説明

水性液状農薬組成物

【課題】従来液体製剤化が困難であった水に対してある程度の溶解性を有する農薬活性成分を用いて、良好な水性液体製剤の形態とすることができる農薬組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、当該農薬活性成分の水に対する溶解度を超える量の農薬活性成分、尿素および水を必須成分として含有し、かつ農薬活性成分および尿素が水に溶解した状態にある水性液状農薬組成物である。農薬活性成分は、その20℃における水に対する溶解度が2%〜50%の範囲内のものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水に対する溶解度の比較的小さい農薬活性成分を水に溶解状態とした水性液状農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、農薬製剤としては、粉剤、粒剤、水和剤、粒状水和剤、液剤、水性懸濁剤、乳剤等の剤型がある。これらの農薬製剤の中で、液剤及び水性懸濁剤は、使用時に粉立ちがなく使用者が農薬に暴露されることが少ないこと、計量が容易なこと、又、人体や環境に悪影響があり引火点の低い有機溶剤を使用しておらず安全性が高いこと等の理由から、広く一般的に使用されている製剤形態である。
【0003】
農薬活性成分を液体製剤化するに際して、水に対する溶解度が低い農薬活性成分の場合、例えば水溶解度が1%以下の農薬活性成分の場合は、農薬活性成分を水に分散させた水性懸濁剤の形態に製剤化することが適するが、水溶解度が高い農薬活性成分の場合には、農薬活性成分を水に溶解した液剤の形態に製剤化するのが一般的である。しかし、液剤化する場合には、水に対する溶解度以上に農薬活性成分を溶解させることは不可能であり、即ち、液剤組成物中の農薬活性成分の含有量は水に対する溶解度によって制限されるのが現状である。特に、年間の温度変化が比較的激しい日本においては、冬季や貯蔵時の結晶析出などを防止するために、通常、農薬活性成分の配合量を水に対する溶解度よりも数割程度も低い濃度で製剤化することが必要であった。
【0004】
このような水に対する溶解度の小さい、即ち水難溶性の農薬活性成分を用いて液体製剤とするためには、この農薬活性成分を水に分散させた水性懸濁剤とするのが一般的であり、安定な水性懸濁剤を得るために種々の配合組成や分散剤等の添加剤が検討され、提案されている。
従来の農薬製品において、農薬活性成分とともにその配合成分の一つとして尿素を使用することも知られている。しかし、ここでいう尿素は、粒剤や粒状水和剤における水溶性担体としての用途や、水性懸濁剤における凍結防止剤等としての用途に用いられている化合物であるが、液剤を調製する際に、尿素を含有させることで農薬活性成分をその水に対する溶解度以上に溶解させ、かつ安定な溶解状態を維持することができるという知見はなかった。
【0005】
例えば、水難溶性農薬活性成分の水性懸濁剤ないし水性乳化懸濁剤において凍結防止剤として尿素を使用すること(特許文献1参照)、同じく水性懸濁剤において長期保存による固化やケーキングの防止のために尿素を使用すること(特許文献2参照)、水懸濁型水田用除草剤において凍結防止剤として尿素を使用すること(特許文献3参照)、水に難溶性の液状農薬活性成分と固体状農薬活性成分を含む水性乳化懸濁状農薬組成物において凍結防止などのため尿素を使用すること(特許文献4参照)などが知られている。
しかし、これらの従来の製剤技術はいずれも液状組成物中で固体状の農薬活性成分を分散状態におくことを前提としたものであり、尿素の使用によりこのような農薬活性成分を水に溶解させうること示唆する点については一切記載されていない。
【0006】
【特許文献1】特許第2574300号公報
【特許文献2】特開2002−363005号公報
【特許文献3】特開平6−293607号公報
【特許文献4】特開平9−143001号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
農薬活性成分を液体製剤化するに際して、水難溶性の農薬活性成分の場合には従来から種々の方法で水性懸濁状組成物とすることが行なわれており、水溶性のまたは易溶性の農薬活性成分の場合には水溶液形態とすればよいが、水に対する溶解度があまり大きくなく、ある程度の限定された溶解性しか示さない農薬活性成分の場合には、水溶液形態にすることも限界があり適切でなく、また農薬活性成分が一部溶解するため必ずしも水性懸濁状組成物とすることも好ましくなかった。
本発明は、このような農薬活性成分の液体製剤化における問題点を解決し、水に対してある程度の限定された溶解性しか有しない農薬活性成分について、良好な水性液体製剤の形態とすることができる農薬組成物を提供することをその目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、水に対してある程度の限定された溶解性しか有しない農薬活性成分とともに尿素を用いることによって、この農薬活性成分の水に対する溶解度が増加し、通常の溶解度を超える高い濃度の農薬活性成分を含む液体製剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明は以下の内容をその要旨とするものである。
(1)当該農薬活性成分の水に対する溶解度を超える量の農薬活性成分、尿素および水を必須成分として含有し、かつ農薬活性成分および尿素が水に溶解した状態にあることを特徴とする、水性液状農薬組成物。
(2)農薬活性成分の20℃における水に対する溶解度が、2%〜50%の範囲内にあることを特徴とする、前記(1)に記載の水性液状農薬組成物。
(3)農薬活性成分が室温で固体であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載の水性液状農薬組成物。
(4)農薬活性成分と尿素との比率が、農薬活性成分100質量部に対して尿素が10〜600質量部であることを特徴とする、前記(1)ないし(3)のいずれかに記載の水性液状農薬組成物。
(5)更に、20℃における水に対する溶解度が1%以下である第二の農薬活性成分を含有し、該第二の農薬活性成分が組成物中に分散・懸濁した状態にあることを特徴とする、前記(1)ないし(4)のいずれかに記載の水性液状農薬組成物。
(6)農薬活性成分が、(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジンであることを特徴とする、前記(1)ないし(5)のいずれかに記載の水性液状農薬組成物。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、水に対してある程度の限られた溶解度しかなく、そのため難溶解性の農薬のように水性懸濁液としたり、あるいは水溶性または易溶解性農薬のように水溶液とすることが困難であった農薬活性成分を用いて、その溶解度を超える量の農薬活性成分を配合して、これを安定な水溶液状の水性液状農薬組成物とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、上述のように、水に対する溶解度がある程度限定された範囲にある農薬活性成分を用いて、このような農薬活性成分の溶解度を超える量とともに尿素を併用して水に混合することによって、農薬活性成分が水に溶解した溶液状の水性液状農薬組成物とするものである。
【0012】
本発明の水性液状農薬組成物に使用する農薬活性成分は、水に対する溶解度がある程度限定された範囲にある農薬活性成分であり、具体的には20℃における水に対する溶解度が2%〜50%のものであり、特に好ましくは2%〜30%の範囲内にある農薬活性成分である。このような溶解度の範囲内にあるものであれば、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤等、農薬分野において公知の農薬活性成分が使用できる。
本発明における農薬活性成分の水に対する溶解度(水溶解度)とは、単位体積あたりの飽和水溶液中に含まれる農薬活性成分の重量である。例えば、水溶解度が2%とは、飽和水溶液100ml中に農薬活性成分2gを含有するものである。
【0013】
このような農薬活性成分としては、一般的に室温で固体のものが好ましいが、上記の水に対する溶解度の範囲内であれば室温で液体のものであってもよい。室温で液体の農薬活性成分を用いた場合には、通常の方法で水に混合しても2相に分離するものが、本発明の組成物とすることによって均一な水溶液とすることができる。
【0014】
20℃における水に対する溶解度が2%〜50%の範囲内の農薬活性成分としては、例えば以下のものが挙げられる。
殺虫剤の具体例としては、3−(メチルチオ)ブタノン−O−メチルカルバモイルオキシム、3−メチルスルホニルブタノン−O−メチルカルバモイルオキシム、S,S’−(2−ジメチルアミノトリメチレン)ビス(チオカーバメート)、S−2−エチルチオエチル−O,O−ジメチルホスホロチオエート、4,6−ジアミノ−2−(シクロプロピルアミノ)−5−カルボニトリル、(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラフリルメチル)グアニジン、O,S−ジメチルホスホラミドチオエート
S−メチル−N−(メチルカルバモイルオキシ)チオアセトイミデート、O,O−ジメチル−S−メチルカルバモイルメチルホスホロチオエート、N,N−ジメチル−2−メチルカルバモイルオキシイミノ−2−(メチルチオ)アセトアミド、N,N−ジメチル−1,2,3−トリチアン−5−イルアミン、ジメチル−2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチルホスホネート等を挙げることができる。
【0015】
殺菌剤の具体例としては、1−(4−アミノ−1,2−ジヒドロ−2−オキソピリミジン−1−イル)−4−[(S)−3−アミノ−5−(1−メチルグアニジノ)バレラミド]−1,2,3,4−テトラデオキシ−β−D−エリスロ−ヘキス−2−エノピランウロン酸、硫酸銅、ビス(8−ヒドロキシキノリニウム)スルフェート、5−メチルイソキサゾール−3−オール、1L−1,3,4/2,5,6−1−デオキシ−2,3,4,5,6−ペンタヒドロキシシクロヘキシル−2−アミノ−2,3,4,6−テトラデオキシ−4−(α−イミノグリシノ)−α−D−アラビノ−ヘキソピラノシド、N−(メトキシアクリル)−N−(2,6−キシリル)−D−アラニネート、ジソジウムエチレンビス(ジチオカーバメート)、5−(2−アミノ−5−O−カルバモイル−2−デオキシ−L−キシロンアミド)−1,5−ジデオキシ−1−(1,2,3,4−テトラヒドロ−5−ヒドロキシメチル−2、4−ジオキソピリミジン−1−イル)−β−D−アロフランウロン酸、8−tert−ブチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イルメチル(エチル)(プロピル)アミン、等を挙げることができる。
【0016】
除草剤の具体例としては、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ソジウム-2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)ベンゾエート、1−(2−クロロフェニルスルホニル)−3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ウレア、3,6−ジクロロピリジン−2−カルボン酸、(2,4−ジクロロフェノキシ)酢酸、7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸、硫酸第一鉄、ソジウム−4,5−ジヒドロ−3−メトキシ−4−メチル−5−オキソ−N−(2−トリフルオロメトキシフェニルスルホニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、2,2,3,3−テトラフルオロプロピオン酸、N−(ホスホノメチル)グリシン、3−シクロヘキシル−6−ジメチルアミノ−1−メチル−1,3,5−トリアジン−2,4−(1H,3H)−ジオン、ソジウム−メチル−4−ヨード−2−[3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ウレイドスルホニル]ベンゾエート、4−(4−クロロ−o−トルイルオキシ)酪酸、2−(4−メシル−2−ニトロベンゾイル)シクロヘキサン−1,3−ジオン、N−1−ナフチルフタルアミド酸、1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジンジイウムジクロリド、ソジウム−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソ−3−プロポキシ−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルカルボニル)(2−メトキシカルボニルフェニルスルホニル)アザニド、1−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−[2−(3,3,3−トリフルオロプロピル)フェニルスルホニル]ウレア、2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−6−(1−メトキシイミノエチル)ベンゾエート、7−クロロ−3−メチルキノリン−8−カルボン酸、1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−[3−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジルスルホニル]ウレア、ソジウム−2−クロロ−6−(4,6ジメトキシピリミジン−2−イルチオ)ベンゾエート等を挙げることができる。
【0017】
植物生長調節剤の具体例としては、(E)−L−2−[2−(2−アミノエトキシ)ビニル]グリシン、N−ジメチルアミノスクシンアミド酸、エチル−4−シクロプロピル(ヒドロキシ)メチレン−3,5−ジオキソシクロヘキサンカルボキシレート等を挙げることができる。
【0018】
これらの農薬活性成分のうち、特に常温で固体のものがよく、なかでも(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジンが好適である。
【0019】
本発明の水性液状農薬組成物は、上記の農薬活性成分とともに尿素を使用する。本発明の必須成分である尿素には、粉末状及び粒状のものがあるが、いずれのものでもこれを水に溶解して使用するものであり、原料としての形状は限定されない。
【0020】
本発明においては、上記の本発明の水性液状農薬組成物と尿素と、さらに必要に応じてその他の成分を水に加えて、室温で混合・攪拌して水性液状農薬組成物とする。溶解度を超える量の農薬活性成分を水に溶解するためには、農薬活性成分と尿素が一定の比率で混合する必要があり、その割合は農薬活性成分100質量部に対して尿素が10〜600質量部、好ましくは50〜300質量部である。
【0021】
更に、本発明の水性液状農薬組成物における農薬活性成分の配合量は、その農薬活性成分の水に対する溶解度を超える量であって、組成物100質量部に対して通常5〜50質量部である。また、尿素の配合量は、上記の農薬活性成分との配合比率の範囲内であって、組成物100質量部に対して通常1〜30質量部、望ましくは5〜20重量部である。
【0022】
以上のような割合で農薬活性成分と尿素を配合した本発明の水性液状農薬組成物では、農薬活性成分がその溶解度以上であっても水に溶解して溶液状となる。農薬活性成分の種類によっても変化するが、農薬活性成分の本来有する水への溶解度を基準として、その約1.5倍から約5倍までの量の農薬活性成分を水に溶解し水溶液状態にして水性液状農薬組成物とすることができる。
【0023】
本発明の水性液状農薬組成物は、農薬活性成分が尿素を含有する水溶液に溶解した状態の組成物であるが、更に、水に難溶性の第二の農薬活性成分をこの組成物に加えて、第二の農薬活性成分が水に分散し、懸濁した状態となっていてもよい。水に難溶性の第二の農薬活性成分は、具体的には20℃における水溶解度が1%以下の化合物であるならば特に限定されず、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物生長調節剤等を含有させることができる。
【0024】
第二の農薬活性成分としては、例えば、殺虫剤の具体例としては、3−ドデシル−1,4−ジヒドロ−1,4−ジオキシ−2−ナフチルアセテート、イソプロピル−3−(4−メトキシビフェニル−3−イル)カルバゼート、2−メチルビフェニル−3−イルメチル−(Z)−(1RS,3RS)−3−(2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロプ−1−エニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニル−1,3,5−チアジアジナン−4−オン、4−ブロモ−2−(4−クロロフェニル)−1−エトキシメチル−5−トリフルオロメチルピロール−3−カルボニトリル、1−[3,5−ジクロロ−4−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェニル]−3−(2,6−ジフルオロベンゾイル)ウレア、2’−tert−ブチル−5−メチル−2’−(3,5−キシロイル)クロマン−6−カルボヒドラジン、3,6−ビス(2−クロロフェニル)−1,2,4,5−テトラジン、(E)−1−(2−クロロ−1,3−チアゾール−5−イルメチル)−3−メチル−2−ニトログアニジン、(RS)−5−tert−ブチル−2−[2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,5−ジヒドロ−1,3−オキサゾール−4−イル]フェネトール、ビス[トリス(2−メチル−2−フェニルプロピル)チン]オキシド、tert−ブチル−(E)−α−(1,3−ジメチル−5−フェノキシピラゾール−4−イルメチレンアミノ−オキシ)−p−トルエート、(±)−5−アミノ−1−(2,6−ジクロロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トルイル)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール−3−カルボニトリル、メチル−(E)−2−{α−[2−イソプロポキシ−6−(トリフルオロメチル)ピリミジン−4−イルオキシ]−o−トルイル}−3−メトキシアクリレート、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミド、(S)−N−[7−クロロ−2,3,4a,5−テトラヒドロ−4a−(メトキシカルボニル)インデノ[1,2−e][1,3,4]オキサジアジン−2−イルカルボニル]−4’−(トリフルオロメトキシ)カルバニレート、N−tert−ブチル−N’−(3−メトキシ−o−トルオイル)−3,5−キシロヒドラジド、3−フェノキシベンジル−(1RS,3RS;1RS,3SR)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート、2−tert−ブチル−5−(4−tert−ブチルベンジルチオ)−4−クロロピリダジン−3(2H)−オン、2,6−ジクロロ−4−(3,3−ジクロロアリルオキシ)フェニル−3−[5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジルオキシ]プロピルエーテル、(4−エトキシフェニル)[3−(4−フルオロ−3−フェノキシフェニル)プロピル](ジメチル)シラン、3−(2,4−ジクロロフェニル)−2−オキソ−1−オキサスピロ[4.5]デク−3−エン−4−イル−2,2−ジメチルブチレート、N−tert−ブチル−N’−(4−エチルベンゾイル)−3,5−ジメチルベンゾヒドラジン、3,7,9,13−テトラメチル−5,11−ジオキサ−2,8,14−トリチア−4,7,9,12−テトラ−アザペンタデカ−3,12−ジエン−6,10−ジオン、4−クロロ−3−エチル−1−メチル−N−[4−(p−トルイルオキシ)ベンジル]ピラゾール−5−カルボキサミド、(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル−(1R,3S)−2,2−ジメチル−3−[(RS)−1,2,2,2−テトラブロモエチル]シクロプロパンカルボキシレート等を挙げることができる。
【0025】
殺菌剤の具体例としては、(E)−2−{2−[6−(2−シアノフェノキシ)ピリミジン−4−イルオキシ]フェニル}−3−メトキシアクリレート、テトラクロロイソフタロニトリル、(RS)−2−シアノ−N−[(R)−1−(2,4−ジクロロフェニル)エチル]−3,3−ジメチルブチルアミド、6−(3,5−ジクロロ−4−メチルフェニル)ピリダジン−3(2H)−オン、cis,trans−3−クロロ−4−[4−メチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]フェニル−4−クロロフェニルエーテル、5,10−ジヒドロ−5,10−ジオキサナフト[2,3−b]−1,4−ジチイン−2,3−ジカルボニトリル、4−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ブチロニトリル、(Z)−2’−メチルアセトフェノン−4,6−ジメチルピリミジン−2−イルヒドラゾン、3−クロロ−N−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−2−ピリジル)−α,α,α−トリフルオロ−2,6−ジニトロ−p−トルイジン、α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキシ−o−トルアニリド、(RS)−2,4’−ジフルオロ−α−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ベンズヒドリルアルコール、N−(トリクロロメチルチオ)フタルイミド、2−(2−フリル)ベンズイミダゾール、メチル−N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−(2−フラニルカルボニル)−DL−アラニネート、(RS)−5−クロロ−N−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベンゾフラン−4−イル)−1,3−ジメチルピラゾール−4−カルボキサミド、ヘキサクロロベンゼン、(RS)−2−(2,4−ジクロロフェニル)−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ヘキサン−2−オール、1,1’−イミニオジ(オクタメチレン)ジグアニジニウムトリス(アルキルベンゼンスルホネート)、(1RS,2SR,5RS;1RS,2SR,5SR)−2−(4−クロロベンジル)−5−イソプロピル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)シクロペンタノール、3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カルボキサミド、メチル−(E)−メトキシイミノ[2−(o−トルイルオキシメチル)フェニル]アセテート、亜鉛配位マンガニーズエチレンビス(ジチオカーバメート)、N−(4−メチル−6−プロプ−1−イニルピリミジン−2−イル)アニリン、3’−イソプロポキシ−o−トルアニリド、ペント−4−エニル−N−フルフリル−N−イミダゾール−1−イルカルボニル−DL−ホモアラニネート、1−(4−クロロベンジル)−1−シクロペンチル−3−フェニルウレア、4,5,6,7−テトラクロロフタリド、硫黄、(RS)−1−p−クロロフェニル−4,4−ジメチル−3−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ペンタン−3−オール、ジメチル−4,4’−(o−フェニレン)ビス(3−チオアロファネート)、テトラメチルチウラムジスルフィド、O−2,6−ジクロロ−p−トルイル−O,O−ジメチルホスホロチオエート、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−b][1,3]ベンゾチアゾール、(E)−メトキシイミノ−{(E)−α−[1−(α,α,α−トリフルオロ−m−トルイル)エチリデンアミノオキシ]−o−トルイル}アセテート、ジンクビス(ジメチルジチオカーバメート)等を挙げることができる。
【0026】
除草剤の具体例としては、6−クロロ−N2−エチル−N4−イソプロピル−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−5−ベンゾフラン−5−イルエタンスルホネート、メチル−α−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−o−トルエート、3−(2−クロロ−4−メシルベンゾイル)−2−フェニルチオビシクロ[3.2.1]オクト−2−エン−4−オン、2−[4−(2,4−ジクロロ−m−トルオイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]−4’−メチルアセトフェノン、2−ブロモ−3,3−ジメチル−N−(1−メチル−1−フェニルエチル)ブチルアミド、N−ブトキシメチル−2−クロロ−2’,6’−ジエチルアセトアニリド、N,N−ジエチル−3−メシチルスルホニル−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド、(RS)−2−(2,4−ジクロロ−m−トルイルオキシ)プロピオンアニリド、1−(2−クロロベンジル)−3−(1−メチル−1−フェニルエチル)ウレア、ブチル−(R)−2−[4−(4−シアノ−2−フルオロフェノキシ)フェノキシ]プロピオネート、1−(1−メチル−1−フェニルエチル)−3−p−トルイルウレア、N2−(1,2−ジメチルプロピル)−N4−エチル−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン、S−ベンジル−1,2−ジメチルプロピル(エチル)チオカーバメート、4−(2−クロロフェニル)−N−シクロヘキシル−N−エチル−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−カルボキサミド、メチル−3−クロロ−5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシレート、1−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレア、(RS)−2−[2−(3−クロロフェニル)−2,3−エポキシプロピル]−2−エチルインダン−1,3−ジオン、2−ベンゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセトアニリド、2−クロロ−6’−エチル−N−(2−メトキシ−1−メチルエチル)アセト−o−トルイジド、3−[1−(3,5−ジクロロフェニル)−1−メチルエチル]−3,4−ジヒドロ−6−メチル−5−フェニル−2H−1,3−オキサジン−4−オン、3−(4−クロロ−5−シクロペンチルオキシ−2−フルオロフェニル)−5−イソプロピリデン−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジオン、2−クロロ−2’,6’−ジエチル−N−(2−プロポキシエチル)アセトアニリド、エチル−2−クロロ−5−[4−クロロ−5−ジフルオロメトキシ−1−メチルピラゾール−3−イル]−4−フルオロフェノキシアセテート、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルトルエン−4−スルホネート、エチル−5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシレート、2−[4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキシ]アセトフェノン、O−3−tert−ブチルフェニル−6−メトキシ−2−ピリジル(メチル)チオカーバメート、(RS)−7−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルチオ)−3−メチル−2−ベンゾフラン−1(3H)−オン、メチル−2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−6−(1−メトキシイミノエチル)ベンゾエート、エチル−(RS)−2−[4−(6−クロロキノキサリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロピオネート、2−クロロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2’,6’−ジメチルアセトアニリド等を挙げることができる。
【0027】
植物生長調節剤の具体例としては、(2RS,3RS)−1−(4−クロロフェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール、カルシウム−3−オキシド−5−オキソ−4−(1−オキソプロピル)シクロヘキサンカルボキシレート等を挙げることができる。
【0028】
これらの中で、特に、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−b][1,3]ベンゾチアゾール、N−tert−ブチル−N’−(3−メトキシ−o−トルオイル)−3,5−キシロヒドラジドが良い。
第二の農薬活性成分の配合量は、通常、組成物100質量部に対して通常5〜50質量部である。
【0029】
本発明の水性液状農薬組成物は、農薬活性成分及び尿素、水を必須成分として含有するが、その他の成分として、例えば、界面活性剤、増粘剤、有機溶剤、凍結防止剤等を必要に応じて配合することができる。
用いることのできる界面活性剤としては、アニオン系やノニオン系の界面活性剤を使用することができ、例えば、ポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタンモノアルキレート、アセチレンアルコールおよびアセチレンジオール並びにそれらのアルキレンオキシド付加物等のノニオン性界面活性剤、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩及びその縮合物、アルキル硫酸塩、アルキル燐酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルアリール燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールフェニルエーテル硫酸塩、ポリカルボン酸型高分子活性剤等のアニオン性界面活性剤等、さらにはシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤を挙げることができる。
【0030】
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、ホワイトカーボン、ベントナイト、スメクタイト等を挙げることができる。有機溶剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、メチルナフタレン、アルキルピロリドン、フェニルキシリールエタン、グリセリン、アルキレングリコール、キシレン、ケロシン、メタン列炭化水素類、脂肪酸エステル類、グリコールエーテル類等を挙げることができる。又、凍結防止剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、水溶性塩類等を挙げることができるが、これらは特に限定されない。
【0031】
本発明の水性液状農薬組成物は、通常、水に尿素及び必要に応じて前記のその他成分を溶解した後、農薬活性成分を加え、混合・攪拌して調製されるが、これに限らず、水に農薬活性成分及び尿素、必要に応じてその他成分を加え、混合・攪拌して調製してもよい。なお、農薬活性成分の溶解速度を高めるために、組成物全体を例えば40〜60℃程度に加温しても良い.これらの調製方法は特に限定されない。
【0032】
第二の農薬活性成分を含有させる方法としては、前述の農薬活性成分、尿素、及び必要に応じてその他成分が溶解した系に、第二の農薬活性成分を加え、ガラスビーズ等の粉砕メディアと共に高速で攪拌し湿式粉砕する方法、あるいは、農薬活性成分、尿素、及び必要に応じてその他成分が溶解した系に、高速気流中粉砕等により予め乾式で微粉砕した第二の農薬活性成分の群より選ばれる化合物を加え、混合攪拌する方法があるが、特に限定されない。
【0033】
以下、本発明を実施例及び比較例にて更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、部は質量部を表す。
【実施例1】
【0034】
(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン(水溶解度:5.4%)10部、尿素10部、水80部を混合・攪拌したところ均一に溶解し、本発明の水性液状農薬組成物を得た。
【実施例2】
【0035】
ソジウム−2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)ベンゾエート(水溶解度:7.3%)15部、尿素30部、水55部を混合・攪拌したところ均一に溶解し、本発明の水性液状農薬組成物を得た。
【実施例3】
【0036】
水54.05部に(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン(水溶解度:5.4%)10部、尿素16部を加えて混合溶解し、さらにキサンタンガム0.25部を加えて混合溶解したところに、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−b][1,3]ベンゾチアゾール8部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム1.6部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2部、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル3部、プロピレングリコール5部、ベントナイト0.1部を加えて混合攪拌した後、ガラスビーズを粉砕メディアとした湿式粉砕機にて高速攪拌して湿式粉砕し、ガラスビーズを濾別して、第二の農薬活性成分が懸濁状態で分散した本発明の水性液状農薬組成物を得た。
【実施例4】
【0037】
水57.55部に(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン(水溶解度:5.4%)10部、尿素16部を加えて混合溶解し、さらにキサンタンガム0.25部を加えて混合溶解したところに、N−tert−ブチル−N’−(3−メトキシ−o−トルオイル)−3,5−キシロヒドラジド4.5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム1.6部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2部、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル3部、プロピレングリコール5部、ベントナイト0.1部を加えて混合攪拌した後、ガラスビーズを粉砕メディアとした湿式粉砕機にて高速攪拌して湿式粉砕し、ガラスビーズを濾別して、第二の農薬活性成分が懸濁状態で分散した本発明の水性液状農薬組成物を得た。
【実施例5】
【0038】
水55部にソジウム−2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)ベンゾエート(水溶解度:7.3%)6部、尿素12部を加えて混合溶解し、さらにキサンタンガム0.2部を加えて混合溶解したところに、予め高速気流中粉砕により微粉砕したメチル−2−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニルオキシ)−6−(1−メトキシイミノエチル)ベンゾエート6部、及びポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム1.6部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル0.4部、リグニンスルホン酸ナトリウム3.5部、プロピレングリコール15部、ベントナイト0.3部を加えて混合攪拌し、第二の農薬活性成分が懸濁状態で分散した本発明の水性液状農薬組成物を得た。
【0039】
比較例1:
(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン(水溶解度:5.4%)10部、水90部を混合し、水性液状農薬組成物を得ようとしたが、農薬活性成分が完全に溶解せず、懸濁した状態となり、均一に溶解した製剤を得ることはできなかった。
【0040】
比較例2:
ソジウム−2,6−ビス(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)ベンゾエート(水溶解度:7.3%)15部、水85部を混合し、水性液状農薬組成物を得ようとしたが、農薬活性成分が完全に溶解せず、懸濁した状態となり、均一に溶解した製剤を得ることはできなかった。
【0041】
比較例3:
水73.05部にキサンタンガム0.25部を加えて混合溶解したところに、(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジン(水溶解度:5.4%)10部、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−b][1,3]ベンゾチアゾール8部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム1.6部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー2部、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル3部、プロピレングリコール5部、ベントナイト0.1部を加えて混合攪拌した後、ガラスビーズを粉砕メディアとした湿式粉砕機にて高速攪拌して湿式粉砕し、ガラスビーズを濾別して農薬組成物を得た。この農薬組成物も農薬活性成分が溶解せず、分散・懸濁した状態の水性液状の組成物であり、製造直後の外観は実施例3の本発明の水性液状農薬組成物と同様であった。
【0042】
試験例1:
実施例1〜5、比較例3より得られた水性液状農薬組成物100mlを内栓付ガラス瓶に入れ、40℃で1ヶ月間保存した後、更に−5℃の恒温下で2週間静置保存し、各組成物の状態を肉眼観察した。その結果を表1に示す。
【0043】
【表1】

【0044】
実施例1〜5の本発明の水性液状農薬組成物は、保存開始時の外観は、実施例1及び2は各成分が均一に溶解した溶液状態であり、実施例3〜5は第二の農薬活性成分が溶解せず懸濁状態であり、1ヶ月の保存終了後でもその外観に変化は認められなかった。一方、尿素を含有しない比較例3の農薬組成物は、保存開始時の外観は実施例3と類似した懸濁状態であったが、保存終了後には(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジンの結晶析出が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の水性液状農薬組成物は、従来からそのままでは懸濁状の水性製剤または溶液状の水性製剤としては使用しにくかった、水に対する溶解度が2%〜50%というある一定の比較的低い溶解度の農薬活性成分を水に溶解した水性液体製剤とすることができ、殺虫剤、殺菌剤、除草剤、植物成長調整剤等の広い範囲の農薬活性成分を用いた液体製剤とすることができ、これらの産業分野への利用に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
当該農薬活性成分の水に対する溶解度を超える量の農薬活性成分、尿素および水を必須成分として含有し、かつ農薬活性成分および尿素が水に溶解した状態にあることを特徴とする、水性液状農薬組成物。
【請求項2】
農薬活性成分の20℃における水に対する溶解度が、2%〜50%の範囲内にあることを特徴とする、請求項1に記載の水性液状農薬組成物。
【請求項3】
農薬活性成分が室温で固体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の水性液状農薬組成物。
【請求項4】
農薬活性成分と尿素との比率が、農薬活性成分100質量部に対して尿素が10〜600質量部であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の水性液状農薬組成物。
【請求項5】
更に、20℃における水に対する溶解度が1%以下である第二の農薬活性成分を含有し、該第二の農薬活性成分が組成物中に分散・懸濁した状態にあることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の水性液状農薬組成物。
【請求項6】
農薬活性成分が、(RS)−1−メチル−2−ニトロ−3−(テトラヒドロ−3−フリルメチル)グアニジンであることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の水性液状農薬組成物。


【公開番号】特開2007−126408(P2007−126408A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321274(P2005−321274)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000000169)クミアイ化学工業株式会社 (86)
【Fターム(参考)】