説明

水濡れに強い情報通信体及びその製造方法

【課題】 複数の葉片を折り畳み任意の対向する葉片間の疑似接着媒体を介して剥離可能に一体化した情報通信体において、水に濡れても内部情報を破壊することなく確実に剥離展開することが可能な情報通信体とその製造方法を提供する。
【解決手段】 折り畳んだ際に他の葉片より突出する幅広の第三葉片3と連接される中央の第二葉片2の対向面同士を疑似接着フィルムシートGを介して剥離可能に疑似接着し、残る第二葉片2および第一葉片1同士の対向面間を完全接着フィルムシートKにより剥離不能に完全接着すると共に前記中央の第二葉片2を被覆する疑似接着フィルムシートGによる被覆が前記中央の第二葉片2の前記幅広の第三葉片3と逆側に接続した第一葉片1にまで及んだ水濡れに強い情報通信体により解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の葉片が剥離可能に折り畳まれ或いは切り重ねられた情報通信体及びその製造方法に関する。
詳しくは最近盛んに使用されている、見掛けは通常の葉書であるにもかかわらず、複数の葉片が剥離可能に積層されているため、多くの情報を隠蔽状態で伝達することができる葉書に代表される情報通信体において、雨等に濡れても確実に開封することが可能な取り分け水濡れに強い情報通信体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記複数の葉片が剥離可能に積層された葉書として、例えば特開2004−98644号公報に記載の葉書がある。前記特許文献では各葉片を剥離可能に接着(以下疑似接着という)する手段として、予め剥離可能に積層した疑似接着フィルムを使用するもの、印刷を施した後に疑似接着性の皮膜を形成するもの及び印刷を施す前に疑似接着性の樹脂を塗布しておくもの等の手段を開示している。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−98644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記各種疑似接着皮膜を使用した情報通信体は、良好に接着している疑似接着皮膜同士の間から剥離するための端緒が形成されていれば、誰でも容易に開封して平面に展開することができる。前記剥離の端緒として、例えば図22(A)に示すように、折り畳んだ際に開封縁辺側に沿って段差を形成する手段が現在一番多く使用されている。
【0005】
然るに、例えば個人の郵便受けの中で疑似接着皮膜を利用した葉書等が雨水等により濡れている場合、良好に密着している疑似接着皮膜同士から剥がそうとすると、図22(B)に示すように、上側葉片の紙材が解れたり分断してしまい疑似接着皮膜同士の間から剥離することができず、結局開封して内容を確認することができないのである。
【0006】
また、疑似接着皮膜の接着性が良好すぎる場合、仮に水濡れを起こしていなくても、剥離に際して強靭な疑似接着皮膜よりも脆弱な葉片の紙繊維が、開封に際して先に解れたり或いは分断してしまい内容を確認することができない。
本発明は、水を吸って濡れた状態や、疑似接着が良好な場合でも、疑似接着皮膜同士の間から容易に、しかも確実に剥離を開始することが可能で、受取人が必ず内部に記載されている内容を確認することができる情報通信体及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の水濡れに強い情報通信体は、折り線を介して連接された3葉片を断面Z(S)字状に折り畳み或いは切り重ねて剥離可能に一体化した情報通信体において、異なる幅の葉片の重ね合わせにより生じる段差を剥離の端緒とする開封手段であって、折り畳んだ際に他の葉片より突出する幅広の葉片と連接される中央葉片との対向面同士を疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に疑似接着し、残る葉片同士の対向面間を剥離不能に完全接着すると共に前記中央葉片を被覆する疑似接着フィルムシートが前記中央葉片の前記幅広の葉片と逆側に接続した葉片も被覆していることを特徴としている。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明の水濡れに強い情報通信体の製造方法は、折り線を介して連接された3葉片を断面Z(S)字状に折り畳み剥離可能に一体化した情報通信体において、異なる幅の葉片の重ね合わせにより生じる段差を剥離の端緒とする開封手段であって、折り畳んだ際に他の葉片より突出する幅広の葉片と連接される中央葉片との対向面同士を疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に疑似接着し、残る葉片同士の対向面間を剥離不能に完全接着すると共に前記中央葉片を被覆する疑似接着フィルムシートが前記中央葉片の前記幅広の葉片と逆側に接続した葉片も被覆していることを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法であって、長尺状シートを順次送り出す送り出し工程、送り出された長尺状シートの疑似接着予定面を含む葉片と前記疑似接着予定面を含む葉片に隣り合わせた葉片に疑似接着フィルムシートを被覆する被覆工程及び完全接着予定面に完全接着フィルムシートを被覆する被覆工程、疑似接着フィルムシート及び完全接着フィルムシートが被覆された長尺状シートに折りミシンを形成する折ミシン形成工程及び一方のマージナル部分を切除する第一の切除工程、折りミシンを形成すると共にマージナル部分を切除した長尺状シートを断面Z(S)字状に折り畳む折畳み工程、折り畳まれた長尺状シートの残されたマージナル部分を切除する第二の切除工程、マージナル部分を切除した長尺状シートを天地方向で断裁して単位シート毎に仕上げる断裁工程、断裁された単位シートを全体として一体化する一体化工程とからなることを特徴としている。
【0009】
さらに、上記目的を達成するために、本発明の水濡れに強い情報通信体の異なる態様の製造方法は、折り線を介して連接された3葉片を断面Z(S)字状に折り畳み剥離可能に一体化した情報通信体において、異なる幅の葉片の重ね合わせにより生じる段差を剥離の端緒とする開封手段であって、折り畳んだ際に他の葉片より突出する幅広の葉片と連接される中央葉片との対向面同士を疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に疑似接着し、残る葉片同士の対向面間を剥離不能に完全接着すると共に前記中央葉片を被覆する疑似接着フィルムシートが前記中央葉片の前記幅広の葉片と逆側に接続した葉片も被覆していることを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法であって、枚葉状シートを順次送り出す送り出し工程、送り出された枚葉状シートの疑似接着予定面を含む葉片と前記疑似接着予定面を含む葉片に隣り合わせた葉片に疑似接着フィルムシートを被覆する被覆工程及び完全接着予定面に完全接着フィルムシートを被覆する被覆工程、疑似接着フィルムシート及び完全接着フィルムシートが被覆された枚葉状シートに折りミシンを形成する折ミシン形成工程及び流れ方向の余白部分を切除する切除工程、折りミシンを形成及び流れ方向の余白部分を切除した枚葉状シートを断面Z(S)字状に折り畳む折畳み工程、折り畳まれた枚葉状シートの天地の余白部分を断裁して単位シート毎に仕上げる断裁工程、断裁された単位シートを全体として一体化する一体化工程とからなることを特徴としている。
【0010】
なお、前記製造方法において折りミシンを形成する工程は、予め各種シートに折りミシンを形成しておくことにより省略できる。また長尺状シートを使用する製造方法において、両マージナル部分を切除する工程は各工程の任意の位置に配置しておいて段階的に切除しても或いは一箇所で同時に行っても構わない。さらに長尺状シートを使用した製造方法においてはマージナル部分を切除する工程と単位シート毎に仕上げる工程及び一体化工程の順序が入れ替わっても構わず、同様に枚葉状シートを使用した製造方法においては流れ方向の余白を切除する第一の切除工程と単位シート毎に仕上げる第二の切除工程及び一体化工程の順序が入れ替わっても構わない。
【0011】
前記構成の情報通信体を通常葉書として使用するには、例えば上葉片の表出面を受取人住所記載面として下葉片の突出部に「郵便はがき」等の文言を記載して本体を明示する構成、或いは他葉片より幅方向において突出した下葉片を本体としてその表出面を受取人の住所記載面とした構成により使用することができる。
【0012】
任意の対向面同士を剥離可能に疑似接着する疑似接着媒体は、対向する疑似接着予定面のみならず前記疑似接着予定面を含む葉片と折り線を介して連接された疑似接着に寄与することのない葉片の任意の部分を被覆していても構わない。
【0013】
対向葉片間を剥離不能に接着するための完全接着媒体は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、アセテート、ナイロン、ポリエステル等の基材の一方の面にヒートシール処理層を形成したドライラミネート方式に対応したプリントラミネート用の完全接着フィルムシートや、前記基材の残るもう一方の表面に公知の感熱性接着剤層を形成した、サーマルラミネート方式に対応したプリントラミネート用の完全接着フィルムシートを好適に使用することができる。なお、基材自体に接着性があれば前記完全接着層はあえて必要としない。
【0014】
前記ドライラミネート方式に対応した完全接着フィルムシートとしては、例えば王子特殊紙株式会社製の商品名「アルファンHS」、フタムラ株式会社製の二軸延伸ポリプロピレン(片面ヒートシールグレード)等を好適に使用することができる。また前記サーマルラミネート方式に対応した完全接着フィルムシートとしては、例えばケイディケイ株式会社製の商品名「ハガキフィルムサーマル(クローズタイプ)」が好適に使用できる。
【0015】
前記完全接着フィルムシートは、例えば情報通信体を構成する印刷物の完全接着予定面に被覆して、その後完全接着予定面同士を折り合わせ完全接着フィルムシート同士を対向させて加圧或いは加熱・加圧処理を施すと剥離不能に接着するものである。
【0016】
なお、前記完全接着の異なる手段としては、基材の両面に粘着材層や感熱接着剤層を形成した両面接着性の完全接着フィルムシートを完全接着予定面間に挟み込み、加圧或いは加熱・加圧処理を施すことにより完全接着するようにしてもよく、また完全接着予定面に直接粘着材層や接着材層を形成して剥離不能に完全接着するようにしても構わない。
【0017】
さらに、前記疑似接着予定面を剥離可能に疑似接着するための疑似接着媒体としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、アセテート、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステル等の比較的腰の強い基材の一方の面に疑似接着層を形成したドライラミネート方式に対応したプリントラミネート用の疑似接着フィルムシートや、前記基材の残るもう一方の面に公知の感熱性接着剤層を形成した、サーマルラミネート方式に対応したプリントラミネート用の疑似接着フィルムシートを好適に使用することができる。
前記疑似接着フィルムシートとしては、例えばケイディケイ株式会社製の商品名「ハガキフィルムドライ」や商品名「ハガキフィルムサーマル」が販売されている。
【0018】
前記疑似接着フィルムシートは、例えば情報通信体を構成する印刷物の疑似接着予定面に被覆して、その後疑似接着予定面同士を折り合わせ疑似接着層同士を対向させて加圧或いは加熱・加圧処理を施すと剥離可能に接着するものである。そして疑似接着後に前記対向面同士を引き剥がすと、疑似接着層同士の界面から剥離するか、或いは基材と何れかの疑似接着層との間から剥離するか、さらに前記両者の剥離が複合的に起こり、対向面同士を容易に剥離することができるのである。
【0019】
なお、前記と異なる疑似接着媒体として、疑似接着性のUV硬化型ニスを印刷が完了した疑似接着予定面に塗布して強靭な疑似接着性の皮膜を形成する手段も使用できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の水濡れに強い情報通信体によれば、従来の段差を利用した開封において、対向して疑似接着している強靭で水濡れに強い樹脂皮膜同士を直接摘んで剥離する。従って、従来では水濡れを起こすと紙繊維が解れたり分断してしまい剥離することができない前記開封端緒であるにもかかわらず、水濡れの影響をまったく受けることがなく、最後まで確実に剥離開封を行うことができる。従って、受取人は、確実に内部の個人情報を確認することができる。
【0021】
また本発明は、既述の完全接着媒体及び疑似接着媒体の被覆条件或いは前記各媒体による完全接着及び疑似接着の実行条件を統一することにより、情報通信体の製造作業を極めて簡便に行うことができる。例えば完全接着媒体及び疑似接着媒体共にサーマルラミネート方式に対応したものを選択すれば、各予定面に同一条件(加熱)で一貫して被覆することができるため至便である。また完全接着及び疑似接着を実行する一体化工程も同一条件(加熱)で行えばさらに効果が増す。
【0022】
さらに、本発明の水濡れに強い情報通信体の製造方法によれば、一貫したシステムにより素人でも容易に大量の水濡れに強い情報通信体を製造することが可能である。また現状の製造システムを組み合わせてオフラインの製造工程でも容易に製造することが可能なため、新たに新規システムの導入を必要とせず経済的である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】(A)及び(B)は基本的な三つ折り葉書の平面図及びI−I線断面図である。
【図2】(A)及び(B)は代表的な疑似接着フィルムシートと完全接着シートのそれぞれ厚さ方向に拡大した断面図である。
【図3】(A)及び(B)は図1の三つ折り葉書を平面に展開した際のそれぞれ表面図と裏面図である。
【図4】(A)及び(B)は図1の三つ折り葉書を開封する状態を分かりやすく示す断面図及び開封展開後の平面図である。
【図5】(A)及び(B)は図1と異なる態様の三つ折り葉書の平面図及びII−II線断面図である。
【図6】(A)及び(B)は図5の三つ折り葉書を平面に展開した際のそれぞれ表面図と裏面図である。
【図7】(A)及び(B)は図1と異なる第二の態様の三つ折り葉書の平面図及びIII−III線断面図である。
【図8】(A)及び(B)は図7の三つ折り葉書を平面に展開した際のそれぞれ表面図と裏面図である。
【図9】(A)及び(B)は図1と異なる第三の態様の三つ折り葉書の平面図及びIV−IV線断面図である。
【図10】(A)及び(B)は図9の三つ折り葉書を平面に展開した際のそれぞれ表面図と裏面図である。
【図11】実施例1の三つ折り葉書を製造する際に使用する長尺状シートの表面図及び裏面図である。
【図12】図11の長尺状シートに被覆する各フィルムシートの被覆位置を示すそれぞれ平面図である。
【図13】長尺状シートを使用した三つ折り葉書の製造方法を分かりやすく説明する要部概略図である。
【図14】(A)及び(B)は図13におけるV−V線及びVI−VI線断面図である。
【図15】実施例1の三つ折り葉書を製造する際に使用する枚葉状シートの表面図である。
【図16】実施例1の三つ折り葉書を製造する際に使用する枚葉状シートの裏面図である。
【図17】図15の枚葉状シートに被覆する疑似接着フィルムシートの被覆位置を示す平面図である
【図18】図15の枚葉状シートに被覆する完全接着フィルムシートの被覆位置を示す平面図である
【図19】枚葉状シートを使用した三つ折り葉書の製造方法を分かりやすく説明する要部概略図である。
【図20】流れ方向の余白部分Xの切除及び折りミシンの形成工程を分かりやすく説明する要部平面図である。
【図21】流れ方向に垂直な天地方向の余白部分Y及びLを分かりやすく説明する平面図である
【図22】(A)及び(B)は従来の開封における不具合を分かりやすく説明する要部概略図である。
【図23】(A)及び(B)は実施例4の変形態様の三つ折り葉書の平面図及びVII−VII線断面図である。
【図24】実施例5の三つ折り葉書の製造法その1において、疑似接着フィルムシートGの被覆を切取線47の内方に収めた場合の長尺状シートS1の表面図である。
【図25】実施例6の三つ折り葉書の製造方法その2において、疑似接着フィルムシートGの被覆を流れ方向の余白Xの切断線の内方に収めた場合の枚葉状シートS2の表面図である。
【図26】図25に示す製造方法の際に使用することが可能な枚葉状シートの表面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を葉書を例に図面に基づいて具体的に説明する。
[実施例1:三つ折り葉書その1]
図1に示すように、本実施例の水濡れに強い郵便葉書は、上から第一葉片1、第二葉片2及び第三葉片3が折り線4及び5から断面Z(S)字状に折り畳まれると共に、第一葉片1と第二葉片の対向面間には完全接着フィルムシートKが配置され、第二葉片2と第三葉片3の対向面間には疑似接着フィルムシートGがそれぞれ配置されて全体として一体化されている。
【0025】
完全接着フィルムシートKは図2(A)に示すように、例えば二軸延伸ポリプロピレンからなる基材6の一方の面に公知の感熱接着剤層8を形成し、残るもう一方の面にヒートシール処理層7を形成したものである。このものを葉書用紙の完全接着予定面に前記感熱接着剤層8を介して剥離不能に接着した後に折り合わせ、ヒートシール処理層7を対向させて加熱・加圧処理を施すと剥離不能に完全接着する。
なお図面では複雑化を避けるため1層で表現している。
【0026】
疑似接着フィルムシートGは図2(B)に示すように、例えば二軸延伸ポリプロピレンからなる基材6の一方の面に公知の感熱接着剤層8を形成し、残るもう一方の面に疑似接着処理層7を形成したものである。このものを葉書用紙の疑似接着予定面に前記感熱接着剤層8を介して剥離不能に接着した後に折り合わせ、疑似接着層9を対向させて加熱・加圧処理を施すと剥離可能に疑似接着する。
なお図面では複雑化をさけるため1層で表現している。
【0027】
この郵便葉書を平面に展開すると、図3(A)に示すように、第三葉片3、第二葉片2の表面全面及び第一葉片1表面の折り線4側の一部において、各葉片に表示されている個人情報等が視認可能な状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されている。また同図(B)に示すように、第一葉片1及び第二葉片2裏面が略全面に渡り両面接着性の完全接着フィルムシートKにより被覆されお互いが剥離不能に接着されている(本来この面同士は開封不能であるが敢えて平面に展開している)。なお、開封することが不可能なこの両面は白紙状態、或いは折り畳まれた後に内面の各種情報を読み取りにくくするための地紋やベタ印刷等が施されていても構わない。
【0028】
この葉書の受取人は、例えば表面に記載されている「ここから開封して下さい」等の文言に従って、折り線4部分に形成されている段差を利用して、第三葉片3と第二葉片2及び第一葉片1の疑似接着フィルムシートGにより被覆されている縁辺を、図4(A)示すように剥離開封することができる。そして完全に剥離して平面に展開した後に内面に隠されていた各種情報(個人的な情報や一般情報等)を図4(B)に示すように、疑似接着フィルムシートGを透して確認することができる。
【0029】
この葉書は、仮に雨等により全体が十分濡れていて、紙繊維が容易に解れたり破断してしまう状態であっても、開封に際して指で摘む段差部分のみならず対向葉片2、3の連続的な剥離展開に当たり全ての部分が強靭な疑似接着フィルムシートGにより保護されているため何ら不具合を生じることなく最後まで剥離することができるのである。
【0030】
なお本葉書の形態は、断面Z字状としているが、左右対称の葉書用紙を断面S字状に折り畳んだ葉書においても同一の効果が得られることは言うまでもない。
【0031】
[実施例2:三つ折り葉書その2]
図5に示すように、本実施例の水濡れに強い郵便葉書は、上から第一葉片11、第二葉片12及び第三葉片13が折り線14及び15から断面S(Z)字状に折り畳まれると共に、第一葉片11と第二葉片12の対向面間には疑似接着フィルムシートGが配置され、第二葉片12と第三葉片13の対向面間には完全接着フィルムシートKが配置されて全体として一体化されている。
【0032】
この郵便葉書を平面に展開すると、図6(A)に示すように、
第三葉片13及び第二葉片12表面が略全面に渡り両面接着性の完全接着フィルムシートKにより被覆されお互いが剥離不能に接着されている(本来この面同士は開封不能であるが敢えて平面に展開している)。なお、開封することが不可能なこの両面は白紙状態、或いは折り畳まれた後に内面の各種情報を読み取りにくくするための地紋やベタ印刷等が施されていても構わない。そして同図(B)に示すように、第一葉片11、第二葉片12の裏面全面及び第三葉片13表面の折り線15側の一部において、各葉片に表示されている個人情報等が視認可能な状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されている。
【0033】
この葉書の受取人は、例えば表面に記載されている「ここから開封して下さい」等の文言に従って、折り線15部分に形成されている段差を利用して第一葉片11と第二葉片12及び第三葉片13の疑似接着フィルムシートGにより被覆されている縁辺を、剥離開封する。そして内面に隠されていた各種情報(個人的な情報や一般情報等)を疑似接着フィルムシートGを透して確認することができる。
【0034】
この葉書は、仮に雨等により全体が十分濡れていて、紙繊維が容易に解れたり破断してしまう状態であっても、開封に際して指で摘む段差部分のみならず対向葉片11、12の連続的な剥離展開に当たり全ての部分が強靭な疑似接着フィルムシートGにより保護されているため何ら不具合を生じることなく最後まで剥離することができるのである。
【0035】
なお本葉書の形態は、断面S字状としているが、左右対称の葉書用紙を断面Z字状に折り畳んだ葉書においても同一の効果が得られることは言うまでもない。
【0036】
[実施例3:三つ折り葉書その3]
図7に示すように、本実施例の水濡れに強い郵便葉書は、上から第一葉片21、第二葉片22及び第三葉片23が折り線24及び25から断面Z(S)字状に折り畳まれると共に、第一葉片21と第二葉片22の対向面間には完全接着フィルムシートKが配置され、第二葉片22と第三葉片23の対向面間には疑似接着フィルムシートGが配置されて全体として一体化されている。
【0037】
この郵便葉書を平面に展開すると、図8(A)に示すように、第三葉片23、第二葉片22の表面全面及び第一葉片21表面の折り線24側の一部において、各葉片に表示されている個人情報等が視認可能な状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されている。そして同図(B)に示すように、第一葉片21及び第二葉片22裏面の折り線24側の一部において、両面接着性の完全接着フィルムシートKが被覆されお互いが剥離不能に接着されている(本来この面同士は開封不能であるが敢えて平面に展開している)。なお、開封することが不可能なこの両面は白紙状態、或いは折り畳まれた後に内面の各種情報を読み取りにくくするための地紋やベタ印刷等が施されていても構わない。
【0038】
この葉書の受取人は、例えば表面に記載されている「ここから開封して下さい」等の文言に従って、折り線24部分に形成されている段差を利用して第三葉片23と第二葉片22及び第一葉片21の疑似接着フィルムシートGにより被覆されている縁辺を、剥離開封する。そして内面に隠されていた各種情報(個人的な情報や一般情報等)を疑似接着フィルムシートGを透して確認することができる。
【0039】
この葉書は、仮に雨等により全体が十分濡れていて、紙繊維が容易に解れたり破断してしまう状態であっても、開封に際して指で摘む段差部分のみならず対向葉片22、23の連続的な剥離展開に当たり全ての部分が強靭な疑似接着フィルムシートGにより保護されているため何ら不具合を生じることなく最後まで剥離することができるのである。
【0040】
なお本葉書の形態は、断面Z字状としているが、左右対称の葉書用紙を断面S字状に折り畳んだ葉書においても同一の効果が得られることは言うまでもない。
【0041】
また、前記実施例2と同様に、他の葉片より幅広で突出した第三葉片23を住所面とする構成に変えても構わない。
【0042】
[実施例4:三つ折り葉書その4]
図9に示すように、本実施例の水濡れに強い郵便葉書(情報通信体)は、上から第一葉片31、第二葉片32及び第三葉片33が折り線34及び35から断面Z(S)字状に折り畳まれると共に、第一葉片31と第二葉片32の対向面間には完全接着フィルムシートKが配置され、第二葉片32と第三葉片33の対向面間には疑似接着フィルムシートGが配置されて全体として一体化されている。
【0043】
この郵便葉書を平面に展開すると、図10(A)に示すように、第三葉片33、第二葉片32及び第一葉片31の表面全面において、各葉片に表示されている個人情報等が視認可能な状態で疑似接着フィルムシートGが被覆されている。そして同図(B)に示すように、第一葉片31及び第二葉片32裏面の折り線34側の一部において、両面接着性の完全接着フィルムシートKが被覆されお互いが剥離不能に接着されている(本来この面同士は開封不能であるが敢えて平面に展開している)。開封することが不可能なこの両面は白紙状態、或いは折り畳まれた後に内面の各種情報を読み取りにくくするための地紋やベタ印刷等が施されていても構わない。
【0044】
この葉書の受取人は、例えば表面に記載されている「ここから開封して下さい」等の文言に従って、折り線34部分に形成されている段差を利用して第三葉片33と第二葉片32及び第一葉片31の疑似接着フィルムシートGにより被覆されている縁辺を、剥離開封する。そして内面に隠されていた各種情報(個人的な情報や一般情報等)を疑似接着フィルムシートGを透して確認することができる。
【0045】
この葉書は、仮に雨等により全体が十分濡れていて、紙繊維が容易に解れたり破断してしまう状態であっても、開封に際して指で摘む段差部分のみならず対向葉片32、33の連続的な剥離展開に当たり全ての部分が強靭な疑似接着フィルムシートGにより保護されているため何ら不具合を生じることなく最後まで剥離することができるのである。
【0046】
なお本葉書の形態は、断面Z字状としているが、左右対称の葉書用紙を断面S字状に折り畳んだ葉書においても同一の効果が得られることは言うまでもない。
【0047】
また、前記実施例2と同様に、他の葉片より幅広で突出した第三葉片33を住所面とする構成に変えても構わない。
[実施例5:三つ折り葉書の製造方法その1]
本実施例で使用される長尺状シートS1は、図11に示すように第一葉片41、第二葉片42及び第三葉片43が二点鎖線で示される折り予定線44、45(後の加工で折り用ミシンが穿設されるが予め穿設しておいても構わない)を介して横方向に連接された単位シートt1が切取線46を介して縦方向に連接されたものである。
【0048】
そして図11(A)に示すように、例えば第一葉片41表面には郵便切手欄、郵便番号欄及び受取人の住所氏名等が記載されており(これらは後ほど印字しても構わない)、葉書完成後に折り畳まれて内部に隠蔽される第二葉片42及び第三葉片43表面には、プライバシーに関わる個人的な情報(必ずしも個人的である必要はなく広告宣伝等の一般情報が混在していても構わず、或いは一般情報のみが記載されていても構わない)等が記載されている。
【0049】
また図11(B)に示すように、葉書完成後に裏面側に表出する第三葉片43裏面には広告宣伝等の一般情報が記載されており、同様に折り畳まれて剥離不能に接着される第二葉片42及び第一葉片41裏面は、白紙状態(地紋やベタ印刷により葉書完成後に内部の情報を外から透かして読み取りにくくしておいても構わない)である。
【0050】
前記長尺シートS1の表裏面には後述する加工工程により、図12(A)に示すように第二葉片42及び第三葉片43の表面全面と第一葉片41の折り線44側に沿った一部分に疑似接着フィルムシートGが被覆され、同図(B)に示すように第二葉片42及び第一葉片41の裏面略全域に渡り完全接着フィルムKが被覆される。
【0051】
以下既述の実施例1の葉書の製造方法を順を追って説明する。
図13に示すように、既述の長尺状シートS1は、例えば折り線46から蛇腹に折り畳まれてブロック状態に積み重ねられて工程の最上流左端に配置される。なお前記蛇腹ではなくロールに巻き取られた状態から直接繰り出すようにしても構わない。前記長尺状シートS1は上から順に上方のサポートローラ51へ引き上げられた後に略水平に向きを変え、下流に控えるピントラクタ52のピンとマージナル孔48を合致させて更に下流へと牽引される。
【0052】
前記ピントラクタ52の下流には一対のヒートローラ53a、53bが配置されており、そこへ上方で待機しているロールから疑似接着フィルムシートGが、また下方で待機しているロールから完全接着フィルムシートKがそれぞれ引き込まれ、長尺状シートS1の疑似接着予定面及び完全接着予定面にそれぞれ図12に示す状態に整合される。そしてヒートローラ53a、53bにより加熱・加圧処理が施されることにより、両フィルムシートは図14(A)に示すように、それぞれの感熱接着剤層8を介して長尺状シートS1の各予定面に強固に被覆される。なお図中では複雑化を避けるために各フィルムシートを1層で表している。
【0053】
その後下流のミシン形成装置54a、54bにより図11において二点鎖線で示されている折り予定線44、45に折りミシンMが形成され、さらにスリッタ55a、55bにより一方のマージナル部分49が切取線47から切除された後に更に下流の折り畳み装置57へと送り出される。
【0054】
そして折り畳み装置57で図14(B)に示すように、断面Z字状に折り畳まれた長尺状シートS1は、上方のサポートローラ58へ引き上げられると略水平に向きを変え、下流側のピントラクタ59のピンと残っているマージナル孔48とを合致させて更に下流の工程へと牽引されるのである。
【0055】
そして前記下流側のピントラクタ59から送り出される長尺状シートS1は、残っているマージナル部分49をスリッタ60a、60bにより切除した後に、ダイカットロール61aとバックアップロール61bとからなる切断装置へ送り込まれ、天地方向の切取線46から単位シートt毎に個切りされ、下流の一体化装置へ送り込まれるのである。
【0056】
前記一体化装置では、一対の搬送ローラ62a、62b及び一対のヒータパネル63a、63bが交互に配置されており、既述の個切りされた一体化前の三つ折り葉書用用紙が通過する際に加熱処理を施す。そして最終出口に設置されているヒートローラ64a、64bにより更に加熱され加圧処理を施されることにより、図1に示すように全体として剥離可能に一体化されてスタッカ65に順次積載される。なお前記ヒートローラ64a、64bは加圧ローラに換えても構わない。
【0057】
[実施例6:三つ折り葉書の製造方法その2]
本実施例で使用される枚葉状シートS2は、図15に示すように第一葉片71、第二葉片72及び第三葉片73が二点鎖線で示す折り予定線74、75(後の加工で折り用ミシンが穿設されるが予め穿設しておいても構わない)を介して横方向に連接された単位シートt2が3丁面付けされたものである。
【0058】
そして第一葉片71表面には、例えば郵便切手欄、郵便番号欄及び受取人の住所氏名等が記載されており(これらは後ほど印字しても構わない)、葉書完成後に折り畳まれて内部に隠蔽される第二葉片72及び第三葉片73表面にはプライバシーに関わる個人的な情報(必ずしも個人的である必要はなく広告宣伝等の一般情報が混在していても構わず、或いは一般情報のみが記載されていても構わない)等が記載されている。
【0059】
また図16に示すように、葉書完成後に裏面側に表出する第三葉片73裏面には広告宣伝等の一般情報が記載されており、同様に折り畳まれて剥離不能に接着される第二葉片72及び第一葉片71裏面は、白紙状態(地紋やベタ印刷により葉書完成後に内部の情報を外から透かして読み取りにくくしておいても構わない)である。
【0060】
前記長尺シートS2の表裏面には後述する加工工程により、図17に示すように、第二葉片72及び第三葉片73の表面全面と第一葉片71の折り線74側に沿った一部分に疑似接着フィルムシートGが被覆され、図18に示すように第二葉片72及び第一葉片71の裏面略全域に渡り完全接着フィルムKが被覆される。
【0061】
以下順を追って前記長尺状シートを使用した実施例と異なる製造方法を説明する。
図19に示すように、既述の枚葉状シートS2は、例えば最上流側の左端に積載され配置される。そして最上面の枚葉状シートS2から順に、例えば吸着パッド81(フィードローラ等でも構わない)の繰り出し手段により下流に配置されている一対のニップローラ82a、82bへ等間隔或いは前後するシートの前後端を突き合わす状態で送り出される。
【0062】
前記一対のニップローラ82a、82bの下流には一対のヒートローラ83a、83bが配置されており、そこへ上方で待機しているロールから疑似接着フィルムシートGが、また下方で待機しているロールから完全接着フィルムシートKがそれぞれ引き込まれ、枚葉状シートS2の疑似接着予定面及び完全接着予定面にそれぞれ図17及び図18に示す位置に整合される。そしてヒートローラ83a、83bにより加熱・加圧処理が施されることにより、両フィルムシートは感熱接着剤層8を介して枚葉状シートS2の各予定面に強固に被覆される。
【0063】
その後図20に示すように、下流のスリッタ84a、84bにより流れ方向の左右の余白部分Xが切除され、さらにミシン形成装置85a、85bにより図15乃至図18において二点鎖線で示されている折り線74、75に折りミシンMが形成された後に更に下流の折り畳み装置87へと送り出される。
【0064】
折り畳み装置87で、断面Z字状に折り畳まれた枚葉状シートS2は、上方のサポートローラ88へ引き上げられると略水平に向きを変え、図21に示す状態で下流側に配置された一対のニップローラ89a、89bにより更に下流の切断刃90aと固定刃90bとからなる切断装置へ送り込まれる。前記切断装置では上流に配置されているセンサJが通過する用紙の余白部分に記されたマークZを読み取ると、予め設定されているピッチ(Y及びL)で切断装置が稼動する。そしてその動作により天地方向の余白部分Y及びLを断裁して取り除き単位シートt毎に個切りした後に、下流の一体化装置へ送り込まれるのである。
【0065】
前記一体化装置では、一対の搬送ローラ91a、91b及び一対のヒータパネル92a、92bが交互に配置されており、既述の個切りされた一体化前の三つ折り葉書用用紙が通過する際に加熱処理を施す。そして最終出口に設置されているヒートローラ93a、93bにより更に加熱され加圧処理を施されることにより、図1に示すように全体として剥離可能に一体化されてスタッカ94に順次積載される。なお前記ヒートローラ93a、93bは加圧ローラに換えても構わない。
【0066】
前記実施例の製造方法は、実施例1の三つ折り葉書を例に説明しているが、それ以外の実施例による各三つ折り葉書も同一の工程で製造することが可能である。
【0067】
なお本発明は前記実施例に限定されるものではない。
例えば、疑似接着媒体としてサーマルラミネートに対応した疑似接着フィルムシートや完全接着フィルムシートを使用しているが、ドライラミネートに対応した疑似接着フィルムシートや完全接着フィルムシートを使用しても構わない。この場合製造方法において、ロールから繰り出してからヒートローラに至るまでの通過経路の何れかの場所に、接着剤の塗工並びに乾燥装置を設置すればよい。またシートに直接塗工することで強靭なフィルムシートが形成される疑似接着媒体であれば、そのものを直接疑似接着予定面に塗工して疑似接着フィルムシートを形成しても構わない。また公知の感熱接着剤や感圧接着剤をシートに直接塗工して完全接着を実行しても構わない。
【0068】
また、完全接着フィルムシートKは、必ずしも完全接着予定面に被覆する必要はなく、例えば図23に示すように完全接着予定面以外の任意の面を含めて被覆していても構わない。この場合完全接着の機能は、完全接着フィルムシート同士が対向しない部分では発揮されないため作業には何ら影響を与えることはない。
なお図23の三つ折り葉書は、実施例4(図9)の変形である。
【0069】
さらに、各実施例の疑似接着フィルムシートGは、例えば図12(A)及び図17において、切取線47や切断線を越えて第三葉片43及び73の外側マージナル部分49及び流れ方向の余白Xの一部を含めて被覆しているが、図24及び図25に示すように、切取線47や切断線を越えることなくその手前までを被覆するようにしても構わない。これについては図12(B)及び図18に示す完全接着フィルムシートKについても同様である。
【0070】
前記図25に示すような状態で枚葉状シートS2に疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKを被覆する場合は、図26に示すように、予め両側の流れ方向の余白部分Xを切除した枚葉状シートを使用すれば、前記流れ方向の余白部分の切除工程が省略できて至便である。
【0071】
さらにまた、折りミシンの穿設に関しては、予め各種シートに形成していても構わず或いは本実施例のように製造工程中で形成しても構わない。予め形成しておけばミシンはシートのみに穿設されているが、製造工程中で形成する場合はシートと各種フィルムシートの両者を貫通して穿設されることになる。
【符号の説明】
【0072】
G 疑似接着フィルムシート
K 完全接着フィルムシート
S1 長尺状シート
S2 枚葉状シート
t1、t2 単位シート
M 折りミシン
X、Y、L 余白部分
Z マーク
1、2、3、11、12、13、21、22、23、31、32、33、41、42、43、71、72、73 葉片
4、5、14、15、24、25、34、35 折り線
6 基材
7 ヒートシール処理層
8 感熱接着剤層
9 疑似接着層
44、45、74、75 折り予定線
46、47 切取線
48 マージナル孔
49 マージナル部分
51、58、88 サポートローラ
52、59 ピントラクタ
53a、53b、83a、83b ヒートローラ
54a、54b、85a、85b ミシン形成装置
55a、55b、60a、60b、84a、84b スリッタ
56a、56b、82a、82b、86a、86b、89a、89b ニップローラ
57、87 折り畳み装置
61a、ダイカットローラ
61b、バックアップローラ
62a、62b、91a、91b 搬送ローラ
63a、63b、92a、92b ヒータパネル
64a、64b、93a、93b ヒートローラ
65、94 スタッカ
90a 切断刃
90b 固定刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り線を介して連接された3葉片を断面Z(S)字状に折り畳み或いは切り重ねて剥離可能に一体化した情報通信体において、異なる幅の葉片の重ね合わせにより生じる段差を剥離の端緒とする開封手段であって、折り畳んだ際に他の葉片より突出する幅広の葉片と連接される中央葉片との対向面同士を疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に疑似接着し、残る葉片同士の対向面間を剥離不能に完全接着すると共に前記中央葉片を被覆する疑似接着フィルムシートが前記中央葉片の前記幅広の葉片と逆側に接続した葉片も被覆していることを特徴とした水濡れに強い情報通信体。
【請求項2】
折り線を介して連接された3葉片を断面Z(S)字状に折り畳み剥離可能に一体化した情報通信体において、異なる幅の葉片の重ね合わせにより生じる段差を剥離の端緒とする開封手段であって、折り畳んだ際に他の葉片より突出する幅広の葉片と連接される中央葉片との対向面同士を疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に疑似接着し、残る葉片同士の対向面間を剥離不能に完全接着すると共に前記中央葉片を被覆する疑似接着フィルムシートが前記中央葉片の前記幅広の葉片と逆側に接続した葉片も被覆していることを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法であって、長尺状シートを順次送り出す送り出し工程、送り出された長尺状シートの疑似接着予定面を含む葉片と前記疑似接着予定面を含む葉片に隣り合わせた葉片に疑似接着フィルムシートを被覆する被覆工程及び完全接着予定面に完全接着フィルムシートを被覆する被覆工程、疑似接着フィルムシート及び完全接着フィルムシートが被覆された長尺状シートに折りミシンを形成する折ミシン形成工程及び一方のマージナル部分を切除する第一の切除工程、折りミシンを形成すると共にマージナル部分を切除した長尺状シートを断面Z(S)字状に折り畳む折畳み工程、折り畳まれた長尺状シートの残されたマージナル部分を切除する第二の切除工程、マージナル部分を切除した長尺状シートを天地方向で断裁して単位シート毎に仕上げる断裁工程、断裁された単位シートを全体として一体化する一体化工程とからなることを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項3】
さらに、上記目的を達成するために、本発明の水濡れに強い情報通信体の異なる態様の製造方法は、折り線を介して連接された3葉片を断面Z(S)字状に折り畳み剥離可能に一体化した情報通信体において、異なる幅の葉片の重ね合わせにより生じる段差を剥離の端緒とする開封手段であって、折り畳んだ際に他の葉片より突出する幅広の葉片と連接される中央葉片との対向面同士を疑似接着フィルムシートを介して剥離可能に疑似接着し、残る葉片同士の対向面間を剥離不能に完全接着すると共に前記中央葉片を被覆する疑似接着フィルムシートが前記中央葉片の前記幅広の葉片と逆側に接続した葉片も被覆していることを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法であって、枚葉状シートを順次送り出す送り出し工程、送り出された枚葉状シートの疑似接着予定面を含む葉片と前記疑似接着予定面を含む葉片に隣り合わせた葉片に疑似接着フィルムシートを被覆する被覆工程及び完全接着予定面に完全接着フィルムシートを被覆する被覆工程、疑似接着フィルムシート及び完全接着フィルムシートが被覆された枚葉状シートに折りミシンを形成する折ミシン形成工程及び流れ方向の余白部分を切除する切除工程、折りミシンを形成及び流れ方向の余白部分を切除した枚葉状シートを断面Z(S)字状に折り畳む折畳み工程、折り畳まれた枚葉状シートの天地の余白部分を断裁して単位シート毎に仕上げる断裁工程、断裁された単位シートを全体として一体化する一体化工程とからなることを特徴とした水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項4】
折りミシンを形成する折りミシン形成工程を省略したことを特徴とした請求項2又は3の何れかに記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項5】
両マージナル部分の切除を第二の切除工程で一挙に実行することを特徴とした請求項2又は4の何れかに記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項6】
第一及び第二の切除工程、断裁工程及び一体化工程の順序が入れ替わったことを特徴とした請求項2、4及び5の何れかに記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項7】
切除工程、断裁工程及び一体化工程が入れ替わったことを特徴とした請求項3又は4の何れかに記載の水濡れに強い情報通信体の製造方法。
【請求項8】
疑似接着フィルムシート及び/又は完全接着フィルムシートが単位シートの幅方向において両外側の縁辺を被覆することなく内方に被覆されていることを特徴とした請求項2乃至7の何れかに記載の情報通信体の製造方法
【請求項9】
枚葉状シートの流れ方向の余白部分を予め切除しておくと共に単位シートの幅方向において両外側の縁辺を被覆することなく内方に被覆することにより切除工程を省略したことを特徴とした請求項3、4及び8に記載の情報通信体の製造方法。
【請求項10】
各工程が切れ目のない連続した流れにより連結されておらず、任意の工程或いは全ての工程が独立した異なるシステムであることを特徴とした請求項3、4、8及び9に記載の情報通信体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−43447(P2013−43447A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199963(P2011−199963)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000105280)ケイディケイ株式会社 (99)
【Fターム(参考)】