説明

水浄化装置

【課題】 水深の浅い水槽内にも設置可能で、水槽内のカビや雑菌、藻等の繁殖、スケール、スライム、赤錆等の生成・付着を効果的に阻止でき、構造が簡単で、清掃時の分解・組立を容易に行うことができる水浄化装置を提供する。
【解決手段】 銅系金属素材からなる矩形状の基板2と、基板2の対向する一組の2辺のそれぞれの縁から下方に屈曲して一体に形成され、基板2をその下方に水が通り抜け可能な隙間を保持して水面下の支持面上に支持する対の脚片3と、基板2の対向する他の一組の2辺のそれぞれの縁に一体に形成された一対のセラミックス板保持片4と、基板2の上面に配置された薄板状の永久磁石を基板2との間で挟持し、一対のセラミックス板保持片4にこれらの対向方向と直交する方向から抜き差し可能に保持される、矩形状の遠赤外線放射機能を有するセラミックス板5と、セラミックス板5を基板2に対して取り外し可能に連結固定する連結具7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却塔(クーリングタワー)の水槽や、プール、公衆浴場等の浴槽のように、繰り返して循環利用される水が貯留される水槽内の水浄化に特に好適な、水浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、冷却塔の水槽等のように循環水が通過する水槽内に、カビや雑菌、藻等が発生したり、あるいは、スケールやスライム、赤錆等が生成・付着することを防ぐために、種々の提案がされている。
【0003】
例えば、特許文献1に提案されている「冷却塔の冷却水の処理方法及びその装置」においては、冷却塔の水槽内のアルカリ性の冷却水中に、銅材と銀材の陽極、及びこれらと対をなす陰極を配置し、これらの陽極と陰極間に通電して冷却水中に銅イオンと銀イオンを溶出させることによって細菌等の微生物の繁殖を防ぐようにしている。
【0004】
また、特許文献2に提案されている「循環装置の殺菌/殺藻装置」においては、冷却塔等の水槽内に投入された陽極となる銅電極棒と銀電極棒と、陰極となるステンレス棒等の金属電極の間に、タイマ手段を介して電源から間欠的に通電して水槽内の水に銅イオンと銀イオンを溶出させると同時に、緑色片岩からなる天然セラミックスと複数のマグネットの併用によって、殺菌と殺藻、及び、水浄化の複合的作用を得るようにしている。
【0005】
さらに、特許文献3に提案されている「循環水浄化装置」においては、複数の銅管の内部に放射線を放射するセラミック製の放射体を設けるとともに、それぞれの銅管の両端部に磁石体を収めてキャップをネジ止めし、これらのキャップをそれぞれ台座に嵌合させて銅管相互に間隔を空けて平行に配列したもので、冷却塔等の水槽内に設置して水槽内にスケールやスライム等が付着することを抑止するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−245478号公報
【特許文献2】特許第4524256号公報
【特許文献3】登録実用新案公報第3163724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した、特許文献1に記載されている装置は、陽極と陰極間に通電して銅イオンや銀イオンを発生させる構造であるため、冷却塔の水槽外部に別途電源やその制御装置を設ける必要があり、また、水槽内の陽極や陰極と外部に設置されているこれらの電源や制御装置との間を配線接続する必要があるため、設置コストが高くなる問題があるとともに、場合によっては、既設の冷却塔の水槽等に後から設置することが構造上困難となる問題があった。
【0008】
また、同文献に記載されている装置においては、冷却水に焼石灰や苛性ソーダ等を添加して、冷却水を常にpH8〜pH9程度のアルカリ性に調整しておく必要があるため、保守に手間がかかる問題もあった。
【0009】
また、特許文献2に記載されている装置においても、別途電源やタイマ手段を水槽外部に設置する必要があり、設置コスト等の面で、前述した特許文献1に記載されているものと同様な問題があった。
【0010】
一方、特許文献3に記載されている装置は、電源は必要としていないため、冷却塔の水槽内に置くだけで簡単に使用することができるが、銅管の外周面のみが周囲の水と接して銅イオンを溶出する構造になっているため、銅管と水との接触面積が制限されて、十分な銅イオンの溶出量が得られない問題があった。
【0011】
また、同文献に記載されているものにおいては、磁石体が発生する磁界や、放射体が発生する放射線によって銅イオンの溶出量の増加を図っているが、磁石体は、銅管の両端部に配置されているので、これらの磁石体が発生する磁界の効果が銅管の両端付近のみに限定されてしまう問題があった。
【0012】
さらに、銅管内に設けられている放射体は、放射性元素や放射性鉱物を含む特殊なセラミックであるため、入手が困難で且つ原料コストが高くなるとともに、人体の健康に影響を及ぼす虞もあった。
【0013】
また、前述した各特許文献に記載されている従来の水浄化装置は、何れも装置のメンテナンスの容易さについては特に配慮されておらず、構造上、分解掃除に手間と時間がかかる問題があった。また、これらの各特許文献に記載されている従来装置は、何れも構造上水深が浅い水槽では、装置の一部が水面から露出して、十分に機能を果たせなくなる虞があった。
【0014】
そこで、本発明は、前述したような従来技術における問題点を解消し、水槽内のカビや雑菌、藻等の繁殖、スケール、スライム、赤錆等の生成・付着を効果的に阻止することができ、構造が簡単で、清掃時の分解・組立を容易に行うことができるとともに、水深の浅い水槽内にも設置可能な水浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的のために提供される本発明の水浄化装置は、水中に銅イオンを溶出する銅系金属を素材とする矩形状の基板と、前記基板の対向する一組の2辺のそれぞれの縁から下方に屈曲して一体に形成され、当該基板をその下方に水が通り抜け可能な隙間を保持して水面下の支持面上に支持する対の脚片と、前記基板の対向する他の一組の2辺のそれぞれの縁から上方に屈曲して一体に形成された垂直部と、これらの垂直部の上縁からそれぞれ基板内側に屈曲して一体に形成された水平部からなる一対のセラミックス板保持片と、前記基板の上面に配置され、厚み方向に着磁されてなる少なくとも一つの薄板状又はシート状の永久磁石と、前記永久磁石を基板との間で挟持し、前記一対のセラミックス板保持片にこれらの対向方向と直交する方向から抜き差し可能に保持される、矩形状の遠赤外線放射機能を有するセラミックス板と、前記セラミックス板を基板に対して取り外し可能に連結固定する連結具とを備えたものである。
【0016】
本発明の水浄化装置においては、連結具が基板4隅近傍に形成された結束バンド通し孔と、セラミックス板の4隅近傍で前記基板の各結束バンド通し孔と重なる位置に形成された結束バンド通し孔のそれぞれを個別に貫通する結束バンドであることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載した発明に係る水浄化装置によれば、銅係金属素材からなる基板に脚片とセラミックス板保持片が一体に形成されて、これらが単一部品として構成されているとともに、基板上に永久磁石とセラミックス板を重ねて連結部材で固定した、部品点数が少ない極めて簡単な構造であるため製造が容易であり、製造コストを安くできる。
【0018】
また、脚片やセラミックス板保持片を基板とは異なる金属素材で別に製作した場合には、基板との接合部分で金属どうしのイオン化傾向の差による腐食が発生する虞がある。しかしながら、本発明の水浄化装置においては、これらの脚片やセラミックス保持片を基板と一体に同じ銅係金属素材で形成しているため、そのような虞はなく、しかも、これらの部分からも銅イオンを溶出させることができるため、水中へ銅イオンを溶出させる有効面積を可及的に増やすことができる。
【0019】
また、厚み方向に着磁された少なくとも一つの薄板状又はシート状の永久磁石を基板上面に配置しているため、永久磁石の磁界を基板周囲に有効に作用させて、銅イオンの溶出を促進することができ、セラミックス板が放射する遠赤外線の作用と併せて、水槽内のカビや雑菌、藻等の繁殖、スケール、スライム、赤錆等の生成・付着の阻止のために、優れた効果を発揮することができる。
【0020】
さらに、基板とセラミックス板の間に薄板状又はシート状の永久磁石を挟み込んだ構造であるため、水槽底面のような支持面からの高さを可及的に低く設計することが可能であり、水深の極めて浅い水槽等においても、装置全体を水中に没入させて使用できるため、効果を支障なく発揮することができる。
【0021】
また、本発明の水浄化装置の分解掃除を行う場合には、連結具を外すだけで、セラミックス板を一対のセラミックス板保持片の対向方向と直交する方向から抜き出すことによって、セラミック板と永久磁石を基板から簡単に分離することができ、それぞれの掃除を簡単に行うことができる。
【0022】
請求項2に記載した発明に係る水浄化装置によれば、セラミックス板を基板に対して取り外し可能に連結固定する連結具に、低価格で入手が容易な電気配線等の結束に使用する結束具を用いているため、分解掃除等の際に基板からセラミックス板を容易に分離することができるとともに、セラミックス板と基板にはそれぞれ結束バンド通し孔のみを加工するだけで済むので、製造工程を簡略化でき、製造コストのさらなる低減を図ることができる。
【0023】
また、結束バンドは、分解掃除の際に紛失しても、代替品が簡単に入手できるとともに、分解掃除を行う度に新品と付け替えることが可能であるため、保守が容易であるとともに信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の水浄化装置を、冷却塔の水槽内に設置した例を模式的に示す冷却塔の縦断面図である。
【図2】本発明の水浄化装置の1実施形態を示す斜視図である。
【図3】図2に示す水浄化装置の分解斜視図である。
【図4】図2に示す水浄化装置の水槽内に設置した状態における横断面図である。
【図5】図2に示す水浄化装置に用いられる永久磁石の断面構造を示す図である。
【図6】図2に示す水浄化装置における結束バンドの使用状態を示す部分斜視図である。
【図7】図2に示す水浄化装置における結束バンドの使用状態を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の水浄化装置を、冷却塔の水槽内に設置した例を模式的に示した冷却塔の縦断面図であって、同図に示すように、本発明の水浄化装置1は、冷却塔aの下部に形成されている水槽bの水中に沈めてその底面G(支持面)上に設置されている。
【0026】
冷却塔aは、上方に設けられたファンcによって、内部の空気を上端の吹出口dから排気することで、側面のルーバーeを通して外気を吸い込むようになっており、また冷却塔a内へ管路fを通して外部の空調装置等の冷却に使用されて高温になった水が送り込まれ、ファンcの下方に配置された散水管gに設けられた図示しない多数のノズル孔から下方に向けて散水される。
【0027】
散水管gから散水された水は、途中、図示していない熱交換部を通過して水槽b内へ流下するが、熱交換部を通る際に、冷却塔a内へ取り込まれた外気によって冷却される。こうして水槽bへ回収された水は、管路hから図示していないポンプにより取り出されて再び前記空調装置等の冷却水として循環利用される。
【0028】
図2は、水浄化装置1の斜視図、図3は、その分解斜視図、さらに図4は、水浄化装置1を前述した図1における水槽bの底面(支持面)G上に設置している状態を示す横断面図である。
【0029】
図2及び図3に示すように、水浄化装置1は、矩形状の基板2を有している。この基板2の素材には銅が用いられていて、その長手方向に対して左右両側で対向する一組の2辺には、それぞれの縁から下方に直角に屈曲して基板2と一体に形成された一対の脚片3が設けられている。
【0030】
これらの脚片3は、図4に示すように、水浄化装置1を水槽内に設置したときに、基板2と水槽の底面G(支持面)との間に、長手方向に水が通り抜け可能な隙間Sを確保するとともに、基板2を底面Gに安定に支持する役割を果たしている。
【0031】
なお、本実施形態のものにおいては、脚片3は、基板2の長手方向両側の2辺の全長に亘って連続して設けているが、この構造に限定するものではなく、前記隙間Sを前記長手方向と直交する方向にも水が通り抜けられるように、例えば、基板2の長手方向の中間部分は省いて、基板2の長手方向両端付近に左右一対ずつ設けて、基板2の4隅を支持する構造にしてもよい。
【0032】
一方、図2及び図3に示すように、基板2の長手方向前後で対向する他の一組の2辺のそれぞれには、これらの縁から上方に直角に屈曲して基板2と一体に形成された垂直部4Aと、これらの上縁からそれぞれ基板2の内側に屈曲して一体に形成された水平部4Bからなる、セラミックス板保持片4が設けられている。
【0033】
前記一対のセラミックス板保持片4間には、基板2上面に略重なるサイズの矩形状輪郭を有するセラミックス板5が保持されている。前記セラミックス板5は、水の浄化等に一般に使用される、遠赤外線放射特性に優れたセラミックスを素材として作られている。
【0034】
本実施形態のものにおいては、セラミックス板5は、強度を持たせるため、上方に湾曲して立ち上がった周縁部5Aを有するトレイ状に形成されているとともに、その表裏両面には、長手方向に並行する多数の横断面波状の凹凸5Bが設けられている。
【0035】
これらの凹凸5Bを設けることにより、周縁部5Aとともにセラミックス板5の強度を高めることができ、水浄化装置1を分解して掃除を行う際等に、不用意にセラミックス板5に力を加えて破損する事故を防ぐことができるとともに、遠赤外線を放射する有効面積を増加させることができる。
【0036】
基板2の上面とセラミックス板5の下面間には、輪郭が正方形状をした薄板状の永久磁石6が配置されている。本実施形態のものにおいては、永久磁石6は2つ用いられており、図3に示すように、基板2の長手方向の前後両端付近の幅方向中央位置に配置されるようになっている。
【0037】
図5は、これらの永久磁石6の断面構造を示す図であって、同図に示すように、永久磁石6は、片側の面がN極、反対側の面がS極になるように厚み方向に着磁されているフェライト磁石からなる磁石本体6Aの外面全体に、樹脂の防水被覆6Bを施した構造になっていて、前記防水被覆6Bによって、磁石本体6Aが水と直接接触して錆びることを防止している。
【0038】
これらの永久磁石6は、基板2の上面の前部と後部にそれぞれ3箇所ずつ突出形成されている位置決め突起2Aと垂直部4Aの内面が各辺の縁と当接することで、基板2に対すて水平面内の移動が規制されて定位置に保持されている。
【0039】
また、図4に示すように、水浄化装置1として組み立てられた状態においては、それぞれの永久磁石6の上面はセラミックス板5の下面に当接しているため、これらの位置決め突起2Aを乗り越えて側方へずれたり脱落してしまうことはない。
【0040】
なお、図3においては、基板2の上面中央部分のみ図示し、また、図4においては図示を省略しているが、銅製の基板2の上面と下面の略全体には、多数の凹凸2Bが形成されている。
【0041】
これらの凹凸2Bは、本実施形態のものにおいては、エンボス加工によって形成されており、基板2の上面あるいは下面の一方が凸状の球面、他方が凹状の球面となっていて、基板2と水との接触面積を増やすことにより、基板2の上下両面から水中へ溶出する銅イオンの量の増加を図っている。
【0042】
また、基板2とセラミックス板5は、図3に示すように、基板2の4隅近傍にそれぞれ形成された結束バンド通し孔2Cと、セラミックス板5の4隅近傍にそれぞれ形成された結束バンド通し孔5Cに、それぞれ連結具としての結束バンド7を個別に貫通させることによって連結固定されている。
【0043】
なお、ここで用いている結束バンド7は、電気配線等の結束用等に市販されて広く用いられている、柔軟に屈曲する樹脂製のバンドで、一方の端を他方の端に設けられている孔に差し込むと、バンドの片面に形成されている鋸歯状の歯に、他方の端の孔に形成されている係合突起が弾性係合して逆戻りが阻止される構造のものである。
【0044】
図6は、水浄化装置1における前記結束バンド7の使用状態を示す部分斜視図、図7は部分断面図であって、これらの図に示すように、それぞれの脚片3の下縁部の両端近傍位置の結束バンド通し孔2Cと整合する位置には、切欠部3Aが形成されている。
【0045】
結束バンド7は、その一端を切欠部3Aから脚片3の内側を通してから基板2の結束バンド通し孔2Cを通し、さらに、セラミック板5の結束バンド通し孔5Cを通して周縁部5Aから外側に引き出して、他端に形成されている孔に差し込んで固定している。
【0046】
なお、本実施形態の水浄化装置1では、基板2とセラミック板5を結束バンド7で連結した後、結束バンド7の他端の孔からはみ出した余分な長さの部分は、周囲の物体に引っかからないように切り詰めてある。
【0047】
前述したように構成されている水浄化装置1は、図4に示すように水中に設置すると、銅製の基板2から水中に銅イオンが溶出して、この銅イオンが、水槽内のカビや雑菌、藻等の繁殖を阻止する。
【0048】
また、セラミック板が放射する遠赤外線と永久磁石6が生成する磁場Hによって周囲の水が活性化されることで、水槽内へのスケール、スライム、赤錆等の生成・付着が阻止されるとともに、基板2等を構成する銅素材から水中に溶出する銅イオンのを量を増加させる効果が得られる。
【0049】
前述した水浄化装置1を分解して掃除する場合には、これらの結束バンド7をカッター等で切断して基板2とセラミック板5の連結を解いてから、図3に示す状態に基板2の側方へセラミック板5を引き抜き、永久磁石6を基板2から取り外した後、それぞれの部分に付着した汚れを洗浄することができる。
【0050】
なお、前述した実施形態の水浄化装置1においては、銅製の基板2の上面と下面の略全体にエンボス加工によって多数の球面状の凹凸2Bを形成しているが、これらの凹凸2Bは省略してもよく、また、球面状の凹凸2Bに代えて線状や網目状等、種々のパターンの凹凸を形成して銅イオンが溶出する有効面積の増加を図ってもよい。
【0051】
また、本実施形態の水浄化装置1においては、前記セラミックス板5を基板2に対して取り外し可能に連結固定するための連結具として、電気配線等の結束に用いられている樹脂製の結束具7を用いているが、連結具はこれに限定するものではなく、結束具7に代えて、例えば、耐水性のある紐や耐錆性のある針金を用いても良いし、また、ボルトとナットでセラミックス板5と基板2との間を連結するようにしても良い。
【0052】
また、本実施形態のものにおいては、永久磁石6の磁石本体6Aに板状のフェライト磁石を使用しているが、これに代えて、より強力なネオジム等の永久磁石を用いてもよく、また、フェライトやネオジム等の永久磁石粉をゴムシートに練り込んだシート状の磁石を用いてよい。さらに、基板2上に配置する磁石は、本実施形態のもののように、2つに限定するものではなく、少なくとも1つ以上、適宜の枚数やサイズのものを用いることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の水浄化装置は、冷却塔の水槽内や、プール、公衆浴場等の浴槽等で利用可能であり、さらに、グリーストラップ内に設置して臭気の発生を防止したり、池の浄化等にも利用することが可能である。
【0054】
また、本発明の水浄化装置は、水深の浅い水槽に特に好適に用いることができるが、水深が深く貯水量が多い水槽等においても、例えば、水槽内に多段の棚を設置して、上下に複数台配置することで対応が可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 水浄化装置
2 基板
2A 位置決め突起
2B 凹凸
2C 結束バンド通し孔
3 脚片
3A 切欠部
4 セラミックス板保持片
4A 垂直部
4B 水平部
5 セラミックス板
5A 周縁部
5B 凹凸
5C 結束バンド通し孔
6 永久磁石
6A 磁石本体
6B 防水被覆
7 結束バンド(連結具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に銅イオンを溶出する銅系金属を素材とする矩形状の基板と、
前記基板の対向する一組の2辺のそれぞれの縁から下方に屈曲して一体に形成され、当該基板をその下方に水が通り抜け可能な隙間を保持して水面下の支持面上に支持する対の脚片と、
前記基板の対向する他の一組の2辺のそれぞれの縁から上方に屈曲して一体に形成された垂直部と、これらの垂直部の上縁からそれぞれ基板内側に屈曲して一体に形成された水平部からなる一対のセラミックス板保持片と、
前記基板の上面に配置され、厚み方向に着磁されてなる少なくとも一つの薄板状又はシート状の永久磁石と、
前記永久磁石を基板との間で挟持し、前記一対のセラミックス板保持片にこれらの対向方向と直交する方向から抜き差し可能に保持される、矩形状の遠赤外線放射機能を有するセラミックス板と、
前記セラミックス板を基板に対して取り外し可能に連結固定する連結具ととを備えたことを特徴とする水浄化装置。
【請求項2】
連結具が基板4隅近傍に形成された結束バンド通し孔と、セラミックス板の4隅近傍で前記基板の各結束バンド通し孔と重なる位置に形成された結束バンド通し孔のそれぞれを個別に貫通する結束バンドであることを特徴とする請求項1に記載の水浄化装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−81877(P2013−81877A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−221792(P2011−221792)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【特許番号】特許第4885329号(P4885329)
【特許公報発行日】平成24年2月29日(2012.2.29)
【出願人】(511242373)株式会社光輝 (1)
【Fターム(参考)】