説明

水管橋の架設方法

【課題】径間中央部に支保工を設けなくても、水管橋を容易に架設できるようにする。
【解決手段】 橋台3,3間に管体1を掛け渡したパイプビーム形式の水管橋の架設方法において、前記管体1の両端部に係止部11,11を設け、管体1の中央部の下面に受け部12を設けてその受け部12に押上部材10を宛がい、前記係止部11,11間を結ぶ引張部材13を前記押上部材10に係止して、その引張部材13を引っ張ることにより、前記押上部材10で前記受け部12を押し上げた状態で前記管体1を前記橋台3,3間に固定した後、前記引張部材13の引っ張り力を解放する。押上部材10は、引っ張り力の解放で前記受け部12から離脱し、その押上部材10が備える保持手段20により引張部材13から脱落しないように保持される。また、前記保持手段20が備える転動手段22により、押上部材10は、引張部材13に沿って橋台3に向かって移動し回収される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、橋梁形式で河川等を横断する水管橋の架設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道管等の各種管路が河川や道路等を横断する際に、その管路の管体を桁の主要部材とした水管橋が架設される場合がある。
【0003】
この水管橋は、特に支間長が長い場合において、トラス構造、アーチ構造等の各種桁に添架する場合もあるが、パイプ自体の断面を主要部材として、橋梁としての構造を保持するパイプビーム形式とする場合も多い。
【0004】
パイプビーム形式の水管橋では、一方の端部のみを固定支持する一端固定他端支持形式、あるいは、両端部をコンクリート防護による固定支持とした両端固定支持形式等が採用される(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
このパイプビーム形式の水管橋において、河川等を一径間で横断させる場合には、例えば、図7に示すように、クレーン等により吊り上げられて搬入された1本の連続する管体1が、径間の中央に配置された仮設の支保工5上に載置される。
【0006】
この状態で、図中右側に示す管体1の一端1aが、橋台3に設けた既設の管pに溶接等で接続され、図中左側に示す他端1bは、伸縮継手2等を介して別の既設の管p’に接続される(例えば、図8(a)に示す溶接部4参照)。なお、伸縮継手2側の支承部においては、管体1は、橋台3に対して支持部材7を介して固定されることもある。
【0007】
この架設の際、通常は、管体1の径間中央部を、支保工5に設けたジャッキ等でやや押し上げた状態にし、全体として上向き凸状にいわゆる「キャンバー」の付いた状態にしている。そして、その状態で、両端1a,1bへの管路の接続、及び、橋台3の支承部(前記支持部材7等)を固定するためのコンクリートの打設を行っている。約1ケ月後、コンクリートが完全に硬化した後、支保工5を除去してキャンバー用の押し上げ力を解放するのが一般的である。
【0008】
このようにするのは、管体1の自重及びその管内の水重を考慮し、コンクリートが硬化するまでの間、あるいは、支保工5を除去した際に、その自重や水重で、管体1の径間中央部が下向き凸状に垂れ下がり、支承部に過大な浮き上がり方向の力が作用するのを防ぐためである。
すなわち、支承部に浮き上がり力が生じると、既設の管p,p’との溶接部分において肌合わせ(表面の擦り合わせ)ができなかったり、あるいは、例えば、図8(b)に示すように、コンクリートが完全に硬化して所定の強度を発揮する前に浮き上がり力が作用することで、完成後の支承部及び溶接部が不安定な状態になってしまうからである。
【0009】
なお、管体1に「キャンバー」を付ける目的のものではないが、パイプビーム形式の水管橋の管体1の下部に、ケーブルによる補剛部材を設けることにより、管体1の断面強度を補強するようにしたものもある(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−90011号公報
【特許文献2】特開平6−213380号公報(第4頁、第4図)
【特許文献3】特開平7−259018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
図7に示すように、径間中央部に支保工5を設けることは、水管橋を施工する上で大きなネックになっている。
すなわち、支保工5は、その水管橋が横断しようとしている施設内、例えば、河川を横断する水管橋の場合は、その河川内に設ける必要がある。河川内への工作物の設置は、出水期以外でなければ許可されないため、その施工の時期が限定されてしまうという問題がある。
【0012】
また、一般に、支保工5は大がかりな施設となるため、工期やコストにも多大な影響を及ぼしている。このため、支保工5の設置は、出来る限り避けたいのが実情である。
【0013】
そこで、この発明は、径間中央部に支保工を設けなくても、水管橋を容易に架設できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、この発明は、対向する橋台間に管体を掛け渡したパイプビーム形式の水管橋の施工方法において、前記管体の管軸方向両端部に係止部を設け、前記管体の管軸方向中央部の下面に受け部を設けてその受け部に押上部材を宛がい、前記係止部間を結ぶ引張部材を前記押上部材に係止して、その引張部材を引っ張ることにより、前記押上部材で前記受け部を押し上げた状態で前記管体を前記橋台間に掛け渡してその管体の管軸方向両端を前記橋台に固定し、その後、前記引張部材の引っ張り力を解放することを特徴とする水管橋の架設方法を採用した。
【0015】
このようにすれば、径間中央部に支保工を設けなくても、管体の管軸方向中央部を押し上げて「キャンバー」を付けることができる。また、管体が橋台に対して固定された後は、その押し上げ力を容易に解放できる。また、このようにして水管橋を架設すれば、水管橋を架設した後、管体の自重及び管体内に通水した水等の重量により、キャンバーのついた状態の管体がほぼ水平状態に移行するように設定することもできる。
【0016】
このような押上部材や引張部材等により管体を上向き凸状にすることは、水管橋を架設する際に、管体が橋台に対して固定されるまでの仮設状態にある間(例えば、橋台のコンクリートが完全に硬化して所定の強度を発揮するまでの間)に限定して行われるものであり、これは、従来の支保工上におけるジャッキ等による押し上げに代わるものである。
このため、仮設状態ではなく、本設状態における管体の断面強度を補強することを目的とする、上記特許文献3に記載の補剛部材とは、その技術思想が全く異なるものである。
【0017】
この構成において、前記押上部材は、前記引張部材の引っ張り力を解放することにより前記受け部から離脱する構成を採用することができる。
管体が橋台に対して固定された後、押し上げ力は必要ないので押上部材は取り外してよい。このとき、引張部材の引っ張り力を解放することで、押上部材が自然に受け部から離脱して管体から外れるようにしておくと便利である。
【0018】
また、その押上部材が、保持手段を備えた構成とすることもできる。具体的には、前記押上部材が備える保持手段が、前記受け部から離脱した後の押上部材を、前記係止部間を結んだ状態に維持されている前記引張部材から脱落しないように保持されている構成である。このようにすれば、押上部材の回収が容易である。
【0019】
また、その保持手段が、転動手段を備えた構成とすることもできる。具体的には、前記押上部材が備える転動手段が、前記受け部から離脱した後の押上部材を、前記引張部材に沿って移動可能とした構成である。このようにすれば、押上部材の回収がさらに容易である。
【0020】
さらに、前記押上部材と、前記橋台の少なくとも一方の側との間に押上部材回収手段を掛け渡し、その押上部材回収手段を引くことにより、前記押上部材を前記管体の管軸方向中央部から管軸方向端部へ移動させることができる構成とすることができる。押上部材が引張部材に沿って移動可能であるから、押上部材回収手段を引くだけで容易に押上部材を移動させ、回収することができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明は、管体の管軸方向中央部に宛がった押上部材と、管軸方向両端部間を結ぶ引張部材とで、その管体の管軸方向中央部を押し上げるようにしたので、径間中央部に支保工を設けなくても、水管橋を容易に架設できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】一実施形態を示し、(a)は上向き凸状を維持した管体1を両橋台間に掛け渡した状態、(b)は管体を両橋台間に固定した後、押上部材による押し上げ力を解放した状態、(c)は押上部材を回収している状態、(d)は完成状態を示す各正面図
【図2】同実施形態の模式図を示し、(a)は上向き凸状を維持した管体1を両橋台間に搬入している状態、(b)は管体を両橋台の既設の管に溶接固定した状態、(c)は完成状態を示す各正面図
【図3】同実施形態の要部拡大正面図
【図4】同実施形態の要部拡大斜視図
【図5】押上部材の反転する状況を示し、(a)は正面図、(b)は側面図
【図6】他の実施形態を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は(b)のA−A断面における要部拡大図
【図7】従来例の正面図
【図8】従来例の正面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、この実施形態の水管橋の架設方法を示す全体図である。図2は、その模式図である。
【0024】
この水管橋は、図1(d)及び図2(c)の完成図に示すように、対向する橋台3,3間に、1本の連続する管体1を一径間で掛け渡したパイプビーム形式である。管体1は、図中右側に示す管軸方向の一端1aが橋台3に対して固定支持であり、また、図中左側の伸縮継手2を設けた他端1b側の支承部において、橋台3に対して支持部材7を介して管軸方向移動可能に固定された一端固定他端支持形式に類似したものである。
【0025】
この水管橋の架設方法について説明すると、まず、図2(a)に示すように、クレーン6により吊り上げられて搬入された管体1が、橋台3,3間に配置される。
【0026】
このとき、管体1は、その管軸方向中央部(径間中央部)が一端1a及び他端1bよりも押し上げられた状態となっており、全体として上向き凸状になっている。
【0027】
その詳細は、管体1の一端1aと他端1bに、係止部11がそれぞれ設けられている。また、管体1の管軸方向中央部の下面に、受け部12が設けられている。
その受け部12に、図4に示す押上部材10を宛がっている。押上部材10は、その上端に当たり部10aを有し、その当たり部10aが前記受け部12にぴったりと嵌るようになっている。この実施形態では、当たり部10aは断面コ字状に形成されている。
【0028】
また、押上部材10は、その下端に、回転自在の対の滑車23a,23bからなる回転装置23を備えている。その対の滑車23a,23bのうち、一方の滑車23aが、前記係止部11,11間を結ぶワイヤー(引張部材)13上に載置され、その滑車23aの溝23c内にワイヤー13が嵌る。これにより、押上部材10は、そのワイヤー13の伸びる方向に沿って転動可能である。
【0029】
ワイヤー13を、橋台3近くに設けた張力調整具14で図中の矢印aの方向へ引っ張ることにより、そのワイヤー13が滑車23aを通じて押上部材10を図中の矢印bの方向へ押し上げ、その状態が維持されるようになっている。押上部材10は、前記受け部12でもって管体1を必要な量だけ押し上げ、その結果、管体1は上向き凸状となる。図3は、その押上部材10と、管体1及びワイヤー13等との位置関係を示している。
【0030】
なお、この実施形態では、引張部材13としてワイヤー13を採用しているが、前記必要な押し上げ量に対応する所定の引張力を付与可能で、その引張力に耐え得る強度を有する限りにおいて、各種ケーブル、紐、軸部材等、他の素材からなる引張部材13を採用してもよい。また、張力調整具14として、レバーの回転により張力を調整可能なレバーブロック(登録商標)を採用しているが、引張部材13に引張力を付与する機能及びそれを解除する機能を有する他の手段からなる張力調整具14を採用することもできる。
【0031】
なお、この押し上げ量(一端1a及び他端1bに対する管軸方向中央部との高低差)は、水管橋の径間、用途、管体1の径、材質、厚さ、重量、剛性などによって、適宜決定される。
【0032】
この状態で、図2(b)に示すように、管体1は、一端1aが、橋台3に設けた既設の管pに溶接等で接続され、他端1bは、伸縮継手2等を介して別の既設の管p’に接続される。図1(a)は、その接続後の状態を示す。この状態においても、図中矢印aの引張力、矢印bの押し上げ力は維持されており、管体1は上向き凸状に維持されている。
【0033】
その後、管体1の他端1b側の橋台3において、及び、必要な場合には一端1a側の橋台3において、支承部の支持部材7等を固定するためのコンクリートの打設を行う。
【0034】
約1ケ月後、コンクリートが完全に硬化して所定の強度を発揮するようになった後、張力調整具14を緩めて、ワイヤー13の引っ張り力を解放する。
【0035】
ワイヤー13の引っ張り力を解放すると、そのワイヤー13の位置が下がるのに伴って、押上部材10は受け部12から離脱し、管体1から完全に離れた状態となる。押圧部材10は、受け部12から離脱すると、その自重により、図1(b)に矢印cで示すように、下向き状態に反転しようとする。
【0036】
このとき、図5に示すように、前記回転装置23が保持手段20として機能するようになっている。
すなわち、その保持手段20としての対の滑車23a,23bの外側が枠材25で囲まれているため、その対の滑車23a,23bの向かい合う溝23c,23cで挟まれた空間から、ワイヤー13が外れない。このため、押上部材10は、受け部12から離脱した後、係止部11,11間を結んだ状態に維持されているワイヤー13から脱落しないように保持される。
【0037】
図5(a)(b)において、鎖線で示す状態は、受け部12に宛がわれた状態の押圧部材10である。また、同図において、実線で示す状態は、受け部12から離脱した後、下向き状態に反転して下向きに吊り下げられた状態の押圧部材10である。
【0038】
この反転状態において、上方に位置することとなった滑車23bの溝23c内にワイヤー13が嵌る。これにより、前記回転装置23が転動手段22として機能するようになっている。
すなわち、押上部材10は、その転動手段22としての前記回転装置23によって、ワイヤー13の伸びる方向に沿って転動可能である。この転動可能状態においても、前記対の滑車23a,23bの向かい合う溝23c,23cで挟まれた空間から、ワイヤー13が外れないから、押圧部材10はワイヤー13から脱落しないようになっている。
【0039】
つぎに、図1(c)に矢印dで示すように、押圧部材10を回収する。その詳細を図3に示す。
【0040】
押上部材10の上下方向中程に対の係止部10b,10bが設けられている。また、両側の橋台3,3にも、それぞれ係止部24が設けられている。この係止部24は、管体1の一端1a及び他端1b側に設けられていればよく、例えば、一端1a及び他端1bの各側において、橋台3に直接設けてもよいし、あるいは、橋台3に対して間接的に設けてもよい。すなわち、橋台3付近の管体1や既設の管p,p’等に設けることは差し支えない。
【0041】
さらに、押上部材10の一方の係止部10bから、一方の橋台3の係止部24、他方の橋台3の係止部24を経由して、押上部材10の他方の係止部10bに至る環状の紐(押上部材回収手段)21が設けられている。紐21の素材は、例えば、ワイヤー、ロープ等を採用することができる。
【0042】
例えば、いずれかの橋台3付近において、紐21を引っ張ることにより、押上部材10は、転動手段22を介してワイヤー13上を転動し、管軸方向に沿って矢印dのように移動する。押上部材10が橋台3付近に近づけば、その押上部材10の回収が容易である。最後に、ワイヤー13や紐21等を回収し、水管橋の架設を終了する。
【0043】
なお、この押上部材10回収用の紐21は、上記のように環状に配置したものに限定されず、他の形態としてもよい。例えば、少なくとも一方の橋台3と押上部材10との間に紐21を掛け渡しておけば、橋台3側からその紐21を引くことにより、押上部材10を引き寄せて移動させることができる。また、径間の中央部付近で押上部材10の回収が可能な状況であれば、この機能は省略してもよい。また、紐21以外の押上部材回収手段21、例えば、軸状の鋼材等を採用してもよい。
【0044】
図6に他の実施形態を示す。この実施形態は、管軸方向に直交する方向に並ぶ複数の回転装置23を備えたものである。この実施形態では、3列の回転装置23を備えている。
【0045】
各回転装置23のうち、外側に位置する二つの回転装置23は、押上部材10を管体1に向かって押し上げる機能を発揮するものである。その各回転装置23の下方には、それぞれ対応する引張部材としてのワイヤー13が係止されている。
また、中央の回転装置23は、保持手段20及び転動手段22として機能するものである。図6に示す状態において、その中央の回転装置23の上部には、ワイヤー13が係止されている。この中央のワイヤー13は、前記引張部材に対応するものではなく、押上部材10の回収時にその押上部材10を移動させる機能を発揮するものである。
【0046】
外側に位置する二つの回転装置23にそれぞれ係止されたワイヤー13を、前記張力調整具14等を用いて引っ張れば、その両ワイヤー13が、その二つの回転装置23を通じて押上部材10を押上げ、管体1を上向き凸状にする。
また、両ワイヤー13の引っ張り力を解放すると、押上部材10は受け部12から離脱する。その後、押上部材10は下向きに反転するとともに、保持手段20及び転動手段22として機能する中央の回転装置23によって、中央のワイヤー13に吊り下げられた状態となる。
【0047】
この状態となれば、押上部材10は、転動手段22としての中央の回転装置23によって、中央のワイヤー13の伸びる方向に沿って転動可能であるから、前述の実施形態と同様、紐等からなる押圧部材回収手段21を設けることにより、その押上部材10の回収が容易である。
【0048】
この図6に示す実施形態では、保持手段20及び転動手段22として機能する回転装置23を中央に1列、押上部材10を管体1に向かって押し上げる機能を発揮するための回転装置23を左右各側に1列ずつ設け、その各回転装置23に対応するワイヤー13を係止させたが、例えば、押上部材10を管体1に向かって押し上げる機能を発揮するための回転装置23を、左右各側に2列ずつ、あるいはそれ以上の数量ずつ設けてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 管体
2 伸縮継手
3 橋台
4 溶接部
5 支保工
6 クレーン
7 支持部材
10 押上部材
10a 当たり部
10b,11,24 係止部
12 受け部
13 引張部材(ワイヤー)
14 張力調整具(レバーブロック)
20 保持手段
21 紐(押圧部材回収手段)
22 転動手段
23 回転装置
23a,23b 滑車
23c 溝
25 枠材
p,p’ 既設の管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する橋台(3,3)間に管体(1)を掛け渡したパイプビーム形式の水管橋の施工方法において、
前記管体(1)の管軸方向両端部に係止部(11,11)を設け、前記管体(1)の管軸方向中央部の下面に受け部(12)を設けてその受け部(12)に押上部材(10)を宛がい、前記係止部(11,11)間を結ぶ引張部材(13)を前記押上部材(10)に係止して、その引張部材(13)を引っ張ることにより、前記押上部材(10)で前記受け部(12)を押し上げた状態で前記管体(1)を前記橋台(3,3)間に掛け渡してその管体(1)の管軸方向両端を前記橋台(3,3)に固定し、その後、前記引張部材(13)の引っ張り力を解放することを特徴とする水管橋の架設方法。
【請求項2】
前記押上部材(10)は、前記引張部材(13)の引っ張り力を解放することにより前記受け部(12)から離脱することを特徴とする請求項1に記載の水管橋の架設方法。
【請求項3】
前記押上部材(10)は保持手段(20)を備え、その保持手段(20)により、前記押上部材(10)は、前記受け部(12)から離脱した後、前記係止部(11,11)間を結んだ状態に維持されている前記引張部材(13)から脱落しないように保持されていることを特徴とする請求項2に記載の水管橋の架設方法。
【請求項4】
前記保持手段(20)は転動手段(22)を備え、その転動手段(22)により、前記押上部材(10)は、前記受け部(12)から離脱した後、前記引張部材(13)に沿って移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の水管橋の架設方法。
【請求項5】
前記押上部材(10)と、前記橋台(3)の少なくとも一方の側との間に押上部材回収手段(21)を掛け渡し、その押上部材回収手段(21)を引くことにより、前記押上部材(10)を前記管体(1)の管軸方向中央部から管軸方向端部へ移動させることを特徴とする請求項4に記載の水管橋の架設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−159539(P2010−159539A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−578(P2009−578)
【出願日】平成21年1月6日(2009.1.6)
【出願人】(509338994)株式会社IHIインフラシステム (104)
【Fターム(参考)】