説明

水溶液における不溶性材料の分散方法及び農業用調合物

【課題】分散物が改良された分散性を有するように形成され、そして改良された懸濁性を示すポリマー分散剤を用いる不溶性材料の分散物のための方法の提供。
【解決手段】水性溶液に不溶性物質を分散させる方法であって、
(I)少なくとも1種の不溶性物質、と農業用として許容できる水溶性の交互コポリマーの誘導体または農業用として許容できるそれらの塩を含有する少なくとも1種の分散剤を含む調合物を作成し、かつ前記交互コポリマーが少なくとも1種の第1コモノマー残基および少なくとも1種の第2コモノマー残基を含み、前記第1コモノマーがα,β−不飽和オキシ酸または酸無水物を含み、前記第2コモノマーが1つまたは複数の重合性二重結合を含有するオレフィン性化合物を含むステップ、および
(II)前記調合物を水性媒体に分散させるステップ
からなることを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に農業用用途に用いられている分散剤に関するものであり、特に本発明はその分散物が改良された分散性を有するように形成され、そして改良された懸濁性を示すコポリマー分散剤を用いる不溶性材料の分散物のための方法に関する。本発明はまた、分散しうる調合物を製造する方法、調合物それ自体、及びこのような調合物から造られた分散物を用いて基質を処理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの農業用用途における有効成分は、その特性は、大部分は疎水性又は水に不溶性であり、そしてやむを得ずしばしば微細に分割された固体として水系のメディア中に懸濁される。これらの有効成分の大部分は、濃縮された形態で製造されそして市販されており、さらにまた適用される以前に他の不溶性不活性の希釈充填材の添加を可能としている。例えば活性成分は一般に懸濁濃縮物(SC)、濡らすことのできる粉末(WP)、又は水に分散できる粒体(WG)の形で入手することができる。しかしながら、容易に手によって又は最低の機械的な混合で達成することができるような、最低の混合によって均一な分散物を得るためには、一般に有効成分の疎水性の性質のために、適当な分散剤の添加が不可欠である。更に、ひとたび均一な分散物が得られたなら、得られた懸濁液は充分な時間、少なくともスプレーのような通常の手段を用いることができるように、安定に保持されなければならない。微細に分割された固体のどんな沈降、凝結、又は凝集であっても、噴霧装置の詰まりと同様に、矛盾したそして非効率的な用途に限られてしまう。それ故に、容易にそして均一な分散物を与え、そして水系分散物に用いる間、その安定性を維持する、分散剤を提供することが必要なのである。
【0003】
これらの用途に用いられる効果的な分散剤は、理想的には許容され得る分散性、懸濁性、そして凝集のない懸濁物を提供するものである。協同国際殺虫剤分析会議(Collaborative International Pesticides Analytical Council)(CIPACハンドブック第1巻)は許容される懸濁性(MT15.1)、及び凝集の程度((MT59.3)を測定するため用いられる方法を定義している。例えば、懸濁物の濃縮いわゆるSC調合物において、これは約3.5w/w%の標準分散剤を添加することによって達成することができる。水和剤(WP)及び顆粒水和剤(WG)の調合物は、湿潤篩い保持試験(MT59.3)によって測定される一般に許容される懸濁性及び凝集性を達成するためには、6〜7w/w%のオーダーの標準分散剤の添加が必要とされる。
【0004】
SC調合物に広く用いられている分散剤は、疎水性部分にプラスしたエチレンオキサイドを基準としている、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックコポリマーの界面活性剤が含まれる。また非イオン界面活性剤のエーテルホスフェート誘導体、特にトリスチリルフェノールエトキシレートが用いられる。用いられる通常のアニオン性界面活性剤としては、アリールホルムアルデヒド縮合物のスルホネート化誘導体、ポリアクリレート及びリグノスルホネートが含まれる。
【0005】
WP、及びWGの調合物の分散剤は通常、分散剤は室温で固体であり、ゲル化せず、そして有効成分に溶解しないという要求によって限定される。これらの理由のために、しばしば通常の非−イオン性界面活性剤は適当ではなく、そしてアニオン性の分散剤が好まれている。WP及びWG調合物の良く知られた効果的な分散剤は、スルホン化アルキルナフタレン/ホルムアルデヒド縮合物の塩、及びリグノスルホネートの塩が含まれる。
【0006】
α−オレフィン−ポリカルボキシレートコポリマーは、顔料の分散、乳化重合、化粧品、及び殺虫剤成分を含む広い範囲の用途における分散剤として良く知られている。1972年に戻る限りにおいて、無水マレイン酸とジイソブチレンとのコポリマーのナトリウム塩は、Rohm and Haas Co.からの申請に続いて、米国環境保護公共機関(United States Environmental Protection Authority)によって、殺虫剤調合物に用いる許容量の免除を与えられている。FR 2545325号には、殺虫剤粒子中に、無水マレイン酸−ジイソブチレンのコポリマーのアンモニウム及びアルカリ金属塩の使用が記載されている。同様に、EP 201417号は、WP及びWG調合物にエトキシル化フェノール誘導体のサルフェート及びホスフェートから選ばれた界面活性剤と共に、無水マレイン酸コポリマーの使用を記載している。JP 62036302号には、粒状の農業用化学物質組成物と共に用いるため、5000〜20000の分子量範囲を有するコポリマーが記載されている。無水マレイン酸とジイソブチレンのコポリマー誘導体が、JP0609,302号においてSC調合物にCaCOとMg塩と共に用いられることが記載されている。無水マレイン酸コポリマーのスルホン化誘導体を、水分散性の粒体に用いることがまた、JP58−131903号に記載されている。
【0007】
フランス特許第2.397.444号には、非−粉剤又は粒子材料から調製される、活性材料の安定なそして濃縮された分散物が記載されている。例えば無水マレイン酸とα−オレフィンの化合物のコポリマーのような、酸性樹脂の塩の存在下で、活性材料を分離することが必要であり、水系の媒体と共に2−相の系を形成する有機溶媒を添加し;キャリアー物質を加えることによってこの2−相の系を処理し、そしてその後水を添加することによって、溶媒を徐々に添加した水中に移行して、有機相の容積を減少させることで生成物を分離している。
【0008】
(発明の開示)
我々は、ここにおいて、α、β−未飽和のオキシ酸と1種又はそれ以上の重合しうる二重結合を有するオレフィンの交互共重合体の範囲の誘導体を用いるとき、すでに先行技術に記載されている分散剤と比較して、更に十分にここに記載の数多くの他の付随的な利点と同時に、農業用化学物質の調合物に改良された分散性と懸濁性を与えることを見いだしたのである。
【0009】
本発明の第一の態様に従えば、以下の工程から成る、水系の溶液中に不溶性の材料を分散する方法を提供する。
【0010】
(i) 少なくとも一種の不溶性の材料と、交互共重合体の水溶性の農業用に許容される誘導体、又は農業用に許容されるその塩の少なくとも一種の分散剤とから成る調合物を提供するものであって、前記の交互共重合体が少なくとも一種の第一のコモノマーの残分及び少なくとも一種の第二のコモノマーの残分から成り、前記第一のコモノマーはα、β−不飽和のオキシ酸又は無水物から成り、そして前記第二のコモノマーは一種以上の重合しうる二重結合を含むオレフィン性化合物から成る工程、
(ii) 前記調合物を水系の媒体中に分散する工程。
【0011】
本発明の第二の態様に従えば、以下の工程から成る、農業用化学物質調合物を造る方法を提供する。
【0012】
(i) 少なくとも一種の不溶性材料と、交互共重合体の水溶性の農業用に許容される誘導体、又は農業用に許容されるその塩から成る少なくとも一種の分散剤を結合させる工程であって、前記の交互共重合体が少なくとも一種の第一のコモノマーの残分及び少なくとも一種の第二のコモノマーの残分から成り、前記第一のコモノマーはα、β−不飽和のオキシ酸又は無水物から成り、そして前記第二のコモノマーは一種以上の重合しうる二重結合を含むオレフィン性化合物から成る工程、
【0013】
(ii) 安定な、容易に懸濁しうる水系の分散物を得るための粒子サイズ範囲に、前記組み合わせ材料を微粉砕する工程、及び
【0014】
(iii) 農業用の用途に水中に希釈することが適するSC調合物を得るため、前記の水系分散物を安定化する工程。
【0015】
本発明の第三の態様に従って、以下の工程から成る農業用化学物質調合物を作成する方法を提供する。
【0016】
(i) 少なくとも一種の不溶性材料を、交互共重合体の水溶性の農業用に許容される誘導体、又は農業用に許容されるその塩から成る少なくとも一種の分散剤とを結合させる工程であって、前記の交互共重合体が少なくとも一種の第一のコモノマーの残分及び少なくとも一種の第二のコモノマーの残分から成り、前記第一のコモノマーはα、β−不飽和のオキシ酸又は無水物から成り、そして前記第二のコモノマーは一種以上の重合しうる二重結合を含むオレフィン性化合物から成る工程;及び
【0017】
(ii) 均一な水和剤(WP)調合物を得るため、望みの粒子サイズに前記の組み合わせを微粉砕する工程。
【0018】
本発明の第四の態様に従って、以下の工程から成る農業用化学物質の調合物を作成する方法を提供する。
【0019】
(i) 農業用用途に適する、少なくとも一種の不溶性材料を、交互共重合体の水溶性の農業用に許容される誘導体、又は農業用に許容されるその塩から成る少なくとも一種の分散剤と結合させる工程であって、前記の交互共重合体が少なくとも一種の第一のコモノマーの残分及び少なくとも一種の第二のコモノマーの残分から成り、前記第一のコモノマーはα、β−不飽和のオキシ酸又は無水物から成り、そして前記第二のコモノマーは一種以上の重合しうる二重結合を含むオレフィン性化合物から成る工程;及び
【0020】
(ii) 均一な水和剤(WP)調合物を得るため前記組み合わせをブレンドする工程
【0021】
本発明の第五の態様に従って、以下の工程から成る農業用化学物質調合物を作成する方法が提供される。
【0022】
(i) 農業用用途に適する、少なくとも一種の不溶性材料を、交互共重合体の水溶性の農業用に許容される誘導体、又は農業用に許容されるその塩から成る少なくとも一種の分散剤と結合させる工程であって、前記の交互共重合体が少なくとも一種の第一のコモノマーの残分及び少なくとも一種の第二のコモノマーの残分から成り、前記第一のコモノマーはα、β−不飽和のオキシ酸又は無水物から成り、そして前記第二のコモノマーは一種以上の重合しうる二重結合を含むオレフィン性化合物から成る工程、
【0023】
(ii) 前記の組み合わせを凝集して、別個の粒状の材料を形成させる工程;及び
【0024】
(iii) 前記粒状材料を乾燥して、水分散性の粒状WG調合物を得る工程
【0025】
本発明の第六の態様に従って、第二、第三、第四、及び第五の態様の工程によって製造された調合物が提供される。
本発明の第七の態様に従って、少なくとも一種の不溶性材料、及び交互共重合体の水溶性の農業用に許容される誘導体、又は農業用に許容されるその塩から成る少なくとも一種の分散剤とから成る農業用調合物を提供するものであって、前記の交互共重合体が少なくとも一種の第一のコモノマーの残分及び少なくとも一種の第二のコモノマーの残分から成り、前記第一のコモノマーはα、β−不飽和のオキシ酸又は無水物から成り、そして前記第二のコモノマーは一種以上の重合しうる二重結合を含むオレフィン性化合物から成るものである。
【0026】
本発明の第八の態様に従って、以下の工程から成る不溶性の材料で基質を処理する方法が提供される。
【0027】
(i) 少なくとも一種の不溶性材料、及び交互共重合体の水溶性の農業用に許容される誘導体、又は農業用に許容されるその塩から成る少なくとも一種の分散剤とから成る調合物を調製することであって、前記の交互共重合体が少なくとも一種の第一のコモノマーの残分及び少なくとも一種の第二のコモノマーの残分から成り、前記第一のコモノマーはα、β−不飽和のオキシ酸又は無水物から成り、そして前記第二のコモノマーは一種以上の重合しうる二重結合を含むオレフィン性化合物から成る工程、
【0028】
(ii) 前記の調合物を水系の媒体中に分散する工程;及び
(iii) 分散した調合物を基質に適用する工程。
【0029】
本発明に用いられる分散剤は交互共重合体を基準としている。交互共重合体は、コモノマーと反応条件との注意深い選択によって調製されることは、当業者等にとって理解されるであろう。当業界において良く知られているように、交互共重合体を得るためにしばしば付加的な重合条件が観察される。例えば温度及び溶媒のタイプは、交互の又は他のタイプのコポリマーが形成されるかどうかに影響を与える。このような交互コポリマーを作成する方法は、ポリマー合成の当業者らにとって良く知られている。
【0030】
コポリマーの交互の又は実質的に交互の特性は、本発明にとって重要であると信じられる。当業界に熟練した人にとって、コポリマーが交互の特性であると考えられるためには、規則性の程度が必要であることは理解されるであろう。交互共重合体は、第一のコモノマーと第二のコモノマーの残分の間で交替する、70%以上の、更に好ましくは90%以上の連続したコモノマー残分ユニットによって規定される交互特性を有することが好ましい。このようなコポリマーの合成において、これを達成するため、高い程度のコントロールが大部分の場合に要求されるのである。
【0031】
交互コポリマーは付加的なコモノマー残分含むことができる。例えば、付加的な少量の、10%以下といえるメチルメタクリレートは、コポリマーの交互特性を実質的に変化させることは無いであろう。本発明に用いられる、適当な交互コポリマーはまた、第一及び第二のコモノマーのタイプを含んで3種以上のコモノマーのコポリマーを含むことができる。理論によって拘束されることを望むわけではないが、もし矛盾のない疎水性ポリマーの主鎖が規則的に間隔を置いたアニオン性の電荷、又は交互コポリマーによって得られたようなポリマー分子に沿った立体化学的のバリアーの存在によって与えられるなら、改良された分散剤の性能が保持されるように思える。
【0032】
ポリマー分子に沿って実質的に規則正しく間隔を置いたアニオン性の電荷を有するコポリマーは、優れた分散剤としての性能を与える。例えば、交互、又は繰り返しユニットは、好ましくはモノマーであるがまたダイマー、トリマー、或いは小さいオリゴマーであることができる。
【0033】
理論によって拘束されることを望むわけではないが、ポリマー分子の剛性が、分散剤としての特性に関係すると信じられる。その改良された分散剤特性は立体障害、及びポリマーの自由回転に対する抵抗性の程度に関係すると信じられる。
【0034】
交互共重合体は第一のコモノマー、又は第一のコモノマーの混合物を第二のコモマーと共に重合させて作ることができ、この第一のコモノマーは少なくとも一種の反応性二重結合を有し、二重結合上の置換基のバランスは、ベンチマークモノマーとしてポリマー化学の当業者らによって良く用いられる、スチレンに比較して二重結合の電子不足を造り出し(ポリマーハンドブック、セクションII/267参照)、第二のコモノマーは少なくとも一種の、第一のコモノマーと共重合可能な二重結合を有し、第二のコモマーの二重結合上の置換基のバランスは、第一のコモマーの二重結合に比較して電子リッチであるような二重結合を造り出すものである。
【0035】
適当な好ましい、第一のコモノマーの例としては、フマール酸、マレイン酸、及び酸無水物、そしてこれらから誘導されたエステル、アミド、及びイミド、イタコン酸及び無水物、そしてこれらから誘導された対応するエステルアミド、及びイミド、アクリル酸、及びメタクリル酸、エステル及びアミド、ビニルホスホン酸及びそれから誘導された対応するエステルとアミド、そしてエチレンスルホン酸とそれから誘導されたエステルとアミドが含まれる。
【0036】
好ましい第二のコモノマーの例としては、スチレン及びそのアルキルそしてハロ誘導体、ビニルエーテルとエステル、α−オレフィン、内部オレフィン、環状オレフィン、エキソ環式とエンド環式の両者、アリルアルコールとその対応エステル誘導体、アリルエーテルとアリルハロ化合物、アリルアリール化合物、ビニルアミド、ビニルクロライドとビニリデンクロライドが含まれる。
【0037】
理論によって拘束されることを望むものではないが、第一と第二のコモノマーの電子不足と電子リッチの二重結合の不均衡は、ランダム又はブロックホモ重合の特性とは対照的に、誘導されたコポリマーに実質的に交互に起こる特性を与える。理論によって拘束するつもりはないが、コポリマー誘導体の交互に起こる特性は、矛盾のない正規の電荷密度又は立体バリアー性を与え、分散剤特性を助け、そしてまた水溶性を改良するものと思える。
【0038】
本発明の分散剤は、交互コポリマーの、農業用に容認される塩又は水溶性の農業用に受け入れられる誘導体であり、そして好ましくは容易に水に溶解するものである。適当な農業用に受け入れられる塩の誘導体としては、酸、及び無水物やエステルのような酸誘導体のようなコポリマーのペンダント基を、アルカリ、及びアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、カーボネート及びアルコキサイド、又は塩基性窒素、アンモニア、アミンそしてテトラアルキルアンモニウム、スルホニウムそしてホスホニウム塩のような硫黄及びリン化合物、のような塩基の試薬と反応させることによって得られるものを含む。農業用に受け入れられる交互コポリマーの塩が一般に好ましいが、交互コポリマーの遊離酸が調合物及び適当なカチオンの異なる原料に供給され、交互コポリマーを可溶化する水系媒体に添加することができる。
【0039】
好ましくは適当なカチオン量は、交互コポリマー中に最適の分散剤特性を与えるに充分な量である。交互コポリマーがポリアニオン性ポリマーを形成する実質的な量であるような過剰のカチオンを供給することが一般に望ましい。交互コポリマーの酸無水物は一般に水に溶解しない。しかしながら、我々は遊離の酸はある程度、水に対する溶解性を示すことを見いだしたのである。一つの態様において、その調合物は交互コポリマーの遊離酸を含むことができる(任意の適当なカチオン原料が無いときには)。カチオン原料は調合物を分散する前に、水系の媒体に別に添加して供給することができる。
【0040】
交互コポリマーの遊離酸と、調合物を分散する前に別に添加するカチオン原料とのある組み合わせが有利であることを見いだしたのである。遊離酸とカチオン原料の間の反応はガスを発生し、そしてその作用は不溶性の材料に含まれる粒体の崩壊を促進すると信じられる。特に、炭酸ナトリウムの添加は二酸化炭素の発生を伴い、そしてその結果として粒体の崩壊を増進する。他のカチオン原料を選ぶことができ、その結果色々なガス状反応生成物を発生させ、改善された分散物を与える。
【0041】
調合物又は水系の媒体のいずれにも組み込むことが適当なカチオン原料は、アルカリ金属カチオンのような、農業用に受け入れられるカチオンの原料を含む。好ましくはカチオン原料は、カーボネート、ビカーボネート、ハイドロオキサイド、ホスヘート、アルコキサイド、ボラート、サルファイト、及びシリケートのようなアルカリ塩から成るグループから選択される。他の水溶性の農業用に受け入れられる交互コポリマーの誘導体は、ポリアルキレンオキシ誘導体、ポリアミド誘導体、及びポリビニルアルコール誘導体が含まれる。水溶性の表現は、交互コポリマーの誘導体が少なくとも部分的に室温で水溶性であることを意味する。他の交互コポリマーの水溶性誘導体はまた本発明に有用である。
【0042】
交互コポリマーの好ましい分子量は1000〜90000ダルトンの範囲である。我々は、ある程度高い分子量の交互コポリマーが、溶液中である程度取り扱いにくいことを見いだし、そして我々の更に好ましい範囲は1000〜30000ダルトンであり、更に好ましい範囲は1000〜10000ダルトンである。
【0043】
農業用組成物中の分散剤として用いられる農業用に受け入れられる塩、又は他の水溶性交互コポリマーの誘導体が、スルホン化されたアルキルナフタレンホルムアルデヒド縮合体の塩のような従来から使用されてきた分散剤と比較するとき、改善されそして矛盾のない分散剤特性を与えることを我々は見いだしたのである。
【0044】
ここに記載のコポリマーが、例えばジイソブチレン、イソブチレン及びスチレンと無水マレイン酸とのコポリマーのような先行技術におけるすでに記載されている分散剤構造物と比較するとき優れた特性を与え、更にこれらの同一刊行物に記載されている他の誘導体は、全く農業用の用途の分散剤として適当に用いることができないということは驚くべきことである。例えば、我々は幾つかのスチレン−無水マレイン酸コポリマー誘導体が、安定性に劣りそしてある場合には不安定な分散物を結果として与えることを見いだしている。
【0045】
交互特性のみが、分散剤コポリマーの効果的な特性を保証しているようには思えず、例えばメチルビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマーは不安定な分散物を与える。理論に拘束されることを望まないが、これは小さな疎水性の主鎖の存在、低い分子量、又はこれらの組み合わせによるものと思われる。
【0046】
同様に、n−オクテンとn−デセンから誘導されたような、幾つかの線状α‐オレフィン無水マレイン酸誘導体は、同様に懸濁性に劣り、不安定な分散物を生じた。理論に拘束されることを望まないが、このようなポリマー中の疎水性側鎖の線状配座が、疎水性の表面の結合の、又は代わりに異なる表面の間の架橋結合のいずれかの効率を悪くしているものと思われる。いずれの場合でも凝集は観察される。
【0047】
ここに記載のコポリマーの特性は、WP及びWG調合物における異なる分散剤濃度でも観察され、改善された貯蔵安定性を示す。また我々は多くの場合において、分散剤の濃度を一般に許容されているレベルよりも下げることが可能であり、そして受け入れられる懸濁性をその結果維持し、更に効率的な表面付着量を達成することが可能であることを見いだしたのである。実際的な表現でこれは最終ユーザーにとって分散剤が更にコスト的に効率的であることを意味している。コポリマーの使用比率を、類似の分子量のジイソブチレン無水マレイン酸ナトリウム塩のそれと比較するとき、一般に我々は本発明のコポリマーが対応するジイソブチレン誘導体よりも低い濃度で許容される安定性を与えることを見いだしたのである。加えるに、その調合物は一般に改善された分散性を示す。スルホン化アルキルナフタレンホルムアルデヒド縮合物と比較するとき、より低い濃度であっても懸濁性は著しく改善される。
【0048】
このような交互コポリマーの製造方法は、ポリマー合成の当業者らには良く知られているであろう。
【0049】
本発明に用いられる分散剤のシステムは、交互コポリマーと、当業者等に知られている他の分散剤との混合物であることができ、アルキル置換されそして未置換のスルホン化ナフタレンホルムアルデヒド縮合物の塩、アルキル置換されそして未置換のフェノールホルムアルデヒド縮合物の塩、リグノスルホン化塩、ポリアクリレート塩、そして他のすでに開示のα‐オレフィン性不飽和のジカルボン酸コポリマー誘導体が含まれる。
【0050】
農業化学物質の用途において、活性主剤のような広い各種の不溶性材料は、水系の懸濁物に加えられる。WP、WG、及びSC調合物に用いられるような活性主剤は、一般に室温で不溶性である。WP、WG、及びSC調合物に有利に用いられる水不溶性の材料は、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、殺生剤、防カタツムリ剤、除藻剤、植物成長調節剤、駆虫薬、殺鼠剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、アメーバ駆除剤、原生動物駆除剤、クロップセイフナーとアジュバント(crop safeners and adjuvants)等が含まれる。このような農業用に通常、粒体又は粉体として作られた活性成分の例としては、シマジン、アトラジン、テルブチルアジン、テルブトリン、プロメトリン、及びアメトリンのようなトリアジン除草剤、ジウロン、及びフルオメトロンのような尿素除草剤、クロロスルフロン、メツウルフロンメチル、ニコスルフロン、及びトリアスウルフロンのようなスルホニル尿素除草剤、フルメツラムのようなスルホンアニリド除草剤、アジンホスメチル、クロロピリホス、スルプロホス及びアザメチホスのような有機燐酸エステル殺虫剤、アルジカルブ、ベンジオカルブ、カルバリール及びBPMCのようなカルバメート殺虫剤、ビフェンスリンのような合成ピレスロイド、同様にジメトモルフ、ベノミル、カルベンダジム、マンコゼブ、ヘキサコナゾール及びジニコナゾールのようなトリアゾールを含む各種タイプの殺菌剤、プロパルギットのようなダニ駆除剤等が含まれる。このような製品のリストは、殺虫剤辞典(農業化学物質ハンドブックに含まれる)、又は英国Crop Protection society:殺虫剤マニュアルから引き出すことができる。
【0051】
加えるに、化学肥料そしてまた水溶性の有効成分を水分散性調合物に、操作上都合がいいように、あるいはまた放出制御の調合物を促進するために、不活性のキャリアーに添加して用いることができる。
【0052】
充填材及びキャリアーを含む、広い各種の他の不溶性材料が農業用の用途に用いられ、例えばこれに限らないが、天然の及び合成のシリケート、及びシリケート鉱物、鉱物の酸化物及び水酸化物、そしてまた天然のそして合成的に誘導された有機材料がある。このような材料は多孔性のキャリアーとして、湿気防止剤として添加され、調合調合物の結合又は凝集の特性を助け、或いは単純に都合の良い調合調合物に重量を満たすものである。このような充填材の例としては、珪藻土のような天然シリケート、合成沈降性シリカ、カオリン、アタパルジャイト及びベントナイトのようなクレー、ゼオライト、二酸化チタニウム、酸化及び水酸化鉄、酸化及び水酸化アルミニウム、又は、バガス、木炭、又は合成有機ポリマーのような有機材料が含まれる。これらの他の不溶性材料は、本発明に従って容易に分散することができる。
上記の調合物に用いられる分散剤と組み合わされて通常用いられる付加的な試薬は、湿潤剤としての界面活性剤である。SC調合物の場合における湿潤剤の役割は、製造中粒子表面からの空気の除去を助け、そして水中への希釈を促進することにある。WP調合物のケースでは、湿潤剤の役目は固体の水中への浸透を促進し、一方WG調合物のケースでは、粒体の水中への浸透を促進し、そして粒子の崩壊を促進して一次粒子サイズに戻すのである。ある場合において分散剤はそれ自身適当な湿潤剤としての機能を果たすことができ、一方他の場合には、分散剤は湿潤剤とは相反する効果を示す。更なる本発明の態様として、少なくとも一種の湿潤界面活性剤が、アルキルポリサッカライド、ジ又はモノアルキルスルホサクシネート誘導体、不活性のシリケートキャリアー上に負荷された非イオン性界面活性剤、及び尿素界面活性剤コンプレックスの形に導かれた非‐イオン性界面活性剤から選ばれる。
【0053】
水系媒体中に調合調合物を分散する工程は、調合物の性質に依存して通常の任意の適当な手段によって達成される。水溶液中への調合物の分散は、手で又は最低の機械的な撹拌のいずれかで行われることが望ましい。機械的な撹拌は、撹拌、混合、ブレンディング、及び他の類似の方法が含まれる。
【0054】
水系媒体中の不溶性材料の懸濁物は一般に、プラント又は他の農業基材のような基質の処理に用いられる。基質上への懸濁物の適用は、スプレー等を含む任意の都合の良い方法で達成される。農場主がスプレーする以前に、粒体は一般に水中に分散される。農場主によるスプレーは小さい背中に納めたハンドスプレー、又は大きいブームスプレー(boom spray)又は他の便利な方法で行われる。
【0055】
本発明の調合物はまた、分散物にする前に基質に直接適用することができる。その後の雨、又は他の水系媒体を適用することは、粒子材料の懸濁液調合物にとって特に問題はない。
【0056】
本発明はWP、WG、及びSC調合物に関連して記載されている。それぞれの場合において、調合物調合物は微細に粉体化された不溶性の疎水性粒子の安定な水系分散物として提供される。分散物の安定特性、及びこの故に分散物の効力は、CIPAC試験MT15.1に記載の懸濁性試験の方法で測定される。このテストにおいて、懸濁した材料の容積部分と、重力によって沈降した容積部分を30分後に比較する。一般に約80%の報告された懸濁性のパーセントを有する分散剤は、WG及びWP調合物に対し効果的な分散剤として見なされ、一方90%を越える場合にはSC調合物に期待される。他の分散物の安定性の尺度は、凝集せずに残った粒子の率である。これはまた、調合物中に分散剤が一様に分布するその特性を示す。凝集した粒子の程度は、よくCIPAC試験MT59.3に記載の湿潤篩い残留試験によって測定される。この試験において、分散された固体は微細な一連の篩いに注ぎ込まれ、そして篩に保持された材料が分散材料の合計量の一部分として測定される。このような凝集の形成は、WG調合物に観察される重大な問題であり、そしてWP調合物においてはその程度は少ない。
【0057】
一般に、WP調合物は、有効成分を単独で或いは充填材、分散剤及び/又は湿潤界面活性剤と組み合わせて、適当な粒子サイズ、一般に5〜15μmの範囲に磨砕することによって作られる。磨砕された材料はその後界面活性剤湿潤剤と、そして/又はもしまだ存在しないなら分散剤を又は追加の分散剤と、及び/又は界面活性剤湿潤剤と乾燥ブレンドし、均一な組成物を与える。粉末調合物はその湿潤性がCIPAC MT53.5.1に記載されている方法に従って推定され、そしてCIPAC MT15.1により懸濁性が推定される。調合品調合物は1分以下の湿潤性を有し、そして80%以上の懸濁性を有していることが望ましい。60%以下は一般に受け入れられないと考えられている。市場で受け入れられる結果は、地方の登記公共機関によって、又は配合者自身によって設定された標準のいずれかによって測定される。
【0058】
WG調合物の場合において、他の充填材と共に或いはなしで、一般に5〜15μmの粒子サイズに適当に磨砕された活性成分は、1種以上の湿潤界面活性剤及び1種以上の分散剤と混合される。一般的に過剰の水が添加され、粒子を一緒に結合し凝集させる。過剰の水は後に適当な空気乾燥の技法によって最適レベルに減少される。
【0059】
凝集体は一般に、当業者らに良く知られている、パン粉体化、ドラム粉体化、流動床粉体化、スプレー乾燥、タブレット化、又は押し出し技法を含む多くの技法の一つを用いて粉体化される。
【0060】
湿潤剤及び分散剤は活性成分と共に、粉体ブレンドするか、或いは代わりに水中で凝集補助剤を用いて水溶液としてブレンドされる。活性成分、充填材、湿潤剤、及び分散剤はまた、水の添加の前に一つの操作で一緒に磨砕することができる。
【0061】
受け入れられるWG調合物にとって、前記粒体が短い時間で最初の分散粒子サイズに戻って水中で容易に分散されることが付加的に要求される。この性質は分散性として知られており、そして本発明の記載においては、粒体が標準の撹拌程度下で水中に分散され、最初の粒子サイズに戻るために要する時間として測定される。分散時間は1分以下が望ましく、20秒が優秀、そして2分は劣る。望ましくは粒体はまた、良好な懸濁性を有すべきである。一般に、懸濁性はCIPAC MT15.1を用いて試験される。80%以上が望ましい結果であり、60%以下は一般に望ましくないとされている。粒子を試験する際多くの場合において、いわゆる最大表面被覆率の結果がしばしば得られる。これは懸濁性の結果が平坦域から最大レベルに到達するところである。更に多くの分散剤を添加しても一般に、その結果改善されることはない。この現象は材料の粒子サイズ分布によるものと考えられる。通常、分散剤のタイプや濃度を考えることなく、決められたそのようなサイズの与えられた粒子の数がある。
【0062】
望ましくは、粒体は低い湿潤篩い保持率を有すべきである。湿潤篩い保持率は、一般にCIPAC MT59.3を用いて試験される。保持された材料が150μm篩いで0.1%以下であることが望ましい。0.02%以下が更に望ましい。同様に、53μm篩いで0.6%以下が望ましく、これより小さい値はいずれも更に望ましい。
【0063】
更に望ましいWG調合物の性質は、粒体がほこりっぽくなく、そして耐摩耗性であるべきである。しばしば、これは用いた粉体化の方法の性質、及びここで得られた圧縮のレベルによるものである。しばしば、WG調合物の分散性特性と圧縮及び耐摩耗性のレベルとの間には、取引交換が観察される。耐摩耗性は、その程度を設定した撹拌条件で粒子を撹拌し、そしてそこで発生した小さい粒子のレベルを種々のサイズの篩いを通すことによって評価して測定する。
【0064】
貯蔵安定性は50℃に貯蔵することで試験し、1ヶ月以上及び3ヶ月間隔で試験を行いどのような性質が著しく変化したかを測定した。
好ましくは、粒体は、貯蔵の際にこれらの性質を保持すべきである。驚くべきことに、貯蔵期間を延長しても、ここに記載のごとき分散剤を含む、WP、及びWG調合物のような固体調合物は、先行技術の調合物のような分散性、及び懸濁性についての劣化の影響を受けることは全くなかった。
【0065】
我々はまた、ここに記載の分散剤を組み入れたWP及びWG調合物は、現在知られているWP及びWG調合物よりも、概して少ない分散剤で十分であることを見いだした。
【0066】
WP及びWG調合物の場合において本発明の更なる態様として、ここに記載の分散剤は、アルキルポリサッカライド、ジアルキル及びモノアルキルスルホサクシネート塩、多孔性シリケートキャリアに負荷された非イオン性界面活性剤、及び非イオン活性剤の尿素界面活性剤コンプレックス、から成るクラスから選ばれた湿潤界面活性剤と併用することができる。このような調合物において湿潤活性剤は、1%w/w以上、そして好ましくは3%w/w以下の比率で併用することができる。もっとも好ましいアルキルポリサッカライドのクラスからの湿潤剤は、アルキルポリグルコシドでありグルコースと第一級炭化水素アルコールとの反応から誘導される。更に好ましくはECOTERIC AS 20及びECOTERIC AS10 (Orica Australia Pty.Ltd)から得られるような高結晶性誘導体である。モノアルキルスルホサクシネートクラスからの最も好ましいものは、ジシクロヘキシル、ジイソオクチル、及びジ−n−オクチルスルホサクシネートのナトリウム又はカリウム塩である。不溶性で多孔性のシリケートキャリア上に負荷された非イオン性界面活性剤のクラスで最も好ましいものは、TERIC 157(Orica Australia Pty Ltd)のようなキャリア上に負荷されたエトキシル化界面活性剤である。尿素界面活性剤コンプレックスの最も好ましい湿潤剤は、TERWET 7050(Orica Australia Pty Ltd)のようなアルコールエトキシル化界面活性剤の尿素付加物である。ここに記載の湿潤剤は、調合物に対し良好な湿潤性及び分散性を示し、そしてここに記載のコポリマー分散剤と組み合わせて良好な貯蔵安定性を示す付加的な利点を有している。これに対し、アルキルナフタレンスルホネート塩及びリグノスルホネート塩のような通常用いられているWGやWPの湿潤剤は、貯蔵安定性に劣っていることが見いだされた。
【0067】
本発明のSC調合物の場合に活性の成分が一般に水含有分散剤に添加され、好ましくは通常の非−イオン性分散剤と一緒に界面活性剤湿潤剤と共に加えられる。保湿剤が又これに含まれる。分散物は高剪断混合を用いて形成される。その後分散物は幾つかの湿式ミリングの中の任意の一つの方法で磨砕され、分散固体の平均粒子サイズを5μm以下更に一般的には1〜3μmの範囲になるように分散される。得られた生成物はミルベースとして知られ、そして不凍剤、濃厚剤、及び沈降防止剤、殺虫剤のような添加剤で変性され、そして着色剤も添加することができる。受け入れられるSC調合物にとっては、高い割合の増粘、ある期間の間での沈降或いは凝集の成長を示すべきではない。これらの物理的な特性は目視の観察で推定される。
【0068】
SCは一般に良好な粘度及び貯蔵安定性を要求される。貯蔵安定性は通常上部の沈降又は離液、沈殿又は底部に粘着性の層を形成する傾向の“クレーイング”及び沈降を示す必要なく分散物が分離する傾向の“ブリーディング”の程度として推定される。再分散性もまた重要である。これらは目視で推定される。
【0069】
ここに記載の分散剤の場合においてSC調合物について、ある分散剤コポリマーのみが適当である。単独で使用した場合、幾つかの分散剤コポリマー誘導体は、スラリープレミックスを磨砕するのに不適当な粘度を与えるので、分散剤を他の早く作用する、EO/POブロックコポリマータイプの分散剤のような、良く知られた分散剤と併用することが好ましい。理論で束縛されることを望むわけではないが、分散剤は分散された粒子の表面に移動する時間を必要とすると思われる。分散剤コポリマーは、ある場合には他の知られた分散剤と共に用いられ、共力して作用する。
【0070】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は農業用化学物質の調合物に関連して記載してきたが、分散性及び懸濁性の改善は、本発明が他の用途にも有用であることは明らかである。本発明を以下の限定されない実施例及び図式を引用して更に詳述する。ここに列挙する全てのパーセントは他に特に明記しない限り全組成物の重量パーセントである。
【0071】
実施例1
以下の組成の、シマジン900g/kgWG調合物を調製した。
シマジン(工業用)(98%w/w) 91.8%w/w
MORWET EFW 1.5
(Witco Corp)
分散剤 6.2
水 0.5
用いた分散剤はアルキルナフタレンホルムアルデヒド縮合物の塩、SCS 2258(ICI界面活性剤)である。固体を可塑性のプレミックスを与えるように、ほぼ15重量%の水とブレンドし、これをその後Fuji−Paudal実験室スケールの押し出し造粒機を用いて押し出して、粒体を調製した。それから得られた粒体を流動床乾燥機を用いて乾燥し、ほぼ0.5%w/wの水分含有量まで戻した。
【0072】
得られたWGを、均一な撹拌条件下で全崩壊に要する時間を、秒数で記録して分散性をテストした。懸濁性をCIPAC MT15.1に従ってテストし、そして湿潤篩い保持テストを150ミクロンと53ミクロンの篩いを用いてCIPAC MT59.3に従って行った。結果を表1に記録する。
【0073】
実施例2
シマジン 99g/Kg WGを実施例1に記載の通り調製し試験を行った。ここで用いた分散剤はPOLYFON H(Westvaco Corp)、リグノスルホネート塩である。結果を表1に示す。
【0074】
実施例3
以下の組成のシマジン 900g/Kg WG調合物を調製した。
シマジン(工業用)(98%w/w) 91.8%w/w
ATPLUS G73050 1.5
(現在商標TERSPERSE7050の下でOrica Australia Pty LTDより市販)
分散剤 3.1
カオリン 3.1
水 0.5%
用いた分散剤は、n−オクテンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩で、分子量は約20,000〜30,000であった。粒体を実施例1に記載の方法で、調製しそしてテストした。結果を表1に示す。
【0075】
実施例4
シマジン900g/Kg WG調合物を実施例3に記載の方法に従って調製しテストし、ここで分散剤としてはn−デセンと無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表1に示す。
【0076】
実施例5
シマジン900g/Kg WG調合物を実施例3に記載の方法に従って調製しテストした。ここで分散剤としては分子量約30,000〜40,000のジイソブチレンと無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表1に示す。
【0077】
実施例6
WG調合物を実施例3に記載の通り調製しテストを行った。ここで分散剤としてはSMA1000のナトリウム塩(Atochem Inc.)を用い、これはスチレンと無水マレイン酸の1:1モル比のコポリマーである。結果を表1に示す。
【0078】
実施例7
WG調合物を実施例3に記載の通り調製しテストを行った。ここで分散剤としてはSMA3000のナトリウム塩(Atochem Inc.)を用い、これはスチレンと無水マレイン酸の3:1モル比のコポリマーである。結果を表1に示す。
【0079】
実施例8
WG調合物を実施例3に記載の通り調製しテストを行った。ここで分散剤としてGANTREZ AN 119樹脂のナトリウム塩(Rhodia Inc.)を用い、これはメチルビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマーである。結果を表1に示す。
【0080】
実施例9
以下の組成のシマジン900g/Kg WG調合物を調製した。
シマジン(工業用)(98%w/w) 91.8%w/w
ATPLUS G73050 1.5
(現在商標TERSPERSE 7050の下でOrica Australia Pty LTDより市販)
分散剤 6.2
水 0.5%
用いた分散剤は、ジイソブチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのモノアンモニウム塩であった。粒体を実施例1に記載の方法で、調製しそしてテストを行った。結果を表1に示す。
【0081】
実施例10
以下の組成のシマジン900g/Kg WG調合物を調製した。
シマジン(工業用)(98%w/w) 91.8%w/w
ATPLUS G73050 1.5
(現在商標TERSPERSE 7050の下でOrica Australia Pty LTDより市販)
分散剤 3.1
カオリン 3.1
水 0.5%
用いた分散剤は、ウンデシレン酸と無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩であった。粒体を実施例1に記載の方法で、調製しそしてテストを行った。結果を表2に示す。
【0082】
実施例11
シマジン900g/Kg WG調合物を実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としてはビニルイソブチルエーテルと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0083】
実施例12
シマジン900g/Kg WG調合物を実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としてはアルファメチルスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0084】
実施例13
シマジン900g/Kg WG調合物を、実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としては、10:3のモル比のアルファメチルスチレン:無水マレイン酸の非−交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0085】
実施例14
シマジン900g/Kg WG調合物を、実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としては、4:3のモル比のアルファメチルスチレン:無水マレイン酸の非−交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0086】
実施例15
シマジン900g/Kg WG調合物を、実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としては、50%モル過剰の無水マレイン酸を用いて作成したアルファメチルスチレンと無水マレイン酸の非−交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0087】
実施例16
シマジン900g/Kg WG調合物を、実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としては、アルファメチルスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのベンジルトリメチルアンモニウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0088】
実施例17
シマジン900g/Kg WG調合物を、実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としては、d−リモネンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0089】
実施例18
シマジン900g/Kg WG調合物を、実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としては、β−ピネンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0090】
実施例19
シマジン900g/Kg WG調合物を、実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としては、ジメチルジシクロペンタジエンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0091】
実施例20
シマジン900g/Kg WG調合物を、実施例10に記載の方法に従って調製しテストを行った。ここで分散剤としては、ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0092】
実施例21
以下の組成のアトラジン900g/kg WG調合物を調製した。
アトラジン(工業用)(98%w/w) 91.8%w/w
ATPLUS G73050 1.5
(現在商標TERSPERSE7050の下でOrica Australia Pty Ltdより市販)
分散剤 3.1
カオリン 3.1
水 0.5
ここで用いた分散剤は、ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩である。粒体は実施例1に記載の通り作成しテストを行った。結果を表2に示す。
【0093】
実施例22
アトラジン900g/kg WG調合物を、実施例21に記載の方法で調製し、テストを行った。分散剤としてはアルファメチルスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0094】
実施例23
以下の組成のジウロン900g/kg WG調合物を調製した。
ジウロン(工業用)(97%w/w) 92.8%w/w
ATPLUS G73050 1.5
(現在商標TERSPERSE3050の下でOrica Australia Pty Ltdより市販)
分散剤 3.1
カオリン 3.1
水 0.5
ここで用いた分散剤は、ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩である。粒体は実施例1に記載の通り作成しテストを行った。結果を表2に示す。
【0095】
実施例24
ジウロン900g/kg WG調合物を、実施例23に記載の方法で調製し、テストを行った。分散剤としてはアルファメチルスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0096】
実施例25
以下の組成のシマジン900g/kg WG調合物を調製した。
シマジン(工業用)(98%w/w) 91.8%w/w
ATPLUS G73050 1.5
(現在商標TERSPERSE7050の下でOrica Australia Pty Ltdより市販)
分散剤 3.1
カオリン 3.1
水 0.5
ここで用いた分散剤は、アルファメチルスチレン、スチレン、及び無水マレイン酸から成る第一と第二のコモノマーの間で交互特性のないターポリマーのナトリウム塩である。粒体は実施例1に記載の通り作成しテストを行った。結果を表2に示す。
【0097】
実施例26
シマジン900g/kg WG調合物を、実施例25に記載の方法で調製し、テストを行った。分散剤としてはアルファメチルスチレン、ジシクロペンタジエン、及び無水マレイン酸から成る第一と第二のタイプのモノマーの間で交互特性を示すターポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0098】
実施例27
シマジン900g/kg WG調合物を、実施例25に記載の方法で調製し、テストを行った。分散剤としては、40:20:40のモル比のアルファメチルスチレン:メタクリル酸:無水マレイン酸から成る第一と第二のタイプのモノマーの間で交互特性を示すターポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0099】
実施例28
シマジン900g/kg WG調合物を、実施例25に記載の方法で調製し、テストを行った。分散剤としては、40:10:45のモル比のアルファメチルスチレン:メタクリル酸:無水マレイン酸から成る第一と第二のタイプのモノマーの間で交互特性を示すターポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0100】
実施例29
シマジン900g/kg WG調合物を、実施例25に記載の方法で調製し、テストを行った。分散剤としては、48:2:48のモル比のアルファメチルスチレン:メタクリル酸:無水マレイン酸から成る第一と第二のタイプのモノマーの間で交互特性を示すターポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0101】
実施例30
シマジン900g/kg WG調合物を、実施例25に記載の方法で調製し、テストを行った。分散剤としては、37.5:25:37.5のモル比のアルファメチルスチレン:4−ビニルピリジン:無水マレイン酸から成る第一と第二のタイプのモノマーの間で交互特性を示すターポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0102】
実施例31
シマジン900g/kg WG調合物を、実施例25に記載の方法で調製し、テストを行った。分散剤としては、37.5:25:37.5のモル比のアルファメチルスチレン:N−ビニル−2−ピロリドン:無水マレイン酸から成る第一と第二のタイプのモノマーの間で交互特性を示すターポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0103】
実施例32
シマジン900g/kg WG調合物を、実施例25に記載の方法で調製し、テストを行った。分散剤としては、48:4:48のモル比のアルファメチルスチレン:1−ビニルイミダゾール:無水マレイン酸から成る第一と第二のタイプのモノマーの間で交互特性を示すターポリマーのナトリウム塩を用いた。結果を表2に示す。
【0104】
実施例33
以下の組成のアトラジン900g/kg WG調合物を調製した。
アトラジン(工業用)(98%w/w) 91.8%w/w
ATPLUS G73050 1.5
(現在商標TERSPERSE3050の下でOrica Australia Pty Ltdより市販)
分散剤 3.1
カオリン 3.1
水 0.5
ここで用いた分散剤は、アルファメチルスチレン、ジシクロペンタジエン、及び無水マレイン酸から成る第一と第二のタイプのモノマーの間で交互特性を示すターポリマーのナトリウム塩である。粒体は実施例1に記載の通り作成しテストを行った。結果を表2に示す。
【0105】
実施例34
以下の組成のシマジン900g/kg WP調合物を以下の通りブレンドして調製した。
シマジン(工業用)(98%w/w) 91.8%w/w
ATPLUS G73050 1.7
(現在商標TERSPERSE3050の下でOrica Australia Pty Ltdより市販)
分散剤 3.1
カオリン 3.4
用いた分散剤は、ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩である。結果を表3に示す。WPの湿潤性はまた、CIPACテストMT 53.5.1に従って測定した。
【0106】
実施例35
以下の組成のシマジン900g/kg WP調合物を、実施例34に記載の方法で調製し、テストを行った。用いた分散剤は、ジシクロペンタジエンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を3.1%w/w、湿潤剤はジシクロヘキシルスルホサクシネートのナトリウム塩を1.7%w/wで用いた。結果を表3に示す。
【0107】
実施例36
シマジン900g/kg WP調合物を、用いた湿潤剤がECOTERIC AS 20(Orica Australia Pty Ltd)であり、アルキルポリサッカライドを活性主成分上に1.7%w/wで用いた(製品は50%水溶液)点以外は、実施例34に記載の通り調製しそしてテストを行った。結果を表3に示す。
【0108】
実施例37
シマジン900g/kg WP調合物を、用いた湿潤剤が1.7%w/wで用いた不溶性の多孔性キャリア上に負荷されたTERI157(Orica Australia Pty Ltd)非イオン湿潤剤である点以外は、実施例34に記載の通り調製しそしてテストを行った。結果を表3に示す。
【0109】
実施例38
以下の組成のシマジン900g/kg WG調合物を調製した。
シマジン(工業用)(98%w/w) 91.8%w/w
湿潤剤 1.5
分散剤 6.2
水 0.5%
用いた分散剤は、アルファメチルスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩で、ほぼ20,000〜30,000の分子量、そして用いた湿潤剤はMORWET EFW(Witco Corp)スルホン化ナフタレン誘導体塩であった。粒体は実施例1に記載の方法に従って調製し、テストを行った。結果を表4に示す。
【0110】
実施例39
シマジン900g/kg WG調合物を、実施例38に記載の方法で調製し、テストを行った。用いた分散剤は、アルファメチルスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩、用いた湿潤剤はジシクロヘキシルスルホサクシネートのナトリウム塩であった。結果を表4に示す。
【0111】
実施例40
シマジン900g/kg WG調合物を、実施例38に記載の方法で調製し、テストを行った。用いた分散剤は、アルファメチルスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩、用いた湿潤剤はモノシクロヘキシルスルホサクシネートのナトリウム塩であった。結果を表4に示す。
【0112】
実施例41
以下の組成のアトラジン900g/kg SC調合物を調製した。
アトラジン(工業用97%w/w) 51.5%w/w
モノエチレングリコール 4.0
ATLOX 4896A 3
(現在商標TERSPERSE4896の下でOrica Australia Pty Ltdより市販)
分散剤 2
シリコン消泡剤 0.2
Rhodopol 23 0.2
(Rhodia Inc)
Proxel GXL 20 0.1
(Zeneca plc)
水 55.0
【0113】
分散剤としてはアルファメチルスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いた。SCはモノエチレングリコール、ATLOX4896A(TERSPERSE4896の商標で現在市販、Orica Australia Pty Ltd)、及び水中85%の分散剤を溶解し、そしてアトラジン(工業用)、及び消泡剤を、激しく混合しつつ添加しスラリー又はミルベースを形成して調製する。その後プレミックスを実験室スケールビードミルのダイノミルを用い、5ミクロン以下の粒子が>98%の適当な粒子サイズ分布を与えるよう混練する。このようにして得られたミルベースをProxel GXL 20(Zeneca plc)、及びRodopol23(Rhodia Inc)とプレミックス中でブレンドし、そして更に残余の水で望みの容積とし、そして均一な混合物に混合する。このようにして得られたSCは使用しうる粘度であり、そして最小のシネレシスと増粘で、2℃〜50℃で1ヶ月貯蔵まで安定に貯蔵できることを見いだし、そしてクレー化、沈降又は凝集は観察されなかった。
【0114】
実施例42
4%w/wのアルファメチルスチレンと無水マレイン酸の交互コポリマーのナトリウム塩を用いて、実施例41の調合物及び方法に従って、SC調合物を作成しようと試みた。そして1%w/wのみのATLOX 4896A(現在商標TERSPERSE4896の下に市販、Orica Australia Pty Ltd)を使用した。得られたミルベースのプレミックスは混練することが不可能な粘度であった。
【0115】
【表1】

【0116】
【表2】

【0117】
【表3】

【0118】
【表4】

【0119】
【表5】

【0120】
ここに記載の発明は、明確にここに記載した点以外に変更及び修正が可能であることを当業者らは認識しているであろう。本発明は発明の精神及び範囲に含まれる全てのこのような変更及び修正が加えられることを理解するべきである。発明はまた、本明細書において引用又は示した工程、機構、組成物、及び化合物の全てを、個々に又は集合的に、そして前記工程又は機構の任意の2種以上の、任意のそして全ての組み合わせを含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性溶液に不溶性物質を分散させる方法であって、
(i)少なくとも1種の不溶性物質、と農業用として許容できる水溶性の交互コポリマーの誘導体または農業用として許容できるそれらの塩を含有する少なくとも1種の分散剤を含む調合物を作成するステップであって、前記交互コポリマーが少なくとも1種の第1コモノマー残基および少なくとも1種の第2コモノマー残基を含み、前記第1コモノマーがα,β−不飽和オキシ酸または酸無水物を含み、前記第2コモノマーが1つまたは複数の重合性二重結合を含有するオレフィン性化合物を含む、前記のステップ、および
(ii)前記調合物を水性媒体に分散させるステップ
からなることを特徴とする方法。
【請求項2】
交互コポリマーが、第1コモノマーと第2コモノマーの残基間で70%より高い連続したコモノマー残基単位が交互に配列していると定義される交互特性をもつ請求項1に記載の方法。
【請求項3】
交互コポリマーが、第1コモノマーと第2コモノマーの残基間で90%より高い連続したコモノマー残基単位が交互に配列していると定義される交互特性をもつ請求項1に記載の方法。
【請求項4】
交互コポリマーが、コポリマーの交互特性を実質的に変えない追加のコモノマー残基を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第1コモノマーが、フマル酸、マレイン酸および酸無水物とそれらから誘導されるエステル、アミドおよびイミド、イタコン酸および酸無水物とそれらから誘導される相当するエステル、アミドおよびイミド、アクリル酸とメタクリル酸、エステルおよびアミド、ビニルホスホン酸とそれから誘導される相当するエステルおよびアミド、とエチレンスルホン酸とそれから誘導されるエステルおよびアミドよりなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第2コモノマーが、スチレンとそのアルキルおよびハロ誘導体、ビニルエーテルおよびエステル、α−オレフィン、内部オレフィン、環式オレフィン、共に環外および環内の、アリル型アルコールおよびそれらの相当するエステル誘導体、アリル型エーテルおよびアリル型ハロ化合物、アリル型アリール化合物、ビニルアミド、ビニルクロライドおよびビニリデンクロライドよりなる群から選ばれる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
不溶性物質で基体を処理する方法であって、
(i)少なくとも1種の不溶性物質、と農業用として許容できる水溶性の交互コポリマーの誘導体または農業用として許容できるそれらの塩を含有する少なくとも1種の分散剤を含む調合物を作成し、かつ前記交互コポリマーが少なくとも1種の第1コモノマー残基および少なくとも1種の第2コモノマー残基を含み、前記第1コモノマーがα,β−不飽和オキシ酸または酸無水物を含み、前記第2コモノマーが1つまたは複数の重合性二重結合を含有するオレフィン性化合物を含むステップ、
(ii)前記調合物を水性媒体に分散させるステップ、および
(iii)前記分散した調合物を基体に塗布するステップ
からなることを特徴とする方法。
【請求項8】
調合物が、懸濁液濃縮物(SC)、湿潤性粉末(WP)または水分散性細粒(WG)の形態である請求項7に記載の農薬調合物。
【請求項9】
交互コポリマーが、第1コモノマーと第2コモノマーの残基間で70%より高い連続したコモノマー残基単位が交互に配列していると定義された交互特性をもつ請求項7に記載の方法。
【請求項10】
交互コポリマーが、第1コモノマーと第2コモノマーの残基間で90%より高い連続したコモノマー残基単位が交互に配列していると定義された交互特性をもつ請求項7に記載の方法。
【請求項11】
交互コポリマーが、コポリマーの交互特性を実質的に変えない追加コモノマー残基を含む請求項7に記載の方法。
【請求項12】
第1コモノマーが、フマル酸、マレイン酸および酸無水物とそれらから誘導されるエステル、アミドおよびイミド、イタコン酸および酸無水物とそれらから誘導される相当するエステル、アミドおよびイミド、アクリル酸とメタクリル酸、エステルおよびアミド、ビニルホスホン酸とそれから誘導される相当するエステルおよびアミド、とエチレンスルホン酸とそれから誘導されるエステルおよびアミドよりなる群から選ばれる請求項7に記載の方法。
【請求項13】
第2コモノマーが、スチレンとそのアルキルおよびハロ誘導体、ビニルエーテルおよびエステル、α−オレフィン、内部オレフィン、環式オレフィン、共に環外および環内の、アリル型アルコールおよびそれらの相当するエステル誘導体、アリル型エーテルおよびアリル型ハロ化合物、アリル型アリール化合物、ビニルアミド、ビニルクロライドおよびビニリデンクロライドよりなる群から選ばれる請求項7に記載の方法。
【請求項14】
分散剤がすでに水に溶解している請求項7に記載の農薬調合物。
【請求項15】
分散剤が農業用として許容できる交互コポリマーの塩であり、前記塩がナトリウム、カリウムおよび/またはアンモニウムイオンを含む請求項7に記載の農薬調合物。
【請求項16】
交互コポリマーがポリアニオン性である請求項7に記載の農薬調合物。
【請求項17】
交互コポリマーがその遊離酸の形態である請求項7に記載の農薬調合物。
【請求項18】
分散剤が農業用として許容できる水溶性交互コポリマーの誘導体であり、前記誘導体が、ポリアルキレンオキシ誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、ポリアミド誘導体およびポリビニルアルコール誘導体よりなる群から選ばれる請求項7に記載の農薬調合物。
【請求項19】
交互コポリマーが1000〜90000ドールトンの範囲である請求項7に記載の農薬調合物。
【請求項20】
交互コポリマーが1000〜30000ドールトンの範囲である請求項5に記載の農薬調合物。
【請求項21】
交互コポリマーが1000〜10000ドールトンの範囲である請求項5に記載の農薬調合物。
【請求項22】
水不溶性物質が、除草剤、殺虫剤、殺カビ剤、殺生剤、軟体動物駆除剤、アルジサイド(algaicide)、植物生長調節剤、駆虫剤、殺鼠剤、線虫駆除剤、ダニ駆除剤、殺アメーバー剤、殺原虫剤、肥料、クラップ・セーフナー(crop safener)、フィラー、キャリアーおよびその他の補助剤よりなる群から選ばれる請求項7に記載の農薬調合物。
【請求項23】
調合物がさらに界面活性湿潤剤を含む請求項7に記載の農薬調合物。
【請求項24】
農薬調合物の製造方法であって、
(i)少なくとも1種の不溶性物質、と農業用として許容できる水溶性の交互コポリマーの誘導体または農業用として許容できるそれらの塩を含有する少なくとも1種の分散剤を混合し、かつ前記交互コポリマーが少なくとも1種の第1コモノマー残基および少なくとも1種の第2コモノマー残基を含み、前記第1コモノマーがα,β−不飽和オキシ酸または酸無水物を含み、前記第2コモノマーが1つまたは複数の重合性二重結合を含有するオレフィン性化合物を含むステップ
からなることを特徴とする方法。
【請求項25】
(i)少なくとも1種の不溶性物質、と農業用として許容できる水溶性の交互コポリマーの誘導体または農業用として許容できるそれらの塩を含有する少なくとも1種の分散剤を混合し、かつ前記交互コポリマーが少なくとも1種の第1コモノマー残基および少なくとも1種の第2コモノマー残基を含み、前記第1コモノマーがα,β−不飽和オキシ酸または酸無水物を含み、前記第2コモノマーが1つまたは複数の重合性二重結合を含有するオレフィン性化合物を含むステップ、
(ii)前記混合物を微粒子サイズ範囲に粉砕して、安定かつ容易に懸濁できる水性分散液を作成するステップ、および
(iii)前記水性分散液を安定化して農薬用として水希釈に適したSC調合物を作成するステップ
を含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
(i)少なくとも1種の不溶性物質、と農業用として許容できる水溶性の交互コポリマーの誘導体または農業用として許容できるそれらの塩を含む少なくとも1種の分散剤を混合し、前記交互コポリマーが少なくとも1種の第1コモノマー残基および少なくとも1種の第2コモノマー残基を含み、前記第1コモノマーがα,β−不飽和オキシ酸または酸無水物を含み、かつ前記第2コモノマーが1つまたは複数の重合性二重結合を含有するオレフィン性化合物を含むステップ、および
(ii)前記混合物を所望の微粒子サイズに粉砕して、均一な湿潤性粉末(WP)調合物を作成するステップ
を含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
(i)農薬用として適した少なくとも1種の不溶性物質、と農業用として許容できる水溶性の交互コポリマーの誘導体または農業用として許容できるそれらの塩を含有する少なくとも1種の分散剤を混合し、かつ前記交互コポリマーが少なくとも1種の第1コモノマー残基および少なくとも1種の第2コモノマー残基を含み、前記第1コモノマーがα,β−不飽和オキシ酸または酸無水物を含み、前記第2コモノマーが1つまたは複数の重合性二重結合を含有するオレフィン性化合物を含むステップ、および
(ii)前記混合物を混合調製して、均一な湿潤性粉末(WP)調合物を作成するステップ
を含む請求項24に記載の方法。
【請求項28】
(i)農薬用として適した少なくとも1種の不溶性物質、と農業用として許容できる水溶性の交互コポリマーの誘導体または農業用として許容できるそれらの塩を含有する少なくとも1種の分散剤を混合し、かつ前記交互コポリマーが少なくとも1種の第1コモノマー残基および少なくとも1種の第2コモノマー残基を含み、前記第1コモノマーがα,β−不飽和オキシ酸または酸無水物を含み、前記第2コモノマーが1つまたは複数の重合性二重結合を含有するオレフィン性化合物を含むステップ、
(ii)前記混合物を凝集させて、不連続な粒状物質を作成するステップ、および
(iii)前記粒状物質を乾燥させて、水分散性細粒WG調合物を作成するステップ
を含む請求項24に記載の方法。
【請求項29】
交互コポリマーが、第1コモノマーと第2コモノマーの残基間で70%より高い連続したコモノマー残基単位が交互に配列していると定義された交互特性をもつ請求項24に記載の方法。
【請求項30】
交互コポリマーが、第1コモノマーと第2コモノマーの残基間で90%より高い連続したコモノマー残基単位が交互に配列していると定義された交互特性をもつ請求項24に記載の方法。
【請求項31】
交互コポリマーが、コポリマーの交互特性を実質的に変えない追加のコモノマー残基を含む請求項24に記載の方法。
【請求項32】
第1コモノマーが、フマル酸、マレイン酸および酸無水物とそれらから誘導されるエステル、アミドおよびイミド、イタコン酸および酸無水物、それらから誘導される相当するエステル、アミドおよびイミド、アクリル酸とメタクリル酸、エステルおよびアミド、ビニルホスホン酸とそれから誘導される相当するエステルおよびアミド、とエチレンスルホン酸とそれから誘導されるエステルおよびアミドよりなる群から選ばれる請求項24に記載の方法。
【請求項33】
第2コモノマーが、スチレンとそのアルキルおよびハロ誘導体、ビニルエーテルおよびエステル、α−オレフィン、内部オレフィン、環式オレフィン、共に環外および環内の、アリル型アルコールおよびそれらの相当するエステル誘導体、アリル型エーテルおよびアリル型ハロ化合物、アリル型アリール化合物、ビニルアミド、ビニルクロライドおよびビニリデンクロライドよりなる群から選ばれる請求項24に記載の方法。
【請求項34】
分散剤がすでに水に溶解している請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項35】
分散剤が農業用として許容できる交互コポリマーの塩であり、前記塩がナトリウム、カリウムおよび/またはアンモニウムイオンを含む請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項36】
交互コポリマーがポリアニオン性である請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項37】
交互コポリマーがその遊離酸の形態である請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項38】
分散剤が農業用として許容できる水溶性交互コポリマーの誘導体であり、前記誘導体が、ポリアルキレンオキシ誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、ポリアミド誘導体およびポリビニルアルコール誘導体よりなる群から選ばれる請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項39】
交互コポリマーが1000〜90000ドールトンの範囲である請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項40】
交互コポリマーが1000〜30000ドールトンの範囲である請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項41】
交互コポリマーが1000〜10000ドールトンの範囲である請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項42】
水不溶性物質が、除草剤、殺虫剤、殺カビ剤、殺生剤、軟体動物駆除剤、アルジサイド、植物生長調節剤、駆虫剤、殺鼠剤、線虫駆除剤、ダニ駆除剤、殺アメーバー剤、殺原虫剤、肥料、クラップ・セーフナー、フィラー、キャリアーおよびその他の補助剤よりなる群から選ばれる請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項43】
調合物がさらに界面活性湿潤剤を含む請求項24に記載の農薬調合物。
【請求項44】
分散剤が80%より高い懸濁性百分率を達成する請求項26〜28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
分散剤が90%より高い懸濁性百分率を達成する請求項25に記載の方法。
【請求項46】
粉砕ステップが5〜15μmの範囲の平均粒子サイズを作成する請求項26または27のいずれかに記載の方法。
【請求項47】
湿潤性粉末が1分未満の湿潤性と80%より高い懸濁性をもつ請求項46に記載の方法。
【請求項48】
粉砕ステップが5〜15μmの範囲の平均粒子サイズを作成する請求項28に記載の方法。
【請求項49】
調合物が1分未満の分散時間をもつ請求項28に記載の方法。
【請求項50】
調合物が20秒未満の分散時間をもつ請求項28に記載の方法。
【請求項51】
調合物が80%より高い懸濁性をもつ請求項28に記載の方法
【請求項52】
調合物が150μmの篩に対して0.1%未満の保留物質、53μmの篩に対して0.6%未満の保留物質である湿式篩保留値をもつ請求項28に記載の方法
【請求項53】
粉砕ステップが5μm未満の平均粒子サイズを作成する請求項25に記載の方法。
【請求項54】
粉砕ステップが1〜3μmの範囲の平均粒子サイズを作成する請求項25に記載の方法。
【請求項55】
請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法により製造する農薬調合物。
【請求項56】
不溶性物質による基体の処理方法であって、
(i)少なくとも1種の不溶性物質、と農業用として許容できる水溶性の交互コポリマーの誘導体または農業用として許容できるそれらの塩を含有する少なくとも1種の分散剤を含む調合物を作成し、かつ前記交互コポリマーが少なくとも1種の第1コモノマー残基および少なくとも1種の第2コモノマー残基を含み、前記第1コモノマーがα,β−不飽和オキシ酸または酸無水物を含み、前記第2コモノマーが1つまたは複数の重合性二重結合を含有するオレフィン性化合物を含むステップ、
(ii)前記調合物を水性媒体に分散させるステップ、および
(iii)前記分散した調合物を基体に塗布するステップ
からなることを特徴とする方法。
【請求項57】
交互コポリマーが、第1コモノマーと第2コモノマーの残基間で70%より高い連続したコモノマー残基単位が交互に配列していると定義された交互特性をもつ請求項56に記載の方法。
【請求項58】
交互コポリマーが、第1コモノマーと第2コモノマーの残基間で90%より高い連続したコモノマー残基単位が交互に配列していると定義された交互特性をもつ請求項56に記載の方法。
【請求項59】
交互コポリマーが、コポリマーの交互特性を実質的に変えない追加のコモノマー残基を含む請求項56に記載の方法。
【請求項60】
第1コモノマーが、フマル酸、マレイン酸および酸無水物とそれらから誘導されるエステル、アミドおよびイミド、イタコン酸および酸無水物とそれらから誘導される相当するエステル、アミドおよびイミド、アクリル酸とメタクリル酸、エステルおよびアミド、ビニルホスホン酸とそれから誘導される相当するエステルおよびアミド、とエチレンスルホン酸とそれから誘導されるエステルおよびアミドよりなる群から選ばれる請求項56に記載の方法。
【請求項61】
第2コモノマーが、スチレンとそのアルキルおよびハロ誘導体、ビニルエーテルおよびエステル、α−オレフィン、内部オレフィン、環式オレフィン、共に環外および環内の、アリル型アルコールおよびそれらの相当するエステル誘導体、アリル型エーテルおよびアリル型ハロ化合物、アリル型アリール化合物、ビニルアミド、ビニルクロライドおよびビニリデンクロライドよりなる群から選ばれる請求項56に記載の方法。
【請求項62】
分散剤がすでに水に溶解している請求項56に記載の農薬調合物。
【請求項63】
分散剤が農業用として許容できる交互コポリマーの塩であり、前記塩がナトリウム、カリウムおよび/またはアンモニウムイオンを含む請求項56に記載の農薬調合物。
【請求項64】
交互コポリマーがポリアニオン性である請求項56に記載の農薬調合物。
【請求項65】
交互コポリマーがその遊離酸の形態である請求項56に記載の農薬調合物。
【請求項66】
分散剤が農業用として許容できる水溶性交互コポリマーの誘導体であり、前記誘導体が、ポリアルキレンオキシ誘導体、ポリエチレングリコール誘導体、ポリアミド誘導体およびポリビニルアルコール誘導体よりなる群から選ばれる請求項56に記載の農薬調合物。
【請求項67】
交互コポリマーが1000〜90000ドールトンの範囲である請求項56に記載の農薬調合物。
【請求項68】
交互コポリマーが1000〜30000ドールトンの範囲である請求項56に記載の農薬調合物。
【請求項69】
交互コポリマーが1000〜10000ドールトンの範囲である請求項56に記載の農薬調合物。
【請求項70】
水不溶性物質が、除草剤、殺虫剤、殺カビ剤、殺生剤、軟体動物駆除剤、アルジサイド、植物生長調節剤、駆虫剤、殺鼠剤、線虫駆除剤、ダニ駆除剤、殺アメーバー剤、殺原虫剤、肥料、クラップ・セーフナー、フィラー、キャリアーおよびその他の補助剤よりなる群から選ばれる請求項56に記載の農薬調合物。
【請求項71】
調合物がさらに界面活性湿潤剤を含む請求項56に記載の農薬調合物。

【公開番号】特開2011−144206(P2011−144206A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96837(P2011−96837)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【分割の表示】特願2000−515431(P2000−515431)の分割
【原出願日】平成10年10月14日(1998.10.14)
【出願人】(500171523)ハンツマン サーファクタンツ テクノロジー コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】