説明

永久磁石式モータ

【課題】永久磁石式モータのロータ軸心方向の長さが長くならないようにしつつ、低コストで、永久磁石3からの漏れ磁束の発生を防止する。
【解決手段】ロータコア2の外周面に、ロータ軸心方向に延びる複数の凹溝部2bを、周方向に間隔をあけて形成し、各凹溝部2b内に、永久磁石3と、凹溝部2b内の永久磁石3を、該凹溝部2bの壁面部2cと共に挟持する押え部材31と、凹溝部2bの壁面部2cに固定された規制部材32と、を配設し、規制部材32を、規制部材32が配設された凹溝部2b内の押え部材31のロータ径方向外側より押え部材31を支持するとともに、凹溝部2bの壁面部2cと協働して、押え部材31の移動を規制するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、永久磁石が設けられたロータコアを有するロータと、該ロータのロータコアの外周側に配設される、巻線を有するステータとを備えた永久磁石式モータに関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ロータコアに永久磁石が埋め込まれた永久磁石式モータ(IPMモータ)はよく知られている。このようなモータでは、永久磁石の端部とロータコアの外周面との間において永久磁石からの漏れ磁束が発生して、モータ効率を低下させるという問題がある。
【0003】
そこで、このような漏れ磁束が発生しないようにするために、例えば特許文献1では、ロータコアの外周面に、ロータ軸心方向に延びる複数の凹溝部を、周方向に間隔をあけて形成し、該各凹溝部内に永久磁石をそれぞれ配設し、この各凹溝部内の永久磁石を、該凹溝部の壁面部と押え部材(特許文献1では、抑え材)とによって挟持し、ロータコアのロータ軸心方向の両側にそれぞれ配設される2つのエンドプレートによって、永久磁石及び押え部材を固定するようにすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−4519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のものでは、押え部材に、ロータ軸心方向に貫通する貫通孔を設け、この貫通孔に棒材を挿通して、この棒材を介して、押え部材をエンドプレートに固定するものであるため、押え部材の固定に関してエンドプレートが必要であり、このため、そのエンドプレートの厚みの分だけ、永久磁石式モータのロータ軸心方向の長さが長くなるとともに、コストアップを招いてしまう。特に、複数のロータコアをロータ軸心方向に積層して、複数のロータコアにおける各凹溝部の周方向の位置を、複数のロータコア間で互いに周方向にずらすことで、永久磁石式モータのコギングトルクや出力トルク変動(トルクリプル)を小さくしようとする場合には、永久磁石式モータのロータ軸心方向の長さ及びコストの点でより一層不利になる。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、永久磁石式モータのロータ軸心方向の長さが長くならないようにしつつ、低コストで、永久磁石からの漏れ磁束の発生を防止しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明では、永久磁石が設けられたロータコアを有するロータと、該ロータのロータコアの外周側に配設された、巻線を有するステータとを備えた永久磁石式モータを対象として、上記ロータコアの外周面には、ロータ軸心方向に延びる複数の凹溝部が、周方向に間隔をあけて形成されており、上記各凹溝部内には、上記永久磁石と、上記凹溝部内の上記永久磁石を、該凹溝部の壁面部と共に挟持する押え部材と、上記凹溝部の壁面部に固定された規制部材と、が配設されており、上記規制部材は、該規制部材が配設された凹溝部内の押え部材のロータ径方向外側より該押え部材を支持するとともに、上記凹溝部の壁面部と協働して、該押え部材の移動を規制するように構成されている、という構成とした。
【0008】
上記の構成により、ロータコアとは別体の押え部材により、凹溝部の壁面部と共に永久磁石を挟持したので、永久磁石からの漏れ磁束の発生を防止することができる。また、各凹溝部内には、押え部材の移動を規制するように構成された規制部材が配設されているので、規制部材を介して押え部材を移動しないように凹溝部の壁面部に固定することができる。さらに、規制部材は、押え部材のロータ径方向外側より該押え部材を支持するので、押え部材がロータの回転により特にロータ径方向外側へ移動しようとしても、その移動を確実に規制することができる。この結果、ロータコアのロータ軸心方向の両側に、押え部材を固定するための部材を配設する必要はない。したがって、永久磁石式モータのロータ軸心方向の長さが長くならず、また、低コストで済む。
【0009】
上記永久磁石式モータにおいて、上記ロータは、上記各凹溝部内に上記永久磁石、上記押え部材及び上記規制部材が配設された上記ロータコアを複数有し、上記複数のロータコアは、ロータ軸心方向に積層され、上記複数のロータコアにおける各凹溝部の周方向の位置が、該複数のロータコア間で互いに周方向にずれており、相隣接する任意の2つのロータコアのうちロータ軸心方向一側のロータコアの各凹溝部の周方向の位置が、ロータ軸心方向他側のロータコアの各凹溝部に対して周方向一側に所定角度だけずれている、ことが好ましい。
【0010】
このことにより、永久磁石式モータのコギングトルクや出力トルク変動(トルクリプル)を小さくすることができる。一方、このように複数のロータコアをロータ軸心方向に積層する場合、各ロータコアのロータ軸心方向の両側に、押え部材を固定するための部材を配設したとすると、永久磁石式モータのロータ軸心方向の長さ及びコストの点でより一層不利になる。また、相隣接するロータコア間に、押え部材を固定するための部材が介在することで、モータ効率が低下してしまう。しかし、本発明では、各ロータコアのロータ軸心方向の両側に、押え部材を固定するための部材を配設する必要はないので、永久磁石式モータのロータ軸心方向の長さを出来る限り長くならないようにすることができるとともに、コストアップを出来る限り抑制することができる。また、押え部材を固定するための上記部材を設けることによるモータ効率の低下を抑制することができる。
【0011】
上記永久磁石式モータにおいて、上記各凹溝部内の永久磁石は、上記押え部材と該凹溝部の壁面部との間で、互いに間隔をあけた状態で複数配設されており、上記押え部材と上記凹溝部の壁面部との間における上記複数の永久磁石間に、樹脂が充填されている、ことが好ましい。
【0012】
こうすることで、充填する樹脂により、凹溝部内に存在する隙間をなくすようにすることができ、これにより、永久磁石、押え部材及び規制部材間のがたつきを防止することができるとともに、押え部材の移動をより確実に規制することができる。
【0013】
上記永久磁石式モータにおいて、上記各凹溝部内に上記永久磁石、上記押え部材及び上記規制部材が配設された上記ロータコアの外周面に、該外周面全周を覆うカバー部材が設けられている、ことが好ましい。
【0014】
このことにより、押え部材がロータの回転により特にロータ径方向外側へ移動しようとしても、カバー部材によって、その移動をより確実に規制することができる。また、カバー部材を、厚みの薄い非磁性体でかつ導体で構成することで、表皮効果を利用して、特にインバータのスイッチング作用に伴って生じる高周波電流をカバー部材に流すことができ、ロータコアの発熱を抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明の永久磁石式モータによると、ロータコアとは別体の押え部材により、凹溝部の壁面部と共に永久磁石を挟持することで、永久磁石からの漏れ磁束の発生を防止することができ、また、凹溝部内に配設された規制部材を介して、押え部材を移動しないように凹溝部の壁面部に固定することができるので、ロータコアのロータ軸心方向の両側に、押え部材を固定するための部材を配設する必要はなく、よって、永久磁石式モータのロータ軸心方向の長さが長くならないようにしつつ、低コストで、永久磁石からの漏れ磁束の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態1に係る永久磁石式モータの一部を示す斜視図である。
【図2】上記永久磁石式モータのロータのロータ部を示す斜視図である。
【図3】上記ロータ部のロータコア、永久磁石、押え部材及び規制部材を示す分解斜視図である。
【図4】上記ロータコアの凹溝部を拡大して示す、ロータ軸心方向から見た図である。
【図5】上記凹溝部に、永久磁石、押え部材及び規制部材が配設された状態を示す図4相当図である。
【図6】実施形態2を示す図2相当図である。
【図7】実施形態3を示す図2相当図である。
【図8】実施形態3を示す図3相当図である。
【図9】実施形態4を示す図2相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0018】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る永久磁石式モータMの一部を示す。この永久磁石式モータMは、本実施形態では、電気自動車やハイブリッド自動車の車両駆動用モータとして使用されるものであって、希土類磁石等からなる複数の永久磁石3が設けられたロータコア2を有するロータ1と、このロータ1のロータコア2の外周側に同軸に配設されたステータ11とを備えている。
【0019】
上記ロータコア2の中心(ロータ軸心)には、不図示の回転軸(モータ軸)が圧入される貫通孔2aが形成されており、この貫通孔2aに圧入された回転軸とロータコア2とがロータ軸心回りに一体で回転する。ロータコア2は、複数の略リング状の電磁鋼板をロータ軸心方向に積層してなるものである。
【0020】
尚、本実施形態では、ロータコア2に、永久磁石3と共に、後述の押え部材31及び規制部材32が設けられることになるが、これら全てがロータコア2に設けられたものをロータ部4と呼ぶことにする。このロータ部4と上記回転軸とでロータ1が構成されることになる。
【0021】
上記ステータ11は、複数の電磁鋼板を積層してなるステータコア12と、ロータ1を回転させるために、直流電源からインバータを介して通電がなされる巻線21とを有している。ステータコア12は、略円環状に形成されたヨーク部13と、このヨーク部13の内周面に設けられ、互いにヨーク部13の周方向に等間隔をあけてヨーク部13の径方向内側に延出する複数のティース部14とを有している。これらティース部14は、略円環状のヨーク部13の中心軸線(つまりステータコア12の中心軸線(ロータ軸心と一致))に向かって延びている。上記複数のティース部14の延出長さは同じである。そして、相隣接するティース部14間には、上記巻線21が収容されるスロット部15が形成されている。
【0022】
上記巻線21は、ティース部14に分布巻きにより巻回されるようにスロット部15に収容されている。すなわち、巻線21(コイル)が、ステータコア12の全ティース部14のうち2つ以上のティース部14に跨って巻回されている。ステータ11の全巻線21においてスロット部15の外部(スロット部15に対してステータコア12の中心軸線方向両側)に配置されるコイルエンド部21aが、全てのティース部14におけるステータコア12の中心軸線方向両側の面を覆うため、該面は見えなくなるが、図1では、コイルエンド部21aの一部を省略して、一部のティース部14が見えるようにしている。
【0023】
本実施形態では、上記ヨーク部13の外周側に、略円筒状のケース部16が同軸に配設されている。このケース部16は、鉄で構成されてバックヨークとして用いられている。ヨーク部13(ステータコア12)は、ケース部16の内周部に圧入されて、ヨーク部13の外周面とケース部16の内周面とが互いに密着している。
【0024】
ここで、ヨーク部13の外周面における周方向の少なくとも1箇所には、ヨーク部13の中心軸線方向に延びる位置決めキー(図示せず)が突出形成されている。一方、ケース部16の内周面には、上記位置決めキーが嵌合するキー溝(図示せず)が形成されている。これら位置決めキーとキー溝との嵌合により、ヨーク部13とケース部16との周方向の位置決めがなされ、これにより、ヨーク部13をケース部16の内周部に圧入した後は、ヨーク部13がケース部16に対して回動することはない。
【0025】
本実施形態では、ケース部16は、ウォータジャケット17を有する水冷式ケース部である。このウォータジャケット17は、ケース部筒軸方向に延びかつ周方向に間隔をあけて設けられた複数の軸方向延設部17aを有し、これら軸方向延設部17aは、ケース部16の筒軸方向一側の端面(図1の手前側の端面)のみに開口している。これらの開口は、ケース部16の筒軸方向一側の端面に設けられる略円環状の閉塞部(図示せず)によって閉塞される。閉塞部及びケース部16の筒軸方向他側の端部には、上記複数の軸方向延設部17aを直列的に接続するための流路が設けられており、こうして、ケース部16内を約1周するウォータジャケット17が形成される。このウォータジャケット17には、図示を省略する供給管及び排出管が接続されており、供給管を介してウォータジャケット17に冷却水が供給され、その冷却水がウォータジャケット17内を流れてケース部16内を約1周した後、排出管を介して排出される。尚、ウォータジャケット17は必ずしも必要なものではないが、本実施形態のような車両駆動用モータの場合には、ウォータジャケット17を設けることが好ましい。
【0026】
図2〜図5に示すように、上記ロータコア2の外周面には、ロータ軸心方向に延びる複数(本実施形態では、8つ)の凹溝部2bが、ロータ周方向に等間隔をあけて形成されている(特に図3及び図4参照)。各凹溝部2bは、ロータ軸心方向から見て、略台形状をなしている。各凹溝部2bの壁面部2cは、該壁面部2cのロータ周方向中央部に位置する第1壁面部2dと、該第1壁面部2dのロータ周方向両側からロータ径方向外側に向かって互いの間隔が広がるように延びる第2及び第3壁面部2e,2fとを有している。
【0027】
各凹溝部2b内には、3つの上記永久磁石3が配設されている。これら3つの永久磁石3を一組として、ロータコア2に8組の永久磁石3が設けられており、これにより、ロータ部4において8つの磁極が形成されることになる。永久磁石3のロータ軸心方向の長さは、ロータコア2のロータ軸心方向の長さと略同じである。
【0028】
また、各凹溝部2b内には、該凹溝部2b内の3つの永久磁石3を、該凹溝部2bの壁面部2cと共に挟持する押え部材31が配設されている。この押え部材31も、ロータ軸心方向から見て、略台形状をなしている。押え部材31は、凹溝部2bの第1〜第3壁面部2d〜2fとそれぞれ所定間隔をあけて対向する第1〜第3挟持面部31a〜31cを有しており、凹溝部2bの第1壁面部2dと押え部材31の第1挟持面部31aとの間、凹溝部2bの第2壁面部2eと押え部材31の第2挟持面部31bとの間、及び、凹溝部2bの第3壁面部2fと押え部材31の第3挟持面部31cとの間に、3つの永久磁石3が互いに間隔をあけた状態で配設されて挟持されている。以下、第1壁面部2dと第1挟持面部31aとの間に挟持される永久磁石3を、第1永久磁石3aといい、第2壁面部2eと第2挟持面部31bとの間に挟持される永久磁石3を、第2永久磁石3bといい、第3壁面部2fと第3挟持面部31cとの間に挟持される永久磁石3を、第3永久磁石3cという。但し、これら第1〜第3永久磁石3a〜3bを区別する必要がない場合には、単に永久磁石3という。
【0029】
上記押え部材31は、複数の電磁鋼板をロータ軸心方向に積層してなるものである。この押え部材31の電磁鋼板は、ロータコア2の電磁鋼板と同じグレードのものであってもよいが、ロータコア2の電磁鋼板よりも鉄損が少なくなるような、磁気特性が優れたグレードのもの(例えばケイ素添加量が多いグレード)を採用することが好ましい。
【0030】
図3〜図5に示すように、第1〜第3壁面部2d〜2fにおける第1〜第3永久磁石3a〜3bがそれぞれ当接する部分には、僅かに凹んでなる嵌合凹部2gがそれぞれ形成されており、各嵌合凹部2gに第1〜第3永久磁石3a〜3bの壁面部2c側の端部が嵌合している。また、第2及び第3壁面部2e,2fにおける嵌合凹部2gのロータ径方向外側には、ロータ軸心方向に延びる溝部2hがそれぞれ形成され、第2及び第3壁面部2e,2fにおける該溝部2hの更にロータ径方向外側には、ロータ周方向に突出する突出部2iがそれぞれ形成されている。これら突出部2iは、凹溝部2bのロータ径方向外側の開口が狭くなるように互いに近付く側に突出している。
【0031】
さらに、各凹溝部2b内には、非磁性の樹脂からなる規制部材32が配設されている。この規制部材32の樹脂材料は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)のように、耐熱性を有するものが好ましい。
【0032】
上記規制部材32は、図3及び図4に示すように、ロータ軸心方向から見て、略台形状の枠状部32aを有している。この枠状部32aは、ロータ軸心方向から見て、凹溝部2bと略同じ形状及び大きさを有しており、凹溝部2bに対して、ロータ軸心方向から挿入されて嵌合するようになっている。枠状部32aが凹溝部2bに嵌合したときには、枠状部32aの4つの角部が、凹溝部2bの壁面部2cに当接する。すなわち、枠状部32aの4つの角部のちロータ径方向内側の2つの角部が、第1壁面部2dの嵌合凹部2gと第2壁面部2eの嵌合凹部2gとの間の部分及び第1壁面部2dの嵌合凹部2gと第3壁面部2fの嵌合凹部2gとの間の部分にそれぞれ当接し、ロータ径方向外側の2つの角部が、上記突出部2iにそれぞれ当接する。尚、ロータ部4の完成状態では、枠状部32aは、凹溝部2bの外側にはみ出している。
【0033】
上記枠状部32aの4つの角部におけるロータ軸心方向一側の面には、ロータ軸心方向一側に延びる第1〜第4支持部32b〜32eがそれぞれ設けられている。第1〜第4支持部32b〜32eのうちロータ径方向外側に位置するものが第1及び第2支持部32b,32cであり、ロータ径方向内側に位置するものが第3及び第4支持部32d,32eである。第1〜第4支持部32b〜32eの長さは、ロータコア2のロータ軸心方向の長さと略同じであるが、各支持部32b〜32eの先端にそれぞれ設けられた後述のストッパ部32fの分だけ、ロータコア2のロータ軸心方向の長さに対して僅かに長くなっている。
【0034】
枠状部32aは、規制部材32を凹溝部2bに挿入する前に、規制部材32が押え部材31及び3つの永久磁石3を支持して、この支持状態で規制部材32を凹溝部2bに対してロータ軸心方向一側から挿入し易くするために設けたものであり、ロータ部4の完成状態では、基本的に必要なものではない。また、後述の各ストッパ部32fは、上記支持状態の規制部材32の挿入完了で、ロータコア2のロータ軸心方向一側の面に当接して、規制部材32をそれ以上挿入させないようするためのものであり、各ストッパ部32fも、ロータ部4の完成状態では、基本的に必要なものではない。ロータ部4の完成状態で、ストッパ部32fを除く第1〜第4支持部32b〜32e、3つの永久磁石3及び押え部材31が、凹溝部2b内に配設されることになる。
【0035】
第1及び第2支持部32b,32cにおけるロータ周方向に相対向する面とは反対側の面には、上記溝部2hに嵌合する突起部32gが、ロータ軸心方向の全体に亘って延びるようにそれぞれ形成されており、該突起部32gは、枠状部32aにまで連続して延びている。第1及び第2支持部32b,32cは、枠状部32aのロータ径方向外側の2つの角部と同様に、上記突出部2iにそれぞれ当接している。これにより、第1及び第2支持部32b,32cは、ロータ周方向における両支持部32b,32cの間隔が広がる側や、ロータ径方向外側には変形できないようになっている。第1及び第2支持部32b,32c並びに枠状部32aにおけるロータ径方向外側の面の半径は、ロータコア2の外周面の半径と同じであり、第1及び第2支持部32b,32c並びに枠状部32aにおけるロータ径方向外側の面とロータコア2の外周面とは、ロータ軸心方向から見て同じ円周上に位置する。第1及び第2支持部32b,32cの先端には、ロータ周方向における両支持部32b,32cが離れる側に突出するストッパ部32fがそれぞれ形成されている。
【0036】
第3支持部32dは、第1及び第2永久磁石3a,3b間に位置していて、ロータ軸心方向から見て略V字状をなす2つの立壁部32hを有している。これら2つの立壁部32hにおける壁面部2c側の面は、第1及び第2壁面部2d,2eにそれぞれ当接している。2つの立壁部32hにおける相対向する面とは反対側の面は、第1及び第2永久磁石3a,3bにそれぞれ当接している。第3支持部32dにおける2つの立壁部32hの先端には、ロータ径方向内側に突出するストッパ部32fがそれぞれ形成されている。
【0037】
また、第4支持部32eは、第1及び第3永久磁石3a,3c間に位置していて、第3支持部32dと同様に、ロータ軸心方向から見て略V字状をなす2つの立壁部32iを有している。これら2つの立壁部32iにおける壁面部2c側の面は、第1及び第3壁面部2d,2fにそれぞれ当接している。2つの立壁部32iにおける相対向する面とは反対側の面は、第1及び第3永久磁石3a,3cにそれぞれ当接している。第4支持部32eにおける2つの立壁部32iの先端にも、ロータ径方向内側に突出するストッパ部32fがそれぞれ形成されている。
【0038】
上記押え部材31は、上記第1〜第4支持部32b〜32e間に支持されるようになっている。すなわち、押え部材31のロータ軸心方向から見た4つの角部に第1〜第4支持部32b〜32eがそれぞれ当接して、第1〜第4支持部32b〜32eが押え部材31を挟むように支持している。そして、図5に示すように、ロータ軸心方向から見て、押え部材31におけるロータ径方向外側の2つの角部は、比較的大きな半径を有するR面取りがなされている。第1及び第2支持部32b,32cのロータ周方向に相対向する面も、上記角部に対応した形状をなしており、第1及び第2支持部32b,32cは、押え部材31のロータ径方向外側に回り込むことになる。これにより、規制部材32の第1及び第2支持部32b,32cは、該規制部材32が配設された凹溝部2b内の押え部材31のロータ径方向外側より該押え部材31を支持することになる。押え部材31におけるロータ径方向内側の2つの角部は、第3及び第4支持部32d,32eにおけるロータ径方向内側の面に当接している。尚、押え部材31におけるロータ径方向外側の面(第1及び第2支持部32b,32cにより支持される2つの角部を除く)は、ロータコア2の外周面と、ロータ軸心方向から見て同じ円周上に位置している。
【0039】
図示は省略するが、第3支持部32dにおける2つの立壁部32hの間、及び、第4支持部32eにおける2つの立壁部32iの間、つまり、押え部材31と凹溝部2bの壁面部2cとの間における3つの永久磁石3の間には、樹脂が充填されている。この樹脂は、液状のものが充填後に硬化したものである。このような樹脂としては、例えば1液性エポキシ樹脂組成物接着剤のような1液性の接着剤が好ましい。上記樹脂は、規制部材32が押え部材31及び3つの永久磁石3を支持した状態で凹溝部2bに挿入された後に充填されて、やがて硬化する。
【0040】
上記樹脂の充填により、規制部材32が凹溝部2bの壁面部2cに固定される。また、第3支部部32dの2つの立壁部32hが、上記樹脂により両立壁部32hの間隔が広がるように押圧され、これにより、第1永久磁石3aが第4支持部32eの側へ押圧されるとともに、第2永久磁石3bが第1支持部32bの側へ押圧される。さらに、第4支部部32eの2つの立壁部32iが、上記樹脂により両立壁部32iの間隔が広がるように押圧され、これにより、第1永久磁石3aが第3支持部32dの側へ押圧されるとともに、第3永久磁石3bが第2支持部32cの側へ押圧される。したがって、第1永久磁石3aは、第3及び第4支持部32d,32e間に固定される。また、第1及び第2支持部32b,32cは突出部2iにそれぞれ当接しているとともに、突起部32gが溝部2hにそれぞれ嵌合しているので、第2永久磁石3bは、第1及び第3支持部32b,32d間に固定され、第3永久磁石3cは、第2及び第4支持部32c,32e間に固定されることになる。
【0041】
また、上記樹脂の充填により、第3及び第4支持部32d,32eがロータ径方向外側へ押圧される。これにより、押え部材31がロータ径方向外側へ押圧されるが、押え部材31は第1及び第2支持部32b,32cによってロータ径方向外側へ移動することはできない。この状態で、押え部材31は、第1〜第3挟持面部31a〜31cにて、第1〜第3永久磁石3a〜3cを、第1〜第3壁面部2d〜2fに対しそれぞれ押圧している。
【0042】
さらに、上記樹脂の充填により、凹溝部2b内には、隙間がなくなり、永久磁石3、押え部材31及び規制部材32間のがたつきがなくなる。この結果、永久磁石3及び押え部材31は、ロータ軸心方向に垂直な平面内においてどの方向にも移動することができなくなるとともに、凹溝部2bの壁面部2c、永久磁石3、押え部材31及び規制部材32(第1〜第4支持部32b〜32e)が互いに押圧されているので、永久磁石3及び押え部材31は、ロータ軸心方向にも移動できなくなる。こうして、規制部材32は、凹溝部2bの壁面部2cと協働して、押え部材31の移動を規制することになる。
【0043】
上記ロータ1を製造するには、先ず、回転軸(モータ軸)、ロータコア2、永久磁石3、押え部材31及び規制部材32をそれぞれ別々に製造しておく。
【0044】
続いて、規制部材32の第1〜第4支持部32b〜32eの間に押え部材31を枠状部32aの反対側から挿入するとともに、第3及び第4支持部32d,32e間に第1永久磁石3aを、第1及び第3支持部32b,32d間に第2永久磁石3bを、第2及び第4支持部32c,32e間に第3永久磁石3cを、それぞれ挿入する。
【0045】
次いで、上記規制部材32を、押え部材31及び3つの永久磁石3を支持した状態で、ロータコア2の凹溝部2bに対してロータ軸心方向一側から挿入する。このとき、規制部材32を、枠状部32aが前側になるように移動させる。第1〜第4支持部32b〜32eの各ストッパ部32fがロータ軸心方向一側の面に当接したとき、規制部材32の挿入は完了する。そして、規制部材32の挿入を、ロータコア2の全ての凹溝部2bに対して行う。
【0046】
その後、各凹溝部2bにおいて第3支持部32dにおける2つの立壁部32hの間、及び、第4支持部32eにおける2つの立壁部32iの間に、上記樹脂を充填して、その樹脂を硬化させ、こうして、ロータ部4が完成する。尚、上記樹脂の充填を、1つの凹溝部2bに上記規制部材32を挿入する毎に行うようにしてもよい。
【0047】
最後に、上記ロータ部4のロータコア2の貫通孔2aに回転軸を圧入して、ロータ1が完成する。尚、ロータコア2の凹溝部2bに上記規制部材32を挿入する前に、予めロータコア2の貫通孔2aに回転軸を圧入しておいてもよい。
【0048】
したがって、本実施形態では、ロータコア2とは別体の押え部材31により、凹溝部2bの壁面部2cと共に永久磁石3を挟持したので、永久磁石3からの漏れ磁束の発生を防止することができる。また、凹溝部2b内に規制部材32を配設して、この規制部材32が、押え部材31のロータ径方向外側より該押え部材31を支持するとともに、凹溝部2の壁面部2cと協働して、該押え部材31の移動を規制するようにしたので、ロータコア2のロータ軸心方向の両側に、押え部材31を固定するための部材を配設する必要はない。この結果、永久磁石式モータMのロータ軸心方向の長さが長くならずに済むとともに、低コストで済む。
【0049】
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態2を示し、ロータ1において、上記実施形態1と同様のロータ部4(ロータコア2)を複数(図6では、2つ)設けるようにしたものである。
【0050】
すなわち、本実施形態では、不図示の回転軸(モータ軸)が複数のロータコア2の貫通孔2aを連続的に貫通するように圧入されて、該回転軸上において、各凹溝部2b内に永久磁石3、押え部材31及び規制部材32が配設された複数のロータコア2(ロータ部4)がロータ軸心方向に積層された状態となっている。図6では、2つのロータ部4が、規制部材32の枠状部32a同士が対向するように積層されているが、各ロータ部4のロータ軸心方向の向きは、これには限られず、同じ向きを向くようにしてもよい。
【0051】
上記実施形態1のロータ部4では、規制部材32の枠状部32a及びストッパ部32fが凹溝部2bからはみ出しているので、複数のロータコア2は、枠状部32a及びストッパ部32fの少なくとも一方を介して積層されることになる。しかし、枠状部32a及びストッパ部32fの強度は、ロータコア2のロータ軸心方向の両側に設けられる、押え部材31を固定するための部材よりも低い強度で済むので、上記はみ出し量は、押え部材31を固定するための上記部材の厚みよりも小さくて済む。また、枠状部32a及びストッパ部32fをなくせば、複数のロータコア2同士は互いに直に接触することになる。
【0052】
上記複数のロータコア2における各凹溝部2bの周方向の位置は、該複数のロータコア2間で互いに周方向にずれている。そして、相隣接する任意の2つのロータコア2のうちロータ軸心方向一側のロータコア2の各凹溝部2bの周方向の位置が、ロータ軸心方向他側のロータコア2の各凹溝部2bに対して周方向一側に所定角度だけずれている。すなわち、複数のロータコア2のうちロータ軸心方向一側の端に位置するロータコア2を除く全ロータコア2の各凹溝部2bの周方向の位置が、ロータ軸心方向一側の端に位置するロータコア2に対して周方向の同じ側にずれており、ロータ軸心方向一側の端からn番目(nは2以上の自然数)のロータコア2の各凹溝部2bの上記ずれ量は、上記所定角度の(n−1)倍とされる。上記所定角度は、永久磁石式モータMのコギングトルクや出力トルク変動(トルクリプル)を小さくすることが可能な角度に設定され、上記所定角度の上限値は、m個のロータコア2の場合、凹溝部2bのピッチ角度(8つの凹溝部2bの場合、45°)の1/(m−1)である。
【0053】
上記ロータ1を製造するには、上記実施形態1と同様にしてロータ部4を製造して、複数のロータ部4を準備する。尚、本実施形態では、図示は省略するが、回転軸とロータコア2の貫通孔2aとの周方向の位置決めを行えるように、回転軸には位置決めキーが設けられ、ロータコア2の貫通孔2aには、その位置決めキーが嵌合するキー溝が設けられる。キー溝の周方向の位置は、複数のロータ部4間で互いにすれることになる。
【0054】
上記複数のロータ部4を順次回転軸上に周方向に位置決めしながら、互いに積層されるようにセットしていく。こうして回転軸上にセットされた複数のロータ部4のロータコア2における各凹溝部2bの周方向の位置は、該複数のロータコア2間で互いに周方向にずれることになる。
【0055】
尚、2つのロータ部4の場合には、回転軸上に、凹溝部2bに規制部材32を挿入する前の2つのロータコア2をセットした後、両ロータコア2の凹溝部2bに、押え部材31及び3つの永久磁石3を支持した状態の規制部材32を挿入することが可能である。このようにした場合、2つのロータ部4が、規制部材32の枠状部32a同士が対向するように積層されることになる。
【0056】
したがって、本実施形態では、永久磁石式モータMのコギングトルクや出力トルク変動を小さくすることができる。一方、複数のモータ部4(ロータコア2)をロータ軸心方向に積層したとしても、各ロータコア2のロータ軸心方向の両側に、押え部材31を固定するための部材が存在しないことから、永久磁石式モータMのロータ軸心方向の長さを出来る限り長くならないようにすることができるとともに、コストアップを出来る限り抑制することができる。また、押え部材31を固定するための上記部材を設けることによるモータ効率の低下を抑制することができる。
【0057】
(実施形態3)
図7及び図8は、本発明の実施形態3を示し、押え部材31及び規制部材32の形状を、上記実施形態1とは異ならせたものであり、その他の構成は、上記実施形態1のロータ1のロータ部4と同様である。
【0058】
すなわち、本実施形態では、押え部材31のロータ径方向外側の面におけるロータ周方向両端部に、そのロータ周方向中央側の部分に対してロータ径方向内側に凹む段差部31dがそれぞれ形成されている。これら両段差部31dのロータ径方向外側に、規制部材32の第1及び第2支持部32b,32cがそれぞれ位置して押え部材31を支持している。
【0059】
上記各段差部31dの幅(ロータ周方向の長さ)は、ロータ軸心方向の一側から他側に向かって大きくなるようになされており、これにより、両段差部31dの間隔、つまり、押え部材31のロータ径方向外側の面における段差部31dがない部分のロータ周方向の長さが、ロータ軸心方向の一側から他側に向かって狭くなるようになっている。また、段差部31dに対応して、第1及び第2支持部32b,32cの間隔も、ロータ軸心方向の一側から他側に向かって狭くなるようになっている。これにより、押え部材31のロータ径方向外側の面において第1及び第2支持部32b,32cによって覆われていない部分のロータ周方向の長さが、ロータ軸心方向の一側から他側に向かって小さくなっている。
【0060】
このような構成により、上記実施形態2と同様に、永久磁石式モータMのコギングトルクや出力トルク変動を小さくすることができるようになる。すなわち、本実施形態では、上記実施形態2のように複数のロータ部4(ロータコア2)を積層しなくても、永久磁石式モータMのコギングトルクや出力トルク変動を小さくすることができる。よって、永久磁石式モータMのロータ軸心方向の長さをより短くしつつ、より低コストで、上記実施形態2と同様の作用効果が得られる。
【0061】
(実施形態4)
図9は、本発明の実施形態4を示し、各凹溝部2b内に永久磁石3、押え部材31及び規制部材32が配設されたロータコア2の外周面に、該外周面全周を覆うカバー部材35を設けたものであり、その他の構成は、上記実施形態1のロータ1のロータ部4と同様である。
【0062】
このカバー部材35は、非磁性体でかつ導体(例えばアルミニウム)で構成されていることが好ましい。また、カバー部材35の厚みは、所定値以下に設定されて、ロータコア2の外周面とステータコア12のティース部14の先端面との間隔を広げなくても済むように十分に薄くしている(例えば0.2mm〜0.3mm程度)。
【0063】
このようにカバー部材35を、厚みの薄い非磁性体でかつ導体で構成すれば、表皮効果を利用して、特にインバータのスイッチング作用に伴って生じる高周波電流をカバー部材35に流すことができ、ロータコア2の発熱を抑制することができる。また、押え部材31がロータ1の回転により特にロータ径方向外側へ移動しようとしても、カバー部材35によって、その移動をより確実に規制することができる。
【0064】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0065】
例えば、上記実施形態では、各凹溝部2b内に設けられる永久磁石3の数は3つであるが、これには限らず、例えば2つとして、2つの永久磁石3を、ロータ軸心方向から見て、ロータ径方向外側に行く程間隔が広がる略V字状に配置してもよい。この場合、永久磁石3の配置に対応して、各凹溝部2bの壁面部2cは、ロータ軸心方向から見て略V字状をなし、押え部材31はロータ軸心方向から見て略三角形状をなすようにし、規制部材32は、押え部材31の特に3つの角部を支持するようにすればよい。
【0066】
また、上記実施形態では、規制部材32が枠状部32a及びストッパ部32fを有しているが、規制部材32を、ストッパ部32fが形成されていない複数の支持部のみで構成してもよい。特に上記実施形態2の場合には、このように構成することが好ましい。この場合、上記支持部を各凹溝部2b内に挿入して壁面部2cに接着剤等により固定した後、永久磁石3及び押え部材31をその支持部間に挿入すればよい。また、樹脂の充填は必ずしも必要ではなく、例えば圧入や接着等を利用して、永久磁石3及び押え部材31を各凹溝部2b内に固定することも可能である。
【0067】
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、永久磁石が設けられたロータコアを有するロータと、該ロータのロータコアの外周側に配設される、巻線を有するステータとを備えた永久磁石式モータに有用であり、特に、永久磁石式モータを電気自動車やハイブリッド自動車の車両駆動用モータとして用いる場合に有用である。
【符号の説明】
【0069】
M 永久磁石式モータ
1 ロータ
2 ロータコア
2b 凹溝部
2c 壁面部
3 永久磁石
11 ステータ
21 巻線
31 押え部材
32 規制部材
35 カバー部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
永久磁石が設けられたロータコアを有するロータと、該ロータのロータコアの外周側に配設された、巻線を有するステータとを備えた永久磁石式モータであって、
上記ロータコアの外周面には、ロータ軸心方向に延びる複数の凹溝部が、周方向に間隔をあけて形成されており、
上記各凹溝部内には、
上記永久磁石と、
上記凹溝部内の上記永久磁石を、該凹溝部の壁面部と共に挟持する押え部材と、
上記凹溝部の壁面部に固定された規制部材と、
が配設されており、
上記規制部材は、該規制部材が配設された凹溝部内の押え部材のロータ径方向外側より該押え部材を支持するとともに、上記凹溝部の壁面部と協働して、該押え部材の移動を規制するように構成されていることを特徴とする永久磁石式モータ。
【請求項2】
請求項1記載の永久磁石式モータにおいて、
上記ロータは、上記各凹溝部内に上記永久磁石、上記押え部材及び上記規制部材が配設された上記ロータコアを複数有し、
上記複数のロータコアは、ロータ軸心方向に積層され、
上記複数のロータコアにおける各凹溝部の周方向の位置が、該複数のロータコア間で互いに周方向にずれており、
相隣接する任意の2つのロータコアのうちロータ軸心方向一側のロータコアの各凹溝部の周方向の位置が、ロータ軸心方向他側のロータコアの各凹溝部に対して周方向一側に所定角度だけずれていることを特徴とする永久磁石式モータ。
【請求項3】
請求項1又は2記載の永久磁石式モータにおいて、
上記各凹溝部内の永久磁石は、上記押え部材と該凹溝部の壁面部との間で、互いに間隔をあけた状態で複数配設されており、
上記押え部材と上記凹溝部の壁面部との間における上記複数の永久磁石間に、樹脂が充填されていることを特徴とする永久磁石式モータ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の永久磁石式モータにおいて、
上記各凹溝部内に上記永久磁石、上記押え部材及び上記規制部材が配設された上記ロータコアの外周面に、該外周面全周を覆うカバー部材が設けられていることを特徴とする永久磁石式モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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