説明

汚染物質の処理方法及びシステム

土壌処理システムは、少なくとも1枚の壁及び少なくとも1枚の床と、壁の少なくとも1枚に結合した又は内部に存在させた少なくとも1つのヒータと、床に結合した又は床内に存在させる少なくとも1つの略長尺な床ヒータとを有する土壌室を含む。壁の少なくとも1枚は、ヒータの少なくとも1つから土壌室の内部に伝熱するように構成した熱伝導材料を少なくとも部分的に含む。壁の2枚以上で、土壌室の内部を囲む。壁の少なくとも1枚及び/又は床は、土壌室を加熱中の閉位置と、土壌を土壌室に供給する又は土壌室から除去するために、土壌移動車両を土壌室の内部にアクセス可能にする開位置との間で移動できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して土壌修復システム及び方法に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、壁及び/又は床を加熱した部屋でIPTD(パイル方式加熱脱着(In−Pile Thermal Desorption)を行うシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
土壌汚染は、多くの場所において懸念される問題である。「土壌」とは、地中の非固結物及び固結物、及び河川、港湾、河口等水域の堆積物を指す。土壌として、土砂、岩石といった自然形成物の他、盛土材料を挙げることができる。土壌は、化学的、生物学的化合物、及び/又は放射性化合物で汚染されていることがある。人の健康や環境を守るために、そうした種類のCOC(懸念汚染物質:Contaminants of Concern)を処理することが、現代社会の課題となっている。
【0003】
汚染土壌を修復する方法は多数ある。「土壌を修復する」とは、土壌中の汚染レベル又は汚染物質の移動を低減する、或いは土壌から汚染物質を除去するように土壌を処理することを意味する。汚染土壌を修復する原位置外(ex situ)の方法として、典型的には、土壌を掘削した後、場内(in−site)若しくは場外(off−site)の処理施設で土壌を処理して、土壌中の汚染レベルを低減する、又は土壌から汚染物質を除去することが挙げられる。或いは、汚染土壌を掘削しなくてもよいが、その代わりその場で修復する、「原位置(in situ)修復」と呼ばれる方法もある。
【0004】
修復中、汚染土壌に加えた熱で、土壌温度が土壌汚染物質の気化温度より高くなることがある。土壌温度が土壌汚染物質の気化温度を超えると、一部又は全ての汚染物質が気化する。加熱脱着は、汚染土壌を原位置若しくは原位置外で加熱することを含む土壌修復処理である。土壌を加熱することで、土壌からの汚染物質の気化及び気化輸送(例えば、蒸気蒸留)、水蒸気及び/又はガス流体への汚染物質の同伴及び除去、熱劣化(熱分解及び/又は加水分解による)、及び/又は土壌内での酸化若しくは他の化学反応による汚染物質の他の化合物への変換を含むが、これらに限定しない、処理によって、土壌汚染を低減できる。加熱修復中、負圧を土壌に印加して、オフガス及び/又は他の流体を土壌から除去できる。オフガス及び他の流体は、貯蔵タンクや処理施設へと送られ、抽出流体から汚染物質を除去するように、若しくは流体中の汚染物質レベルを低減するように処理されることができる。
【0005】
土壌は、原位置及び原位置外両方で、様々な方法で加熱できる。土壌を加熱する方法としては、直焚き、対流(例えば、ロータリーキルン)、熱伝導による強力な加熱、蒸気噴射による加熱、高周波加熱による加熱、又は土壌電気抵抗加熱による加熱が挙げられるが、これらに限定されない。熱伝導加熱(「TCH」)は、熱伝導加熱によって得られる温度が、土壌中の水分量又は他の極性物質に左右されないため、有利かも知れない。水沸点より実質的に高い土壌温度を、必要に応じて、熱伝導加熱を用いて得ることができる。約100°C、200°C、300°C、400°C、500°C以上の土壌温度が、熱伝導加熱を用いて得られる。そうした温度を達成することで、極めて広範囲な有機汚染物質および一部の金属(例えば、水銀)を、処理でき、完全にではなくとも大幅に土壌から除去できる。
【0006】
掘削及びこれらの汚染物質の場外廃棄は、埋め立てゴミ処理地等別の場所にこれらの汚染物質を輸送することを伴うため、益々、コストが高く、法的責任の観点からも弊害があると考えられている。IPTD(パイル方式加熱脱着)は、バッチ毎に汚染土壌、堆積物又は他の物質を処理する新技術である。土壌パイル又は処理セルを、典型的には、土壌体積中に挿設するヒータ又は加熱パイプと共に構築し、その後パイル又はセルを被覆する。次に、パイル又はセルを目標温度まで加熱し、最終目標に達すると、加熱システムを分解し片付ける際に、処理土壌を除去する。この処理の全サイクルを完了するのに、通常2カ月はかからない。IPTDは現場で実行でき、廃棄物中に存在する水気が多い有機含有物、微粒子、及び岩石又は岩屑に対して、比較的反応しない。
【0007】
ステージマイヤ(Stegemeier)氏他による米国特許公開第2004/0228690号、同氏他による米国特許第6,881,009号、同氏他による米国特許第7,004,678号、同氏他による米国特許第7,534,926号は、其々全体を、完全に本明細書に記載しているかのごとく、本明細書に参照として組込むものとするが、汚染土壌を加熱するシステム及び方法について記載している。
【0008】
現在のIPTD技術は、例えば、土壌体積中の加熱システム及びガス導入口/真空配管を、後に損傷しないように、設置又は除去したり、各ヒータ又はヒータの組立体をまず分解せずに、土壌を堆積及び/又は除去するのに使用するブルドーザやダンプカー等の土壌積込車両でセル内部に容易にアクセスしたりするのに、若干問題や課題を含む可能性がある。熱ガス等の流体を注入して土壌を加熱することを含む他の処理技術では、結果的に、熱ガスが透過性の高い通路(例えば、砂の地層、シルト質/粘土質のブロック又は塊間の割れ目、空洞)に優先的に流れるために、またシルト質/粘土質のブロック又は塊で例示される低透過ゾーンを迂回するために、加熱が不均一になることがある。
【発明の概要】
【0009】
土壌修復システム及び関連装置、及びそれらを運転する方法に関する様々な実施形態について、記述する。一実施形態では、汚染土壌を処理する方法を提供する。該方法は、 少なくとも1枚の壁及び少なくとも1枚の床と、壁の少なくとも1枚に結合した又は内部に存在させた少なくとも1つのヒータと、床に結合した又は床内に存在させた少なくとも1つの略長尺な床ヒータとを有する土壌室に、汚染土壌を供給することを含む。壁の少なくとも1枚は、ヒータの少なくとも1つから土壌室の内部に伝熱するように構成した熱伝導材料を少なくとも部分的に含む。壁の2枚以上で、土壌室の内部を囲む。壁の少なくとも1枚及び/又は床は、土壌室を加熱中の閉位置と、土壌を土壌室に供給する又は土壌室から除去するために、土壌移動車両を土壌室の内部にアクセス可能にする開位置との間で移動できる。また、本方法は、汚染土壌中の汚染物質のレベルを大幅に低減するために、土壌室内で汚染土壌を加熱することを含む。
【0010】
別の実施形態では、土壌処理システムを提供する。該システムは、少なくとも1枚の壁及び少なくとも1枚の床と、壁の少なくとも1枚に結合した又は内部に存在させた少なくとも1つのヒータと、床に結合した又は床内に存在させた少なくとも1つの略長尺な床ヒータとを有する土壌室を含む。壁の少なくとも1枚は、ヒータの少なくとも1つから土壌室の内部に伝熱するように構成した熱伝導材料を少なくとも部分的に含む。壁の2枚以上で、土壌室の内部を囲む。壁の少なくとも1枚及び/又は床は、土壌室を加熱中の閉位置と、土壌を土壌室に供給する又は土壌室から除去するために、土壌移動車両を土壌室の内部にアクセス可能にする開位置との間で移動できる。
【0011】
また別の実施形態では、使用中に土壌を収容する土壌室を含む汚染土壌処理システムを提供する。土壌室は、少なくとも2つの略長尺なヒータと、略長尺なヒータの1つ又は複数と室内部との間に、略長尺なヒータの1つ又は複数を、熱伝導板と当接又は近接するように配置する1枚又は複数の前記熱伝導板とを含む。土壌室に供給する熱の殆どを、1枚又は複数の熱伝導板によって土壌室の内部から分離する1つ又は複数の略長尺なヒータから発生させる。壁の少なくとも1枚及び/又は床は、土壌室を加熱中の閉位置と、土壌を土壌室に供給する又は土壌室から除去するために、土壌移動車両を土壌室の内部にアクセス可能にする開位置との間で移動できる。
【0012】
本発明の効果については、添付図を参照して、以下の詳細な説明によって、当業者には明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の1つ又は複数の実施形態による、壁内にヒータを設置した土壌室システムを含む土壌処理システムについて説明する図である。
【図2A】本発明の1つ又は複数の実施形態による、図1の2−2線に沿った、土壌室システムの断面図である。
【図2B】本発明の1つ又は複数の実施形態による、土壌室システムについて説明する図である。
【図2C】本発明の1つ又は複数の実施形態による、土壌室システムについて説明する図である。
【図3A】本発明の1つ又は複数の実施形態による、共有壁を有する隣接する土壌室を含む土壌室システムについて説明する図である。
【図3B】本発明の1つ又は複数の実施形態による、土壌室について説明する図である。
【図3C】本発明の1つ又は複数の実施形態による、土壌室について説明する図である。
【図4A】本発明の1つ又は複数の実施形態による、可動な壁の少なくとも一部分を含む土壌室システムについて説明する図である。
【図4B】本発明の1つ又は複数の実施形態による、可動床について説明する図である。
【図5】本発明の1つ又は複数の実施形態による、汚染土壌を修復する方法について説明するフローチャートである。
【図6】本発明の1つ又は複数の実施形態による、ヒータについて説明する図である。
【図7】本発明の1つ又は複数の実施形態による、ヒータの配置について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、様々な変更及び変形形態が可能であり、本発明の具体的な実施形態について、図面で例として示し、以下で詳細に説明する。図面は原寸に比例していない。しかしながら、当然、図面及びそれに対する詳細な説明は、本発明を開示した特定の形態に限定するためのものではなく、逆に、本発明は、付記した請求の範囲で規定した本発明の精神及び範囲に入る全ての変更例、同等物、変形例を包含するものとする。
【0015】
以下に更に詳細に記載するように、本技術に関する特定の実施形態として、土壌を修復するシステム及び方法が挙げられる。実施形態は、汚染物質を土壌から除去するために、IPTD(パイル方式加熱脱着)技術を含む。一部の実施形態では、土壌処理システムは、土壌を加熱するのに使用する土壌室を含む。実施形態によっては、ヒータを土壌室の壁及び/又は床に設置する。実施形態によっては、壁及び/床の少なくとも一部分は、ヒータと土壌室の内部及び/又は土壌室内に収容した土壌との間に位置する熱伝導層(例えば、熱伝導層に取着した又は熱伝導層でできた壁及び/又は床)を含む。実施形態によっては、熱伝導層は、1枚又は複数枚の金属板又はシートを含む。熱伝導層により、使用中にヒータから土壌に伝熱する。実施形態によっては、複数の土壌室を、隣合う室で共通の壁を共有するように、互いに隣接して設ける。実施形態によっては、各室は、土壌移動装置が、土壌を堆積及び除去するために土壌室内部に進入可能にする1枚又は複数枚の可動な壁を含む。実施形態によっては、土壌処理システムは、使用中にガスを土壌室に流入及び土壌室から流出可能にする換気システムを含む。実施形態によっては、土壌室は、凝縮液又は他の流体を注入、補集、又は除去する流体収集システムを含む。使用中、土壌室の加熱により、汚染土壌に所望の配熱を行い、効果的に汚染物質の除去を行う。また、一部の実施形態では、ヒータの位置を壁及び/又は床内にすることで、土壌積降装置(フロントエンドローダ、ブルドーザ、ダンプカー等の車両を含むが、これらに限定しない)が、土壌室内部で大幅な制限を受けずに作業可能になる。
【0016】
図1は、本技術の1つ又は複数の実施形態による、その壁内にヒータ112を設置した土壌室システム110を含む土壌処理システム100について説明する図である。土壌処理システム100は、土壌室システム110、換気システム114、流体システム116、及び制御システム118を含む。土壌処理システム100を使用して、土壌を加熱して土壌中の汚染物質を除去してもよい。
【0017】
土壌室システム110は、1つ又は複数の土壌修復用土壌室を含んでもよい。例えば、点線で図示したように、土壌室システム110は、1つ又は複数の土壌室120を含んでもよい。各土壌室120は、土壌のパイルを堆積できる閉空間を含む。一実施形態では、土壌を、土壌室120内に堆積し、ヒータ112により土壌に伝熱して、土壌温度を目標レベルにまで上昇させて、特定の汚染物質を気化させ、換気システム114を介して除去、処理し、流出流体を、流体システム116を介して収集及び処理してもよく、修復した土壌を冷却し、土壌室から除去する。
【0018】
換気システム114を使用して、土壌室システム110に及び土壌室システム110に収容した土壌にガスを注入してもよい。空気等のガスを注入することで、加熱中に汚染物質の酸化及び除去を促進してもよい。一実施形態では、換気システム114を、土壌室システム110を真空引きできるものにする。真空引きにより、気化した汚染物質を土壌から除去し、蒸気をオフガス処理システムに搬送してもよい。図示した実施形態では、換気システム114は、ガスを土壌室システム110に供給するため及びガスを土壌室システム110から除去するために、土壌室システム110と連通する1本又は複数の導管を含む。以下でより詳細に記載するように、換気システム114は、土壌室システム110に対して内側に位置する1本又は複数の導管、例えば、換気管、流入口、流出口、スクリーン等を含んでもよい。一実施形態では、換気システム114の構成要素を、土壌室システム110の土壌室120の壁及び/又は床に設置する。換気システムの一部を壁内に配置することで、土壌室120を充填する際又は空にする際の影響を最小限にしながら、注入ガスを、土壌室120の1枚又は複数の内壁から土壌中に分散可能にできる、及び/又は土壌室120の1枚又は複数の内壁からガスを除去(例えば、真空引き)可能にできる。
【0019】
一実施形態では、換気システム114は、オフガス収集配管システム及び処理システムを含む。オフガス収集配管は、オフガス及び凝縮液を処理施設に導く非加熱配管としてもよい。或いは、オフガス収集配管を、収集配管内でオフガスが凝縮するのを妨げる加熱配管としてもよい。実施形態によっては、オフガス収集配管を、金属製配管、ガラス繊維製配管、ポリマー配管、フレキシブルホース等としてもよい、又はそれらを含んでもよい。オフガス収集配管システムを利用して、土壌から除去したオフガスを、仕上げのためにオフガス処理システムに搬送してもよい。オフガス処理システムにより、オフガス中の汚染物質を許容可能なレベルまで除去又は破壊してもよい。オフガス処理施設は、汚染物質を取除くために又はオフガス中の汚染物質を許容可能なレベルまで低減するために、熱酸化装置等の反応器システムを含んでもよい。或いは、処理システムは、オフガスを活性炭床に通過させる等、物質移動システムを使用して、汚染物質を取除く、又はオフガス中の汚染物質を許容可能なレベルまで低減してもよい。或いは、オフガス処理システムは、次の処理及び/又は廃棄のために、オフガス流から汚染物質及び水を凝縮するための、凝縮システムを含んでもよい。また、反応器システムと物質移動システムの組合せを使用して、汚染物質を取除く、又はオフガス中の汚染物質を許容可能なレベルまで低減してもよい。
【0020】
流体システム116を使用して、土壌室システム110に収容した土壌に流体を導入する、又は流体を土壌室システム110に収容した土壌から除去してもよい。一実施形態では、流体システム116を使用して、加熱及び汚染物質の除去後に土壌を冷却するための水を供給してもよい。例えば、流体システム116により、高温度の土壌を急冷するために水を供給してもよい。一実施形態では、土壌パイルを被覆せずに、流体システム116により、被覆しない土壌パイル本体の上から、及び/又は本体内に水を噴射する、或いは換気システム114のガス流入口/蒸気抽出配管を介して水を給送するが、該ガス流入口/蒸気抽出配管は、少なくとも部分的に土壌室の壁、又は別の導管システムに設ける。水を加熱した土壌に加える際に、蒸気に水をかけて、無害で拡散する水蒸気煙を発生させてもよい。一実施形態では、加熱後で乾燥している可能性がある(例えば、非凝集性で、そのため扱い難い)土壌に水気を再導入するために、水を土壌に添加してもよい。
【0021】
一実施形態では、流体システム116は、ライン、流路、ドレン、導管、ポンプ等を含み、これらを使用して、流体を土壌室システム110から注入及び/又は除去できる。一実施形態では、流体システム116は、ドレン及びポンプ(例えば、排水ポンプ)を含み、該ドレン及びポンプで、土壌室の底に溜った、浸出液とも呼ばれる液体を収集及び除去する。一実施形態では、収集した流体を、流体を処理するための浸出液処理システムへと送出してもよい。一実施形態では、土壌室120の、床等の下部は、傾斜して、浸出液を除去可能にするドレン及び/又はポンプを含んでもよい。
【0022】
制御システム118は、土壌室システム110、換気システム114及び/又は流体システム116をモニタリング及び制御するのに使用する計装及び電力制御システムを含んでもよい。一実施形態では、制御システム118を使用して、土壌室システム110の加熱速度をモニタリング及び制御する。例えば、土壌室システム110の電気ヒータには、ヒータへの電力を調節及び制御するために、コントローラが必要な場合がある。コントローラの種類は、ヒータを駆動するのに使用する電気の種類に応じて異なるかも知れない。例えば、シリコン制御整流器を使用して、ヒータに印加する電力を制御してもよい。一実施形態では、制御システム118により、土壌に作用させる真空や、オフガス処理システムの運転をモニタリング及び制御する。実施形態によっては、コントローラを使用する必要がないこともある。
【0023】
図2Aは、本技術の1つ又は複数の実施形態による図1の線2−2に沿った、土壌室システム110の断面図である。図示した実施形態では、土壌室システム110は、土壌室120を含み、該土壌室120は、土壌室壁122、土壌室床124、土壌室カバー126、土壌130を有する。一実施形態では、土壌室120は、室内幅を約2メートル超とし、高さを約1メートル超としてもよい。一実施形態では、土壌室120を、幅約5メートル、長さ約30メートルの矩形とし、高さ約4メートルとしてもよい。
【0024】
図示した実施形態では、壁122及び床124は、ヒータ132、通気孔134、熱伝導層136を含む。熱伝導層136を、ヒータ132と土壌130との間に配置する。図示した実施形態では、熱伝導層136により、ヒータ132と土壌130との接触を防いでいる。一実施形態では、伝導によって熱伝導層136に伝熱するように、ヒータ132を熱伝導層136と当接又は近接させる。その結果、ヒータ132から熱伝導層136へ移動する熱の殆ど全ては、熱伝導によって伝わる。加熱中、熱はヒータ132から伝わり、熱伝導層136を含む平面を通り、土壌130へと伝導的に流れる。一実施形態では、熱伝導層136は、熱を分散させる壁122の板状部材/表面を含む。従って、ヒータ132と熱伝導層136の組合せにより、板状熱源を提供してもよいが、板状熱源を提供しない場合に、それとは対照的に線状熱源を、板状伝導層を介して土壌130から分離しない幅狭長尺のヒータ132で提供してもよい。
【0025】
熱伝導層136は、金属板又はシート(例えば、炭素鋼又はステンレス鋼)等の板状部材を含んでもよい。一実施形態では、熱伝導層136は、複数のシート、板、又は細片を含んでもよい。一実施形態では、熱伝導層は、壁122の内側の実質的な面積を被覆する板を含む。一実施形態では、熱伝導層136は、壁122の奥行長に沿って設けた細片(例えば、金属製の長尺シート)を含む。この細片は、一実施形態では、各ヒータ132に隣接して走らせてもよい。例えば、土壌室壁122及び/又は床124の内表面は、1つ又は複数のヒータの位置に近接して土壌室120の長さに沿って延伸する複数の長尺シートを含んでもよい。
【0026】
図示した実施形態では、熱伝導層136により、土壌室120の内表面を形成している。例えば、熱伝導層136を、土壌130と当接するように、壁122及び/又は床124の内表面に配置する。一実施形態では、熱伝導層136は、土壌室120の内部にある壁面の面積の約10%、25%、50%、75%以上に亘るようにする、又は大部分に亘るようにする。他の実施形態では、壁122及び/又は床124の更なる層を、熱伝導層136と土壌室120の内部及び/又は土壌室120に収容した土壌130との間に配置してもよい。例えば、熱伝導層136は、壁122及び/又は床124の内層を含んでもよく、コーティング、壁122の別の層、更なる熱伝導板、又はそれらの組合せを、熱伝導層136と、土壌室120及び/又は土壌室120に収容した土壌130との間に配置する。
【0027】
熱伝導層136を、ヒータ132から土壌130への伝熱を促進するように形成してもよい。一実施形態では、熱伝導層136の熱伝導率を、土壌、炭素鋼、及び/又はアルミニウムと略同じ又はより高くする。例えば、熱伝導層136を、コンクリート、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅又は十分に有効な熱伝導率を有する複合材料から形成してもよい。熱伝導を土壌室システム110の外部に向かい外方にではなく、土壌内に向けて促進するように、熱伝導率を壁122の外部に近接する他の材料より高くしてもよい。
【0028】
任意の数のヒータ132を壁122及び/又は床124に設けてもよい。図示した実施形態では、4つのヒータ132を壁122に設け、8つのヒータ132を床124に設けている。他の実施形態は、1、2、3、5、6、7、8、9、10以上のヒータを壁122及び/又は床124に設けてもよい。例えば、2つの長尺ヒータを、土壌室120の各壁122及び/又は各床124に設けてもよい。
【0029】
ヒータ132を、熱を熱伝導層136に略均一に分散するように配設してもよい。ある実施形態では、熱伝導層を介して熱を伝導して、土壌130に比較的均一に分散できる。一実施形態では、ヒータ132を、互いに約1メートル(1m)から約2メートル(2m)離間する。他の実施形態は、ヒータ132間の任意の適切な離間距離を含んでもよい。例えば、ヒータ132同士を、約0.1m、0.2m、0.3m、0.4m、0.5m、0.6m、0.7m、0.8m、0.9m、1.5m、2.5m、3m又はそれ以上離間してもよい。図示した実施形態では、ヒータ132を、壁122の高さ及び床124の幅に沿って互いに均等に離間している。他の実施形態は、不均等に離間する、徐々に間隔を広げて離間する等を含んでもよい。様々な離間を使用して、土壌130への伝熱むらを無くすのを助けてもよい。例えば、より多くのヒータを壁122及び/又は床124の下部付近に配置して、加熱中に熱が土壌130を通り上昇するようにしてもよい。
【0030】
ヒータ132は、様々な加熱装置を含んでもよい。例えば、ヒータは、電動式ヒータ、ガスヒータ、加圧高温蒸気ライン又は任意の他の適切な熱源を含んでもよい。ヒータ132は、約1250°Cまでの温度で運転される、Inconel601(登録商標)シースを用いた市販のニクロム/酸化マグネシウムの管状ヒータを含んでもよい。或いは、ヒータ132は、シリコンカーバイド又はクロム酸ランタン「グローバー(glow-bar)」ヒータ要素、炭素電極を含んでもよく、又はタングステン/石英ヒータを、更に高温で使用することもできる。一実施形態では、ヒータ132を長尺ヒータとする。長尺ヒータ132は、ハウジングに摺入可能な長尺棒を含んでもよい。一実施形態では、図6で示したように、ヒータ132は、直径が約8分の3インチの長尺中実体310のステンレス鋼製棒132a、又は直径が約1インチの400シリーズステンレス鋼製棒132aで、セラミック製スペーサ/ディスク132bを有して、約3インチの内幅を有するハウジング132c内に配置(例えば、摺入)可能にしたものを含む。ハウジング132cを、壁122及び/又は床124に挿入及び/又は結合してもよい。
【0031】
図2Aに戻ると、図示した実施形態では、長尺ヒータ132は、壁122に沿って水平に、壁122、床124及び地面の表面と略平行に走っている。つまり、長尺ヒータは、図2Aを見た時に紙面に直交して走る。一実施形態では、ヒータ132は、長尺ヒータを形成するように、互いに連結した2つ以上のヒータを含む。例えば、壁の長さを50メートルとした場合、25メートルのヒータ2本を互いに連結して、壁の略全長に亘る50メートルの長尺ヒータ132、1本を形成してもよい。
【0032】
図示した実施形態では、1つ又は複数のヒータ132を、壁122の長さに沿って略水平に配設し、土壌室120の内部にまで延伸しないように、壁122内に完全に収容している。一実施形態では、1つ又は複数のヒータ132を、壁122及び/又は床124内で、垂直に、又は任意の他の角度で配設してもよい。例えば、1つ又は複数のヒータ132を、垂直又は斜めに指向させてもよい。実施形態によっては、ヒータ132を、部分的に壁122内に及び部分的に土壌室120の平面を超えて存在させてもよい。例えば、1つ又は複数のヒータ132は、壁122から部分的に幅方向に土壌室120の内部に入り込むようにしてもよい。実施形態によっては、1つ又は複数の更なるヒータ、及び/又はヒータ132の部分を、土壌室120の内部に存在させてもよい。
【0033】
ヒータ132は、ヒータの面(例えば、加熱要素又はハウジング)の少なくとも一部を熱伝導層136と当接した状態で含んでもよい。一実施形態では、ヒータ132を、クランプ等のメカニカルファスナ、又はバネ等の付勢機構を介して強制的に接触させる。一実施形態では、ヒータ132を熱伝導層136の壁に、接着剤層又は同様な層を介して接着する。ヒータ132と鋼板とを当接又は近接させて、熱伝導層136に効率的に伝熱してもよい。一実施形態では、加熱要素の周りを包囲して、放射熱が熱伝導層136に向かうよう助けてもよい。
【0034】
通気孔134は、流体の土壌室120への流入通路及び土壌室120からの流出通路を含む。一実施形態では、通気孔134は、壁122及び/又は床124を通り延伸して土壌室120内で終端する導管を含む。一実施形態では、通気孔134は、壁122及び/又は床124の内部にある開口部と連通する導管を含む。他の実施形態では、土壌に面する通気孔134の部分を、ポーラスコンクリート、金属スクリーン、又は穴開き流路から構成する。通気孔134及び関連する導管を、換気システム114及び/又は流体処理システム116の一部分としてもよい。通気孔134を、空気又は他のガスを土壌室120に流入又は注入する、ガスを土壌室120から流出又は真空引きする、水等の液体を土壌室120に流入又は注入する、水等の液体を土壌室120から流出又は圧送するのに使用してもよい。図示した実施形態では、通気孔134aを、土壌室120内にある土壌130のパイル上方に設けて描いている。通気孔134aを、土壌室カバー126と結合及び/又は一体化させてもよい。通気孔134aを、土壌パイル内に配置してもよい。通気孔134aは、オフガスを土壌室120から真空引きするための及び/又はガスを土壌室120に流入及び土壌室120から流出させるための導管/通路を含んでもよい。一実施形態では、通気孔134は、側壁122間に延在する端壁を通り延伸する導管/通路を含む。通気孔134は、壁面で又は壁面付近で終端する、或いは土壌室120内に延伸する導管/通路を含んでもよい。
【0035】
壁122及び/又は床124は、ヒータ132、通気孔134、熱伝導層136等の構成要素を設置及び保持するために、様々な構成を含んでもよい。一実施形態では、壁122は、中空フレーム領域を含む。例えば、図示した実施形態では、壁122の中心部122a及び床124の中心部124aを、略材料が無い状態にしている。壁122及び/又は床124の内側/室側の少なくとも一部を、熱伝導層136で形成し、ヒータ132及び通気孔134を、熱伝導層136の外側又は付近の中心領域122a/124aに配置している。一実施形態では、中心部122a/124aは、壁122の一部を形成する、中心部に配置する中実材等の構造部品を含む。例えば、一実施形態では、中心部122aをコンクリートから形成し、その中にヒータ132及び/又は通気孔134を配置し、熱伝導層136を土壌室120の内表面付近に配置してもよい。一実施形態では、壁122は、金属構造体及び/又は支持体を含んでもよい。例えば、一実施形態では、壁122は、矢板を含んでもよい。矢板は、互いに係止又は溶接した波形鋼板を含んでもよい。
【0036】
土壌室システム110は、断熱材140を含んでもよい。断熱材140を使用して、土壌室120から熱が損失するのを防いでもよい。例えば、土壌室120内で土壌130を加熱中、断熱材140は、壁122、床124、土壌室カバー126又は土壌室システム110の同様な部分を介して熱が逃げるのを防ぐのに役立ててもよい。断熱材140は、熱をヒータ132から熱伝導板136及び土壌室120の内部へと指向させるのに役立ててもよい。
【0037】
図示した実施形態では、断熱材140を、壁122及び床124の外側に配置している。断熱材140は、土壌室120の外側の一部又は略全体、及び土壌室システム110の他の部分に、及び周りに設ける鉱質綿、繊維ガラス、及び/又はパーライト、バーミキュライド、軽量断熱製コンクリート、発泡詰め物、マット、ブロック又はシート、スプレーオン式発泡体等、を含んでもよい。一実施形態では、断熱材140を、略固着してもよく、可動にしてもよい。例えば、一実施形態では、断熱材140は、壁122及び床124に結合でき、壁122及び床124から除去できる断熱材のシートを含んでもよい。かかる実施形態により、断熱材140を簡単に取替可能に、土壌室システム110を簡単に構築可能に、及び/又はある場所から別の場所に軽便に輸送できるように、土壌室システム110を簡単に分解及び組立可能にしてもよい。一実施形態では、断熱材を壁122と一体形成してもよい。例えば、断熱材140を、中心部122a/124aに設けてもよい。図示した実施形態では、土壌室カバー126は、その中に一体形成した断熱材140の層を含む。他の実施形態では、土壌室カバー126は、該カバー126の他の層又は部分と共に、断熱材140の層を含んでもよい。
【0038】
土壌室カバー126を、土壌室120の上部/開口部を包囲するように構成してもよい。土壌室カバー126により、土壌室120からの熱損失を防いでもよい。土壌室カバー126により、物質の土壌室120内への出入を防いでもよい。例えば、土壌室カバー126により、外部の屑や、雨水等の物質が土壌室120に浸入する、流体が土壌から環境に損失する、及び/又は熱が環境に損失するのを防ぐバリアを設けてもよい。図示した実施形態では、土壌室カバー126は、バリア層126aを含む。断熱材140を、バリア層126aの上に配置している。一実施形態では、バリア層126aは、壁122間距離に亘り拡張可能な剛構造又は柔構造を含む。一実施形態では、バリア層126aは、軟質プラスチック又は複合薄板を含む。一実施形態では、バリア層126aは、硬質プラスチック、複合材若しくは金属製のシート又は板等の剛構造を含む。一実施形態では、土壌カバー126を、透過性、半透過性、又は非透過性としてもよい。様々なレベルの透過率を使用して、物質の土壌室120への出入りを制御してもよい。例えば、水気を土壌室120からカバー126を介して逃がしたい場合には、土壌室カバー126を透過性又は半透過性としてもよい。水気を土壌室120内に留めたい場合、及び水気が土壌室120に浸入させたくない場合には、土壌室カバー126を非透過性としてもよい。例えば、土壌室カバー126を略非透過性にし、その結果土壌室120の換気を、主として又は完全に換気システム114及び流体システム116を介して行ってもよい。
【0039】
土壌室カバー126を可動にして、土壌室120の上部にある開口部を露出させてもよい。一実施形態では、土壌室カバー126を、除去するために外す、摺動又は巻取してもよいように、土壌室カバー126を壁122の上部に載置してもよい。別の実施形態では、土壌カバーを壁122に固着してもよい。例えば、土壌室カバー126を、ボルト、クリップ、クランプ又は接着剤等のメカニカルファスナを介して、土壌室の壁122に着脱可能に固着してもよい。土壌室カバー126を、外して、摺動して、折曲して、又は巻取して開き、土壌室120の上面開口部を露出させてもよい。一実施形態では、土壌室カバーを土壌室120の前端部から土壌室の後端部まで巻上げる。一実施形態では、土壌室カバー126を容易に取外できないようにする。例えば、一実施形態では、土壌室カバー126を、かなりの労力なしには又は土壌室120を損傷しなくては取外不可能にするように、壁122に固着する又は一体形成する。
【0040】
図示した実施形態では、土壌室カバー126は、ヒータ、通気孔、又は熱伝導板を全く含まない。一実施形態では、土壌室カバー126は、ヒータ、通気孔及び/又は伝導板を含んでもよい。例えば、土壌室は、ヒータ及び/又は通気孔を、土壌室カバー126のバリア126の内側又は上に含んでもよい。一実施形態では、バリア層126又は土壌室カバー126の別の部分は、ヒータ及び/又は通気孔を土壌室120の内部から分離する熱伝導層を含む。ヒータ及び通気孔を、壁122及び床124に関して図示及び記載したものと略同様に配設してもよい。ある実施形態では、加熱及びガス流(例えば、真空引き)を、カバーを介して提供してもよい。熱を供給することで、土壌室カバー126に隣接する土壌上及び中の汚染物質が凝縮するのを防いでもよい。
【0041】
使用中、土壌130の天端が、壁122間の中間に来るように、土壌130を堆積させてもよい。一実施形態では、土壌室カバー126でパイルの天端を覆い、又は、土壌室カバー126をパイルの天端に載置して、土壌室カバー126で同様な天端形状を作り、それにより屑や雨水が容易に壁122へと流出させるようにもできる。一実施形態では、屑及び/又は流出雨水の収集トラフを壁122に設けて、屑及び/又は流出雨水を収集及び流離する。例えば、一実施形態では、雨水を土壌室120から流離できるように、カバーを壁122に取着する壁122の内頂部に、ガタを設ける。
【0042】
一実施形態では、カバー126は、テ―パ部/傾斜部を含む。流体及び屑が集まり、カバー126を弛ませる恐れがあるのとは対照的に、テ―パ部又は傾斜部により、流体及び屑がカバー126から落ちるようにしてもよい。一実施形態では、カバー126の傾斜部を、1つの土壌室120全体に延在させる。例えば、カバー126は、その中心に頂部を有して、縁部に向かい傾斜する硬質又は軟質カバーを含んでもよい。一実施形態では、カバーの傾斜部を、連続した隣接する土壌室120に亘り延在させる。
【0043】
一実施形態では、壁122及び/又は床124を密閉してもよい。かかる実施形態により、水気及び/又はガスの土壌室120への出入りするのを防いでもよい。例えば、密閉床124により、浸出液を、土壌室120から周囲環境に流出又は漏れることなく、土壌室120の底部で収集可能にしてもよい。
【0044】
一実施形態では、土壌室120は、基部に実質的な床124を含まなくてもよい。例えば、壁を地面又は同様な非密閉基部領域の上方に立設してもよい。かかる実施形態では、土壌室内の土壌だけでなく、土壌室120の基部に存在する物質も加熱してもよい。例えば、土壌室120内にある原位置外の土壌パイルと、下にある原位置の土壌を、同時に加熱してもよい。
【0045】
一実施形態では、土壌室120は、1つ又は複数の測定装置及び/又はアクセス装置若しくは測定装置を含んでもよい。一実施形態では、測定装置は、熱電対を含んでもよい。例えば、図示した実施形態では、熱電対142を、壁122、床124及びカバー126に配置している。他の実施形態は、任意の数の熱電対、又は土壌室システム110全体に亘り配置した同様な測定装置若しくはプローブを含んでもよい。
【0046】
一実施形態では、ポート144により、土壌室120内部へのアクセスを提供する。例えば、図示した実施形態では、ポート144をカバー126内に設置している。ポート144は、熱電対、プローブ又は土壌採取装置等の装置を土壌室120の内部に挿入可能にする穴を含む。一実施形態では、ポート144は、アクセス可能にするために着脱できるカバー/プラグを含む。他の実施形態は、土壌室システム110に任意の数のポート144を含んでもよい。例えば、ポート144を、壁122及び/又は床124に設けてもよい。
【0047】
実施形態は、上述した特徴の如何なる組合せを含んでもよい。例えば、図示した実施形態は、2側壁122其々と床124に配置したヒータ、通気孔、及び熱伝導層136、及び外部の断熱材140を含む。他の実施形態は、ヒータ、通気孔、又は熱伝導層、及び/又は断熱材を、土壌室120を囲む壁(側壁及び端壁を含む)、床、及びカバーの任意の組合せに含んでもよい。例えば、1枚の壁は、ヒータと熱伝導層のみを含む一方で、別の壁は、ヒータ又は熱伝導層を全く有さずに複数の通気孔を含むようにしてもよい。一実施形態では、ヒータ、通気孔、及び/又は熱伝導層を、壁122及び/又は床124には設けないようにしてもよい。一実施形態では、1枚の壁は、連続的な土壌室として機能するヒータ及び/又は通気孔を含んでもよい。
【0048】
一実施形態では、土壌室120を、該室を完全に囲む壁122によって画定する。例えば、一実施形態では、土壌室120は、側壁及び端壁を含む4枚の壁122を有する矩形を含む。別の実施形態では、土壌室120を、壁122で完全に囲まなくてもよい。例えば、一実施形態では、土壌室120は、互いに対向し、離間する2枚の平行な側壁によって画定した通路を含んでもよい。かかる実施形態では、端壁の片方又は両方を、設けなくてもよい。つまり、土壌室120は、2側面で囲み、2開放端を有する、或いは3側面で囲み、1開放端を有する通路を含んでもよい。他の実施形態では、任意の形状の土壌室を含んでもよい。例えば、土壌室120を、単一の連続的な壁(例えば、円形をした)で囲んでもよい。
【0049】
一実施形態では、土壌室120を地面に、又は地面の上方に配置する。例えば、土壌室を、土壌パッド、コンクリートパッド、アスファルトパッド、駐車場等に配置してもよい。一実施形態では、土壌室120は、少なくとも一部分を地面より低く配置してもよい。例えば、土壌室120を、完全又は部分的に、坑道、穴、地下室、保管庫又は通路に配置してもよい。例えば、床124を、地面より低く配置してもよく、壁122を、地面まで及び/又は地面より上に延在させてもよい。かかる実施形態では、地面により、土壌室システム110に対して、構造的な支持、及び断熱性を提供可能にしてもよい。
【0050】
図2B及び図2Cでは、本技術の1つ又は複数の実施形態による土壌室システム110について説明している。図示した実施形態では、土壌室システム110を、地面に配置している。図示した実施形態では、土壌室システム110は、4枚の壁(手前側の端壁は、断面図のため図示していない点に注意されたい)で画定した単一の土壌室120を含む。図示した実施形態では、各壁122及び床124は、2つのヒータ132を含む。図示した実施形態では、ヒータ132を、各壁122及び床124の高さ/幅の約3分の1ずつ離間させている。図示した実施形態では、カバー126を、壁122の上縁部に被せて傾斜する中央頂部を含むために、テ―パ状にする/傾斜させている。また、図示した実施形態では、土壌室120の壁122及びカバー126に配置する複数のポート144を含む。更に、土壌室120は、壁の略外側に配置する控壁146を含む。土壌を効果的に土壌室120内に収容できるように、控壁146により、壁122に対して更なる構造的支持を提供してもよい。また、実施形態は、土壌室120の内側に配置する控壁又は同様な構造支持体を含んでもよい。図示した実施形態では、通気孔134aを、カバー126の真下で、土壌130の頂部に設置している。通気孔134aを使用して、オフガスが土壌130を上昇して来ると、オフガスを放出/真空引きしてもよい。図示した実施形態では、土壌130がカバー126の下面に当接するように、土壌室120を完全に土壌130で充填している。
【0051】
別の実施形態では、複数の土壌室システム110及び/又は土壌室120を、互いに隣接させて設けてもよい。例えば、土壌室システム110は、互いに端同士を接して配設した2つの土壌室120を含んでもよい。かかる実施形態では、2つの土壌室120で、共通の端壁を共有してもよい。端壁は、ヒータ、通気孔、1つ又は複数の熱伝導層及び/又は断熱材を含んでもよい。同様に、複数の土壌室120を、互いに並べて隣接して設けてもよい(図1参照)。更に、実施形態は、互いに並んで端同士を隣接して配設した3つ以上の土壌室120を配列したものを含んでもよい。例えば、正方形/長方形の4土壌室を、正方形配置にして、各室が、一端壁と一側壁とで其々隣接する各隣接室とで共通壁を共有するようにしてもよい。共通の壁を使用することで、一枚の壁及び/又は一組のヒータで壁の両側で隣接する室の土壌に熱を提供可能にして、土壌室システム110の複雑さを軽減し、効率を向上させてもよい。
【0052】
図3Aは、本技術の1つ又は複数の実施形態による、共有/共通壁123を有する隣接する土壌室120a及び120bを備えた土壌室システム110について説明した略図である。図示した実施形態では、2室120a及び120bを、両室間に設けた共有壁123を有して並べて配設している。図示した実施形態では、共有壁123は、ヒータ132、通気孔134及び熱伝導層136を含む。熱伝導層136を、共有壁123の両面に設置し、室120a及び120bの内面を其々形成している。ヒータ132及び通気孔134を、2熱伝導層136間に配置する。熱伝導層136により、室120aと120bの土壌130が接触するのを防止してもよい。共有壁123は、こうした特徴や、壁122に関して上述した特徴と同様な他の特徴を含んでもよい。
【0053】
図示した実施形態では、共有壁123に配置した各ヒータ132を、熱伝導層136と当接又は近接させている。その結果、単一のヒータ132で、2熱伝導層136に同時に伝熱できる。一実施形態では、ヒータ132が共有壁123の片方又は両方の熱伝導層136と当接又は近接するように、熱伝導層136間の距離を、ヒータ132の幅と略同じにしてもよい。その結果、ヒータ132により、土壌室120aと120bの片方又は両方の土壌130に同時に、熱を提供できる。熱を隣接する室に提供するヒータ132を、共有ヒータと呼んでもよい。図示した実施形態では、1列の共有ヒータ132aを、共有壁123の内部に設けている。
【0054】
共有壁123は、隣接する室の両方にではなく片方にだけ熱を提供するように配設した1つ又は複数のヒータを含んでもよい。一実施形態では、ヒータ132を、室120aに隣接する熱伝導層136と当接又は近接させるが、室120bに隣接する熱伝導層136とは当接又は近接させずに、或いは断熱して設けてもよく、室120aと室120bとを逆にしてもよい。一実施形態では、2列のヒータ132aを設け、1列ずつ土壌室120a及び120b其々に隣接する各熱伝導層136と当接させてもよい。かかる構成により、構造自体、断熱材、配線等の壁のリソース及び構造を共有しながら、特定の室に供給する熱を依然として制御可能にできる。例えば、1室を土壌で充填し、加熱しながら、隣接する室を別の修復工程のために空にしたり、充填したり又は清掃したりして、修復を交互に循環可能にしてもよい。室に共有ヒータがある場合にも、同様な循環を行ってもよい。
【0055】
図示した実施形態では、一連の通気孔134を共有壁123に配置している。通気孔134は、土壌室120a及び120bの片方又は両方に対して同時に(例えば、ガス/流体流を供給する)機能してもよい。隣接する室に対して機能する通気孔134を、共有通気孔と呼んでもよい。図示した実施形態では、一列の通気孔134aを共有壁123の内部に設けている。
【0056】
共有壁123は、ガス/流体流を隣接する室の片方のみ又は組合せに供給するよう配設した1つ又は複数の通気孔134aを、含んでもよい。一実施形態では、通気孔134は、室120a又は室120bへの入口/出口を含んでもよい。一実施形態では、2列の通気孔134aを設けて、各列で土壌室120a及び120b其々に対して機能させてもよい。かかる構成にすることで、構造自体、断熱材、配線等、壁のリソースや構造が共有可能になる一方で、依然として特定の室へのガス流を制御可能にできる。例えば、片方の室にガスを注入しながら、隣接する室には真空引きをしてオフガスを収集してもよい。かかる実施形態は、2つの隣接する室を、土壌修復サイクルの異なる部分で運転する場合に有用で、異なる換気方式が必要となるかも知れない。
【0057】
壁122、共有壁123、床124、土壌室カバー126等の土壌室システム110の他の部分は、他の実施形態に関して本明細書で記述したような特徴を含んでもよい。図示した実施形態では、2室を、共有壁123が共有側壁となるように並べて配設している。別の実施形態では、2室を、共有壁123が共有端壁となるように端同士を接して配設してもよい。更に、図示した実施形態は、互いに隣接して配設し、共有壁を有する2室を含む土壌室システム110を含む。他の実施形態は、並べて、端同士を接して、又はそれらの組合せで配設した任意の数の土壌室120を含む1つ又は複数の土壌室システム110を含んでもよい。
【0058】
室120及び/又は120aを充填及び空にしている間、土壌を内壁122から離隔させてもよい。例えば、土壌130を、土壌室120aから除去すると、土壌室120bの土壌130が、内壁122に対して力を加える可能性がある。この力に対抗するために、控壁、カラータイ、クランプ又は他の仮支持体等の更なる構造支持体を、内壁122及び/又は共有壁123に加えてもよい。この力を、土壌130を積降する特定の方法で対処してもよい。例えば、一実施形態では、各室の土壌を、相補的な力が壁の両側にかかった状態を維持するように、協調しながら降ろす。例えば、片方の土壌室を完全に空にはせず、各土壌室を、土壌が内壁122の反対側に常に存在する又は除去された状態になるように、徐々に空にしてもよい。
【0059】
図3B及び図3Cでは、本技術の1つ又は複数の実施形態による土壌室120について説明している。図示した実施形態では、土壌室120を地面に配置している。図示した実施形態では、土壌室システム110は、其々4枚の壁(手前側の端壁は、断面図のため図示していない点に注意されたい)で画定した、2つの土壌室120a及び120bを含む。図示した実施形態では、各壁122及び床124は、2つのヒータ132を含む。図示した実施形態では、ヒータ132を、各壁122及び床124の高さ/幅の約3分の1ずつ離間させる。図示した実施形態では、単一のカバー126を、土壌室120a及び120b両室上に設けている。カバー126を、外側の側壁122の上縁部上へと傾斜する中央頂部を含むために、テ―パ状にする/傾斜させる。また、図示した実施形態では、土壌室システム110の壁122及びカバー126に配置する複数のポート144を含む。更に、土壌室システム110は、壁の略外側に配置する控壁146を含む。土壌を効果的に土壌室120内に収容できるように、控壁146により、壁122に対して更なる構造的支持を提供してもよい。また、実施形態は、土壌室120の内側に配置する控壁又は同様な構造支持体を含んでもよい。図示した実施形態では、通気孔134aを、カバー126の真下で、土壌130の頂部に設置している。通気孔134aを使用して、オフガスが土壌130を上昇して来ると、オフガスを放出/真空引きしてもよい。図示した実施形態では、土壌130がカバー126の下面に当接するように、土壌室120を完全に土壌130で充填している。一実施形態では、処理セル(例えば、土壌室)を、構築、運搬でき、或いはその逆で互いに独立して又は互いに結合して使用できるように、モジュール式にしてもよい。例えば、1つ又は複数の土壌室(例えば、土壌室120a及び120b)は、機械部品、電気部品及び/又は流体搬送部品のモジュール式連結継手を含み、1つ又は複数の土壌室を迅速に配備、組立て、分解可能にしてもよい。かかる実施形態では、モジュール式土壌室の1つ又は複数を、土壌室システムで使用してもよい。
【0060】
土壌を土壌室に/から移動することで、通常、様々な困難が生じる。例えば、大量の土壌を修復する場合、通常、土壌を土壌室に搬入/から搬出するのに、土壌積込車両及び装置を使用する必要がある。例えば、フロントエンドローダ、ブルドーザ、ダンプカー又はコンベヤを使用して、修復前に汚染土壌を土壌室に堆積する、及び修復後に修復済み土壌を除去するかも知れない。従って、積込車両及び装置が、土壌室内の配管や装備品周りで操作せずに済み、容易に土壌を堆積及び除去できるように、土壌室内の障害物の数や量を減らすことが望ましい。更に、土壌積込車両及び装置が、容易に土壌を土壌室に堆積でき且つ土壌室から除去できるように、土壌室へのアクセスを提供することが一般的に望ましい。例えば、一実施形態では、土壌室は、積込車両及び装置が土壌室に乗入れ、通過してもよいように、全く壁がない開放端を有する三面の矩形土壌室、又は、全く端面を有さずに2側面から成る通路の形にした土壌室等の常設開口部を含んでもよい。一実施形態では、土壌室は、積込車両及び装置が土壌室にアクセス(例えば、乗入れ又は通過)できるように移動する壁の一部(例えば、引き戸又は開き戸)を含んでもよい。例えば、土壌室の両側を完全に閉じた矩形室の1枚又は複数の端壁を、揺動、摺動、又は折曲させて、土壌室への開口部を提供してもよい。かかる開口部により、土壌積込車両及び装置、フロントエンドローダ、ブルドーザ、ダンプカー又はコンベヤが、土壌室内に移動可能にしてもよい。ヒータを壁内及び/又は床内に配置し、ヒータ又は同様な障害物が土壌室内に全く存在しない実施形態では、積込車両及び装置が殆ど又は全く障害物無く自由に移動でき、土壌積降時間を短縮でき、それにより土壌修復サイクル全体の時間やコストを減少できる。
【0061】
図4Aは、本技術の1つ又は複数の実施形態による、可動な壁122の少なくとも一部を含む土壌室システム110の平面図を示したものである。壁122の一部を移動させて、土壌移動車両及び/又は装置150を土壌室120の内部にアクセス可能にしてもよい。図示した実施形態では、土壌室システム110は、4枚の壁122を有する矩形の土壌室を含む。壁122は、2枚の側壁152と2枚の端壁154を含む。側壁152を、互いに平行に且つ互いから離間して配置し、側壁間で土壌室120を含む通路を形成する。端壁154は側壁152の端部間距離に及ぶ。側壁152及び端壁154は、壁122について本明細書に記載したような特徴を含んでもよい。図示した実施形態では、端壁154を閉位置から開位置に可動にしている。閉位置では、端壁により側壁152間の間隙を閉鎖して、土壌室120の当該部分を囲む。閉位置では、端壁154により、土壌を保持するための物理的なバリアを設けてもよく、土壌室120内の土壌からの熱損失を防止してもよく、土壌室120内の土壌に熱を供給してもよい。開位置では、端壁154を移動させて、土壌室120に向けた開口部を提供する。提供した開口部により、土壌室120の内部領域を検査可能にしてもよく、及び/又は土壌を土壌室120に供給できる又は土壌室120から除去できるように、土壌積込装置150を土壌室120の内部にアクセス可能にしてもよい。例えば、土壌移動車両及び/又は装置150は、矢印155の方向に土壌室120内へ又は外へと進んでもよい。一実施形態では、端壁154を、矢印156で示したように開位置と閉位置の間で回転させてもよい。例えば、端壁154を側壁152にヒンジ結合してもよい。一実施形態では、端壁154を、矢印158で示したように開位置と閉位置の間で摺動させてもよい。例えば、端壁154は、進行方向、横方向、又は縦方向と平行な軌道又はガイドに沿って摺動してもよい。他の実施形態は、様々な方法で、端壁を折曲げる又は揺動させることを含んでもよい。一実施形態では、更なる可動壁部分を設けてもよい。例えば、両端壁154を可動にしてもよい。かかる構成により、土壌移動車両及び/又は装置150が土壌室120を完全に通過可能にしてもよい。一実施形態では、ダンプカーが土壌室120の第1端部に乗入れ、大量の汚染土壌を放出し、引き続き、向きを変えずに土壌室120の第2端部を通過できる。
【0062】
図4Bは、本技術の1つ又は複数の実施形態による、可動な床を説明した土壌室120の端面図を示したものである。図示した実施形態では、床124は、2可動床部分124a及び124bを含む。図示したように、床部分124a及び124bは、下方に回転して、土壌を室120の底部から除去可能にしてもよい。例えば、土壌を、床124を閉じた状態で土壌室120に積み、該土壌を加熱/処理した後、床124を揺動開放して、土壌を土壌室120の外に降下可能にしてもよい。かかる実施形態は、土壌130を土壌室120から落下できるように土壌室システム110を上昇させることを含んでもよい。一実施形態では、トラック、軌道車、コンベヤベルト又は同様な積込装置等を床124の下に配置して、落下する土壌130を受容するように、土壌室を上昇させることができる。土壌室システム110を可搬式にした実施形態では、土壌室120を堆積領域上方に移動、配置して、床124を開いて堆積領域で土壌130を放出してもよい。
【0063】
土壌修復システム110の特定の構成要素を、1枚又は複数の移動不能な壁に収容してもよい。例えば、一実施形態では、端壁154は、換気システム114、流体システム116、及び/又はヒータ112を収容してもよい。また、端壁154は、ヒータ132、通気孔134等へのマニホルド及び同様な連結体を含んでもよい。連結体を所定の位置に残したまま、壁を移動させる度に再構築せずに済むようにして、端壁154を可動にしてもよい。他の壁122により、構成要素を同様に収容してもよい。
【0064】
土壌修復システム100を、常設又は半常設の固定体として設ける、或いは可搬式ユニットとして設けてもよい。例えば、土壌修復システム100を常設又は半常設にする場合、土壌修復システム100を場内で構築する、或いはその逆で、容易に可動しないように置いてもよい。別の実施形態では、土壌修復システム100を可搬式にしてもよい。例えば、土壌修復システム100は、土壌修復システム100の一部、略全て、又は全ての構成要素を含む、可搬式トレーラ、コンテナ若しくはスキッドを含んでもよい。例えば、土壌修復システム100は、1つの場所から別の場所に牽引できる自立型構造体/コンテナを含んでもよい。可搬式にすることで、土壌修復を拡張可能となり、上記技術の適応性を向上できる。例えば、任意の数の土壌修復システム100を、殆ど又は全く構築に労力や準備期間を必要とせずに、現場に設ける或いは現場から除去できる。
【0065】
次に、図5を見ると、本技術の1つ又は複数の実施形態による汚染土壌を修復する方法200について示している。方法200は、本明細書で記載した土壌修復システム100の様々な実施形態を使用して実行してもよい。図示した実施形態では、方法200は、ブロック202で示すように、土壌室を設けることを含む。一実施形態では、土壌室を設けることには、土壌修復のために汚染土壌を加熱可能な1つ又は複数の土壌室を設けることを含む。一実施形態では、土壌室を設けることには、1つ又は複数の常設、半常設又は可搬式の土壌室システムを設けることを含む。一実施形態では、土壌室を設けることには、複数の別個の土壌室及び/又は共有壁を有する2つ以上の土壌室を含む土壌室システムを設けることを含む。
【0066】
また、方法200は、ブロック204で示すように、汚染土壌を供給することを含む。一実施形態では、汚染土壌を供給することは、掘削した土壌を土壌修復システムの土壌室に移動することを含む。例えば、土壌修復システムを場内に設けて、原位置外修復を行う場合、土壌を掘削して、場内に設置した土壌修復システムに搬入する。別の実施形態では、汚染土壌を、ある場所で掘削して、場外に設置した土壌修復システムに搬入してもよい。一実施形態では、汚染土壌を供給することは、土壌を、土壌室の側壁又は端壁にある開口部を介して土壌室内に供給することを含んでもよい。例えば、土壌積込車両及び装置により、土壌を、土壌室の側壁/端壁にある開口部を介して土壌室内に移動し、堆積することを含んでもよい。一実施形態では、この開口部を、壁部分を移動させ/開放して作成する。例えば、端壁を回転又は摺動させて開放してもよい。一実施形態では、開口部は、壁の無い土壌室の一部分を含んでもよい。他の実施形態では、土壌室の壁にある開口部を利用せずに、土壌を土壌室に供給するために、コンベヤ又は同様な装置の利用を含んでもよい。例えば、土壌室カバーを除去して、土壌を土壌室に上から堆積させてもよい。土壌室が、修復に十分な程充填されたなら、土壌室の開口部を閉鎖してもよい。例えば、可動な壁部分を閉じてもよく、及び/又は土壌室カバーを土壌室に被せてもよい。土壌を、処理前又は後に室内に一時的に保存してもよい。
【0067】
一実施形態では、汚染土壌を供給することは、コンテナ内の土壌を土壌室に供給することを含む。例えば、汚染土壌の袋を、土壌室に供給してもよい。土壌の袋は、土壌の「スーパーサック」を含んでもよい。スーパーサックは、汚染土壌を収容して運搬するための重包装バルク袋を含んでもよい。例えば、スーパーサックは、約3000ポンドまでの土壌その他を収容できる4フィートx4フィートの矩形袋を含んでもよい。別の実施例として、汚染土壌のドラム缶を、土壌室に提供してもよく、土壌又は他の多孔質媒体で充填したドラム缶の間に間隙を設けて熱伝導を助けてもよい。スーパーサック又はドラムにより、汚染土壌の運搬を簡素化可能にしてもよい。一実施形態では、土壌及びスーパーサックの容器材料を含むスーパーサック全体を、土壌室に堆積する。高温により、スーパーサックの容器材料を加熱中に溶かし及び/又は分解してもよい。別の実施形態では、土壌及び蓋付ドラム缶を含むドラム缶全体を、土壌室に保管する、又は土壌室に置いた後に過加圧にならないようにドラム缶の蓋を緩める若しくは蓋に穴を開けてもよい。スーパーサックやドラム缶を開放する必要がないので、土壌室を充填中に更なる埃及び/又は悪臭防止対策を講じずに済むかも知れない。
【0068】
また、方法200は、ブロック206で示すように、汚染土壌を加熱することを含む。一実施形態では、汚染土壌を加熱することは、土壌室にある土壌にヒータを介して熱を供給することを含む。一実施形態では、土壌室の壁及び/又は床に設置したヒータにより、熱伝導層に伝熱し、該層が次に熱を土壌に分散及び伝達する。一実施形態では、土壌室の壁、床及び又は土壌室カバーの全ての一部に設置した同様なヒータ及び/又は熱伝導板を介して熱を供給してもよい。一実施形態では、汚染土壌を加熱することは、ガス又は流体を土壌室に供給することを含んでもよい。ガス及び流体を換気システム及び/又は流体システムを介して供給してもよい。ガス又は流体を、土壌室システムの壁、床、又は土壌室カバーに設置した通気孔を介して給送してもよい。一実施形態では、汚染土壌を加熱することは、土壌室から蒸気及び/又は液体を抽出することを含む。
【0069】
一実施形態では、1つの土壌室又は土壌室システムからの熱を再利用する。例えば、一実施形態では、1つの土壌室又は土壌室システムからの加熱されたガス又は液体を、該加熱ガス又は液体を使用して他の土壌室又は土壌室システムに収容した土壌を加熱する、別の土壌室又は土壌室システムに送給する。
【0070】
汚染土壌を加熱することは、土壌及び/又は土壌室を目標温度に加熱することを含んでもよい。一実施形態では、土壌室システムの熱伝導層を、約300°C〜700°Cの温度に加熱する。これにより、少なくとも壁及び土壌の下部に沿った、高温乾燥反応ゾーンを作り、そこで分解反応により、COC濃度の低下を齎してもよい。熱伝導層を使用することで、土壌に熱を分散して、処理済土壌体積内又は縁部で、低温未処理ゾーンが発生する可能性を低減し、それにより土壌を均一に加熱し処理するのを促進してもよい。
【0071】
一実施形態では、目標温度は、土壌に存在することが知られている最も沸点が高いCOCに基づくものとする。最も沸点が高い化合物の蒸気圧が、揮発性化合物であるかのように振舞う点まで増大するように、土壌温度を十分に上昇させてもよい。当該化合物を、ガスとして抽出し、土壌及び/又は土壌室から除去し、仕上げのためのオフガス処理システムに搬送してもよい。例えば、沸点が約218°Cのナフタレンと、沸点が約495°Cのベンゾ(a)ピレン(B(a)P)等他の高沸点のPAHとの両方を、多環式芳香族炭化水素(PAH)汚染堆積物が含有していた場合で、ナフタレンとB(a)P両方の処理後濃度を低くする必要がある場合、目標温度を、沸点が高い方の化合物、B(a)Pの沸点に基づいて決定してもよい。目標温度325°Cは、B(a)P、ポリ塩化ビフェニル(PCB)及びポリ塩化ジベンゾジオキシン(PCDD/F)、ペンタクロロフェノール(PCP)、塩素剤、又はディルドリンやクロルデン等他の残留性有機汚染物質(POP)を含む、幅広い高沸点のSVOCを除去するのに、一般的に効果的と認められる。多くのVOCに関して、目標温度を、水の沸点以下にしてもよい。一実施形態では、土壌を約50°C〜約500°Cの範囲の目標温度に加熱することが望ましい。一実施形態では、土壌を約300°C〜約400°Cの範囲の目標温度に加熱することが望ましい。
【0072】
一実施形態では、汚染土壌を加熱することは、様々なセンサを設ける及び/又はモニタリングすることを含む。例えば、土壌室システムのポートを介して、熱電対及び/又は土壌若しくは蒸気採取装置にアクセスし、該装置を挿入及び/又は除去してもよい。一実施形態では、土壌室120内部にアクセスする必要無く、測定値を得、継続的にモニタリングできるように、センサ又はプローブを、土壌室システム110内に一体化して設けてもよい。
【0073】
また、方法200は、ブロック208で示すように、土壌を冷却することを含む。一実施形態では、土壌を冷却することは、土壌を扱える温度まで下げることを含む。例えば、土壌を、土壌積込車両及び装置、及び/又は積込する者が扱えるように、約150°C以下まで冷却してもよい。一実施形態では、土壌を冷却することは、高温を急冷するために、土壌パイルの上に水又は別の冷却用物質を噴射することを含む。一実施形態では、冷却ガス又は液体を、換気システム、流体システム、及び/又は土壌室の壁、床若しくはカバーに設置した通気孔を介して、給送してもよい。一実施形態では、流体を、散水用スプリンクラシステムを介して給送してもよい。実施形態によっては、土壌を数日かけて冷却してもよい。
【0074】
また、方法200は、ブロック210で示すように、土壌を除去することを含む。一実施形態では、土壌を除去することは、修復したばかりの土壌を土壌室から除去することを含む。一実施形態では、土壌室壁の一部を、閉位置から開位置に移動し、土壌積込車両及び装置を、そうして壁に設けた開口部を通って移動し、修復した土壌にアクセスし、該土壌を積込み、土壌室から除去してもよい。土壌修復システムの構成要素を、土壌室内部にではなく、壁/床に設ける場合、多くの又はどの構成要素も土壌室内部から除去する必要無く、土壌を除去できる。例えば、ヒータ及び通気孔は土壌室の内部から分離して壁に設置しているので、ヒータ及び通気孔を除去しなくてもよい。互いに隣接して配設した2つ以上の土壌室を含む実施形態では、各室の土壌を、壁の両側にかかる補完的な力を維持するよう協働して、積降する。例えば、1つの土壌室を完全に空にする代わりに、各土壌室を、土壌を内壁の反対側に略存在させる又は除去するように、徐々に空にしてもよい。一実施形態では、カバーを除去(例えば、移動又は巻取り)して、装置が修復した土壌にアクセスして積降可能にしてもよい。一実施形態では、土壌を除去することは、土壌室の底床を開放して、土壌を土壌室から放出可能にすることを含んでもよい。一実施形態では、修復した土壌を、汚染土壌を掘削した領域に戻してもよい。
【0075】
一実施形態では、修復した土壌を除去したなら、別の汚染土壌群を修復するために土壌室を準備及び使用してもよい。例えば、修復方法は、ブロック204に示した、汚染土壌を供給することに戻ってもよい。土壌を加熱、冷却、除去するステップを再度行ってもよい。かかるサイクルを、土壌修復が必要でなくなるまで、例えば、その場所の土壌全てを修復するまで、又は土壌修復システム100を別の場所で使用するまで、連続してもよい。
【0076】
また、方法200は、ブロック212で示すように、土壌室を除去することを含む。一実施形態では、土壌室を除去することは、土壌室を含む土壌修復システムを分解及び/又は除去することを含んでもよい。各土壌修復サイクルの後に完了しなくても、土壌修復を完了すると及び/又は土壌修復システムを必要としなくなると、土壌修復システムを分解及び/又はその場から除去してもよい。一実施形態では、土壌修復システムの少なくとも一部を可搬式にしてもよく、土壌室の除去は、土壌修復システムの少なくとも可搬部分を牽引撤去することを含んでもよい。一実施形態では、土壌修復システム100を、固定、常設又は半常設した施設とする場合は、ステップ212を省略してもよい。
【0077】
一実施形態では、方法200の1ステップ又は複数のステップを、同時又は略同時に実行してもよい。複数の土壌室システム及び/又は土壌室を一箇所で使用可能であり、2つ以上のサイクルを一斉に実行してもよい。例えば、土壌室システムは、2土壌室を含む場合、交互に使用できる。つまり、第1室で土壌を加熱している間に、第2室を空にし、再度積込みしてもよい。第1室が修復加熱及び冷却を終了すると、第2室が汚染土壌を加熱するプロセスにある最中に、荷降と再積込をしてもよい。複数の室を交互サイクルで使用することで、1サイクルが終了するのを待って、室を空にして再積込する必要が無く、同時にサイクルを実行してもよいため、処理能力を向上でき、その結果電気機器や処理装置だけでなく、積降装置や労力も一層効率的に使用できる。
【0078】
本発明の様々な態様に関する更なる変更及び変形実施形態については、本明細書から当業者には明らかとなろう。よって、本明細書は、例示としてのみ解釈され、本発明を実行する一般的な方法を当業者に教示することを目的とする。当然ながら、本明細書で図示、記述した本発明の形態は、実施形態の例として挙げたものである。様々な要素及び材料を、本明細書で説明及び記述したものと置換えてもよく、部品及びプロセスは逆にする又は省略してもよく、本発明の一部の特徴は、独立して利用してもよく、これら全ては、本発明の説明を理解した後当業者には明らかになるであろう。本明細書に記載した要素に関しては、以下の特許請求の範囲で記載する本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、変更してもよい。
【符号の説明】
【0079】
100 土壌処理システム
110 土壌室システム
112 ヒータ
114 換気システム
116 流体システム
118 制御システム
120 土壌室
122 壁
123 共有壁
124 床
126 カバー
130 土壌
132 ヒータ
132a 棒
132b スペーサ/ディスク
132c ハウジング
134 通気孔
136 熱伝導層
140 断熱材
142 熱電対
144 ポート
146 控壁
150 土壌移動車両及び/又は装置
152 側壁
154 端壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1枚の壁及び少なくとも1枚の床と、
前記壁の少なくとも1枚に結合した又は内部に存在させた少なくとも1つのヒータであって、前記壁の少なくとも1枚は、前記ヒータの少なくとも1つから前記土壌室の内部に伝熱するよう構成した熱伝導材料を少なくとも部分的に含むヒータと、
前記床に結合した又は前記床内に存在させる少なくとも1つの略長尺な床ヒータと
を含む土壌室であって、前記壁の2枚以上で、前記土壌室の内部を囲み、前記壁の少なくとも1枚を、前記土壌室を加熱中の閉位置と、土壌を前記土壌室に供給する又は前記土壌室から除去するために、土壌移動車両を前記土壌室の内部にアクセス可能にする開位置との間で移動するように構成する土壌室と、
を含むことを特徴とする汚染土壌処理システム。
【請求項2】
前記土壌室は、
少なくとも1枚のカバーと、
前記少なくとも1枚のカバーに隣接して配置する少なくとも1つの蒸気収集配管と、
前記土壌室の内部に隣接する少なくとも1つの流体注入/抽出配管又はスクリーンと
を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項3】
前記床は、前記略長尺な床ヒータの1つ又は複数から前記土壌室の内部に伝熱するよう構成した熱伝導材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項4】
前記熱伝導材料は、略平板状の金属板、シート又は層を含むことを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項5】
前記熱伝導材料の少なくとも一部を、使用中に、前記ヒータの少なくとも1つと、前記土壌室の内部に供給した土壌との間に配置するように構成することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項6】
前記壁の少なくとも1枚の一部を、使用中に、前記ヒータの少なくとも1つ又は複数と、前記土壌室の内部に供給した土壌との間の接触を防止するように構成することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項7】
少なくとも1つのヒータは、略長尺な加熱要素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項8】
少なくとも1枚の壁は、2つの略長尺なヒータを含み、前記熱伝導材料の少なくとも一部を、使用中に、前記2つの略長尺なヒータの少なくとも1つと、前記土壌室の内部に供給した土壌との間に配置するように構成し、前記熱伝導材料を、使用中に、前記2つの略長尺なヒータから前記土壌に伝熱するように構成することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項9】
前記壁の少なくとも2枚を、互いに離間して、前記土壌を堆積する通路を画定することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項10】
前記土壌室の幅を少なくとも2メートルとし、高さを少なくとも1メートルとすることを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項11】
前記土壌室の少なくとも一部分を囲むように配設した4枚の前記壁を含むことを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項12】
少なくとも1枚の壁の内表面の少なくとも10%は、前記熱伝導材料を含むことを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項13】
前記土壌室に隣接する第2土壌室を更に含み、前記2つの土壌室を共有壁によって分離することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項14】
前記土壌室の内部を、前記少なくとも1枚の壁、床及びカバーの内表面によって画定し、前記土壌室に供給する熱の殆どを、1枚又は複数の熱伝導板によって前記土壌室の内部から分離した1つ又は複数のヒータから発生させるように構成することを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項15】
使用中に、ガスが前記土壌室の内部に入れるように構成したガス入力システムを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項16】
前記ガス入力システムは、コンプレッサ、低圧送風機、又は前記土壌室の1つ又は複数のガス入口に接続した通気口及び導管の中少なくとも1つを含むことを特徴とする、請求項15に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項17】
使用中に、ガス及び/又は蒸気が、前記土壌室の内部から出られるように構成したガス出力システムを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項18】
使用中に、前記土壌室の外部に結合する断熱材を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項19】
少なくとも1枚の壁及び少なくとも1枚の床と、
前記壁の少なくとも1枚に結合した又は内部に存在させた少なくとも1つのヒータであって、前記壁の少なくとも1枚は、前記ヒータの少なくとも1つから前記土壌室の内部に伝熱するように構成した熱伝導材料を少なくとも部分的に含むヒータと、
前記床に結合した又は前記床内に存在させる少なくとも1つの略長尺な床ヒータと
を含む土壌室であって、前記壁の少なくとも1枚で、前記土壌室の内部を少なくとも部分的に囲み、前記壁の少なくとも1枚を、前記土壌室を加熱中の閉位置と、土壌を前記土壌室に供給する又は前記土壌室から除去するために、土壌移動車両を前記土壌室の内部にアクセス可能にする開位置との間で移動するように構成する土壌室とを有し、前記土壌室に汚染土壌を供給するステップと、前記汚染土壌中の汚染物質のレベルを大幅に低減するために、前記土壌室内で前記汚染土壌を加熱するステップを具備することを特徴とする汚染土壌を処理する方法。
【請求項20】
前記土壌中の化合物の熱分解を容易にするために、ガスを前記土壌室に供給することを更に含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記汚染土壌を、摂氏約50度〜摂氏約500度の範囲の温度まで加熱することを更に含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記土壌室への汚染土壌の供給は、汚染土壌を含む1個又は複数の袋、箱、ドラム缶を前記土壌室に供給することを含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
1個又は複数の袋又は箱の少なくとも一部を酸化するのに十分な温度に加熱することを更に含むことを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記汚染土壌を前記汚染室に積込むために、車両を使用することを更に含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記土壌室を可搬式にし、前記汚染土壌を前記土壌室に供給する前に、前記土壌室を、前記汚染土壌に近接する場所に移動させることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1枚の壁の内表面の少なくとも10%は、前記熱伝導材料を含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項27】
前記土壌室は、
少なくとも1枚のカバーと、
前記少なくとも1枚のカバーに隣接して配置する少なくとも1つの蒸気収集配管と、
前記土壌室の内部に隣接する少なくとも1つの流体注入/抽出配管又はスクリーンと
を更に含むことを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項28】
使用中に、土壌を収容するように構成した土壌室であって、該土壌室の内部を囲む少なくとも2枚の壁を含み、前記2枚の壁の少なくとも1枚は、少なくとも2つの略長尺なヒータと、前記略長尺なヒータの1つ又は複数と前記室内部との間に、前記略長尺なヒータの1つ又は複数を熱伝導板と当接又は近接するように配置する1枚又は複数の前記熱伝導板とを具備しており、前記土壌室は前記土壌室に供給する熱の殆どを、1枚又は複数の熱伝導板によって前記土壌室の内部から分離した1つ又は複数の前記略長尺なヒータから発生させ、前記壁の少なくとも1枚を、前記土壌室を加熱中の閉位置と、土壌を前記土壌室に供給する又は前記土壌室から除去するために、土壌移動車両を前記土壌室の内部にアクセス可能にする開位置との間で移動するように構成したことを特徴とする汚染土壌処理システム。
【請求項29】
前記熱伝導板は、略平板状の金属板又はシートを含むことを特徴とする、請求項28に記載の土壌処理システム。
【請求項30】
前記壁の少なくとも1枚を、前記略長尺なヒータの1つ又は複数と、前記土壌室に供給した土壌との間の接触を防止するように構成することを特徴とする、請求項28に記載の土壌処理システム。
【請求項31】
前記壁の少なくとも1枚の内表面の少なくとも10%は、1枚又は複数の熱伝導板を含むことを特徴とする、請求項28に記載の汚染土壌処理システム。
【請求項32】
床を更に含み、該床に結合した又は該床内に存在させる少なくとも1つの略長尺な床ヒータを有し、前記床は、前記略長尺な床ヒータの1つ又は複数と、使用中に土壌を収容するように構成した前記室の内部との間に配置する1枚又は複数の熱伝導板を含み、該1枚又は複数の熱伝導板を、前記略長尺な床ヒータの1つ又は複数から前記土壌室の内部に伝熱するように構成することを特徴とする、請求項28に記載の土壌処理システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−500849(P2013−500849A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−522968(P2012−522968)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/043394
【国際公開番号】WO2011/014509
【国際公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(512024370)テラサーム・インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】