのイソシアネート濃度は0.160%であった。すなわち、脂肪族イソシアネート基の残留率は60%であり、添加したイソシアネート基の60%が未反応であった。続いて、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート70.1部を加え、さらに3時間反応させ、プレポリマー溶液を得た。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン7.9部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液28.1部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は0.15μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1か月静置し安定性を評価したところ、固形分の沈降が認められた。
【0067】
得られた水性ポリウレタン分散体を用いて、接着強度及び耐熱クリープ性の評価を行った結果を表2にあわせて示す。プレポリマー合成において、芳香族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基と脂肪族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比が高い場合、接着強度及び耐熱クリープ性が低い水性ポリウレタン分散体しか得られなかった。
【0068】
比較例4.
攪拌翼、加熱装置及び還流冷却器を備えた反応装置にポリブチレンアジペートジオール(ニッポラン4010(日本ポリウレタン製)、分子量2000、OH価55mgKOH/g)300部を加え、120℃に加熱し、60分間減圧下で脱水を行なった。80℃に冷却した後、2,2−ジメチロールプロピオン酸13.3部、メチルエチルケトン96.0部を加え、均一溶液になった後、イソホロンジイソシアネート12.7部及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート57.3部を加え、6時間反応させた。室温に戻した後、プレポリマー溶液375.0部にメチルエチルケトン125.0部を加え、濃度調整した後、トリエチルアミン7.9部を加え中和した。次に、撹拌しながら蒸留水466.0部を加え乳化、分散させ、続いて10%ピペラジン水溶液25.6部を添加し鎖延長させた。得られた乳化液を脱溶剤し、蒸留水で調整して固形分濃度40%の水性ポリウレタン分散体を得た。この水性ポリウレタン分散体の平均粒子径は1.5μmであった。水性ポリウレタン分散体をガラス容器に入れ、密栓して室温で1か月静置し安定性を評価したところ、固形分の沈降が認められた。
【0069】
得られた水性ポリウレタン分散体を用いて、接着強度及び耐熱クリープ性の評価を行った結果を表2にあわせて示す。原料成分比は実施例2と同じであるであるにもかかわらず、芳香族ポリイソシアネートと脂肪族ポリイソシアネートを同時に添加した場合は、接着強度及び耐熱クリープ性が低い水性ポリウレタン分散体しか得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソアネート基が添加したイシシアネート基の20〜80%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネートを反応させて自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを得、(2)当該自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを水中で乳化した後、鎖延長剤と反応させることを特徴とする水性ポリウレタン分散体の製造法。
【請求項2】
(1)脂肪族ポリイソシアネートとポリヒドロキシ化合物を、残留イソアネート基が添加したイシシアネート基の20〜80%になるまで反応させ、続いて芳香族ポリイソシアネート及びポリヒドロキシ化合物を反応させて自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを得、(2)当該自己乳化性末端NCOポリウレタンプレポリマーを水中で乳化した後、鎖延長剤と反応させることを特徴とする水性ポリウレタン分散体の製造法。
【請求項3】
芳香族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基と脂肪族ポリイソシアネート由来のイソシアネート基のモル比が1〜20であり、かつイソシアネート基の合計とポリヒドロキシ化合物由来の水酸基の合計のモル比が1.05〜1.4であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水性ポリウレタン分散体の製造法。
【請求項4】
芳香族ポリイソシアネートが、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水性ポリウレタン分散体の製造法。
【請求項5】
水性ポリウレタン分散体の平均粒子径が0.02〜0.5μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の水性ポリウレタン分散体の製造法。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の製造法により得られた水性ポリウレタン分散体。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の製造法により得られた水性ポリウレタン分散体を主成分とする水性接着剤。

【公開番号】特開2008−222784(P2008−222784A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60248(P2007−60248)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】