説明

水溶性担体を持つコアを含むペレット

水溶性担体及びその中に均一に分布した活性成分を含む約1.4未満の長さ/幅比を持つペレットが供給される。以下の試験が行われた場合に、このペレットは崩壊して、肉眼で識別できるペレット構造を消失し、小さなフラグメントになる:(a)200から800mgのペレットを0.5mlの脱塩水と共にペトリ皿に入れる、(b)その後直ちに、ペトリ皿をタンプリング容積測定装置の測定シリンダーホルダーに固定する、(c)10秒後、30回のタンプリング操作を行う、(d)その直後、ペレットの写真を撮る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は経口医薬製剤及びその製法に関する。特に、本発明は、水溶性賦形剤及び活性物質を含む球状のペレットに基づく製剤に関する。また、本発明は、医薬製剤を製造するために使用することができるニュートラルペレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の出発核物質に活性物質を含むコーティングを施すことにより医薬ペレットを製造することは既知である。さらに、追加のコーティングを該ペレットに施すことも知られている。例えば、糖の結晶又はショ糖/澱粉のペレットは出発核物質として使用される。二酸化珪素のような他の物質から作られる出発核物質もまた提案されている。しかし、既知の出発核物質の特性は必ずしも満足なものではない。特に、既存の出発核物質は、水性媒体と接触した場合に、良くてもゆっくり崩壊するので、一部の投与形態には全く不適当であるという欠点を持っている。したがって、ペレットが速やかに完全に崩壊することが重要であるような投与形態は、従来の出発核物質では製造することができない。また、出発核物質のほかの性質は遺憾な点がいくつかある。即ち、従来のペレットは理想的な球状形態からはかけ離れていることが多い。このことが、活性物質及び他のコーティングの層を適用することを困難にしている。
【0003】
したがって、改善された性質を持つ新たなスターターペレット(ニュートラルペレット、又は短時間用ペレット)の開発に対するニーズがある。特に、球状であり、経口投与形態に対する更なる処理、特に活性物質を急速に放出する形態に処理するのに適しているスターターペレットが製造されなければならない。
【0004】
また、錠剤又はカプセルのような固体投与形態の経口投与は、特に子供及び高齢者ではこのような製剤は嚥下が容易でないというような問題がしばしばあるという背景に対して考慮しなければならない。このことは、頻繁に不適切な服薬遵守を生じさせる。これは、病気の性質のために嚥下が困難である患者に特に当てはまる。さらに、錠剤及びカプセルは、この固形製剤が胃に確実に到達するように充分に大量の液体と共に服用する必要がある。患者はこれを必ず守るとは限らない。しかし、充分な量の液体無しで、カプセル又は錠剤のような従来の製剤を服用することは、食道を傷つける原因になる可能性がある。最後に、乗り物酔い、頭痛又はアレルギー症状のような急性の苦痛のために患者が薬物を服用したい時に、必ずしも水や適当な飲み物が手に入るとは限らない。
【0005】
したがって、通常の錠剤又はカプセルを容易に嚥下できない、特に液体無しでは服用できない患者によって容易に服用できる医薬品形態の開発に対するニーズがある。
【0006】
さらに、従来の製剤では、活性物質の放出が遅延することが多い。一部の場合には、事実好ましいが、特に、舌下使用の製剤のように口の中で活性物質の放出が生じているような製剤の場合には、放出の遅延は欠点ともなり得る。したがって、特に液体無しで服用しても、活性物質が急速に放出される製剤に対する要求もある。
【0007】
先行技術はその様な投与形態に対して種々の提案をしているが、それらは必ず欠点がある。例えば、WO 98/06385 A1は、1回以上コーティングした粒子を含む嚥下し易い経口医薬品形態を記述し、コーティング層の状態に一層正確な条件を課さなければならないことを記述している。結果として、この文献に従って医薬品形態を調合し、製造することは必然的にかなり複雑である。
【0008】
さらに、医薬品のための発泡性製剤が、先行技術で提案されている。例えば、WO 99/59553 A1は、COドナーとCO放出酸性成分の発泡性混合物、活性物質及びその他の賦形剤を含む発泡性製剤を記述している。この組成物は、複雑な製造段階を必要とする。さらに、発泡性製剤は、保存安定性に関する欠点を持っている。
【0009】
本発明の目的は、上記の欠点を回避しながら、特に液体がなくても、容易に服用できる経口医薬製剤を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、摂取後直ちに活性物質を放出する経口医薬製剤を提供することである。
【0011】
さらに、本発明は、医薬製剤の製造方法を提供することも目的としている。
【0012】
本発明によれば、特に、そのうちの少なくとも一つは活性物質を含む1以上の層を適用することにより、医薬製剤を製造するために使用することができるニュートラルペレットも提供される。
【0013】
前記の目的を達成するために、本発明に従って、水溶性賦形剤及びその中に均一に分布した活性物質を含有するコアを含む、約1.4未満の長さ/幅の比を持つ、医薬ペレットが製造される。
【0014】
さらに、本発明によれば、水溶性賦形剤を含む約1.4未満の長さ/幅の比を持つペレットであって、以下の試験が行われた場合に、肉眼でペレット構造を認識できないより小さなフラグメントに崩壊するペレットが製造される:(a)200から800mgのペレットをペトリ皿中に0.5mlの脱塩水と共に入れる;(b)その直後、このペトリ皿をタンピング容積測定装置(tamped-volume measuring instrument)の測定シリンダーホルダーに固定する;(c)10秒後、30回のタンピング操作を行う;(d)その直後、ペレットの写真を撮る。
【0015】
さらに、本発明によれば、上記のタイプの医薬ペレットの製造方法であって、
(a)粉末出発原料の製造;
(b)医薬として受容し得る液体希釈剤を使用する粉末出発原料のペレット化;
(c)得られたペレットの乾燥
の工程を含む、製造方法が提供される。
【0016】
本発明の別の態様によれば、コアとして上記し、以下により詳細に記述されるペレットと、当該コアに適用される、少なくともその一つが活性物質を含む1以上の層とを含む医薬ペレットが製造される。
【0017】
本発明は、以下に種々のペレット化製品の崩壊性を説明する図を参照してより詳細に記述される。このために、それぞれの場合に、特定の量のペレットをペトリ皿に0.5mlの脱塩水と共に入れた。その直後に、ペトリ皿をタンピング容積測定装置の測定シリンダーホルダーに固定した。10秒後、30回のタンピング操作を行った。その直後、ペレットの写真を撮った。その結果を図に示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
活性物質を含む医薬ペレット及び活性物質を含有しないニュートラルペレット(スターターペレット)は、本発明に従って製造される。
【0019】
本発明によるペレットは、長さ/幅の比(すなわち、90°の角度で測定したペレットの長さ(最も長い径)を幅(最も短い径)で割った比)が約1.4未満、好ましくは約1.3未満、さらに好ましくは1.2未満、さらに好ましくは1.1未満、特に約1.05未満の球状粒子である。
【0020】
このペレットは、典型的に、0.01から5mmの範囲の大きさを持つ。好ましくは、大きさは0.1から1mm、特に0.1から0.6mmの範囲である。特別に好ましい範囲は0.2から0.6mmである。0.3から0.5mmの範囲がさらに好ましい。
【0021】
ペレットのコアは、水溶性賦形剤を含む。水溶性糖類は特に適している。例として以下を挙げることができる:デキストラン、デキストリン、デキストロース(グルコース)、フルクトース、乳糖、マルトデキストリン、マンニトール、スクロース、ソルビトール及びキシリトール。糖アルコールは好ましい。好ましくは、非吸湿性の賦形剤が使用される。マンニトール、及びマンニトールと1以上の上記賦形剤の混合物は特に好ましい。マンニトールは中でも特に好ましい。
【0022】
本発明によるペレットの中の賦形剤の量に関しては特別な制限はない。典型的には、コアの全成分の乾燥重量に基づいて、重量で50パーツ以上、特に重量で70パーツ以上、である。
【0023】
本発明の組成物は、経口で投与できる治療上及び/又は予防上有効な物質(活性物質)のような基本的に生物学的に活性な物質の投与に適している。活性物質のクラスの例は、鎮痛薬、COX−2阻害薬、制酸薬、抗喘息薬、気管支拡張薬、抗生物質、向精神薬、抗リューマチ薬、抗糖尿病薬、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗低血圧薬、鎮咳薬、抗高血圧薬、緩下剤、粘液溶解薬、去痰薬、Hブロッカー、局所麻酔薬、鎮吐薬、消化管運動改善薬、抗高脂血症薬、抗偏頭痛薬、交感神経刺激薬、ビタミン及びミネラルである。活性物質の好ましいクラスは、鎮痛薬、抗偏頭痛薬、抗アレルギー薬、向精神薬及びビタミン及びミネラルである。
【0024】
鎮痛薬の例は、イブプロフェン、ケトプロフェン、パラセタモール及びアセチルサリチル酸である。COX−2阻害薬の例は、ニメスリド、メロキシカム、ナプロキセン、プロピフェナゾン及びメタミゾールである。制酸薬の例はヒドロタルサイト、マガルドレート及び炭酸カルシウムである。抗喘息薬及び気管支拡張薬の例は、サルブタモール、ツロブテロール、テルブタリン、クロモグリク酸、ケトチフェン、及びテオフィリンである。抗生物質の例は、キノロン、テトラサイクリン、セファロスポリン、ペニシリン、マクロライド、スルホンアミド及びポリペプチドである。
【0025】
向精神薬の例は、ベンゾジアゼピン、ハロペリドール、アミトリプチリン及びカルバマゼピンである。抗リューマチ薬の例は、フェニルブタゾン、インドメタシン、ジクロフェナク及びピロキシカムである。抗糖尿病薬の例は、メトホルミン、グリベンクラミド、アカルボース及びグリソキセピドである。抗アレルギー薬及び抗ヒスタミン薬の例は、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、クレマスチン、バミピン及びセチリジンである。抗低血圧薬の例は、エチレフリン、ノルフェネフリン及びメシル酸 ジヒドロエルゴタミンである。鎮咳薬の例は、コデイン、デキストロメトルファン、クロブチノール及びドロプロピジンである。抗高血圧薬の例は、プロプラノロール、アテノロール、メトプロロール及びプラゾシンのようなベータ遮断薬、ニフェジピン、ニトレンジピン、ジルチアゼム、ベラパミル、フェロジピン及びニモジピンのようなカルシウム拮抗薬である。緩下剤の例はピコ硫酸ナトリウム、ラクチュロース及びラクチトールである。粘液溶解薬及び去痰薬の例は、アンブロキソール、ブロムへキシン、グアイフェネシン、アセチルシステイン及びカルボシステインである。Hブロッカーの例は、ラニチジン、ファモチジン及びピレンゼピンである。局所麻酔薬の例はベンゾカイン、リドカイン及びプロカインである。制吐薬及び消化管運動改善薬の例は、メトクロプラミド、ドンペリドン、メクロジン及びジメンヒロリナートである。抗高脂血症薬の例は、フェノフィブラート、ベザフィブラート、プラバスタチン及びフルバスタチンである。抗偏頭痛薬の例は、カフェイン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴタミン、スマトリプタン及びピゾチフェンである。交感神経刺激薬の例は、プソイドエフェドリン及びフォレドリンである。
【0026】
活性物質の好ましいグループは、ゾルミトリプタン、アセチルサリチル酸、リザトリプタン、リスペリドン、セレギリン、オランゼピン、セチリジン、オンダンセトロン、ロペラミド、ブプレノフィン、ミルタザピン、アポモルフィン及びピロキシカムを含む。
【0027】
活性物質の医薬として適合する塩又はエステルも本発明に従って使用することができる。
【0028】
好ましい態様に従って、活性物質の良好な水溶性誘導体(塩又はエステル)が使用される。
【0029】
本発明によるペレットは、低用量の活性物質、舌下で生体に利用される活性物質、急速な作用発現が求められる活性物質、及び患者の服薬遵守を改善することが重要である活性物質の場合に、特別な利点を提供する。
【0030】
本発明によれば、活性物質は、二つ以上の物質の組合せであってもよく、これらは好ましくは前記の薬物から選択される。
【0031】
本発明による医薬ペレット中の活性物質の量に関しては特別の制限はない。典型的に、ペレットは、コアの全成分の乾燥重量100重量部に基づいて、50重量部以下、好ましくは30重量部以下の活性物質を含む。活性物質の含量について、特に好ましいのは1から20重量部の間であり、例えば上記に基づいて、3から10重量部の間である。
【0032】
既に説明したように、本発明によるペレットは、水溶性賦形剤及びその中に均一に分布した活性物質を含有するコアを含む。好ましい態様によれば、このコアは、その具体例が上に示されている二つの成分からなる。
【0033】
さらに好ましい態様に従って、このコアは、その他の成分として、少なくとも一つの水溶性結合剤を含む。この水溶性結合剤は、好ましくはカルボキシメチルセルロースカルシウム、アクリル酸に基づくポリマー(カルボポール)、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール(マクロゴール)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチル澱粉ナトリウム、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックポリマー(ポロキサマー)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン(ポビドン)及び澱粉を含むグループから選択される。好ましい結合剤は、ゼラチン、カルボキシメチルセルロースナトリウム及びポリビニルピロリドン(ポビドン)を含む。ポリビニルピロリドンは中でも特に好ましい。ポリビニルピロリドン(ポビドン)は、例えばCollidon 30のように、適当な形で市販品を入手できる。
【0034】
ペレットコアが結合剤を含む場合には、その量は、コアの全成分の乾燥重量100重量部に基づいて、好ましくは20重量部以下、特に10重量部以下、さらに好ましくは5重量部以下、特に2重量部以下、中でも特に好ましくは1重量部以下である。結合剤の量の好ましい範囲は、0.5から20重量部、特に0.5から10重量部、さらに好ましくは0.5から5重量部、特に0.5から2重量部、中でも特に好ましくは0.5から1重量部である。
【0035】
他の好ましい態様に従って、このペレットは水に不溶であるが膨潤する結合剤を含む。例えば
クロスポビドン
アルギン酸
硫酸カルシウム
カルボキシメチルセルロースカルシウム
カルボキシメチルセルロースナトリウム
微結晶セルロース
粉末化セルロース
クロスカルメロースナトリウム
改良セルロースガム
グアーガム
ヒドロキシプロピルセルロース
メチルセルロース
アルギン酸ナトリウム
澱粉グリコール酸ナトリウム
澱粉(トウモロコシ、ジャガイモ、コメ、タピオカ、コムギ)
ゼラチン化澱粉、ゼラチン化トウモロコシ澱粉
アミロース
アミロペクチン澱粉
ペクチン
カンテン
キサンタンガム
ダイズ多糖
キシラン
重合シクロデキストリン
ポラクリリンカリウム
ベントナイト
カルボキシメチル澱粉ナトリウム
【0036】
好ましい膨潤賦形剤は、5%を超す、特に30%を超す、特に40%を超す、中でも特に60%を超す、さらに好ましくは80%を超す、最も好ましくは100%を超す最大膨潤を示す。最大膨潤の測定は、D.Gissinger and A.Stamm,A comparative evaluation of the properties of some tablet distintegrants,Drug Development and Industrial Pharmacy,6(5),511−536(1980)
により記述されている。これは明白に示されている。
【0037】
好ましい物質は、澱粉、ゼラチン化澱粉、澱粉グリコール酸ナトリウム、グアーガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム及びクロスポビドンである。クロスポビドンが特に好ましい。
【0038】
本発明によれば、膨潤物質が細かく分割されていることが好ましい。微細化された原料を使用できると有利である。
【0039】
膨潤賦形剤の量は、ペレットの全成分の合計量に基づいて、0.5から30重量%の範囲である。最適量は試験により決定される。例えば、5から15%の量が適当である。5から25重量%の範囲、特に10重量%より多く25重量%以下、例えば10重量%より多く15重量%以下の量が有利である。
【0040】
本発明によれば、膨潤賦形剤はこの方法の実施を改善する。特定の狭い粒子サイズ分布を達成するのが容易である。ペレットの性質は損なわれない。
【0041】
このコアは、記述した成分に加えて任意の他の成分を含むことができる。水溶性及び非水溶性賦形剤のいずれも追加して含むことができる。これらは、味の改善、香料、着色料、保存剤、物理的安定剤及び化学的安定剤、例えば酸、塩基又は緩衝性成分を含む。任意の成分は、抗接着剤、崩壊促進剤及び崩壊阻害剤も含む。追加の任意の成分の量は、典型的にコアの全成分の乾燥重量100重量部に基づいて、30重量部以下である。追加の任意の成分の量は、好ましくは、重量で10重量部以下である。
【0042】
さらに好ましい態様によれば、コアの中に、100重量部の水溶性賦形剤、例えば水溶性糖類、特にマンニトール、1から10重量部、特に3から10重量部の活性物質、0.5から20重量部、特に0.5から10重量部、さらに好ましくは0.5から5重量部、特に0.5から2重量部、中でも特に好ましくは0.5から1重量部の水溶性結合剤、並びに0から10重量部の他の賦形剤を含み、好ましくはそれらからなるペレットが製造される。
【0043】
さらに好ましい態様によれば、コアの中に、100重量部の水溶性賦形剤、例えば水溶性糖類、特にマンニトール、0.5から20重量部、特に0.5から10重量部、さらに好ましくは0.5から5重量部、特に0.5から2重量部、中でも特に好ましくは0.5から1重量部の水溶性結合剤、並びに0から10重量部の他の賦形剤を含み、好ましくはそれらからなるペレットが製造される。
【0044】
さらに好ましい態様によれば、コアの中に、100重量部の水溶性賦形剤、例えば水溶性糖類、特にマンニトール、1から10重量部、特に3から10重量部の活性物質、5から35重量部、好ましくは5から25重量部、特に10より多く25重量部以下の膨潤賦形剤、特に既に規定した膨潤性を持つ、特にクロスポビドン、並びに0から10重量部の他の賦形剤を含み、好ましくはそれらからなるペレットが製造される。
【0045】
さらに好ましい態様によれば、コアの中に、100重量部の水溶性賦形剤、例えば水溶性糖類、特にマンニトール、5から35重量部、好ましくは5から25重量部、特に10重量部より多く25重量部以下の膨潤賦形剤、特に既に規定した膨潤性を持つ、特にクロスポビドン並びに0から10重量部の他の賦形剤を含み、好ましくはそれらからなるペレットが製造される。
【0046】
好ましい態様によれば、本発明によるペレットは上に規定したコアからなる。
【0047】
その他の態様によれば、本発明によるペレットは上記タイプのコアを有し、そのコアの上に1以上のコーティングが施される。水溶性コーティングが好ましい。コーティングは保護層として役立ち得る。
【0048】
医薬ペレットの製造法も、本発明に従って提供される。この方法は、最初の段階に、粉末出発原料の製造を含む。粉末出発原料は水溶性賦形剤を含む。この粉末出発原料は、好ましくは、塊を分解するために、例えばシェアリングミキサー中で処理される。この粉末出発原料は、水溶性賦形剤と1以上のほかのペレット製造用の成分、例えば結合剤の混合物であってもよい。この場合に、粉末出発原料の製造は典型的に成分の混合を含む。例えば、水溶性賦形剤と活性物質を一緒に混合する。
【0049】
好ましくは、成分の均一混合物が達成される。これもシェアリングミキサー中でおこなうことができる。
【0050】
好ましくは、限定された粒子径の粉末出発原料が使用される。特に粉末出発原料は粒子径が限定された賦形剤を含む。さらに、狭い粒子径の分布は、粉末出発原料のために、特に賦形剤のために好ましい。
【0051】
例えば、300から500μmの大きさのペレットの製造において、160μmのメッシュサイズの篩で篩残分が10重量%未満、特に5重量%未満である粉末出発原料、特に賦形剤、特にマンニトールを使用することが有用であることが立証された。さらに、粉末出発原料、特に粉末賦形剤、特にマンニトールなどは、40μmのメッシュサイズの篩で篩残分が50から80重量%の範囲である。特に好ましくは、160μmのメッシュサイズの篩で篩過残渣が1から5重量%の範囲であり、40μmのメッシュサイズの篩で篩残分が50から70重量%の範囲である
【0052】
粉末出発原料は、ペレット化段階の前に、加湿することができる。これは次のペレット化段階で用いるものと同じ希釈剤であってもよいし、または異なる組成の希釈剤であってもよい。この希釈剤は有機の液体であってもよい。好ましくは、水であるか又は水溶液若しくは分散液である。この液体は、構成成分として、結合剤及び/又は活性物質及び/又はコアの別の成分を含むことができる。医薬として許容し得る希釈剤の量は、好ましくは、加湿粉末出発原料が達成される程度であり、加えられる液体の量は、顆粒タイプの構造を形成するのに必要な量以下である。好ましくは、粉末出発原料を均一に加湿する。これは適当なミキサー、例えばシェアーミキサーを使用して行うことができる。
【0053】
いくつかの粉末化成分を使用する場合には、混合と予備的加湿は1ステップ、例えば高速ミキサーの中で行うことができる。
【0054】
ペレット化段階において、ペレットは任意に予備加湿した出発原料から、医薬として許容し得る液体希釈剤の添加により形成される。希釈剤の性質は、予備的加湿に使用した希釈剤と同じ基準を充たす必要がある。
【0055】
希釈剤は活性物質を含むことができる。
【0056】
操作が均一で完全な攪拌が達成される方法で行われる場合には、ペレット化の間に粉末成分、例えば粉末状活性物質を導入することも可能である。本発明によるペレットは活性物質を含むので、これは粉末出発原料の中に存在するか、又は希釈剤の構成成分として若しくは粉末の形態でペレット化の間に導入される必要がある。これらの方法の組合せも可能である。
【0057】
好ましい態様によれば、この方法は、
(a)水溶性賦形剤を含む粉末出発原料の製造;
(b)医薬として適する液体希釈剤で任意に加湿した粉末出発原料を装置に送り込む、段階を含み、
その装置は、
軸方向に延びた筒状の壁を持つ回転チャンバー、
底から回転チャンバーを通る空気を送る装置、
チャンバーのなかへ液体を送り込むための装置、
粉末混合物を導入するための1以上の導入口、
垂直回転軸の周囲を回転するローターであって、回転チャンバー内に設置され、中央に水平の表面を持ち、少なくとも外側3分の1は約10°及び80°の間の外方向と上方向の傾斜を持つ円錐形の表面を生じる形を持ち、円錐発生表面は回転軸に対して垂直な面にある円形の上端エッジを持ち、
複数のガイド羽根が、それぞれの外側末端でローターの円錐発生表面の上側エッジにより形成される面の上にある回転チャンバーの円筒形の壁にしっかりと固定され、そして内側末端は回転チャンバーの中に延びており、回転チャンバーの円筒形の壁の接線方向にそして回転軸に対して垂直に設置されており、本質的に円弧又は螺旋の形を持つ、ローターを備え、
(c)ローターを回転し、それにより製品を充分な時間、運動エネルギーにより循環させ、ローターからガイド羽根の内側表面へ移動させ、ローター上に戻し、一方任意に空気が送り込まれそして/又は医薬として許容される液体が回転チャンバー内にスプレーされ、必要な径を持つペレットを形成する。
【0058】
適する装置はDE 197 50 042 A1に記述されている。装置の構造及びその操作に関する詳細は以下に示す実施例及び参考例に記述される。
【0059】
ペレット形成の間に、医薬として許容される希釈剤が上記のように供給される。その量は、特に出発原料の成分、必要なペレットサイズ及び他の操作変数、たとえば供給される空気の量に関係して選択される。適する量は、ここに示す実施例及び参考例に基づいて、当業者により定型的試験により決定することができる。
【0060】
最終的に得られたペレットは乾燥される。必要があれば、次いで1以上のコーティングを施すこともできる。
【0061】
特に、本発明による上記タイプのニュートラルペレットは、医薬製剤の製造のために使用することができる。このために、ニュートラルペレットは既知方法でコーティングを施すことができる。したがって、本発明により、コアとして本発明によるニュートラルペレットを含む医薬ペレットを供給し、このコアにその少なくとも一つが活性物質を含む1以上の層を適用することができる。
【0062】
活性物質を含む層は、いずれかの方法で適用することができる。例えば、結合剤のような賦形剤を任意に含む活性物質の溶液をスプレーすることができる。溶液の代わりに懸濁液を使用することもできる。粉末活性物質の適用も可能である。このために、ニュートラルペレットを、適当な方法で、溶媒及び/又は結合剤を加えて、粉末活性化合物と接触させる。
【0063】
ニュートラルペレットを使用して製造することができる本発明による組成物は、経口で投与することができる治療及び/又は予防作用を持つ物質(活性物質)のようないずれかの生物学的活性物質の投与のために基本的に適している。既に記述した活性物質のグループ及び活性物質の特別な例が参考になるはずである。
【0064】
本発明により得られたペレットは、複数のペレットを含むペレット化製品として応用を見出すことができる。ペレット化製品はペレットの集合、典型的に50以上、好ましくは100以上のペレットを含む。本発明によるペレット化製品は、本発明による条件を充たすペレットを主に含む。好ましくは、少なくとも90%、特に少なくとも95%、中でも特に好ましくは98%のペレットが、約1.4未満、好ましくは約1.3未満、さらに好ましくは約1.2未満、さらにより好ましくは約1.1、特に約1.05未満の長さ/幅比を持つ。好ましい長さ/幅比を持つペレットは、本発明によるペレットに関する他の条件、特に請求項に特定されるか又はこの説明の中で優先的に示されている条件も示す。
【0065】
本発明によるペレット化製品中のペレットの量もまた、重量により特定することができる。ペレット化製品は、例えば、50から2000mg、好ましくは100から1000mg、特に200から800mgのペレットを含むことができる。
【0066】
本発明によるペレット化製品中のペレットのサイズは、例えば、250から1000μmの範囲であり得る。
【0067】
本発明により、含まれるペレットの狭い粒子サイズ分布を持つペレット化製品が好ましい。好ましくは、ペレット化製品中のペレットの少なくとも90重量%、特に少なくとも95重量%が、全ペレットの平均直径の±30%、好ましくは±20%及び特に±10%の範囲内にある直径を持つ。
【0068】
ペレット化製品の製造のために、ペレットの適当量を、例えばバッグに詰め込むことができる。ペレット化製品は、本発明によるペレットに加えて他の構成成分を含むこともできる。
【0069】
この製造により、患者はこの包装形態で入手が可能である。患者は、このバッグからペレット化製品を取り出すことができ、液体無しで服用することができる。その他に、患者は飲み物と一緒に服用でき、或いは飲み物の中に入れて、生じた溶液/懸濁を摂取することができる。
【0070】
その他に、圧縮により、ペレットから錠剤を製造することがある。例えば、例えばペレットを、任意に1以上の賦形剤、例えば流動促進剤と一緒に圧縮することができる。錠剤の製造のために、本発明によるペレット化製品を使用することもできる。錠剤は、活性物質の経口及び特に舌下投与にも使用することができる。
【0071】
本発明によるペレット、特に賦形剤としてマンニトールを含むペレットが液体無しで服用された場合に、ペレットは舌の上で小さな、非常に軟らかい粒子に崩壊し、次いで数秒以内に溶解する。完全に溶解するまでの溶融の間の感じは、良いと記述することができる。ペレットが口の中で一貫して軟らかいことそして速やかな溶解のために、口の中に異物がある感じがない。
【0072】
本発明によるペレットの急速な崩壊は、肉眼で確認することができる。このため、次の試験が行われる:(a)ペレットの200から800mgをペトリ皿に0.5mlの脱塩水と共に入れ、(b)その直後、ペトリ皿をタンピング容積測定装置のホルダーに固定し、(c)10秒後、30回のタンピング操作を行い、(d)その直後、ペレットの写真を撮る。
【0073】
上記定義に対応する複数のペレットを含むペレット化製品について、崩壊時間を測定することも可能である。これは、穴の開いた底を持つ崩壊測定装置で行われる。これは、37℃脱塩水中におけるペレットの崩壊時間を試験するために使用される。水の量は、ペレットが丁度覆われる程度が選択される。ペレットの量は500mgが好ましい。ペレットの崩壊又は溶解までの時間が測定される。
【0074】
本発明によるペレット化製品では、1:30分未満、好ましくは1:00分未満の崩壊時間が測定される。
【0075】
ペレット製品について官能検査も行うことができる。この検査は被検者により行う。好ましくは、少なくとも10人の被検者によりおこなわれる。被検者による製品の分類のために、次の選択肢が予め定められた:
0=異物の感覚なし
1=ペースト様、柔らか
2=砂のよう
3=砂だらけ
【0076】
ペレット化製品に与えられていた評価は、被検者の大部分により与えられた評価と一致する。
【0077】
好ましくは、比較のために、被検者には、長い崩壊時間、特に1:30分より長い崩壊時間を持つペレット化製品を試験する機会が与えられる。市販の最良品はそのような製品である。この比較製品のペレットは、典型的に評価される製品のペレットと同じ範囲のサイズを持っている。
【0078】
官能試験については、典型的に200mgのペレットを使用する。検体を評価した後、被検者には必ず、水で口をすすぐ機会が与えられる。
【0079】
上記の分類に従う評価は、ペレット化製品を服用した後一定の間隔を置いて行われる。特に適当な時間間隔は5,10及び/又は20秒である。
【0080】
上記試験において、本発明によるペレット化製品は、少なくとも10人の被検者の被検者大部分により、5秒後の評価において、最大でも2=砂のようと評価される。本発明によるペレット化製品は、被検者により砂だらけに分類されないことが好ましい。さらに本発明によるペレット化製品は、10秒後の評価において、少なくとも10人の被検者の大多数により、最大でも1=ペースト様、柔らかいと分類されることが好ましい。さらに、20秒後の評価において、本発明によるペレット製品は、少なくとも10人の被検者の大多数により、口の中に異物の感じをもはや生じない(分類=0)ならば、好ましい。
【実施例1】
【0081】
この実施例では、活性物質を含有しないマンニトールからのペレットの製造を記述する。しかし、記述された方法を、例えば、マンニトールに活性物質を含む成分に応用して、活性物質を含有するペレットを製造できることは、当業者には直ちに明らかである。
【0082】
シェアリングミキサー(タイプ Glatt VG−10)の中に1250gのマンニトール60を入れる。塊を粉砕するために、装置を2分間運転する。セッティングは:チョッパー(2000rev/min);インペラー(500rev/min)。次いで、5分以内に200gの脱塩水を加え、上記セッティングでシェアリングミキサーを運転し、均一に加湿した原料を得る。加える液体の量は、顆粒タイプの構造を形成させるために必要な量より少ない(乾燥減量は約13%;乾燥減量は赤外線水分計を使用して実験的に測定することができる)。
【0083】
次いで、加湿マンニトール粉末からペレットが製造される。このために、加湿マンニトール粉末は既述の装置に移される。より正確には、加湿原料を装置の中に入れ、その中で円錐発生表面を持つローターが、予め加湿した原料を回転容器の端の方向に向う水平の製品の流れに向わせる。遠心力が製品を壁に押し付ける(主な製品の流れ)。ローターと壁(固定子)の間の空間領域では、反転製品が上方に移動する(二次的製品の流れ)。壁の固定ガイド羽根は、ローターの中間にある反転層を下方に戻す。この製品の流れは、らせん型回転流と記述することができる。
【0084】
(摩擦に影響する)ローターの回転速度、ローターの円錐発生表面の傾斜、ガイド羽根の数及びガイド羽根の形は製品の流れに影響し、したがって、形成されるペレットの形と密度に影響する。
【0085】
例えば、30°又は45°の発生表面の傾斜を持つローターを使用して、2又は4個のフラットな羽根又は2個の急勾配の羽根を使用して、ペレットを製造することができる。例えばローターの直径は29cm。この類のローターは、以下に示す実施例に使用された。適当なローターの速度は600から1200rev/minの範囲である。
【0086】
説明される製造方法において、医薬として許容される液体に加えて、特に水又は結合剤の水溶液が反転層に直接スプレーされる。これは、例えば、遠心噴霧器を使用して行われる。液体の適当量は50から600gであり、適当なスプレー速度は10から30g/分の範囲である。
【0087】
予備的加湿及びペレット化の間に供給された液体の量は、工程及び製品の性質に影響する。しかし、含有湿度は供給する空気の量、空気の温度、及びその湿度にも依存する。例としてここに示されたパラメーターに基づいて、当業者は定型的試験により、個別例のペレットの製造に適するパラメーターを発見することができる。
【0088】
特に良好な結果が、以下のパラメーターにより達成される:ローターの円錐発生表面のスロープは45°。装置は2個のフラットなガイド羽根を装着。ローターは1000rev/minの速度で運転。ペレット化については、液体は20g/minのスプレー速度で注入。供給した液体の量は、目標とするペレットサイズ及び液体の組成(例えば、水、溶液、懸濁)により、50から600g。スプレー工程の完了後、ローターの速度を600rev/minに減らして、ローターをさらに2分間運転する。このようにしてマンニトールペレットは得られ、乾燥減量が0.5%未満になるまで60℃で乾燥する。
【実施例2】
【0089】
この実施例では、水溶性結合剤としてゼラチンを含むマンニトールペレットの製造を記述する。記述された方法を、例えば、マンニトールに活性物質を含む成分に応用して、活性物質を含有するペレットを製造できることは、当業者には直ちに明らかである。
【0090】
参照実施例1と同様に、シェアリングミキサーの中で1250gのマンニトール60を200gの脱塩水で加湿する。
【0091】
次いでペレット化を行う。円錐発生表面のスロープ45°のローターを使用。装置は2個のフラットガイド羽根を装着。ローターは、1000rev/minの速度で運転。130gの5%ゼラチン水溶液(冷水溶解性、Solugel 1B type A)を20g/minのスプレー速度で注入する。最後に、このようにして得られたペレットを37℃で、乾燥減量が0.2%未満になるまで乾燥する。成分の乾燥重量に基づいて、このペレットは99.5%のマンニトール及び0.5%のゼラチンを含む。
【実施例3】
【0092】
この実施例は、結合剤としてゼラチンを含むマンニトールペレットの製造に関係し、ゼラチンは予備的な加湿段階において固体として加えられる。記述された方法を、例えば、さらに活性物質を含む組成物に応用して、活性物質を含むペレットを製造できることは、当業者には直ちに明らかである。
【0093】
1247.5gのマンニトール60及び2.5gの冷水溶解ゼラチン(Solugel LB type A)をシェアリングミキサー(タイプGlatt VG−10)に入れる。塊を粉砕するために、装置を2分間運転する。セッティングは:チョッパー(2000rev/min);インペラー(500rev/min)。次いで、200gの脱塩水を5分以内に加え、粉末を湿らせる。加える液体の量は顆粒タイプの構造を形成するために必要な量より少なくなければならない(乾燥減量約13%)。液体を加える間、シェアリングミキサーは上記セッティングで運転し、均一な加湿粉末を得る。
【0094】
次いで、この混合物を既述の装置に移す。スロープ45°の円錐発生表面を持つローターを使用する。装置は2個のフラットガイド羽根を装着する。ローターは、1000rev/minで運転し、そして86gの水を20g/minの速度で注入する。注入後、ローターを600rev/minに減速して2分間運転する。次いで、ペレットを37°で、乾燥減量が0.2%未満になるまで乾燥する。
【実施例4】
【0095】
この実施例では、結合剤としてゼラチンを使用するマンニトールペレットの製造を記述し、ゼラチンは予備的に加湿する段階に溶解した形で加えられる。記述された方法を、例えば、さらに活性物質を含む組成物に応用して、活性物質を含むペレットを製造できることは、当業者には直ちに明らかである。
【0096】
6.25g冷水溶解ゼラチン(Solugel LB type A)を200gの脱塩水に溶解する。1250gのマンニトール60をシェアリングミキサー(タイプGlatt VG−10)に入れる。塊を粉砕するために、ミキサーを2分間運転する。次いで、ゼラチン溶液を5分以内で加え、そして加湿粉末混合物を製造するためにミキサーを運転する。
【0097】
前記のように、加湿混合物を装置に移す。
【0098】
45°のスロープを持つ円錐発生表面を持つローターを使用する。装置は2個のフラットガイド羽根を装着する。ローターを1000rev/minで運転し、そして161gの水を20g/minの速度で注入する。注入終了後、ローターを600rev/minに減速してさらに2分間運転する。次いで、ペレットを37°で、乾燥減量が0.2%未満になるまで乾燥する。
【実施例5】
【0099】
この実施例では、結合剤としてポビドンを使用するマンニトールペレットの製造を記述する。記述された方法を、例えば、さらに活性物質を含む組成物に応用して、活性物質を含むペレットを製造できることは、当業者には直ちに明らかである。
【0100】
製剤が調べられた。第1製剤(製剤A)は、1250gマンニトール60及び6.25gコリドン30を含む。第2製剤(製剤B)は、1250gマンニトール60及び18.75gコリドン30を含む。
【0101】
それぞれの場合に、ポビドンは脱塩水に溶解された。マンニトールをシェアリングミキサー(type Glatt VG−10)に入れる。装置を2分間運転する。セッティングは:チョッパー(2000rev/min);インペラー(500rev/min)。
【0102】
いずれの場合も、水の量は200g。
【0103】
液体は5分以内に加え、乾燥減量約13%を達成する。次いで、それぞれの混合物からペレットを製造する。このために、それぞれの場合に、加湿混合物を前記のように装置に移す。導入空気の温度は30℃。この導入空気の量は100m/hである。遠心噴霧器を50%で運転する。
【0104】
第1のバッチについて、45°の円錐発生表面のスロープを持つローターを使用する。2個のフラットガイド羽根が装着され、そしてローター速度は1000rev/minである。132gの液体が20g/minのスプレー速度で注入される。
【0105】
第2のバッチについて、45°の円錐発生表面のスロープを持つローターを使用し、やはり2個のフラットガイド羽根が装着されている。ローターの速度は1000rev/minであり、108gの液体が20g/minのスプレー速度で注入される。
【0106】
スプレー終了後、600rev/minのローター速度で操作は2分間継続される。
【0107】
バッチAのペレットは乾燥減量が0.5%未満になるまで、60℃の乾燥機で乾燥される。バッチBのペレットの一部は乾燥機(60℃)で乾燥され、残りは流動化層(Glatt GPCG−1)に入れる。導入空気温度は60℃、そして導入空気用量は50から100m/hである。乾燥減量0.5%未満が達成される。
【実施例6】
【0108】
この実施例は、クエン酸を含むマンニトールペレットの製造に関係する。クエン酸は、活性物質のモデル物質である。
【0109】
1187.5gのマンニトール60及び62.5gのクエン酸(無水)をシェアリングミキサーに入れる(type Glatt VG−10)。装置を最初2分間運転する。ついで、脱塩水(90.0g)を5分以内に加えて予備的加湿を行う。乾燥減量約5%が達成される。この予備加湿段階において、シェアリングミキサーは以下のセッティングで運転される:チョッパー(2000rev/min);インペラー(500rev/min)。
【0110】
次いで、この混合物からペレットが製造される。このために、マンニトール及びクエン酸の加湿混合物を前記の装置に移す。この装置は、45°の円錐発生表面のスロープを持つローターを装着する。2個のフラットガイド羽根を装着する。ローター速度は1000rev/min。390gの液体(脱塩水)が20g/minのスプレー速度で注入される。導入空気温度は30℃、導入空気用量は100m/hである。遠心噴霧器が50%の速度で運転される。スプレー終了後、600rev/minのローター速度で操作はさらに2分間継続される。
【0111】
得られたペレットは60℃の乾燥機中、乾燥減量が0.5%未満になるまで乾燥する。
【実施例7】
【0112】
この実施例は、結合剤としてポビドン、そしてクエン酸を含有するマンニトールペレットの製造に関係する。クエン酸は、活性物質のモデル物質である。
【0113】
1175.0gのマンニトール及び62.5gのクエン酸(無水)をシェアリングミキサーに入れる(type Glatt VG−10)。装置を2分間運転する。12.5gコリドン30を110.0gの脱塩水に入れる。シェアリングミキサー中のマンニトールとクエン酸の混合物に5分以内にコリドン溶液を加える。シェアリングミキサーの合計運転時間は7分間。約6%の乾燥減量が達成される。
【0114】
シェアリングミキサー(type Glatt VG−10)を以下のセッティングで運転する:チョッパー(2000rev/min);インペラー(500rev/min)。
【0115】
次いで、この混合物を前記の装置に移す。45°のスロープを持つ円錐形成表面を持つローターを使用する。この装置は2個のフラットガイド羽根を装着している。ローターは1000rev/minの速度で運転し、170gの脱塩水が20g/minのスプレー速度で注入される。スプレー終了後、ローターは600rev/minに減速してさらに2分間運転される。
【0116】
続く乾燥段階において、ペレットは流動床(Strea−1)中、60℃の導入空気のエアフローレベル5において、乾燥減量が0.5%未満になるまでで乾燥される。オレンジフレーバー(0.01g)を脱塩水に(10ml)に溶解し、5mlを乾燥段階の間に加える。
【実施例8】
【0117】
この実施例は、結合剤としてポビドン、そしてクエン酸を含むマンニトールペレットの製造に関係する。
【0118】
1206.25gのマンニトール60及び37.5gのクエン酸(無水)をシェアリングミキサー(タイプGlatt VG−10)に入れる。装置を2分間運転する。6.25gのポビドン(コリドン30)を120.0gの脱塩水に溶解する。この溶液を5分以内に、マンニトールとクエン酸の混合物の入ったシェアリングミキサーに加える。このシェアリングミキサーの合計運転時間は7分間である。このシェアリングミキサーは以下のセッティングで運転する:チョッパー(2000rev/min);インペラー(500rev/min)。
【0119】
次いで、この混合物を前述の装置に移す。45°のスロープの円錐発生表面を持つローターを使用する。この装置は2個のフラットガイド羽根を装着する。ローターは1000rev/minの速度で運転し、220gの脱塩水が20g/minのスプレー速度で注入される。スプレー終了後、ローターは600rev/minに減速してさらに2分間運転される。
【0120】
続く乾燥段階において、ペレットは流動床(Strea−1)中、60℃の導入空気のエアフローレベル5において、乾燥減量が0.6%未満になるまでで乾燥される。オレンジフレーバー(0.01g)を脱塩水に(10ml)に溶解し、5mlを乾燥段階の間に加える。
【実施例9】
【0121】
この実施例は、結合剤としてポビドン、そしてカフェインを含むマンニトールペレットの製造に関係する。
【0122】
1143.7gのマンニトール60及び93.75gカフェインを一緒にシェアリングミキサー(タイプGlatt VG−10)の中で2分間混合する。12.50gのポビドン(コリドン30)を200gの脱塩水に溶解する。この溶液をシェアリングミキサー中の混合物に5分以内に加える。シェアリングミキサーの合計運転時間は7分間である。乾燥減量約11%が達成される。このシェアリングミキサーは以下のセッティングで運転する:チョッパー(2000rev/min);インペラー(500rev/min)。
【0123】
次いで、この混合物を前述の装置に移す。45°のスロープの円錐発生表面を持つローターを使用する。この装置は2個のフラットガイド羽根を装着する。ローターは1000rev/minの速度で運転し、160gの脱塩水が20g/minのスプレー速度で注入される。スプレー終了後、ローターは600rev/minに減速してさらに2分間運転される。
【0124】
乾燥段階において、ペレットは流動床(GPCG)において導入空気温度70℃及び導入空気量50m/hで、乾燥減量が0.6%未満になるまで乾燥する。
【実施例10】
【0125】
この実施例では、速崩壊性マンニトールペレットの圧縮による錠剤の製造を記述する。
【0126】
ペレットの圧縮のために、混合物は1.2%ステアリン酸マグネシウムを加えて製造される。このために、98.8gのマンニトールペッレット(500〜800μm)を1.2gのステアリン酸マグネシウムとTurbulaミキサー中で5分間混合し、ついてKorsch EKOタブレットプレスで種々のサイズの錠剤を作製した。
【0127】
マンニトールペレット及びステアリン酸マグネシウムの混合物から錠剤を作ることは可能である。製造された錠剤は以下の寸法をもつ:
【表1】

【実施例11】
【0128】
この実施例では、マンニトール及び膨潤性賦形剤であるクロスポビドンから錠剤の製造を記述する。このペレットは活性物質を含まない。しかし、記述された方法を、例えば、さらに活性物質並びにマンニトールを含む組成物に応用して、活性物質含むペレットを製造できることは、当業者にとって直ちに明らかである。
【0129】
マンニトールをAlpine C 100 UPZマシーン中で細かく砕き、メッシュサイズ0.8mmの篩を通す。クロスポビドンはメッシュサイズ0.5mmの篩を通す。
【0130】
937.50g(75重量%)のマンニトール及び312.50g(25重量%)のクロスポビドンをシェアリングミキサー(タイプGlatt VG−10)に入れる。塊を壊すために装置を2分間運転する。セッティングは:チョッパー(2000rev/min);インペラー(100rev/min)。ついで、550gの飽和マンニトール水溶液を加える。25g/minのスプレー速度と噴霧空気圧1バールで、ノズル直径1.2mmの2連のノズルから添加をおこなう。この間、シェアリングミキサーは上記セッティングで運転して、均一に加湿された塊を得る。この運転は24分間を要す。得られた加湿原料をメッシュサイズ3.15mmを持つ篩を通す。乾燥減量は24.51%である。
【0131】
次いで、加湿された塊からペレットを製造する。このために、この塊を前記装置に移す。スロープ30°の円錐発生表面を持つローターを使用する。この装置は2個のフラットガイド羽根を装着する。運転の間、導入空気温度30℃及び露点4.4℃の空気の流れ(75m/h)を形成されたペレットの層を通す。ローターを800rev/minの速度で運転し、445gの精製水を22g/minのスプレー速度で注入する。注入終了後、350rev/minに減速してさらに2分間ローターを運転する。この運転は23分間を要す。乾燥減量は31.19%である。
【0132】
このようにして得られたペレットを流動床乾燥機(Glatt GPCG)中導入空気温度60℃で、製品温度が40℃を超えるまで乾燥する。乾燥減量は1.81%である。
【0133】
得られたペレットの平均粒子サイズは0.35mm(最小:0.17mm;最大:0.43mm)である。
【実施例12】
【0134】
この実施例では、マンニトール及び膨潤性賦形剤であるクロスポビドンのペレットの製造を記述する。ペレットは活性物質を含有しない。しかし、記述された方法を、例えば、さらに活性物質並びにマンニトールを含む組成物に応用して、活性物質含むペレットを製造できることは、当業者にとって直ちに明らかである。
【0135】
マンニトールをAlpine C 100 UPZマシーン中で細かく砕き、メッシュサイズ0.8mmの篩を通す。クロスポビドンはメッシュサイズ0.5mmの篩を通す。
【0136】
1125.00g(90重量%)のマンニトール及び125.00g(10重量%)のクロスポビドンをシェアリングミキサー(タイプGlatt VG−10)に入れる。塊を壊すために装置を2分間運転する。セッティングは:チョッパー(2000rev/min);インペラー(100rev/min)。ついで、200gの飽和マンニトール水溶液を加える。47g/minのスプレー速度と噴霧空気圧1バールで、ノズル直径1.2mmの2連のノズルから添加をおこなう。この間、シェアリングミキサーは上記セッティングで運転して、均一に加湿された原料を得る。この運転は6分間を要す。得られた加湿原料をメッシュサイズ3.15mmを持つ篩を通す。乾燥減量は11.21%である。
【0137】
次いで、加湿された塊からペレットを製造する。このために、この塊を前記装置に移す。スロープ30°の円錐発生表面を持つローターを使用する。この装置は2個のフラットガイド羽根を装着する。運転の間、導入空気温度30℃及び露点6.2〜6.7℃の空気の流れ(75m/h)を形成されたペレットの層を通す。ローターを800rev/minの速度で運転し、508gの精製水を18g/minのスプレー速度で注入する。注入終了後、350rev/minに減速してさらに2分間ローターを運転する。この運転は31分間を要す。乾燥減量は20.79%である。
【0138】
このようにして得られたペレットを流動床乾燥機(Glatt GPCG)中導入空気温度60℃で、製品温度が42.5℃を超えるまで乾燥する。乾燥減量は0.71%である。
【0139】
得られたペレットの平均粒子サイズは0.18mm(最小:0.14mm;最大:0.26mm)である。
【実施例13】
【0140】
この実施例では、マンニトール及び膨潤性賦形剤であるクロスポビドン、及びクエン酸のペレットの製造を記述する。
【0141】
マンニトールをAlpine C 100 UPZマシーン中で細かく砕き、メッシュサイズ0.8mmの篩を通す。クロスポビドンはメッシュサイズ0.5mmの篩を通す。
【0142】
1112.50g(89重量%)のマンニトール、125.00g(10重量%)のクロスポビドン及び12.50g(1重量%)のクエン酸の混合物をシェアリングミキサー(タイプGlatt VG−10)の中に入れる。塊を壊すために装置を2分間運転する。セッティングは:チョッパー(2000rev/min);インペラー(100rev/min)。ついで、200gの飽和マンニトール水溶液を加える。45.5g/minのスプレー速度と噴霧空気圧1バールで、ノズル直径1.2mmの2連のノズルから添加をおこなう。この間、シェアリングミキサーは上記セッティングで運転して、均一に加湿された原料を得る。この運転は6分間を要す。得られた加湿原料をメッシュサイズ3.15mmを持つ篩を通す。乾燥減量は10.70%である。
【0143】
次いで、加湿された塊からペレットを製造する。このために、この塊を前記装置に移す。スロープ30°の円錐発生表面を持つローターを使用する。この装置は2個のフラットガイド羽根を装着する。運転の間、導入空気温度30℃及び露点4.8〜7.4℃の空気の流れ(75m/h)を形成されたペレットの層を通す。ローターを800rev/minの速度で運転し、460gの精製水を21g/minのスプレー速度で注入する。注入終了時、350rev/minに減速してさらに2分間ローターを運転する。この運転は25分間を要す。乾燥減量は21.09%である。
【0144】
このようにして得られたペレットを流動床乾燥機(Glatt GPCG)中導入空気温度60℃で、製品温度が40.9℃を超えるまで乾燥する。乾燥減量は0.89%である。
【0145】
得られたペレットの平均粒子サイズは0.43mm(最小:0.26mm;最大:0.52mm)である。粒子サイズ分布は、ATM Sonic Sifter L3P(篩過時間:3分、セッティング5のシフト振幅とパルス)により篩過分析により測定した。この結果は、図19に示す。
【0146】
試験例
本発明によるペレットの崩壊の特性分析及び溶解特性を測定するための分析方法を開発しなければならない。崩壊特性はニュートラルペレット(Sugar Spheres)に対してテストした。以下のペレットをテスト検体として使用する:
SDF E 0901,マンニトールペレット
SDF E 0911,マンニトールペレット,1.5%PVP含有
SDF E 0919,マンニトールペレット,7.5%カフェイン及び1.0%PVP含有
市販最良品(バッチ 90183540X),ニュートラルペレット
市販最良品(バッチ 71762025X),ニュートラルペレット
使用した粒子径:250〜500μm,500〜800μm及び800〜1000μm。
【0147】
崩壊に使用したペレットSDF E 0901,SDF E 0911及びSDF E 0919は、上記に示した実施例及び参照例に記述されている方法に相当する方法で製造された。
【0148】
試験例1
ペレットの溶解性は、生理的条件の代理として、小容量の液体(0.5mlの脱塩水)及び機械的負荷の下にテストする。液体の量は、(噛んだり飲み込んだりしないときの)安静時の唾液の量に相当し、機械的負荷は舌の動きに相当する。
【0149】
種々のペレットサイズ分布のペレットの種々な量(200〜800mg)を、ペトリ皿の中の0.5mlの脱塩水の中に入れる。このペトリ皿をタンプリング容積測定装置の測定シリンダーホルダーに固定する。10秒後、30回のタンプリング操作を行う。次いで、評価のために、ペレットの形又は外観をニュートラルペレットと比較する。図1から12に速崩壊性ペレットの崩壊特性を示し、図13から18に従来の市販最良品の崩壊特性を示す。図を比較して、本発明による速崩壊性ペレットは記述したテストの過程において、肉眼で識別できるペレット構造の消失を伴って、より小さな破片に崩壊することが明らかに認められた。これとは対照的に、従来の市販最良品はその形を残す。これらのペレットは崩壊基準を充たさない。
【0150】
試験例2
脱塩水(37℃)中のペレットの崩壊時間を、穴の開いた底のある崩壊試験装置で試験する。水の量は、ペレットが丁度水の中に沈んで、その表面全部が完全に濡れるような量を選ぶ。ペレットが崩壊するか溶解するまでの時間を測定する。
【表2】

【0151】
テストしたマンニトールペレットは10〜20秒以内にペレット構造を消失して崩壊し、次いで1分以内に完全に溶解する。市販最良品の崩壊特性は、試験したマンニトールペレットとは異なる。それはその表面から崩壊/浸食してより小さくなる。このニュートラルペレットは、完全崩壊までその構造を残す。さらに、このニュートラルペレットは約2分後まで崩壊しない。
【0152】
試験例3
口の中での試験ペレットの溶解特性は、評価尺度を使用して被検者による官能試験により測定する。
【0153】
口の中でのペレットの崩壊を評価するために、口の中の種々の粒子径のペレット200mgの検体の感じを、5、10及び20秒後に評価尺度の助けを借りて測定する。検体と検体の間に、口を水ですすぐ。
0=異物の感覚なし
1=ペースト様、柔らかい
2=砂のよう
3=砂だらけ
【0154】
検査したマンニトールペレットは、より小さな、軟らかいフラグメントに崩壊し、ペレットの構造は消失する。テストしたマンニトール単独ペレットでは、その粒子サイズ又は量のいずれも崩壊特性に有意な影響を示さない。このペットは使用する量(200〜800mg)及び粒子サイズ(250〜1000μm)に関係なく崩壊し、本質的に外的相違は認められない。
【0155】
テストしたニュートラルペレットは官能検査では、そのサイズと量に関係なく、崩壊しない。このペレットはテスト終了時にディメンジョン的に安定である。
【0156】
この結果により、マンニトールペレットの溶解特性及びそれに伴う舌の感覚が確認される。マンニトールペレットは速やかに崩壊し、舌に軟らかく感じられるが、市販最良品は匹敵する溶解特性を示さない。これらは、舌に硬く、砂だらけの感じを与える。
【0157】
10人の被検者の官能検査による溶解特性
基準
0=異物の感覚なし
1=ペースト様、柔らかい
2=砂のよう
3=砂だらけ
【表3】


【表4】


【表5】

【0158】
【表6】

【0159】
テストしたマンニトールペレットは、非常に少ない容量の液体と接触した後、短時間内に小さな粒子に崩壊し、ペレット構造を失うという性質を持つ。先行技術のニュートラルペレットは、同じ試験条件において変化せずに残る。この異なる性質から、口の中の実際の崩壊特性に関して結論を導くことが可能である。
【0160】
崩壊試験の被検者において、マンニトールペレットは20秒以内に崩壊し、1分以内に溶解する。ニュートラルペレットは約2分後に崩壊する。崩壊試験の被検者は完全崩壊までの時間を示すことができる。しかし、このテストにおいて、液体の量ははるかに多く、したがって口の中の生理的条件を反映していないので、実際の溶解特性及びその結果の舌の感覚に関して結論を導くことは困難である。
【0161】
官能試験により、マンニトールペレットと市販最良品の特性の相違を分析することができる。マンニトールペレットは数秒後に軟らかい塊に崩壊し、それは不快又はさらに防げとは感じられない。対照的に、テストされたマンニトールペレットが既に完全に溶解し、もはや感知覚できない時、市販最良品は砂だらけの粒子と感じられ、それは依然不快として感じられる。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】図1は、250〜500μmのペレットの粒子径のマンニトールから製造した本発明によるペレットの崩壊性を示す。試験にペレット400mgを使用した。
【図2】図2は、250〜500μmのペレットの粒子径のマンニトールから製造した本発明によるペレットの崩壊性を示す。試験にペレット800mgを使用した。
【図3】図3は、500〜800μmのペレットの粒子径のマンニトールから製造した本発明によるペレットの崩壊性を示す。試験にペレット200mgを使用した。
【図4】図4は、500〜800μmのペレットの粒子径のマンニトールから製造した本発明によるペレットの崩壊性を示す。試験にペレット800mgを使用した。
【図5】図5は、800〜1000μmのペレットの粒子径のマンニトールから製造した本発明によるペレットの崩壊性を示す。試験にペレット400mgを使用した。
【図6】図6は、800〜1000μmのペレットの粒子径のマンニトールから製造した本発明によるペレットの崩壊性を示す。試験にペレット800mgを使用した。
【図7】図7は、マンニトール及びポリビニルピロリドン(PVP)(1.5重量% PVP,全成分の乾燥重量に基づいて)から本発明によるペレット(ペレットの粒子径は250〜500μm)の崩壊性を示す。試験にペレット800mgを使用した。
【図8】図8は、マンニトール及びPVP(1.5重量% PVP,全成分の乾燥重量に基づいて)から本発明によるペレット(ペレットの粒子径は500〜800μm)の崩壊性を示す。試験にペレット800mgを使用した。
【図9】図9は、マンニトール及びPVP(1.5重量% PVP,全成分の乾燥重量に基づいて)から本発明によるペレット(ペレットの粒子径は800〜1000μm)の崩壊性を示す。試験にペレット800mgを使用した。
【図10】図10は、マンニトール、カフェイン(7.5重量%、全成分の乾燥重量に基づいて)及びPVP(1.0重量%、全成分の乾燥重量に基づいて)から本発明によるペレット(ペレットの粒子径は250〜500μm)の崩壊性を示す。試験にペレット800mgを使用した。
【図11】図11は、マンニトール、カフェイン(7.5重量%、全成分の乾燥重量に基づいて)及びPVP(1.0重量%、全成分の乾燥重量に基づいて)から本発明によるペレット(ペレットの粒子径は500〜800μm)の崩壊性を示す。試験にペレット800mgを使用した。
【図12】図12は、マンニトール、カフェイン(7.5重量%、全成分の乾燥重量に基づいて)及びPVP(1.0重量%、全成分の乾燥重量に基づいて)から本発明によるペレット(ペレットの粒子径は800〜1000μm)の崩壊性を示す。試験にペレット800mgを使用した。
【図13】図13は、比較の目的で、250〜500μmの粒子径を持つ市販の最良品の性能を示す。試験に市販品の400mgを使用した。
【図14】図14は、比較の目的で、250〜500μmの粒子径を持つ市販の最良品の性能を示す。試験に市販品の800mgを使用した。
【図15】図15は、比較の目的で、500〜800μmの粒子径を持つ市販の最良品の性能を示す。試験に市販品の200mgを使用した。
【図16】図16は、比較の目的で、500〜800μmの粒子径を持つ市販の最良品の性能を示す。試験に市販品の600mgを使用した。
【図17】図17は、比較の目的で、800〜1000μmの粒子径を持つ市販の最良品の性能を示す。試験に市販品の400mgを使用した。
【図18】図18は、比較の目的で、800〜1000μmの粒子径を持つ市販の最良品の性能を示す。試験に市販品の800mgを使用した。
【図19】図19は、マンニトール、クロスポビドン及びクエン酸を含む本発明によるペレットの粒子径分布を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性賦形剤及び任意にその中に均一に分布する活性物質を含有するコアを含む、長さ/幅の比が約1.4未満のペレット。
【請求項2】
前記賦形剤が水溶性糖類から選択されることを特徴とする請求項1に記載のペレット。
【請求項3】
前記賦形剤がマンニトールを含むことを特徴とする前記請求項の一つに記載のペレット。
【請求項4】
さらに結合剤を含む前記請求項の一つに記載のペレット。
【請求項5】
さらに水膨潤性賦形剤を含む前記請求項の一つに記載のペレット。
【請求項6】
矯味剤、芳香剤、着色剤、保存剤、物理的安定剤、化学的安定剤、抗接着剤、崩壊促進剤及び崩壊阻害剤を含むグループから選択される1以上の構成成分をさらに含む、前記請求項の一つに記載のペレット。
【請求項7】
下記の試験:(a)200から800mgのペレットを0.5mlの脱塩水と共にペトリ皿に入れる、(b)その後直ちに、ペトリ皿をタンプリング容積測定装置の測定シリンダーホルダーに固定する、(c)10秒後、30回のタンプリング操作を行う、(d)次いで、ペレットの写真を撮る、
が行われた場合に、より小さなフラグメントに分解し、肉眼で識別できるペレット構造は消失する前記請求項の一つに記載のペレット。
【請求項8】
少なくとも90%が請求項1から6の一つに記載の定義に従う複数のペレットを含むペレット化製品。
【請求項9】
穴の開いた底を持つ崩壊試験装置における崩壊時間が1:30分未満である請求項7に記載のペレット化製品。
【請求項10】
分類:
0=異物の感覚なし
1=ペースト様、柔らかい
2=砂のよう
3=砂だらけ、
による官能試験において、少なくとも10人の被検者のうちの大多数により5秒後の評価で多くても「2=砂のよう」に分類される請求項7又は8に記載のペレット化製品。
【請求項11】
少なくとも10人の被検者の大多数により10秒後の評価が多くても「1=ペースト様、柔らかい」に分類される請求項9に記載のペレット化製品。
【請求項12】
少なくとも10人の被検者の大多数が20秒後に評価した場合に、もはや「異物の感覚がない(分類=0)」に分類される請求項9又は10に記載のペレット化製品。
【請求項13】
味及び香りを改善するための物質を含むグループから選択される1以上の構成成分をさらに含む、請求項7から11の一つに記載のペレット化製品
【請求項14】
舌下投与のための請求項7から12の請求項の一つに記載のペレット化製品。
【請求項15】
医薬製剤の製造のために1〜6の請求項に記載のペレット及び7から13の請求項の一つに記載のペレット化製品の使用。
【請求項16】
請求項1から6一つに記載のペレットの圧縮による錠剤の製造。
【請求項17】
(a)粉末出発原料の製造;
(b)医薬として許容し得る液体希釈剤を使用する粉末出発原料のペレット化;
(c)得られたペレットの乾燥
の段階を含む請求項1から6に記載のペレット又は請求項7から13に記載のペレット化製品によるペレットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公表番号】特表2009−520704(P2009−520704A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546135(P2008−546135)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013798
【国際公開番号】WO2007/079758
【国際公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願人】(508186897)エーディーディー アドバンスト ドラッグ デリバリー テクノロジーズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】