説明

水性顔料ペースト及び水性塗料組成物

【課題】水性顔料ペーストにおいて、揮発性有機化合物を含まず、しかも均一に顔料が分散していること。
【解決手段】水性顔料ペーストにおいては、着色顔料としてカーボンブラック、体質顔料としてタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、防錆顔料としてリン酸亜鉛、酸化亜鉛、メタホウ酸バリウムを、「分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤」として、分子量が15000で酸価が30のカルボン酸系界面活性剤を用いた。これに溶媒としての水を加えて、分散機として1リットルのサンドミルを使用し、分散メディアとしては2mmのガラスビーズを用いて、1時間分散を行って実施例1乃至実施例6までの6種類の水性顔料ペーストを作製した。いずれも良好な分散状態を示し、20℃における粘度が250cP〜400cPと適切な粘度範囲内で、揮発性有機化合物(VOC)の含有量はゼロであった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揮発性有機化合物(VOC)を含まない水性顔料ペースト及びその水性顔料ペーストを用いてなる水性塗料組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の表面塗装に用いられる塗料において、環境保護の観点から揮発性有機化合物(VOC)を削減するために、塗料の水性化が進んでいる。水性塗料の一例として、特許文献1に記載された「顔料分散用水性樹脂組成物の製造方法」の発明、及び特許文献2に記載された「水性樹脂組成物及びこれを用いた塗料」の発明がある。
【0003】
特許文献1に記載された発明においては、酸価が5以上、好ましくは8〜100であるエチレン性不飽和モノマー混合液、分子量調整剤及び重合開始剤からなる原料を乳化重合して、数平均分子量が25000以下、好ましくは3000〜25000のエマルジョン樹脂組成物を得る工程と、得られたエマルジョン樹脂組成物を塩基性中和剤によって中和させる工程とを含む顔料分散用水性樹脂組成物の製造方法について開示している。これによって、実質的に有機溶剤を含む必要のない顔料分散用水性樹脂組成物の製造方法及び揮発性有機化合物の含有量を最小限にすることができる水性塗料組成物を提供できるとしている。
【0004】
また、特許文献2に記載された発明においては、エポキシエステル変性ビニル重合体エマルジョンとアミン官能基含有水性樹脂とを含有してなる水性樹脂組成物に、必要に応じて顔料、消泡剤、顔料分散剤、可塑剤、有機溶媒、水溶性または水分散性樹脂、金属乾燥剤、表面処理剤等を配合して塗料を作製している。これによって、屈曲性・耐水性・耐食性・耐薬品性に優れ、水性塗料組成物でありながら溶剤系に匹敵するような優れた乾燥性を有する水性樹脂組成物及び水性塗料となるとしている。
【特許文献1】特開2002−155229号公報
【特許文献2】特開2006−089560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、実質的に有機溶剤を含まない顔料分散用水性樹脂組成物は得られるとしても、揮発性有機化合物を合成工程で使用しており、揮発性有機化合物を含まない顔料分散用水性樹脂組成物を得ることはできず、更に揮発性有機化合物の含有量を最小限にできる水性塗料組成物の具体的な製造方法及び組成が示されていない。
【0006】
また、上記特許文献2に記載の技術においては、エポキシエステル変性ビニル重合体エマルジョンを合成する際に乳化重合後のエマルジョンをアンモニア・トリエチルアミン・ジメチルアミノエタノール等の揮発性のアンモニアまたはアミン類を用いて中和しており、水性樹脂組成物にはスチレンを多量に用いているため、必然的に揮発性有機化合物が多く含まれる。更に、水性樹脂組成物から水性塗料を調製する際には、3―メチル―3−メトキシブタノールやシンナーといった有機溶剤を使用しており、揮発性有機化合物の含有量を最小限にできるものではないという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、乾燥性・塗膜性能に優れた水性塗料組成物を調製することができ、揮発性有機化合物を含まない水性顔料ペースト、及びその水性顔料ペーストを用いてなり、乾燥性・塗膜性能に優れ、かつ、揮発性有機化合物の含有量を最小限にすることができる水性塗料組成物を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明に係る水性顔料ペーストは、揮発性有機化合物を含まない水性顔料ペーストであって、着色顔料及び/または体質顔料及び/または防錆顔料と、分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤と、溶媒としての水とを含有するものである。
【0009】
ここで、「着色顔料及び/または体質顔料及び/または防錆顔料」とは、顔料として、着色顔料のみを含有する場合、体質顔料のみを含有する場合、防錆顔料のみを含有する場合も含み、着色顔料及び体質顔料を含有する場合、体質顔料及び防錆顔料を含有する場合、防錆顔料及び着色顔料を含有する場合も含み、着色顔料及び体質顔料及び防錆顔料を全て含有する場合も含む意味である。
【0010】
請求項2の発明に係る水性顔料ペーストは、請求項1の構成において、前記水性顔料ペースト中における前記着色顔料、前記体質顔料、前記防錆顔料の合計含有量が1重量%〜80重量%の範囲内であり、前記カルボン酸系界面活性剤の含有量が0.01重量%〜10重量%の範囲内であり、前記溶媒としての水の含有量が10重量%〜90重量%の範囲内であるものである。
【0011】
請求項3の発明に係る水性塗料組成物は、請求項1または請求項2に記載の水性顔料ペーストと、水溶性樹脂及び/またはディスパージョン樹脂及び/またはエマルジョン樹脂と、溶媒としての水とを含有するものである。
【0012】
ここで、「水溶性樹脂及び/またはディスパージョン樹脂及び/またはエマルジョン樹脂」とは、樹脂として、水溶性樹脂のみを含有する場合、ディスパージョン樹脂のみを含有する場合、エマルジョン樹脂のみを含有する場合も含み、水溶性樹脂及びディスパージョン樹脂を含有する場合、ディスパージョン樹脂及びエマルジョン樹脂を含有する場合、エマルジョン樹脂及び水溶性樹脂を含有する場合も含み、水溶性樹脂及びディスパージョン樹脂及びエマルジョン樹脂を全て含有する場合も含む意味である。
【0013】
請求項4の発明に係る水性塗料組成物は、請求項3の構成において、前記水性塗料組成物中における前記水性顔料ペーストの含有量が5重量%〜80重量%の範囲内であり、前記水溶性樹脂、前記ディスパージョン樹脂、前記エマルジョン樹脂の合計含有量が10重量%〜90重量%の範囲内であり、前記溶媒としての水の含有量が5重量%〜70重量%の範囲内であるものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明に係る水性顔料ペーストは、揮発性有機化合物を含まない水性顔料ペーストであって、着色顔料及び/または体質顔料及び/または防錆顔料と、分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤と、溶媒としての水とを含有する。
【0015】
ここで、「着色顔料」としては、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等を用いることができ、「体質顔料」としては、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、シリカ、珪藻土等を用いることができ、「防錆顔料」としては、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、酸化亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、メタホウ酸バリウム等を用いることができる。
【0016】
分子量が5000〜30000の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤を用いることによって、分子量が大きいため官能基の数も多くなって反応性に富むものとなり、更に酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤を用いることによって、水酸基・カルボキシル基の数が多くなって、溶媒としての水に対する顔料の分散性が向上して、揮発性有機化合物を含むことなく、均一な水性顔料ペーストを得ることができる。
【0017】
このようにして、顔料を均一に分散させることができ、乾燥性・塗膜性能に優れた水性塗料組成物を調製することができ、揮発性有機化合物を含まない水性顔料ペーストとなる。
【0018】
請求項2の発明に係る水性顔料ペーストにおいては、水性顔料ペースト中における着色顔料、体質顔料、防錆顔料の合計含有量が1重量%〜80重量%の範囲内、より好ましくは30重量%〜60重量%の範囲内であり、カルボン酸系界面活性剤の含有量が0.01重量%〜10重量%の範囲内、より好ましくは2重量%〜5重量%の範囲内であり、溶媒としての水の含有量が10重量%〜90重量%の範囲内、より好ましくは40重量%〜70重量%の範囲内である。
【0019】
顔料の合計含有量が1重量%未満であると、水性塗料組成物とした場合に顔料による塗膜性能効果が小さ過ぎて実用性がなく、一方80重量%を超えると水性顔料ペーストとして均一に分散することが困難になる。したがって、顔料の合計含有量は1重量%〜80重量%の範囲内であることが好ましい。更に、顔料の合計含有量が30重量%以上であれば水性塗料組成物とした場合に顔料による塗膜性能効果が十分発揮され、60重量%以下であれば水性顔料ペーストとして容易に均一に分散するので、顔料の合計含有量は30重量%〜60重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0020】
カルボン酸系界面活性剤の含有量が0.01重量%未満であると水性顔料ペーストとして均一に分散することが困難になり、10重量%を超えるとカルボン酸系界面活性剤は高価であるため、水性顔料ペーストとしてのコストが高くなる。したがって、カルボン酸系界面活性剤の含有量は0.01重量%〜10重量%の範囲内であることが好ましい。更に、カルボン酸系界面活性剤の含有量が2重量%以上であれば水性顔料ペーストとして容易に均一に分散し、5重量%以下であればコストを低く抑えることができるので、カルボン酸系界面活性剤の含有量は2重量%〜5重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0021】
また、溶媒としての水の含有量が10重量%未満であると水性顔料ペーストとして均一に分散することが困難になり、一方90重量%を超えると水分が多過ぎて作業性が悪くなる。したがって、溶媒としての水の含有量は10重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましい。更に、水の含有量が40重量%以上であれば水性顔料ペーストとして容易に均一に分散し、70重量%以下であればより作業性が向上する。したがって、溶媒としての水の含有量は40重量%〜70重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0022】
このようにして、顔料を均一に分散させることができ、乾燥性・塗膜性能に優れた水性塗料組成物を調製することができ、揮発性有機化合物を含まない水性顔料ペーストとなる。
【0023】
請求項3の発明に係る水性塗料組成物は、請求項1または請求項2に記載の水性顔料ペーストと、水溶性樹脂及び/またはディスパージョン樹脂及び/またはエマルジョン樹脂と、溶媒としての水とを含有する。
【0024】
ここで、「水溶性樹脂」としては、脂肪酸変性樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性エポキシエステル樹脂、メラミン樹脂、水溶性アクリル樹脂等を用いることができ、「ディスパージョン樹脂」としては、エポキシエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を用いることができ、「エマルジョン樹脂」としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリエステル樹脂、SBR(スチレンーブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエンゴム)、シリコン樹脂等を用いることができる。
【0025】
上述の如く、請求項1または請求項2に記載の水性顔料ペーストは、揮発性有機化合物を含まず、しかも均一に顔料が分散したペーストなので、これを使用して、水性樹脂である水溶性樹脂及び/またはディスパージョン樹脂及び/またはエマルジョン樹脂を加え、溶媒として水を用いることによって、揮発性有機化合物の含有量を最小限に抑えつつ、塗膜性能に優れた水性塗料組成物を得ることができる。
【0026】
このようにして、水性顔料ペーストを用いてなり、乾燥性・塗膜性能に優れ、かつ、揮発性有機化合物の含有量を最小限にすることができる水性塗料組成物となる。
【0027】
請求項4の発明に係る水性塗料組成物においては、水性塗料組成物中における水性顔料ペーストの含有量が5重量%〜80重量%の範囲内、より好ましくは20重量%〜60重量%の範囲内であり、水溶性樹脂、ディスパージョン樹脂、エマルジョン樹脂の合計含有量が10重量%〜90重量%の範囲内、より好ましくは30重量%〜60重量%の範囲内であり、溶媒としての水の含有量が5重量%〜70重量%の範囲内、より好ましくは9重量%〜30重量%の範囲内である。
【0028】
水性顔料ペーストの含有量が5重量%未満であると顔料による塗膜性能効果が小さ過ぎて実用性がなく、一方80重量%を超えると樹脂分が少なくなって水性塗料組成物としての付着性が低下する。したがって、水性顔料ペーストの含有量は5重量%〜80重量%の範囲内であることが好ましい。更に、水性顔料ペーストの含有量が20重量%以上であれば顔料による塗膜性能効果が十分発揮され、60重量%以下であれば樹脂分が十分となって水性塗料組成物としての付着性がより向上するので、水性顔料ペーストの含有量は20重量%〜60重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0029】
また、樹脂の合計含有量が10重量%未満であると樹脂分が少なくなって水性塗料組成物としての付着性が低下し、一方90重量%を超えると水性顔料ペーストの含有量が少なくなって顔料による塗膜性能効果が小さ過ぎて実用性がなくなる。したがって、樹脂の合計含有量は10重量%〜90重量%の範囲内であることが好ましい。更に、樹脂の合計含有量が30重量%以上であれば水性塗料組成物としての付着性がより向上し、60重量%以下であれば十分な水性顔料ペーストの含有量が確保されて顔料による塗膜性能効果が十分発揮されるので、樹脂の合計含有量は30重量%〜60重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0030】
また、溶媒としての水の含有量が5重量%未満であると水性塗料組成物として均一に分散することが困難になり、一方70重量%を超えると水分が多過ぎて作業性が悪くなる。したがって、溶媒としての水の含有量は5重量%〜70重量%の範囲内であることが好ましい。更に、水の含有量が9重量%以上であれば水性塗料組成物として容易に均一に分散し、30重量%以下であればより作業性が向上する。したがって、溶媒としての水の含有量は9重量%〜30重量%の範囲内であることがより好ましい。
【0031】
このようにして、水性顔料ペーストを用いてなり、乾燥性・塗膜性能に優れ、かつ、揮発性有機化合物の含有量を最小限にすることができる水性塗料組成物となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の実施の形態に係る水性顔料ペーストの製造方法について説明する。
【0033】
本実施の形態に係る水性顔料ペーストにおいては、「着色顔料」としてカーボンブラック、「体質顔料」としてタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、「防錆顔料」としてリン酸亜鉛、酸化亜鉛、メタホウ酸バリウムを用いた。また、「分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤」として、分子量が15000で酸価が30のカルボン酸系界面活性剤を用いた。
【0034】
これに溶媒としての水を加えて、実施例1乃至実施例6までの6種類の水性顔料ペーストを作製した。水性顔料ペーストの作製条件としては、分散機として1リットルのサンドミルを使用し、分散メディアとしては2mmのガラスビーズを用いて、1時間分散を行って作製した。実施例1乃至実施例6までの6種類の水性顔料ペーストの成分と配合を表1に示す。
【0035】
【表1】

【0036】
表1に示されるように、分子量が15000で酸価が30のカルボン酸系界面活性剤の配合量は、実施例1乃至実施例6までの全ての水性顔料ペーストにおいて10gで統一し、溶媒としての水の配合量は実施例1が150gである以外は、実施例2乃至実施例6までの全ての水性顔料ペーストにおいて200gで統一した。
【0037】
そして、表1に示されるように、顔料については、実施例1が着色顔料としてのカーボンブラックのみを100g用いており、実施例2ではカーボンブラックを100gと体質顔料としてのタルクを100g用いており、実施例3ではカーボンブラックを100gとタルクを100gに加えて、防錆顔料としてのリン酸亜鉛を20g用いている。
【0038】
また、実施例4では着色顔料としてカーボンブラック50gと、体質顔料としてタルク50gと炭酸カルシウム50gを用いており、加えて防錆顔料としてリン酸亜鉛10gと酸化亜鉛10gとを配合している。更に、実施例5では着色顔料としてカーボンブラック50gと、体質顔料として炭酸カルシウム50gと硫酸バリウム50gを用いており、加えて防錆顔料としてリン酸亜鉛10gとメタホウ酸バリウム10gとを配合している。また、実施例6では着色顔料としてカーボンブラック50gと、体質顔料としてタルク50gと炭酸カルシウム50gと硫酸バリウム50gを用いており、加えて防錆顔料としてリン酸亜鉛5gと酸化亜鉛5gとメタホウ酸バリウム5gとを配合している。
【0039】
ここで、実施例1の配合では顔料としてのカーボンブラックの含有量が38.46重量%、カルボン酸系界面活性剤の含有量が3.85重量%、水の含有量が57.69重量%となる。実施例2の配合では顔料としてのカーボンブラック及びタルクの合計含有量が48.78重量%、カルボン酸系界面活性剤の含有量が2.44重量%、水の含有量が48.78重量%となる。また、実施例3の配合では顔料としてのカーボンブラック、タルク及びリン酸亜鉛の合計含有量が51.16重量%、カルボン酸系界面活性剤の含有量が2.33重量%、水の含有量が46.51重量%となる。
【0040】
更に、実施例4の配合では顔料としてのカーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、リン酸亜鉛及び酸化亜鉛の合計含有量が44.74重量%、カルボン酸系界面活性剤の含有量が2.63重量%、水の含有量が52.63重量%となる。同じく、実施例5の配合では顔料としてのカーボンブラック、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸亜鉛及びメタホウ酸バリウムの合計含有量が44.74重量%、カルボン酸系界面活性剤の含有量が2.63重量%、水の含有量が52.63重量%となる。また、実施例6の配合では顔料としてのカーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸亜鉛、酸化亜鉛及びメタホウ酸バリウムの合計含有量が50.59重量%、カルボン酸系界面活性剤の含有量が2.35重量%、水の含有量が47.06重量%となる。
【0041】
このように、本実施の形態に係る実施例1乃至実施例6までの6種類の水性顔料ペーストは、全て請求項2の発明に係る着色顔料、体質顔料、防錆顔料の合計含有量が1重量%〜80重量%の範囲内であり、分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤の含有量が0.01重量%〜10重量%の範囲内であり、溶媒としての水の含有量が10重量%〜90重量%の範囲内であるという要件を満たしている。
【0042】
更に、実施例1乃至実施例6までの6種類の水性顔料ペーストは、全て、着色顔料、体質顔料、防錆顔料の合計含有量がより好ましくは30重量%〜60重量%の範囲内であり、分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤の含有量がより好ましくは2重量%〜5重量%の範囲内であり、溶媒としての水の含有量がより好ましくは40重量%〜70重量%の範囲内であるという要件をも満たしている。
【0043】
したがって、本実施の形態に係る実施例1乃至実施例6までの6種類の水性顔料ペーストは、揮発性有機化合物を含むことなく、均一な分散状態を得ることができる。上述した作製条件による分散後の6種類の水性顔料ペーストの状態について、表1の下段に示す。表1の下段に示されるように、実施例1乃至実施例6に係る水性顔料ペーストは、いずれも良好な分散状態を示しており、20℃における粘度が250cP〜400cPと適切な粘度範囲内である。また、揮発性有機化合物(VOC)の含有量はゼロである。
【0044】
このように、本実施の形態に係る実施例1乃至実施例6までの6種類の水性顔料ペーストは、着色顔料、体質顔料、防錆顔料の顔料を均一に分散させることができ、揮発性有機化合物(VOC)を全く含まないものである。
【0045】
次に、これらの水性顔料ペーストを用いて、水性樹脂と溶媒としての水を添加することによって、本実施の形態に係る水性塗料組成物を調製した。本実施の形態においては、水性樹脂として「水溶性樹脂」としての水溶性エポキシエステル樹脂、「ディスパージョン樹脂」としてのエポキシエステル樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、「エマルジョン樹脂」としてのエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂を使用した。
【0046】
また、本実施の形態においては、水性顔料ペーストとして上記実施例1乃至実施例6の6種類の水性顔料ペーストのうち、実施例3及び実施例6の水性顔料ペーストを使用して、実施例7乃至実施例12までの6種類の水性塗料組成物を作製した。本実施の形態に係る実施例7乃至実施例12の水性塗料組成物の成分と配合を表2の上段に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
表2の上段に示されるように、実施例7乃至実施例12の6種類の水性塗料組成物の配合は、全て、水性顔料ペーストが100g、水性樹脂が100g、水が20gで統一されている。したがって、本実施の形態に係る水性塗料組成物における水性顔料ペーストの含有量は45.455重量%であり、水溶性樹脂、ディスパージョン樹脂、エマルジョン樹脂の水性樹脂の含有量は45.455重量%であり、溶媒としての水の含有量は9.09重量%である。
【0049】
このように、本実施の形態に係る実施例7乃至実施例12の6種類の水性塗料組成物は、全て、請求項4の発明に係る水性塗料組成物中における水性顔料ペーストの含有量が5重量%〜80重量%の範囲内であり、水溶性樹脂、ディスパージョン樹脂、エマルジョン樹脂の合計含有量が10重量%〜90重量%の範囲内であり、溶媒としての水の含有量が5重量%〜70重量%の範囲内であるという要件を満たしている。
【0050】
更に、本実施の形態に係る実施例7乃至実施例12の6種類の水性塗料組成物は、全て、水性塗料組成物中における水性顔料ペーストの含有量がより好ましくは20重量%〜60重量%の範囲内であり、水溶性樹脂、ディスパージョン樹脂、エマルジョン樹脂の合計含有量がより好ましくは30重量%〜60重量%の範囲内であり、溶媒としての水の含有量がより好ましくは9重量%〜30重量%の範囲内であるという要件をも満たしている。
【0051】
本実施の形態に係る実施例7乃至実施例12の6種類の水性塗料組成物は、それぞれ水性樹脂の種類が異なっている。即ち、表2の上段に示されるように、実施例7においては水性樹脂として水溶性樹脂である水溶性エポキシエステル樹脂を用いており、実施例8においてはディスパージョン樹脂であるエポキシエステルディスパージョンを用いており、実施例9においてはディスパージョン樹脂であるアクリル変性エポキシ樹脂を用いている。また、実施例10においてはエマルジョン樹脂であるウレタンエマルジョンを用いており、実施例11においてはエマルジョン樹脂であるアクリルエマルジョンを用いており、実施例12においてはエマルジョン樹脂であるエポキシエマルジョンを用いている。
【0052】
具体的には、水溶性エポキシエステル樹脂としては、大日本インキ工業(株)製のウォーターゾールEF5480を使用した。また、エポキシエステルディスパージョンとしては、大日本インキ工業(株)製のウォーターゾールEFD5501を使用した。更に、アクリル変性エポキシ樹脂としては、荒川化学工業(株)製のモデビクス302を使用した。また、ウレタンエマルジョンとしては、第一工業製薬(株)製のスパーフレックス830を使用した。更に、アクリルエマルジョンとしては、大日本インキ工業(株)製のボーンコートEC740EFを使用した。また、エポキシエマルジョンとしては、旭電化工業(株)製のEM0487を使用した。
【0053】
これらの6種類の水性塗料組成物について、供試体を作製して塗料としての性能評価を実施した。供試体の作製方法は、基板として未処理軟鋼板(SPCC−SD)を使用して、溶剤洗浄により脱脂した後に、水性塗料組成物をエアースプレー塗装によって鋼板表面に20μm〜25μmの膜厚になるように塗布して、室温(20℃)放置によって乾燥した。この供試体について、それぞれ揮発性有機化合物(VOC)の含有量、乾燥性、及び塗膜性能を評価した。なお、塗膜性能については、室温(20℃)で7日間放置した供試体を用いて試験した。性能評価の結果を、表2の下段に示す。
【0054】
表2の下段に示されるように、揮発性有機化合物(VOC)の含有量については、実施例7が4%、実施例8が3%、実施例9が4%、実施例10乃至実施例12が1%以下であり、いずれも非常に少なく、水性塗料組成物として揮発性有機化合物の含有量が少ないという結果が得られた。
【0055】
また、乾燥性についても、指触乾燥(塗装面に指で3kg荷重し指に塗料が付着しなくなる時間)が実施例7乃至実施例9については10分〜15分と短く、実施例10乃至実施例12については6分〜7分とより短く、半硬化乾燥(塗装面に指で3kg荷重し塗装面に指紋跡がつかなくなる時間)が実施例7乃至実施例9については15分〜30分と短く、実施例10乃至実施例12については10分〜12分とより短く、いずれも乾燥性に優れていることが分かった。
【0056】
次に、塗膜性能の評価の結果について説明する。まず、塗膜の付着性については、JIS−K5600−5−6に準じて評価した。即ち、供試体の塗膜面にカッターナイフで縦横に1mm間隔で各11本の切り込みを入れて、合計100個の1mm×1mmの桝目を形成した。そして、粘着性セロハンテープをこれら100個の桝目の上から貼り付けて一気に剥がし、剥離した桝目の個数を数えた。その結果、表2の下段に示されるように、実施例7乃至実施例12のいずれの水性塗料組成物を塗布してなる塗膜についても、剥離した桝目の個数はゼロであり、塗膜の付着性が非常に優れていることが分かった。
【0057】
次に、塗膜の硬度については、JIS−K5600−5−4に準じて評価した。即ち、いわゆる鉛筆硬度測定装置を用いて、鉛筆硬度を測定した。その結果、表2の下段に示されるように、実施例7乃至実施例12のいずれの水性塗料組成物を塗布してなる塗膜についても、鉛筆硬度はHBであり、水性塗料組成物を塗布してなる塗膜としては十分な硬度を有していることが分かった。また、塗膜の光沢度については、JIS−K5600−4−7に準じて評価した。その結果、実施例7乃至実施例12のいずれの水性塗料組成物を塗布してなる塗膜についても、20〜25と十分な光沢を有していた。
【0058】
最後に、塗膜の耐食性について、SST(塩水噴霧試験)及び耐水性試験によって評価した。SST(塩水噴霧試験)については、供試体の塗膜面にカッターナイフでクロスカットを入れ、塩水噴霧試験機を用いて、JIS−Z2371に準じて供試体を塩水噴霧条件下において、240時間後と480時間後に取り出して、それぞれクロスカットからの片錆巾を測定した。その結果、240時間後においては、実施例7乃至実施例12のいずれの水性塗料組成物を塗布してなる塗膜についても、クロスカットからの片錆巾は3.0mm未満(○)であり、良好な耐食性を示した。
【0059】
これに対して、480時間後においては、実施例7乃至実施例9の水性塗料組成物を塗布してなる塗膜についてはクロスカットからの片錆巾は3.0mm未満(○)であったが、実施例10乃至実施例12の水性塗料組成物を塗布してなる塗膜については、クロスカットからの片錆巾が約3.0mm(△)または3.0mmを超えていた(×)。しかし、通常の用途については、240時間後に○の評価であれば十分な耐食性を有していると考えられる。
【0060】
また、耐水性試験については供試体を40℃の純水に規定時間浸漬した後、上記JIS−K5600−5−6に準じて塗膜に100個の桝目を形成し、セロハンテープによる剥離試験を行ったところ、実施例7乃至実施例12のいずれの水性塗料組成物を塗布してなる塗膜についても、剥離した桝目の個数はゼロであり、塗膜の耐水性が非常に優れていることが分かった。
【0061】
このように、本実施の形態に係る実施例7乃至実施例12の水性塗料組成物においては、本実施の形態に係る実施例1乃至実施例6の水性顔料ペーストが、揮発性有機化合物を含まず、しかも均一に顔料が分散したペーストなので、このうち実施例3及び実施例6の水性顔料ペーストを使用して、水性樹脂である水溶性樹脂またはディスパージョン樹脂またはエマルジョン樹脂を加え、溶媒として水を用いることによって、揮発性有機化合物の含有量を最小限に抑えつつ、塗膜性能に優れた水性塗料組成物となる。
【0062】
これに対して、上記実施例1乃至実施例6に係る水性顔料ペーストとの比較のため、比較例1乃至比較例6の水性顔料ペーストを作製して、その特性を検討した。比較例1乃至比較例6に係る水性顔料ペーストが上記実施例1乃至実施例6に係る水性顔料ペーストと異なるのは、分子量が15000で酸価が20のカルボン酸系界面活性剤の代わりに、分子量及び酸価が異なるカルボン酸系界面活性剤を用いた点である。
【0063】
即ち、比較例1乃至比較例6の水性顔料ペーストにおいては、カルボン酸系界面活性剤として、カルボン酸系界面活性剤A,カルボン酸系界面活性剤Bまたはカルボン酸系界面活性剤Cを使用した。カルボン酸系界面活性剤Aは分子量が約800で酸価が5、カルボン酸系界面活性剤Bは分子量が約800で酸価が10、カルボン酸系界面活性剤Cは分子量が約20000で酸価が5である。
【0064】
したがって、カルボン酸系界面活性剤Aは、本発明の請求項1に係る「分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内」という要件を、分子量・酸価のいずれについても満たしておらず、カルボン酸系界面活性剤Bは、酸価の要件は満たしているが分子量の要件を満たしておらず、カルボン酸系界面活性剤Cは、分子量の要件は満たしているが酸価の要件を満たしていない。比較例1乃至比較例6の水性顔料ペーストの配合を、表3に示す。
【0065】
【表3】

【0066】
表3に示されるように、比較例1及び比較例2においてはカルボン酸系界面活性剤Aを用いて、顔料として着色顔料であるカーボンブラックを100g、カルボン酸系界面活性剤Aを比較例1においては10g、比較例2においては50g、溶媒としての水を比較例1においては150g、比較例2においては200g配合している。また、比較例3においてはカルボン酸系界面活性剤Bを用いて、カーボンブラックを100g、カルボン酸系界面活性剤Bを50g、溶媒としての水を200g配合している。
【0067】
更に、比較例4、比較例5及び比較例6においてはカルボン酸系界面活性剤Cを用いており、比較例4においてはカーボンブラックを100g、カルボン酸系界面活性剤Cを50g、溶媒としての水を200g配合している。また、比較例5においてはカーボンブラックを50gと、体質顔料である炭酸カルシウムと硫酸バリウムを50gずつ、更に防錆顔料であるリン酸亜鉛とメタホウ酸バリウムを10gずつ配合し、溶媒としての水を200g配合している。そして、比較例6においてはカーボンブラックを50gと、体質顔料であるタルクと炭酸カルシウムと硫酸バリウムを50gずつ、更に防錆顔料であるリン酸亜鉛と酸化亜鉛とメタホウ酸バリウムを5gずつ配合し、溶媒としての水を200g配合している。
【0068】
したがって、比較例1の配合では顔料としてのカーボンブラックの含有量が38.46重量%、カルボン酸系界面活性剤Aの含有量が3.85重量%、水の含有量が57.69重量%となる。これは、上記実施例1の配合割合と全く同一である。また、比較例2・比較例3・比較例4の配合では、顔料としてのカーボンブラックの含有量が28.57重量%、カルボン酸系界面活性剤A・B・Cの各含有量が14.29重量%、水の含有量が57.14重量%となる。
【0069】
更に、比較例5の配合では、顔料としてのカーボンブラック、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸亜鉛、メタホウ酸バリウムの合計含有量が40.48重量%、カルボン酸系界面活性剤Cの含有量が11.90重量%、水の含有量が47.62重量%となる。また、比較例6の配合では、顔料としてのカーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸亜鉛、酸化亜鉛、メタホウ酸バリウムの合計含有量が46.24重量%、カルボン酸系界面活性剤Cの含有量が10.75重量%、水の含有量が43.01重量%となる。
【0070】
このように、比較例1を除いて、比較例2乃至比較例6の5種類の水性顔料ペーストは、全て請求項2の発明に係る着色顔料、体質顔料、防錆顔料の合計含有量が1重量%〜80重量%の範囲内であり、カルボン酸系界面活性剤の含有量が0.01重量%〜10重量%の範囲内であり、溶媒としての水の含有量が10重量%〜90重量%の範囲内であるという要件を満たしていない。
【0071】
比較例1乃至比較例6の水性顔料ペーストの作製条件としては、上記実施例1乃至実施例6に係る水性顔料ペーストと全く同様に、分散機として1リットルのサンドミルを使用し、分散メディアとしては2mmのガラスビーズを用いて、1時間分散を行って作製した。分散後の6種類の水性顔料ペーストの状態について、表3の下段に示す。表3の下段に示されるように、比較例1乃至比較例6に係る水性顔料ペーストは、いずれも分散させることができず、良好な水性顔料ペーストを得ることができなかった。
【0072】
このように、本発明の請求項1に係る「分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤」を用いるという要件を満たさないと、良好な水性顔料ペーストを得ることができないことが明らかになった。
【0073】
本実施の形態においては、「分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤」として、分子量が15000で酸価が20のカルボン酸系界面活性剤を用いているが、分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内という条件を満たせば、その他のカルボン酸系界面活性剤を用いることもできる。
【0074】
また、本実施の形態においては、「着色顔料」としてカーボンブラック、「体質顔料」としてタルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、「防錆顔料」としてリン酸亜鉛、酸化亜鉛、メタホウ酸バリウムを用いた場合について説明したが、「着色顔料」としては、他にも酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等を始めとして様々な化合物を用いることができる。また、「体質顔料」としては、他にもマイカ、シリカ、珪藻土等を始めとして様々な化合物を用いることができる。更に、「防錆顔料」としては、他にも亜リン酸亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、リンモリブデン酸亜鉛等を始めとして様々な化合物を用いることができる。
【0075】
本発明を実施するに際しては、水性顔料ペースト及び水性塗料組成物のその他の部分の構成、組成、配合、成分、形状、数量、材質、大きさ、製造方法等についても、本実施の形態及び各実施例に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性有機化合物を含まない水性顔料ペーストであって、
着色顔料及び/または体質顔料及び/または防錆顔料と、
分子量が5000〜30000の範囲内で酸価が8〜100の範囲内であるカルボン酸系界面活性剤と、
溶媒としての水とを含有することを特徴とする水性顔料ペースト。
【請求項2】
前記水性顔料ペースト中における前記着色顔料、前記体質顔料、前記防錆顔料の合計含有量が1重量%〜80重量%の範囲内であり、前記カルボン酸系界面活性剤の含有量が0.01重量%〜10重量%の範囲内であり、前記溶媒としての水の含有量が10重量%〜90重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の水性顔料ペースト。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の水性顔料ペーストと、
水溶性樹脂及び/またはディスパージョン樹脂及び/またはエマルジョン樹脂と、
溶媒としての水とを含有することを特徴とする水性塗料組成物。
【請求項4】
前記水性塗料組成物中における前記水性顔料ペーストの含有量が5重量%〜80重量%の範囲内であり、前記水溶性樹脂、前記ディスパージョン樹脂、前記エマルジョン樹脂の合計含有量が10重量%〜90重量%の範囲内であり、前記溶媒としての水の含有量が5重量%〜70重量%の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の水性塗料組成物。

【公開番号】特開2008−195742(P2008−195742A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−29083(P2007−29083)
【出願日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(000100780)アイシン化工株式会社 (171)
【Fターム(参考)】