説明

水熱処理方法および水熱処理装置

【課題】脱水機構を有する水熱処理装置において、使用する水蒸気の凝縮水に有機物が混合しないようにすること。
【解決手段】水熱処理装置本体1の外管3が円筒形状の部分を有し、外管3の内部において、円筒形状の脱水管11を上部に設け、下部に凝縮水の発生量より多い所定量の液体を貯留可能な空間3cを設ける。外管3の内部に凝縮水や分離ろ液などの液体が貯留した場合であっても、溜まった液体が脱水管11の内部の有機性汚泥に接触しないように構成する。外管3の底部に貯留した凝縮水を排出した後に、脱水処理を行って有機性汚泥から分離ろ液を分離して排出する。または、亜臨界処理工程において、凝縮水が有機性汚泥に接触しないように、凝縮水を排出しつつ亜臨界処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機性の被処理物に対して行う水熱処理方法およびこの水熱処理を行う水熱処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水を374℃以上の温度かつ22.1MPa以上の圧力とし、水の臨界点を超えた状態である、いわゆる水の超臨界状態が知られている。また、水の温度および圧力がこの臨界点に達しない高温高圧状態である、水の亜臨界状態についても研究が進められている。
【0003】
高温高圧状態での水熱処理としては、特許文献1に記載された技術が知られている。特許文献1には、有機性汚泥に対して高温高圧処理を行ってスラリー状物質を生成し、このスラリー状物質を脱水処理して脱水固形物を回収し、一方で分離液を浄化する水処理を行う有機性汚泥の処理方法が開示されている。この処理方法においては、高温高圧処理として、有機性汚泥の一定量を処理装置に充填し、加圧スチーム吹き込み手段から加圧スチームを吹き込んで、加熱、加圧、および攪拌を行いながら所定時間反応させる回分式反応が採用されている。
【0004】
また、特許文献1に記載された高温高圧処理を行う処理装置は、いわゆる水熱処理装置として知られている。この水熱処理装置を用いて有機性汚泥を処理する際には、まず、有機性汚泥をスラリー状物質にし、続いて、このスラリー状物質を水熱処理装置から取り出して冷却装置に供給して冷却した後、最終的に脱水装置に供給して脱水し、脱水ケーキとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−061861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1に記載された水熱処理技術においては、高温高圧処理を行う水熱処理装置と、脱水処理を行う脱水装置とが別体に設けられていた。これにより、これらの水熱処理装置および脱水処理装置の設置スペースを広く確保する必要があった。
【0007】
また、特許文献1に記載された処理技術においては、有機性汚泥などの処理被処理物を水熱処理装置において亜臨界状態下でスラリー状物質とした後、このスラリー状物質を冷却装置で冷却し、脱水装置で脱水している。このことから、特許文献1においては、水熱処理装置における高温高圧状態をスラリー状物質の生成に利用しているだけであり、水熱処理装置の高温高圧状態でのエネルギーの有効利用が図られていなかった。
【0008】
そこで、本発明者は、図16に示すような脱水機構を備えた水熱処理装置を想起した。すなわち、図16に示すように、この水熱処理装置100は、フランジ部101aを有する外管101、開閉バルブ102aを備えた排気管102、吸気管103、排液管104、蓋部105、固定治具106、シャフト107、脱水管蓋部108aを備えた脱水管108、およびピストン109を有して構成されている。
【0009】
この水熱処理装置100を用いて有機性汚泥に対して亜臨界処理を行う場合には、まず、外管101の内部の脱水管108に有機性汚泥を納入する。続いて、吸気管103を通じて外管101の内部に水蒸気を導入し、外管101および脱水管108の内部を亜臨界雰囲気として有機性汚泥に対して亜臨界処理を行う。
【0010】
次に、シャフト107を脱水管蓋部108aに向けて押し込むことにより、ピストン109と脱水管蓋部108aとにより有機性汚泥を圧縮して脱水処理を行う。続いて、開閉バルブ104aを開けて、脱水処理で分離された液体成分を、排液管104を通じて外管101の外部に排出する。その後、開閉バルブ102aを開けて排気管102を通じて蒸気を放出し、外管101の内部を大気圧まで減圧する。
【0011】
このように、水熱処理を行う外管101と脱水処理を行う脱水管108とを一体化させることにより、水熱処理に要する装置の省スペース化を図ることができる。また、同一の水熱処理装置において水熱処理と脱水処理とを行うので、これらの処理間での有機性汚泥の搬送が不要になり、水熱処理プロセスの工程数を削減することができる。さらに、脱水時に亜臨界雰囲気としていることにより、有機性汚泥に含まれる液体成分の粘性を低下させて脱水効率を向上させることができる。また、脱水処理後に外管101の内部の圧力を亜臨界雰囲気の圧力から大気圧まで低下させることにより、有機性汚泥に含まれている100℃以上の水分を水蒸気として放出させて脱水を行うことができ、脱水効率をより一層向上させることができる。
【0012】
以上のような利点を有する水熱処理装置において、本発明者がさらに実験を行った結果、次のような問題が生じることを知見した。すなわち、脱水管108の内部に有機性汚泥を収納して亜臨界処理を行うと、外管101の内部に水蒸気の凝縮水が生じ、その凝縮水に脱水管108の内部の有機性汚泥が浸り、有機性汚泥中の有機物が凝縮水に漏出してしまう。また、この状態において、続けて脱水処理を行うと、脱水処理によって有機性汚泥から分離された有機物を多く含む分離ろ液が、凝縮水に混合されてしまう。凝縮水は、吸気管103を通じて導入された水蒸気が液相となったものであり、比較的清浄であることから、水蒸気の原料として再利用することが可能であるが、この凝縮水に有機物が混合されると、そのまま再利用することが困難になる。この場合、有機物を含有した凝縮水は、廃棄するか、有機物を分離する水処理を行う必要が生じる。
【0013】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、脱水機構を有する水熱処理装置において、使用する水蒸気の凝縮水に有機物が混合しないようにすることができる水熱処理方法および水熱処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するために、本発明に係る水熱処理方法は、亜臨界雰囲気の水蒸気を用いた有機性被処理物に対する水熱処理を、亜臨界雰囲気において生じる水蒸気の凝縮水と有機性被処理物とを非接触状態に維持しつつ行う亜臨界処理工程と、水熱処理を行った亜臨界雰囲気において有機性被処理物中の液体成分を分離して脱水を行う脱水処理工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る水熱処理方法は、上記の発明において、亜臨界処理工程後で、脱水処理工程前に、凝縮水を排出することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る水熱処理方法は、上記の発明において、亜臨界処理工程中に、凝縮水を排出しつつ有機性被処理物に対する水熱処理を行うことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る水熱処理方法は、上記の発明において、脱水処理工程後に、分離された液体成分を排出する脱液工程と、有機性被処理物の雰囲気圧を亜臨界雰囲気の圧力から所定の圧力まで減圧する脱気工程と、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る水熱処理装置は、亜臨界雰囲気の水蒸気を用いて有機性被処理物に対して水熱処理可能に構成された水熱処理手段と、水熱処理がされた有機性被処理物から液体成分を分離する脱水処理を亜臨界雰囲気で実行可能に構成された脱水処理手段とを有する水熱処理装置であって、脱水処理手段が水熱処理手段の内部に設けられ、水熱処理において発生する水蒸気の凝縮水と、脱水処理手段とが非接触状態となるように構成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る水熱処理装置は、上記の発明において、水熱処理手段が、水熱処理手段の内部の液体を排出可能に構成された排液部を備え、水熱処理手段により有機性被処理物に水熱処理を行っている間に、排液部から凝縮水を排出可能に構成されていることを特徴とする。
【0020】
本発明に係る水熱処理装置は、上記の発明において、脱水処理手段が有機性被処理物を収納可能に構成されているとともに、水熱処理手段が、凝縮水を貯留可能に構成されていることを特徴とする。
【0021】
本発明に係る水熱処理装置は、上記の発明において、脱水処理手段が有機性被処理物を収納可能に構成されているとともに、水熱処理手段が、脱水処理手段による脱水処理により有機性被処理物から分離された液体成分を貯留可能に構成されていることを特徴とする。
【0022】
本発明に係る水熱処理装置は、上記の発明において、水熱処理手段が、分離された液体成分を水熱処理手段から排出する排液手段を有するとともに、水熱処理手段の内部の気体を排気可能に構成された排気部を有し、排気部によって水熱処理手段の内部の圧力を所定の圧力まで低減可能に構成されていることを特徴とする。
【0023】
本発明において、水の亜臨界状態とは、温度が100℃以上374℃以下、圧力が0.1MPa以上22.1MPa以下の状態を言い、被対象物が有機性汚泥の場合には、好適には、温度は120℃以上200℃以下、圧力は0.2MPa以上1.6MPa以下とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る水熱処理方法および水熱処理装置によれば、脱水機構を有する水熱処理装置において、使用する水蒸気の凝縮水に有機物が混合させないようにしつつ、水熱処理を実施することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態による水熱処理装置を示す図である。
【図2】図2は、本発明の第1の実施形態による水熱処理方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態による水熱処理装置の動作を説明するための略線図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施形態による水熱処理装置の動作を説明するための略線図である。
【図5】図5は、本発明の第1の実施形態による水熱処理装置の動作を説明するための略線図である。
【図6】図6は、本発明の第1の実施形態による水熱処理装置の動作を説明するための略線図である。
【図7】図7は、本発明の第1の実施形態による水熱処理装置の動作を説明するための略線図である。
【図8】図8は、本発明の第2の実施形態による水熱処理装置を示す図である。
【図9】図9は、本発明の第2の実施形態による水熱処理方法を示すフローチャートである。
【図10】図10は、本発明の第2の実施形態による水熱処理装置の動作を説明するための略線図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施形態による水熱処理装置の脱水管の内部における押圧攪拌部による有機性汚泥の攪拌動作を説明するための略線図である。
【図12】図12は、本発明の第2の実施形態による水熱処理装置の動作を説明するための略線図である。
【図13】図13は、本発明の第2の実施形態による水熱処理装置の脱水管の内部における押圧攪拌部による有機性汚泥の脱水動作を説明するための略線図である。
【図14】図14は、本発明の第2の実施形態による水熱処理装置の動作を説明するための略線図である。
【図15】図15は、本発明の第2の実施形態による水熱処理装置の動作を説明するための略線図である。
【図16】図16は、本発明の課題を説明するための水熱処理装置の略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する実施形態によって限定されるものではない。
【0027】
まず、本発明の第1の実施形態による水熱処理装置について説明する。図1に、この第1の実施形態による水熱処理装置を示す。
【0028】
図1に示すように、この第1の実施形態による水熱処理装置は、水熱処理装置本体1と貯留タンク2とから構成されている。水熱処理装置本体1は、外管3、排気管4、吸気管5、排液管6、廃液管7、固定治具8、回転並進機構9、シャフト10、および脱水管11を有して構成されている。貯留タンク2には、排気管21および給液管22が設けられている。水熱処理装置本体1の排液管6と貯留タンク2の給液管22とは、バルブ23を介して連結されている。
【0029】
水熱処理装置本体1の外管3は、円筒形状の部分を有し、その長手方向が重力方向に対して垂直になるように設けられている。外管3の円筒部分の回転並進機構9側の一端にはフランジ部3aが設けられているとともに、他端には蓋部3bが設けられている。蓋部3bは、固定治具8によって、外管3のフランジ部3aとは反対側の一端に固定され、固定治具8を取り外すことにより、外管3から取り外すことができる。
【0030】
また、外管3の内部においては、重力方向に沿った上部に円筒形状の部分を有する脱水管11が設けられており、重力方向に沿った下部には、凝縮水や分離ろ液などの液体を貯留可能な空間3cが形成されている。この空間3cの貯留容量は、あらかじめ計測された、外管3の内部に貯留される凝縮水や分離ろ液などの液体の最大量よりも大きくなるように構成されている。これにより、外管3は、その内部に凝縮水や分離ろ液が最大量貯留された場合であっても、この貯留された液体が脱水管11に接触しないように構成されている。
【0031】
脱水管11の一端には、脱水管11と着脱可能で蓋部3bに連結された脱水管蓋部11aが設けられており、蓋部3bを外管3から取り外すときに、併せて脱水管蓋部11aも脱水管11から取り外すことができるようになっている。なお、蓋部3bと脱水管蓋部11aとを連結させることなく、別々に取り外し可能に構成してもよい。
【0032】
また、脱水管11の円筒部分の一部には、複数の開口部11bが形成されている。この第1の実施形態において、これらの複数の開口部11bは、円筒部分のうちの脱水管11の長手方向に沿った帯状部分に形成されている。これらの開口部11bが形成された帯状部分以外は、開口部11bが設けられていない部分円筒曲面となっている。
【0033】
また、脱水管11の内部には、その円筒の内面に部分的に沿った円柱形状のピストン12が設けられている。このピストン12には、フランジ部3aおよび脱水管11の一端を貫通したシャフト10が連結されている。シャフト10は、その一端が回転並進機構9に支持されており、回転並進機構9によって、長手方向に沿って並進運動可能に構成されているとともに、シャフト10の軸を中心として回転運動可能に構成されている。回転並進機構9によってシャフト10を並進させることにより、脱水管11の内部においてピストン12を並進させることができるように構成されている。また、回転並進機構9によってシャフト10を軸中心に回転させることにより、脱水管11を、その円筒形状の円断面の中心でシャフト10の軸と一致した軸を中心に、回転させることができるように構成されている。
【0034】
また、排気管4の外気側の一端には、排気管4を通じて外管3の内部を外気や所定の外部装置に開放するための開閉バルブ4aが設けられている。また、吸気管5aは、気体供給装置(図示せず)から外管3の内部で脱水管11の外部に水蒸気などの気体を供給可能に構成され、吸気管5bは、気体供給装置から脱水管11の内部に水蒸気などの気体を供給可能に構成されている。
【0035】
また、排液管6は、外管3の内部の液体を、バルブ23を介し給液管22を通じて貯留タンク2に供給する配管である。また、廃液管7は、外管3の内部の液体を、開閉バルブ7aを通じて外管3の外部に排出するための配管である。また、貯留タンク2の排気管21の一端には、貯留タンク2の内部を外気や所定の外部装置に開放するための開閉バルブ21aが設けられている。
【0036】
次に、以上のように構成された水熱処理装置を用いた水熱処理方法について説明する。図2に水熱処理方法のフローチャートを示し、図3〜図7に水熱処理方法のそれぞれの工程における水熱処理装置の動作状態を示す。
【0037】
図2に示すように、この第1の実施形態による水熱処理方法においては、まず、亜臨界処理工程を行う(ステップST1)。この亜臨界処理工程においては、図3に示すように、まず固定治具8を外して蓋部3bおよび脱水管蓋部11aを取り外し、脱水管11の内部に有機性被処理物としての有機性汚泥31を収納した後、蓋部3bおよび脱水管蓋部11aを取り付けて固定治具8により外管3と蓋部3bとを密着固定させ、外管3の内部を密閉する。なお、有機性汚泥31の収納時においては、脱水管11の帯状部分に形成された複数の開口部11bは、重力方向に沿って脱水管11の下部に位置しており、有機性汚泥31によって閉塞される。
【0038】
次に、開閉バルブ4a,7a,21aおよびバルブ23を閉状態に維持しつつ、外部に設置された、例えばボイラーなどの水蒸気供給機構(図示せず)から吸気管5a,5bを通じて、高温高圧雰囲気の水蒸気をそれぞれ外管3の内部および脱水管11の内部に供給する。ここで、この第1の実施形態においては、水蒸気供給機構から供給する水蒸気の温度を133℃以上212℃以下、具体的には例えば210℃とする。これによって、外管3の内部および脱水管11の内部が、亜臨界状態で高温高圧雰囲気の水蒸気で満たされる。
【0039】
そして、外管3の内部および脱水管11の内部を亜臨界状態で高温高圧雰囲気に維持しつつ、回転並進機構9によりシャフト10をその軸中心に揺動させることにより、脱水管11を揺動させる。これにより、脱水管11の内部の有機性汚泥31が攪拌されて有機性汚泥31の全体に水蒸気が行き渡り、有機性汚泥31に対する亜臨界処理が行われる。また、外管3の空間3cには、供給された水蒸気が凝集されて凝縮水32が貯留される。このとき、この凝縮水32は所定量発生するが、外管3の底部に形成された空間3cは、凝縮水32が生じる最大量以上の貯留容量を有する。そのため、外管3の内部において、脱水管11の部分が凝縮水32に浸漬されず、有機性汚泥31が凝縮水32に浸漬されないので、凝縮水32と有機性汚泥31とは非接触状態に維持される。したがって、有機性汚泥31に含まれる有機物が凝縮水32に漏出しないようにすることができるので、凝縮水32を比較的清浄に維持することができる。
【0040】
次に、図2に示すように、凝縮水脱液工程を行う(ステップST2)。この凝縮水脱液工程においては、図4に示すように、外管3の内部を亜臨界状態の高温高圧雰囲気に維持しつつ、バルブ23を開けて開状態にする。これにより、外管3の内部の高圧雰囲気によって凝縮水32に雰囲気圧力が作用し、凝縮水32が外管3から排液管6および給液管22を通じて貯留タンク2に急速に供給される。ここで、外管3の内部で生じた凝縮水32は、有機性汚泥31に接触していないことから、清浄なまま貯留タンク2に供給される。また、バルブ23が開状態となっていることから、外管3の内部の凝縮水32が貯留タンク2に供給されると、貯留タンク2の内部の雰囲気も外管3の内部と同様の高温高圧雰囲気となる。
【0041】
次に、図2に示すように、脱水工程を行う(ステップST3)。この脱水工程においては、図5に示すように、まず、バルブ23を閉じて閉状態とする。その後、排気管4の開閉バルブ4aおよび排気管21の開閉バルブ21aを開けて開状態とする。これにより、外管3の内部で脱水管11の外部の蒸気や貯留タンク2の内部の蒸気が外部に放出されて、外管3および貯留タンク2の内部の圧力が徐々に所定圧力、例えば大気圧まで減圧される。開閉バルブ4aや開閉バルブ21aを介して排出された蒸気は、必要に応じて外気に放出されたり所定の外部装置に供給されたりする。
【0042】
また、脱水管11においては、下部に帯状に設けられた複数の開口部11bが有機性汚泥31によって閉塞されており、脱水管11の内部は、有機性汚泥31と上部の部分円筒曲面とによって密封された閉空間となって高温高圧雰囲気が維持される。これによって、脱水管11の内部の高圧雰囲気と、脱水管11の外部の大気圧との間で圧力差が生じる。この圧力差により、有機性汚泥31に対し、脱水管11の内部から外部に向かって圧力が作用して圧縮され、脱水処理が行われる。有機性汚泥31が脱水管11の内部で圧縮されると、有機性汚泥31に含まれる水分などの液体成分が脱水管11の開口部11bを通じて分離ろ液33として外管3の内部に排出される。これにより、外管3の底部に分離ろ液33が貯留される。ここで、空間3cの貯留容量は外管3の内部に生じる分離ろ液33の最大量より大きくなるように構成されているので、空間3cに貯留した分離ろ液33と有機性汚泥31とが接しないようにすることができる。
【0043】
このとき、亜臨界状態の高温高圧雰囲気によって、有機性汚泥31に含まれる液体状の水分の粘度は低下している。そのため、有機性汚泥31の脱水において、圧縮による脱水性を向上させることができるとともに、脱水処理において高温高圧の状態を有効利用することができる。
【0044】
また、脱水管11の内部の高温高圧雰囲気においては、有機性汚泥31に含有された液体状の水分の多くが100℃より高い温度となっている。この状態から、回転並進機構9によりシャフト10を半回転させて、脱水管11を帯状に設けられた複数の開口部11bが重力方向に沿って上側に位置するように反転させる。複数の開口部11bが上側に位置されると、有機性汚泥31は重力によって下側に位置する部分円筒曲面側に移動され、開口部11bの閉塞が解かれ、開口部11bを通じて脱水管11の内部の高圧雰囲気が外管3の内部の大気圧まで減圧される。この減圧によって、有機性汚泥31に含まれる液体状の水分の沸点が低下し、圧縮された有機性汚泥31に含有されている100℃以上の水分が水蒸気となって蒸発する。これにより、脱水工程において脱水された有機性汚泥31からさらに水分が除去され、脱水効率をより一層向上させることができる。
【0045】
次に、図2に示すように、分離ろ液脱液工程を行う(ステップST4)。この分離ろ液脱液工程においては、図6に示すように、脱水管11を、その帯状に設けられた複数の開口部11bが上側になるように維持しつつ、開閉バルブ7aを開けて開状態とすることにより、分離ろ液33を外管3から排出する。また、必要に応じて開閉バルブ21aを閉じて閉状態とする。
【0046】
次に、図2に示すように、取り出し工程を行う(ステップST5)。この取り出し工程においては、図7に示すように、まず、開閉バルブ7aを閉じ、閉状態とすることにより、外管3を密閉させる。次に、外管3および蓋部3bから固定治具8を取り外し、蓋部3bを外管3から取り外すとともに脱水管蓋部11aを脱水管11から取り外す。
【0047】
次に、回転並進機構9によりシャフト10を外管3の内側の向き(図7中、押し方向)に押し入れることにより、圧縮され脱水された有機性汚泥31の脱水ケーキが脱水管11の内部から押し出される。この有機性汚泥31の脱水ケーキは、必要に応じて埋め立て処理などが行われる。
【0048】
次に、回転並進機構9によりシャフト10を外管3から外側の向き(図7中、戻し方向)に引くことにより、ピストン12が連動して最初の位置に復帰される。その後、脱水管11の内部に新たに処理される有機性汚泥31を供給して、上述したステップST1〜ステップST5の工程を行って有機性汚泥に対する水熱処理を繰り返し行う。
【0049】
以上に説明した本発明の第1の実施形態によれば、亜臨界処理において、脱水管11および内部に収納された有機性汚泥31と凝縮水32とを非接触状態に維持していることにより、有機性汚泥31から有機物が凝縮水32に漏出することがないため、外管3に貯留された凝縮水32を比較的清浄な状態に維持することができる。また、凝縮水32を外管3から貯留タンク2に供給した後に脱水工程を行っていることにより、凝縮水32と分離ろ液33とが混合されないため、凝縮水32に有機物が混合することを防止することができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図8に、本発明の第2の実施形態による水熱処理装置を示す。
【0051】
図8に示すように、この第2の実施形態による水熱処理装置は、水熱処理装置本体1と貯留タンク2とから構成されている。水熱処理装置本体1は、外管3、排気管4、吸気管5、排液管6、廃液管7、固定治具8、回転並進機構9、シャフト10、および脱水管11を有して構成されている。貯留タンク2には、排気管21および給液管22が設けられている。水熱処理装置本体1の排液管6と貯留タンク2の給液管22とは、バルブ23を介して連結されている。
【0052】
水熱処理装置本体1の外管3は円筒形状の部分を有し、その円筒形状の部分の回転並進機構9側の一端にフランジ部3aが設けられているとともに、他端には蓋部3bが設けられている。この蓋部3bは、固定治具8によって、外管3のフランジ部3aとは反対側の一端に固定され、固定治具8を取り外すことにより、外管3から取り外すことができる。
【0053】
また、外管3の内部に設けられた脱水管11は、外管3に沿った円筒形状の部分を有し、この円筒形状の部分には複数の開口部11bが形成されている。また、脱水管11の蓋部3b側の一端には、脱水管11に着脱可能で蓋部3bに連結された脱水管蓋部11aが設けられている。このように脱水管蓋部11aが蓋部3bに連結されていることにより、蓋部3bを外管3から取り外すときに、併せて脱水管蓋部11aも脱水管11から取り外すことができる。なお、蓋部3bと脱水管蓋部11aとを連結させずに、別々に取り外し可能に構成してもよい。
【0054】
また、脱水管11の内部には、押圧攪拌部13が設けられている。この押圧攪拌部13は、脱水羽根部13aと送り攪拌羽根部13bとからなる。脱水羽根部13aは、脱水管11に沿った円筒形状をその長手方向に沿って帯状とした円筒状部からなり、送り攪拌羽根部13bは、外周が脱水管11の円筒の内面に沿った螺旋形状をほぼ半円状とし、その半径方向に沿って螺旋形状の部分を分割した螺旋形状の羽根部からなる(図10および図12参照)。そして、シャフト10が、フランジ部3aおよび脱水管11の一端を貫通して、押圧攪拌部13の軸とされている。
【0055】
また、図8に示すように、シャフト10は、その一端が回転並進機構9に支持されており、回転並進機構9によって軸を中心として回転運動可能に構成されている。そして、回転並進機構9によってシャフト10を軸中心に回転させることにより、脱水管11の内部の押圧攪拌部13を、シャフト10の軸を中心に、回転可能に構成されている。
【0056】
また、排気管4の外気側の一端には、排気管4を通じて外管3の内部を外気や所定の外部装置に開放するための開閉バルブ4aが設けられている。吸気管5は、水蒸気供給装置(図示せず)から水蒸気を吸気可能に構成されている。
【0057】
また、排液管6は、外管3の底部側に設けられており、外管3の内部の液体を、バルブ23を介し給液管22を通じて貯留タンク2に供給するための配管である。廃液管7は、外管3の底部側に設けられており、外管3の内部の液体を、開閉バルブ7aを通じて外管3の外部に排出するための配管である。また、貯留タンク2の排気管21の一端には、貯留タンク2の内部を外気や所定の外部装置に開放するための開閉バルブ21aが設けられている。
【0058】
次に、以上のように構成された水熱処理装置を用いた水熱処理方法について説明する。図9に水熱処理方法のフローチャートを示し、図10〜図15に水熱処理方法における水熱処理装置の動作を示す。
【0059】
図9に示すように、この第2の実施形態による水熱処理方法においては、まず、亜臨界処理工程を行う(ステップST11)。この亜臨界処理工程においては、図10に示すように、まず固定治具8を外して蓋部3bおよび脱水管蓋部11aを取り外し、脱水管11の内部に有機性被処理物としての有機性汚泥31を収納した後、蓋部3bおよび脱水管蓋部11aを閉めて固定治具8により外管3と蓋部3bとを密着固定させ、外管3の内部を密閉する。
【0060】
次に、開閉バルブ4aを閉状態に維持しつつバルブ23を開けて開状態にして、外管3と貯留タンク2の内部を連通させる。その後、外部に設置された、例えばボイラーなどの水蒸気供給装置(図示せず)から吸気管5を通じて、亜臨界状態で高温高圧雰囲気の水蒸気が外管3の内部に供給されるとともに、貯留タンク2にも同様の高温高圧雰囲気の水蒸気が供給される。ここで、この第2の実施形態においては、水蒸気供給機構から供給する水蒸気の温度を133℃以上212℃以下、具体的には例えば210℃とする。これによって、外管3の内部が亜臨界状態で高温高圧雰囲気の水蒸気で満たされるとともに、脱水管11の内部にも開口部11bを通じて水蒸気が流入し、亜臨界状態で高温高圧雰囲気の水蒸気で満たされる。
【0061】
そして、この高温高圧雰囲気において、回転並進機構9によりシャフト10をその軸中心に180°〜270℃の範囲で往復揺動させることにより、図11に示すように、押圧攪拌部13の送り攪拌羽根部13bが揺動されて有機性汚泥31が攪拌され、有機性汚泥31の全体に水蒸気が行き渡る。これにより、有機性汚泥31に対する亜臨界処理が行われる。
【0062】
また、図10に示すように、外管3の内部においては、供給された水蒸気が凝集されて凝縮水32となり、この凝縮水32は重力によって外管3の底部に流れる。外管3の底部に流れた凝縮水32は、高圧雰囲気によって排液管6、バルブ23、および給液管22を通じて貯留タンク2に供給される。これにより、亜臨界処理工程中において、外管3の内部で生じた凝縮水32は有機性汚泥31に接触することなく、比較的清浄な状態で貯留タンク2に供給される。
【0063】
次に、図9に示すように、亜臨界中脱水工程を行う(ステップST12)。この亜臨界中脱水工程においては、図12に示すように、外管3および脱水管11の内部を亜臨界状態で高温高圧雰囲気の水蒸気で満たしつつ、回転並進機構9によってシャフト10をその軸を中心に半回転させる。そして、図13に示すように、押圧攪拌部13の脱水羽根部13aが有機性汚泥31を脱水管11の円筒部分に向けて押圧する。これにより、押圧攪拌部13の脱水羽根部13aと脱水管11の円筒部分との間において、有機性汚泥31に対し脱水管11の内部から外部に向けた圧力が作用して、有機性汚泥31が圧縮され、脱水処理が行われる。
【0064】
このようにして有機性汚泥31が脱水管11の内部で圧縮されると、有機性汚泥31に含まれる水分などの液体成分が、分離ろ液33として開口部11bを通じて脱水管11の外部に排出される。そして、図12に示すように、このような押圧攪拌部13による脱水処理とほぼ同時に、廃液管7の開閉バルブ7aを開けて開状態とすることにより、外管3の内部の高圧状態の雰囲気圧力が分離ろ液33に作用して、この分離ろ液33が外管3から排出される。これにより、分離ろ液33を有機性汚泥31に接触させることなく外部に排出させることができ、分離ろ液33が有機性汚泥31に再度浸入することを防止することができるので、脱水効率をより一層向上させることができる。また、亜臨界状態の高温高圧雰囲気によって、有機性汚泥31に含有している水分の粘度が低下しているので、有機性汚泥31を圧縮することによる脱水効率を向上させることができ、高温高圧の状態を脱水処理に有効利用することができる。
【0065】
次に、図9に示すように、脱気工程を行う(ステップST13)。この脱気工程においては、図14に示すように、まず、開閉バルブ7aを閉じて閉状態とする。その後、排気管4の開閉バルブ4aを開けて開状態とする。これにより、外管3の内部の高温高圧雰囲気の蒸気が外部に放出され、外管3の内部の圧力が徐々に所定圧力、例えば大気圧まで減圧される。他方、貯留タンク2においては、開閉バルブ21aを開けて開状態とする。これにより、貯留タンク2の内部の高温高圧雰囲気の蒸気が外部に放出され、貯留タンク2の内部の圧力が徐々に所定圧力、例えば大気圧まで減圧される。開閉バルブ4aや開閉バルブ21aを介して排出された蒸気は、必要に応じて外気に放出されたり所定の外部装置に供給されたりする。
【0066】
また、上述した脱気工程前における外管3の内部の高温高圧雰囲気においては、有機性汚泥31に含有された液体状の水分の多くが100℃より高い温度となっている。そして、この状態から、脱気工程を行って外管3の内部を減圧すると、外管3の内部の水の沸点が低下して、圧縮された有機性汚泥31に含有された100℃以上の水分は水蒸気となって蒸発する。これにより、亜臨界中脱水工程において脱水処理がされた有機性汚泥31からさらに水分が除去され、脱水効率をより一層向上させることができる。
【0067】
次に、図9に示すように、取り出し工程を行う(ステップST14)。この取り出し工程においては、図15に示すように、まず、開閉バルブ4a,21aを閉じ、閉状態とすることにより、外管3および貯留タンク2を密閉させる。次に、外管3および蓋部3bから固定治具8を取り外し、蓋部3bを外管3から取り外すとともに脱水管蓋部11aを脱水管11から取り外す。
【0068】
次に、回転並進機構9によりシャフト10をその軸を中心として、押圧攪拌部13の送り攪拌羽根部13bが有機性汚泥31の送り出しを行うような所定の回転方向に回転させる。これにより、脱水された有機性汚泥31に対して、送り攪拌羽根部13bによる送り出しと、図13に示す脱水羽根部13aによる脱水管11の外部に向けた押圧とが順次繰り返される。この送り攪拌羽根部13bの送り出しの作用によって、図15に示すように、圧縮され脱水された有機性汚泥31の脱水ケーキが脱水管11から排出される。この有機性汚泥31の脱水ケーキに対しては、必要に応じて埋め立て処理が行われる。
【0069】
次に、脱水管11の内部に新たに処理される有機性汚泥31を収納して、上述したステップST11〜ステップST14の工程を行うことにより有機性汚泥に対する水熱処理が引き続き行われる。
【0070】
以上に説明した本発明の第2の実施形態によれば、亜臨界処理工程中において、凝縮水32が外管3の底部に貯留しないように排出して、脱水管11の内部に収納された有機性汚泥31と凝縮水32とを非接触状態に維持していることにより、有機物が凝縮水32に漏出することがないため、凝縮水32を比較的清浄な状態で貯留タンク2に供給することができる。また、亜臨界処理工程において凝縮水32を外管3から排出して貯留タンク2に供給し、脱水工程において分離ろ液33を廃液管7を通じて排液していることにより、凝縮水32と分離ろ液33とが混合されることがないため、凝縮水32に有機物が混合することを防止することができる。
【0071】
なお、上述の第1の実施形態においては、2本の吸気管5a,5bを通じて、それぞれ外管3の内部と脱水管11の内部とに高温高圧雰囲気の水蒸気を導入しているが、必ずしもこの方法に限定されるものではない。すなわち、吸気管5を1つとし、外管3の内部に高温高圧雰囲気の水蒸気を導入する際に、まず、シャフト10により脱水管11を帯状に設けられた複数の開口部11bが上部に位置するように半回転させる。これにより、外管3の内部の水蒸気が、開口部11bを通じて脱水管11の内部に流入して、脱水管11の内部も高温高圧雰囲気となる。その後、シャフト10により脱水管11を帯状に設けられた複数の開口部11bが下部に位置するように半回転させて、重力により移動した有機性汚泥31によって開口部11bを閉塞させて脱水管11の内部を閉じた空間とする。これにより、外管3の内部と脱水管11の内部とを空間的に分離して、脱水管11の内部が高温高圧雰囲気に維持されるようにしてもよい。また、2本の吸気管5a,5bを互いに独立して制御し、外管3の内部と脱水管11の内部とに導入させる水蒸気の温度や圧力をそれぞれ独立して制御するようにしてもよい。
【0072】
また、上述の第2の実施形態においては、脱水攪拌部13における脱水羽根部13aを円筒形状の部分的な帯状として一体に形成したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、脱水羽根部13aを構成する帯状部分を長手方向に対して垂直に複数の帯状部分に分割して構成することも可能である。また、脱水攪拌部13の送り攪拌羽根部13bにおいては、螺旋形状を半円状して、その半円状の直径方向に沿って複数の羽根状部に分割させて構成しているが、このように分割させることなく螺旋形状を半円状として構成することも可能である。
【0073】
また、上述の第1および第2の実施形態においては、水熱処理装置を、外管3および脱水管11の長手方向が重力に対して垂直になるような、いわゆる横型(横置き)に設置しているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、外管3および脱水管11を、その長手方向が重力方向に平行になるような、いわゆる縦型(縦置き)に設置することも可能である。
【0074】
また、上述の第1の実施形態における脱水方法を、第2の実施形態における脱水処理に適用してもよく、第2の実施形態における脱水方法を、第1の実施形態における脱水処理に適用してもよい。
【符号の説明】
【0075】
1 水熱処理装置本体
2 貯留タンク
3 外管
3a フランジ部
3b 蓋部
3c 空間
4 排気管
4a,7a,21a 開閉バルブ
5,5a,5b 吸気管
6 排液管
7 廃液管
8 固定治具
9 回転並進機構
10 シャフト
11 脱水管
11a 脱水管蓋部
11b 開口部
12 ピストン
13 押圧攪拌部
13a 脱水羽根部
13b 送り攪拌羽根部
21 排気管
22 給液管
23 バルブ
31 有機性汚泥
32 凝縮水
33 分離ろ液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜臨界雰囲気の水蒸気を用いた有機性被処理物に対する水熱処理を、前記亜臨界雰囲気において生じる水蒸気の凝縮水と前記有機性被処理物とを非接触状態に維持しつつ行う亜臨界処理工程と、
前記水熱処理を行った前記亜臨界雰囲気において前記有機性被処理物中の液体成分を分離して脱水を行う脱水処理工程と、を含む
ことを特徴とする水熱処理方法。
【請求項2】
前記亜臨界処理工程後で、前記脱水処理工程前に、前記凝縮水を排出することを特徴とする請求項1に記載の水熱処理方法。
【請求項3】
前記亜臨界処理工程中に、前記凝縮水を排出しつつ前記有機性被処理物に対する水熱処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の水熱処理方法。
【請求項4】
前記脱水処理工程後に、前記分離された液体成分を排出する脱液工程と、前記有機性被処理物の雰囲気圧を亜臨界雰囲気の圧力から所定の圧力まで減圧する脱気工程と、を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水熱処理方法。
【請求項5】
前記有機性被処理物が有機性汚泥であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水熱処理方法。
【請求項6】
亜臨界雰囲気の水蒸気を用いて有機性被処理物に対して水熱処理可能に構成された水熱処理手段と、
前記水熱処理がされた前記有機性被処理物から液体成分を分離する脱水処理を前記亜臨界雰囲気で実行可能に構成された脱水処理手段とを有する水熱処理装置であって、
前記脱水処理手段が前記水熱処理手段の内部に設けられ、
前記水熱処理において発生する前記水蒸気の凝縮水と、前記脱水処理手段とが非接触状態となるように構成されている
ことを特徴とする水熱処理装置。
【請求項7】
前記水熱処理手段が、前記水熱処理手段の内部の液体を排出可能に構成された排液部を備え、前記水熱処理手段により前記有機性被処理物に水熱処理を行っている間に、前記排液部から前記凝縮水を排出可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の水熱処理装置。
【請求項8】
前記脱水処理手段が前記有機性被処理物を収納可能に構成されているとともに、前記水熱処理手段が、前記凝縮水を貯留可能に構成されていることを特徴とする請求項6に記載の水熱処理装置。
【請求項9】
前記脱水処理手段が前記有機性被処理物を収納可能に構成されているとともに、前記水熱処理手段が、前記脱水処理手段による脱水処理により前記有機性被処理物から分離された液体成分を貯留可能に構成されていることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の水熱処理装置。
【請求項10】
前記水熱処理手段が、前記分離された液体成分を前記水熱処理手段から排出する排液手段を有するとともに、前記水熱処理手段の内部の気体を排気可能に構成された排気部を有し、前記排気部によって前記水熱処理手段の内部の圧力を所定の圧力まで低減可能に構成されていることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の水熱処理装置。
【請求項11】
前記有機性被処理物が有機性汚泥であることを特徴とする請求項6〜10のいずれか1項に記載の水熱処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−22557(P2013−22557A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162223(P2011−162223)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(507214083)メタウォーター株式会社 (277)
【Fターム(参考)】