説明

水質浄化システムおよび水質浄化方法

【課題】リンや窒素等の除去能力を沈木の腐朽が進行するまで維持し、水域の水質の浄化を安価かつ効果的に行うことができる水質浄化システムおよび水質浄化方法を提供する。
【解決手段】湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質を浄化させる水質浄化システムであって、流木、風倒木、もしくは間伐材を少なくとも最大断面厚を5センチメートル以上の大きさに切断した水中に浸漬した木である沈木5を複数本内部に備えた沈木濾過槽2と、しらすと木材チップの混合物からなるしらすチップ6を内部に備えたしらすチップ濾過槽4と、を有し、水域の水は、沈木濾過槽2の内部およびしらすチップ濾過槽4の内部を介し、水域に戻されるものであるので、沈木5と沈木5の間の空隙が目詰まりしにくくなり、窒素やリンの除去能力が低下することもなくなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質を浄化させる水質浄化システムおよび水質浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、河川、湖沼等の停滞水域(もしくは閉鎖性水域)では水質の汚濁などの問題が生じていた。特に、富栄養化が進行すると藍藻類が異常繁殖して、いわゆるアオコが発生することになる。その水質の汚濁が発生する問題を解決するために、従来より礫間接触曝気や以下に示す浸透堤など様々な提案がなされている。
【0003】
上述した浸透堤は、透水性を有する堤体部と、該堤体部内に埋設され、流入側に面して配設された沈木チップのろ過層と、流出側に面して配設されたしらすと沈木チップの混合物のろ過層とを備えるもので、この浸透堤を用いることにより、沈木チップに付着しているバクテリアなど微生物が作用してリンや窒素等の除去が行われ、しらすと沈木チップの混合物のろ過層により珪藻類の吸収しやすいケイ酸が溶出される。この結果、優先植物プランクトン種として珪藻類の繁殖を促進させることができ、珪藻類が生態系上一次生産者となって、動物プランクトン等に補食されることにより、アオコを抑制することができ、池などの透明度を回復させることができるというものであった。
【0004】
【特許文献1】特開2000−265784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の浸透堤では、浸透堤に備えられた沈木チップのろ過層の沈木チップとして、流木や倒木などを2〜40mm程度の長さに砕片化した木片を用いていた。このように、2〜40mm程度の長さに砕片化した木片からなる沈木チップを用いていたのは、砕片化した木片では水との接触面積が大きく、水に含まれる窒素やリンの除去能力が優れていると考えたからである。しかしながら、この沈木チップのろ過槽を用いると、沈木チップと沈木チップの間の間隔が狭いため、その間に泥や砂や粘土が付着することにより目詰まりが生じてしまうという新たな問題が生じた。このように、目詰まりが生じると窒素やリンの除去能力が低下してしまうこととなる。このように、窒素やリンの除去能力が低下すると、水の中の窒素やリンが豊富となり、しらすと沈木チップの混合物のろ過層を用いても、ケイ酸供給量が相対的に不足し、アオコが異常増殖することになる。また、浸透堤を用いて水質浄化を行うためには、河川、湖沼等の水域に浸透堤を構築しなければならず、地形や水深、もしくは流速によっては設備が増大になるばかりか、設備を構築するためのコストも増大するという問題も生じていた。さらにまた、礫間接触曝気を用いた場合でも、石やプラスチックの表面に付着したバクテリアなど微生物(生態系)が繁殖し、そのバクテリアなど微生物(生態系)の塊であるバイオフィルムが肥大化することにより目詰まりが生じることになる。このように礫間接触曝気を用いた場合でも、従来の浸透堤の場合と同様、目詰まりが生じるにより窒素やリンの除去能力が低下してしまうという問題があった。そして、このような目詰まりを防止するためには、逆の方向に水を流して蓄積した物質を排出するための洗浄(逆洗浄)などの複雑な維持操作をしなければならず、大掛かりな作業が必要となっていた。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、リンや窒素等の除去能力を沈木の腐朽が進行するまで維持し、礫間接触曝気の目詰まり防止に必要な逆洗浄などの複雑な維持操作を必要とせず、単純な水抜きや水位低下時にサイフォンを利用した自動散水で維持操作が可能であり、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質の浄化を安価かつ効果的に行うことができる水質浄化システムおよび水質浄化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、 湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質を浄化させる水質浄化システムであって、流木、風倒木、もしくは間伐材を少なくとも最大断面厚を5センチメートル以上の大きさに切断した水中に浸漬した木である沈木を複数本内部に備えた沈木濾過槽と、しらすと木材チップの混合物からなるしらすチップを内部に備えたしらすチップ濾過槽と、を有し、水域の水は、沈木濾過槽の内部およびしらすチップ濾過槽の内部を介し、水域に戻されるものである。
【0008】
本発明によれば、沈木濾過槽において、流木、風倒木、間伐材を少なくとも最大断面厚を5センチメートル以上の大きさに切断した沈木を用いているので、沈木と沈木の間の空隙が広くなり、目詰まりが生じにくくなるとともに、5センチメートル以上の大きさに切断した沈木では、バクテリアなどの生態系も、沈木の表面だけでなく内部でも繁殖するため、沈木表面のバイオフィルムが肥大化せず、沈木と沈木の間の空隙が目詰まりしにくくなり、窒素やリンの除去能力が低下することもなくなる。これにより、しらすと木材チップの混合物からなるしらすチップ濾過槽により、珪藻類の吸収しやすいケイ酸が溶出され、アオコの増殖を抑制することができる。またさらに、沈木に付着したバクテリアのうち脱窒菌の働きにより、硝酸や亜硝酸が窒素ガスにされ、その窒素ガスが最終的に空気中に放出されるため、窒素の除去能力を向上させることができる。これにより、リンや窒素等の除去能力を沈木の腐朽が進行するまで維持することができ、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質の浄化を安価かつ効果的に行うことができる。
【0009】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る水質浄化システムであって、水域の水を沈木濾過槽に流入させ、沈木濾過槽から流出した水をしらすチップ濾過槽に流入させるものである。
【0010】
しらすチップ濾過槽内のしらすは、粒状のものであるので、微粒子などの不純物を含んだ水を流入させると、しらすチップ間で目詰まりが生じやすくなるが、本発明によれば、沈木濾過槽から流出した、微粒子などが除去された水をしらすチップ濾過槽に流入させているので、しらすチップ濾過槽が目詰まりすることを防止することができる。
【0011】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第2の態様に係る水質浄化システムであって、 沈木濾過槽から流出した水を貯水する貯水槽と、貯水槽に貯水された水をしらすチップ濾過槽に流出させる水量を調整する水量調整バルブとを、さらに有するものである。
【0012】
本発明によれば、沈木濾過槽から流出した水を貯水する貯水槽と、貯水槽に貯水された水をしらすチップ濾過槽に流出させる水量を調整する水量調整バルブとをさらに有するので、しらすチップ濾過槽に流入する水量を調整することができる。これにより、しらすチップ濾過槽内のしらすからケイ酸が溶出されるのに十分な時間(たとえば、1時間)、しらすチップ濾過槽内に水を貯水することができる。
【0013】
本発明のうち第4の態様に係るものは、第2または3の態様に係る水質浄化システムであって、沈木濾過槽は、水域の水が流入する受水ピットと、該受水ピットと下部で連通し、沈木が備えられた沈木槽と、沈木槽と上部で連通し、沈木槽の上部から流入した水を外部に流出させる排水ピットと、を有し、沈木は、沈木槽の底面との間に空洞を設けて備えられ、受水ピットから沈木槽に流入した水は、空洞から沈木に接しながら上方を流れ、沈木槽の上部から排水ピットに流出するものである。
【0014】
沈木槽の上部から下部に水を流入させると、沈木に付着した微粒子などが沈木槽の底面に溜まり、沈木槽の下部で目詰まりが生じるおそれがあるが、本発明によれば、受水ピットから沈木槽に流入した水が、沈木槽下部の空洞から沈木に接しながら上方を流れ、沈木槽の上部から排水ピットに流出されるので、沈木に付着している微生物などが沈木槽の下方にある空洞部の底に落ちて、沈木槽の下部で目詰まりが生じることがない。このように、沈木槽の下部で目詰まりが生じることがなくなるので、リンや窒素の除去能力を低下することなく、水に含まれているリンや窒素を除去することができる。また、沈木槽の下部に微粒子などが溜まった場合でも、その溜まった微粒子などの沈殿物は窒素やリンに富み、空洞部の底付近から引き抜けば、肥料として加工することもできる。
【0015】
本発明のうち第5の態様に係るものは、第1〜4のいずれかの態様に係る水質浄化システムであって、しらすチップ濾過槽は、内部が複数段になっており、貫通口を有する各段上にしらすチップが載置されるものである。
【0016】
本発明によれば、しらすチップ濾過槽の内部が複数段になっており、貫通口を有する各段上にしらすチップが載置されるので、しらすチップが載置されているそれぞれの段と段の間に空間がしらすチップ間の空隙となり、しらすチップ濾過槽の目詰まりを防止することができる。これにより、しらすチップ濾過槽内のしらすからのケイ酸の溶出量を低下させることなく、しらすからケイ酸を溶出させることができる。
【0017】
本発明のうち第6の態様に係るものは、第1〜5のいずれかの態様に係る水質浄化システムであって、沈木は、最大断面厚が5センチメートル〜24センチメートルであることを特徴とするものである。
【0018】
本発明のうち第7の態様に係るものは、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質を浄化させる水質浄化方法であって、水域の水を、流木、風倒木、もしくは間伐材を少なくとも最大断面厚を5センチメートル以上の大きさに切断した水中に浸漬した木である沈木を複数本内部に備えた沈木濾過槽に流すことにより、該水に含まれている窒素やリンを除去する窒素リン除去工程と、該窒素リン除去工程により窒素やリンが除去された水を、しらすと木材チップの混合物からなるしらすチップを内部に備えたしらすチップ濾過槽に流すことにより、該水にケイ酸が供給されるケイ酸供給工程とを有し、ケイ酸供給工程によりケイ酸が供給された水は、水域に戻されるものである。
【0019】

本発明によれば、窒素リン除去工程において、流木、風倒木、間伐材を少なくとも最大断面厚を5センチメートル以上の大きさに切断した沈木を用いているので、沈木と沈木の間の空隙が広くなり、目詰まりが生じにくくなるとともに、5センチメートル以上の大きさに切断した沈木では、バクテリアなどの微生物生態系も、沈木の表面だけでなく内部でも繁殖するため、沈木表面のバイオフィルムが肥大化せず、沈木と沈木の間の空隙が目詰まりしにくくなり、窒素やリンの除去能力が低下することもなくなる。またさらに、沈木に付着したバクテリアのうち脱窒菌の働きにより、硝酸や亜硝酸が窒素ガスにされ、その窒素ガスが最終的に空気中に放出されるため、窒素の除去能力を向上させることができる。これにより、リンや窒素等の除去能力を沈木の腐朽が進行するまで維持することができ、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質の浄化を安価かつ効果的に行うことができる。
【0020】
本発明のうち第5の態様に係るものは、第8の態様に係る水質浄化方法であって、沈木は、最大断面厚が5センチメートル〜24センチメートルであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、リンや窒素等の除去能力を沈木の腐朽が進行するまで維持し、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質の浄化を安価かつ効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態における水質浄化システムを示す斜視図である。
【図2】(a) 同水質浄化システムに用いられる沈木濾過槽の斜視図である。 (b) 本発明の一実施形態における沈木濾過槽の内部に設置されている沈木を示す図である。 (c) 図2(a)のA−A断面を示す図である。
【図3】(a) 図2(c)のB−B断面を示す図である。 (b) 図3(a)のX−X断面図を示す図である。
【図4】(a) 同水質浄化システムに用いられるチップ濾過槽の斜視図である。 (b) 本発明の一実施形態におけるチップ濾過槽の内部に備えられているしらすチップを充填した網体を示す図である。 (c) 図4(a)のC−C断面を示す図である。 (d) 図4(c)のD−D断面を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における水質浄化方法のフローチャートを示す図である。
【図6】(a) 本発明の変形例における沈木槽の中の沈木の載置形態を示す図である。 (b) 図6(a)のY−Y断面を示す図である。
【図7】本発明の変形例におけるしらすチップ濾過槽の載置形態を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の水質浄化システムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態における水質浄化システムを示す斜視図である。
【0024】
図1に示すように、水質浄化システム1は、沈木濾過槽2と貯水槽3としらすチップ濾過槽4を有している。なお、本実施形態では、貯水槽3を設けて水質浄化システム1を構成したが、これに限らず、貯水槽3を設けないで水質浄化システム1を構成してもよい。
【0025】
沈木濾過槽2の内部には沈木5(図2(b)参照)が複数本設置されており、しらすチップ濾過槽4の内部にはしらすと木材チップ(沈木チップなど)の混合物からなるしらすチップ6(図4(c)参照)が備えられている。沈木濾過槽2としらすチップ濾過槽4の詳細は、図2〜図4を用いて後述する。ここで、沈木5は水中に浸漬された木のことである。
【0026】
次に、沈木濾過槽2について、図2を用いて詳述する。ここで、図2(a)は、水質浄化システムに用いられる沈木濾過槽の斜視図であり、図2(b)は、本発明の一実施形態における沈木濾過槽の内部に設置されている沈木を示す図であり、図2(c)は、図2(a)のA−A断面を示す図であり、図3(a)は、図2(C)のB−B断面を示す図であり、図3(b)は、図3(a)のX−X断面図を示す図である。なお、図2(c)では、沈木の図示を省略しているが、沈木の載置形態は、図3に具体的に示している。
【0027】
図2(a)に示すように、沈木濾過槽2は、上部が開口した四角柱形状をしており、横断面の長さが縦1.8m×横1.0mで、高さが1.0mの大きさで構成されている。沈木濾過槽2には、ダム湖に流入した流木、風倒木、もしくは間伐材を少なくとも最大断面厚を20cm、切断長の長さが50cmの大きさに切断し、水に浮かばないようあらかじめ水浸させた沈木5が複数本設置されている。なお、本実施形態では、最大断面厚を20cmの大きさに切断した沈木5を用いたが、これに限らず、最大断面厚5cm以上(好ましくは、5cm〜24cm(若しくは、12cm〜24cm))の大きさに切断した沈木5であれば、大きさは問わない。特に、5cmでは、沈木と水との接触面積が増大し、沈木が腐朽しやすくなるので、最大断面厚を12cm以上(特に、20cm以上)の大きさに切断した沈木5を用いれば、特に有効である。ここで、最大断面厚が5cm以上の沈木5であれば、後述する効果を奏するものであるが、間伐材や流木でも最大断面厚24cm程度のものがあり、最大断面厚が20cm程度のものから間隙率((全体容積-全沈木の体積)/全体容積)が大きくなるとともに沈木5と水との接触面積も小さくなることから、後述するリンや窒素の除去能力が小さくなる。このことから、沈木5の最大断面厚は24cm程度以下のものが有効である。
【0028】
沈木濾過槽2は、受水ピット7、沈木槽8、および排水ピット9を内部に有している(図2(c)参照)。受水ピット7は、上部が開口し、下部に沈木槽8と連通する沈木連通口10が設けられており、沈木槽8は、内部に沈木5が備えられ、沈木5は動かないように上部金網11と下部金網12により支持されている。この下部金網12は、沈木槽8の底面から20cm高い位置に設けられ、下部金網12と沈木槽8の底面との間に沈木空洞(空洞)13が形成されている。また、排水ピット9は、沈木槽8内の水を沈木槽8の上部から流入し、沈木濾過槽2外に排出するものである。このように、沈木槽8の上部からオーバーフローした水は、沈木槽8と上部で連通している排水ピット9に流出する。また、受水ピット7の下部には、受水ピット7内の水を沈木濾過槽2外に排水させるための受水ピットドレイン32(排水管)が設けられ、排水ピット9の下部には、排水ピット9内の水を貯水槽3に流出させる貯水槽入水ドレン14が設けられている。この受水ピットドレイン32および貯水槽入水ドレン14を設けることにより、沈木濾過槽2内の懸濁物を除去することができる。この受水ピットドレイン32には、受水ピットドレンバルブ18が設けられている。また、排水ピット9の上部には、沈木槽8と排水ピット9の敷居壁15より上部にあるオーバーフロー孔16が設けられ、オーバーフロー孔16を介し、排水ピット9内の水が沈木濾過槽2外に排水される。
【0029】
沈木槽8の内部には、沈木5が横積み充填されている(図3(a)および図3(b)参照)。すなわち、沈木5を横方向に並べて沈木濾過槽2内に設置されている。図3(a)および図3(b)は、図2(c)で省略している沈木5を具体的に示したものである。ここで、沈木5の表面の凸部17は枝払い跡であり、図3(a)の太線部分は他の沈木5と線接触している箇所であり、点部分は他の沈木5と点接触している箇所を示している。本実施形態における沈木濾過槽2では、沈木5と水との接触面積は約11.3mであり、沈木濾過槽2内の沈木5と他の沈木5とが接している部分の長さは12mである。沈僕槽8は、縦と横と高さの長さが1mであるので、上述した沈木5と水との接触面積および沈木5と他の沈木5とが接触している部分の長さは、1mの沈木槽8内の沈木5に対してのものである。この場合の間隙率は52.9%となる。なお、本実施形態では、断面が円形形状の沈木5を用いたが、これに限らず、円形形状以外の断面形状であってもよく、最大断面厚が5cm以上(好ましくは、5cm〜24cm)の大きさのものであれば形状は問わない。
【0030】
次に、しらすチップ濾過槽4について、図4を用いて詳述する。ここで、図4(a)は、水質浄化システムに用いられるしらすチップ濾過槽の斜視図であり、図4(b)は、本発明の一実施形態におけるしらすチップ濾過槽の内部に備えられているしらすチップを示す図であり、図4(c)は、図4(a)のC−C断面を示す図であり、図4(d)は、図4(c)のD−D断面を示す図である。
【0031】
図4(a)に示すように、しらすチップ濾過槽4は、上部が開口した四角柱形状をしており、横断面の長さが縦1.0m×横1.0mで、高さが1.0mの大きさで構成されている、
【0032】
しらすチップ濾過槽4には、ネットなどの網体19(袋ともいう)に充填されたしらすチップ6が備えられている(図4(b)参照)。メッシュの小さい網体19に充填されたしらすチップ6は、上述したように、しらすと木材チップ(沈木チップなど)の混合物から構成されている。ここで、しらすは、南九州(鹿児島県)等で産出したもので、天然の非晶質シリカを多く含有している。このしらすは、水に触れると固まりやすいので、しらすの固化を防止するために木材チップ(沈木チップなど)を混合している。本実施形態では、しらすと木材チップとの混合割合は、重量比で5:1程度、体積比で1:1程度としている。また、しらすチップ濾過槽4は、内部が複数段になっており、格子状で貫通口を有する各床31上(各段上)に網体19に入ったしらすチップ6が載置されている。なお、図4(a)では、最上部の床31についてのみ格子状の貫通口を記載し、その他の2段目と3段目の床31についての格子状の貫通口の記載は省略している。
【0033】
しらすチップ濾過槽4は、下部からしらすチップ下部金網20、下部砕石21、下部フィルター22、しらすチップ6、上部フィルター23、上部砕石24の順で配置されている。最上部のしらすチップ6は、動かないように、上部フィルター23、および上部砕石24により支持されている。また、しらすチップ下部金網20は、しらすチップ濾過槽4の底面から10cm高い位置に設けられ、しらすチップ下部金網20としらすチップ濾過槽4の底面との間にしらすチップ空洞(空洞)25が形成されている。また、しらすチップ濾過槽4の下部には、しらすチップ濾過槽4内の水をしらすチップ濾過槽4外に排水させるためのしらすチップ槽排出ドレン26(排水管)、および貯水槽3内の水をしらすチップ濾過槽4に送水する貯水槽出水ドレン27が設けられている。このしらすチップ槽ドレン26にはしらすチップ槽排水調整バルブ28が設けられ、また、貯水槽出水ドレン27には貯水槽出水調整バルブ29が設けられている。また、しらすチップ濾過槽4の上部には、オーバーフロー孔30が設けられ、オーバーフロー孔30を介し、しらすチップ濾過槽4内の水がしらすチップ濾過槽4外に排水される。
【0034】
次に、貯水槽3について説明する。貯水槽3は、上述したように、沈木濾過槽2と貯水槽入水ドレン14、またしらすチップ濾過槽4と貯水槽出水ドレン27とそれぞれ接続されている(図1参照)。このように、沈木濾過槽2内の水を貯水槽入水ドレン14を介し貯水槽3に流入させ、貯水槽2内の水を貯水槽出水ドレン27を介ししらすチップ濾過槽4に流出させることができる。また、貯水槽3としらすチップ濾過槽4を接続させる貯水槽出水ドレン27には、上述したように、貯水槽3に貯水された水をしらすチップ濾過槽4に流出させる水量を調整する貯水槽出水調整バルブ(水量調整バルブ)29が備えられている。
【0035】
このように、沈木濾過槽2としらすチップ濾過槽4を設けることにより、沈木濾過槽2により、沈木5に付着している微生物によりリンや窒素の除去が行われ、また、しらすチップ濾過槽4の内部のしらすからケイ酸が溶出される。なお、詳細は後述する。
【0036】
次に、本実施形態における水質浄化方法について図5を参照にして説明する。ここで、図5は、本発明の一実施形態における水質浄化方法のフローチャートを示す図である。
【0037】
図5に示すように、水質浄化方法は、まずS1により、沈木濾過槽受水工程が行われる。この沈木濾過槽受水工程は、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域内の水を沈木濾過槽に流入させる工程である。具体的には、ポンプ(図示略)を駆動させて、ポンプ(図示略)に接続させたホースにより、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域内の水が沈木濾過槽2の受水ピット7に流入される。この沈木濾過槽2の受水ピット7に流入した水は、受水ピット7の下部に設けられた沈木連通口10から沈木濾過槽2の沈木槽8に送水され、沈木槽8の下部に設けられた沈木空洞13から沈木5に接しながら上方を流れ、沈木槽8の上部から排水ピット9に流出する。このように、受水ピット7から沈木槽8に流入した水が、沈木槽8下部の沈木空洞13から沈木5に接しながら上方を流れ、沈木槽8の上部から排水ピット9に流出されるので、沈木5に付着している微生物などが沈木槽8の下方にある沈木空洞13部の底に落ちて、沈木槽8の下部で目詰まりが生じることがない。このように、沈木槽8の下部で目詰まりが生じることがなくなるので、リンや窒素の除去能力を低下することなく、水に含まれているリンや窒素を除去することができる。また、溜まった微粒子などの沈殿物は窒素やリンに富み、沈木空洞13部の底付近から引き抜けば、肥料として加工することもできる。
【0038】
次に、S2により、窒素リン除去工程が行われる。この窒素リン除去工程は、沈木濾過槽2に流入した水を、ダム湖に流入した流木、風倒木、もしくは間伐材を最大断面厚を5センチメートルの大きさに切断した水中に浸漬した木である沈木5を複数本内部に備えた沈木濾過槽2の沈木槽8に流すことにより、該水に含まれている窒素やリンを除去する工程である。具体的には、沈木槽8の下部に設けられた沈木空洞13から沈木5に接しながら上方を流れることにより、沈木5に付着した微生物によりリンや窒素を除去することができる。さらに、沈木5は水中にフミン物質をも供給する。このフミン物質は、海への鉄分の供給を支えるため、海を豊かにするための重要な物質の一つである。その成分はフミン酸、フルボ酸およびヒマトメラニン酸に分類される。この中でも、フミン酸、フルボ酸は特に有効である。また、本実施形態では、沈木濾過槽2において、ダム湖に流入した流木、風倒木、間伐材を最大断面厚を5センチメートルの大きさに切断した沈木5を用いているので、沈木5と沈木5の間の空隙が広くなり、目詰まりが生じにくくなる。さらに、5センチメートルの大きさに切断した沈木5では、バクテリアなどの生態系も、沈木5の表面だけでなく内部でも繁殖するため、沈木5表面のバイオフィルムが肥大化せず、沈木5と沈木5の間の空隙が目詰まりしにくくなり、窒素やリンの除去能力が低下することもない。またさらに、沈木5に付着したバクテリアのうち脱窒菌の働きにより、硝酸や亜硝酸が窒素ガスにされ、その窒素ガスが最終的に空気中に放出されるため、窒素の除去能力を向上させることができる。これにより、リンや窒素等の除去能力を沈木5の腐朽が進行するまで維持することができ、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質の浄化を安価かつ効果的に行うことができる。なお、上述したが、本実施形態では、最大断面厚を5cmの大きさに切断した沈木5を用いたが、これに限らず、最大断面厚5cm以上(好ましくは、5cm〜24cm)の大きさに切断した沈木5であれば、大きさは問わない。
【0039】
次に、S3により、しらすチップ濾過槽受水工程が行われる。このしらすチップ濾過槽受水工程は、貯水槽3に貯水された水をしらすチップ濾過槽4に流入させる工程である。具体的に、貯水槽3としらすチップ濾過槽4の間に設けられた貯水槽出水調整バルブ29を「開」にすることにより、貯水槽3に貯水された水がしらすチップ濾過槽4の下部のしらすチップ空洞25から流入する。ここで、本実施形態では、貯水槽3の容量および沈木濾過槽2の容量を所定の容量に設定することにより、しらすチップ濾過槽43内の水位が所定の水位になるようにしている。このようにすることにより、貯水槽出水調整バルブ29を「開」にして、貯水槽3内の水をしらすチップ濾過槽4に流入させた後、しらすチップ濾過槽4と貯水槽3と沈木濾過槽2の水位が同レベルになれば、貯水槽3からしらすチップ濾過槽4への流入がなくなり、貯水槽出水調整バルブ29の厳密な制御が必要でなくなる。そして、しらすチップ濾過槽4の水位が上部砕石24より高くなったところで水位調整バルブ21を「閉」にする。なお、貯水槽出水調整バルブ29の開閉タイミングにより、しらすチップ濾過槽4に流入する水量を自由に調整することもできる。
【0040】
次に、S4により、ケイ酸供給工程が行われる。このケイ酸供給工程は、窒素リン除去工程S1により窒素やリンが除去された水を、しらすと木材チップ(沈木チップなど)の混合物からなるしらすチップ6を内部に備えたしらすチップ濾過槽4に流すことにより、該水にケイ酸が供給される工程である。具体的には、しらすチップ濾過槽受水工程S3により、しらすチップ濾過槽4に水が留まった状態を1時間維持することにより、しらすチップ濾過槽4内のしらすからケイ酸が供給される。すなわち、しらすチップ濾過槽4内のしらすは、一般的な板ガラスなどの人造ガラスに比べ、ナトリウム(Na)やカルシウム(Ca)の含有量の少ない火山ガラスを多量に含むので、珪藻類の吸収しやすいケイ酸を供給することができる。また、しらすチップ濾過槽4の内部が複数段になって、それぞれの貫通口を有する各段上に網体に入ったしらすチップ6が載置されているので、網体に入ったしらすチップ6が載置されているそれぞれの段と段の間に空間がしらすチップ6間の空隙となり、しらすチップ濾過槽4の目詰まりを防止することができる。これにより、しらすチップ濾過槽4内のしらすからのケイ酸の溶出量を低下させることなく、しらすからケイ酸を溶出させることができる。なお、本実施形態では、しらすチップ濾過槽4に水が溜まった状態を1時間維持するとしたが、これに限らず、しらすチップ濾過槽4に水が溜まった状態を1時間以上(好ましくは、1時間〜2時間)維持するものであれば、時間は問わない。
【0041】
次に、S5により、排水工程が行われる。この排水工程は、しらすチップ濾過槽4内の水を排水して、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域に戻す工程である。具体的には、しらすチップ槽排水調整バルブ28が「開」にされ、しらすチップ槽排水調整バルブ28と接続されているしらすチップ槽排出ドレン26(排水管)を介し、しらすチップ濾過槽内の水が湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域に排水される。
【0042】
以上説明したように、本実施形態における水質保存方法を用いれば、沈木濾過槽2によりリン、窒素が除去され、しらすチップ濾過槽4によりケイ酸が補給された結果、優先植物プランクトン種として珪藻類の繁殖を促進させることができる。珪藻類は、生態系上一次生産者となり、動物プランクトン等に捕食され、珪藻類が上位の生態系を支えることにより、藍藻の大増殖を抑制し、結果的に水質改善につなげることができる。さらに、沈木濾過槽2において、ダム湖に流入した流木、風倒木、間伐材を少なくとも最大断面厚を5センチメートル以上の大きさに切断した沈木5を用いているので、沈木5と沈木5の間の空隙が広くなり、目詰まりが生じにくくなるとともに、5センチメートル以上の大きさに切断した沈木5では、バクテリアなどの生態系も、沈木の表面だけでなく内部でも繁殖するため、沈木5表面のバイオフィルムが肥大化せず、沈木5と沈木5の間の空隙が目詰まりしにくくなり、窒素やリンの除去能力が低下することもなくなる。またさらに、沈木5に付着したバクテリアのうち脱窒菌の働きにより、硝酸や亜硝酸が窒素ガスにされ、その窒素ガスが最終的に空気中に放出されるため、窒素の除去能力を向上させることができる。これにより、リンや窒素等の除去能力を沈木の腐朽が進行するまで維持することができ、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質の浄化を安価かつ効果的に行うことができる。
【0043】
このように、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水が沈木濾過槽2およびしらすチップ濾過槽4に流入することにより、窒素およびリンを低減させ、糸状藻類や藍藻類の増殖を抑制させることができ、多くの動物プランクトンを増殖させることができ、水質浄化に加え、より豊かな水環境を創出させることができる。
【0044】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。さらに本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲の記載によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0045】
次に、本発明の水質浄化システムおよび水質浄化方法の変形例について説明する。
(1) 本実施形態では、沈木濾過槽受水工程において、ポンプ(図示略)を駆動させて、ポンプ(図示略)に接続させたホースにより、湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域内の水が沈木濾過槽2の受水ピット7に流入させたが、これに限らず、たとえば、土地の勾配を利用して、ポンプを用いずに湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域内の水が沈木濾過槽2の受水ピット7に流入させてもよい。
【0046】
(2) 本実施形態では、沈木槽8の中に載置されている沈木を図3を用いて説明したが、これに限らず、図6に示すような、沈木の載置形態でもよい。ここで、図6(a)は、 本発明の変形例における沈木槽の中の沈木の載置形態を示す図であり、図6(b)は、図6(a)のY−Y断面を示す図である。なお、図6では、最大断面厚は20cm、切断長の長さは25cmの沈木を用い、沈木5と水との接触面積は約14.3mであり、沈木濾過槽2内の沈木5と他の沈木5とが接している部分の長さは7.2mとなる。この場合の間隙率は49%となる。このように、図6に示す沈木5の載置形態のように沈木5の切断長の長さを短くすることにより、沈木5と水との接触面積が大きくなる。一方間隙率は約50%が保たれるので、リンや窒素の除去能力を向上させることができる。
【0047】
(3) 本実施形態では、しらすチップ濾過槽4に、格子状で貫通口を有する床31を設け、その上に網体19に入ったしらすチップ6を載置したが、これに限らず、格子状で貫通口を有する床31を設けずに、図7に示すように、下部からしらすチップ下部金網20、下部砕石21、下部フィルター22、しらすチップ6、上部フィルター23、上部砕石24の順で直接配置されてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 水質浄化システム
2 沈木濾過槽
3 貯水槽
4 しらすチップ濾過槽
5 沈木
6 しらすチップ
7 受水ピット
8 沈木槽
9 排水ピット
10 沈木連通口
11 上部金網
12 下部金網
13 沈木空洞
14 貯水槽入水ドレン
15 敷居壁
16 オーバーフロー孔
17 凸部
18 受水ピットドレンバルブ
19 網体
20 しらすチップ下部金網
21 下部砕石
22 下部フィルター
23 上部フィルター
24 上部砕石
25 しらすチップ空洞
26 しらすチップ槽排出ドレン
27 貯水槽出水ドレン
28 しらすチップ槽排水調整バルブ
29 貯水槽出水調整バルブ
30 オーバーフロー孔
31 床
32 受水ピットドレン


【特許請求の範囲】
【請求項1】
湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質を浄化させる水質浄化システムであって、
流木、風倒木、もしくは間伐材を少なくとも最大断面厚を5センチメートル以上の大きさに切断した水中に浸漬した木である沈木を複数本内部に備えた沈木濾過槽と、
しらすと木材チップの混合物からなるしらすチップを内部に備えたしらすチップ濾過槽と、を有し、
前記水域の水は、前記沈木濾過槽の内部および前記しらすチップ濾過槽の内部を介し、前記水域に戻される水質浄化システム。
【請求項2】
前記水域の水を前記沈木濾過槽に流入させ、前記沈木濾過槽から流出した水を前記しらすチップ濾過槽に流入させることを特徴とする請求項1記載の水質浄化システム。
【請求項3】
前記沈木濾過槽から流出した水を貯水する貯水槽と、
前記貯水槽に貯水された水を前記しらすチップ濾過槽に流出させる水量を調整する水量調整バルブとを、さらに有する請求項2記載の水質浄化システム。
【請求項4】
前記沈木濾過槽は、
前記水域の水が流入する受水ピットと、
該受水ピットと下部で連通し、前記沈木が備えられた沈木槽と、
前記沈木槽と上部で連通し、前記沈木槽の上部から流入した水を外部に流出させる排水ピットと、を有し、
前記沈木は、前記沈木槽の底面との間に空洞を設けて備えられ、
前記受水ピットから前記沈木槽に流入した水は、前記空洞から前記沈木に接しながら上方を流れ、前記沈木槽の上部から前記排水ピットに流出する請求項2または3に記載の水質浄化システム。
【請求項5】
前記しらすチップ濾過槽は、内部が複数段になっており、貫通口を有する各段上に前記しらすチップが載置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水質浄化システム。
【請求項6】
前記沈木は、最大断面厚が5センチメートル〜24センチメートルであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水質浄化システム。
【請求項7】
湖沼、ダム湖、河川、もしくは池等の水域の水質を浄化させる水質浄化方法であって、
前記水域の水を、流木、風倒木、もしくは間伐材を少なくとも最大断面厚を5センチメートル以上の大きさに切断した水中に浸漬した木である沈木を複数本内部に備えた沈木濾過槽に流すことにより、該水に含まれている窒素やリンを除去する窒素リン除去工程と、
該窒素リン除去工程により窒素やリンが除去された水を、しらすと木材チップの混合物からなるしらすチップを内部に備えたしらすチップ濾過槽に流すことにより、該水にケイ酸が供給されるケイ酸供給工程と、を有し、
該ケイ酸供給工程によりケイ酸が供給された水は、前記水域に戻される水質浄化方法。
【請求項8】
前記沈木は、最大断面厚が5センチメートル〜24センチメートルであることを特徴とする請求項7記載の水質浄化方法。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−213726(P2012−213726A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−81063(P2011−81063)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(596164892)
【出願人】(000156938)関西電力株式会社 (1,442)
【出願人】(592102537)株式会社ニュージエック (6)
【Fターム(参考)】