説明

水栓装置

【課題】表示部を大型化させることなく、設定状態を容易に把握することができる水栓装置を提供する。
【解決手段】流量設定機能又は温度設定機能を備えた水栓装置1であって、水栓装置を操作するための操作部6と、吐水口が形成されたスパウト部2と、スパウト部又は操作部が取り付けられた取付面8近傍の、スパウト部又は操作部に配置され、スパウト部又は操作部から取付面に放射方向に光を照射する光射出部と、この光射出部から光を射出させることにより、取付面上に光照射領域を形成して流量設定値又は温度設定値を表示する表示手段と、を有し、この表示手段は、光照射領域が形成される範囲の、スパウト部又は操作部を中心とする中心角を変化させることにより流量設定値又は温度設定値を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水栓装置に関し、特に、流量設定機能又は温度設定機能を備えた水栓装置に関する。
【背景技術】
【0002】
実公平4−17651号公報(特許文献1)には、吐水栓が記載されている。この吐水栓は、吐止水の切り換え、流量調整、吐水温度の調整を押しボタンスイッチによって行うことができるように構成されている。さらに、この吐水栓には、少量、適量、多量の流量調整状態、低温、適温、高温の温度設定状態を夫々表示するためのランプが設けられており、設定状態に応じてそれらのランプを点灯させることにより設定状態を表示している。
【0003】
特開2001−123485号公報(特許文献2)には、LED付水栓器具が記載されている。この水栓器具は、胴体側面にLEDが複数配置されており、これらのLEDを切り換えて発光させることにより射出する光の色を変化させ、発色の変化により吐水温度を表示するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】実公平4−17651号公報
【特許文献2】特開2001−123485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実公平4−17651号公報記載の吐水栓においては、吐水栓の採りうる設定状態の数だけ表示用のランプを設ける必要があるため、様々な設定状態を表示しようとすれば、多数のランプが配置されることになり吐水栓が大型化するという問題がある。或いは、小型の吐水栓に表示用のランプを多数設けることになるため、各表示部が小さくなり、表示が見にくくなるという問題がある。
【0006】
また、特開2001−123485号公報記載の水栓器具は、水栓器具が発する光の発色により設定状態を表示しているので、設定状態の数が増えても表示部が大型化することはない。しかしながら、設定状態が光の色合いで表示されるため、使用者が設定状態を直感的に把握することが難しいという問題がある。即ち、水栓器具から発せられる光の色が、如何なる温度に対応するものであるかを、使用者が正確に把握するのは困難である。
【0007】
従って、本発明は、表示部を大型化させることなく、設定状態を容易に把握することができる水栓装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、流量設定機能又は温度設定機能を備えた水栓装置であって、水栓装置を操作するための操作部と、吐水口が形成されたスパウト部と、スパウト部又は操作部が取り付けられた取付面近傍の、スパウト部又は操作部に配置され、スパウト部又は操作部から取付面に向けて光を照射する光射出部と、この光射出部から光を射出させることにより、取付面上に光照射領域を形成して流量設定値又は温度設定値を表示する表示手段と、を有し、この表示手段は、光照射領域が形成される範囲の、スパウト部又は操作部を中心とする中心角を変化させることにより流量設定値又は温度設定値を表示することを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明においては、スパウト部又は操作部が取り付けられた取付面近傍に光射出部が配置される。光射出部は、取付面に光を照射し、射出された光によって光照射領域を形成する。表示手段は、取付面上の光照射領域が形成される範囲の、スパウト部又は操作部を中心とする中心角を変化させることにより、流量設定値又は温度設定値を表示する。
【0010】
このように構成された本発明によれば、取付面上に形成される光照射領域の中心角の変化により、流量設定値又は温度設定値が表示されるので、表示部を大型化させることなく、設定状態を容易に把握することができる。
【0011】
また、本発明は、温水を吐水可能な水栓装置であって、水栓装置を操作するための操作部と、吐水口が形成されたスパウト部と、吐水口から吐出される湯水の温度を検出する温度検出手段と、スパウト部又は操作部が取り付けられた取付面近傍の、スパウト部又は操作部に配置され、スパウト部又は操作部から取付面に向けて光を照射する光射出部と、この光射出部から光を射出させることにより取付面上に光照射領域を形成して、温度検出手段によって検出された検出温度を表示する表示手段と、を有し、この表示手段は、光照射領域が形成される範囲の、スパウト部又は操作部を中心とする中心角を変化させることにより、検出温度を表示することを特徴としている。
【0012】
このように構成された本発明においては、スパウト部又は操作部が取り付けられた取付面近傍に光射出部が配置される。光射出部は、取付面に光を照射し、射出された光によって光照射領域を形成する。表示手段は、取付面上の光照射領域が形成される範囲の、スパウト部又は操作部を中心とする中心角を変化させることにより、検出温度を表示する。
【0013】
このように構成された本発明によれば、取付面上に形成される光照射領域の中心角の変化により、検出温度が表示されるので、表示部を大型化させることなく、設定状態を容易に把握することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、表示手段は、光照射領域を同一円周上に複数形成する。
このように構成された本発明によれば、複数の光照射領域が形成されるので、種々の方向から容易に表示値を視認することができる。
【0015】
本発明において、好ましくは、表示手段は、複数の光照射領域を、所定の対称軸線に対して線対称に形成する。
このように構成された本発明によれば、複数の光照射領域が対称軸線に対して線対称に形成されるので、周囲から表示を見る場合の死角を減らすことができる。
【0016】
本発明において、好ましくは、表示手段は、複数の光照射領域を、所定の対称点に対して点対称に形成する。
このように構成された本発明によれば、複数の光照射領域が対称点に対して点対称に形成されるので、使用者の視認しやすい位置に光照射領域を集めることができる。
【0017】
本発明において、好ましくは、光射出部は複数の色彩の光を射出可能に構成されており、表示手段は、流量設定値、温度設定値、又は検出温度に応じて光照射領域の色彩を変化させる。
このように構成された本発明によれば、光照射領域の中心角の変化に加え、色彩の変化により表示値を視認することができる。
【0018】
本発明において、好ましくは、表示手段は、光照射領域が形成される範囲の中心角を段階的に変化させる。
このように構成された本発明によれば、光照射領域の中心角が段階的に変化されるので、表示値をより明確に把握することができる。
【0019】
本発明において、好ましくは、光照射領域が、複数の光照射部位の集まりによって形成されている。
このように構成された本発明によれば、光照射領域が複数の光照射部位の集まりによって形成されているので、光照射部位の数によっても表示値を把握することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の水栓装置によれば、表示部を大型化させることなく、設定状態を容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
まず、図1乃至図6を参照して、本発明の第1実施形態による水栓装置を説明する。図1は、本実施形態による水栓装置全体を示す斜視図である。図2は、本実施形態による水栓装置の水栓機能部の構成を示すブロック図である。図3は、本実施形態による水栓装置の操作部の断面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う断面図である。さらに、図5は本実施形態の水栓装置の作用を示すタイムチャートである。
【0022】
図1に示すように、本発明の第1実施形態による水栓装置1は、吐水口2aが設けられたスパウト部である水栓本体2と、洗面カウンタ8に取り付けられた操作部6と、洗面ボウル4が配置された洗面カウンタ8の下側に配置された水栓機能部10と、を有する。
【0023】
本実施形態による水栓装置1は、操作部6を操作することにより、水栓機能部10に電気信号が送られ、各機能を実行することができる。即ち、水栓装置1は、操作部6を押圧操作することにより、水栓本体2の吐水口2aからの吐水、止水の切り換え及び吐水流量の調整を行うことができ、操作部6を回転操作することにより、吐水温度の調整を行うことができるように構成されている。即ち、本実施形態の水栓装置1は、操作部6により、吐水、止水の切り換え、及び流量調整機能、温度調整機能を果たすことができる。
【0024】
図2に示すように、水栓機能部10は、給湯管12a及び給水管12bに接続された温調バルブ12と、3つの電磁弁14、16、18と、各電磁弁と水栓本体2の間に夫々接続された3つの定流量弁20、22、24と、温調バルブ12及び各電磁弁を制御するコントローラ26と、吐水される湯水の温度を測定する温度検出手段である温度センサ28と、を有する。
【0025】
温調バルブ12の出口管路には、3つの電磁弁、即ち、小流量用電磁弁14、中流量用電磁弁16、及び大流量用電磁弁18が並列に接続されている。さらに、各電磁弁の出口側には、定流量弁が夫々直列に接続されている。即ち、小流量用電磁弁14の出口側には小流量の定流量弁20が、中流量用電磁弁16の出口側には中流量の定流量弁22が、大流量用電磁弁18の出口側には大流量の定流量弁24が夫々接続されている。さらに、各定流量弁の出口側は合流され、水栓本体2に接続されている。
【0026】
この構成により、小流量用電磁弁14が開放されると、温調バルブ12から流出した湯水は小流量用電磁弁14を通って小流量の定流量弁20に流入し、ここで所定の小流量に流量が制限されて水栓本体2の吐水口2aから吐出される。同様に、中流量用電磁弁16が開放されると湯水は中流量用電磁弁16を通って中流量の定流量弁22に流入し、ここで所定の中流量に流量が制限され、大流量用電磁弁18が開放されると湯水は大流量用電磁弁18を通って大流量の定流量弁24に流入し、ここで所定の大流量に流量が制限されて水栓本体2の吐水口2aから吐出される。
【0027】
温調バルブ12は、温度設定に従って、給湯管12aから流入した湯、及び給水管12bから流入した水を混合して流出させるように構成されている。本実施形態においては、温調バルブ12として、主弁体を形状記憶合金バネ及びバイアスバネの付勢力により駆動して温度を調整するタイプのサーモバルブが使用されている。また、温調バルブ12から吐出される湯水の設定温度は、温調バルブ12に連結されたモータ12cを駆動することにより変更することができる。
【0028】
コントローラ26は、操作部6から入力された電気信号に基づいて、各電磁弁及び温調バルブ12に信号を送って、これらを制御するように構成されている。具体的には、コントローラ26は、操作部6からの信号を入力するための入力インターフェイス、制御プログラム、設定温度、設定流量等を記憶する記憶手段であるメモリ、プログラムを実行するマイクロプロセッサ、各電磁弁及び温調バルブを駆動するための出力インターフェイス(以上、図示せず)等から構成される。コントローラ26による制御の詳細は、後述する。
【0029】
温度センサ28は、各定流量弁からの湯水が合流する部分よりも下流側の管路に配置されており、吐水口2aから吐出される湯水の温度を計測するように構成されている。
【0030】
図3及び図4に示すように、操作部6は、操作部の取付面である洗面カウンタ8に取り付けられ、操作ハンドル30と、操作部本体部32と、この操作部本体部32に内蔵された回転及び押圧検出デバイス34と、を有する。さらに、操作部6は、内部に配置された回路基板36と、この回路基板36に実装された複数の光源であるLED38a乃至38fと、回路基板36を覆うカバー部材40と、光源である各LEDからの光を導く光射出部である導光部材42と、各LEDの光を所定の方向に射出させる指向性部材43と、を有する。
【0031】
操作ハンドル30は、使用者によって把持され、押圧される円盤状の円板部30aと、この円板部30aの裏側中央から背面側に突出する軸部30bと、を有する。さらに、円板部30aの外周には洗面カウンタ8に向けて延びる側壁部30cが形成されており、この側壁部30cの内側の、円板部30aの背面側に、回路基板36、カバー部材40等が収納されている。また、側壁部30cの下端と洗面カウンタ8の上面の間には隙間があり、この隙間により、洗面カウンタ8に隣接するように、操作部6の基端部に凹部30dが形成される。
【0032】
操作部本体部32は概ね円筒状の部材であり、その中心軸線に沿って操作ハンドル30の軸部30bが延びると共に、内部に回転及び押圧検出デバイス34が収納されている。また、操作部本体部32の上部には、外方に向けて延びるフランジ部32aが形成されている。さらに、操作部本体部32の外周下部には雄ネジが形成されており、この雄ネジには、操作部固定部材44が螺合される。操作部6は、フランジ部32aと操作部固定部材44の間に洗面カウンタ8を挟むことにより、洗面カウンタ8に固定される。
【0033】
回転及び押圧検出デバイス34は、その中心から突出するスピンドル34aを備えており、このスピンドル34aの先端が、操作ハンドル30の軸部30bの先端に結合されている。スピンドル34aは、回転及び押圧検出デバイス34のデバイス本体34bに対して、回転及び押し込み可能に設けられており、操作ハンドル30の回転操作及び押圧操作を検知できるようになっている。スピンドル34aは、操作ハンドル30が押圧操作されると、デバイス本体34bに押し込まれ、押圧力が作用しなくなると、元の位置に押し戻されるようになっている。回転及び押圧検出デバイス34が回転操作又は押圧操作を検知すると、その検出信号は、コントローラ26に送られる。
【0034】
また、使用者により押圧力が加えられても操作ハンドルが殆ど押し込まれないように、操作部を構成することもできる。この場合には、圧力センサ等により押圧操作を検出することができる。なお、本明細書において、押圧操作とは、使用者の押圧力により操作ハンドルが押し込まれる操作、及び操作ハンドルが殆ど押し込まれない操作の両方を含むものとする。
【0035】
回路基板36は、概ねドーナツ型に形成されており、洗面カウンタ8に対してほぼ平行に延びるように配置されている。回路基板36の洗面カウンタ8と向かい合う側の面には、円周上に6つのLED38a乃至38fが実装されている。また、回路基板36からは、コントローラ26に接続されたリード線36aが延びており、このリード線36aを介して各LED38a乃至38fを発光させるための電力が供給される。
【0036】
カバー部材40は、円板部40aと、この円板部40aの中央から背面側に向かって延びる円筒部40bと、を有し、操作ハンドル30と同心的に配置されている。円筒部40bは操作部本体部32の内部に受け入れられており、円筒部40bの中を貫通するように操作ハンドル30の軸部30bが延びている。円板部40aは、操作ハンドル30の側壁部30cの内周面まで延びて、回路基板36を覆っている。円板部40aの外周と、側壁部30cの内周面との間には、シール部材40cが配置されており、操作ハンドル30とカバー部材40の間の水密性を確保している。
【0037】
導光部材42は、ドーナツ型の透光性平板であり、操作部本体部32のフランジ部32a上面に、洗面カウンタ8と平行に配置されている。これにより、導光部材42の板面は、回路基板36に実装された各LEDと向かい合うように位置する。各LEDから射出された光は、導光部材42の板面からその内部を界面反射よって伝搬し、導光部材42の外周端面42aから放射方向に射出される。このため、各LEDから射出された光は、操作部6の基端部の凹部30dから放射方向に射出される。なお、導光部材42の内部での光の伝播率を上げるために、導光部材42の中心側内面、及び、上下面(LEDと対向する入射面は除く)が反射面となるように表面処理したり、当接面を鏡面材としたりすることが望ましい。
【0038】
指向性部材43は、カバー部材40の円筒部40bを取り囲むように配置された円筒状の円筒壁部43aと、この円筒壁部43aから放射状に延びる8枚の隔壁部43bと、を有する。各隔壁部43bは、中心角約45゜ずつ間隔を空けて設けられており、各LEDは、各隔壁部43bの間に1つずつ配置されている。これにより、各LEDから射出された光は、円周方向に過度に広がることなく、所定の指向性を保ちながら導光部材42から射出される。本実施形態においては、各LEDから射出された光は、中心角約45゜の扇状に射出される。
【0039】
また、本実施形態において、導光部材42には、各隔壁部43bと重なるように、光を透過させない不透明部分(図示せず)が放射状に形成されている。これにより、導光部材42に入射した光の、導光部材42内における円周方向の過度の広がりが防止される。
【0040】
また、コントローラ26は、操作部6からの電気信号に基づいて各電磁弁及び温調バルブ12を制御して、設定された流量及び温度の湯水を吐出させると共に、操作部6に内蔵されているLEDを発光させ、吐水流量を表示する表示手段として機能する。従って、表示手段は、コントローラ26を構成するマイクロプロセッサ等により実現される。
【0041】
コントローラ26に内蔵された表示手段は、吐水されている流量に応じて、操作部6に内蔵された各LED38a乃至38fを発光させる。即ち、本実施形態においては、小流量の場合にはLED38a及び38dを発光させ、中流量の場合はLED38a、38b、38d及び38eを発光させ、大流量の場合は全てのLEDを発光させる。これにより、各LEDから射出された光は、導光部材42の板面から導光部材42内に入射し、導光部材42の外周端面42aから射出され、洗面カウンタ8上に光照射領域を形成する。点灯されるLEDが変更されると、光照射領域が形成される範囲の中心角が変化する。
【0042】
次に、図5及び図6を参照して、本発明の第1実施形態による水栓装置1の作用を説明する。
図5は、操作部6の押圧操作のタイミングを上段に、吐水流量を下段に示したタイムチャートである。図6は、操作部6の周囲に形成される光照射領域の状態を示す平面図である。
【0043】
まず、図5に示すように、止水状態の時刻t1において、操作部6の操作ハンドル30が押圧されると、操作部6に内蔵された回転及び押圧検出デバイス34がこれを検知し、コントローラ26に信号を送る。コントローラ26は、電磁弁に信号を送ってこれを開放させ、吐水を開始させる。また、この際、コントローラ26に内蔵された表示手段は、操作部6に内蔵されたLEDに電力を供給し、これを発光させる。
【0044】
LEDから射出された光は、導光部材42の板面から導光部材42内に入射し、導光部材42の外周端面42aから射出される。導光部材42の外周端面42aから射出された光は、操作部6が取り付けられた洗面カウンタ8に投射され、図6に示すように、操作部6周囲の洗面カウンタ8上に2つの扇状の光照射領域46を形成する。導光部材42の外周端面42aは光を洗面カウンタ8に投射すべく、操作部6の基端部の高さ方向の限られた範囲に帯状に形成されている。そのため、通常の使用状態では外周端面42aの高さ方向よりも洗面カウンタ8によって反射された光の範囲の方が広く使用者に目に入る。
【0045】
更に、光が射出される導光部材42の外周端面42aは、操作部6の基端部に形成された凹部30d内に位置しているので、通常の使用状態においては、光を射出する導光部材42の外周端面42aが使用者の目に触れることは少なく、導光部材42から射出され、洗面カウンタ8によって反射された光が、主に使用者の目に入る。
【0046】
図6に示すように、扇状の光照射領域46は、操作部6を中心として放射状に形成され、LED38a及び38dのみが点灯されている場合には、図6(a)のように各光照射領域46が形成されている範囲の中心角αは小さく、夫々約45゜である。また、光照射領域46は、LED38a、38b、38d及び38eが点灯されている場合には、図6(b)のように各光照射領域46が形成されている範囲の中心角αは中程度であり、夫々約90゜である。さらに、LED38a乃至38fが全て点灯されている場合には、図6(c)のように各光照射領域46が形成されている範囲の中心角αは大きくなり、夫々約135゜である。即ち、使用者は、洗面カウンタ8上の光照射領域46が形成されている範囲の中心角αの大きさの変化によって、水栓装置1の設定状態を知ることができるので、操作部6の取付面である洗面カウンタ8を表示部として機能させることができる。
【0047】
また、図6に示すように、本実施形態においては、各光照射領域46は、扇形の複数の光照射部位の集まりによって形成されている。即ち、LED38a乃至38cによって夫々形成される光照射部位46a乃至46cによって1つの光照射領域46が形成され、LED38d乃至38fによって夫々形成される光照射部位46d乃至46fによってもう1つの光照射領域46が形成される。さらに、光照射部位の集まりによって形成される2つの光照射領域46は、同一円周上に形成されると共に、所定の対称点Oを中心に点対称に形成される。
【0048】
時刻t1において、止水状態から吐水状態に切り換えられると、コントローラ26は、吐水流量に応じて各LEDを発光させる。図5に示す例では、前回の吐水が中流量の状態で停止されていたため、中流量で吐水が開始され、LED38a、38b、38d及び38eが点灯される。これにより、図6(b)のような中程度の中心角の範囲に光照射領域46が形成される。
【0049】
次に、吐水状態の時刻t2において、操作ハンドル30が再び押圧され、そのまま時刻t3まで押し続けられると、コントローラ26は、操作ハンドル30が長押しされたことを認識する。操作ハンドル30が長押しされると、コントローラ26は、大流量用電磁弁18に信号を送ってこれを開放させると共に、中流量用電磁弁16に信号を送ってこれを閉鎖させ、大流量の吐水を開始させる。また、表示手段は、全てのLEDを発光させ、図6(c)のような中心角の大きい光照射領域46を形成させる。これにより、使用者は、流量が大流量に変更されたことを認識する。このように、本実施形態においては、各光照射領域46が形成される範囲の中心角の大きさは、吐水流量設定値に応じて段階的に変化される。
【0050】
さらに、操作ハンドル30が時刻t4まで押し続けられると、コントローラ26は、中流量用電磁弁16を開放させると共に大流量用電磁弁18を閉鎖させ、流量を中流量に戻す。同時に、表示手段は、LED38c、38fを消灯させ、図6(b)のような光照射領域46を形成させる。これにより、使用者は、流量が中流量に変更されたことを認識する。
【0051】
続いて、操作ハンドル30が時刻t5まで押し続けられると、コントローラ26は、小流量用電磁弁14を開放させると共に中流量用電磁弁16を閉鎖させ、流量を小流量に変更する。同時に、表示手段は、LED38b、38eを消灯させ、図6(a)のような光照射領域46を形成させる。これにより、使用者は、流量が小流量に変更されたことを認識する。
【0052】
同様に、操作ハンドル30が時刻t6まで押し続けられると、コントローラ26は、今度は流量を中流量に変更する。このように、コントローラ26は、操作ハンドル30が押し続けられると、増減を繰り返すように流量を変更する。
【0053】
時刻t7において、使用者が押圧操作を止めると、その後、吐水流量は中流量に維持され、図6(b)に示す光照射領域46が維持される。さらに、時刻t8において、操作ハンドル30の通常の押圧操作(長押しでない押圧操作)がなされると、コントローラ26は、中流量用電磁弁16を閉鎖させ止水状態とする。また、表示手段は、全てのLEDを消灯させる。
【0054】
一方、操作ハンドル30が回転操作されると、操作部6に内蔵された回転及び押圧検出デバイス34がこれを検知し、コントローラ26に信号を送る。コントローラ26は、温調バルブ12に信号を送って、回転操作に応じて設定温度を変更する。
【0055】
本発明の第1実施形態の水栓装置によれば、洗面カウンタ上に形成される光照射領域の中心角の変化により、流量設定値が表示されるので、表示部を大型化させることなく、使用者は流量設定値を容易に把握することができる。
【0056】
また、本実施形態の水栓装置によれば、複数の光照射領域が操作部の周囲に形成されるので、種々の方向から容易に表示値を視認することができる。
さらに、本実施形態の水栓装置によれば、複数の光照射領域が対称点に対して点対称に形成されるので、使用者の視認しやすい位置に光照射領域を集めることができる。
【0057】
また、本実施形態の水栓装置によれば、光照射領域の中心角が段階的に変化されるので、流量設定値をより明確に把握することができる。
さらに、本実施形態の水栓装置によれば、光照射領域が複数の光照射部位の集まりによって形成されているので、光照射部位の数によっても流量設定値を把握することができる。
【0058】
また、上述した本発明の第1実施形態においては、吐水流量に応じて光照射領域が形成される範囲の中心角のみが変化されたが、変形例として、中心角と共に光照射領域の色彩が変化されるように本発明を構成することもできる。例えば、上述した第1実施形態において、LED38a及び38dを緑色、LED38b及び38eを青色、LED38c及び38fを赤色とすることができる。
このように構成された本発明によれば、光照射領域の中心角の変化に加え、色彩の変化により流量設定値を視認することができる。
【0059】
また、上述した本発明の第1実施形態においては、複数の光照射部位の集まりによって2組の光照射領域が形成されていたが、変形例として、各光照射領域が連続した一つの扇形として形成されるように本発明を構成することもできる。例えば、上述した第1実施形態において、光照射部位46aと46b、46bと46cの間の隙間、光照射部位46dと46e、46eと46fの間の隙間をなくすことにより、各光照射領域を一体に形成することができる。このような光照射領域は、導光部材に不透明部分を形成しないことにより実現することができる。
【0060】
このように構成された本発明によれば、操作部の周囲に形成される扇形の光照射領域が、周方向に段階的に伸びることによって、流量設定値の増大が表示される。
【0061】
次に、図7乃至13を参照して、本発明の第2実施形態による水栓装置を説明する。本実施形態の水栓装置は、操作部が洗面カウンタではなく、洗面ボウル上に設けられている点、及び操作部の構成が上述した第1実施形態とは異なる。また、本実施形態の水栓装置は、吐水口からの実際の吐水温度を、操作部の周囲に形成される光照射領域によって表示する点も、上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本実施形態の、第1実施形態とは異なる点のみを説明し、同様の点については説明を省略する。
【0062】
図7は、本実施形態による水栓装置全体を示す斜視図である。また、図8は本実施形態による水栓装置の操作部の側面図であり、図9は、図8のIX−IX線に沿う断面図である。さらに、図10乃至図12は、図8のX−X線、XI−XI線、XII−XII線に夫々沿う断面図である。また、図13は、本実施形態による水栓装置の作用を表す平面図である。
【0063】
図7に示すように、本発明の第2実施形態による水栓装置100は、操作部106が洗面ボウル4の手前右側の水平面部に設けられている。従って、本実施形態においては、操作部106の取付面は洗面ボウル4の水平面部であり、射出され光は、洗面ボウル4の水平面部に投射され、この水平面部に光照射領域が形成される。
【0064】
また、本実施形態においては、吐水口2aから吐水される湯水の温度が、吐水口2aに至る途中の管路に設けられた温度センサ28(図2)によって検出され、検出された信号はコントローラ26に送られる。コントローラ26に内蔵された表示手段は、温度センサ28によって検出された信号に基づいて、操作部106に内蔵された各LEDが点灯される。これにより、洗面ボウル4に形成される光照射領域が変化され、吐水温度が表示される。
【0065】
図8及び図9に示すように、操作部106は、操作部の取付面である洗面ボウル4に取り付けられ、操作ハンドル130と、操作部本体部132と、この操作部本体部132に内蔵された回転及び押圧検出デバイス(図8及び9には図示せず)と、を有する。さらに、操作部106は、内部に配置された回路基板136(図10乃至図12参照)と、この回路基板136に実装された3つの光源であるLED138a乃至138cと、回路基板136を覆うカバー部材140と、光源である各LEDからの光を集光させ、射出させる光射出部である3つの集光レンズ142a乃至142cと、各LEDの光の混合を防止するガイド部材143と、を有する。
【0066】
図10乃至図12に示すように、操作ハンドル130は、使用者によって把持され、押圧される円盤状の円板部130aと、この円板部130aの裏側中央から背面側に突出する軸部130bと、を有する。さらに、円板部130aの外周には洗面ボウル4に向けて延びる側壁部130cが形成されており、この側壁部130cの内側の、円板部130aの背面側に、回路基板136、カバー部材140等が収納されている。
【0067】
操作部本体部132は概ね円筒状の部材であり、その中心軸線に沿って操作ハンドル130の軸部130bが延びると共に、内部に回転及び押圧検出デバイスが収納されている。また、操作部本体部132の上部には、外方に向けて延びるフランジ部132aが形成されている。
【0068】
回路基板136は、概ねドーナツ型に形成されており、洗面ボウル4に対してほぼ平行に延びるように配置されている。回路基板136の洗面ボウル4と向かい合う側の面には、円周上に3つのLED138a乃至138cが実装されている。また、回路基板136からは、コントローラに接続されたリード線が延びており、このリード線を介して各LED138a乃至138cを発光させるための電力が供給される。
【0069】
カバー部材140は、円板部140aと、この円板部140aの中央から背面側に向かって延びる円筒部140bと、円板部140aの周縁から洗面ボウル4に向かって延びる外周壁部140cと、を有し、操作ハンドル130と同心的に配置されている。円筒部140bは操作部本体部132の内部に受け入れられており、円筒部140bの中を貫通するように操作ハンドル130の軸部が延びている。円板部140aは、操作ハンドル130の側壁部130cの内周面まで延びて、回路基板136を覆っている。外周壁部140cは、円板部140aの周縁から洗面ボウル4に向かってフランジ部132aの上面まで延び、回路基板136及び各LED等を包囲している。
【0070】
図9に示すように、ガイド部材143は、カバー部材140の円筒部140bを取り囲むように配置されたドーナツ形の部材であり、一部に各LEDを収容するための切欠部が形成されている。この切欠部は、放射方向に延びる2枚の隔壁部143aにより、3つの部屋に区分され、LED138a乃至138cが、各部屋に1つずつ配置されている。
【0071】
さらに、カバー部材140の外周壁部140cには、隔壁部143aによって区分された3つの部屋に対応する位置に光射出孔が夫々設けられており、これらの光射出孔には、集光レンズ142a乃至142cが夫々取り付けられている。この構成により、LED138aから射出された光は集光レンズ142aによって集光されて、洗面ボウル4の水平面部に投射される。同様に、LED138bから射出された光は集光レンズ142bによって、LED138cから射出された光は集光レンズ142cによって水平面部に投射される。なお、各部屋は、隔壁部143aによって区分されているため、各LEDから射出された光は、夫々に対応した集光レンズのみを介して投射され、他の対応していない集光レンズから投射されることはない。
【0072】
また、図10乃至図12に示すように、各集光レンズ142a乃至142cは、洗面ボウル4の水平面部からの高さが異なるように配置されており、洗面ボウル4上に異なる光照射部位を夫々形成するようになっている。
【0073】
次に、図13を参照して、本発明の第2実施形態による水栓装置の作用を説明する。
図13に示すように、本実施形態の水栓装置においては、吐水口から吐出される湯水の温度が温度センサ28(図2)によって測定され、この温度が所定の低温以下である場合には、コントローラ26は、LED138aのみを点灯させる。LED138aから射出された光は、集光レンズ142aを介して洗面ボウル4の上面部に投射され、そこに概ね円形の光照射部位146aが形成される。また、吐出される湯水の温度が所定の低温よりも高く、所定の高温以下である場合には、コントローラ26は、LED138a及び138bを点灯させ、これにより、2つの光照射部位146a及び146bが形成される。
【0074】
このように、本実施形態においては、光照射領域146は、概ね円形の光照射部位の集まりによって構成される。即ち、吐出される湯水の温度が高くなることにより、光照射部位の数が増加し、光照射領域146が形成される範囲の中心角αが大きくなる。さらに、吐出される湯水の温度が所定の高温よりも高い場合には、コントローラ26は、LED138a乃至138cを全て点灯させ、これにより、光照射部位146a乃至146cが形成される。
【0075】
また、本実施形態においては、3つの光照射部位により1つの光照射領域を構成しているが、光照射部位は2つ以上の任意の数にすることができる。さらに、光照射領域146の同一円周上に、図13に想像線で示す3つの光照射部位からなるもう1つの光照射領域が形成されるように、本発明を構成することもできる。また、この例においては、2つの光照射領域が所定の対称軸線Aに対して線対称に形成される。
【0076】
本発明の第2実施形態の水栓装置によれば、洗面ボウル上に形成される光照射領域の中心角の変化により、温度センサによって検出された温度が表示されるので、表示部を大型化させることなく、使用者は、吐水されている湯水の温度を容易に把握することができる。
【0077】
また、上述した実施形態においては、操作ハンドルの内部に配置された各隔壁部が同一の中心角を隔てて配置されており、ほぼ同一の中心角を有する光照射部位が形成されていたが、変形例として、各隔壁部の間の中心角が異なるように隔壁部を配置し、中心角の異なる光照射部位が形成されるようにしても良い。
図14は、光照射部位の中心角が異なる水栓装置の一例を示す図である。図14に示す例においては、光照射部位246a、246dは中心角約30゜、光照射部位246b、246eは中心角約45゜、光照射部位246c、246fは中心角約60゜に構成されている。水栓装置から小流量の湯水が吐出されている場合には、図14(a)に示すように、光照射部位246a、246dが形成され、中流量では図14(b)に示すように光照射部位246a、246b、246d、246eが形成され、大流量では図14(c)に示すように光照射部位246a乃至246fが全て形成される。これにより、吐出流量が増える毎に、光照射領域246が形成される範囲の中心角αは、約30゜、75゜、135゜の順に段階的に変化される。なお、温度設定値又は検出温度を、図14に示すように表示しても良い。
【0078】
さらに、上述した実施形態においては、温度センサによって検出された温度が表示されていたが、変形例として、温度設定値を光照射領域の中心角の変化により表示するように水栓装置を構成することもできる。
【0079】
また、上述した実施形態においては、操作部の取付面近傍から光が射出されていたが、水栓本体の取付面近傍から光を射出させても良い。この場合には、水栓本体の取付面に光が射出され、ここに光照射領域が形成されて、検出温度、温度設定値又は流量設定値が表示される。なお、操作部及び水栓本体は、洗面カウンタ、洗面ボウルの他、任意の取付面に取り付けることができる。
【0080】
また、上述した実施形態においては、点灯させるLEDの数を変化させることにより、光照射領域の中心角を変化させていたが、他の方法により光照射領域を変化させても良い。例えば、レンズ、プリズム、光の反射部材、光の遮蔽部材等の光学系を利用して、形成される光照射領域の中心角を変化させることもできる。
【0081】
さらに、上述した実施形態においては、光照射領域を構成する光照射部位が扇形又は円形にされていたが、光照射部位の形状は、長方形、楕円形等、任意の形状にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1実施形態による水栓装置全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による水栓装置の水栓機能部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態による水栓装置の操作部の断面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による水栓装置の作用を示すタイムチャートである。
【図6】操作部の周囲に形成される光照射領域の状態を示す平面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による水栓装置全体を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態による水栓装置の操作部の側面図である。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図8のX−X線に沿う断面図である。
【図11】図8のXI−XI線に沿う断面図である。
【図12】図8のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】本発明の第2実施形態による水栓装置の作用を表す平面図である。
【図14】本発明の変形例において、操作部の周囲に形成される光照射領域の状態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0083】
1 本発明の第1実施形態による水栓装置
2 水栓本体(スパウト部)
2a 吐水口
4 洗面ボウル
6 操作部
6b 操作部本体部
6c 回転検出デバイス
6d 押圧検出デバイス
8 洗面カウンタ
10 水栓機能部(流量・温度調整手段)
12 温調バルブ
12a 給湯管
12b 給水管
12c モータ
14 小流量用電磁弁
16 中流量用電磁弁
18 大流量用電磁弁
20 小流量の定流量弁
22 中流量の定流量弁
24 大流量の定流量弁
26 コントローラ
28 温度センサ(温度検出手段)
30 操作ハンドル
30a 円板部
30b 軸部
30c 側壁部
30d 凹部
32 操作部本体部
32a フランジ部
34 回転及び押圧検出デバイス
34a スピンドル
34b デバイス本体
36 回路基板
36a リード線
38a〜38f LED(光源)
40 カバー部材
40a 円板部
40b 円筒部
40c シール部材
42 導光部材(光射出部)
42a 外周端面
44 操作部固定部材
43 指向性部材
43a 円筒壁部
43b 隔壁部
46 光照射範囲
46a〜46f 光照射部位
100 本発明の第2実施形態による水栓装置
106 操作部
130 操作ハンドル
130a 円板部
130b 軸部
130c 側壁部
132 操作部本体部
132a フランジ部
136 回路基板
138a〜138c LED
140 カバー部材
140a 円板部
140b 円筒部
140c 外周壁部
142a〜142c 集光レンズ
143 ガイド部材
143a 隔壁部
146 光照射領域
146a〜146c 光照射部位
246 光照射領域
246a〜246f 光照射部位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流量設定機能又は温度設定機能を備えた水栓装置であって、
上記水栓装置を操作するための操作部と、
吐水口が形成されたスパウト部と、
上記スパウト部又は上記操作部が取り付けられた取付面近傍の、上記スパウト部又は上記操作部に配置され、上記スパウト部又は上記操作部から上記取付面に向けて光を照射する光射出部と、
この光射出部から光を射出させることにより、上記取付面上に光照射領域を形成して流量設定値又は温度設定値を表示する表示手段と、を有し、
この表示手段は、上記光照射領域が形成される範囲の、上記スパウト部又は上記操作部を中心とする中心角を変化させることにより流量設定値又は温度設定値を表示することを特徴とする水栓装置。
【請求項2】
温水を吐水可能な水栓装置であって、
上記水栓装置を操作するための操作部と、
吐水口が形成されたスパウト部と、
上記吐水口から吐出される湯水の温度を検出する温度検出手段と、
上記スパウト部又は上記操作部が取り付けられた取付面近傍の、上記スパウト部又は上記操作部に配置され、上記スパウト部又は上記操作部から上記取付面に向けて光を照射する光射出部と、
この光射出部から光を射出させることにより上記取付面上に光照射領域を形成して、上記温度検出手段によって検出された検出温度を表示する表示手段と、を有し、
この表示手段は、上記光照射領域が形成される範囲の、上記スパウト部又は上記操作部を中心とする中心角を変化させることにより、上記検出温度を表示することを特徴とする水栓装置。
【請求項3】
上記表示手段は、上記光照射領域を同一円周上に複数形成する請求項1又は2記載の水栓装置。
【請求項4】
上記表示手段は、上記複数の光照射領域を、所定の対称軸線に対して線対称に形成する請求項3記載の水栓装置。
【請求項5】
上記表示手段は、上記複数の光照射領域を、所定の対称点に対して点対称に形成する請求項3記載の水栓装置。
【請求項6】
上記光射出部は複数の色彩の光を射出可能に構成されており、上記表示手段は、流量設定値、温度設定値、又は検出温度に応じて上記光照射領域の色彩を変化させる請求項1乃至5の何れか1項に記載の水栓装置。
【請求項7】
上記表示手段は、上記光照射領域が形成される範囲の中心角を段階的に変化させる請求項1乃至6の何れか1項に記載の水栓装置。
【請求項8】
上記光照射領域が、複数の光照射部位の集まりによって形成されている請求項1乃至7の何れか1項に記載の水栓装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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