説明

水素酸素発生用電極板及びそれを製造するための製造方法

【課題】水素酸素発生用電極板及びそれを製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】水素酸素発生用電極板は、二酸化チタン、コバルト酸化物と、クロム酸化物と、ニッケル酸化物と、セラミックス触媒とを含むものであり、製造方法は粉末状の二酸化チタン、コバルト酸化物と、クロム酸化物と、ニッケル酸化物と、セラミックス触媒を均一にミキシングして高分散度のミキシング混合物を形成する段階と、前記ミキシング混合物を金型に投入した後、加圧してプレッシング成形物を形成する段階と、及び前記プレッシング成形物を真空焼成炉で塑性する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は水から水素酸素を効果的に発生させることができる水素酸素発生用電極板及びそれを製造するための製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水素酸素発生装置は水が電気分解されて得られる生成物である水素及び酸素を生産するための装置であって、その内部には水を電気分解して無公害エネルギー源である水素酸素混合ガスを発生する電極板が設けられる。この際、電極板によって発生される水素と酸素は2:1のモル比で発生され、−電極板表面に水素が、に生成され、+電極板表面に酸素が気泡状に生成される。この際、水を電気分解する電極板はステンレス鋼や、ステンレス鋼の表面に白金がコーティングされた構造を有する。
【0003】
このような電極板によって電気分解されて発生された水素と酸素は混合され混合ガス状になって燃焼が可能であり、燃焼時汚染物質が生成しないので、親環境的なエネルギー源として新しく浮き彫りになっている。
【0004】
しかし、前記とともにステンレスまたは白金がコーティングされたステンレスからなる電極板の場合、印加される電気エネルギーに比べて生成される水素酸素の量が少なく、これによって発生される水素酸素にプロパンガスのような補助燃料を混合して燃消させなければならなかった。したがって、経済性が低かった。
【0005】
また電気分解が進行される間に電極板の表面が徐徐に分解されてとけるので、数百時間が経過すると電極板を入れ替らなければならない問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記のような問題点を解決するために創出されたものであって、投入される電気エネルギーに比べ発生される水素酸素の量をふやすことによって、経済性が確保できる水素酸素発生用電極板及びそれを製造するための製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的は、多様な形態に具現することができ、多様な規格の水素酸素発生装置に適用することができる水素酸素発生用電極板及びその製造方法を提供するものである。
【0008】
本発明の他の目的は、長時間電気分解が進行されても分解されないようにすることによって、入れ替る必要性を排除することができる水素酸素発生用電極板及びそれを製造するための製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記のような目的を果たすために、本発明による水素酸素発生用電極板は、水を電気分解して水素及び酸素を発生するための水素酸素発生用電極板において、二酸化チタン(TiO2)と、コバルト酸化物(Co2O3)と、クロム酸化物(Cr2O3)と、ニッケル酸化物(NiO)と、炭素ナノチューブと、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)、セラミックス触媒を含み、前記二酸化チタン(TiO2)、コバルト酸化物(Co2O3)、クロム酸化物(Cr2O3)、ニッケル酸化物(NiO)、炭素ナノチューブ、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)、及びセラミックス触媒は粉末状になってプレッシングされ、固体状になった後、及び真空焼成炉で塑性されて具現されたことを特徴とする。
【0010】
本発明において、炭素(C)と、酸化モリブデン(MoO3)と、タンタル酸ナトリウム複合体(NaTaO3-La)と、ケイ素(Si)と、マンガン(Mn)と、酸化アルミニウム(Al2O3)から構成された群同士の中、選択されたいずれ一つ以上をさらに含む。
【0011】
本発明において、前記セラミックス触媒は、トルマリンまたはベーム石である。
【0012】
本発明において、前記二酸化チタン100重量部を基準とすると、前記コバルト酸化物は10〜400重量部であって、前記クロム酸化物は10〜400重量部であり、前記ニッケル酸化物は10〜400重量部であって、前記炭素ナノチューブは2〜40重量部であり、前記炭素は0.5〜40重量部であって、前記酸化モリブデンは10〜100重量部であり、前記ニッケルは10〜100重量部であって、前記タンタル酸ナトリウム複合体は10〜100重量部であり、前記ケイ素は2〜40重量部であって、前記マンガンは5〜50重量部であり、前記酸化アルミニウムは2.5〜60重量部であって、前記クロムは5〜50重量部であって、前記セラミック触媒は2〜100重量部である方が望ましい。
【0013】
前記のような目的を果たすために、本発明による水素酸素発生用電極板製造方法は、水を電気分解して水素及び酸素を発生するための水素酸素発生用電極板の製造方法において、粉末状の二酸化チタンと、コバルト酸化物と、クロム酸化物と、ニッケル酸化物と、炭素ナノチューブと、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)、セラミックス触媒を均一にミキシングして高分散度のミキシング混合物を形成する段階(S1)と、前記ミキシング混合物を金型に投入した後、加圧して固体状のプレッシング成形物を形成する段階(S2)と、前記プレッシング成形物を真空焼成炉で塑性する段階(S3)と、を含み、前記段階(S2)は、前記ミキシング混合物を500〜1500ton/cmの圧力でプレッシングし、前記プレッシング成形物を具現する段階であり、前記段階(S3)は、前記プレッシング成形物を500〜2000℃で20〜400分の範囲で塑性するが、前記塑性は酸素の流入が遮られた真空焼成炉で進行される段階であることを特徴とする。
【0014】
本発明において、前記段階(S1)において、炭素(C)と、酸化モリブデン(MoO3)と、タンタル酸ナトリウム複合体(NaTaO3-La)と、ケイ素(Si)と、マンガン(Mn)と、酸化アルミニウム(Al2O3)とから構成された群同士の中、選択されたいずれ一つ以上をさらに含む方が望ましい。
【0015】
本発明において、前記セラミックス触媒は、トルマリンまたはベーム石を粒径10〜60マイクロのサイズに粉碎して1000〜2000℃の温度で1時間以上加熱して塑性し、塑性された塑性物を再び粉碎して粒径が10〜60ナノメートルの粉末になることによって製造される。
【0016】
本発明において、前記二酸化チタン100重量部を基準とすると、前記コバルト酸化物は10〜400重量部であって、前記クロム酸化物は10〜400重量部であり、前記ニッケル酸化物は10〜400重量部であって、前記炭素ナノチューブは2〜40重量部であり、前記炭素は0.5〜40重量部であって、前記酸化モリブデンは10〜100重量部であり、前記ニッケルは10〜100重量部であって、前記タンタル酸ナトリウム複合体は10〜100重量部であり、前記ケイ素は2〜40重量部であって、前記マンガンは5〜50重量部であり、前記酸化アルミニウムは2.5〜60重量部であって、前記クロムは5〜50重量部であり、前記セラミック触媒は2〜100重量部である方が望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明による水素酸素発生用電極板及びそれを製造するための製造方法によると、投入される電気エネルギーに比べて発生される水素酸素の量が多くなることにより、プロパンガスのような補助燃料を混合せずに燃消させることができるので、経済性が確保できる。
【0018】
さらに、プレッシング及び塑性過程を通じて形態が規定され得るので、使用する用途及び用量によって多様な形態に具現することができるという作用、効果がある。
【0019】
また、本発明によって製造される電極板は、電気分解が進行される間に電極板の表面が分解されないことによって、既存の電極板に比べて数千時間が経っても入れ替らなくても良い。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明による水素酸素発生用電極板及びそれを製造するための製造方法を詳しく説明する。
【0021】
本発明による水素酸素発生用電極板は水を電気分解して水素及び酸素を発生し、この際投入される電気量に比べて発生される水素と酸素の発生量をふやすために次のような造成費を有する。
【0022】
すなわち、水素酸素発生用電極板は、二酸化チタン(TiO2)、コバルト酸化物(Co2O3)と、クロム酸化物(Cr2O3)と、ニッケル酸化物(NiO)と、セラミックス触媒を含む。この際、本発明の電極板は、炭素ナノチューブ(CNT)と、炭素(C)と、酸化モリブデン(MoO3)と、ニッケル(Ni)と、タンタル酸ナトリウム複合体(NaTaO3-La)、ケイ素(Si)と、マンガン(Mn)と、酸化アルミニウム(Al2O3)、クロム(Cr)とから構成された群同士の中、選択されたいずれ一つ以上をさらに含む方が望ましい。また、セラミックス触媒は、トルマリンまたはベーム石に具現される。
【0023】
本願の水素酸素発生用電極板は、粉末状の前記組成物同士を500〜1500ton/cmの圧力でプレッシングして500〜2000℃の温度で塑性変形させるすることによって具現される。
【0024】
前記組成物の造成費を二酸化チタン100重量部を基準として説明すると次のようである。この際、二酸化チタンの粒径は0.1〜100マイクロメーター(μm)の範囲である。
【0025】
コバルト酸化物の造成費は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、10〜400重量部、望ましくは20〜30重量部である。この際、コバルト酸化物の粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0026】
クロム酸化物の造成費は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、10〜400重量部であって、望ましくは20〜30重量部である。この際、クロム酸化物の粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0027】
ニッケル酸化物の造成費は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、10〜400重量部であって、望ましくは20〜30重量部である。この際、クロム酸化物の粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0028】
前記二酸化チタン、コバルト酸化物、クロム酸化物、ニッケル酸化物の総造成費は本願の電極板を100重量部とした時60〜80重量部である方が望ましい。
【0029】
炭素ナノチューブの造成費は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、2〜40重量部であって、望ましくは5〜20重量部である。この際、炭素ナノチューブの粒径は1〜60ナノメートル範囲である。仮に、炭素ナノチューブの造成費が2重量部以下の場合、伝導性が相対的に低い炭素によって製造される電極板表面の伝導度が減少され、40重量部以上場合、自体的に混合性が劣る炭素ナノチューブの分散効果を期待することができないし、製造される電極板の密度及び強度が弱くなる。
【0030】
また炭素ナノチューブは他の組成物粉末との分散力向上のために、1〜60ナノメートル大きさの粒度を有する方が適切であり、望ましくは20〜30ナノメートルの大きさが適切である。このように、本発明において用いられる炭素ナノチューブとしては、単一壁、多重壁、炭素ナノ纎維の中で少なくともいずれ一つを含んで選択される。
【0031】
炭素ナノチューブは、一つの炭素が異なる炭素原子と六角形の蜂巣状に結合され、チューブ状を成している物質であって、異方性が非常に大きく、単一壁、多重壁、束などの多様な構造を有し、チューブの直径がナノメートルの水準で極めて小さな領域の物質である。炭素ナノチューブは活性炭素や黒煙、ダイヤモンドのような他の炭素係物質とは異なり、電気伝導性が非常に優秀で電界放出特性が良好な特徴を有している。
【0032】
このような特徴は構造によって炭素の電子構造が異なるためであるが、すなわち電気伝導性が優秀な黒煙中の炭素はsp2の結合構造を有していて、絶縁体であるダイヤモンドはsp3の結合構造を有しているためである。炭素ナノチューブはバルクに比べて1000倍以上の高い表面積を有する多孔質状態を成すので、電気化学的装置に適用するにおいて、酸化還元反応のための表面積が極大化され総反応量を大きく上昇させる。
【0033】
炭素の組成比は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、0.5〜40重量部であり、望ましくは5〜20重量部である。この際、炭素の粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0034】
炭素は、炭素ナノチューブを他の組成物と結合させるための結合体として用いられる。すなわち、炭素は、それ自体で結合性が非常に小さい炭素ナノチューブを他の組成物粉末と結合させる目的で用いられるものである。
【0035】
酸化モリブデンの組成比は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、10〜100重量部であって、望ましくは30〜50重量部である。この際、酸化モリブデンの粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0036】
ニッケルの組成比は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、10〜100重量部であって、望ましくは15〜30重量部である。この際、ニッケルの粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0037】
タンタル酸ナトリウム複合体の組成比は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、10〜100重量部であって、望ましくは30〜50重量部である。この際、タンタル酸ナトリウム複合体の粒径は10〜60ナノメートル範囲である。このようなタンタル酸ナトリウム複合体は、製造される電極板において水素の発生量を大きくするためのものである。
【0038】
ケイ素の組成比は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、2〜40重量部であって、望ましくは5〜20重量部である。この際、ケイ素の粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0039】
マンガンの組成比は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、5〜50重量部であって、望ましくは10〜20重量部である。この際、マンガンの粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0040】
酸化アルミニウムの組成比は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、2.5〜60重量部であって、望ましくは15〜40重量部である。この際、酸化アルミニウムの粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0041】
クロムの組成比は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、5〜50重量部であって、望ましくは10〜20重量部である。この際、クロムの粒径は0.1〜100マイクロメーターの範囲である。
【0042】
セラミックス触媒の組成比は、二酸化チタン100重量部を基準とすると、2〜100重量部であって、望ましくは5〜30重量部である。この際、セラミックス触媒の粒径は10〜60ナノメートル(nm)範囲である。
【0043】
前記二酸化チタン、コバルト酸化物、クロム酸化物、ニッケル酸化物、セラミックス触媒、炭素ナノチューブと、炭素、酸化モリブデン、ニッケル、タンタル酸ナトリウム複合体、ケイ素、マンガン、酸化アルミニウムは粉末状になり、これら組成物同士の粉末らをプレッシングするとともに真空焼成炉で塑性変形させて、本願の水素酸素発生用電極板が製造されるものである。
【0044】
次、本発明の水素酸素発生用電極板製造方法を説明する。
【0045】
水素酸素発生用電極板を製造するために、先ず、粉末状の二酸化チタン、コバルト酸化物と、クロム酸化物と、ニッケル酸化物と、セラミックス触媒とを均一に高分散度にミキシングしてミキシング混合物を形成する段階(S1)を行う。
【0046】
この際、段階(S1)においてミキシングされるセラミックス触媒は、トルマリンまたはベーム石からなった群の中から選択されたいずれ一つ以上を粒径60〜100マイクロメーターのサイズに粉碎し、1000〜2000℃の温度で1時間以上、望ましくは1700℃の高温で24時間の間加熱して塑性変形させた後、このように塑性変形された成物を再び粉碎し、粒径が10〜60ナノメートルの粉末になることによって製造されるものである。
【0047】
また、ミキシング混合物を形成する段階(S1)において、粉末状の炭素ナノチューブと、炭素と、酸化モリブデンと、ニッケルと、タンタル酸ナトリウム複合体と、ケイ素と、マンガンと、酸化アルミニウム、クロムとから構成された群同士の中から選択されたいずれ一つ以上をさらに含むことができる。
【0048】
前記組成物たちは均一に高分散度に分散されなければならないし、これのために公知の超臨界流体方法や逆マイセル方法を利用する。
【0049】
次、ミックシング混物を金型に投入した後、500〜1500ton/cmの圧力でプレッシングしてプレッシング成形物を形成する段階(S2)を行う。プレッシング段階を通じて、粉末状の前記プレッシング成形物は堅い固体状に具現される。
【0050】
この際、金型には特定形態の成形溝を適用することによって、多様な形態の電極板を具現することができる。例えば、複雑な幾何学的形態、 端で突出されたり沒入される多数の溝が形成された形態などを具現することができる。
【0051】
次、プレッシング成形物を真空焼成炉で500〜2000℃で20〜400分の範囲で塑性変形させる段階(S3)を行う。この際、プレッシング成形物を成形するにおいて、酸素の流入を徹底的に遮断するために焼成炉は必ず真空焼成炉を使用しなければならない。仮に酸素が流入されると、塑性変形過程で酸化が起き製造される電極板の水素及び酸素生成効率を落とす。
【0052】
ここで、ニッケルやクロムのような金属は、塑性変形時に電極板を成す金属酸化物、非金属及び炭素係組成物を堅くする役目をする。したがって、塑性変形温度はニッケルやクロムの融点で進行されなければならない。
【0053】
このような塑性変形段階を通じて、前記組成物同士は堅い構成体で結合させる。
【0054】
ここで、前記セラミックス触媒は、水の電気分解を促進すると同時に、前記組成物同士のうち、金属物質がバルク状にならないようにする。すなわち、高温で塑性変形させる過程においても金属物質同士はセラミックス触媒同士によって相互縺れることがなくなり、これによってバルク状にならない。またセラミックス触媒は、製作される電極板に水を電気分解するための数多い電解空間を形成することによって、多量の水素ガスと酸素ガスが発生される。
【0055】
そして、セラミックス触媒は水の電気分解が進行されるうちにも消耗されないので、結果的に本発明の電極板の形態を維持するようにでき、これによって電極板の寿命を長持ちさせることができる。さらに、セラミックス触媒によって電解空間が大きくなるので触媒作用の活性度増加、高い化学的安全性などがあるものである。
【0056】
以下、本発明を実施例を通じてさらに具体的に説明する。これら実施例はただ本発明を例示するためのものであり、本発明の保護範囲がこれら実施例によって限られるものではない。
【0057】
<実施例>
先ず、粉末状の二酸化チタン、コバルト酸化物、クロム酸化物、ニッケル酸化物、セラミックス触媒、炭素ナノチューブと、炭素、酸化モリブデン、ニッケル、タンタル酸ナトリウム複合体、ケイ素、マンガン、酸化アルミニウムをミキサーを用いてミキシングすることによってミキシング混合物を形成する。この際、前記ミキシング混合物を形成するために、二酸化チタン100g、コバルト酸化物25g、クロム酸化物25g、ニッケル酸化物25g、セラミックス触媒20g、炭素ナノチューブ15g、炭素15g、酸化モリブデン40g、ニッケル25g、タンタル酸ナトリウム複合体40g、ケイ素20g、マンガン15g、酸化アルミニウム30g、クロム15gを混合した後、高分散度にミキシングしてミキシング混合物を作る。
【0058】
以後、ミキシング混合物を板材形態の溝が形成された金型に投入した後、2000ton/cmの圧力でプレッシングし、プレッシング成形物を形成する。そして、プレッシング成形物を真空焼成炉で890℃で400分間塑性変形させることによって、電極板を完成した。
【0059】
前記実施例によって製造された電極板の表面にはnm単位の多孔が形成されていて、また微細な山と谷が形成された構造になっている。すなわち、電極板にはnm単位の山と谷が高密度に形成されていて水との接触表面積が大きくなる。
【0060】
例えば、水が谷部分で酸化されて酸素を作る時、同時に水素イオンが生じ、水素イオンは山の頂上部分に集まられた後、触媒が水素イオンを還元する反応を促進して大量の水素酸素混合ガスを作るようになる。
【0061】
<比較例>
通常的に水を電気分解する電極板であってステンレス鋼からなる電極板を備え、相互比較したデータを記載した。
【表1】

【0062】
前記表で比較されたように本発明の実施例によって製造された電極板は、比較例で用いられた電極板に比べ、少ない投入エネルギーに比べて非常に多い水素及び酸素を発生することがわかる。
【0063】
本発明は一実施例を通じて説明されたが、これは例示的なものに過ぎなく、本技術分野の通常の知識を有する者なら、これにより多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるとの点が理解できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を電気分解して水素及び酸素を発生するための水素酸素発生用電極板において、
二酸化チタン(TiO2)と、コバルト酸化物(Co2O3)と、クロム酸化物(Cr2O3)と、ニッケル酸化物(NiO)と、炭素ナノチューブと、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)、セラミックス触媒とを含み、
前記二酸化チタン(TiO2)、コバルト酸化物(Co2O3)、クロム酸化物(Cr2O3)、ニッケル酸化物(NiO)、炭素ナノチューブ、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)、及びセラミックス触媒は粉末状になってプレッシングされ固体状になった後、及び真空焼成炉で塑性変形されて具現されたこととを特徴とする水素酸素発生用電極板。
【請求項2】
前記セラミックス触媒は、トルマリンまたはベーム石であることを特徴とする請求項1に記載の水素酸素発生用電極板。
【請求項3】
炭素(C)と、酸化モリブデン(MoO3)と、タンタル酸ナトリウム複合体(NaTaO3-La)と、ケイ素(Si)と、マンガン(Mn)と、酸化アルミニウム(Al2O3)から構成された群同士の中、選択されたいずれ一つ以上をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の水素酸素発生用電極板。
【請求項4】
前記二酸化チタン100重量部を基準とすると、
前記コバルト酸化物は10〜400重量部であって、前記クロム酸化物は10〜400重量部であり、前記ニッケル酸化物は10〜400重量部であって、前記炭素ナノチューブは2〜40重量部であり、前記炭素は0.5〜40重量部であって、前記酸化モリブデンは10〜100重量部であり、前記ニッケルは10〜100重量部であって、前記タンタル酸ナトリウム複合体は10〜100重量部であり、前記ケイ素は2〜40重量部であって、前記マンガンは5〜50重量部であり、前記酸化アルミニウムは2.5〜60重量部であって、前記クロムは5〜50重量部であり、前記セラミックス触媒は2〜100重量部であることを特徴とする請求項3に記載の水素酸素発生用電極板。
【請求項5】
水を電気分解して水素及び酸素を発生するための水素酸素発生用電極板の製造方法において、
粉末状の二酸化チタンと、コバルト酸化物と、クロム酸化物と、ニッケル酸化物と、炭素ナノチューブと、ニッケル(Ni)またはクロム(Cr)、セラミックス触媒を均一にミキシングして高分散度のミキシング混合物を形成する段階(S1)と、
前記ミキシング混合物を金型に投入した後、加圧して固体状のプレッシング成形物を形成する段階(S2)と、
前記プレッシング成形物を真空焼成炉で塑性変形させる段階(S3)とを含み、
前記段階(S2)は、前記ミキシング混合物を500〜1500ton/cm2の圧力でプレッシングして前記プレッシング成形物を具現する段階であり、
前記段階(S3)は、酸素の流入が遮られた真空焼成炉で、前記プレッシング成形物を500〜2000℃で20〜400分の範囲で塑性変形を進行させる段階であることを特徴とする水素酸素発生用電極板製造方法。
【請求項6】
前記セラミックス触媒は、
トルマリンまたはベーム石を粒径10〜60マイクロのサイズに粉碎して1000〜2000℃の温度で1時間以上加熱して塑性変形させ、塑性変形された塑性物を再び粉碎して粒径が10〜60ナノメートルの粉末になるようにすることによって製造されることを特徴とする請求項5に記載の水素酸素発生用電極板製造方法。
【請求項7】
前記段階(S1)において、
炭素(C)と、酸化モリブデン(MoO3)と、タンタル酸ナトリウム複合体(NaTaO3-La)と、ケイ素(Si)と、マンガン(Mn)と、酸化アルミニウム(Al2O3)とから構成された群同士の中、選択されたいずれ一つ以上をさらに含むことを特徴とする請求項5または6に記載の水素酸素発生用電極板製造方法。
【請求項8】
前記二酸化チタン100重量部を基準とすると、
前記コバルト酸化物は10〜400重量部であって、前記クロム酸化物は10〜400重量部であり、前記ニッケル酸化物は10〜400重量部であって、前記炭素ナノチューブは2〜40重量部であり、前記炭素は0.5〜40重量部であって、前記酸化モリブデンは10〜100重量部であり、前記ニッケルは10〜100重量部であって、前記タンタル酸ナトリウム複合体は10〜100重量部であり、前記ケイ素は2〜40重量部であって、前記マンガンは5〜50重量部であり、前記酸化アルミニウムは2.5〜60重量部であって、前記クロムは5〜50重量部であり、前記セラミックス触媒は2〜100重量部であることを特徴とする請求項7に記載の水素酸素発生用電極板製造方法。

【公開番号】特開2010−189763(P2010−189763A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26597(P2010−26597)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(509198859)
【Fターム(参考)】