説明

水濡れに強い情報通信体

【課題】水に濡れたり、或いは、疑似接着が良好な情報通信体でも、容易に剥離開封することができる情報通信体の剥離手段を提供する。
【解決手段】対向する疑似接着予定葉片1、2、3の何れかにコーナーカット部Kを形成する。そして、例えば前記各葉片1、2、3の幅を変えて、折り畳んだ際に開封側端が一致しないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の葉片が剥離可能に折り畳まれ或いは切り重ねられた情報通信体に関する。
詳しくは最近盛んに使用されている、見掛けは通常の葉書であるにも関わらず、複数の葉片が剥離可能に積層されているため、多くの情報を隠蔽状態で伝達することができる葉書に代表される情報通信体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前記複数の葉片が剥離可能に積層された葉書として、例えば特開2004−98644号公報に記載の葉書がある。前記特許文献では各葉片を剥離可能に接着(以下疑似接着という)する手段として、予め剥離可能に積層した疑似接着フィルムを使用するもの、印刷を施した後に疑似接着性の皮膜を形成するもの及び印刷を施す前に疑似接着性の樹脂を塗布しておくもの等の各手段を開示している。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献】
【特許文献】特開2004−98644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記各種疑似接着媒体を使用した情報通信体は、剥離可能に接着する疑似接着媒体同士の間から剥離するきっかけが得られれば、容易に開封して平面に展開することができる。然るに、例えば個人の郵便受けの中で雨水等により濡れてしまい、各葉片の紙繊維が容易に解れて破断してしまうような状態の場合、指先でしごいて疑似接着媒体同士の間から剥離しようとすると疑似接着している葉片の用紙が解れたり或いは分断してしまい前記疑似接着媒体同士の間から剥離するきっかけを得ることができない。
【0005】
また、疑似接着媒体の接着性が良好すぎる場合も、前記水濡れの場合と同様に剥離に際して葉片の用紙が解れたり或いは分断してしまい剥離が困難になる。
本発明は、仮に水を吸って濡れた状態や疑似接着が良好で強過ぎる場合でも、疑似接着媒体同士の間から容易にしかも確実に剥離を開始することが可能で、受取人が必ず内部に記載されている内容を確認することができる水濡れに強い情報通信体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の水濡れに強い情報通信体は、第一葉片、第二葉片及び第三葉片が折り線を介して横方向に連接した単位シートを断面Z字(S字)状に折り畳んだ情報通信体において、折り畳みにより生じた二箇所の対向面間の内少なくとも一箇所の対向面間を疑似接着媒体を介して剥離可能に疑似接着すると共に、対向する葉片同士の開封側縁辺においてお互いが重なることがない摘み部を形成したことを特徴としている。
【0007】
また上記目的を達成するために、本発明の異なる水濡れに強い情報通信体は、上記目的を達成するために、本発明の水濡れに強い情報通信体は、第一葉片、第二葉片及び第三葉片が折り線を介して横方向に連接した単位シートを断面Z字(S字)状に折り畳んだ情報通信体において、折り畳みにより生じた二箇所の対向面間の内少なくとも一箇所の対向面間を疑似接着媒体を介して剥離可能に疑似接着すると共に、前記対向する葉片の一方の葉片の開封縁辺に沿って疑似接着媒体の非形成域を設け、残るもう一方の葉片は全域にわたって疑似接着媒体が形成されると共に開封縁辺のコーナー部分において切り欠き部が形成されていることを特徴としている。
【0008】
なお、前記二箇所の対向面は、両者とも剥離可能に疑似接着しても構わず、或いは何れか一箇所を疑似接着して残る一箇所を剥離不能に接着しても構わない。
【0009】
上記対向する葉片を剥離可能に一体化するための疑似接着媒体の種類には制限はなく、前記特許文献1に記載される公知の各種疑似接着媒体を使用することができるが、それ以外の疑似接着媒体として、例えば基材の片面に疑似接着層を形成した疑似接着フィルムシートがある。後述する実施例での疑似接着媒体は前記疑似接着フィルムシートを例に説明する。
【0010】
前記疑似接着フィルムシートは、例えば、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、アセテート、ポリカーボネート等の比較的腰の強い基材の一方の面に疑似接着層を形成したドライラミネート方式に対応したプリントラミネート用の疑似接着フィルムシートや、前記基材の残るもう一方の面に公知の感熱接着剤層を形成した、サーマルラミネート方式に対応したプリントラミネート用の疑似接着フィルムシートを好適に使用することができる。前記疑似接着フィルムシートとしては、例えばケイディケイ株式会社製の「ハガキフィルムドライ」や「ハガキフィルムサーマル」が販売されている。
【0011】
前記疑似接着フィルムシートは、例えば印刷物の疑似接着予定面に被覆ラミネートして、その後前記疑似接着予定面同士を折り合わせ疑似接着層同士を対向させて加圧或いは加熱・加圧処理を施すと剥離可能に接着するものである。そして疑似接着後に前記対向面同士を引き剥がすと、疑似接着層同士の界面から剥離するか、或いは基材と何れかの疑似接着層との間から剥離するか、さらに前記両者の剥離が複合的に起こり、対向面同士を容易に剥離することができるのである。
【0012】
前記二箇所の対向面の何れかを、剥離不能に接着する手段としては、加圧により接着する感圧性接着剤や加熱により接着する感熱性接着剤、或いは水分により接着する感湿性接着剤等公知の各種接着剤を使用すればよい。これら接着剤は直接或いは基材等を介して長尺状シートに予め形成されていてもよく、或いは基材の両面に形成したものを対向面間に挟みこんで使用しても構わない。
【0013】
本発明の情報通信体を構成する各葉片に使用される紙材は、上質紙、マットコート紙、グロスコート紙、合成紙その他の公知の用紙等を好適に使用することができる。好ましくはマートコート紙やグロスコート紙のように表面処理が施されている塗工紙系(特にマットコート紙)が、用紙表面に塗工される成分が紙繊維同士のバインダー役を果たすため、水濡れに対しても解れたり或いは分断し難くなり、そのため本発明の作用をより効果的に発揮することができる。
【0014】
本発明の情報通信体は、枚葉シートを使用したオフセット印刷により製造しても、或いは長尺状シートを使用したビジネスフォーム印刷や輪転印刷で製造しても構わない。オフセット印刷の場合、例えば印刷された用紙の疑似接着予定面へ疑似接着フィルムシートを被覆する等により疑似接着媒体を形成して、その後断裁、折り及び一体化工程等をオフラインで行えばよい。またビジネスフォーム印刷の場合、例えば印刷後の長尺状シートを情報通信体の製造機に掛ければ前記工程が一貫して行われるため至便である。
【0015】
本発明において、情報通信体の剥離の端緒となる摘み部の形状に格別な制限はない。
例えば上下各葉片から積極的に突出した摘み部を設けても構わず、逆に上下各葉片の一部を切り欠くことにより結果として突出して摘みやすくなる摘み部が形成される構成でも構わない。何れにしても前記摘み部は、お互いが一致して重ならず、且つお互いに交錯する位置に形成され、前記摘み部を指で摘んで引き剥がせば確実に疑似接着媒体同士の間がら剥離が開始される。そして一旦剥離が開始されると、水濡れや良好な疑似接着により葉片の紙繊維が解れたり或いは分断しやすい状態であっても連続的に剥離して展開することが可能になるのである。
【0016】
なお、疑似接着媒体に関しては、前記折り合わせて対向させた疑似接着層から剥離する疑似接着フィルムシートの他に、例えば既述の基材の一方の面に熱可塑性或いは熱硬化性の樹脂を溶融押出しや塗工により剥離可能に積層した2層の積層フィルムシートの少なくとも一方の外側に、公知の感熱接着剤層を形成した3層以上の構成からなる疑似接着フィルムシートを使用しても構わない。この疑似接着フィルムシートの場合、前記基材と樹脂との間で剥離が行われる。
【0017】
また、疑似接着性のUV硬化型ニスを、印刷が完了した疑似接着予定面に塗布して疑似接着性の皮膜を形成する手段も使用できる。前記手段は業界で「ニス引き方式」と呼ばれて公知である。
【0018】
さらに、疑似接着性のエマルジョン型糊を、印刷が完了した疑似接着予定面に塗布して疑似接着性の皮膜を形成する手段も使用できる。前記手段は業界で「後糊方式」と呼ばれて公知である。
【0019】
さらにまた、高圧により疑似接着性を発揮する感圧性の接着剤を、印刷前の用紙に塗布して疑似接着性の皮膜を予め形成しておく手段も使用できる。前記手段は業界で「先糊方式」と呼ばれて公知である。なおその様な印刷用紙は圧着紙と称されて流通している。
【発明の効果】
【0020】
本発明の情報通信体の開封手段によれば、通常では簡単に破断して開封不能になる水濡れや疑似接着が良好すぎて強い剥離力を必要とする状態でも、容易に剥離を開始することができ、しかも途中で葉片が破断することなく確実に開封することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】(A)、(B)及び(C)は三つ折り葉書H1の表面図、裏面図およびR−R線断面図である。
【図2】(A)、(B)及び(C)は三つ折り葉書H2の表面図、裏面図およびT−T線断面図である。
【図3】(A)、(B)及び(C)は三つ折り葉書H3の表面図、裏面図およびU−U線断面図である。
【図4】(A)、(B)及び(C)は三つ折り葉書H1を開封して平面に展開した場合のそれぞれ平面図、裏面図及びV−V線断面図である。
【図5】(A)、(B)及び(C)は三つ折り葉書H2を開封して平面に展開した場合のそれぞれ平面図、裏面図及びW−W線断面図である。
【図6】(A)、(B)及び(C)は三つ折り葉書H3を開封して平面に展開した場合のそれぞれ平面図、裏面図及びX−X線断面図である。
【図7】疑似接着フィルムシートGの部分拡大断面図である。
【図8】三つ折り葉書H1の開封時の剥離の端緒を説明する平面図である。
【図9】三つ折り葉書H2の開封時の剥離の端緒を説明する平面図である。
【図10】三つ折り葉書H3の異なる態様を示すX−X線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態を、情報通信体として多用される三つ折り葉書を例に、図面に基づいて具体的に説明する。
[実施例1:三つ折り葉書その1]
図1(C)に示すように、本実施例の三つ折り葉書H1は、左下部分にコーナーカット部Kを設けた第一葉片1と、第一葉片1及び第三葉片3よりも若干幅が狭い第二葉片2、及び右下部分にコーナーカット部Kを設けた第三葉片3が折り線4、5を介して折り畳まれている。
【0023】
そして同図(A)に示すように、第一葉片1には、例えば郵便切手欄10、郵便番号欄11の他に受取人の住所氏名12等が記載されており、郵便番号欄11の上部に設けられている四箇所の丸窓13から第二葉片2に記載されている「郵便葉書」の文言が読み取ることができるように設計されている。
【0024】
さらに同図(B)に示すように、第三葉片3には例えば宣伝広告等の一般情報15が記載されている。なお前記宣伝広告等の一般情報を記載する代わりに、三つ折り葉書H1が完成した後に内部の情報が外部から透けて見えにくいように、地紋や連続パターン或いはベタ印刷等を施しても構わない。
【0025】
後述する開封順序により平面に展開された三つ折葉書H1は、図4に示すように第二葉片2及び第三葉片3表面と第一葉片1及び第二葉片2裏面に疑似接着フィルムシートGが被覆された状態で、受取人は透明或いは半透明の前記疑似接着フィルムシートGを透して前記各葉片の表裏面に記載されている各種情報を視認することができる。
【0026】
なお前記疑似接着フィルムシートGが被覆されている各葉片の表裏面は、折り畳まれた状態では表出せず隠蔽状態である。従ってこの部分には例えば受取人のプライバシーに関わる個人情報14を記載することが可能である。しかし必ずしもプライバシーに関わるものである必要はなく、一般情報が混在していても構わず、さらに一般情報のみでも構わない。
【0027】
前記疑似接着フィルムシートGは、図7に示すように、例えば二軸延伸ポリプロピレンからなる基材61の上面に疑似接着層62が形成されており、残る下面には公知の感熱接着剤層63が形成されている。そして図1(C)に示すように、前記感熱接着剤層63を介して各葉片の疑似接着予定面とサーマルラミネート方式により全面的に接着し被覆している。なお図中に記載される疑似接着フィルムシートGは複雑化を避けるため一層で表現している。
【0028】
また前記疑似接着フィルムシートGに形成されている感熱接着剤層63は予め基材61に形成せずに、各葉片との貼り合わせの際に接着剤を塗布しながら被覆しても構わない。このような被覆ラミネート方式はドライラミネート方式として公知である。
【0029】
次に本実施例の三つ折り封書H1の開封方法を説明する。
図8に示すように、図中A、B及びC、Dで示す部分は、対向している両葉片共疑似接着フィルムシートGが被覆されており、なおかつ指で摘むことができるようお互いが重なることなく突出している。そして受取人は前記突出した部分のA及びB或いはC及びDをそれぞれ指で摘まんで開封するのであるが、仮に三つ折り葉書H1が雨など水に濡れていても、強靭な疑似接着媒体である疑似接着フィルムシートGを直接摘んで開封を開始するため、各葉片を構成する紙材が破断等を起こしたとしても疑似接着フィルムシートGが破断しないため、容易に剥離開封することができるのである。
【0030】
なお、各葉片を構成する紙材は疑似接着フィルムシートGと強固に接着しているため、開封及び剥離動作の際に分断することなく疑似接着フィルムシートGと共に剥離され、なお且つ情報記載面は疑似接着フィルムシートGにより完全に保護されているため、開封後に確実に情報を確認することができる。
【0031】
[実施例2:三つ折り葉書その2]
図2(A)に示すように、本実施例の三つ折り葉書H2は、左下部分にコーナーカット部Kを設けた第一葉片21と、第一葉片21よりも若干幅が広い第二葉片22、及び右下部分にコーナーカット部Kを設けた第三葉片23が折り線24、25を介して折り畳まれている。そして第一葉片21には、例えば郵便切手欄30、郵便番号欄31の他に受取人の住所氏名32等が記載されており、同図(B)に示すように、第三葉片23には例えば宣伝広告等の一般情報34が記載されている。なお前記宣伝広告等の一般情報を記載する代わりに、三つ折り葉書H2が完成した後に内部の情報が外部から透けて見えにくいように、地紋や連続パターン或いはベタ印刷等を施しても構わない。
【0032】
後述する開封順序により平面に展開された三つ折葉書H2は、図5に示すように第二葉片22及び第三葉片23表面と第一葉片21及び第二葉片22裏面に疑似接着フィルムシートGが被覆された状態で、受取人は透明或いは半透明の前記疑似接着フィルムシートGを透して前記各葉片の表裏面に記載されている情報を視認することができる。
【0033】
なお前記疑似接着フィルムシートGが被覆されている各葉片の表裏面は、折り畳まれた状態では表出せず隠蔽状態である。従ってこの部分には例えば受取人のプライバシーに関わる個人情報33を記載することが可能である。しかし必ずしもプライバシーに関わるものである必要はなく、一般情報が混在していても構わず、さらに一般情報のみでも構わない。
【0034】
次に本実施例の三つ折り封書H2の開封方法を説明する。
図9に示すように、図中L、Mで示す部分は、対向している両葉片の内第一葉片21はL部分まで全面にわたって疑似接着フィルムシートGが被覆されているが、対向する第二葉片22は第一葉片21のコーナーカット部Kの半ばまでしか疑似接着フィルムシートGが被覆されていない。即ち、第一葉片21の左側縁辺に沿って非接着領域(この部分は疑似接着フィルムシートG同士が対向しておらず従って接着していないため容易に剥離できる)が形成されているため、前記実施例1と同様に、図中L及びMで示される部分で対向する葉片のそれぞれの疑似接着フィルムシートGを直接指で摘むことができる。
【0035】
この三つ折り葉書H2の受取人は、図中Lで示される部分とMで示される部分(何れも対向面が疑似接着フィルムシートGにより被覆されている)を指で摘まんで開封するのであるが、仮に三つ折り葉書H2が雨など水に濡れていても、強靭な疑似接着媒体である疑似接着フィルムシートGを直接摘んで開封を開始するため、各葉片を構成する紙材が破断等を起こしたとしても疑似接着フィルムシートGにより保護されているため容易に開封して連続的に剥離することができる。
【0036】
なお、第二葉片22及び第三葉片23の開封に関しては、前記実施例1の場合と同様のため詳細な説明は省略する。
【0037】
各葉片を構成する紙材は疑似接着フィルムシートGと接着しているため、疑似接着フィルムシートGの開封及び剥離動作と共に剥離され、なお且つ疑似接着フィルムシートGと接着している情報記載面は完全に保護されているため、開封後に確実に情報を確認することができる。そして引き続き、前記と同様に、突出したC及びDを摘んで残りの対向葉片を開封すればよいのである。
【0038】
[実施例3:三つ折り葉書その3]
図3(A)に示すように、本実施例の三つ折り葉書H3は、ほぼ等しい幅の第一葉片41と第二葉片42、及び右下部分にコーナーカット部Kを設けた第三葉片43が折り線44、45を介して折り畳まれている。そして第一葉片41には、例えば郵便切手欄50、郵便番号欄51の他に受取人の住所氏名52等が記載されており、同図(B)に示すように、第三葉片43には例えば宣伝広告等の一般情報54が記載されている。なお前記宣伝広告等の一般情報を記載する代わりに、三つ折り葉書H3が完成した後に内部の情報が外部から透けて見えにくいように、地紋や連続パターン或いはベタ印刷等を施しても構わない。
【0039】
本実施例の三つ折り葉書H3と既述の他の実施例の三つ折り葉書H1及びH2との相違は、第一葉片41と第二葉片42が剥離不能に接着されていることにある。したがって第二葉片42および第三葉片43の開封順序は実施例1に準じるため詳細な説明は割愛する。
なお、本実施例の三つ折り葉書H3は、第一葉片41及び第二葉片42が剥離不能に接着されているため最終的に二つ折りの状態に展開する。
【0040】
既述の開封順序に沿って開封された三つ折り葉書H3は、図6に示すように、第一葉片41と第二葉片42が剥離不能に接着されているため、開封できるのは第二葉片42と第三葉片43になり最終的に2つ折りの形態になる。この葉書H3の受取人は開封後、透明或いは半透明の前記疑似接着フィルムシートGを透して第二葉片42及び第三葉片43に記載されている情報を視認することができる。
【0041】
なお本実施例3において、第一葉片41及び第二葉片42を両面接着フィルムシートFにより剥離不能に接着しているが、図10に示すように、前記両面接着フィルムシートFに代えて疑似接着フィルムシートGを使用しても構わない。この場合第一葉片41及び第二葉片42の対向面に、段差や切り欠き等による剥離開封手段が全く設けられていないため、受取人は容易に開封することができない。また仮に両葉片間を無理やり開封したとしても何ら情報が記載されていないので何の意味もない。このように構成した場合のメリットは、疑似接着フィルムシートGと特性の異なるフィルムシートを使用すると、製造条件等が複雑になるため作業性が低下するところ、同一の疑似接着フィルムシートGのみの製造条件で作業が行えるため極めて至便である。
【符号の説明】
【0042】
H1、H2、H3 三つ折り葉書
G 疑似接着フィルムシート
F 両面接着フィルムシート
A、B、C、D、L、M 摘み部
K コーナーカット部
1、2、3、21、22、23、41、42、43 葉片
3、4、24、25、44、45 折り線
10、30、50 郵便切手欄
11、31、51 郵便番号欄
12、32、52 受取人の住所氏名
13 丸窓
15、34、54 一般情報
14、33、53 個人情報
61 基材
62 疑似接着層
63 感熱接着剤層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一葉片、第二葉片及び第三葉片が折り線を介して横方向に連接した単位シートを断面Z字(S字)状に折り畳んだ情報通信体において、折り畳みにより生じた二箇所の対向面間の内少なくとも一箇所の対向面間を疑似接着媒体を介して剥離可能に疑似接着すると共に、対向する葉片同士の開封側縁辺においてお互いが重なることがない摘み部を形成したことを特徴とした水濡れに強い情報通信体。
【請求項2】
第一葉片、第二葉片及び第三葉片が折り線を介して横方向に連接した単位シートを断面Z字(S字)状に折り畳んだ情報通信体において、折り畳みにより生じた二箇所の対向面間の内少なくとも一箇所の対向面間を疑似接着媒体を介して剥離可能に疑似接着すると共に、前記対向する葉片の一方の葉片の開封縁辺に沿って疑似接着媒体の非形成域を設け、残るもう一方の葉片は全域にわたって疑似接着媒体が形成されると共に開封縁辺のコーナー部分において切り欠き部が形成されていることを特徴とした水濡れに強い情報通信体。
【請求項3】
折畳みにより生じた二箇所の対向面間の何れかが剥離不能に完全接着していることを特徴とした請求項1及び2の何れかに記載の水濡れに強い情報通信体。
【請求項4】
疑似接着媒体が基材の一方の面に疑似接着層を形成したドライラミネート方式に対応した疑似接着フィルムシートであることを特徴とした請求項1乃至3に記載の水濡れに強い情報通信体。
【請求項5】
疑似接着媒体が基材の一方の面に疑似接着層を形成し、残るもう一方の面に感熱接着剤層を形成したサーマルラミネート方式に対応した疑似接着フィルムシートであることを特徴とした請求項1乃至3に記載の水濡れに強い情報通信体。
【請求項6】
疑似接着媒体が基材の一方の面に樹脂を剥離可能に積層した2層の積層フィルムシートの少なくとも一方の外側に感熱接着剤層を形成した少なくとも3層からなる疑似接着フィルムシートであることを特徴とした請求項1乃至3に記載の水濡れに強い情報通信体。
【請求項7】
疑似接着媒体が疑似接着性のUV硬化型ニスであることを特徴とした請求項1乃至3に記載の水濡れに強い情報通信体。
【請求項8】
疑似接着媒体が疑似接着性のエマルジョン型糊であることを特徴とした請求項1乃至3に記載の水濡れに強い情報通信体。
【請求項9】
疑似接着媒体が高圧により疑似接着性を発揮する感圧性の接着剤であることを特徴とした請求項1乃至3に記載の水濡れに強い情報通信体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−171351(P2012−171351A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53539(P2011−53539)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000105280)ケイディケイ株式会社 (99)
【Fターム(参考)】