説明

水洗大便器

【課題】後付の補助タンクを用いた場合でも、貯水タンクの基本構造をそのまま使用でき、洗浄水量の増大の要請を満たすと共に補助タンク内への洗浄水の給水及び補助タンクの洗浄水の便器本体への給水を行うことができる水洗大便器を提供する。
【解決手段】本発明の水洗大便器1は、便器本体2と、この便器本体の洗浄をするための洗浄水を貯水する貯水タンク20と、この貯水タンク内の水を吸引して便器本体に供給する加圧ポンプ22と、貯水タンクと加圧ポンプを接続しその吸込口40が貯水タンク内に開口しているポンプ給水管38と、を有し、貯水タンク20には、その底面と貯水時の最高水位WFLとの間の位置に開閉可能な開口20aが形成され、この貯水タンクの開口に後付の補助タンク24の接続口24aが水密固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗大便器に係り、特に、貯水タンクの洗浄水を加圧タンクにより吸引して便器本体へ供給する水洗大便器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水道水の水圧を直接利用することにより、貯水タンクを不要とした、所謂、タンクレス便器が使用されている。このタンクレス便器は、貯水タンク内の洗浄水の重力を用いた便器に比べ便器高さを低くしてコンパクトなものとなっている。しかしながら、このタンクレス便器は、水道水の給水圧が低い地域で使用すると、必要な圧力及び水量を得ることができず、洗浄不良を引き起こすことがあった。
【0003】
そこで、このような問題を解決する便器として、特許文献1には、貯水タンク内の洗浄水を加圧ポンプにより吸引して便器に供給することにより、水道水の給水圧に影響を受けないコンパクトな水洗大便器が提案されている。
【0004】
ここで、便器からの汚物が排出される下水配管として、一般のものより内径が小さいものが使用されている地域では、洗浄水量が少ないと排泄物の流れが停止してしまい、その滞留により下水配管が詰まる恐れが有る。そのため、下水配管を管理する行政側から、設備保護を目的として、洗浄水量の変更、特に、洗浄水量を多くすることが要望されることがある。
【0005】
このような行政側から要望に答えるために、貯水タンクの洗浄水量を変更することができる水洗大便器として、例えば、特許文献2には、貯水タンク内に配置された排水弁の閉止タイミングを排水弁に固定されたフロートの位置でデッドウォータライン(DWL)を調整して、洗浄水量を変更するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4110578号公報
【特許文献2】実用新案登録第3088526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2を含む従来の水洗大便器においては、洗浄水量を多くする要請に対応することができるように、予め十分な貯水タンクの容量を確保しておき、その容量の範囲内で洗浄水量を増減して対応するようにしていた。
一方、上述した特許文献1に示された貯水タンクと加圧ポンプを備えたコンパクトな水洗大便器においては、節水化の要請により、貯水タンク容量が極力小さくなるように設計されており、そのため、特許文献2の技術を適用することができず、洗浄水量を多くする要請に対して、対応することができないものであった。
【0008】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、後付の補助タンクを用いた場合でも、貯水タンクの基本構造をそのまま使用でき、洗浄水量の増大の要請を満たすと共に補助タンク内への洗浄水の給水及び補助タンクの洗浄水の便器本体への給水を行うことができる水洗大便器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の水洗大便器は、便器本体と、この便器本体の洗浄をするための洗浄水を貯水する貯水タンクと、この貯水タンク内の水を吸引して便器本体に供給する加圧ポンプと、貯水タンクと加圧ポンプを接続しその吸込口が貯水タンク内に開口しているポンプ給水管と、を有し、貯水タンクには、その底面と貯水時の最高水位との間の位置に開閉可能な開口が形成され、この貯水タンクの開口に後付の補助タンクの接続口が水密固定されていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、貯水タンクの開口に後付の補助タンクの接続口が水密固定されているので、便器本体の洗浄水量の増大の要請があったときには、貯水タンクの洗浄水量を補助タンクの洗浄水量により補うことができる。また、補助タンクの接続口が固定される貯水タンクの開口を貯水タンクの底面と貯水時の最高水位との間の位置に形成したので、水洗大便器の基本構造をそのまま使用しても、補助タンク内への洗浄水の給水、及び、補助タンクの洗浄水の便器本体への給水を行うことができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、貯水タンクの開口は、ポンプ給水管の吸込口近傍の貯水タンク側面に形成されている。
このように構成された本発明においては、貯水タンクの開口が、ポンプ給水管の吸込口近傍の貯水タンク側面に形成されているので、補助タンクの洗浄水自体が持つヘッド圧に加えて、加圧ポンプの吸込力を効果的に利用することにより、補助タンク内の洗浄水が残留しないように便器本体へ供給することができる。また、補助タンクが貯水タンクより下方設置された場合であっても、加圧ポンプの吸込力により補助タンクの洗浄水を搬出することができるので、必要な洗浄水の容量を確保することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、貯水タンクは、貯水タンク内の上方に設けられ貯水タンク内に供給される洗浄水の水位を検出する上方水位検出手段と、貯水タンク内の下方に設けられ貯水タンク内の洗浄水が加圧ポンプにより上記便器本体へ供給されるときの貯水タンク内の洗浄水の水位を検出する下方水位検出手段を有し、貯水タンクの開口は、ポンプ給水管の吸込口近傍の貯水タンク側面であり且つ下方水位検出手段より下方でポンプ給水管の吸込口より上方の位置に形成されている。
このように構成された本発明においては、貯水タンクの開口が、ポンプ給水管の吸込口近傍の貯水タンク側面であり且つ下方水位検出手段より下方でポンプ給水管の吸込口より上方の位置に形成されているので、加圧ポンプの吸込力により、補助タンク内の洗浄水を効果的に利用することができる。さらに、貯水タンク内の洗浄水の水位が下方水位検出手段により検知されて加圧ポンプが停止しても、加圧ポンプの慣性力により、補助タンク内の下方水位検出手段より下方にある洗浄水が便器本体に供給可能となるので、補助タンクの下方水位の洗浄水も利用することができる。(注:加圧ポンプのエア噛み防止の観点はあえて記載しませんでした。)
【0012】
本発明において、好ましくは、補助タンクの接続口の大きさは、貯水タンクの水位降下速度と補助タンクの水位降下速度がほぼ同じとなるような面積に設定されている。
このように構成された本発明においては、補助タンクの接続口の大きさが、貯水タンクの水位降下速度と補助タンクの水位降下速度がほぼ同じとなるような面積に設定されているので、補助タンクの洗浄水を抵抗が無い状態で排出することができ、補助タンク内の洗浄水を効果的に利用することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、補助タンクは、可撓性を有する。
このように構成された本発明においては、補助タンクが可撓性を有するので、便器本体内に存在する隙間空間内に補助タンクを埋めるように収納することができる。これにより、便器の外観を大きく変えることなく補助タンクを固定することができる。
【0014】
本発明において、好ましくは、補助タンクは、可撓性を有するホースである。
このように構成された本発明においては、可撓性を有するホースを補助タンクとして利用するので、便器本体の隙間空間内へ効果的に収納することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の水洗大便器によれば、後付の補助タンクを用いた場合でも、貯水タンクの基本構造をそのまま使用でき、洗浄水量の増大の要請を満たすと共に補助タンク内への洗浄水の給水及び補助タンクの洗浄水の便器本体への給水を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す側面図である。
【図2】図1に示す水洗大便器の平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す全体構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態による水洗大便器の基本動作を示すタイムチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態による水洗大便器の貯水タンク及び補助タンクを示す平面断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態による水洗大便器の貯水タンク及び補助タンクを示す縦断面図である。
【図7】本発明の第4実施形態による水洗大便器の補助タンクを示す側面図である。
【図8】本発明の第5実施形態による水洗大便器を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による水洗大便器を説明する。
先ず、図1乃至図4により、本発明の第1実施形態による水洗大便器を説明する。図1は、本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す側面図であり、図2は、図1の水洗大便器の平面図であり、図3は、本発明の第1実施形態による水洗大便器を示す全体構成図であり、図4は、本発明の第1実施形態による水洗大便器の基本動作を示すタイムチャートである。
【0018】
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態による水洗大便器1は、便器本体2と、この便器本体2の上面に配置された便座4と、便座4を覆うように配置されたカバー6と、便器本体2の後方上部に配置された局部洗浄装置8と、を備えている。さらに、便器本体2の後方には、機能部10が配置されており、この機能部10はサイドパネル11により覆われている。
【0019】
便器本体2には、汚物を受けるボウル部12と、このボウル部12の底部から延びる排水トラップ管路14と、排水トラップ管路14の下端に接続された配水管15と、ジェット吐水を行うジェット吐水口16と、リム吐水を行うリム吐水口18が形成されている。
ジェット吐水口16は、ボウル部12の底部に形成されており、排水トラップ管路14の入口に指向してほぼ水平に配置され、洗浄水を排水トラップ管路14に向けて吐水するようになっている。リム吐水口18は、ボウル部12の左側上部後方に形成されており、ボウル部12の上縁に沿って洗浄水を吐出するようになっている。
【0020】
本実施形態による水洗大便器1は、洗浄水を供給する水道に直結されており、水道の給水圧力によりリム吐水口18から洗浄水が吐出される。また、ジェット吐水に関しては、後述するように、機能部10に内蔵された貯水タンク20に貯水された洗浄水を加圧ポンプ22により吸引して大流量でジェット吐水口16から吐出させるようになっている。
【0021】
本実施形態においては、貯水タンク20の後面側には、詳細は後述する後付の補助タンク24が着脱自在に固定されている。
【0022】
次に、図3により、本実施形態による水洗大便器1の機能部10を説明する。図3に示すように、機能部10には、水道から洗浄水が供給される給水路25が設けられ、この給水路25には、主な機器として、定流量弁26、ダイヤフラム式の電磁開閉弁28、給水路切替弁30がそれぞれ設けられている。給水路切替弁30の下流側には、リム吐水口18に洗浄水を供給するためのリム側給水路32、及び、貯水タンク20に洗浄水を供給するためのタンク側給水路34が接続されている。
【0023】
ここで、定流量弁26を通過した洗浄水は、電磁開閉弁28を通って、給水路切替弁30により、リム側であるリム給水路32からリム吐水口18へ、又は、タンク側であるタンク側給水路34から貯水タンク20に供給されるようになっている。
これらの電磁開閉弁28の開閉操作、及び、給水路切替弁30の切替操作は、機能部10のコントローラ36により制御される。
【0024】
貯水タンク20と加圧ポンプ22との間にはそれらを接続するポンプ給水路38が設けられており、このポンプ給水路38の上流端には吸込口40が形成されている。また、加圧ポンプ22とジェット吐水口16との間にはそれらを接続するジェット給水路42が設けられている。ここで、加圧ポンプ22は、貯水タンク20に貯水された洗浄水を吸引して、ジェット吐水口16から吐出させるためのものである。加圧ポンプ22の回転数や作動時間等は、機能部10に設けられたコントローラ36により制御される。
また、ポンプ給水路38の貯水タンク20内に位置する部分には、逆止弁であるジェット吐水用フラッパー弁44及び水抜栓46が設けられている。
【0025】
さらに、貯水タンク20の後述する上方フロートスイッチ52よりも上方位置に、その一端が開口し、他端がジェット給水路42に接続されたオーバーフロー流路48が設けられている。このオーバーフロー流路48には、逆止弁であるフラッパー弁50が取り付けられている。
【0026】
次に、貯水タンク20の内部には、上方水位検出手段である上方フロートスイッチ52、及び、下方水位検出手段である下方フロートスイッチ54が配置されている。上方フロートスイッチ52は、貯水タンク20内の水位が所定の上方位置L1に達するとオン(ON)に切り替わり、コントローラ36はこれを検知して、電磁開閉弁28を閉鎖させる。下方フロートスイッチ54は、貯水タンク20内の水位が所定の下方水位L2まで低下するとオン(ON)に切り替わり、コントローラ36はこれを検知して、加圧ポンプ22を停止させる。
【0027】
貯水タンク20の背面側には、貯水タンク20の底面と後述する最高水位であるWFLとの間の位置に開閉可能な開口20aが形成されている。また、この貯水タンク20の開口20aには、後付の補助タンク24の接続口24aが水密固定されている。このように、補助タンク24は、通常は、貯水タンク20に取り付けられていないが、上述した洗浄水量の増大が要請されたような場合に、必要に応じて、貯水タンク20に取り付けられるようになっている。
【0028】
次に、図4により、本実施形態による水洗大便器の基本動作を説明する。なお、このタイムチャートでは、リム吐水の動作を省略している。ここで、本実施形態においては、満水時の水位が、ウォーターフローラインWFL(図3参照)となっている。
【0029】
先ず、図4に示すように、満水状態において、t1で示す時刻で加圧ポンプ22が作動し、ジェット吐水が開始される。このとき、貯水タンク20内の水位がウォーターフローラインWFLを下回る。次に、加圧ポンプ22が作動中でジェット吐水が行われているとき(時刻t2)、貯水タンク20内の水位が上方フロートスイッチ52を下回り、上方フロートスイッチ52がONからOFFとなる。
【0030】
次に、t3で示す時刻において、下方フロートスイッチ54がOFFからONになると、加圧ポンプ22が停止するとともにジェット吐水が終了する。なお、加圧ポンプ22の流量は70L/min程度と比較的多い。従って、便器に供給する水量を一定に保つには時間制御では難しく、下方フロートスイッチ54による検知により、加圧ポンプ22を停止させるようにしている。ここで、貯水タンク20内の水位は、加圧ポンプ22の作動慣性量により下方フロートスイッチ54よりも下方の位置であるウォーターデッドラインWDLとなる。
【0031】
その後、t4で示す時刻において、電磁開閉弁28が作動(OFF→ON)して、貯水タンク20への給水が開始される。このとき、貯水タンク20内の水位は、ウォーターデッドラインWDLである。そして、電磁開閉弁28が作動して所定時間後のt5の時刻に、下方フロートスイッチ54がONからOFFとなる。
【0032】
その後、貯水タンク20内の水位が上方フロートスイッチ52の位置まで上昇すると、上方フロートスイッチ52がONとなり、電磁開閉弁28が停止する。その後、t7の時刻において、水位が満水状態であるウォーターフローラインWFLとなり、一連の洗浄動作が終了する。
【0033】
次に、本発明の第1実施形態による作用を説明する。本実施形態による水洗大便器における基本動作は上述した通りであるので、ここでは、後付の補助タンク20を貯水タンク20に取り付けた場合の作用を説明する。
本実施形態においては、貯水タンク20の開口20aに後付の補助タンク24の接続口24aが水密固定されているので、便器本体2の洗浄水量の増大の要請があったときには、貯水タンク20の洗浄水量を補助タンク24の洗浄水量により補うことができる。また、補助タンク24の接続口24aが固定される貯水タンク20の開口20aを貯水タンク20の底面と貯水時の最高水位WFLとの間の位置に形成したので、水洗大便器1の基本構造をそのまま使用しても、補助タンク24内への洗浄水の給水、及び、補助タンク24の洗浄水のジェット吐水口への給水を行うことができる。
【0034】
次に、図5により、本発明の第2実施形態による水洗大便器を説明する。図5は本発明の第2実施形態による水洗大便器の貯水タンク及び補助タンクを示す平面断面図である。第2実施形態において、第1実施形態と同一構成の部分の説明は省略し、異なる部分のみ説明する。
第2実施形態の水洗大便器においては、貯水タンク20の開口20aが、ポンプ給水管38の吸込口40の近傍の貯水タンク20の側面に形成されている。
【0035】
第2実施形態の水洗大便器によれば、貯水タンク20の開口20aが、ポンプ給水管38の吸込口40の近傍の貯水タンク20の側面に形成されているので、補助タンク24の洗浄水自体が持つヘッド圧に加えて、加圧ポンプ22の吸込力を効果的に利用することにより、補助タンク24内の洗浄水が残留しないようにジェット吐水口16へ供給することができる。また、補助タンク24が貯水タンク20より下方設置された場合であっても、加圧ポンプ22の吸込力により補助タンク24の洗浄水を搬出することができるので、必要な洗浄水の容量を確保することができる。
【0036】
次に、図6により、本発明の第3実施形態による水洗大便器を説明する。図6は本発明の第3実施形態による水洗大便器の貯水タンク及び補助タンクを示す縦断面図である。第3実施形態においても、第1実施形態と同一構成の部分の説明は省略し、異なる部分のみ説明する。
第3実施形態の水洗大便器においては、貯水タンク20の開口20aが、ポンプ給水管38の吸込口40の近傍の貯水タンク20の側面であり且つ下方フロートスイッチ54より下方でポンプ給水管38の吸込口40より上方の位置に形成されている。
【0037】
第3実施形態の水洗大便器においては、貯水タンク20の開口20aが、ポンプ給水管38の吸込口40の近傍の貯水タンク20の側面であり且つ下方フロートスイッチ54より下方でポンプ給水管38の吸込口40より上方の位置に形成されているので、加圧ポンプ22の吸込力により、補助タンク26内の洗浄水を効果的に利用することができる。さらに、貯水タンク20内の洗浄水の水位が下方フロートスイッチ54により検知されて加圧ポンプ22が停止しても、加圧ポンプ22の慣性力により、補助タンク26内の下方フロートスイッチ54より下方にある洗浄水がジェット吐水口16に供給可能となるので、補助タンク26の下方水位の洗浄水も利用することができる。
【0038】
次に、図7により、本発明の第4実施形態による水洗大便器を説明する。図7は本発明の第4実施形態による水洗大便器の補助タンクを示す側面図である。第4実施形態においても、第1実施形態と同一構成の部分の説明は省略し、異なる部分のみ説明する。
第4実施形態による水洗大便器においては、補助タンク24の接続口24aの大きさは、貯水タンク20の水位降下速度と補助タンク24の水位降下速度がほぼ同じとなるような面積(十分に大きな開口面積)に設定されている。
【0039】
第4実施形態による水洗大便器においては、補助タンク24の接続口24aの大きさが、貯水タンク20の水位降下速度と補助タンク24の水位降下速度がほぼ同じとなるような面積に設定されているので、補助タンク24の洗浄水を抵抗が無い状態で排出することができ、補助タンク内の洗浄水を効果的に利用することができる。
【0040】
次に、図8により、本発明の第5実施形態による水洗大便器を説明する。図8は本発明の第5実施形態による水洗大便器を示す側面図である。
第5実施形態による水洗大便器において、補助タンク24として、可能性を有するホース56を用いている。
【0041】
第5実施形態による水洗大便器においては、補助タンク24として、可能性を有するホース56を用いているので、便器本体内に存在する隙間空間内に補助タンクであるホース56を埋めるように収納することができる。これにより、便器の外観を大きく変えることなく補助タンク26を固定することができる。
なお、第5実施形態では、可撓性を有するホースを用いているが、このようなホース以外にも、樹脂製の可撓性パック(袋)を利用しても同様な効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 水洗大便器
2 便座本体
20 貯水タンク
20a 開口
22 加圧ポンプ
24 補助タンク
24a 接続口
38 タンク給水管
40 吸込口
52 上方フロートスイッチ
54 下方フロートスイッチ
56 ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器本体と、
この便器本体の洗浄をするための洗浄水を貯水する貯水タンクと、
この貯水タンク内の水を吸引して上記便器本体に供給する加圧ポンプと、
上記貯水タンクと上記加圧ポンプを接続しその吸込口が貯水タンク内に開口しているポンプ給水管と、を有し、
上記貯水タンクには、その底面と貯水時の最高水位との間の位置に開閉可能な開口が形成され、この貯水タンクの開口に後付の補助タンクの接続口が水密固定されていることを特徴とする水洗大便器。
【請求項2】
上記貯水タンクの開口は、上記ポンプ給水管の吸込口近傍の貯水タンク側面に形成されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項3】
上記貯水タンクは、貯水タンク内の上方に設けられ貯水タンク内に供給される洗浄水の水位を検出する上方水位検出手段と、貯水タンク内の下方に設けられ貯水タンク内の洗浄水が上記加圧ポンプにより上記便器本体へ供給されるときの貯水タンク内の洗浄水の水位を検出する下方水位検出手段を有し、上記貯水タンクの開口は、上記ポンプ給水管の吸込口近傍の貯水タンク側面であり且つ下方水位検出手段より下方でポンプ給水管の吸込口より上方の位置に形成されている請求項1記載の水洗大便器。
【請求項4】
上記補助タンクの接続口の大きさは、貯水タンクの水位降下速度と補助タンクの水位降下速度がほぼ同じとなるような面積に設定されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の水洗大便器。
【請求項5】
前記補助タンクは、可撓性を有する請求項1乃至4の何れか1項に記載の水洗大便器。
【請求項6】
前記補助タンクは、可撓性を有するホースである請求項5に記載の水洗大便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−236201(P2010−236201A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−83194(P2009−83194)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】