説明

水田用除草剤

【課題】特にイネ科雑草のヒエの除草に好適であり、さらにホタルイ、タマガヤツリ、ミズガヤツリなどのカヤツリグサ科の雑草;広葉雑草に属するコナギ等のミズアオイ科や、ウリカワ等のオモダカ科の雑草;など広範な水田雑草までも除草可能な水田用除草剤の提供。
【解決手段】一般式(1):[式(1)中、XおよびYは、互いに同一または相異なってもよく、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基を示し、nおよびmは、それぞれ独立に0または1〜5の整数を示す。]で示される除草性トリアゾリノン化合物(V)と、除草性化合物群(W):ALS阻害剤としてピリフタリド、ALS阻害剤としてピリミスルファン、オルソスルファムロン、ピリベンゾキシム、4−HPPD阻害剤としてメソトリオン、PPO阻害剤としてピラクロニル、オキサジアルギル、ACCase阻害剤としてメタミホップからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物とを有効成分として含有している水田用除草剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水田用除草剤に関する。より詳しくは、本発明は、除草性トリアゾリノン類と他の特定の除草性化合物とを含有し、ノビエ等の雑草に対して2.5葉期を越え、3.0
葉期程度であっても十分に処理可能であるような水田用除草剤に関する。
【背景技術】
【0002】
水田に発生する雑草の特徴として、種類が多く、長期にわたり発生し、発生時期が一致せず、雑草の発生前から生育期のものまで、さまざまな生育段階のものが混在している。このような雑草を除草するために、水稲用除草剤は多くの場合、有効成分を2種以上含む混合組成物の形で用いることが多い。
【0003】
しかし、従来の除草剤では、これら多くの草種に対応し完全に除草することは困難であり、また有効成分数(種類)や量の低減、あるいは水稲に対する薬害の回避などの要件は満たされていない場合が多い。
【0004】
このため、施用時期、対象雑草、有効成分量、薬害等の複雑な要素に幅広く対応可能な除草剤の開発が望まれていた。
そこで、本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねて、これまでに除草処理可能な対象雑草が広く、薬害軽減可能な水稲用除草剤(特開2001−097805号公報:特許文献1、特開2002−212012号公報:特許文献2)を開発し、提案している。
【0005】
これら本願出願人が提案した水稲用除草剤は、有効成分数や有効成分量を低減し、あるいは水稲に対する薬害の回避などの観点から、例えば、ノビエではその処理葉齢限界が実質上2.5葉期処理までとなっている。
【0006】
水稲栽培の多様化から除草剤の処理時期拡大が望まれており、ノビエの葉齢限界を2.5葉期から3.0葉期へ拡大する試みも行われている。
ノビエ3.0葉期処理可能な除草剤[通称:(水稲用)初中期一発処理除草剤など。]の多くは、特殊なノビエ専用剤(例えば、シハロホップブチル、ピリミノバックメチル、ピリフタリド等の、ヒエに対してのみ高い除草効果を有するヒエ専用除草剤)を配合(追加)している。しかし除草剤中の配合成分数を減ずる要望が強い中で、除草可能な雑草の種類(殺草スペクトラム)が広く、ノビエ3.0葉期まで処理可能な水田用除草剤の開発が望まれている。
【0007】
実際、平成17年度末までに我が国内で上市された水稲用除草剤のうち「初・中期一発剤」としてはのべ205剤ある。この中で、ヒエ専用の除草成分であるシハロホップブチル、ピリミノバックメチル、ピリフタリドなどを含有していない除草剤のうちで、ノビエ3.0葉期処理可能な除草剤としては、のべ12剤しかない。このことから、除草剤中の配合成分数を増加させることなく「初中期一発剤」を改良してヒエ3.0葉期まで処理可能にすることは困難であると推察される。
【0008】
このように、ノビエ3.0葉期処理可能な除草剤が極めて少ない原因として、植物体の大きさが異なること、薬剤の作用効果がその種類にもより異なることなどが考えられる。植物体の大きさは、生育環境条件などにもより異なるが、例えば、3.0葉期のノビエは2.5葉期のノビエに比して、草丈で1.3倍ほどに過ぎず、その差はさほど大きくない。しかし、向軸に垂直な面における葉鞘部の断面積では2倍程度にまでその差が広がる。
このように3.0葉期のノビエは2.5葉期のノビエに対し植物体が大きいために(また場合によっては薬剤の作用性の相違などにより)、除草剤が効きにくい要因であると考えられる。これと同様に、その他の草種においても、ノビエ3.0葉期ではノビエ2.5葉期の場合と比較して概ね0.5葉期進展しており、植物体の大きさがかなり異なっており除草剤の薬効が効きにくいのであろうと考えられる。
【0009】
上記したように、ノビエ3.0葉期まで極めて良好に除草処理可能であり、除草可能な雑草の種類(殺草スペクトラム)が広く、しかも除草剤中の配合成分数を低減可能であるような水田用除草剤はこれまでのところ得られていない。
【特許文献1】特開2001−097805号公報
【特許文献2】特開2002−212012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、ノビエ3.0葉期まで処理可能であり、除草可能な雑草の種類(殺草スペクトラム)が広く、しかも除草剤中の配合成分数や、有効成分量を低減可能であり、しかも人畜への安全性に優れ、水稲等の栽培作物への薬害がないような水田用除草剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る水田用除草剤は、
一般式(1):
【0012】
【化1】

【0013】
[式(1)中、XおよびYは、互いに同一または相異なってもよく、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基を示し、nおよびmは、それぞれ独立に0または1〜5の整数を示す。]で示される除草性トリアゾリノン化合物(V)と、
除草性化合物群(W):
(B):(RS)−7−(4,6−dimethoxypyrimidin−2−ylthio)−3−methyl−2−benzofuran−1(3H)−one(一般名:ピリフタリド)、
(C):(RS)−2’−[(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yl)(hydroxy)methyl]−1,1−difluoro−6’−(methoxymethyl)methanesulfonanilide(一般名:ピリミスルファン)、
(D):1−(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yl)−3−[2−(dimethylcarbamoyl)phenylsulfamoyl]urea(一般名:オルソスルファムロン)、
(E):2−(4−mesyl−2−nitrobenzoyl)cyclohexane−1,3−dione(一般名:メソトリオン)、
(F):1−(3−chloro−4,5,6,7−tetrahydropyraz
olo[1,5−a]pyridin−2−yl)−5−[methyl(prop−2−ynyl)amino]pyrazole−4−carbonitrile(一般名:ピラクロニル)、
(G):benzophenone O−[2,6−bis(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yloxy)benzoyl]oxime(一般名:ピリベンゾキシム)、
(H):5−tert−butyl−3−[2,4−dichloro−5−(prop−2−ynyloxy)phenyl]−1,3,4−oxadiazol−2(3H)−one(一般名:オキサジアルギル)、
(I):(R)−2−[4−(6−chloro−1,3−benzoxazol−2−yloxy)phenoxy]−2’−fluoro−N−methylpropionanilide(一般名:メタミホップ)、
からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物
とを、有効成分として含有することを特徴としている。
【0014】
なお上記除草性化合物群(B)〜(I)の一般名は、ISOコモンネームとも言われ、ISO(国際標準化機構)で命名された国際規格である。
本発明の好ましい態様では上記水田用除草剤は、処理対象雑草として特にイネ科雑草のヒエを含み、場合により、さらにホタルイ、タマガヤツリ、ミズガヤツリなどのカヤツリグサ科の雑草;広葉雑草のコナギ等のミズアオイ科や、ウリカワ等のオモダカ科の雑草;のうちの何れか1種または2種以上を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る水田用除草剤(除草剤)は、主に水稲が栽培され、さらにイグサ、ハスなどの作物が栽培される水田用の除草剤であって、これら栽培作物への薬害がなく、対象となる雑草であるイネ科雑草のヒエ、さらにホタルイ、タマガヤツリ、ミズガヤツリなどのカヤツリグサ科の雑草;広葉雑草に属するコナギ等のミズアオイ科や、ウリカワ等のオモダカ科の雑草などに対しても良好な除草効果を有している。
【0016】
この水田用除草剤は、特にヒエ3.0葉期になっても優れた除草効果を発揮し、さらに処理対象雑草として特にイネ科雑草のヒエを含み、場合により、さらにホタルイ、タマガヤツリ、ミズガヤツリなどのカヤツリグサ科の雑草;広葉雑草のコナギ等のミズアオイ科や、ウリカワ等のオモダカ科の雑草;などまでも除草可能であり、除草可能な雑草の種類(殺草スペクトラム)が広い。しかもこの除草剤は、少ない成分数および少ない薬効成分量で優れた除草効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る水田用除草剤について具体的に説明する。
[水田用除草剤]
本発明に係る水田用除草剤には、後述する特定の除草性化合物群(W)から選択される1種または2種以上の化合物((W)成分)と、下記の一般式(1)で示されるトリアゾリノン化合物(以下、トリアゾリノン化合物(1)、化合物(1)などともいう。)((V)成分)とが含有されている。
【0018】
この水田用除草剤では、上記(V)成分100重量部に対して、上記(W)成分は合計量として、通常、0.2〜1000重量部、好ましくは、5.0〜500重量部の量で含まれていることが3.0葉期のヒエ等に対する除草効果に優れ、しかも上記処理対象雑草として特にイネ科雑草のヒエを含み、場合により、さらにホタルイ、タマガヤツリ、ミズガヤツリなどのカヤツリグサ科の雑草;広葉雑草に属するコナギ等のミズアオイ科や、ウリカワ等のオモダカ科の雑草;など広範な水田雑草までも除草可能であるなどの点から好
ましい。なお、(V)成分に対する(W)成分量が上記範囲より少ないと、除草可能な雑草草種が減少する傾向があり、また、反対に(W)成分量が上記範囲より多いと、水稲薬害が発現する傾向がある。
【0019】
また、この水田用除草剤は、少ない薬効成分量で優れた除草効果を発揮でき、例えば、この水田用除草剤が水和剤の場合には、該水和剤中に、(V)成分は、通常、1.0〜90重量%、好ましくは、1.5〜60重量%程度の量で、換言すれば、水田10アール当たり、(V)成分は、通常5〜45g、好ましくは、7.5〜30gの量で用いられる。
【0020】
また、顆粒水和剤の場合には、該顆粒水和剤中に、(V)成分は、通常、1.0〜90重量%、好ましくは、1.5〜60重量%程度の量で、換言すれば、水田10アール当たり、(V)成分は、通常5〜45g、好ましくは、7.5〜30gの量で用いられる。
【0021】
また、フロアブル剤の場合には、該フロアブル剤中に、(V)成分は、通常、0.5〜45重量%、好ましくは、0.75〜30重量%程度の量で、換言すれば、水田10アール当たり、(V)成分は、通常5〜45g、好ましくは、7.5〜30gの量で用いられる。
【0022】
また、ジャンボ剤の場合には、該ジャンボ剤中に、(V)成分は、通常、0.12〜45重量%、好ましくは、0.18〜30重量%程度の量で含まれていることが多く、換言すれば、水田10アール当たり、(V)成分は、通常5〜45g、好ましくは、7.5〜30gの量で用いられる。
【0023】
このように、本発明に係る水田用除草剤の水田への散布量は、その剤型(例:水和剤。顆粒水和剤、フロアブル剤、ジャンボ剤など。)に依らず、水田10アール当たり、(V)成分量として、通常5〜45g、好ましくは、7.5〜30gの量で用いられる。
【0024】
なお、(W)成分等は、上記した(V)成分量に対する比率を満たす量で、例えば、上記(W)成分は、上記したように、(V)成分100重量部に対して、通常、0.2〜1000重量部、好ましくは、5.0〜500重量部の量で、各種の水田用除草剤中に含まれていればよい。
【0025】
また、通常、従来より公知の水田用除草剤に配合され得る各種成分(その他の成分)は、本発明の水田用除草剤においてもその剤型(例:水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、ジャンボ剤など。)に応じて、適宜量で配合可能である。
【0026】
このような「その他の成分」等については、後述する。
本発明では、上記成分(V)と(W)とを含んでいるため、「(V)と(W)のうちの何れか一方を含み、他方を含まない水田用除草剤」、例えば(V)を含有し、(W)不含の水田用除草剤[この除草剤には、その他の除草成分、例えば、前記特許文献1(特開2002−212012号公報)記載の(B)成分を含んでいてもよい。]に比して、より除草効果が増強され、高い除草効果が認められる。しかも、この水田用除草剤では、さらに、除草可能な雑草の種類である「殺草スペクトル」が拡大しており、除草可能な雑草の葉齢限界が伸長され、これらの水田用除草剤組成物では実質的に有効成分量を減じることが可能となっている。例えば、水稲栽培においては、移植直後の雑草発生前からある程度生育の進んだ時期まで除草可能であり、好適例を挙げれば、雑草のノビエでは、前記特許文献1における2.5葉期を超え、本発明の水田用除草剤では3.0葉期まで、いずれの時期に用いても優れた除草効果を現わし、かつ、残効性に優れ、(人畜への薬害がないことは勿論、)栽培作物の代表例であるイネに対する薬害もなく、優れた除草効果を現わす。
<トリアゾリノン化合物(1)(V成分)>
本発明に係る水田用除草剤(特に水稲用除草剤)に含まれる有効成分の一つであるトリアゾリノン化合物(1)は、本願出願人が先に提案した国際公開特許WO98/38176号公報に記載され、公知である。
【0027】
一般式(1):
【0028】
【化2】

【0029】
式(1)中、互いに別異のベンゼン環に結合した置換基XおよびYは、互いに同一でも相異なってもよく、ハロゲン原子、総炭素数Cが通常、1〜10、好ましくは、1〜5の低級アルキル基、これと同様の総炭素数の低級ハロアルキル基(ハロゲン化アルキル基)、同様の総炭素数の低級アルコキシ基、同様の総炭素数の低級ハロアルコキシ基(ハロゲン化アルコキシ基)を示す。
【0030】
nおよびmは、それぞれ別異のベンゼン環に結合した置換基X、Yの個数を示し、それぞれ独立に0または1〜5の整数を示す。
ここで式(1)中のXおよびYのハロゲン原子としては、Cl、Br、F、Iであり、低級アルキル基としては、炭素数Cが通常1〜10、好ましくは、1〜5であり、直鎖状でも分岐を有していてもよく、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチルなどが挙げられる。
【0031】
また上記低級ハロアルキル基としては、上記低級アルキル基中の任意の位置の水素原子がハロゲン原子で1個または2個以上置換されたものが挙げられ、例えば、トリフルオロメチル、クロルメチル、ブロモメチル、ジクロルメチル、ジフルオロメチル、トリクロルメチル、2−クロルエチルなどが挙げられる。
【0032】
上記低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシなどが挙げられ、低級ハロアルコキシ基としては、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどが挙げられる。
【0033】
このようなトリアゾリノン化合物(1)の好適な例として、原料入手の容易性と経済性、得られる水田用除草剤の除草効果などの点を考慮すると、下記表に示すNo.(V−1
)〜(V−13)で示される化合物を挙げることができるが、この範囲に限定されるものではない。
【0034】
なお、表中のEtはエチル基を示し、Meはメチル基を示す。また例えば、「4−OMe」は4−メトキシ基を示し、「4−OCHF2」は4−ジフロロメトキシ基を示す。
また、本発明では、(V)成分として、上記各種置換基を有するトリアゾリノン化合物(1)を1種または2種以上を、特に、これらトリアゾリノン化合物(V−1))〜(V−13)のうちの何れか1種または2種以上を、(W)成分などと共に組合わせて用いてもよい。
【0035】
【表1】

【0036】
このトリアゾリノン化合物(1)はタイヌビエを始めとする水田に生育する一年生禾本科雑草あるいは一年生広葉雑草に卓効を示し、残効期間が長いことが特徴である。しかしこの水田用除草剤には、好適な施用時期、対象雑草、有効成分量などがあり、施用時期および対象雑種が、例えば3.0葉期を超えたヒエでは完全防除は困難になる傾向がある。<除草性化合物群(W)>
一方、本発明で有効成分の一つとして上記(V)成分と共に用いられる除草性化合物群(W)としては下記の化合物が挙げられる。
【0037】
(B)ALS阻害剤として(RS)−7−(4,6−dimethoxypyrimidin−2−ylthio)−3−methyl−2−benzofuran−1(3H)−one(一般名:ピリフタリド)、
(C)ALS阻害剤として(RS)−2’−[(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yl)(hydroxy)methyl]−1,1−difluoro−6’−(methoxymethyl)methanesulfonanilide(一般名:ピリミスルファン)、
(D)ALS阻害剤として1−(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yl)−3−[2−(dimethylcarbamoyl)phenylsulfamoyl]urea(一般名:オルソスルファムロン)、
(E)4−HPPD阻害剤として2−(4−mesyl−2−nitrobenzoy
l)cyclohexane−1,3−dione(一般名:メソトリオン)、
(F)PPO阻害剤として1−(3−chloro−4,5,6,7−tetrahydropyrazolo[1,5−a]pyridin−2−yl)−5−[methyl(prop−2−ynyl)amino]pyrazole−4−carbonitrile(一般名:ピラクロニル)、
(G)ALS阻害剤としてbenzophenone O−[2,6−bis(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yloxy)benzoyl]oxime(一般名:ピリベンゾキシム)、
(H)PPO阻害剤として5−tert−butyl−3−[2,4−dichloro−5−(prop−2−ynyloxy)phenyl]−1,3,4−oxadiazol−2(3H)−one(一般名:オキサジアルギル)、
(I)ACCase阻害剤として(R)−2−[4−(6−chloro−1,3−benzoxazol−2−yloxy)phenoxy]−2’−fluoro−N−methylpropionanilide(一般名:メタミホップ)
からなる群に含まれる化合物。
【0038】
これらの(W)成分自体は、水田用除草剤としてすでに公知である。これらの成分(W)は、例えば、「The Pesticide Manual 第13版」(Britis
h Crop Protection Council発行、2003年)、「平成18年
度水稲関係除草剤委託試験申請書綴」(財団法人 日本植物調節剤研究協会発行、200
6年)、あるいは「The International Survey of Herbicide Resistant Weeds」(Ian Heapら、http://www.weedscience.org)、などに記載されている。
【0039】
ただし、本発明では、これらの(W)成分の除草性化合物と共に、本発明の目的に反しない限り、上記(W)成分以外の「その他の除草性化合物」を併用してもよい。
<施用量、施用方法など>
本発明の水田用除草剤(除草剤)において、(V)成分と(W)成分との混合比は、その適用時期、適用地域、施用方法等に応じて比較的広い範囲内で変えることができる。
【0040】
一般には除草性トリアゾリノン化合物(V)1重量部に対し、除草性化合物群(W)は上記の点を考慮して次の割合で使用することが望ましい。
一般式(1)で示される除草性トリアゾリノン化合物(V)1重量部、好ましくは上記附番(V−1)〜(V−13)に記載のトリアゾリノン化合物(1)1重量部に対し、除草性化合物群(W)のうちで、例えば、(B)〜(D)、(G)に挙げられるようなALS阻害剤は0.002〜10重量部、好ましくは0.01〜2重量部の量で、
例えば、(E)に挙げられるような4−HPPD阻害剤は0.01〜400重量部、好ましくは0.1〜80重量部の量で、
また例えば、(F)、(H)に挙げられるるようなPPO阻害剤は0.01〜400重量部、好ましくは0.1〜80重量部の量で、
また例えば、(I)に挙げられるようなACCase阻害剤は0.001〜100重量部、好ましくは0.01〜10重量部の量で用いられる。
【0041】
本発明の水田用除草剤はそれぞれ上記の配合比で用いると、特に水田雑草に対して強い除草効果が認められる。したがって水田用除草剤として好適に使用することができる。
本発明の水田用除草剤の防除対象雑草は上記したように広範囲にわたる。その例として以下に述べるものが挙げられる。
【0042】
ヒエ属、ホタルイ属、カヤツリグサ属、キビ属、スズメノカタビラ属、ミズアオイ属、テンツキ属、クワイ属、ハリイ属、ヘラオモダカ属、イボクサ属、スブタ属、ホシクサ属
、ヒルムシロ属、タデ属、イヌガラシ属、キカシグサ属、アゼナ属、ミソハギ属、タウコギ属、アブノメ属、タカサブロウ属、ミゾハコベ属、オオアブノメ属、アゼトウガラシ属、ミズキンバイ属、セリ属、キンポウゲ属、サワトウガラシ属など。
【0043】
これらのうちでも、処理対象雑草として、特にイネ科雑草のヒエ属に対して著効が認められ、さらにホタルイ、タマガヤツリ、ミズガヤツリなどのカヤツリグサ科の雑草;広葉雑草に属するコナギ等のミズアオイ科や、ウリカワ等のオモダカ科の雑草;など広範な水田雑草までも除草可能である。
【0044】
本発明の水田用除草剤は、具体的に、例えば次の代表的な水田雑草に関して使用することができる。すなわちイネ科雑草のヒエ属のタイヌビエなど;
カヤツリグサ科のホタルイ、タマガヤツリ、ミズガヤツリ、マツバイ、クログワイなど;
ミズアオイ科のコナギなど;
オモダカ科のウリカワ、オモダカ、ヘラオモダカなど;
ゴマノハグサ科のアゼナなど;
ミソハギ科のキカシグサ、ヒメミソハギなど;
アカバナ科のチヨウジタデなど;
ヒルムシロ科のヒルムシロなど;
ミゾハコベ科のミゾハコベなど;
セリ科のセリなど;
が挙げられる。
【0045】
しかしながら、本発明の除草剤の適用対象はこれら雑草に何ら限定されるものではなく、他の雑草に対しても上記雑草と同様に適用することができる。
本発明に係る水田用除草剤は、通常、次のように使用(実施)される。
【0046】
本発明の水田用除草剤は、有効成分として上記(V)成分と(W)成分の2種のみを含む原体そのものを水田等に散布してもよいが、より便利に使用できるように担体などが配合され、製剤化して施用されることが多い。
【0047】
本発明の除草剤は、除草剤として製剤化する場合には、その有効成分、すなわち除草性トリアゾリノン化合物(V)に含まれる活性成分、特に前記化合物No.(V−1)〜(
V−13)のトリアゾリノン化合物、および、除草性化合物群(W)のうち少なくとも1種類以上、特に前記化合物(B)〜(I)のうちの1種又は2種以上を、担体(例:粒剤などの場合)もしくは希釈剤(例:水和剤、乳剤などの場合)、添加剤、および補助剤等の少なくとも一つと公知の手法で混合して、通常農薬として用いられる製剤形態、例えば、粒剤、微粒剤、水和剤、顆粒水和剤、乳剤、水溶剤、フロアブル剤、錠剤、粉剤、マイクロカプセル剤、ペースト剤などの適宜の形態に調合できる。
【0048】
また、使用時にタンク内で上記各成分を混合して用いることも可能であり、その際には、更に他の公知の活性化合物、他の農薬、例えば、殺菌剤、殺虫剤、上記以外の除草剤、殺ダニ剤、薬害軽減剤(セイフナー)、植物生長調節剤や肥料、土壌改良剤などと混合して用いてもよく、また特にこれらを本発明の水田用除草剤と混合することなく水田にそれぞれほぼ同時に散布するなど、併用してもよい。
【0049】
前記水田用除草剤の製剤化に際して用いられる担体としては、一般に農薬製剤用に常用される担体ならば固体または液体のいずれのものでも使用でき、特に限定されない。
例えばこれら固体担体としては、鉱物質粉末(カオリン、ベントナイト、クレー、モン
モリロナイト、タルク、珪藻土、雲母、バーミキュライト、石英、炭酸カルシウム、リン
灰石、ホワイトカーボン、消石灰、珪砂、硫安、尿素など)、植物質粉末(大豆粉、小麦
粉、木粉、タバコ粉、デンプン、結晶セルロースなど)、高分子化合物(石油樹脂、ポリ塩化ビニル、ケトン樹脂など)、アルミナ、ケイ酸塩、糖重合体、高分散性ケイ酸、ワックス類、活性炭などが挙げられる。
【0050】
また、使用できる液体担体としては水、アルコール類(メチルアルコール、エチルアル
コール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、ベンジルアルコールなど)、芳香族炭化水素類(トルエン、ベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、メチルナフタレンなど)、エーテル類(エチルエーテル、エチレンオキシド、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、イソホロンなど)、エステル類(酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、エチレングリコールアセテート、酢酸アミルなど)、酸アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリルなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、アル
コールエーテル類(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど)、脂肪族または脂環式炭化水素類(n-ヘキサン、シクロヘキサンなど)、工業用ガソリン(石油エーテル、ソルベントナフサなど)、石油留分(パラフィン類、灯油、軽油など)が挙げられる。
【0051】
また、乳剤、水和剤、フロアブル剤などに製剤化する場合には、乳化、分散、可溶化、湿潤、発泡、潤滑、拡展などの目的で各種の界面活性剤を用いてもよい。
このような界面活性剤としては、非イオン型界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステルなど)、陰イオン型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホネート、アルキルスルホサクシネート、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルアルキルサルフェート、アリールスルホネートなど)、陽イオン型界面活性剤〔アルキルアミン類(ラウリ
ルアミン、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライドなど)、ポリオキシエチレンアルキルアミン類〕、両性型界面活性剤〔カルボン酸(ベタイン型)、硫酸エステル塩など〕などが挙げられるが、これらの例示されたもののみに限定されるものでない。
【0052】
また、本発明では、上記剤型に製剤化する際に、これらの他にポリビニルアルコール(PVA)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、アラビアゴム、ポリビニルアセテート、アルギン酸ソーダ、ゼラチン、トラガカントゴムなどの各種補助剤を使用することができる。
【0053】
前記の担体、界面活性剤および補助剤は製剤の剤型、適用場面、などを考慮して目的に応じてそれぞれ単独にあるいは組み合わせて適宜使用される。
[施用時期や施用量、施用方法など]
本発明の水田用除草剤の施用時期は、田植と同時に、又は田植後の水田に施用することができる。例えば、水稲移植前後で雑草発生前から雑草生育期である。特に除草効果がよく発現するのは水稲移植後の0日〜25日経過後である。
【0054】
また、実際にこの水田用除草剤を使用する場合、次の量や方法で使用するのが一般的であり好ましい。
すなわち、本発明の水田用除草剤の剤型が水和剤、顆粒水和剤の場合は、10アール当り、これら剤型の水田用除草剤50〜500gを水で希釈して、0.25〜300L(リットル)の量で、水田の水面に均一に散布すればよい。
【0055】
また、本発明の水田用除草剤の剤型が粒剤の場合は、水田の水面に10アール当り、100g〜4kgの量で均一に散布すればよい。
本発明の水田用除草剤の剤型がフロアブル剤の場合は、原液のまま、10アール当り、100〜1000mlの量でプラスチックボトル、紙容器などに入れて手振り散布、あるいは動力散布機を用いて散布すればよい。
【0056】
そして、本発明の水田用除草剤の剤型がジャンボ剤の場合は、1個当たり20〜100g程度の固形物または小包装物(パック)を、10アール当り、5〜40個手投げ散布すればよい。
【0057】
本発明の水田用除草剤は、使用時期、気象条件、使用方法、使用剤型、使用場所、対象雑草、対象作物等の条件によっては問題のない範囲で、その使用量を変えることも可能であり、上記例に特に限定されるものではない。
[実施例]
本発明の水田用除草剤の優れた効果を以下の実施例により説明するが、本発明は係る実施例のみに限定されるものではない。
【0058】
なお、以下の実施例中で部とあるものは、すべて重量部表示である。
また、下記の実施例で用いられる化合物は次のとおりである。
<(V)成分>
化合物(V−2):除草性トリアゾリノン化合物[化合物No.(V−2)]、
化合物(V−4):除草性トリアゾリノン化合物[化合物No.(V−4)]、
化合物(V−5):除草性トリアゾリノン化合物[化合物No.(V−5)]。
<(W)成分>
化合物(B):(RS)−7−(4,6−dimethoxypyrimidin−2−ylthio)−3−methyl−2−benzofuran−1(3H)−one(一般名:ピリフタリド)、
化合物(C):(RS)−2’−[(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yl)(hydroxy)methyl]−1,1−difluoro−6’−(methoxymethyl)methanesulfonanilide(一般名:ピリミスルファン)、
化合物(D):1−(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yl)−3−[2−(dimethylcarbamoyl)phenylsulfamoyl]urea(一般名:オルソスルファムロン)、
化合物(E):2−(4−mesyl−2−nitrobenzoyl)cyclohexane−1,3−dione(一般名:メソトリオン)、
化合物(F):1−(3−chloro−4,5,6,7−tetrahydropyrazolo[1,5−a]pyridin−2−yl)−5−[methyl(prop−2−ynyl)amino]pyrazole−4−carbonitrile(一般名:ピラクロニル)、
化合物(G):benzophenone O−[2,6−bis(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yloxy)benzoyl]oxime(一般名:ピリベンゾキシム)、
化合物(H):5−tert−butyl−3−[2,4−dichloro−5−(prop−2−ynyloxy)phenyl]−1,3,4−oxadiazol−2(3H)−one(一般名:オキサジアルギル)、
化合物(I):(R)−2−[4−(6−chloro−1,3−benzoxazol−2−yloxy)phenoxy]−2’−fluoro−N−methylpropionanilide(一般名:メタミホップ)。
<製剤例1(水和剤)>
(配合成分と量)
上記(V)成分のうちの化合物(V−2)、(V−4)、(V−5)のいずれか1種
30部、
上記(W)成分のうちの化合物(B) 15部、
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル 2部、
ラウリル硫酸ナトリウム 2部、
クレー 51部(計100部)。
【0059】
上記量の配合成分を均一に混合し、粉砕して水和剤を得た。
<製剤例2(顆粒水和剤)>
(配合成分と量)
上記(V)成分のうちの化合物(V−2)、(V−4)、(V−5)のいずれか1種
12部、
上記(W)成分のうちの化合物(C) 2.68部、
βナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩 5部、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルサルフェート 3部、
クレー 77.32部(計100部)。
【0060】
上記量の配合成分を混合粉砕した後、水10部を加えて混練し、0.5mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機にて造粒後、乾燥、整粒し、顆粒水和剤を得た。
<製剤例3(フロアブル剤)>
(配合成分と量)
上記(V)成分のうちの化合物(V−2)、(V−4)、(V−5)のいずれか1種
6部、
上記(W)成分のうちの化合物(D) 1.5部、
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルホスフェート 3部、
キサンタンガンガム 0.5部、
エチレングリコール 5部、
ソルビン酸カリウム 0.5部、
水 83.5部(計100部)。
【0061】
上記量の配合成分をホモミキサー(日本特殊機化工業株式会社製)で均一に混合分散させ、フロアブル剤を得た。
<製剤例4(ジャンボ剤)>
(配合成分と量)
上記(V)成分のうちの化合物(V−2)、(V−4)、(V−5)のいずれか1種
6部、
上記(W)成分のうちの化合物(E) 1.8部、
ラウリル硫酸ナトリウム 5部、
ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル 1部、
ポリビニルアルコール 3部、
シラスバルーン 40部、
クレー 43.2部(計100部)。
【0062】
上記量の配合成分を混合粉砕した後、水7部を加えて混練し、0.6mmのスクリーンを付けた押し出し造粒機にて造粒後、乾燥、整粒し、その50gをポリビニルアルコールの水溶性フィルム(厚さ40μm)で包装してジャンボ剤を得た。
<製剤例5(粒剤)>
(配合成分と量)
上記(V)成分のうちの化合物(V−2)、(V−4)、(V−5)のいずれか1種
3部、
上記(W)成分のうちの化合物(F) 2部、
リグニンスルホン酸ナトリウム 2部、
ラウリル硫酸ナトリウム 2部、
ベントナイト 45部、
タルク 46部(計100部)。
【0063】
上記量の配合成分を混合粉砕した後、適量の水を加えて混練し、造粒機を用いて常法により造粒し、粒剤を得た。
[試験例]
次に、本発明の水田用除草剤(薬剤)の有用性について試験例等を示し、さらに具体的に示すが、本発明は係る試験例等により何ら限定されるものではない。
<試験例1>
(ポット試験、イネ移植5日後処理):
1/2000アールのワグネルポットに水田土壌を充填し、水を加えて代かきを行い、タイヌビエ、ホタルイおよび一年生広葉雑草の種子を播種し、ミズガヤツリ、ウリカワの塊茎を植え付け、更に2.2葉期のイネを浅植え条件(移植深度0.5cm)で3本1株植えし、3cmに湛水した。
(薬剤処理)
薬剤の処理は、イネ移植5日後に、製剤例1〜5に準拠して有効成分量を調整し製造した剤型の所定量を水面に施用することにより薬剤処理を実施した。管理、育成は温室内において行い、除草効果については、薬剤処理3週間後に残草量(g:生草重量)をはかり、無処理区の残草量(g)との対比で抑草率(%)を下記式により求めた。また、イネの薬害も同様な計算式により算出した。
【0064】
その結果を表2〜表4に示す。なお、各表中で、例えば、供試化合物「(V-2)+G」に対する有効成分量「7.5+3」(g ai/10a)は、供試化合物「(V-2)」は、有効成分量「7.5」((g ai/10a)の量で、また、供試化合物「G」は有効成分量「3」(g ai/10a)の量で用いられることを意味する。
【0065】
【数1】

【0066】
【表2】

【0067】
【表3】

【0068】
【表4】

【0069】
<試験例2>
(ポット試験、ヒエ3葉期処理):
1/2000アールのワグネルポットに水田土壌を充填し、水を加えて代かきを行い、タイヌビエ、ホタルイおよび一年生広葉雑草の種子を播種し、ミズガヤツリ、ウリカワの塊茎を植え付け、更に2.2葉期のイネを浅植え条件(移植深度0.5cm)3本1株植えし、3cmの深さに湛水した。
(薬剤処理)
薬剤(水田用除草剤)の処理は、タイヌビエの3.0葉期に製剤例1〜5に準拠して有効成分量を調整し製造した各剤型の所定量を水面に施用することにより薬剤処理を実施した。管理、育成は温室内において行い、薬剤処理3週間後に試験例1と同様にして除草効果およびイネの薬害を観察調査した。
【0070】
その結果を表5〜表7に示す。
【0071】
【表5】

【0072】
【表6】

【0073】
【表7】

【0074】
<試験例3>
(圃場試験、イネ移植5日後処理):
圃場の代かきを行った後、タイヌビエ、ホタルイおよび一年生広葉雑草の種子を播種し、ミズガヤツリ、ウリカワの塊茎を植え付け、更に2.2葉期のイネを田植え機で移植した。湛水深は5cmとした。
(水田用除草剤処理)
薬剤(水田用除草剤処理)処理は、イネ移植5日後に、上記製剤例に準拠して有効成分量を調整し、製造した各種剤型の所定量を水面に施用することにより薬剤処理を実施した。薬剤処理3週間後に試験例1と同様にして除草効果およびイネの薬害を観察調査した。
【0075】
その結果を表8〜表10に示す。
【0076】
【表8】

【0077】
【表9】

【0078】
【表10】

【0079】
<試験例4>
(圃場試験、ヒエ3葉期処理):
圃場の代かきを行った後、タイヌビエ、ホタルイおよび一年生広葉雑草の種子を播種し、ミズガヤツリ、ウリカワの塊茎を植え付け、更に2.2葉期のイネを田植え機で移植した。湛水深は5cmとした。
(水田用除草剤(薬剤)による処理)
薬剤(水田用除草剤)の処理は、タイヌビエの3.0葉期に製剤例に準拠して有効成分量を調整し、製造した各種剤型の所定量を水面に施用することにより薬剤処理を実施した。薬剤処理3週間後に試験例1と同様にして除草効果およびイネの薬害を観察調査した。
【0080】
その結果を表11〜13に示す。
【0081】
【表11】

【0082】
【表12】

【0083】
【表13】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1):
【化1】

[式(1)中、XおよびYは、互いに同一または相異なってもよく、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基を示し、nおよびmは、それぞれ独立に0または1〜5の整数を示す。]で示される除草性トリアゾリノン化合物(V)と、
除草性化合物群(W):
(RS)−7−(4,6−dimethoxypyrimidin−2−ylthio)−3−methyl−2−benzofuran−1(3H)−one、
(RS)−2’−[(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yl)(hydroxy)methyl]−1,1−difluoro−6’−(methoxymethyl)methanesulfonanilide、
1−(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yl)−3−[2−(dimethylcarbamoyl)phenylsulfamoyl]urea、
2−(4−mesyl−2−nitrobenzoyl)cyclohexane−1,3−dione、
1−(3−chloro−4,5,6,7−tetrahydropyrazolo[1,5−a]pyridin−2−yl)−5−[methyl(prop−2−ynyl)amino]pyrazole−4−carbonitrile、
benzophenone O−[2,6−bis(4,6−dimethoxypyrimidin−2−yloxy)benzoyl]oxime、
5−tert−butyl−3−[2,4−dichloro−5−(prop−2−ynyloxy)phenyl]−1,3,4−oxadiazol−2(3H)−one、
(R)−2−[4−(6−chloro−1,3−benzoxazol−2−yloxy)phenoxy]−2’−fluoro−N−methylpropionanilide
からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物
とを有効成分として含有していることを特徴とする水田用除草剤。
【請求項2】
処理対象雑草としてヒエを含み、必要により、さらにホタルイ、コナギ、広葉雑草、タマガヤツリ、ミズガヤツリ、ウリカワのうちの何れか1種または2種以上を含んでいても
よい請求項1に記載の水田用除草剤。

【公開番号】特開2008−179560(P2008−179560A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−13999(P2007−13999)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】