説明

汗疱状白癬菌剤及び爪白癬菌剤の発明

【課題】汗疱状白癬菌の治療薬の提供。
【解決手段】酪酸菌をアミノ酸、バレイショデンプン、水等を含む培地で20〜42℃、20〜72時間培養して得られる培養液、及び、培養液を遠心分離することにより得られる培養エキスは、汗疱状白癬菌に抗菌作用を有する。培養エキスを汗庖状白癬菌に感染した患者の足指部に塗布することにより、治療効果を得た。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
日本は高温多湿気候のため国民の25%が汗疱状白癬菌に冒されている国民病である、この汗疱状白癬菌に対して自然界に存在する微生物で対応可能な素材がないか、種々多角的検討した結果、副作用もなく環境汚染もない菌剤を探求する中で酪酸菌(Clostridium butyricum)の効果が顕著である事を発見した、酪酸菌(Clostridium butyricum)の生態及び特長を追求した結果下記の特長と活用方法を発見。
【0002】
酪酸菌(Clostridium butyricum)が生成の際産生する有機物の薬効を持続させ活用を図れる薬剤の技術開発。
【0003】
酪酸菌(Clostridium butyricum)は生態サイクルを繰り返しながら芽胞体を形成するがその過程で産生する有効成分比率を高め薬効を飛躍的に伸長する技術開発。
【0004】
芽胞体以外の生態での酪酸菌は環境条件で消滅する確立は高いが芽胞体を保持することで環境の影響を受けず患部に使用した時点より生態サイクルを開始し酪酸菌の特性が発揮できるように菌質を改良した汗疱状白癬菌薬剤の技術開発。
【0005】
酪酸菌(Clostridium butyricum)の生態は栄養体→紡錘形体→内生芽胞体→芽胞体→栄養体のサイクルを繰り返しながら生殖しているこのサイクルを適正に制御し有効性を高める技術開発。
尚、増殖は栄養体の生態で行なわれる。
【0006】
今回の発明ではこの菌特性を生かし汗疱状白癬菌剤として機能を最大限に発揮する製造技術の開発。
【技術開発事例】
【0007】
▲1▼培養培地に含有するミネラル成分量の調整による菌質の強化。
▲2▼培養経過時間に連動した特殊温度調整による菌質の強化。
▲3▼培養経過状況に連動した特殊撹拌及び周期調整による菌質の強化。
▲4▼培養エキス(液)に含有する菌量及び有効成分の制御技術開発(分離技術例:培養液の均一化、分離流量、培養液濃度粘度、温度、分離重力加速度G、の比例制御等)による菌質強化。
▲5▼培養及び分離環境の最適化の技術開発。
▲6▼上記▲1▼〜▲5▼の特殊技術の開発により最適バランス構成及び最適菌質改良の汗疱状白癬菌薬剤が開発出来た。
【治療薬としての使用法】
【0008】
患部に対し▲1▼培養液を塗布 ▲2▼培養エキス(液)を塗布 ▲3▼ペースト状菌を塗布 ▲4▼菌末を塗布する。
尚、▲1▼培養エキス(液)を塗布した場合の効果が顕著である。
【0009】
酪酸菌は他の菌を駆逐する作用が強烈である、又皮膚の炎症を修復する作用も優れている。
【0010】
芽胞状で保管(安定)している菌がヒトの皮膚に接する事で発芽し増殖活動を開始する。
【00011】
増殖活動を開始した際塗布した培養エキス(液)中には微量の有機酸、各種ミネラルなどを含有している、この微量有効成分が治癒効果を高め即効性の発揮にも有効に作用している。
【0012】
前述の性質、状況、環境など考慮すると汗疱状白癬菌剤としての適性があると判断し実試験を実施し治癒効果が優れている事を立証。
【汗疱状白癬菌疾病治療例】
【0013】
白癬菌の中でも薬剤に強い、しょうこう色菌、石膏様菌などにも強い効果を発揮する。
実験結果としては培養液の場合は5倍希釈 培養エキス(液)の場合は2倍希釈で効果を発揮する事が確認された。尚、希釈液は無菌水使用。
【発明の効果】
【0014】
日本は高温多湿気候のため国民の25%が汗疱状白癬菌に冒されているとのデーターがある国民病の一つとなっている。
白癬菌は皮膚のゼラチンを栄養源として増殖している、既存の汗疱状白癬菌剤としては塗薬、服用と二法式あるが服用は医師の診察指導を受診後、治療に場合3カ月〜6カ月要しており患者の負担が大きい〔爪白癬菌治療既存凡例〕別添参考資料参照。
「既存白癬菌治療剤との比較」
既存白癬菌治療塗薬の場合は化学成分(フタル酸ジエチル、トルナフテート、グリチルレチン酸、グリセオフルビン、クロラムフェニコール、酢酸ヒドロコルチゾン、トリコマイシン、硝酸ミコナゾール、クロタミトン、リドカイン、トルナフタート、など)を主体に構成されており患部に接触している部分については効能を発揮するが隠蔽部などには届きにくいため 一旦完治した様に見えても一定期間経過すると隠蔽部などで生息していた菌によって発症再発する事の繰り返し例が多い、本発明の汗疱状白癬菌剤は微生物酪酸菌(Clostridium butyricum)の生殖活動及び生殖活動で産生される有機物との相乗効果を有効利用しているため汗疱状白癬菌などが生殖している隠蔽部などにも侵入し駆逐する特長があり完治後の再発率は治験実例でも極めて少ない。
また、酪酸菌(Clostridium butyricum)は自然界に多く生息している土壌菌であり既存の化学薬品を用いた薬剤に比較し副作用がまったくない環境にも優しい菌剤の開発である。
【酪酸菌(Clostridium butyricum)生態写真】
【0015】
本発明に用いられる酪酸菌(Clostridium butyricum)は、偏性嫌気菌で芽胞を形成するグラム陽性の桿菌である。栄養体で増殖活動がなされ、芽胞形成により、耐熱性、耐酸性を有し生菌としての安定性に優れた土壌菌であり産生する有機物は様々な微生物やその生態への活力と薬効を発揮する。

【酪酸菌(Clostridium butyricum)製造工程概要図】
【0016】

【図面の簡単な説明】
酪酸菌培養液とは、酪酸菌を通常の酪酸菌を培養する培地例えば、アミノ酸、バレイショデンプン、水等を含む培地で20〜42℃、20〜72時間培養して得られる培養液のことをいう。
培養エキス(液)とは、上記酪酸菌培養液を遠心分離等により固液分離して、得られる液部のことをいう。
尚、菌質改善(発明)の具体的事例については明細書の〔発明の概要〕〔0007〕記述参照。
【白癬菌に酪酸菌を添加時の検証】
【0017】

【汗疱状白癬菌疾病治療事例】
【0018】

【安全性】
【0019】
本発明に使用している酪酸菌(Clostridium butyricum) は60年前に千葉大学宮入欣治教授に依って発見されその後医薬品として発売され50年の実績のある菌であり、汎用市販さえている使用例は多種ある。
【汎用例1】
【0020】

【汎用例2】
【0021】

【汗疱状白癬菌疾病治療例実施に伴う副作用】
【0022】
本発明実験に於いて、被験者全員、副作用など問題が検出される事はまったくなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酪酸菌(Clostridium butyricum)を含有する汗疱状白癬菌剤及び爪白癬菌剤の製造販売。
【請求項2】
酪酸菌(Clostridium butyricum)培養エキス(液)及び酪酸菌死菌体を含有する汗疱状白癬菌剤及び爪白癬菌剤の製造販売。
【請求項3】
酪酸菌(Clostridium butyricum)培養液及び酪酸菌産生物質を含有する汗疱状白癬菌剤及び爪白癬菌剤の製造販売。

【公開番号】特開2007−320954(P2007−320954A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180405(P2006−180405)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【出願人】(506223691)
【Fターム(参考)】