説明

水質改善方法および水質改善装置

【課題】本発明は、水質改善方法および水質改善装置の提供を課題とする。
【解決手段】(i)樹脂またはゴム成分100重量部に対して、
(ii)無煙炭62.5%以上を含有する粒子径0.5mm以下の炭素源15〜60重量部、
(iii)ケイ砂80%以上を含有する粒子径0.5mm以下の二酸化ケイ素源35〜85重量部、および
(iv)平均繊維長6〜12μmのガラス繊維5〜15重量部を含有する、樹脂またはゴム組成物から形成された波動触媒と、水とを接触させる工程を包含する水質改善方法、ならびに、上記樹脂またはゴム組成物から形成された波動触媒を備える水質改善装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波動触媒を用いた水質改善方法および水質改善装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、活性酸素(Active Oxygen)は、生体(例えば、免疫、胸腺、自律神経、交感神経、副交感神経、ホルモンバランス、胃、肝臓、膵臓、小腸、大腸、心臓、腎臓、肺、血液循環、肩関節、頸椎神経、腰椎神経、皮膚、毛髪・毛、気管支・気管など)に悪影響を与え、老化および様々な疾患の原因となることが知られている。活性酸素が関与する疾患としては、例えば、循環器系疾患(例えば、心筋梗塞、不整脈、動脈硬化、血液攣縮、虚血再循環傷害、Se欠乏症など)、呼吸器系疾患(例えば、肺炎、感染症、肺線維症(例えば、制ガン剤副作用など)、ARDS、パラコート中毒、喫煙傷害、肺気腫、高酸素療法、インフルエンザなど)、脳神経系疾患(例えば、脳浮腫、脳梗塞、脳出血、てんかん、脳欠陥攣縮、パーキンソン病、自律神経傷害(Reilly現象)、遅発性神経傷害、脊髄損傷、神経原性肺浮腫など)、消化器系疾患(例えば、急性胃粘膜傷害、胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、ペーチュット病、肺炎、肝硬変、薬物性肝障害、肝移植病態、各種の黄疸病態、膵炎など)、血液系疾患[例えば、白血球系疾患(例えば、慢性肉芽腫症、白血病、AIDS、敗血症など)、赤血球系疾患(例えば、異常ヘモグロビン症(例えば、メトヘモグロビン、サラセミア、鎌状赤血球など)、ヘモクロマトーシス、プリマキン過敏症、夜間発作性血色素尿症、薬物性貧血、アカタラセミアなど)、αI-酸性蛋白の傷害、高血圧、高脂血症、高グリセリド血症、高コレステロール血症、DIC、血小板異常症、出血性ショックなど]、内分泌系疾患(例えば、糖尿病、副腎代謝障害、ストレス反応など)、泌尿器系疾患(例えば、糸球体腎炎、溶血性腎障害、薬物性腎障害、制ガン剤の副作用、ファンコニー症候群など)、皮膚疾患(例えば、火傷、日光皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚漬瘍、ハイパーメラノーシスなど)、指示組織系疾患(例えば、関節リウマチ、自己免疫疾患、膠原病など)、眼科疾患(例えば、未熟児網膜症、網膜変症、白内障、角膜腫瘍など)、腫症疾患(例えば、癌、喫煙による発癌、化学発癌と癌化学療法、放射線障害と放射線療法など)、医原性疾患(例えば、薬物傷害、制癌剤の副作用(例えば、白血球減少症、プレオマイシン肺線維症、アドリアマイシン心筋症、シスプラチン腎傷害など)、光線療法(例えば、光増感剤など)、IVH(例えば、セレン欠乏など)、高酸素療法など)、環境汚染性疾患(例えば、重金属傷害、水俣病、シリコーシス、喘息、排気ガス性肺傷害、水汚染による各種中毒など)、アレルギー、骨粗鬆症、手術侵襲、アラキドン酸代謝病態、食中毒、壊血病、ストレス、心配・不安などが知られている。
【0003】
活性酸素を抑制する方法としては、ビタミン類、カロチン類、カテキン類、ポリフェノール類などの抗酸化剤(抗酸化作用を有する薬剤もしくは物質)の摂取などが知られているが、抗酸化剤の摂取よりも簡便かつ経済的な活性酸素の抑制方法は知られていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、活性酸素による生体への悪影響を水質改善によって抑制することを目的とする。従って、本発明は、水質改善方法および水質改善装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、炭素源、二酸化ケイ素源およびガラス繊維を含む樹脂またはゴム組成物から形成された波動触媒と水とを接触させることによって、水質が改善され、還元作用、抗酸化作用および/または活性酸素除去作用を有する機能水が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。従って、本発明は以下を提供する。
【0006】
(i)樹脂またはゴム成分100重量部に対して、
(ii)無煙炭62.5%以上を含有する粒子径0.5mm以下の炭素源15〜60重量部、
(iii)ケイ砂80%以上を含有する粒子径0.5mm以下の二酸化ケイ素源35〜85重量部、および
(iv)平均繊維長6〜12μmのガラス繊維5〜15重量部を含有する、樹脂またはゴム組成物から形成された波動触媒と、水とを接触させる工程を包含する水質改善方法。
【0007】
前記組成物がさらに、樹脂またはゴム成分100重量部に対して、粒子径0.2mm以下のタングステン粉末5〜15重量部を含有する、上記水質改善方法。
【0008】
殺菌工程、水循環工程、貯蔵工程およびろ過工程からなる群から選択される少なくとも1つの工程をさらに包含する、上記水質改善方法。
【0009】
貯蔵工程での圧力が3Mpa〜10Mpaである、上記水質改善方法。
【0010】
(i)樹脂またはゴム成分100重量部に対して、
(ii)無煙炭62.5%以上を含有する粒子径0.5mm以下の炭素源15〜60重量部、
(iii)ケイ砂80%以上を含有する粒子径0.5mm以下の二酸化ケイ素源35〜85重量部、および
(iv)平均繊維長6〜12μmのガラス繊維5〜15重量部を含有する、樹脂またはゴム組成物から形成された波動触媒を備える水質改善装置。
【0011】
前記組成物がさらに、樹脂またはゴム成分100重量部に対して、粒子径0.2mm以下のタングステン粉末5〜15重量部を含有する、上記水質改善装置。
【0012】
殺菌手段、水循環手段、貯蔵手段およびろ過手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段をさらに備える、上記水質改善装置。
【0013】
貯蔵手段での圧力が3Mpa〜10Mpaである、上記水質改善装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明によって、水質改善方法および水質改善装置を提供することができる。本発明の方法および装置によって、大量に水の性質を改善することができ、還元作用、抗酸化作用および/または活性酸素除去作用を有する機能水を簡便かつ経済的に提供することができる。水質が改善されることによって、生体内での活性酸素による悪影響を容易に抑制することができる。従って、本発明は、活性酸素が関与する疾患の予防および/または治療に有効である。
【0015】
さらに、本発明の水質改善方法および水質改善装置は、家庭(飲料水、調理、風呂など)、飲食店、食品加工分野、畜養および養殖分野などに有用である。
【0016】
本発明の方法または装置で処理した水を使用して魚を養殖した場合、稚魚飼育における死亡率が著しく低下し、魚の新陳代謝が活性化し、毒物、余剰脂肪の排泄、発汗が行われ、魚をストレスが無い状態で飼育することができ、飼育後、魚体、ヒレなどに噛み傷がなく、天然と同様の個体を得ることができる。
【0017】
また、魚介類の養殖で頻繁に見られるハイパーメラノーシスを予防および/または治療することができ、魚介類の養殖における汚染物質の蓄積を予防および/または防止することができる。
【0018】
また、保管運搬が難しい魚類(例えば、酸素消費量の多い魚類など)、甲殻類(例えば、エビ(スジエビ、ボタンエビなどの弱いエビ類を含む)、カニなど)、イカ(輸送中にスミを吐かない可能性が上昇する)、アワビ、イワガキ、サザエなどの高級貝類を生きたままで容易に保管および運搬することが可能となる。さらに、活魚水槽車両による運搬は不要となり、パック詰めで保冷車での輸送が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の水質改善方法および水質改善装置を以下に詳細に説明する。
【0020】
本発明の水質改善方法および水質改善装置において、波動触媒と水とを接触させる工程によって水質を改善することができる。
【0021】
本発明で使用する波動触媒は、
(i)樹脂またはゴム成分100重量部に対して、
(ii)無煙炭62.5%以上を含有する粒子径0.5mm以下の炭素源15〜60重量部、
(iii)ケイ砂80%以上を含有する粒子径0.5mm以下の二酸化ケイ素源35〜85重量部、および
(iv)平均繊維長6〜12μmのガラス繊維5〜15重量部を含有する、樹脂またはゴム組成物から形成される。
【0022】
波動触媒は、例えば、(a)上記樹脂またはゴム組成物を調製する行程、(b)該組成物を加熱加圧成形する工程、および(c)該成型物を熟成する工程を包含する方法によって製造することができる。
【0023】
本発明に用いられる樹脂またはゴム組成物は、樹脂またはゴム成分、炭素源、二酸化ケイ素源およびガラス繊維を含有する。
【0024】
本発明に用いられる樹脂またはゴム成分としては、水道水中の塩素、海水中の塩に含まれるナトリウム等のイオン化傾向の高い反応物質、酸化およびアルカリ腐食に耐え得る素材であれば特に限定されないが、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂、または天然ゴムや、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴム等が挙げられる。上記樹脂成分の具体例としては、フード(株)製のフェノール樹脂F−2410(商品名)、三井東圧化学(株)製のエスターH8100、H6650PC、R−3115B(商品名)等で市販されているものが挙げられ、上記ゴム成分の具体例としては、(株)日本ゼオン製のエピクロルヒドリンCHR(商品名)(ニトリルゴム)等で市販されているものが挙げられる。
【0025】
本発明に用いられる炭素源としては、それらに限定されないが、ダイヤモンド、グラファイト等の炭素の単体;無煙炭、瀝青炭等の石炭;石灰石、苦灰石等の金属の炭酸塩等;およびそれらの混合物が挙げられる。また、本発明に用いられる炭素源は、炭素含有量90%以上の無煙炭を炭素源全体の62.5%以上、好ましくは75〜80%含有することが必要である。無煙炭が62.5%未満では、常低温下(20℃〜5℃)で遠赤外線領域の波長放射量が不足するため好ましくない。更に、上記炭素源の粒子径は、0.5mm以下、好ましくは0.2mm以下である。上記炭素源の粒子径が0.5mmを越えると、表面積が小さくなり、炭素源の効果が低下する。上記炭素源の配合量は、樹脂またはゴム成分100重量部に対して、15〜60重量部、好ましくは30〜41重量部である。配合量が15重量部より少ないと、炭素源の効果が十分に発揮されないため好ましくない。60重量部を越えると、加熱成形時の樹脂またはゴム組成物の溶融粘度が高くなって成形性が低下し、更に効果が向上することはない。
【0026】
本発明に用いられる二酸化ケイ素源としては、例えば、石英、輪形石、クリストバル石、コーサイト、ステイショフ石、無定形シリカ、ケイ砂等、およびそれらの混合物などが挙げられる。また、本発明に用いられる二酸化ケイ素源は、ケイ砂を、二酸化ケイ素源全体の80%以上、好ましくは90〜95%含有することが必要である。ケイ砂が80%未満では、泥砂、酸化鉄などの不純物が多くなり好ましくない。更に、上記二酸化ケイ素源の粒子径は、0.5mm以下、好ましくは0.3〜0.1mmである。上記二酸化ケイ素源の粒子径が0.5mmを越えると、表面積が小さくなり、二酸化ケイ素源の効果が低下する。上記二酸化ケイ素源の配合量は、樹脂またはゴム成分100重量部に対して、35〜85重量部、好ましくは60〜81重量部である。配合量が35重量部より少ないと、二酸化ケイ素源の効果が十分に発揮されないため好ましくない。85重量部を越えると、加熱成形時の樹脂またはゴム組成物の溶融粘度が高くなって成形性が低下し、更に効果が向上することはない。
【0027】
本発明に用いられるガラス繊維としては、通常、ガラス繊維強化プラスチック等に用いられるものを用いることができる。上記ガラス繊維は、繊維径1〜1.5μm、好ましくは1〜1.5μmおよび平均繊維長6〜12μm、好ましくは6〜8μmを有する。上記ガラス繊維の配合量は、樹脂またはゴム成分100重量部に対して、5〜15重量部、好ましくは10〜12重量部である。配合量が5重量部より少ないと、得られた成形物の強度が不十分であり、製造工程や使用時に欠けや割れを生じて好ましくなく、15重量部を越えると樹脂またはゴム含有率が小さくなり成形性が低下する。
【0028】
更に、別の態様として、上記配合物に加えてタングステン粉末を含有する樹脂またはゴム組成物がある。上記組成物に用いられるタングステン粉末には、純度80%以上の通常の工業用に市販されているものが挙げられる。本発明の組成物に用いられるタングステン粉末の粒子径は、0.2mm以下、好ましくは0.1mm以下である。上記タングステン粉末の粒子径が0.2mmを越えると、表面積が小さくなり、タングステン粉末の効果が低下する。上記タングステン粉末の配合量は、樹脂またはゴム成分100重量部に対して、5〜15重量部、好ましくは7〜12重量部である。配合量が5重量部より少ないと、処理対象水の水温が上昇し、反応速度を高める際の遠赤外線波長放射量が不足する等の問題が生じる可能性があり、配合量が15重量部を越えると、二酸化ケイ素源を配合する際、比重差による分離等の問題が生じる可能性がある。
【0029】
工程(a):樹脂またはゴム組成物の調製
上記の配合物を、樹脂組成物等の混合に通常に用いられる混合機を用いて、混合して、上記樹脂またはゴム組成物を調製する。均一に混合するために、比重差を考慮して、樹脂またはゴム成分以外の配合物を先に混合し、次いで、そこへ樹脂またはゴム成分を加えて混合してもよい。更に、上記の粉末やガラス繊維等の樹脂またはゴム成分中への分散性を向上するために、ロール機等の通常に用いられる混練機により混練してもよい。
【0030】
工程(b):加熱加圧成形工程および工程(c):熟成工程
次いで、上記の組成物は、例えば、図1に示すような金型内で、130〜250℃、70〜200kgf/cmで20〜40分間加熱プレスし、球状に成形し、室温まで放置冷却する。上記プレス条件は、樹脂成分を用いる場合、200〜250℃、70〜90kgf/cmで30〜40分間、ゴム成分を用いる場合、通常ゴムの成形に用いられる圧力下で、130〜150℃で20〜30分間である。図1は、本発明の波動触媒の製造方法に用いられる金型の1つの態様の概略断面図であり、上金型(2)と下金型(3)から成る。要すれば、上記のように得られた成形物(1)約6,000個を、例えば、容量30リットルのボールミルに投入し、粉砕媒体を用いずに回転数8〜10rpmで1〜1.5時間バリ取りを行って、直径8.9〜9mmを有する球状成形物を作製する。この成形物を、室温で自然通気しながら暗所で3〜4週間静置し、水洗し、太陽光により2〜3日間乾燥し、波動触媒を作製する。波動触媒を収容することのできる容器、例えば、図2に示すような容器(5)に波動触媒(4)を処理水の容量に応じて必要量充填して、水質改善装置を作製する。なお、容器は、図に示すような容器に限定されず、波動触媒を収容することができ、開口部以外から水が漏れないものであれば、その形状および材質に特に限定はない。
【0031】
図2は、本発明の水質改善装置の1つの実施形態の概略断面図である(図2に示す水質改善装置を通過型の装置と呼び、このような通過型の水質改善装置をカートリッジ式の波動触媒フィルターと呼ぶ場合もある)。図2を参照して、本発明の水質改善装置の一つの実施形態を詳細に説明する。
【0032】
波動触媒(4)は、例えば、容器(5)に収容することができ、容器(5)の蓋部材(6)はスリーブ(7)を有していてもよく、蓋部材(6)と容器(5)は、パッキン(10)を介して締結具(9)で接続されている。容器(5)は、波動触媒(4)の流出防止のため、ストッパー(8および8’)を備えていてもよい。また、通過型水質改善装置の別の実施形態(カートリッジ式の波動触媒フィルター、図3参照)として、容器(5)の他端は、スリーブ(7’)を有していてもよい蓋部材(6’)、パッキン(10’)および締結具(9’)を備えていてもよい。
【0033】
容器(5)、容器(5)の蓋部材(6および6’)(スリーブ(7および7’)を含む)は、望ましくは、金属製および樹脂製であり、金属製材料としては、特に限定はなく、例えば、JAS規格のステンレス、アルミおよび合金(例えば、アルミ合金、アルミ以外の金属の合金)、メッキ加工を施した金属材料などが挙げられ、樹脂製材料としては、特に限定はなく、例えば、フッ素系樹脂、炭素樹脂等が挙げられる。
【0034】
容器(5)の形状は、波動触媒を収容することができれば特に限定はないが、両端に開口を有する円筒状の形状が流水時の管内滞留や、耐圧性の観点から好ましい。容器(5)は、端部にフランジ部分(複数)を有していてもよく、該フランジ部分は締結具(9または9’)が貫通するように複数の孔を有していてもよい。フランジ部分の形状に特に限定はない。
【0035】
蓋部材(6および6’)の形状は、望ましくは、容器(5)のフランジ部分と同形状であれば特に問題はなく、容器(5)のフランジ部分と位置を合わせて作製した同様の孔を有していてもよい。
【0036】
スリーブ(7および7’)の形状には、特に限定はなく、例えば、水道システムで通常使用され得る当該分野で公知のパイプ(14)および/またはジョイント(15)との結合または嵌合の容易性から、円筒形が好ましい(図3参照)。スリーブ(7および7’)の内側/外側は接続のためにネジ切りされていてもよい。スリーブ開口部の大きさは、特に限定されないが、波動触媒が通過できない大きさに調整することが望ましい。
【0037】
パイプ(14)およびジョイント(15)の材料、形状および大きさには特に限定されないが、パイプ(14)およびジョイント(15)は合理的に簡便に接続することが好ましい。なお、パイプ(14)はフレキシブルパイプであってもよい。また、ジョイント(15)は、2以上に分枝していてもよい。さらに、パイプ(14)およびジョイント(15)は、それぞれ、内側/外側にねじ切りされていてもよい。
【0038】
ストッパー(8および8’)(図3に示すストッパー8と同様のストッパーを図3の波動触媒フィルターの他端に設置してもよい)を形成する材料は、特に限定はなく、例えば、水道水中の塩素、海水中の塩に含まれるナトリウム等のイオン化傾向の高い反応性物質、酸化およびアルカリ腐食に耐え得る素材であれば特に限定されないが、JIS規格ステンレス製および樹脂製(例えば、フッ素樹脂など)が好ましい。
【0039】
ストッパー(8および8’)の形状は、波動触媒の流出を防止し、水を透過することができる形状であれば特に限定はない。
【0040】
締結具(9および9’)としては、容器と、容器の蓋部材とを締結することができれば特に問題はなく、例えば、ステンレス製のボルトおよびナットに任意のワッシャーを組み合わせた締結具などを使用することができる。締結具の材料としては、ステンレスなどの腐食に強靭な材料が好ましい。
【0041】
パッキン(10または10’)は、容器(5)と、容器(5)の蓋部材(6または6’)との間に存在し、容器(5)のフランジ部分および蓋部材(6または6’)と同じ大きさおよび形状を有していることが好ましく、望ましくは、容器(5)の開口部と同じ形状および同じ大きさ(すなわち、容器(5)の内径と同じ大きさ)の開孔を有し、例えば、ゴム、コルクなどの密着性が高い弾性材料から作製することができる。また、パッキン(10および10’)は、容器(5)のフランジ部分および蓋部材(6および6’)が有していてもよい複数の孔と位置を合わせて作製した孔を同様に有していてもよい。
【0042】
本発明の波動触媒は、図2および図3に示す実施形態のように、カートリッジ式が取り扱いの簡便性のため好ましく、既存の水道ラインに容易に設置することができる。
【0043】
水質改善装置に水を通し、波動触媒と水とを接触させる工程により、容易に、かつ低コストで水質を改善することが可能である。尚、本発明の波動触媒の形状は、表面積の点から球状であることが好ましいが、板状や不規則形状であってもよい。
【0044】
本発明で使用する波動触媒は、赤外線から可視光の高波長(1000μm〜0.7μm、好ましくは1000μm〜2.5μm、より好ましくは600μm〜3μm)を放出することができる。波動触媒から放出された波長を水分子に波動として吸収させることによって、水分子の電子間で共鳴が生じ、水分子が電気的に変化し、水分子の活性が高まり、水分子が還元作用を有するようになる。このように水質改善された水は、機能水として作用し、活性酸素を捕捉することができる。なお、このように水質改善された水は、アルカリイオン水、還元水とは性質および機能が全く異なる。
【0045】
本発明の水質改善装置に適用可能な水としては、特に制限はないが、例えば、水道水、井戸水、地下水、湧き水、天然海水、人工海水等が挙げられる。
【0046】
本発明の水質改善装置は、さらに、殺菌手段、水循環手段、貯蔵手段およびろ過手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段を備えていてもよい。従って、当該水質改善方法は、殺菌工程、水循環工程、貯蔵工程およびろ過工程からなる群から選択される少なくとも1つの工程をさらに包含していてもよい。特に、水循環手段および貯蔵手段を利用することによって、水と波動触媒とを繰り返し接触させることができ、水分子をさらに活性化することができる。
【0047】
本発明の水質改善装置が備えていてもよい殺菌手段としては、不用意に水および/または装置に混入した細菌、真菌、植物性プランクトンなどを除去することができるものであれば特に限定はなく、殺菌手段としては、例えば、殺菌灯およびUVランプ(流水経路内で水に光を照射することができるものであれば特に限定はない)、加熱装置(例えば、ボイラー等)および銀による抗菌および/または殺菌等が挙げられる。また、複数の殺菌手段を併用してもよい。
【0048】
殺菌手段の設置位置は、特に限定されず、流水ラインの一部、循環ラインの一部、貯蔵手段の内部、出口の手前などに設置することが好ましい。
【0049】
殺菌手段による殺菌工程によって、無菌状態の処理水を提供することができ、例えば、風呂などに使用した場合、皮膚系疾患の浴内感染の防止、また、飲料水として飲用する場合、無菌状態で処理水を提供することができる等の利点が得られる。
【0050】
また、本発明の水質改善装置は、水の還元電位、周波数、界面活性力等の機能効果を安定させる等の観点から、水循環手段を備えていてもよく、水循環手段としては、例えば、ポンプ(例えば、循環ポンプ、株式会社川本製作所製の(水中ポンプ)WUP3型強化樹脂製水中ポンプ等の排水型水中ポンプ、株式会社川本製作所製の(加圧ポンプ)NFD型給水補助加圧ポンプ等の家庭家屋用ポンプ、エレポン化工機株式会社製のSLシリーズポンプ(ケミカルポンプ)等が挙げられるが、これらに限定されない。また、複数の水循環手段を併用してもよい。水循環手段は、本発明の水質改善装置の任意の箇所に設置して装置内で水を循環することができる。
【0051】
水循環手段による水循環工程において装置内(好ましくは波動触媒と水循環手段との間)で水を循環させることによって、波動触媒と水との接触回数を増やすことができ、水の還元電位、周波数、界面活性力等の機能効果を安定させる等の利点が得られる。
【0052】
水循環手段の循環流量は、特に限定されず、例えば、循環対象水量が100L(リットル)の場合、例えば、循環流量は、20〜100L/分、好ましくは70L/分であり、大量に水を処理することができる。
【0053】
水循環手段および水循環工程において、循環時間は、循環対象水量が100L(リットル)であり、水温が約15℃度(常温)の場合、30分〜90分間、好ましくは45分〜60分間である。循環時間が30分未満であると、触媒に接触する時間(反応時間)が不足し、還元電位、周波数、界面活性力および/または波動数値が不安定になるなどの問題の恐れがあり、循環時間が90分を超過しても、それ以上の水質改善効果は得られない。また、循環時間が約720分間を超過すると、水自体の組成が崩れ、機能水としての効果が低下する等の問題の恐れがある。
【0054】
また、本発明の水質改善装置は、水道水などの屋内配管および常圧配管に設置する場合、このような解放空間での循環は不可能であることから、貯蔵手段を備えていてもよく、貯蔵手段としては、例えば、タンク(例えば、ユニコントロールズ株式会社製のチタン製加圧タンク/加圧容器シリーズ、扶桑精機株式会社製のステンレス加圧タンク等)、飼育水槽などが挙げられるが、これらに限定されない。また、複数の貯蔵手段を併用してもよい。
【0055】
貯蔵手段の容量は、特に限定されないが、通常20L〜25t、より好ましくは1t〜10tである。貯蔵手段の容量が20L未満であると、装置として貯水用各種タンクを設置する必要性がない等の問題の恐れがあり、貯蔵手段の容量が25tを超過すると、ポンプ循環の際、タンク内に停滞水域が発生し、ポンプおよび触媒等が膨大となり、コスト面で負担が大きくなる等の問題の恐れがある。
【0056】
貯蔵手段の設置位置は特に限定されないが、水循環手段の吐出量を考慮して設置することが好ましい。
【0057】
貯蔵手段による貯蔵工程はさらに上記水循環手段による加圧工程を含んでいてもよく、貯蔵手段および貯蔵工程における圧力は、3〜10Mpa、好ましくは3〜7Mpa、より好ましくは3.5〜7Mpaである。加圧工程における圧力が3Mpa未満であると、処理水の取り出し時に圧力不足で、取り出しに時間がかかる等の問題の恐れがあり、加圧工程における圧力が10Mpaを超過すると、貯蔵手段および配管などの装置全体に負担が掛かり、脱気の際、爆発音が発生したりする等の問題の恐れがある。なお、本発明の水質改善装置は、系内の圧力を測定するために圧力計を備えていてもよい。
【0058】
貯蔵手段による貯蔵工程は、さらに、滞留工程を包含していてもよい。貯蔵手段での滞留時間は、12時間〜72時間、好ましくは12時間〜48時間、より好ましくは12時間〜24時間である。滞留時間が12時間未満であると、完全な水の改質が行われない等の問題の恐れがあり、滞留時間が72時間を超過すると、雑菌の繁殖等の問題の恐れがある。
【0059】
貯蔵手段を用いる貯蔵工程によって、処理水の確保および保管が容易になるなどの利点が得られる。
【0060】
また、本発明の水質改善装置は、衛生上の観点および装置内部にゴミ等を混入させないなどの観点から、ろ過手段を備えていてもよく、ろ過手段としては、例えば、従来公知のセラミックフィルター、炭素フィルター、塩素除去フィルター、ろ過材、ウールまたはナイロン等の繊維フィルター等が挙げられるが、これらに限定されない。複数のろ過手段を併用してもよい。また、ろ過手段は、カートリッジ式および/または脱着式であることが特に好ましい。
【0061】
セラミックフィルターとしては、例えば、直径約40μmの微細気孔を有するセラミックフィルター等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
炭素フィルターとしては、例えば、活性炭、木質炭、炭素を繊維に付着させたメッシュ状の炭素フィルター等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0063】
塩素除去フィルターとしては、例えば、活性炭、木質炭、炭素を繊維に付着させたメッシュ状の塩素除去フィルター等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
ろ過材としては、例えば、珊瑚、花崗岩および雲母などの鉱物、好機性菌繁殖用のセラミックス等が挙げられるが、これらに限定されない。ミネラル分を補給する等の観点から、珊瑚、複数の鉱物を含む天然素材のろ過材をウールまたはナイロンなどの繊維フィルターと組み合わせて使用してもよい。珊瑚および鉱物等の天然素材は、酸化傾向に偏ったpHを還元できる素材、容易に泥化しない素材であれば特に限定はなく、繊維フィルターは、既存の製品、例えば、株式会社アズワン製の繊維マイクロメッシュフィルター等、浮遊性のゴミを除去できるものであれば特に限定はない。
【0065】
ろ過手段は、本発明の水質改善装置において、未処理水の入口側にゴミ除去に作用するフィルター(ろ過材、マイクロメッシュフィルターなど)、水道水等塩素を含む水質に関しては塩素除去フィルター、炭素フィルター等を設置し、処理水の出口側に細菌および真菌等を除去する目的でセラミックフィルター、マイクロメッシュフィルターを設置することが好ましい。また、ろ過手段は循環経路内に設置することも可能である。
【0066】
ろ過手段によるろ過工程によって、ゴミ除去、塩素除去、細菌および真菌除去、pH調節、ミネラルの付加等の利点が得られる。
【0067】
本発明の水質改善装置は、処理水を取り出すために、例えば、蛇口(定流量弁を供えていてもよい)等を備えていてもよく、容易に処理水を流出および取り出すことができる。
【0068】
さらに、本発明の水質改善装置は、上記水循環手段および/または殺菌手段を電気的に制御するためのコントロールユニットをさらに備えていてもよい。コントロールユニットは、各種スイッチ(例えば、電源スイッチ、運転スイッチなど)、タイマー、当該装置の状態を示すディスプレイ、警告音および/または確認音を発するスピーカー、当該装置の作動状態を示すランプ、演算装置(例えば、コンピュータ等)等を備えていてもよい。コントロールユニットの使用によって、当該方法を自動的に制御してもよい。
【0069】
図2に示すような波動触媒(4)を備える通過型の水質改善装置に加えて、本発明のさらなる水質改善装置の実施形態を以下に詳細に説明する。
【0070】
本発明によると、波動触媒は、既存の水道システムに容易に設置することが可能であり、例えば、図3は、ろ過手段および波動触媒を備える本発明の通過型の水質改善装置の1つの実施形態を示し、図3に示す実施形態は、上述の波動触媒フィルター[容器(5)はその内部に波動触媒(4)を有し、容器(5)の両端に、スリーブ(7または7’)を有する蓋部材(6および6’)が、締結具(9および9’)によって、パッキン(10および10’)を介して結合されていてもよく、さらにストッパー(8)(図3に示すストッパー8と同様のストッパーを波動触媒フィルターの他端に設置してもよい)を有していてもよい]を備え、さらに、必要に応じて、水道メーター(16)と波動触媒フィルターとの間に、水道システムで通常使用され得る当業者に公知のパイプ(14)およびジョイント(15)を介して、ろ過手段としてセラミックフィルター(11)、炭素フィルター(12)およびろ過材(13)を備えていてもよい。ろ過手段は、上述の波動触媒フィルターと同様の容器に設置し、カートリッジ式のろ過フィルターとして使用することができる。
【0071】
上記本発明の実施形態において、波動触媒と水とを流水によって接触させる工程によって、大量かつ簡便に水を処理することができ、水質改善された水を容易に提供することができる。
【0072】
図2および図3に示す本発明の通過型の水質改善装置は、未処理水を単に通過させるだけの簡便な操作、例えば、既存の水道配管に設置することで大量の水を処理することができるので、家庭(例えば、飲料水、調理、風呂等)、農場施設(例えば農場における植物への水散布)、食品加工分野などに適している。
【0073】
本発明の別の実施形態としては、図4または図6に示すように、水循環手段、波動触媒および貯蔵手段を備える水質改善装置が挙げられる。本発明の水質改善装置は、図4または図6に示す通り、複数のろ過手段および/または殺菌手段を備えていてもよい。
【0074】
以下、本発明の水質改善装置が備えていてもよいろ過手段、殺菌手段、水循環手段、波動触媒および貯蔵手段での各処理工程の好ましい態様を説明する。
【0075】
ろ過工程
本発明の水質改善装置において、上記ろ過手段を使用することによって、衛生管理および装置内のメンテナンスの簡易化を達成することができる。ろ過手段としては、カートリッジ式かつ脱着式が特に好ましい。ろ過手段は、水質改善装置の入口および/または出口の近傍に装着することが好ましい。
【0076】
殺菌工程
本発明の水質改善装置において、上記殺菌手段を使用することによって、バクテリア、ウィルス等の真菌および細菌の繁殖を低下および/または排除することができ、衛生的である。殺菌手段としては、真菌および細菌を低減および/または死滅させるUV(紫外線)殺菌、光触媒等が挙げられるが、上記殺菌手段と併用して、各処理工程の最終部に銀(Ag)による殺菌工程を追加することも好ましい。
【0077】
波動触媒と水との接触工程
波動触媒と水との接触工程は上記図2および図3に示す実施形態で説明した通りである。波動触媒は、図2および図3に示すカートリッジ式波動触媒フィルターとして使用することが、メンテナンスの観点から好ましい。
【0078】
水循環工程
本発明の水質改善装置において、上記水循環手段を使用することによって、当該水質改善装置内(波動触媒と水循環手段との間)で水を循環させることができ、水の界面活性力、周波数、酸化還元電位等の処理水の改善された物性を安定させることができる。水循環手段としては、上記の水循環手段を使用することが好ましく、さらに貯蔵手段を含む場合、貯蔵手段の下部または下部側面から貯蔵手段の上部へ水を循環させることが好ましい。当該水質改善装置内で水を循環させることによって、水と上記波動触媒との接触回数を増加させることができ、水質改善効果をさらに高めることができる。
【0079】
貯蔵工程
本発明の水質改善装置において、上記貯蔵手段を使用することによって、当該水質改善装置内で処理水を貯蔵することができ、例えば、一度に大量の処理水を必要とする場合に特に有用である。貯蔵手段としては、上記貯蔵手段のうち、抗菌性内面加工を施した貯蔵手段が好ましく、密閉状態で外部から真菌および細菌が進入できないものが特に好ましい。また、貯蔵手段内部に殺菌手段を設置することによって、貯蔵工程は殺菌工程を包含することができる。当該発明で使用できる貯蔵手段は、上記水循環手段による加圧(例えば、3Mpa〜10Mpa)に耐えることが可能であり、この加圧によって、水質改善をさらに促進することができる。
【0080】
本発明の水質改善装置において、水循環手段によって、波動触媒(好ましくはカートリッジ式触媒装置)と未処理水とを連続して繰り返し接触させることから、水循環手段、波動触媒および貯蔵手段を順番に設置することが望ましい。
【0081】
本発明の水質改善方法および装置の一実施形態を図4に示す。図4に示す水質改善方法および装置は、水循環手段、波動触媒および貯蔵手段を順番に備え、複数のろ過手段および殺菌手段、ならびに殺菌手段および水循環手段を制御するためのコントロールユニットを備えていてもよく、水循環手段、波動触媒および貯蔵手段の間で水を循環することによって波動触媒と水とを繰り返し接触させて高効率で水質改善を行うことができる。なお、ろ過手段および殺菌手段は任意であり、当該装置のいずれに配置してもよい。本明細書中、図4に示す水質改善装置を循環注水型水質改善装置と呼ぶ場合もある。
【0082】
図4に示す各手段は、図3で示すような当該分野で公知のパイプ(14)およびジョイント(15)などを適宜用いて接続することができる。また、複数のバルブを各手段の間に適宜設置してもよい。図4において、黒丸印(●)は任意のバルブを示す。
【0083】
循環注水型水質改善装置は、例えば、継続的に一定量の処理水を必要とする場合、使用環境に応じて水質改善装置の仕様を適宜変更することができるので、例えば、飲食店、食品加工(例えば、給食センター、乳業加工場、水産加工場、農産洗果場、缶詰工場等)、水耕栽培農場プラントなどの業種に適している。
【0084】
循環注水型水質改善装置は、好ましくは、殺菌手段、水循環手段、波動触媒、貯蔵手段およびろ過手段を備える。
【0085】
循環注水型水質改善装置に限らず、本発明の水質改善装置は、従来公知の任意のバルブ等を利用し、複数のバルブの開閉によって様々な回路を装置内に構築することができる。
【0086】
例えば、図4に示す実施形態では、殺菌手段と水循環手段とを接続し得る管から分岐し、排水口に接続し得る管に位置し得るバルブ(排水バルブ)を操作して殺菌手段を通過後に水を排出することができ、殺菌処理のみを行うことが可能である。また、波動触媒と貯蔵手段とを接続し得る管から分岐し、排水口に接続し得る管に位置し得るバルブ(排水バルブ)を操作して、波動触媒を通過後に水を排水することができ、処理水(すなわち、水質改善された水)を容易に排出することができる。
【0087】
また、波動触媒と貯蔵手段とを接続し得る管から分岐し、ろ過手段と殺菌手段とを接続し得る管に接続し得る管に位置し得るバルブ(殺菌手段への循環バルブ)を操作して、波動触媒を通過した水を再び殺菌手段に戻して殺菌し、さらに波動触媒にて水質改善を行うこともできる。このとき、最初(未処理水入口側)のろ過手段と殺菌手段とを接続し得る管にバルブ(好ましくは逆支弁バルブ)設けることで、未処理水の水圧(例えば、水道水の場合、3〜3.5Mpa)以上の水圧を水循環手段が提供する場合、波動触媒から殺菌手段へと循環できる。又、地下水等任意の水圧が未処理水にかかる場合もあるので、このバルブの閉鎖制御を可能にしておくことが好ましい。
【0088】
あるいは、最初(未処理水入口側)のろ過手段と殺菌手段とを接続し得る管から分岐し、貯蔵手段とろ過手段とを接続し得る管に接続し得る管に位置し得るバルブ(ろ過手段へのバイパスバルブ)を操作し、未処理の水をろ過手段のみを通して、ろ過処理のみを行うこともできる。
【0089】
また、本発明の水質改善装置は、源水バルブ(未処理水入口側の最初のバルブであって、全ての手段の手前に位置するバルブ)を有していてもよく、処理水出口の直前に処理水を採取するための処理水バルブを有していてもよい。必要に応じて、貯蔵手段の後にバルブ(処理水元バルブ)を有していてもよい。
【0090】
当該装置において、エアー抜き用にエアー抜きバルブを任意に適切な箇所に設けてもよい。
【0091】
当該水質改善装置は、さらにコントロールユニットを設置することによって、殺菌手段および/または水循環手段を電気的に制御することも可能である。また、バルブの開閉操作も含めて当該方法を完全に自動化することも可能である。
【0092】
また、当該水質改善装置は、定流量弁、電磁弁などの弁を用いて流入量および排水量を制御することができる。
【0093】
本発明の水質改善装置の一実施形態を示す写真を図5に示す。図5に示す水質改善装置は、図4のフローチャートに示す水質改善システムを包含する。ただし、図5において、簡略化のため、図4に示す入口側のろ過手段を省略している。
【0094】
図4および図5に示す本発明の水質改善装置(循環注水型)を用いた水質改善方法の基本操作の一部を以下に示す。なお、当業者であれば、図4に示すバルブを任意に開閉操作し、適宜経路が構築され得ることを理解するだろう。
1.エアー抜きバルブ(113)を解放する。
2.源水バルブ(108)を解放し、水道水、地下水等の源水配管から未処理の水を注入する。
3.排水口(121)より水が流出したのを確認後、エアー抜きバルブ(113)を閉鎖する。
4.殺菌手段(101)への循環バルブ(106)を解放し、未処理水を殺菌手段(101)を通過させて、殺菌処理を行う。
5.処理水元バルブ(114)を解放する。
6.処理水バルブ(118)を解放する。
7.処理水出口(119)から波動触媒フィルター(103)を通過した水の流出を確認した後、水循環手段(102)、波動触媒フィルター(103)、貯蔵手段(104)の間で水を循環させて処理水を調製する。
8.処理水バルブ(118)を開閉し、処理水を処理水出口(119)から得る。
任意にろ過手段(105)を通過させてもよい。
【0095】
図6に本発明の水質改善方法および装置のさらなる実施形態を示す。図6に示す水質改善方法および装置は、貯蔵手段、水循環手段および波動触媒を順番に備え、複数のろ過手段、殺菌手段、ならびに殺菌手段および水循環手段を制御するためのコントロールユニットを備えていてもよく、貯蔵手段、水循環手段および波動触媒の間で水を循環することによって波動触媒と水とを繰り返し接触させて水質改善を高効率で行うことができる。なお、ろ過手段および殺菌手段は任意であり、当該装置のいずれに配置してもよい。また、殺菌手段を貯蔵手段の内部に設置してもよい。本明細書中、一定水量を貯蔵確保し、一定時間循環処理することから、図6に示す水質改善装置を完全循環型水質改善装置と呼ぶ場合もある。
【0096】
図6に示す各手段は、図3で示すような当該分野で公知のパイプ(14)およびジョイント(15)などを適宜用いて接続することができる。また、複数のバルブを各手段の間に適設置してもよい。
【0097】
完全循環型水質改善装置は、処理水の特性(界面活性力、周波数、酸化還元電位等)を安定させることができる等の観点から、例えば、厚生施設(例えば、医療施設、老人介護施設、スポーツ施設、公衆浴場、温泉など)における飲料水、食品業務店での飲料用および調理用の水の調製、一般家庭および小型飲食店での飲料用および調理用の水の調製などに適している。
【0098】
なお、当業者は、本発明が上記の実施形態に限定されないことを理解するだろう。
【0099】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0100】
製造例:樹脂組成物の調製
(i)フェノール樹脂(フード(株)製のF−2410)100重量部、
(ii)炭素源(無煙炭素70%、粒子径0.3mm以下)60重量部、
(iii)二酸化ケイ素源(ケイ砂80%、粒子径0.5mm以下)75重量部、および
(iv)ガラス繊維(繊維径1〜1.2μm、平均繊維長6〜10μm)15重量部
を混合し、混練して樹脂組成物を調製した。
【0101】
実施例1
波動触媒および水質改善装置の作製
上記製造例で得られた樹脂組成物を、図1に示すような金型内で240℃で30分間加熱成形し、室温まで放置冷却した。容量30リットルのボールミルに粉砕媒体を入れずに、上記のように得られた成形品約6,000個を投入し、回転数10rpmで1.5時間バリ取りを行って、直径9mmを有する球状樹脂成形物を作製した。この成形物を室温で自然通気しながら暗所で3週間熟成し、水洗し、太陽光により2日間乾燥し、波動触媒を作製した。得られた波動触媒を図2に示す容器に40個充填して、ろ過型の水質改善装置(波動触媒フィルター)を作製した。
【0102】
実施例2:通過型水質改善装置の作成
実施例1と同様に作製した図3に示す波動触媒フィルターと、水道メーターとの間に、ろ過フィルター[波動触媒フィルターと同様の容器にセラミックフィルター(日本ガイシ株式会社製の直径約40μmの微細気孔を有するセラミックフィルター)、炭素フィルター(活性炭および木質炭をメッシュネットに詰めた炭素フィルター)、ろ過材(珊瑚および花崗岩等の天然素材)を有するろ過フィルターと、株式会社アズワン製の繊維マイクロメッシュフィルターの併用)]を設置し、図3に示す通り、ステンレス配管および塩化ビニル配管によって接続し、通過型の水質改善装置を作製した。なお、波動触媒フィルターとセラミックフィルターが隣接し、ろ過材が水道メーターと隣接するように設置した。
【0103】
実施例3:循環注水型水質改善装置の作製
以下に示す殺菌手段、水循環手段、波動触媒、貯蔵手段およびろ過手段を順番にステンレス配管を介して、図4および図5に示す通り接続し、循環注水型水質改善装置を作製した(吐出流量=8L/分(使用可能流量))。ただし、図4に示す最初のろ過手段は省略している。
【0104】
殺菌手段
殺菌灯:UV40W(株)環境テクノス製
定格電圧:単相100V:50/60Hz
消費電力:110W
ランプ電力:39W
ランプ寿命:8000時間(連続使用時)
最大使用圧力:0.9Mpa
使用周囲温度:2〜40℃
殺菌流量:20L/分(標準通水量)
【0105】
水循環手段
循環ポンプ:PSS−206−0.15S(株)川本製作所製
定格電圧:単相100V
定格出力:0.15KW
消費電力:230W、電流2.4A
循環流量:28L/分、8.5m
【0106】
波動触媒
実施例2で作製した波動触媒フィルター(カートリッジ式)
【0107】
貯蔵手段
加圧タンク:20L(株式会社シンリツ製)
【0108】
ろ過手段
アズワン株式会社製カートリッジフィルター(ろ過精度50〜100μm:標準流量19L/min:全長65φ×250mm)およびアズワン株式会社製フィルターハウジング
【0109】
バルブ
各種配管サイズ(塩化ビニル規格20A)に接続可能な同径の止水及び開放用バルブ(日立バルブ株式会社製)
【0110】
実施例4:完全循環型水質改善装置の作製
以下に示すろ過手段、貯蔵手段、殺菌手段、水循環手段、波動触媒を順に図6に示す通り接続し、完全循環型水質改善装置を作製した。
ろ過手段1(入口側):アズワン株式会社製の塩素除去フィルター:除去率90%以上
ろ過手段2(波動触媒と貯蔵手段との間):アズワン株式会社製カートリッジフィルター(ろ過精度50〜100μm:標準流量19L/min:全長65φ×250mm)およびアズワン株式会社製のフィルターハウジング
貯蔵手段:貯水タンク:20L(株式会社シンリツ製)
殺菌手段:UVランプ:8W(殺菌線出力=1.7W)(貯蔵手段内に設置)
水循環手段:循環ポンプ、吐出量=30L/分(0.08Mpa)、消費電力=150W、電圧:100V/50Hz
波動触媒:実施例2で作製した波動触媒フィルター(実施例1の波動触媒160球)
【0111】
実施例5:完全循環型水質改善装置の作製
以下に示すろ過手段、貯蔵手段、殺菌手段、水循環手段、波動触媒を順に図6に示す通り接続し、完全循環型水質改善装置を作製した。
ろ過手段1(入口側):アズワン株式会社製の塩素除去フィルター:除去率90%以上
ろ過手段2(波動触媒と貯蔵手段との間):アズワン株式会社製カートリッジフィルター(ろ過精度50〜100μm:標準流量19L/min:全長65φ×250mm)およびアズワン株式会社製のフィルターハウジング
貯蔵手段:貯水タンク:100L(株式会社シンリツ製)
殺菌手段:UVランプ:8W(殺菌線出力=1.7W)(貯蔵手段内に設置)
水循環手段:循環ポンプ、吐出量=70L/分、消費電力=600W、電圧:100V/50Hz
波動触媒:実施例2で作製した波動触媒フィルター(実施例1の波動触媒160球)
【0112】
本発明の水質改善装置および水質改善方法を用いて処理した水(水質改善された水)を評価した。
【0113】
17O−NMR測定
実施例4で作製した水質改善装置において水道水(軽井沢町の水道水)を30分間および120分間(循環)処理し、以下の条件で17O−NMR測定を行い、17O線幅を比較した。結果を以下の表に示す。表中、17O線幅とは、0Hzを中心に左右(プラス・マイナス)に拡がる周波数(Hz)の幅を意味する。
【0114】
17O−NMR測定条件
測定装置: 日本電子株式会社製 JNM−EX400型FT−NMR
(フーリエ変換型核磁気共鳴)装置
測定核: 17O(酸素原子核)
測定周波数:54.196MHz
測定温度: 21.0〜22.0℃
【0115】
測定結果
【表1】

【0116】
上記測定結果から、処理時間の増加に伴い、17O線幅が減少することが分かった。このことは、水分子クラスターが小さくなっていることを示し、すなわち、水分子が活性化されていることを示し、水質が改善されたことを示す。
【0117】
還元電位の測定
実施例5で作製した水質改善装置において水道水を230分間(循環)処理し、以下に示す条件で酸化還元電位を測定し、処理水の還元力を評価した。結果を以下の表に示す。
【0118】
酸化還元電位の測定条件
水温:常温(15〜18℃)
処理時間経過に伴い、サンプル水(約100cc)を摂取し、測定した。
還元電位測定器:Eutech Instruments社製:ウォータープールORPスキャン
測定範囲:−99〜+1000mV
測定分解能:1mV
測定精度:±2mV
使用温度:0〜50℃
【0119】
【表2】

【0120】
上記の結果から、処理時間と共に酸化還元電位が低下し、処理水が還元作用を有するようになることが分かった。従って、処理水は、この還元作用に起因して、抗酸化作用および活性酸素除去作用を有する。
【0121】
活性酸素除去活性(SOSA=Superoxide Scavenging Activity)の測定
実施例4で作製した水質改善装置において水道水(軽井沢町の水道水)を30分間および120分間(循環)処理し、SOSAについて評価した。
【0122】
力価100のスーパーオキサイド ジスムターゼ[SOD(Superoxide Dismutase)、活性酸素を除去する酵素]を以下の各試料水で20倍に希釈した(希釈液の力価=100/20=5.00)。SOSAを測定した結果を以下の表に示す。
【表3】

【0123】
測定条件
測定装置:日本電子株式会社製 JES−RE−IX型 ESR(電子スピン共鳴)装置
測定温度:23.0℃
【0124】
上記の結果から、本発明の装置および方法で水質改善された水によって、SODのSOSAが有意に向上することが分かった。従って、本発明の装置および方法で水質改善された水は、SODのSOSAを向上することによっても、活性酸素除去作用を発揮する。
【0125】
界面活性力の測定
実施例5で作製した水質改善装置において水道水(軽井沢町の水道水)を30分間および120分間(循環)処理し、界面活性力(油脂分散性)について評価した。
【0126】
以下の各試料水(10ml)に4.91×10−5mol(43.5mg)のトリオレイン、あるいは1.45×10−4mol(43.5mg)のオレイン酸を添加し、ヤマト科学株式会社製A31型震湯器で1分間震盪攪拌した後、5分間経過させてから、H−NMRスペクトルを測定し、各試料水に溶解/分散したオレイン酸トリグリセリドの量を算出した。濃度の基準物質として、1mmolのTSP−d(トリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム:(CHSiCDCDCOONa)を添加した。結果を以下の表に示す。なお、処理時間0分の水道水の界面活性力を1.00として、各処理水の界面活性力を評価した。
【表4】

【0127】
H−NMR測定条件
測定装置: 日本電子株式会社製 JNM−EX400型FT−NMR
(フーリエ変換型核磁気共鳴)装置
測定核: H(水素原子核)
測定周波数:400MHz
測定温度: 22.0〜22.6℃
【0128】
上記の結果から、本発明の方法または装置によって処理された水は、処理時間が長い程、界面活性力が高いことが分かった。
【0129】
また、高脂血症および高コレステロール血症に罹患した患者において、実施例4の装置によって得られた処理水(処理時間:約60分)を1日に1〜2L(リットル)摂取させることによって、血中の中性脂肪およびコレステロールの値が低下することが分かった。
【表5】

【0130】
界面活性力の測定および上記の結果から、本発明の方法または装置によって処理された水は、老化および活性酸素が関与する疾患のなかでも、特に、高脂血症、高グリセリド血症、高コレステロール血症などのいわゆる生活習慣病に対する改善効果が期待できる。
【0131】
魚の養殖
1.ハイパーメラノーシス
実施例5に順じ、貯蔵手段を1t飼育水槽として作製した水質改善装置で処理した海水中、ハイパーメラノーシスが過剰に発現したマダイをその中で飼育したところ、10日間でハイパーメラノーシスが消滅した。
【0132】
海水
殺菌工程を用いず、実施例2の波動触媒フィルターカートリッジに水循環手段を接続して、飼育水槽内で天然海水を常時循環することで完全循環型とした。また、酸欠防止のため、水槽に海水を戻す際、水を落下させて水槽内に空気を混入させた。
【0133】
2.汚染物質
汚染物質としてメチル水銀(3〜5ppm)、OTC(協和発酵工業株式会社製抗生物質:塩酸オキシテトラサイクリン)(3〜5ppm)およびダイオキシン(3〜5ppm)を飼料(いかなご等の餌魚のミンチ)に混入し、トラフグ(500〜800g)に与え、海水中で7〜10日間飼育した後、魚肉を分析(財団法人日本冷凍食品検査協会:農林水産省食品検査指定外郭団体にて分析)した結果、魚体内にはメチル水銀が1.67ppm、OTCが2ppm、ダイオキシンが3ppm蓄積していた。
【0134】
上記と同様の餌料を用い、実施例5に順じ、貯蔵手段を1t飼育水槽として製作した水質改善装置で得られた処理水を海水とし、同様にトラフグを飼育し、分析したところ、メチル水銀は安全基準値0.02ppm未満であり、OTC及びダイオキシンは検出できなかった。
【0135】
海水
地下水を使用した人口海水250tを約2ヶ月間触媒6万個に接触循環した。その間、塩度を0.5〜0.7%の範囲内に安定させ、pHを8.2、温度を26℃、ORP(酸化還元電位)を130mV前後に調整した後、トラフグ稚魚(約50g)を約1万匹投入し、更に約2ヶ月間、餌を与えながら水質を安定させ、試験水とした。
【0136】
上記のことから、魚介類の養殖で頻繁に見られるハイパーメラノーシスを簡単に予防および/または治療することができ、魚介類の養殖における汚染物質の蓄積を簡単に予防および/または防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0137】
本発明によって、水質改善方法および水質改善装置を提供することができる。本発明の方法および装置によって、大量の水を処理し、水質を改善することができ、還元作用、抗酸化作用および/または活性酸素除去作用を有する機能水を簡便かつ経済的に提供することができる。水質が改善されることによって、生体内(例えば、免疫、胸腺、自律神経、交感神経、副交感神経、ホルモンバランス、胃、肝臓、膵臓、小腸、大腸、心臓、腎臓、肺、血液循環、肩関節、頸椎神経、腰椎神経、皮膚、毛髪・毛、気管支・気管など)での活性酸素の悪影響を容易に抑制することができる。従って、老化および活性酸素が関与する疾患、例えば、循環器系疾患(例えば、心筋梗塞、不整脈、動脈硬化、血液攣縮、虚血再循環傷害、Se欠乏症など)、呼吸器系疾患(例えば、肺炎、感染症、肺線維症(例えば、制ガン剤副作用など)、ARDS、パラコート中毒、喫煙傷害、肺気腫、高酸素療法、インフルエンザなど)、脳神経系疾患(例えば、脳浮腫、脳梗塞、脳出血、てんかん、脳欠陥攣縮、パーキンソン病、自律神経傷害(Reilly現象)、遅発性神経傷害、脊髄損傷、神経原性肺浮腫など)、消化器系疾患(例えば、急性胃粘膜傷害、胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、ペーチュット病、肺炎、肝硬変、薬物性肝障害、肝移植病態、各種の黄疸病態、膵炎など)、血液系疾患[例えば、白血球系疾患(例えば、慢性肉芽腫症、白血病、AIDS、敗血症など)、赤血球系疾患(例えば、異常ヘモグロビン症(例えば、メトヘモグロビン、サラセミア、鎌状赤血球など)、ヘモクロマトーシス、プリマキン過敏症、夜間発作性血色素尿症、薬物性貧血、アカタラセミアなど)、αI-酸性蛋白の傷害、高血圧、高脂血症、高グリセリド血症、高コレステロール血症、DIC、血小板異常症、出血性ショックなど]、内分泌系疾患(例えば、糖尿病、副腎代謝障害、ストレス反応など)、泌尿器系疾患(例えば、糸球体腎炎、溶血性腎障害、薬物性腎障害、制ガン剤の副作用、ファンコニー症候群など)、皮膚疾患(例えば、火傷、日光皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚漬瘍、ハイパーメラノーシスなど)、指示組織系疾患(例えば、関節リウマチ、自己免疫疾患、膠原病など)、眼科疾患(例えば、未熟児網膜症、網膜変症、白内障、角膜腫瘍など)、腫症疾患(例えば、癌、喫煙による発癌、化学発癌と癌化学療法、放射線障害と放射線療法など)、医原性疾患(例えば、薬物傷害、制癌剤の副作用(例えば、白血球減少症、プレオマイシン肺線維症、アドリアマイシン心筋症、シスプラチン腎傷害など)、光線療法(例えば、光増感剤など)、IVH(例えば、セレン欠乏など)、高酸素療法など)、環境汚染性疾患(例えば、重金属傷害、水俣病、シリコーシス、喘息、排気ガス性肺傷害、水汚染による各種中毒など)、アレルギー、骨粗鬆症、手術侵襲、アラキドン酸代謝病態、食中毒、壊血病、ストレス、心配・不安などの予防および/または治療に有効である。
【0138】
さらに、本発明の水質改善方法および水質改善装置は、家庭(例えば、飲料水、調理、風呂等)、飲食店、食品加工分野(お茶の抽出、漢方薬の抽出、コーヒー等の抽出等)、畜養および養殖分野(魚介類、哺乳動物、例えば、ウシ、ブタ、ウマ、トリ、ヒツジなど)などに有用である。
【0139】
例えば、本発明の方法または装置で処理した水を使用して魚を養殖すると、稚魚飼育における死亡率が5%以下に低下し、魚の新陳代謝が活性化し、毒物、余剰脂肪の排泄、発汗が行われ、魚をストレスが無い状態で飼育することができ、飼育後、魚体、ヒレなどに噛み傷がなく、天然と同様の個体を得ることができる。
【0140】
また、魚介類の養殖で頻繁に見られるハイパーメラノーシスを予防および/または治療することができ、魚介類の養殖における汚染物質の蓄積を予防および/または防止することができる。
【0141】
また、保管運搬が難しい魚類(例えば、酸素消費量の多い魚類など)、甲殻類(例えば、エビ(スジエビ、ボタンエビなどの弱いエビ類を含む)、カニなど)、イカ(輸送中にスミを吐かない可能性が上昇する)、アワビ、イワガキ、サザエなどの高級貝類を生きたままで容易に保管および運搬することが可能となる。さらに、活魚水槽車両による運搬は不要となり、パック詰めで保冷車での輸送が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】図1は、本発明で用いる波動触媒の製造方法に用いる金型の概略断面図である。
【図2】図2は、本発明の水質改善装置の1つの実施形態の概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の水質改善装置の1つの実施形態の概略一部断面図である。
【図4】図4は、水循環手段、波動触媒および貯蔵手段を備える本発明の水質改善装置の1つの実施形態(循環注水型水質改善装置)のフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の水質改善装置の1実施形態を示す写真である。
【図6】図6は、水循環手段、波動触媒および貯蔵手段を備える本発明の水質改善装置の1つの実施形態(完全循環型水質改善装置)のフローチャートである。
【符号の説明】
【0143】
1 成形物
2 上金型
3 下金型
4 波動触媒
5 容器
6 蓋部材
6’ 蓋部材
7 スリーブ
7’ スリーブ
8 ストッパー
8’ ストッパー
9 締結具
9’ 締結具
10 パッキン
10’ パッキン
11 セラミックフィルター
12 炭素フィルター
13 ろ過材
14 パイプ
15 ジョイント
16 水道メーター
100 殺菌灯挿入口
101 殺菌手段(殺菌灯)
102 水循環手段(循環ポンプ)
103 波動触媒フィルター
104 貯蔵手段(圧力タンク)
105 ろ過手段(ろ過フィルター)
106 殺菌手段への循環バルブ
107 コントロールユニット
108 源水バルブ
109 源水入り口
110 圧力計
111 アジャスター足
112 排水時エアー抜き栓
113 エアー抜きバルブ
114 処理水元バルブ
115 運転スイッチ
116 ろ過手段へのバイパスバルブ
117 定流量弁
118 処理水バルブ
119 処理水出口
120 排水バルブ
121 排水口
122 電源コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)樹脂またはゴム成分100重量部に対して、
(ii)無煙炭62.5%以上を含有する粒子径0.5mm以下の炭素源15〜60重量部、
(iii)ケイ砂80%以上を含有する粒子径0.5mm以下の二酸化ケイ素源35〜85重量部、および
(iv)平均繊維長6〜12μmのガラス繊維5〜15重量部を含有する、樹脂またはゴム組成物から形成された波動触媒と、水とを接触させる工程を包含する水質改善方法。
【請求項2】
前記組成物がさらに、樹脂またはゴム成分100重量部に対して、粒子径0.2mm以下のタングステン粉末5〜15重量部を含有する、請求項1記載の水質改善方法。
【請求項3】
殺菌工程、水循環工程、貯蔵工程およびろ過工程からなる群から選択される少なくとも1つの工程をさらに包含する、請求項1または2記載の水質改善方法。
【請求項4】
貯蔵工程での圧力が3Mpa〜10Mpaである、請求項3記載の水質改善方法。
【請求項5】
(i)樹脂またはゴム成分100重量部に対して、
(ii)無煙炭62.5%以上を含有する粒子径0.5mm以下の炭素源15〜60重量部、
(iii)ケイ砂80%以上を含有する粒子径0.5mm以下の二酸化ケイ素源35〜85重量部、および
(iv)平均繊維長6〜12μmのガラス繊維5〜15重量部を含有する、樹脂またはゴム組成物から形成された波動触媒を備える水質改善装置。
【請求項6】
前記組成物がさらに、樹脂またはゴム成分100重量部に対して、粒子径0.2mm以下のタングステン粉末5〜15重量部を含有する、請求項5記載の水質改善装置。
【請求項7】
殺菌手段、水循環手段、貯蔵手段およびろ過手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段をさらに備える、請求項5または6記載の水質改善装置。
【請求項8】
貯蔵手段での圧力が3Mpa〜10Mpaである、請求項7記載の水質改善装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−212892(P2008−212892A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−56986(P2007−56986)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(593200825)
【出願人】(506221767)SIL株式会社 (2)
【Fターム(参考)】