説明

水濡れに強い情報通信体の製造方法

【課題】水に濡れたり或いは疑似接着が良好な情報通信体でも容易に剥離開封することができる情報通信体の製造方法を提供する。
【解決手段】開封側縁辺において、対向する葉片1,2同士が一致せず、且つ疑似接着皮膜G同士が重なり合うことがないよう摘み部E、Fを設けるため、疑似接着予定葉片1、2の何れかに例えば切り欠きを形成する。そして前記各葉片1、2の幅を変えて折り畳んだ際に開封側端が一致しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の葉片が剥離可能に折り畳まれ或いは切り重ねられた情報通信体の製造方法に関する。
詳しくは最近盛んに使用されている、見掛けは通常の葉書であるにも関わらず、複数の葉片が剥離可能に積層されているため、多くの情報を隠蔽状態で伝達することができる葉書に代表される情報通信体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記複数の葉片が剥離可能に積層された葉書として、例えば特開2004−98644号公報に記載の葉書がある。前記特許文献では各葉片を剥離可能に接着(以下疑似接着という)する手段として、予め剥離可能に積層した疑似接着フィルムを使用するもの、印刷を施した後に疑似接着性の皮膜を形成するもの及び印刷を施す前に疑似接着性の樹脂を塗布しておくもの等の各手段を開示している。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【特許文献】特開2004−98644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記各種疑似接着皮膜を使用した情報通信体は、剥離可能に接着する疑似接着皮膜同士の間から剥離するきっかけが得られれば、容易に開封して平面に展開することができる。然るに、例えば個人の郵便受けの中で雨水等により濡れてしまい、各葉片を構成する紙繊維が容易に解れて破断してしまうような状態の場合、指先で摘んで疑似接着皮膜同士の間から開封しようとすると、剥離が開始される前に前記紙繊維解れたり或いは分断してしまい疑似接着皮膜同士の間から剥離することができなくなる。
【0005】
また、疑似接着皮膜の接着性が良好すぎる場合も、前記水濡れの場合と同様に剥離に際して葉片を構成する紙繊維が解れたり或いは分断してしまい剥離が困難になる。
本発明は、仮に水を吸って濡れた状態や疑似接着が良好で強過ぎる場合でも、疑似接着皮膜同士の間から容易にしかも確実に剥離を開始することが可能で、受取人が必ず内部に記載されている内容を確認することができる情報通信体の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の水濡れに強い情報通信体の製造方法は、複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に一体化されると共に開封側縁辺において対向する葉片同士が一致せず且つ疑似接着皮膜同士が重なり合うことがない摘み部を有する情報通信体の製造方法であって、複数の葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートが、切取線を介して縦方向に連接された長尺状シートを順次繰り出す繰り出し工程、繰り出された長尺状シートの少なくとも一箇所の疑似接着予定面に疑似接着皮膜を形成する疑似接着皮膜形成工程、疑似接着皮膜が形成された長尺状シートの任意の葉片のコーナー部分に摘み部を形成する打ち抜き工程、摘み部を形成した長尺状シートを折り畳む折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シートのマージナル部分を切除する切除工程、マージナル部分を切除された長尺状シートを単位シート毎に断裁する断裁工程、断裁された単位シートを剥離可能に一体化する一体化工程とからなることを特徴としている。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明の異なる水濡れに強い情報通信体の製造方法は、複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に一体化されると共に開封側縁辺において対向する葉片同士が一致せず且つ疑似接着皮膜同士が重なり合うことがない摘み部を有する情報通信体の製造方法であって、複数の葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートが、切取線を介して縦方向に連接された長尺状シートを順次繰り出す繰り出し工程、繰り出された長尺状シートの少なくとも一箇所の疑似接着予定面に疑似接着皮膜を形成する疑似接着皮膜形成工程、疑似接着皮膜が形成された長尺状シートの任意の葉片のコーナー部分に摘み部を形成する打ち抜き工程、摘み部を形成した長尺状シートの一方のマージナル部分を切除する第一の切除工程、一方のマージナル部分を切除した長尺状シートを折り畳む折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シートの残りのマージナル部分を切除する第二の切除工程、マージナル部分を切除された長尺状シートを単位シート毎に断裁する断裁工程、断裁された単位シートを剥離可能に一体化する一体化工程とからなることを特徴としている。
【0008】
さらに、上記目的を達成するために、本発明の異なる水濡れに強い情報通信体の製造方法は、複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に一体化されると共に開封側縁辺において対向する葉片同士が一致せず且つ疑似接着皮膜同士が重なり合うことがない摘み部を有する情報通信体の製造方法であって、複数の葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートが印刷された毎葉状シートを等間隔或いは突き合わせて順次繰り出す繰り出し工程、繰り出された毎葉シートの少なくとも一箇所の疑似接着予定面に疑似接着皮膜を形成する疑似接着皮膜形成工程、疑似接着皮膜が形成され連続状態になった毎葉状シートの任意の葉片のコーナー部分に摘み部を形成する打ち抜き工程、摘み部を形成した毎葉状シートの流れ方向の切り落とし部分を切除する切除工程、切り落とし部分を切除した毎葉状シートの流れ方向に折り手段を形成する折り手段形成工程、コーナー部分に摘み部を形成し流れ方向の切り落とし部分を切除すると共に折り手段を形成した連続状態の毎葉状シートを連続的に折り畳む折り畳み工程、折り畳まれた毎葉状シートを単位シート毎に断裁する断裁工程、単位シート毎に断裁された単位シートを剥離可能に一体化する一体化工程とからなることを特徴としている。
【0009】
なお、前記水濡れに強い情報通信体の製造方法において、打ち抜き工程、切除工程及び折手段形成工程の順序はそれぞれ任意に入れ替わっても、或いは同時に行われても構わない。
【0010】
さらにまた、上記目的を達成するために、本発明の異なる態様の水濡れに強い情報通信体の製造方法は、複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に一体化されると共に開封側縁辺において対向する葉片同士が一致せず且つ疑似接着皮膜同士が重なり合うことがない摘み部を有する情報通信体の製造方法であって、複数の葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートが印刷された毎葉状シートを順次繰り出すと共に繰り出された毎葉シートの少なくとも一箇所の疑似接着予定面に疑似接着皮膜を形成する疑似接着皮膜形成工程、疑似接着皮膜が形成された毎葉状シートを断裁して単位シートに仕上げる断裁工程、断裁された単位シートを折り畳む折り工程、折り畳まれた単位シートを剥離可能に一体化する一体化工程とからなる情報通信体の製造方法であって、それぞれの工程が独立して行われるか或いは任意の工程を独立して行うことを特徴としている。
【0011】
なお、折り畳みにより生じる複数の対向面は、全てを剥離可能に疑似接着しても構わず、或いは任意の箇所を疑似接着して残る箇所を剥離不能に接着したり、更には何もせずフリーのままにしておいても構わない。
【0012】
上記対向する葉片を剥離可能に一体化するための疑似接着皮膜の種類には制限はなく、前記特許文献1に記載される公知の各種疑似接着皮膜を使用することができるが、それ以外の疑似接着皮膜として、例えば基材の片面に疑似接着層を形成した疑似接着フィルムシートがある。後述する実施例での疑似接着皮膜は前記疑似接着フィルムシートを例に説明する。
【0013】
前記疑似接着フィルムシートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、アセテート、ポリカーボネート等の比較的腰の強い基材の一方の面に疑似接着層を形成したドライラミネート方式に対応したプリントラミネート用の疑似接着フィルムシートや、前記基材の残るもう一方の面に公知の感熱性接着剤層を形成した、サーマルラミネート方式に対応したプリントラミネート用の疑似接着フィルムシートを好適に使用することができる。
前記疑似接着フィルムシートとしては、例えばケイディケイ株式会社製の商品名「ハガキフィルムドライ」や商品名「ハガキフィルムサーマル」が販売されている。
【0014】
前記疑似接着フィルムシートは、例えば印刷物の疑似接着予定面に被覆ラミネートして、その後前記疑似接着予定面同士を折り合わせ疑似接着層同士を対向させて加圧或いは加熱・加圧処理を施すと剥離可能に接着するものである。そして疑似接着後に前記対向面同士を引き剥がすと、疑似接着層同士の界面から剥離するか、或いは基材と何れかの疑似接着層との間から剥離するか、さらに前記両者の剥離が複合的に起こり、対向面同士を容易に剥離することができるのである。
【0015】
前記対向面を、剥離不能に接着する手段としては、加圧により接着する感圧性接着剤や加熱により接着する感熱性接着剤、或いは水分により接着する感湿性接着剤等公知の各種接着剤を使用すればよい。これら接着剤は直接長尺状シートに予め形成されていても、或いは製造工程中に形成されても構わない。また接着剤を使用する際の態様は直接塗したり或いは基材に塗布したものを用いることができる。
【0016】
本発明の情報通信体を構成する各葉片に使用される紙材は、上質紙、マットコート紙、グロスコート紙、合成紙その他の公知の用紙等を好適に使用することができる。好ましくはマートコート紙やグロスコート紙のように表面処理が施されている塗工紙系(特にマットコート紙)が、用紙表面に塗工される成分が紙繊維同士のバインダー役を果たすため、水濡れに対しても解れたり或いは分断し難くなり、そのため本発明の作用をより効果的に発揮することができる。
【0017】
本発明の情報通信体は、長尺状シートを使用したビジネスフォーム印刷や輪転印刷により製造しても、或いは枚葉シートを使用したオフセット印刷で製造しても構わない。ビジネスフォーム印刷の場合、例えば印刷後の長尺状シートを情報通信体の製造機に掛ければ、ピントラクタの作用により各工程を一貫して行うことができるため至便である。またオフセット印刷の場合、例えば印刷された用紙の疑似接着予定面へ疑似接着フィルムシートを被覆する等により疑似接着皮膜を形成すれば、毎葉状シートであっても連続した長尺状シートになるため、その後の断裁、折り及び一体化工程等を前記長尺状シートを使用した場合と同様で一貫して行うことがかのうである。また、毎葉状シートの場合、各工程を分業したオフラインで行っても構わない。
【0018】
本発明において、情報通信体の剥離の端緒となる摘み部の形状に格別な制限はない。
例えば上下各葉片から積極的に突出した摘み部を設けても構わず、逆に上下各葉片の一部を切り欠くことにより結果として突出して摘みやすくなる摘み部が形成される構成でも構わない。何れにしても前記摘み部は、お互いが一致して重ならず、且つお互いに交錯する位置に形成され、前記摘み部を指で摘んで引き剥がせば確実に疑似接着皮膜同士の間から剥離が開始される。そして一旦剥離が開始されると、水濡れや良好な疑似接着により葉片の紙繊維が解れたり或いは分断しやすい状態であっても連続的に剥離して展開することが可能になるのである。
【0019】
なお、疑似接着皮膜に関しては、前記折り合わせて対向させた疑似接着層から剥離する疑似接着フィルムシートの他に、例えば既述の基材の一方の面に熱可塑性或いは熱硬化性の樹脂を溶融押出しや塗工により剥離可能に積層した2層の積層フィルムシートの少なくとも一方の外側に、公知の感熱接着剤層を形成した3層以上の構成からなる疑似接着フィルムシートを使用しても構わない。この疑似接着フィルムシートの場合、前記基材と樹脂との間で剥離が行われる。
【0020】
また、疑似接着性のUV硬化型ニスを、印刷が完了した疑似接着予定面に塗布して疑似接着性の皮膜を形成する手段も使用できる。前記手段は業界で「ニス引き方式」と呼ばれて公知である。
【0021】
さらに、疑似接着性のエマルジョン型糊を、印刷が完了した疑似接着予定面に塗布して疑似接着性の皮膜を形成する手段も使用できる。前記手段は業界で「後糊方式」と呼ばれて公知である。
【0022】
さらにまた、高圧により疑似接着性を発揮する感圧性の接着剤を、印刷前の用紙に塗布して疑似接着性の皮膜を予め形成しておく手段も使用できる。前記手段は業界で「先糊方式」と呼ばれて公知である。なおその様な印刷用紙は圧着紙と称されて流通している。
【発明の効果】
【0023】
本発明の情報通信体の開封手段によれば、通常では簡単に破断して開封不能になる水濡れや疑似接着が良好すぎて強い剥離力を必要とする状態でも、容易に剥離を開始することができ、しかも途中で葉片が破断することなく確実に開封することができる。そして開封された情報通信体の情報が記載されている面が疑似接着皮膜により保護されているため、受取人は確実に内部の情報を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は二つ折り葉書の製造に用いる長尺状シートS1の表面図及び裏面図である。
【図2】長尺状シートを用いた折り畳み葉書の製造工程の要部概略図である。
【図3】疑似接着フィルムシートGの断面図である。
【図4】(A)及び(B)は二つ折り葉書を製造する際の図2におけるI−I、II−II線断面図である。
【図5】(A)、(B)及び(C)は長尺状シートS1により仕上げられた二つ折り葉書H1の表面図、裏面図および図(A)におけるIII−III線断面図である。
【図6】(A)、(B)及び(C)は図5の二つ折り葉書H1を剥離して平面に展開した時の表面巣、裏面図及びIV−IV線断面図である。
【図7】(A)及び(B)は二つ折り葉書の製造に用いる毎葉状シートS2の表面図及び裏面図である。
【図8】毎葉状シートを用いた折り畳み葉書の製造工程の要部概略図である。
【図9】毎葉状シートS2と疑似接着フィルムシートGを整合してヒートロールを通過した後の連続状態となった毎葉状シートS2を示す平面図である。
【図10】図9の不要部分を切除すると共に折り畳みのためのミシン目を形成した毎葉状シートS2の平面図である。
【図11】折り畳み装置を通過した後の毎葉状シートS2の平面図である。
【図12】(A)及び(B)は三つ折葉書H2の製造に用いる長尺状シートS3の表面図及び裏面図である。
【図13】(A)及び(B)は長尺状シートS3を用いて三つ折葉書H2を製造する際の図8におけるV−V、VI−VI線断面図である。
【図14】(A)、(B)及び(C)は長尺状シートS3により仕上げられた三つ折葉書H2の表面図、裏面図およびV−V線断面図である。
【図15】(A)及び(B)は三つ折葉書H3の製造に用いる長尺状シートS4の表面図及び裏面図である。
【図16】(A)及び(B)は長尺状シートS4を用いて三つ折葉書H3を製造する際の図8におけるV−V、VI−VI線断面図である。
【図17】(A)、(B)及び(C)は長尺状シートS4により仕上げられた三つ折葉書H3の表面図、裏面図およびVI−VI線断面図である。
【図18】(A)及び(B)は三つ折葉書H4の製造に用いる長尺状シートS5の表面図及び裏面図である。
【図19】(A)及び(B)は長尺状シートS5を用いて三つ折葉書H4を製造する際の図8におけるV−V、VI−VI線断面図である。
【図20】(A)、(B)及び(C)は長尺状シートS5により仕上げられた三つ折葉書H4の表面図、裏面図およびVII−VII線断面図である。
【図21】(A)及び(B)は三つ折り葉書の製造に用いる毎葉状シートS6の表面図及び裏面図である。
【図22】(A)及び(B)摘み部の異なる態様を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
[実施例1:長尺状シートを用いた二つ折り葉書の製造方法]
図1(A)に示すように、本実施例の二つ折り葉書用の長尺状シートS1は、第一葉片1と第一葉片1より幅が広く右下部分に斜線で示される切り欠き部K(疑似接着フィルムシートGの被覆後に打ち抜かれる)を設けた第二葉片2が、折り線3(必ずしも表示される必要はなく折筋やミシン目でも構わない)を介して連接されている。そして第一葉片1及び第二葉片2の外側には切取線5(必ずしも表示される必要はなく折筋やミシン目でも構わない)を介して、マージナル孔6を設けたマージナル部分7が連接され、さらにこのように構成された単位シートt1が切取線4(必ずしも表示される必要はなく折筋やミシン目でも構わない)を介して縦方向に連接されている。そして第一葉片1表面には郵便切手欄、郵便番号欄及び受取人の住所氏名等が記載され、また第二葉片表面には宣伝広告等の一般情報が記載されているが、これら各情報は二つ折り葉書に仕上げられた後に記載されても構わない。
【0025】
また、図1(B)に示すように、第一葉片1及び第二葉片2の裏面には、例えば受取人のプライバシーに関わる個人情報が記載されている。なお前記各葉片裏面に記載される情報は、必ずしも個人情報である必要はなく、一般情報が共に混在していても或いは一般情報のみが記載されていても構わない。
【0026】
前記のように構成された長尺状シートS1は、例えば切取線4から蛇腹に折り畳まれてブロック状に纏めら、図2に示す製造工程の最上流である左下に置かれる。そして上方に控えているサポートローラ11により上方へ引き上げられた後に、裏面側を上にしてほぼ水平に向きを変える。ほぼ水平に向きを変えた長尺状シートS1は右側に控えている上流側のピントラクタ12のピンとマージナル孔6を合致させさらに下流へ牽引されるのである。
【0027】
前記上流側のピントラクタ12の右側には例えば一対のヒートローラ13a、13bが控えており、その上方に待機しているロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが引き込まれると共に、前記長尺状シートS1の裏面側の疑似接着予定面に整合される。
【0028】
前記疑似接着フィルムシートGは、図3に示すように、例えば二軸延伸ポリプロピレンからなる基材31の上面に疑似接着層32が形成されており、残る下面には公知の感熱性接着剤層33が形成されている。そして前記感熱性接着剤層33側と長尺状シートSの裏面側の疑似接着予定面が整合されてヒートローラ13a、13bを通過すると、加熱・加圧処理を施され接着性を帯びた感熱性接着剤層32により、図4(A)に示すように両者は剥離不能に強固に接着される。なお、複雑化を避けるために、図中の疑似接着フィルムシートGは1層で表現している。
【0029】
疑似接着フィルムシートGを疑似接着予定面に被覆した長尺状シートS1は、右側に控えている打ち抜き装置14a、14bにより切り欠き部Kを連続的に打ち抜かれた後に右側の上流側のスリッタ15a、15bにより第一葉片1外側のマージナル部分7を切除しながらさらに右側のニップローラ16a、16bにより続く折り畳み装置17へと送り出される。なお前記打ち抜き装置14a、14bによる打ち抜き工程とスリッタ15a、15bによるマージナル部分7の切除工程は随時入れ替えても構わない。
【0030】
そして公知のアングル等からなる折り畳み装置17により、図4(B)に示すように、長尺状シートS1は折り線3から二つ折りに折り畳まれて、続くサポートローラ18を通過した後に、右側に控えた下流側のピントラクタ19のピンとマージナル孔6を合致させてさらに右側に控えた下流側のスリッタ20a、20bへ送り込まれ、残る第二葉片2外側のマージナル部分7を切除する。残るマージナル部分7を切除された長尺状シートS1は右側に控えたダイカットローラ21a及びバックアップローラ21bとからなる断裁装置により、天地方向の切取線4から個切りされて一体化前の二つ折り葉書H1に仕上げられる。
【0031】
そして前記一体化前の二つ折り葉書H1は、右側に控えた一体化工程へと送り込まれる。
一体化工程では、例えば一対の搬送ローラ22a、22bと一対のヒータパネル23a、23bが交互に配置されており、通過する一体化前の葉書H1を加熱する。そして十分に加熱された後に最終出口に設置されたヒートローラ24a、24bによりさらに加熱・加圧処理を施され、一体化前の葉書H1は剥離可能に疑似接着し一体化されるのである。なお、前記最終出口に設置されるローラは加熱を伴わない単なる加圧ローラでも構わない。このようにして製造された二つ折葉書はベルトコンベア等からなるスタッカ25に順次集積されて最終的に郵便局へ送り出されるのである。
【0032】
前記被覆工程では、サーマルラミネート方式に対応して例を示しているが、ドライラミネート方式や他の各種疑似接着皮膜を形成する工程に変えても構わない。
【0033】
このようにして製造された二つ折り葉書H1は図5に示すように開封側縁辺に沿って段差を形成する。受取人は同図(A)及び(B)に示すように、摘み部E及びFを摘んで開封する。その際に、仮に雨等により水濡れを起こして破断しやすい状態でも、或いは疑似接着が良好で剥離力が強くても、両摘み部E、Fは強靭な疑似接着フィルムシートGにより被覆され補強されているために破断することなく連続的に剥離することが可能である。
【0034】
また図6に示すように、開封後平面に展開された二つ折り葉書H1は、内面が強靭な疑似接着フィルムシートGにより全面的に保護されているため、仮に外側の紙面が剥離したり破れていても、隠蔽されていた情報を確実に読み取ることができるのである。
【0035】
なお、本発明の葉片1及び2の構成において、葉片1よりも葉片2の幅を広くしているが、葉片1の幅を葉片2の幅よりも広くしても構わない。
【0036】
[実施例2:毎葉状シートを用いた二つ折り葉書の製造方法]
図7(A)に示すように、本実施例の二つ折り葉書用の毎葉状シートS2は、第一葉片41と第一葉片より幅が広く右下部に斜線で示される切り欠き部K(疑似接着フィルムシートGの被覆後に打ち抜かれる)を設けた第二葉片42が、折り線43を介して連接された単位シートt2が2丁印刷されている。そして第一葉片41表面には郵便切手欄、郵便番号欄及び受取人の住所氏名等が記載され、また第二葉片42表面には宣伝広告等の一般情報が記載されているが、これら各情報は二つ折り葉書に仕上げられた後に記載されても構わない。
【0037】
また、図7(B)に示すように、第一葉片41及び第二葉片42の裏面には、例えば受取人のプライバシーに関わる個人情報が記載されている。なお前記各葉片裏面に記載される情報は、必ずしも個人情報である必要はなく、一般情報が共に混在していても或いは一般情報のみが記載されていても構わない。
【0038】
前記のように構成された毎葉状シートS2は、例えば図8に示す製造工程の最上流である左下に裏面側を上にして積載される。そして例えば吸着パッド51(フィードローラ等でも構わない)により最上面の毎葉状シートS2から1枚ずつ持ち上げられ、ほぼ等間隔或いはシートの前後を突き合わせて下流の搬送テーブルへ繰り出される。前記搬送テーブルには例えば一対のニップローラ52a、52bが控えており、吸着パッド51により繰り出される毎葉状シートS2の端部を銜え込み、右側に控えている一対のヒートローラ53a、53bに送り込む。
【0039】
前記一対のヒートローラ53a、53bでは、その上方に待機しているロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが、毎葉状シートS2の裏面側の疑似接着予定面に整合されながら引き込まれ、図9に示すように毎葉状シートS2の裏面側を連続的に被覆して疑似接着フィルムシートGにより前記毎葉状シートS2を長尺状に連結するのである。
【0040】
その後、右側に控えている三角形状のオス型を備えたローラ54aとメス型のローラ54bからなる一対の打ち抜き装置を通過することにより、連続的に切り欠き部Kを打ち抜き、続いてスリッタ55a、55b及びミシン刃56a、56bにより両葉片に印刷されている各葉片の流れ方向外側の不要な部分Pを切除すると共に、中央の折り線部分にミシン目(折り筋に代えても構わない)を連続的に形成して図10に示す状態に仕上げる。なお、前記打ち抜き、切除、ミシンの各工程は随時入れ替えても構わない。
【0041】
前記のように仕上げられた毎葉状シートS2はニップローラ57a。57bによりさらに右側に控えている公知のアングル等からなる折り畳み装置58へ送り込まれる。そして折り畳み装置58により図11に示すように二つ折りに折り畳まれてサポートローラ59を通過した後に、右側に控えている一対のニップローラ60a、60bにより右側に控えている断裁刃61aと固定刃61bからなる断裁装置へと送り込まれる。
【0042】
前記断裁装置ではその上流側に設けられているセンサ61により、連続状態の毎葉状シートS2における天地方向の不要な断裁部分R1及びR2を感知して断裁する。それにより個切りされた一体化前の二つ折り葉書H1に仕上げられる。
この後に続く一体化工程等並びに完成した二つ折り葉書H1の開封方法等は前記実施例1と同様なため詳細な説明を省略する。
【0043】
[実施例3:長尺状シートを用いた三つ折り葉書の製造方法その1]
図12(A)に示すように、本実施例の三つ折り葉書用の長尺状シートS3は、第一葉片71、第二葉片72及び第三葉片73が折り線74、75を介して横方向に連接されている単位シートt3が、切取線76(必ずしも表示される必要はなく折筋やミシン目でも構わない)を介して縦方向に連接されている。そして第一葉片71及び第三葉片73の外側には切取線77(必ずしも表示される必要はなく折筋やミシン目でも構わない)を介してマージナル孔78を設けたマージナル部分79が連接され、さらにこのように構成された単位シートt3が切取線76(必ずしも表示される必要はなく折筋やミシン目でも構わない)を介して縦方向に連接されている。
【0044】
そして第一葉片71表面には郵便切手欄、郵便番号欄及び受取人の住所氏名等が記載され、また第二葉片72及び第三葉片73表面には、例えば受取人のプライバシーに関わる個人情報が記載されているが、必ずしも個人情報である必要はなく、一般情報が共に混在していても或いは一般情報のみが記載されていても構わない。なお、第一葉片71表面の各情報は、三つ折り葉書H2に仕上げられた後に記載されても構わない。
【0045】
また、図12(B)に示すように、第一葉片71及び第二葉片72の裏面には、例えば受取人のプライバシーに関わる個人情報が記載されているが、必ずしも個人情報である必要はなく、一般情報が共に混在していても或いは一般情報のみが記載されていても構わない。そして第三葉片73裏面には例えば宣伝広告等の一般情報が記載されている。
【0046】
なお本葉書は第一葉片71の左下コーナーと第三葉片73の右下コーナーに切り欠き部Kが設けられており、また第一葉片71及び第三葉片73よりも第二葉片72の幅が狭いため、各折り線74、75から断面Z字状に折り畳むと第一葉片71と第三葉片73の縁辺が飛び出して実施例1と同様の段差を各々形成するよう設計されている。また第一葉片71表面の郵便番号欄の上部に貫通した丸窓部が設けられており、折り畳んだ後に下側の第二葉片72に前記丸窓に対応して記載されている「郵便葉書」の文言が、表出して目視できるようになっている。
【0047】
前記のように構成された長尺状シートS3は、例えば切取線76から蛇腹に折り畳まれてブロック状に纏めら、図2に示す製造工程の最上流である左下に置かれる。そして上方に設置されているサポートローラ11により上方へ引き上げられた後にほぼ水平に向きを変える。ほぼ水平に向きを変えた長尺状シートS3は右側に控えている上流側のピントラクタ12のピンとマージナル孔78を合致させさらに下流へ牽引されるのである。
【0048】
前記上流側のピントラクタ12の右側には例えば一対のヒートローラ13a、13bが控えており、その上方及び下方(図中破線で表現している)に待機している各ロールから繰り出される疑似接着フィルムシートGが引き込まれると共に、前記長尺状シートS3の表面及び裏面側の各疑似接着予定面に整合される。
【0049】
そして図13に示すように、疑似接着フィルムシートGを各疑似接着予定面に被覆した長尺状シートS3は、右側控えている打ち抜き装置14a、14bにより各切り欠き部Kを連続的に打ち抜かれた後に、右側に控えたニップローラ16a、16bにより、続く折り畳み装置17へと送り出される。なお、本実施例では、図2中の上流側のスリッタ15a、15bは使用しても或いはしなくても構わない。使用しない場合は下流側のスリッタ20a、20bで両マージナル部分79を一挙に切除すればよい。
【0050】
そして公知のアングル等からなる折り畳み装置17により、図13(B)に示すように、長尺状シートS3は折り線74、75から断面Z字状に折り畳まれて、続くサポートローラ18を通過した後に、右側に控えた下流側のピントラクタ19のピンとマージナル孔78を合致させてさらに右側に控えた下流側のスリッタ20a、20bへと送り込まれ、各マージナル部分79を一挙に切除する。マージナル部分79を切除された長尺状シートS3は右側に控えているダイカットローラ21a及びバックアップローラ21bとからなる断裁装置により、天地方向の切取線76から個切りさた後に一体化工程により剥離可能に一体化されて仕上げられる。
【0051】
このようにして製造された三つ折り葉書H2は図14に示すように両側の開封側縁辺に沿って段差を形成する。そして受取人は摘み部E及びFを摘んで開封するのであるが、その際に、仮に雨等により水濡れを起こして破断しやすい状態でも、或いは疑似接着が良好で剥離力が強くても、両摘み部E、Fは強靭な疑似接着フィルムシートGにより被覆され補強されているために破断することなく連続的に剥離することが可能であると共に、隠蔽されていた情報を確実に読み取ることができるのである。
【0052】
[実施例4:長尺シートを用いた三つ折り葉書の製造方法その2]
図15に示すように、本実施例の三つ折り葉書用の長尺シートS4は、各葉片の幅が第一葉片81<第二葉片82<第三葉片83の関係にある。そしてこのような構成から図17に示すような三つ折り葉書が完成する。本実施例と他の実施例との相違は、対向する第一葉片81と第二葉片82の開封に関わる摘み部E、Fの構成が異なる。
【0053】
図17に示すように、前記第一葉片81はE部分まで全面にわたって疑似接着フィルムGが被覆されているが、対向する第二葉片82は第一葉片81の切り欠き部Kの半ばまでしか疑似接着フィルムシートGが被覆されていない。即ち第一葉片81の左側縁辺に沿って非接着領域(この部分は疑似接着フィルムシートG同士が対向しておらず従って接着していないため容易に剥離できる)が形成されているため、前記各実施例と同様に、図中E及びFで示される部分で対向する葉片のそれぞれの疑似接着フィルムシートGを直接指で摘むことができるため、そこから容易に剥離することができるのである。
【0054】
[実施例5:長尺状シートを用いた三つ折り葉書の製造方法その3]
図18に示すように、本実施例の三つ折り葉書用の長尺状シートS5は、各葉片の幅が第一葉片91=第二葉片92<第三葉片93の関係にある。そしてこのような構成から図20に示すような三つ折り葉書が完成する。本実施例と他の実施例との相違は、第一葉片91と第二葉片92が剥離不能に接着されていることにある。このような構成のため完成した三つ折り葉書H5は最終的に二つ折り葉書の形態になる。
【0055】
なお前記構成のため、本実施例の実施に際して、図2中破線で示す下方に待機している疑似接着フィルムシートGを、両面接着フィルムシートFに代えればよい。また両面接着フィルムシートFに代えて、予め長尺状シートS5の完全接着予定面に、熱に反応する感熱性接着剤層や強圧に反応する感圧性接着剤層或いは液体に反応する感湿性接着剤層等を形成しておいても構わない。
【0056】
[実施例6:毎葉状シートを用いた三つ折り葉書の製造方法]
図21に示すように、本実施例における三つ折り葉書用の毎葉状シートS6は、既述の三つ折り葉書の単位シートt6が、縁辺や折り線の並びを揃えて縦方向に3丁印刷されている。この用紙を図8の左下に積載して繰り出すことにより、実施例2同様に既述の各バリエーションの三つ折り葉書(H2、H3、H4)を製造することができる。基本的な製造方法の流れは実施例2と同様で、一対のヒートローラ53a、53bの上方のみならず、図8中点線で示すように下方にも疑似接着フィルムシートGのロールを待機させておいて、毎葉状シートS6の両面に疑似接着フィルムシートG或いは両面接着フィルムシートJを被覆する点が異なる。
【0057】
[実施例7:毎葉状シートを用いた折り畳み葉書の製造方法]
前記実施例2及び6では各工程を連続したシステムにより製造する方法であるが、各工程をそれぞれの加工機で加工する製造方法も可能である。例えば毎葉状シートを一枚ずつラミネート機で被覆した後に、断裁機やトムソン加工機等により単品の葉書用紙に仕上げ、その後折り機で折り畳み、最後に圧着加工機に通して剥離可能に一体化する。即ち、それぞれの加工をそれぞれの専用加工機で行うのである。
【0058】
なお本発明は上記実施例に限られるものではない。
例えば摘み部E、Fの形状に格別な制限はない。要は、折り畳んだ際に対向する両葉片の開封縁辺同士で段差を形成すると共に、疑似接着皮膜に被覆されて保護された摘み片が形成されればよく、その形状として直線以外にも曲線や或いは両者混合の形状であっても構わない。
【0059】
なお、本実施例では、対向する葉片の一方の葉片に切り欠き部Kを設けて摘み部E及びFを形成しているが、例えば図22(A)に示すように、重なり合う両葉片縁辺に切り欠き部Kを形成することにより摘み部E、Fを形成しても構わない。
【0060】
また、同図(B)に示すように、切り欠き部Kと異なり積極的に葉片から突出する摘み部E、Fを形成することもできる。即ち、摘み部E、Fの形成には、切り欠き部Kを設ける他に突出する摘み部を形成する手段(或いは両者が混合されても構わない)も採用することができる。
【0061】
葉書の形態に関しては、三つ折り以上の折り形態の葉書や封書等にも応用することが可能である。
また、疑似接着媒体に関しては、水濡れ等に対して十分耐え得る疑似接着皮膜を有するものであれば種類を選ばない。
さらに本実施例では葉書を例に説明しているが、それ以外に往復葉書、封書、DM、名刺等あらゆる情報通信体で使用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0062】
H1 二つ折り葉書
H2、H3、H4 三つ折り葉書
S1、S3、S4、S5 長尺状シート
S2、S6 毎葉状シート
G 疑似接着フィルムシート
J 両面接着フィルムシート
E、F 摘み部
K 切り欠き部
P 切除部分
R1、R2 断裁部分
t1、t2、t3、t4、t5、t6 単位シート
1、2、41、42、71、72、73、81、82、83、91、92、93、101、102、103 葉片
3、43、74、75、84、85、94、95、104、105 折り線
31 基材
32 疑似接着層
33 感熱接着剤層
11、18、59 サポートローラ
12、19 ピントラクタ
13a、13b、24a、24b、53a、53b ヒートローラ
14a、14b、54a、54b 打ち抜き装置
16a、16b、52a、52b、57a、57b、60a、60b ニップローラ
17、58 折り畳み装置
15a、15b、20a、20b、55a、55b スリッタ
21a ダイカットローラ
21b バックアップローラ
61 センサ
62a 断裁刃
62b 固定刃
22a、22b、63a、63b 搬送ローラ
23a、23b、64a、64b ヒータパネル
65a、65b 加圧ローラ
25、66 スタッカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に一体化されると共に開封側縁辺において対向する葉片同士が一致せず且つ疑似接着皮膜同士が重なり合うことがない摘み部を有する情報通信体の製造方法であって、複数の葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートが、切取線を介して縦方向に連接された長尺状シートを順次繰り出す繰り出し工程、繰り出された長尺状シートの少なくとも一箇所の疑似接着予定面に疑似接着皮膜を形成する疑似接着皮膜形成工程、疑似接着皮膜が形成された長尺状シートの任意の葉片のコーナー部分に摘み部を形成する打ち抜き工程、摘み部を形成した長尺状シートを折り畳む折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シートのマージナル部分を切除する切除工程、マージナル部分を切除された長尺状シートを単位シート毎に断裁する断裁工程、断裁された単位シートを剥離可能に一体化する一体化工程とからなることを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項2】
複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に一体化されると共に開封側縁辺において対向する葉片同士が一致せず且つ疑似接着皮膜同士が重なり合うことがない摘み部を有する情報通信体の製造方法であって、複数の葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートが、切取線を介して縦方向に連接された長尺状シートを順次繰り出す繰り出し工程、繰り出された長尺状シートの少なくとも一箇所の疑似接着予定面に疑似接着皮膜を形成する疑似接着皮膜形成工程、疑似接着皮膜が形成された長尺状シートの任意の葉片のコーナー部分に摘み部を形成する打ち抜き工程、摘み部を形成した長尺状シートの一方のマージナル部分を切除する第一の切除工程、一方のマージナル部分を切除した長尺状シートを折り畳む折り畳み工程、折り畳まれた長尺状シートの残りのマージナル部分を切除する第二の切除工程、マージナル部分を切除された長尺状シートを単位シート毎に断裁する断裁工程、断裁された単位シートを剥離可能に一体化する一体化工程とからなることを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項3】
複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に一体化されると共に開封側縁辺において対向する葉片同士が一致せず且つ疑似接着皮膜同士が重なり合うことがない摘み部を有する情報通信体の製造方法であって、複数の葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートが印刷された毎葉状シートを等間隔或いは突き合わせて順次繰り出す繰り出し工程、繰り出された毎葉シートの少なくとも一箇所の疑似接着予定面に疑似接着皮膜を形成する疑似接着皮膜形成工程、疑似接着皮膜が形成され連続状態になった毎葉状シートの任意の葉片のコーナー部分に摘み部を形成する打ち抜き工程、摘み部を形成した毎葉状シートの流れ方向の切り落とし部分を切除する切除工程、切り落とし部分を切除した毎葉状シートの流れ方向に折り手段を形成する折り手段形成工程、コーナー部分に摘み部を形成し流れ方向の切り落とし部分を切除すると共に折り手段を形成した連続状態の毎葉状シートを連続的に折り畳む折り畳み工程、折り畳まれた毎葉状シートを単位シート毎に断裁する断裁工程、単位シート毎に断裁された単位シートを剥離可能に一体化する一体化工程とからなることを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項4】
打ち抜き工程、切除工程及び折手段形成工程の順序が入れ替わるか、或いは同時に行われることを特徴とした請求項3に記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項5】
複数の葉片が折り畳まれ或いは切り重ねられて剥離可能に一体化されると共に開封側縁辺において対向する葉片同士が一致せず且つ疑似接着皮膜同士が重なり合うことがない摘み部を有する情報通信体の製造方法であって、複数の葉片が折り線を介して横方向に連接された単位シートが印刷された毎葉状シートを順次繰り出すと共に繰り出された毎葉シートの少なくとも一箇所の疑似接着予定面に疑似接着皮膜を形成する疑似接着皮膜形成工程、疑似接着皮膜が形成された毎葉状シートを断裁して単位シートに仕上げる断裁工程、断裁された単位シートを折り畳む折り工程、折り畳まれた単位シートを剥離可能に一体化する一体化工程とからなる情報通信体の製造方法であって、それぞれの工程が独立して行われるか或いは任意の工程を独立して行うことを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項6】
任意の対向面に完全接着剤層を形成する完全接着剤層形成工程が追加されたことを特徴とした請求項1乃至4の何れかに記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項7】
疑似接着皮膜が基材の一方の面に疑似接着層を形成したドライラミネート方式に対応した疑似接着フィルムシートからなることを特徴とした請求項1乃至5に記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項8】
疑似接着皮膜が基材の一方の面に疑似接着層を形成し、残るもう一方の面に感熱接着剤層を形成したサーマルラミネート方式に対応した疑似接着フィルムシートからなることを特徴とした請求項1乃至5に記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項9】
疑似接着皮膜が基材の一方の面に樹脂を剥離可能に積層した2層の積層フィルムシートの少なくとも一方の外側に感熱接着剤層を形成した少なくとも3層からなる疑似接着フィルムシートからなることを特徴とした請求項1乃至5に記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項10】
疑似接着皮膜が疑似接着性のUV硬化型ニスからなることを特徴とした請求項1乃至5に記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項11】
疑似接着皮膜が疑似接着性のエマルジョン型糊からなることを特徴とした請求項1乃至5に記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項12】
疑似接着皮膜が高圧により疑似接着性を発揮する感圧性の接着剤からなることを特徴とした請求項1乃至5に記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−183813(P2012−183813A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66679(P2011−66679)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000105280)ケイディケイ株式会社 (99)
【Fターム(参考)】