説明

水性懸濁状除草組成物

【課題】除草性スルホニルウレア系化合物が水中で分解せず、且つ安定な懸濁状態を保つ水性懸濁状除草組成物を、煩雑な工程を経ることなく調製する。
【解決手段】(1)1−[3−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−2−ピリジル]−2−フルオロプロピル メトキシアセテート、N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−2−(2−フルオロ−1−ヒドロキシプロピル)−3−ピリジンスルホンアミド及びそれらの塩より成る群から選ばれた少なくとも1種の除草性スルホニルウレア系化合物、(2)無機塩、(3)アリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩及びそれらのホルマリン縮合物より成る群から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸塩並びに(4)水を含有する水性懸濁状除草組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩の水中での分解が抑制され且つ安定な懸濁性が保たれる水性懸濁状除草組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、耕作地における作物保護や非農耕地での雑草防除の目的で様々な除草剤が開発・実用化されている。一般にこれら除草剤の施用形態は、粉剤、粒剤などの固形物を直接散布する製剤であるか、水和剤や顆粒水和剤などのように使用時に水に希釈して散布する固形の製剤であるか、或いは有効成分を水、植物油などに界面活性剤などとともに懸濁させた製剤を使用時に水で希釈して散布するような液体の懸濁製剤であったりする。
【0003】
これらのうち、固形物を直接散布する製剤や水に希釈して使用する固形の製剤を取り扱う際、使用の際に空中に舞い上がった固形物を使用者が吸い込む場合があり、これを避ける為には液体の懸濁製剤が望ましい。さらに、散布対象の面積が製剤1包装あたりの面積と異なるなどの理由で、製剤品の量を簡単に計量して加減するためには、製剤ボトルに備え付けられた目盛りなどを容易に使用できる液体製剤は、重量を計測するために天秤のような計量機などを用意しなけばならない固形製剤よりも、有利である。また、液体の懸濁製剤のうち、植物油に懸濁させた製剤は、穀物の耕作地に対して使用されることが多いが、道路、線路、工場の敷地、運動場などの非農耕地や、果樹園、桑畑などに対し、植物油に懸濁させた製剤を使用した場合、散布後、植物油成分が地面に一時残るため、散布後、当該場所を利用する際に不便な場合がある。更に、乳剤などに使用される有機溶媒などは、施用する周辺環境への影響或いは製剤の引火性などの観点から、できるだけ使用しないか、使用する場合でもその量は極力少ないほうが好ましく、有効成分を安定して水に懸濁させた水性懸濁状除草組成物を調製することが望まれている。
【0004】
一方、除草剤の有効成分として配合される化合物としてスルホニルウレア系化合物又はその塩は、施用量が比較的少量で優れた除草効果を発揮する化合物であることから、数多くの除草剤の有効成分として利用されているが、除草有効成分として配合されるスルホニルウレア系化合物又はその塩は、一般に保存中に分解しやすい性質を持っている。それらの分解により、製剤中の有効成分濃度が低下すると、施用の際に期待される除草効果が発揮できなくなったり、分解によるガスの発生によって懸濁液の保存容器の内圧が保管中に高くなることがある。それにより開封時に懸濁液が吹き出て、内容物が作業者や周辺を汚染するなど様々な不都合を惹起する場合がある。
【0005】
これまでに、除草有効成分として配合されるスルホニルウレア系化合物又はその塩の分解を防止する為、様々な化合物を添加することが検討されてきた。例えば、特開2000-159603では、除草性スルホニルウレア系化合物とフェノールスルホン酸塩又はそのホルマリン縮合物とを配合した水性懸濁状除草組成物が開示されている。
【0006】
また、特開昭59-205305では、除草性スルホニルウレア系化合物の塩と、カルボン酸又は無機酸のアンモニウム又はアルカリ金属塩とを配合した水性懸濁状除草組成物が開示されている。具体的には、当該水性懸濁状除草組成物の製造時、除草性スルホニルウレア系化合物と界面活性剤を水中で混合後、そこへカルボン酸又は無機酸のアンモニウム塩又はアルカリ金属塩を投入することで、除草性スルホニルウレア系化合物の塩を形成させて沈殿させ、沈殿した除草性スルホニルウレア系化合物の塩を湿式粉砕機などによって水中で分散させることが開示されている。
【0007】
更に、特許第3,175,850号では、無機酸、有機酸又は緩衝液を用いてピラゾスルフロンの水性懸濁製剤を調製することが開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開2000-159603号公報
【特許文献2】特開昭59-205305号公報
【特許文献3】特許第3,175,850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の従来技術を適用した場合であっても、本発明に使用する有効成分である除草性スルホニルウレア系化合物は、水中で分解しやすい或いはその懸濁液の製造工程が煩雑である為、実用化された例はあまり見られなかった。従って、除草性スルホニルウレア系化合物が水中で分解せず、且つ安定な懸濁状態を保つ水性懸濁状除草組成物を、煩雑な工程を経ることなく調製することが希求されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するべく、種々検討を行なった。その結果、無機塩と特定の界面活性剤であるスルホン酸塩類とを使用することにより、除草性スルホニルウレア系化合物が水中で分解せず、且つ安定な懸濁状態を保つ水性懸濁状除草組成物を煩雑な工程を経ることなく調製することができることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明は、(1)1−[3−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−2−ピリジル]−2−フルオロプロピル メトキシアセテート、N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−2−(2−フルオロ−1−ヒドロキシプロピル)−3−ピリジンスルホンアミド及びそれらの塩より成る群から選ばれた少なくとも1種の除草性スルホニルウレア系化合物、(2)無機塩、(3)アリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩及びそれらのホルマリン縮合物より成る群から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸塩並びに(4)水を含有する水性懸濁状除草組成物、並びにそれを用いて望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法に関する。
【0012】
また、本発明は、無機塩と、アリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩及びそれらのホルマリン縮合物より成る群から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸塩とを用いて、水性懸濁状除草組成物中の1−[3−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−2−ピリジル]−2−フルオロプロピル メトキシアセテート、N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−2−(2−フルオロ−1−ヒドロキシプロピル)−3−ピリジンスルホンアミド及びそれらの塩より成る群から選ばれた少なくとも1種の除草性スルホニルウレア系化合物を安定化させる方法に関する。
【0013】
更に、本発明は、少なくとも(1)1−[3−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−2−ピリジル]−2−フルオロプロピル メトキシアセテート、N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−2−(2−フルオロ−1−ヒドロキシプロピル)−3−ピリジンスルホンアミド及びそれらの塩より成る群から選ばれた少なくとも1種の除草性スルホニルウレア系化合物、(2)無機塩、(3)アリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩及びそれらのホルマリン縮合物より成る群から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸塩並びに(4)水を混合し、所望により湿式粉砕して水性懸濁状除草組成物を製造する方法に関する。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、水性懸濁状除草組成物中において除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩の分解が抑制され、かつ製剤の懸濁性が十分保たれた水性懸濁状除草組成物及びそれを用いた除草方法を提供することができる。更に本発明では、製剤の各成分を混合して、所望により湿式粉砕することにより水性懸濁状除草組成物を調製することができ、有効成分を一旦溶解させ、再沈殿させるなどの煩雑な製造工程を要しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明に使用される、除草性スルホニルウレア系化合物は、1−[3−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−2−ピリジル]−2−フルオロプロピル メトキシアセテート、即ち、一般名フルセトスルフロン(flucetosulfuron、以下化合物A1)、N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−2−(2−フルオロ−1−ヒドロキシプロピル)−3−ピリジンスルホンアミド(以下化合物A2)又はそれらの塩であり、当該塩としては、種々のものが挙げられるが、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属との塩、或はモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミンとの塩などが挙げられる。
【0016】
本発明に使用される、無機塩としては、種々のものが挙げられるが、例えば、リン酸アルカリ金属塩、リン酸アルカリ土類金属塩などがある。これらのうち、望ましくはリン酸アルカリ金属塩がよく、これらの中でも更に望ましくは、リン酸二水素ナトリウムやリン酸二水素カリウムなどがよい。
【0017】
本発明に使用される、スルホン酸塩類におけるアルキル部分としては、直鎖状のものでもよく、分枝状のものでもよい。例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどのC1−12のものが挙げられる。
【0018】
上記スルホン酸塩類におけるアリール部分としては、ベンゼン環又はナフタレン環のような単環式または多環式のようなものが挙げられる。
【0019】
上記スルホン酸塩類の塩としては、種々のものが挙げられるが、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属との塩などがある。
【0020】
上記スルホン酸塩類としては、望ましくは、アルキルアリールスルホン酸塩又はそのホルマリン縮合物がよく、更に望ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物がよく、これらの中でも更に望ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物がよい。
【0021】
本発明の水性懸濁状除草組成物は、所望により各種補助剤を配合することもできる。各種補助剤としては、当該技術分野で用いられるものであれば、いずれのものでもよいが、例えば、前記スルホン酸塩類以外の他の界面活性剤、溶剤、沈降防止剤、増粘剤、消泡剤、凍結防止剤、ゲル化剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤、防腐剤、無機アンモニウム塩類などが挙げられる。これら各種補助剤の具体例としては、例えば以下のものなどが挙げられる。尚、製剤調製は、当該技術分野における通常の方法に準じて行うことができる。
【0022】
他の界面活性剤としては、例えば脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテルリン酸エステル又はその塩、フェノールスルホン酸ホルマリン縮合物の塩、アルキルマレイン酸塩ブロックポリマーのような陰イオン系の界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤;アルコキシル化脂肪族アミンのようなカチオン系の界面活性剤などが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
【0023】
沈降防止剤としては、例えばシリカ、有機ベントナイト(Bentonite-alkylamino complex)、ベントナイト、ホワイトカーボン、アルミニウムマグネシウムケイ酸などが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
増粘剤としては、例えばキサンタンガム、グアーガムのようなヘテロポリサッカライド、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、アルギン酸ナトリウム塩のような水溶性ポリマー、ベントナイト、ホワイトカーボンなどが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
【0024】
消泡剤としては、例えばポリジメチルシロキサン、アセチレンアルコールなどが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
凍結防止剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、尿素などが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
防腐剤としては、例えばホルマリン、パラクロロメタキシレノール、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
【0025】
溶剤としては、例えばプロパノール、イソブタノールのような1価アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリンのような多価アルコール類;プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルのようなグリコールエーテル類;ジオキサンのようなエーテル類;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;酢酸、酪酸のような脂肪酸;酢酸イソプロピル、酢酸ブチルのようなエステル類;N−メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アミン類、エーテルアミン類のような含窒素・含硫黄溶剤;ノルマルパラフィン、イソパラフィンのような脂肪族炭化水素;アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、フェニルキシリルエタンような芳香族炭化水素などが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を適宜混用してもよい。
【0026】
本発明においては、所望により、前記除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩以外の他の除草性化合物を混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。例えば、適用草種の範囲、薬剤処理の時期、除草活性等を好ましい方向へ改良できる場合がある。尚、除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩と他の除草性化合物は、各々別々に製剤したものを散布時に混合して使用しても、両者を一緒に製剤した水性懸濁状混合除草組成物として使用してもよい。本発明には、前記した水性懸濁状混合除草性組成物、並びにそれを用いて望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法も含まれる。また本発明には、除草性スルホニルウレア系化合物又はその塩と他の除草性化合物を各々別々に製剤したものを用いて、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法も含まれる。
【0027】
他の除草性化合物としては、例えば下記(1)〜(11)の化合物群(一般名;一部ISO申請中を含む)から適宜選択することが出来る。特に記載がない場合であっても、これら化合物に、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
【0028】
(1)2,4-D、2,4-DB、2,4-DP、MCPA、MCPB、MCPP、ナプロアニリド(naproanilide)、クロメプロップ(clomeprop)のようなフェノキシ系、2,3,6-TBA、ジカンバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、クロピラリド(clopyralid)、アミノピラリド(aminopyralid)のような芳香族カルボン酸系、その他ナプタラム(naptalam)、ベナゾリン(benazolin)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、チアゾピル(thiazopyr)などのように植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0029】
(2)クロロトルロン(chlorotoluron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、リニュロン(linuron)、イソプロチュロン(isoproturon)、メトベンズロン(metobenzuron)、テブチウロン(tebuthiuron)のような尿素系、シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、アトラトン(atratone)、シメトリン(simetryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ヘキサジノン(hexazinone)、メトリブジン(metribuzin)、テルブチラジン(terbuthylazine)、シアナジン(cyanazine)、アメトリン(ametryn)、シブトリン(cybutryne)、トリアジフラム(triaziflam)、プロパジン(propazine)のようなトリアジン系、ブロマシル(bromacil)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)、のようなウラシル系、プロパニル(propanil)、シプロミッド(cypromid)のようなアニリド系、スエップ(swep)、デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)のようなカーバメート系、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロモキシニル・オクタノエート(bromoxynil-octanoate)、アイオキシニル(ioxynil)のようなヒドロキシベンゾニトリル系、その他ピリデート(pyridate)、ベンタゾン(bentazone)、アミカルバゾン(amicarbazone)、メタゾール(methazole)などのように植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0030】
(3)それ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているパラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)のような4級アンモニウム塩系。
【0031】
(4)ニトロフェン(nitrofen)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、ビフェノックス(bifenox)、アシフルオルフェンナトリウム塩(acifluorfen-sodium)、ホメサフェン(fomesafen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)のようなジフェニルエーテル系、クロルフタリム(chlorphthalim)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)のような環状イミド系、その他オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、チジアジミン(thidiazimin)、ペントキサゾン(pentoxazone)、アザフェニジン(azafenidin)、イソプロパゾール(isopropazole)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)、メトベンズロン(metobenzuron)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、フルポキサム(flupoxam)、フルアゾレート(fluazolate)、プロフルアゾール(profluazol)、ピラクロニル(pyrachlonil)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、ベンカルバゾン(bencarbazone)などのように植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0032】
(5)ノルフルラゾン(norflurazon)、クロリダゾン(chloridazon)、メトフルラゾン(metflurazon)のようなピリダジノン系、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、トプラメゾン(topramezone、BAS‐670H)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)のようなピラゾール系、その他アミトロール(amitrol)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、ジフルフェニカン(diflufenican)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、クロマゾン(clomazone)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)、AVH-301、イソキサフルトール(isoxaflutole)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、イソキサクロロトール(isoxachlortole)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ピコリナフェン(picolinafen)、ビフルブタミド(beflubutamid)などのようにカロチノイドなどの植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0033】
(6)ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フラムプロップエムメチル(flamprop-M-methyl)、ピリフェノップナトリウム塩(pyriphenop-sodium)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、メタミホッププロピル(metamifop-propyl)のようなアリールオキシフェノキシプロピオン酸系、アロキシジムナトリウム塩(alloxydim-sodium)、クレソジム(clethodim)、セトキシジム(sethoxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、カロキシジム(caloxydim)、クレフォキシジム(clefoxydim)、プロホキシジム(profoxydim)のようなシクロヘキサンジオン系などのようにイネ科植物に特異的に除草効力が強く認められるもの。
【0034】
(7)クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、シノスルフロン(cinosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、フラザスルフロン(flazasulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、イオドスルフロン(iodosulfuron)、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、フォーラムスルフロン(foramsulfuron)、トリフルオキシスルフロン(trifloxysulfuron)、イソスルフロンメチル(isosulfuron-methyl)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)のようなスルホニルウレア系、フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ジクロスラム(diclosulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、フロラスラム(florasulam)、メトスルファム(metosulfam)、ペノキススラム(penoxsulam)のようなトリアゾロピリミジンスルホンアミド系、イマザピル(imazapyr)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマザモックス(imazamox)、イマザメス(imazameth)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザピック(imazapic)のようなイミダゾリノン系、ピリチオバックナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、ビスピリバックナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミスルファン(pyrimisulfan、KUH‐021)のようなピリミジニルサリチル酸系、フルカーバゾン(flucarbazone)、プロカーバゾンソディウム(procarbazone-sodium)のようなスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系、その他グリホサート(glyphosate)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-isopropylamine)、スルホサート(sulfosate)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム塩(glufosinate-ammonium)、ビラナホス(bilanafos)などのように植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0035】
(8)トリフルラリン(trifluralin)、オリザリン(oryzalin)、ニトラリン(nitralin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、ベンフルラリン(benfluralin)、プロジアミン(prodiamine)のようなジニトロアニリン系、ベンスリド(bensulide)、ナプロナミド(napronamide)、プロナミド(pronamide)のようなアミド系、アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)、アニロホス(anilofos)、ピペロホス(piperophos)のような有機リン系、プロファム(propham)、クロルプロファム(chlorpropham)、バーバン(barban)のようなフェニルカーバメート系、ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumyluron)、ブロモブチド(bromobutide)のようなクミルアミン系、その他アシュラム(asulam)、ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)、カフェンストロール(cafenstrole)、インダノファン(indanofan)などのように植物の細胞有糸分裂を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0036】
(9)アラクロール(alachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ペトキサマイド(pethoxamid)、アセトクロール(acetochlor)、プロパクロール(propachlor)、プロピソクロール(propisochlor)のようなクロロアセトアミド系、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)のようなカーバメート系、その他エトベンザニド(etobenzanid)、メフェナセット(mefenacet)、フルフェナセット(flufenacet)、トリディファン(tridiphane)、フェントラザミド(fentrazamide)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、ジメテナミド(dimethenamid)、ベンフレセート (benfuresate)などのように植物のタンパク質生合成あるいは脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0037】
(10)EPTC、ブチレート(butylate)、ベルノレート(vernolate)、ペブレート(pebulate)、シクロエート(cycloate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、ジアレート(diallate)、トリアレート(triallate)のようなチオカーバメート系、その他MSMA、DSMA、エンドタール(endothall)、エトフメセート(ethofumesate)、ソディウムクロレート(sodium chlorate)、ペラルゴン酸(pelargonic acid)、ホスアミン(fosamine)、ピノキサデン(pinoxaden)、HOK-201など。
【0038】
(11)Xanthomonas campestrisEpicoccosurus nematosurusExserohilum monoserasDrechsrela monocerasなどのように植物に寄生することで除草効力を示すとされているもの。
【0039】
本発明の水性懸濁状除草組成物における、各成分の配合割合は、配合成分の種類、製剤形態、施用場面などに応じ、適宜変更する場合があるので一概に規定できないが、例えば除草性スルホニルウレア系化合物としての化合物A1、化合物A2又はそれらの塩は0.1〜60重量部、望ましくは0.5〜50重量部であり、無機塩は0.1〜25重量部、望ましくは1〜20重量部、さらに望ましくは2〜10重量部であり、スルホン酸塩類は、0.01〜30重量部、望ましくは0.1〜20重量部であり、残分の主成分が水である。
【0040】
所望により他の界面活性剤を配合する場合は0.01〜20重量部、望ましくは0.1〜15重量部であり、沈降防止剤を配合する場合は0.01〜10重量部、望ましくは0.05〜5重量部であり、増粘剤を配合する場合は0.01〜10重量部、望ましくは0.05〜5重量部であり、消泡剤を配合する場合は0.001〜10重量部、望ましくは0.01〜5重量部であり、防腐剤を配合する場合は0.01〜10重量部、望ましくは0.05〜5重量部であり、溶剤を配合する場合は1〜70重量部、望ましくは1〜50重量部であり、他の除草性化合物を配合する場合は0.1〜60重量部、望ましくは0.1〜50重量部である。
【0041】
本発明の水性懸濁状除草組成物は、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用、例えば茎葉処理、土壌処理、湛水処理することにより一年生雑草や多年生雑草など広範囲の有害植物を防除又はその生育を抑制することができる。有害植物としては、例えばイヌビエ、タイヌビエ、メヒシバ、エノコログサ、アキノエノコログサ、オヒシバ、カラスムギ、セイバンモロコシ、シバムギ、ビロードキビ、パラグラス、アゼガヤ、イトアゼガヤ、スズメノカタビラ、スズメノテッポウ、カモジグサなどのイネ科雑草、コゴメガヤツリ、ハマスゲ、キハマスゲ、ホタルイ、ミズガヤツリ、タマガヤツリ、マツバイ、クログワイなどのカヤツリグサ科雑草、ウリカワ、オモダカ、ヘラオモダカなどのオモダカ科雑草、コナギ、ミズアオイなどのミズアオイ科雑草、アゼナ、アブノメなどのゴマノハグサ科雑草、キカシグサ、ヒメミソハギなどのミソハギ科雑草の他、イチビ、マルバアサガオ、シロザ、アメリカキンゴジカ、スベリヒユ、アオビユ、アオゲイトウ、エビスグサ、イヌホウズキ、サナエタデ、ハコベ、オナモミ、タネツケバナ、ホトケノザ、ブタクサ、ヤエムグラ、セイヨウヒルガオ、チョウセンアサガオ、エゾノキツネアザミ、エノキグサなどが挙げられる。また、適用範囲は畑地、水田、果樹園、桑畑などの農耕地、山林、農道、運動場、工場敷地、芝地などの非農耕地と多岐にわたることができる。除草性スルホニルウレア系化合物としての化合物A1、化合物A2又はそれらの塩は、1haあたり1g〜500g、望ましくは2g〜250gの割合で施用することができる。
【実施例】
【0042】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(1)化合物A1(純度97.9%) 10.0重量部
(2)アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物
(商品名:Supragil MNS/25、ローディア日華(株)製) 4.0重量部
(3)リン酸二水素ナトリウム 7.0重量部
(4)水 79.0重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0043】
実施例2
(1)化合物A1(純度97.9%) 5.0重量部
(2)ベンスルフロンメチル(純度99.3%) 5.0重量部
(3)Supragil MNS/25(同前) 4.0重量部
(4)シリコーン系消泡剤
(商品名:Rhodorsil 432、ローディア日華(株)製) 0.1重量部
(5)リン酸二水素ナトリウム 7.0重量部
(6)水 68.9重量部
(7)キサンタンガム(1.5重量部)及び
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(1.0重量部)を含む水 10.0重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間湿式粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0044】
実施例3
(1)化合物A1(純度97.9%) 5.0重量部
(2)アジムスルフロン(純度99.0%) 10.0重量部
(3)Supragil MNS/25(同前) 4.0重量部
(4)Rhodorsil 432(同前) 0.1重量部
(5)リン酸二水素ナトリウム 7.0重量部
(6)水 63.9重量部
(7)キサンタンガム(1.5重量部)及び
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(1.0重量部)を含む水 10.0重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間湿式粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0045】
実施例4
(1)化合物A1(純度97.9%) 5.0重量部
(2)アジムスルフロン(純度99.0%) 15.0重量部
(3)Supragil MNS/25(同前) 4.0重量部
(4)Rhodorsil 432(同前) 0.1重量部
(5)リン酸二水素ナトリウム 7.0重量部
(6)水 68.9重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0046】
実施例5
(1)化合物A2 10.0重量部
(2)Supragil MNS/25(同前) 4.0重量部
(3)リン酸二水素ナトリウム 7.0重量部
(4)水 79.0重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間湿式粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0047】
比較例1
(1)化合物A1(純度97.9%) 10.0重量部
(2)Supragil MNS/25(同前) 4.0重量部
(3)水 86.0重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0048】
比較例2
(1)化合物A1(純度97.9%) 5.0重量部
(2)ベンスルフロンメチル(純度99.3%) 5.0重量部
(3)Supragil MNS/25(同前) 4.0重量部
(4)Rhodorsil 432(同前) 0.1重量部
(5)水 75.9重量部
(6)キサンタンガム(1.5重量部)及び
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(1.0重量部)を含む水 10.0重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間湿式粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0049】
比較例3
(1)化合物A1(純度97.9%) 5.0重量部
(2)アジムスルフロン(純度99.0%) 10.0重量部
(3)Supragil MNS/25(同前) 4.0重量部
(4)Rhodorsil 432(同前) 0.1重量部
(5)水 70.9重量部
(6)キサンタンガム(1.5重量部)及び
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン(1.0重量部)を含む水 10.0重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間湿式粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0050】
比較例4
(1)化合物A1(純度97.9%) 5.0重量部
(2)アジムスルフロン(純度99.0%) 15.0重量部
(3)Supragil MNS/25(同前) 4.0重量部
(4)Rhodorsil 432(同前) 0.1重量部
(5)水 75.9重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0051】
比較例5
(1)化合物A2 10.0重量部
(2)Supragil MNS/25(同前) 4.0重量部
(3)水 86.0重量部
以上の成分を混合し、湿式粉砕機で5分間湿式粉砕して、水性懸濁状除草組成物を得た。
【0052】
安定性試験例1
前記実施例1及び比較例1の水性懸濁状除草組成物を、54 ℃の恒温機中にて14日間保存した。経時前後における水性懸濁状除草組成物中の化合物A1の含量を液体クロマトグラフィーで定量し、その分解率を下記の式にて算出して、経時変化を評価した。結果を第1表に示す。
分解率(%)=〔(製造直後の含有量−保存後の含有量)/製造直後の含有量〕×100
【0053】
【表1】

【0054】
本発明における特定の界面活性剤であるスルホン酸塩類と無機塩とを用いた場合、当該特定の界面活性剤を単独で用いた場合に比べ、化合物A1の分解が顕著に抑制されていることが、上記安定性試験例の結果からわかる。
【0055】
安定性試験例2
前記実施例2及び3、並びに比較例2及び3の水性懸濁状除草組成物を用い、前記安定性試験例1と同様にして、経時変化を評価した。結果を、第2表に示す。なお、実施例2又は3中の他の除草性化合物であるベンスルフロンメチル又はアジムスルフロンは安定であった。
【0056】
【表2】

【0057】
本発明における特定の界面活性剤であるスルホン酸塩類と無機塩とを用いた場合、当該特定の界面活性剤を単独で用いた場合に比べ、化合物A1の分解が顕著に抑制されていることが、上記安定性試験例の結果からわかる。
【0058】
安定性試験例3
前記実施例4及び5、並びに比較例4及び5の水性懸濁状除草組成物を用い、前記安定性試験例1と同様にして、経時変化を評価した。その結果、実施例4は比較例4に比べ化合物A1の分解率が低減され、実施例5は比較例5に比べ化合物A2の分解率が低減された。
【0059】
生物試験例
1/1,000,000 haポットに畑作土壌を詰め、そこへ植物(メヒシバ又はアオゲイトウ)の種子を播種し、温室内で生育させる。植物が3葉期に達したとき、本発明の水性懸濁状除草組成物の所定量(100 g a.i./ha)を、300 L/ha相当の水で希釈し、ここに展着剤(サーファクタントWK:商品名、花王株式会社製)を加用して、茎葉処理する。処理後21日目に植物の生育状態を調査する。その結果、本発明の水性懸濁状除草組成物は優れた除草活性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)1−[3−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−2−ピリジル]−2−フルオロプロピル メトキシアセテート、N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−2−(2−フルオロ−1−ヒドロキシプロピル)−3−ピリジンスルホンアミド及びそれらの塩より成る群から選ばれた少なくとも1種の除草性スルホニルウレア系化合物、(2)無機塩、(3)アリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩及びそれらのホルマリン縮合物より成る群から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸塩並びに(4)水を含有する水性懸濁状除草組成物。
【請求項2】
除草性スルホニルウレア系化合物が1−[3−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−2−ピリジル]−2−フルオロプロピル メトキシアセテートである、前記請求項1の水性懸濁状除草組成物。
【請求項3】
無機塩がリン酸塩である、前記請求項1の水性懸濁状除草組成物。
【請求項4】
リン酸塩が、リン酸二水素ナトリウム及びリン酸二水素カリウムより成る群から選ばれた少なくとも1つである、前記請求項3の水性懸濁状除草組成物。
【請求項5】
リン酸塩がリン酸二水素ナトリウムである、前記請求項4の水性懸濁状除草組成物。
【請求項6】
スルホン酸塩が、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物より成る群から選ばれた少なくとも1つである、前記請求項1の水性懸濁状除草組成物。
【請求項7】
スルホン酸塩が、アルキルベンゼンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物より成る群から選ばれた少なくとも1つである、前記請求項6の水性懸濁状除草組成物。
【請求項8】
更に他の除草性化合物を含有する請求項1の水性懸濁状除草組成物。
【請求項9】
前記請求項1の水性懸濁状除草組成物の除草有効量を、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用することからなる、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
【請求項10】
無機塩と、アリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩及びそれらのホルマリン縮合物より成る群から選ばれた少なくとも1種のスルホン酸塩とを用いて、水性懸濁状除草組成物中の1−[3−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイル)スルファモイル]−2−ピリジル]−2−フルオロプロピル メトキシアセテート、N−[(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)アミノカルボニル]−2−(2−フルオロ−1−ヒドロキシプロピル)−3−ピリジンスルホンアミド及びそれらの塩より成る群から選ばれた少なくとも1種の除草性スルホニルウレア系化合物を安定化させる方法。



【公開番号】特開2007−254453(P2007−254453A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−197579(P2006−197579)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】