説明

水田用除草装置

【課題】簡易な構成で株間に発生した雑草の除去をも十分に行うことができる水田用除草装置を提供すること。
【解決手段】田植えされた水田Sの畝間Wを走行しながら圧力流体を噴射して除草する水田用除草装置1であって、畝間Wを走行可能な車輪(操向輪5及び後輪6,6)を有する車体2と、車体2に搭載されると共に圧力流体を供給する流体加圧供給機構10と、流体加圧供給機構10に連通すると共に車体2に支持される流路管体20と、流路管体20の先端部22bであって稲株Kに接触しない位置に設けられて稲株根元列線Iに沿いながら、この稲株根元列線Iに向けて圧力流体を噴射する噴射口体30と、噴射口体30の車体進行方向F後方に位置すると共に畝間Wに配置され、接地抵抗により回転しながら噴射により飛ばされた雑草を押し埋めるロータ40とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水田に生育する発現間もない雑草を除去する水田用除草装置に関するものである。特に、従来の技術では除去が困難であった株間の除草を同時に行えることを特徴とするものである。
【背景技術】
【0002】
通常、代掻きされて柔らかくなると共に雑草がなくなった水田に田植えを行うが、稲株が根付く頃になると水田の土壌表面にある種から雑草が発生してしまう。そこで、従来から、水田内に高圧の空気や水等の圧力流体を噴射し、水田の水と一緒に土壌を撹拌することで雑草の根を覆った土を吹き払って除草する水田用除草装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この水田用除草装置では、稲株の有無を識別するセンサによって株間を検出すると、株間にパイプが入り込んで圧力流体を噴射する。このように、稲株を避けて間断噴射することで株間の除草作業を行う。また、畝間に発生した雑草は、稲株根元列線に沿って畝間を回転移動するロータで撹拌することで除去する。
【特許文献1】特開2002−34305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の水田用除草装置では、株間を検出するためにセンサを利用すると共に圧力流体の間断噴射によって株間の除草をするため、噴射制御が複雑になり高価なものとなってしまう問題があった。また、センサ精度によって除草が十分にできなくなるおそれもあった。
【0005】
そこで、この発明は、簡易な構成で株間に発生した雑草の除去をも十分に行うことができる水田用除草装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、田植えされた水田の畝間を走行しながら圧力流体を噴射して除草する水田用除草装置であって、前記畝間を走行可能な車輪を有する車体と、該車体に搭載されると共に前記圧力流体を供給する流体加圧供給機構と、該流体加圧供給機構に連通すると共に前記車体に支持される少なくとも一本の流路管体と、該流路管体の先端部であって稲株に接触しない位置に設けられて稲株根元列線に沿いながら、この稲株根元列線に向けて前記圧力流体を噴射する噴射口体と、該噴射口体の前記車体進行方向後方に位置すると共に前記畝間に配置され、接地抵抗により回転しながら噴射により飛ばされた雑草を押し埋めるロータとを備えたことを特徴としている。
【0007】
また、前記ロータは、前記水田の底面に接触する多数のフィンを外周に有し、前記畝間を回転しながら移動可能なほぼ円筒状の外形を呈するものであってもよい。
【0008】
また、前記車体には、前記噴射口体の噴射先を前記稲株根元列線に沿わせるように調整する位置調整機構を搭載したものであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
よって、本発明の水田用除草装置にあっては、例えば畝間に沿って水田を走行しながら除草する場合には、車輪が畝間を走行すると共に、噴射口体が稲株に接触しない位置に設けられたことにより、この水田用除草装置によって稲株を傷つけることはない。そして、車体の移動に伴って稲株根元列線に沿いながら、噴射口体からこの稲株根元列線に向けて圧力流体を噴射するので、圧力流体が株間に入り込んで雑草の根をすすぎ洗いし、水中に浮遊させることができる。また、圧力流体によって水中に浮遊した株間の雑草は、噴射口体の進行方向後方に位置するロータによって水田に押し埋められ、再び着根、成長することを防止できる。この結果、簡易な構成で株間に発生した雑草の除去をも十分に行うことができる。
【0010】
また、ロータが土壌に接触する多数のフィン外周に有し、畝間を回転しながら移動可能なほぼ円筒状の外形を呈するものにあっては、ロータで雑草を確実に押し埋めながら移動することができる。
【0011】
さらに、車体に噴射口体の噴射先を稲株根元列線に沿わせるように調整する位置調整機構を搭載したものにあっては、水田底面の凹凸や車体の蛇行が生じた場合であっても、噴射口体は噴射先を稲株根元列線に沿わせることができ、雑草の除去精度の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る水田用除草装置1の最良の実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、図1及び図2中矢印Fで示す方向は、水田用除草装置1の車体2の進行方向である。
【0013】
この水田用除草装置1は、車体2と、これに搭載される流体加圧供給機構10と、この流体加圧供給機構10に連通した少なくとも一本、ここでは4条用の除草機の例であり、先端部が4本に分岐した流路管体20と、流路管体20の分岐した先端部のそれぞれに設けられた噴射口体30と、噴射口体30の車体進行方向Fの後方にそれぞれ配置したロータ40と、噴射口体30及びロータ40の高さ位置を調整する昇降装置50とを備えている。
【0014】
車体2は、フレーム2bと、フレーム2bに取り付けられたハンドル4と、ハンドル4により操作される操向輪(車輪)5と、フレーム2bの後部に設けられた一対の後輪(車輪)6,6(図2参照)と、操向輪5と後輪6,6との間に位置してフレーム2bから下方に延在した支持フレーム2cとを有している。なお、この車体2には、乗員が着座する座席2aと、図示しないエンジンとが設けられ、後輪6,6は、エンジンによって駆動されて自走可能となっている。また、この車体2は、操向輪5及び後輪6,6は、水田Sに植えられた多数の稲株Kのそれぞれの畝間(条間)W(図2参照)に対応する間隔で設けられており、畝間Wに沿って水田S内を走行可能となっている。
【0015】
ここで、「畝間(条間)W」とは、田植機によって決定付けられる固定的な間隔を指し、「株間P」とは、田植機に組み込まれた多段階の調整段数の中から任意に選択可能な植付けピッチを指す。また、「稲株根元列線I」は、畝間Wに沿って稲株Kの根元を結ぶ線である。一般的に、稲は田植え機の走行方向に沿って植えられていくが、このときの稲の植込み間隔を株間Pとし、これと直交する田植え機の走行位置を畝間Wとしている(図2参照)。
【0016】
そして、流体加圧供給機構10は、圧力をかけて高圧状態にした水を供給するものであって、一対の貯水タンク12,12(図2参照)と、貯水タンク12,12内の水を加圧して放出する圧送ポンプ13と、圧送ポンプ13を駆動する原動機14とを有している。
【0017】
一対の貯水タンク12,12は、水田S内に噴射される水を貯留するものであり、車体2のフレーム2bを挟むように振り分けて配置されると共に、操向輪5と駆動輪6,6との間に取り付けられている。
【0018】
圧送ポンプ13及び原動機14は、それぞれ貯水タンク12,12の上方に配置されており、各貯水タンク12と圧送ポンプ13とは吸込管12aを介して連通している。なお、この吸込管12aは、両端が一対の貯水タンク12,12のそれぞれに深く挿入されており、中央部から分岐して圧送ポンプ13に接続されている。また、圧送ポンプ13と原動機14とは図示しない電源線により接続されている。
【0019】
流路管体20は、流体加圧供給機構10の圧送ポンプ13に連通して、圧力流体(ここでは、高圧水)が流れる流路となるもの、少なくとも一本設けられている。そしてここでは、流路管体20は、圧送ポンプ13の吐出口13aに接続される分岐管21と、この分岐管21に接続される4本のホース体22,…とから大略構成されている(図3参照)。
【0020】
分岐管21は、硬質プラスチックやステンレス等の内部を流れる圧力流体によって変形しない程度の剛性を有する管材からなり、車体進行方向Fと直交する方向に沿って水平に延びる水平部21bと、水平部21bのほぼ中央位置で進行方向Fに沿って水平方向に分岐した連結部21aと、水平部21bから鉛直方向に分岐する4本の鉛直部21c,…とを有している。
【0021】
連結部21aは、開放端部21d(図3参照)が吐出口13aに図示しないバンド等を介して連結される。一方、4本の鉛直部21c,…は、水平部12bの長手方向に一定間隔をおいて形成され、ここでは下方に向かって延在する。また、各鉛直部21cの内径は、連結部21a及び水平部21bの内径よりも細くなっている。
【0022】
ホース体22は、可撓性を有するゴム等により形成されたいわゆるゴムホースであり、一端部22aに設けられた接続部23を介して鉛直部21cに取り付けられている。また、このホース体22の先端部22bには、噴射口体30が設けられている。なお、このホース体22の内径は、鉛直部21cの内径よりも細くなっている。
【0023】
噴射口体30は、図4に示すように、ホース体22の先端部22bに装着されるキャップ31と、このキャップ31に形成された吐出開口32とを有している。キャップ31は、ホース体22が圧入されることで、ホース体22の先端部22bに固定される。吐出開口32は、ホース体22及びキャップ31の内径よりも十分に細い内径になっている。
【0024】
ロータ40は、図5に示すように、畝間Wを回転しながら移動可能なほぼ円筒状の外形を呈しており、両端部に位置する一対の端部円板41,41と、この端部円板41,41間に架け渡された複数のフィン42,…と、一対の端部円板41,41の中心を貫通する中心軸43とを有している。
【0025】
複数のフィン42,…は、ねじり加工されると共に全長が畝間Wの幅よりも短い帯状鋼板から構成され、両端部が各端部円板41の周縁部に固定されることでロータ40の外周に位置する。また、中心軸43は、昇降装置50の後述するロータ支持体56に両端部が支持されると共に、一対の端部円板41,41を回動可能状態で貫通している。これにより、ロータ40が水田Sの底面Saに接触すると、フィン42と底面Saとの接触抵抗によってロータ40が回転し、土中への沈み過ぎを防ぎながら底面Saを撹拌する。
【0026】
昇降装置50は、水田Sの底面Saまでの水深を検知すると共に、検知した水深に応じて噴射口体30及びロータ40の支持高さを変化させ、底面Saから噴射口体30及びロータ40までの距離をほぼ一定に調整するものである。
【0027】
この昇降装置50は、支持フレーム2cの先端部に支持された装置本体51と、この装置本体51に上下動可能に保持されたアーム部52と、アーム部52に保持されると共に、進行方向Fと直交する方向に沿って水平に延びる連結棒53と、連結棒53に固定された3つの支持体54,…と、各支持体54の前部54aに取付けられた滑走板55と、各支持体54の後部54bに形成されたロータ支持体56と、各支持体54の中間部に形成されたホース支持部57とを有している。
【0028】
装置本体51は、図示しない水深検出センサを有しており、その検出結果に応じてアーム部52を上下動させる。これにより、連結棒53、各支持体54、滑走板55、ロータ支持体56は、水田Sの底面Saからの距離が一定になるように調整される。
【0029】
また、連結棒53、各支持体54、滑走板55、ロータ支持体56は、それぞれ硬質プラスチックや鋼板等の所定の強度を有する材質により形成されている。3つの支持体54,…は、連結棒53の長手方向沿って等間隔に配置され、両側に位置するものは、後輪6,6の車体進行方向F前方に位置し、中央に位置するものは操向輪5の車体進行方向F後方に位置し、それぞれ車体進行方向Fに沿って延びている。
【0030】
そして、ホース支持部57は、支持体54の側方、すなわち車体進行方向Fと直交する方向に突出してから下方に延在し、噴射口体30の噴射先を稲株根元列線Iに沿わせるように保持する。すなわち、このホース支持部57が噴射口体30の噴射先の位置を調整する位置調整機構となる。なお、中央に位置する支持体54においては、一対のホース支持部57,57が互いに反対方向に突出形成されている。
【0031】
さらに、連結棒53、各支持体54、及びホース支持部57には、ホース体22がバンド等により固定され、噴射口体30はホース支持部57の先端から僅かに突出する。このとき、この噴射口体30は、操向輪5の進行方向F後方又は後輪6,6の進行方向F前方に位置して稲株Kに接触しない位置の設けられると共に、稲株根元列線Iに向かって圧力流体を噴射可能な状態、すなわち、稲株Kの根元に向くように水平方向よりも下方に向かった状態に調整される。さらに、ロータ支持体56は、ロータ40の中心軸43の両端部を保持する。
【0032】
次に、この発明に係る水田用除草装置1の作用について説明する。
【0033】
この水田用除草装置1を使用するには、まず、一対の貯水タンク12,12をそれぞれ満水にする。
【0034】
ここで、圧送ポンプ13には、流路管21があらかじめ接続され、この流路管21の鉛直部21c,…には、それぞれ噴射口体30が取り付けられた4つのホース体22,…が接続されている。また、各ホース体22は、昇降装置50によって支持された連結棒53、支持体54及びホース支持部57に固定され、噴射口体30が水平方向よりも下方に向かった状態で保持される。
【0035】
そして、車両2を運転して水田S内に進入する。このとき、図2に示すように、操向輪5及び一対の後輪6,6が稲株Kと接触しないように、畝間Wに沿って走行するように操作される。
【0036】
一方、各噴射口体30は、操向輪5の進行方向F後方あるいは後輪6,6の進行方向F前方に位置して稲株Kに接触しない位置に設けられており、車両2の進行に関わらず稲株Kに接触することはない。
【0037】
そして、車体2を畝間Wに沿って走行させながら、原動機14を駆動させて圧送ポンプ13を稼動させる。稼動した圧送ポンプ13は、吸込管12aを介して一対の貯水タンク12,12の双方からほぼ同量の水を同時に吸い上げ、圧力をかけて高圧状態にしてから流路管21へと供給する。
【0038】
圧送ポンプ13から供給された高圧状態の水は、流路管21からホース体22へと流れ、ホース体22の先端部22bから噴射口体30の吐出開口32を介して噴射される。
【0039】
これにより、噴射口体30は、圧送ポンプ13から供給される高圧の水を吐出開口32から噴射しながら、稲株根元列線Iに沿って図1に矢印Fで示す方向に移動することとなる。
【0040】
このとき、噴射口体30の吐出開口32は、ホース支持体57に固定されることで稲株根元列線Iに沿い、且つこの稲株根元列線Iが噴射先となるように調整される。また、噴射口体30の高さ位置については、あらかじめ水田Sの底面Saとの距離を任意に設定し、車体2の走行に伴って、昇降装置50によって連結棒53及び支持体54の高さを自動的に変化させることにより、底面Saからの距離が一定にするように調整される。
【0041】
そして、吐出開口32から噴射された水は、稲株根元列線Iに沿いながら、この稲株根元列線Iに向けて噴射されるので、車体2の走行に伴って稲株Kと吐出開口32との相対位置が変化し、高圧の水を株間Pに吹き付けることができる。そして、この株間Pに発生した雑草の根に向かって高圧の水が吹き付けられ、雑草の根をすすぎ洗いして、水中に浮遊させて確実に除草することができる。
【0042】
また、圧力流体によって吹き飛ばされて水中に浮遊した株間Pの雑草は、ロータ40によって土中に埋め込まれる。さらに、畝間Wに発生した雑草も、噴射口体30の後方に位置するロータ40によって押しつぶされ、水田Sの底面Saに埋め込まれる。
【0043】
このように、上述の実施の形態の噴射口体30では、株間P及び畝間Wに発生した雑草を簡単な構造で確実に除去することができる。特に、二葉期までの雑草であれば着根力が弱いため、稲株Kに損傷を与えない程度の水圧であっても簡単に浮遊させることができる。
【0044】
なお、ここで、流路管21の連結部21a、水平部21b、各鉛直部21c、ホース体22と次第に内径が細くなっているので、内部を流れる水の流速が次第に速くなり、水圧の低下を防止して噴射口体30の吐出開口32から勢いよく水を噴射することができる。そのため、雑草の根を覆う土を十分に除去することが可能となる。さらに、圧送ポンプ13から供給される水の噴射圧を調整することで、水が稲株Kへ与える影響をさらに低減するができる。
【0045】
また、上述の実施の形態では、圧力流体として水を使用しているが、運動エネルギーが空気よりも大きいため除草効果が高くなる。
【0046】
さらに、上述の実施の形態では、ロータ40は、水田Sの底面Saに接触する多数のフィン42,…を外周に有し、畝間Wを回転しながら移動可能なほぼ円筒状の外形を呈している。これにより、ロータ40で雑草を確実に押し埋めると共に、稲株Kとロータ40とが接触することなく移動することができる。
【0047】
そして、上述の実施の形態では、車体2には、噴射口体30の噴射先を稲株根元列線Iに沿わせるように調整する位置調整機構であるホース支持体57を搭載している。これにより、底面Saの凹凸や車体2の蛇行が生じても、噴射口体30から噴射された高圧流体は稲株根元列線I近傍に向けて噴射できる。そのため、稲株根元列線I近傍に発生した雑草を除草でき、除草精度の低下を防止することができる。
【0048】
なお、上述の実施の形態では、流路管体20が4本の流路管22を有し、それぞれの先端部22bに噴射口体30が取り付けられているため、4本の流路管22,…の互いの間隔を畝間Wの大きさに合うように調整することで、複数の畝間W及び株間Pの除草作業を同時に行うことが可能となる。
【0049】
以上、この発明にかかる実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成は上述の実施の形態に限らない。この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等はこの発明に含まれる。
【0050】
上述の実施の形態では、圧力流体として高圧の水を使用したが、例えば空気であってもよい。
【0051】
この場合、圧送ポンプとしてコンプレッサを使用し、このコンプレッサと調圧用のリザーバタンクとを車体2に搭載する。そして、コンプレッサに供給する空気は大気から吸い込むため、無限に供給することができる。
【0052】
そして、上述の実施の形態では、流体加圧供給機構10、流路管体20、噴射口体30を、運転手が乗車して運転操作し、水田S内を走行可能な車体2に搭載しているが、これに限らない。
【0053】
例えば、流体加圧供給機構10等を作業者が操作ハンドルを持って押しながら移動させる、手押し車タイプの車体に搭載してもよい。この場合では、自走用の車体が入らない小規模の水田であっても容易に取り回しを行うことができる。
【0054】
さらに、上述の実施の形態では、流路管体20は先端部が4本に分岐する構成となっているが、先端が分岐していない複数の流路管体を、流体加圧供給機構10にそれぞれ接続してもよい。この場合では、流路管体の構造が簡易になり、より構造の簡易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る水田用除草装置を示す側面図である。
【図2】図1に示す水田用除草装置を示す平面図である。
【図3】図1に示す水田用除草装置の要部を示す斜視図である。
【図4】噴射口体を拡大して示す斜視図である。
【図5】ロータを拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0056】
1 水田用除草装置
2 車体
5 操向輪(車輪)
6 後輪(車輪)
10 流体加圧供給機構
20 流路管体
30 噴射口体
K 稲株
W 畝間
P 株間
I 稲株根元列線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
田植えされた水田の畝間を走行しながら圧力流体を噴射して除草する水田用除草装置であって、
前記畝間を走行可能な車輪を有する車体と、該車体に搭載されると共に前記圧力流体を供給する流体加圧供給機構と、該流体加圧供給機構に連通すると共に前記車体に支持される少なくとも一本の流路管体と、該流路管体の先端部であって稲株に接触しない位置に設けられて稲株根元列線に沿いながら、この稲株根元列線に向けて前記圧力流体を噴射する噴射口体と、該噴射口体の前記車体進行方向後方に位置すると共に前記畝間に配置され、接地抵抗により回転しながら噴射により飛ばされた雑草を押し埋めるロータとを備えたことを特徴とする水田用除草装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水田用除草装置において、
前記ロータは、前記水田の底面に接触する多数のフィンを外周に有し、前記畝間を回転しながら移動可能なほぼ円筒状の外形を呈することを特徴とする水田用除草装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の水田用除草装置において、
前記車体には、前記噴射口体の噴射先を前記稲株根元列線に沿わせるように調整する位置調整機構を搭載したことを特徴とする水田用除草装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−68776(P2010−68776A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241968(P2008−241968)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(505457569)株式会社石井農機 (3)
【Fターム(参考)】