説明

水栓ハンドル

【課題】 指に洗剤が付いていたり指が濡れていたりしても、レバーの自由端を確実に揺動操作することのできる、操作性の高い水栓ハンドル。
【解決手段】 レバー(1)の自由端を揺動させて吐水の状態を変化させる本発明の水栓ハンドル(2)では、レバーの裏側に、指を掛けるための突起部(1b)が設けられている。突起部は、水平方向に間隔を隔てた一対の突起(1b)を有する。レバーには、指先の貫通を許容する形状の開口部(1a)が設けられている。一対の突起は、開口部の上側において開口部を挟むように設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水栓ハンドルに関し、例えばキッチンのシンクに隣接して設けられる水栓のハンドルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばキッチンのシンクに隣接して、湯水混合型の水栓が設けられている。この種の水栓のハンドルでは、例えばレバーの自由端を前後に揺動させて吐水量を調節するとともに、レバーの自由端を左右に揺動させて吐水の温度を調節する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の水栓ハンドルでは、レバーが全体的に比較的滑らかな表面形状を有するため、指に洗剤が付いていたり指が濡れていたりすると、レバーを操作する際に滑り易く、操作性が良くないという不都合があった。特に、レバーの自由端を左右に揺動させて温度調節する際に、最も指が滑り易い。
【0004】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、指に洗剤が付いていたり指が濡れていたりしても、レバーの自由端を確実に揺動操作することのできる、操作性の高い水栓ハンドルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために、本発明では、レバーの自由端を揺動させて吐水の状態を変化させるための水栓ハンドルにおいて、
前記レバーの裏側には、指を掛けるための突起部が設けられていることを特徴とする水栓ハンドルを提供する。
【0006】
本発明の好ましい態様によれば、前記突起部は、水平方向に間隔を隔てた一対の突起を有する。また、前記レバーには、指先の貫通を許容する形状の開口部が設けられていることが好ましい。この場合、前記一対の突起は、前記開口部の上側において前記開口部を挟むように設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の水栓ハンドルでは、レバーの裏側(キッチンの前側から見て裏側)に、指を掛けるための突起部を設けている。したがって、指に洗剤が付いていたり指が濡れていたりしても、レバーの裏側に設けられた突起部に指が掛かって滑りにくくなる。その結果、本発明では、指に洗剤が付いていたり指が濡れていたりしても、レバーの自由端を確実に揺動操作することのできる、操作性の高い水栓ハンドルが得られる。
【0008】
なお、本発明では、レバーの裏側の突起部として、水平方向に間隔を隔てた一対の突起を設けることが好ましい。この構成により、特にレバーの自由端を左右に揺動させて温度調節する際に、指の両サイドが一対の突起に掛かって滑りにくくなり、水栓ハンドルの操作性が向上する。
【0009】
また、本発明では、指先の貫通を許容する形状の開口部をレバーに設けることが好ましい。この構成により、指の先を開口部に掛けて、レバーの自由端を確実に揺動操作することができ、水栓ハンドルの操作性が向上する。
【0010】
また、本発明では、一対の突起を開口部の上側において開口部を挟むように設けることが好ましい。この構成により、例えばレバーの上側から指の先を開口部に掛けたときに、指の両サイドが必然的に一対の突起に掛かって滑りにくくなり、水栓ハンドルの操作性をさらに高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる水栓ハンドルを備えたキッチンの全体構成を概略的に示す斜視図である。図2は、図1の水栓ハンドルおよびその周辺の要部構成を概略的に示す斜視図である。図3および図4は、本実施形態の水栓ハンドルの基本的な操作を説明する図である。本実施形態では、キッチンのシンクに隣接して設けられる水栓のハンドルに本発明を適用している。
【0012】
図1に示すキッチンは、床Fの上に載置されたベースキャビネットBCを備えている。ベースキャビネットBCの上部には、キッチンに向かって左側から加熱調理部(IHコンロ、ガスコンロなど)11と、一対のカウンター12aおよび12bとが設けられ、この一対のカウンター12aと12bとの間にシンク13が設けられている。また、シンク13に隣接して、たとえば湯水混合型の水栓14が設けられている。
【0013】
水栓14は、図2に明瞭に示すように、レバー1の自由端(上端)を揺動させて吐水の状態を変化させるための水栓ハンドル2を備えている。水栓14では、図3に示すように、水栓ハンドル2のレバー1の自由端を前後に揺動させて吐水量を調節する(ひいては吐水状態と止水状態とを切り換える)。また、図4に示すように、水栓ハンドル2のレバー1の自由端を左右に揺動させて吐水の温度を調節する。
【0014】
図5は、本実施形態の水栓ハンドルにおけるレバーの特徴的な構成を概略的に示す図であって、(a)および(b)は斜視図であり、(c)は上面図である。図5(a)および(b)に示すように、水栓ハンドル2のレバー1には、指先の貫通を許容する形状の開口部1aが設けられている。また、図5(b)および(c)に示すように、レバー1の裏側には、水平方向(左右方向)に間隔を隔てた一対の突起1bが設けられている。一対の突起1bは、開口部1aの上側において開口部1aを挟むように設けられている。
【0015】
図6および図7は、本実施形態における水栓ハンドルの良好な操作性を説明する図である。本実施形態の水栓ハンドル2では、図6に示すように、例えばレバー1の上側(自由端側)から指先15を開口部1aに掛けると、指の両サイドが必然的に一対の突起(図中破線で示す)1bに掛かかる。その結果、指に洗剤が付いていたり指が濡れていたりしても、レバー1の自由端を前後に確実に揺動操作することができ、ひいては吐水量を確実に調節することができる。
【0016】
また、図7に示すように、指先15が開口部1aに掛かり且つ指の両サイドが必然的に一対の突起1bに掛かった状態で、レバー1の自由端を左右に確実に揺動操作することができ、ひいては吐水の温度を確実に調節することができる。すなわち、本実施形態では、指を掛けるための突起部(1b)をレバー1の裏側に設けているので、指に洗剤が付いていたり指が濡れていたりしても、レバー1の自由端を確実に揺動操作することのできる、操作性の高い水栓ハンドル2が得られる。
【0017】
なお、上述の実施形態では、レバー1の裏側に、水平方向に間隔を隔てた一対の突起1bを設けている。また、上述の実施形態では、一対の突起1bが、開口部1aの上側において開口部1aを挟むように設けられている。しかしながら、これに限定されることなく、レバー1の裏側に設けるべき突起部の形態、特に突起の数、形状、位置などについては、様々な変形例が可能である。
【0018】
また、上述の実施形態では、レバー1に、指先の貫通を許容する形状の開口部1aを設けている。しかしながら、これに限定されることなく、開口部のないレバーの裏側に、指を掛けるための突起部を設けることにより、本発明の効果を得ることができる。
【0019】
また、上述の実施形態では、レバー1の自由端を前後に揺動させて吐水量を調節し且つ左右に揺動させて吐水の温度を調節する水栓ハンドル2に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、例えばレバーの自由端を左右に揺動させて吐水量を調節し且つ前後に揺動させて吐水の温度を調節する水栓ハンドルに対しても同様に本発明を適用することができる。さらに一般的には、レバーの自由端を揺動させて吐水の状態を変化させるための水栓ハンドルに対して本発明を適用することができる。
【0020】
また、上述の実施形態では、キッチンのシンク13に隣接して設けられる水栓14のハンドル2に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、例えば洗面化粧台、風呂などに設置される水栓ハンドルに対しても同様に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態にかかる水栓ハンドルを備えたキッチンの全体構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の水栓ハンドルおよびその周辺の要部構成を概略的に示す斜視図である。
【図3】本実施形態の水栓ハンドルの基本的な操作を説明する第1の図である。
【図4】本実施形態の水栓ハンドルの基本的な操作を説明する第2の図である。
【図5】本実施形態の水栓ハンドルにおけるレバーの特徴的な構成を概略的に示す図であって、(a)および(b)は斜視図であり、(c)は上面図である。
【図6】本実施形態における水栓ハンドルの良好な操作性を説明する第1の図である。
【図7】本実施形態における水栓ハンドルの良好な操作性を説明する第2の図である。
【符号の説明】
【0022】
1 レバー
1a レバーの開口部
1b 一対の突起
2 水栓ハンドル
11 加熱調理部
13 シンク
14 水栓

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レバーの自由端を揺動させて吐水の状態を変化させるための水栓ハンドルにおいて、
前記レバーの裏側には、指を掛けるための突起部が設けられていることを特徴とする水栓ハンドル。
【請求項2】
前記突起部は、水平方向に間隔を隔てた一対の突起を有することを特徴とする請求項1に記載の水栓ハンドル。
【請求項3】
前記レバーには、指先の貫通を許容する形状の開口部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の水栓ハンドル。
【請求項4】
前記一対の突起は、前記開口部の上側において前記開口部を挟むように設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の水栓ハンドル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−297851(P2008−297851A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−147547(P2007−147547)
【出願日】平成19年6月2日(2007.6.2)
【出願人】(000104973)クリナップ株式会社 (341)
【Fターム(参考)】