決済システム及び非接触IC対応処理装置
【課題】金額処理機能や上位装置との通信機能が不要となり、非接触リーダライタと非接触ICメディア間の通信を中継する簡易で安価な携帯型の非接触IC対応処理装置及び決済処理システムを提供する。
【解決手段】非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4と非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、非接触ICメディア5と非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、決済装置2から受信したメディア情報取得要求に応じて仮のメディア情報を応答し、決済装置2から受信した決済情報を一時蓄積し、非接触ICメディア5から受信したメディア情報と決済情報に基づいて非接触ICメディア5のメディア情報を更新し、更新後のメディア情報を一時蓄積し、更新後のメディア情報を決済装置2に送信する制御手段と、を有する。
【解決手段】非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4と非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、非接触ICメディア5と非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、決済装置2から受信したメディア情報取得要求に応じて仮のメディア情報を応答し、決済装置2から受信した決済情報を一時蓄積し、非接触ICメディア5から受信したメディア情報と決済情報に基づいて非接触ICメディア5のメディア情報を更新し、更新後のメディア情報を一時蓄積し、更新後のメディア情報を決済装置2に送信する制御手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システム及び非接触IC対応処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャッシュレス化の進展や電子マネーの普及に伴い、読み書き可能なIC(Integrated Circuit)チップを有する非接触ICメディアを利用して、商品やサービスの提供に伴う決済処理を行うシステムが普及している。このようなシステムでは一般的に、非接触ICメディアに対して非接触状態で無線通信を行い、非接触ICメディア内部のICチップに記憶されている情報を読み取ったり、新たな情報をICチップに書き込む非接触リーダライタが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2に記載された非接触リーダライタは、ホストコンピュータなどの上位装置と無線通信可能な携帯型の非接触リーダライタである。
【0003】
図12は、このような非接触リーダライタ400と非接触ICメディア500間の処理を示すシーケンス図である。
ここで、非接触リーダライタ400を含む決済装置200には、決済制御部300が備わっている。また、図10に示すシーケンスは、プリペイド式(料金先払い)の電子マネーを使用した決済処理を示すシーケンスである。なお、決済装置200には、あらかじめ決済金額が入力されている。
【0004】
決済制御部300は、決済処理を開始すると、カード検知要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS801)。非接触リーダライタ400は、そのカード検知要求コマンドを非接触ICメディア500へ送信してカードの検知を開始する(ステップS802)。
【0005】
非接触ICメディア500が非接触リーダライタ400にかざされると、非接触ICメディア500から非接触リーダライタ400にカード検知コマンドレスポンスが送信される(ステップS803)。カード検知コマンドレスポンスを受信すると、非接触リーダライタ400は、そのカード検知コマンドレスポンスを決済制御部300に出力する(ステップS804)。カード検知コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部300は、次にカード情報の取得処理を行う。つまり、決済制御部300は、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ400へ出力する(ステップS805)。非接触リーダライタ400は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア500へ送信する(ステップS806)。
【0006】
カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触ICメディア500は、カード情報を非接触リーダライタ400に送信する(ステップS807)。カード情報には、固有の識別情報であるカードIDや決済可能な金額である残高金額等が含まれる。非接触リーダライタ400は、そのカード情報を決済制御部300に出力する(ステップS808)。
【0007】
決済制御部300は、カード情報が入力されると、演算を開始する(ステップS809)。具体的には、決済制御部300は、受信した残高金額から決済金額を減算して、決済後の残高金額を算出する。次に決済制御部300は、演算結果書き込み要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS810)。演算結果書き込み要求コマンドには、決済金額と、算出した残高金額が含まれる。
【0008】
非接触リーダライタ400は、書き込み要求コマンドを非接触ICメディア500に送信する(ステップS811)。書き込み要求コマンドには、入力された決済金額と決済後の残高金額が含まれる。
非接触ICメディア500は、受信した残高金額と決済金額をICチップに書き込むと、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触リーダライタ400に送信する(ステップS812)。非接触リーダライタ400は、その書き込み完了コマンドレスポンスを決済制御部300に出力する(ステップS813)。
【0009】
書き込み完了コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部300は、非接触ICメディア500のICチップに書き込まれた結果を確認するために、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS814)。カード情報取得要求コマンドが入力されると、非接触リーダライタ400は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア500に送信する(ステップS815)。非接触ICメディア500は、カード情報取得要求コマンドを受信すると、カード情報を送信する(ステップS816)。非接触ICメディア500からカード情報を受信すると、非接触リーダライタ400は、そのカード情報を決済制御部300に出力する(ステップS817)。カード情報が入力されると、決済制御部300は、結果の比較を行う(ステップS818)。具体的には、決済制御部300は、入力された残高金額と上記ステップS810で算出した残高金額が等しいか否かの判定を行う。等しい場合には、正常に処理が完了したと判定し、決済処理を完了する(ステップS819)。
【0010】
図13は、決済処理中にタイムアウトした際の復旧処理を示すシーケンス図である。図10のシーケンスと同じ処理には同じ符号としている。これら同じ処理については説明を省略する。
上記ステップS810及びS811において、非接触リーダライタ400から書き込み要求コマンドを送信した後に、非接触ICメディア500が非接触リーダライタ400からはずされるなどして、非接触ICメディア500から非接触リーダライタ400に書き込み完了コマンドレスポンスが通知されない場合には、決済制御部300は、レスポンスタイムアウトと判定する(ステップS901)。
【0011】
レスポンスタイムアウトと判定すると、決済制御部300は、再かざし要求処理を行う。つまり、決済制御部300は、再びカード検知要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS902)。カード検知要求コマンドが入力されると、非接触リーダライタ400は、カード検知要求コマンドを非接触ICメディア500へ送信してカードの検知を開始する(ステップS903)。
【0012】
非接触ICメディア500が非接触リーダライタ400に再びかざされ、非接触ICメディア500から非接触リーダライタ400にカード検知コマンドレスポンスが送信されると(ステップS904)、非接触リーダライタ400は、そのカード検知コマンドレスポンスを決済制御部300へ出力する(ステップS905)。カード検知コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部300は、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ400へ出力する(ステップS906)。これは、非接触ICメディア500に残高金額が正常に書き込まれたか否かを判定するためである。非接触リーダライタ400は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア500へ送信する(ステップS907)。
【0013】
カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触ICメディア500は、カード情報を非接触リーダライタ400に送信する(ステップS908)。非接触リーダライタ400は、そのカード情報を決済制御部300に出力する(ステップS909)。
【0014】
カード情報が入力されると、決済制御部300は、入力された残高金額を基に継続処理判断を行う(ステップS910)。具体的には、取得した残高金額と上記ステップS809で算出した残高金額が等しいか否かを判定する。等しい場合には、決済処理を完了する。
残高金額が等しくない場合には、処理を継続すると判断し、決済制御部300は、上記ステップS810送信した演算結果書き込み要求コマンドを非接触リーダライタ400に再び出力する(ステップS911)。
【0015】
演算結果書き込み要求コマンドが入力されると、非接触リーダライタ400は、書き込み要求コマンドを非接触ICメディア500に送信する(ステップS912)。非接触ICメディア500は、受信した残高金額を内部のICチップに書き込み、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触リーダライタ400に送信する(ステップS913)。非接触リーダライタ400は、その書き込み完了コマンドレスポンスを決済制御部300に出力する(ステップS914)。
【0016】
書き込み完了コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部300は、非接触ICメディア500のICチップに書き込まれた結果を確認するために、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS915)。カード情報取得要求コマンドが入力されると、非接触リーダライタ400は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア500に送信する(ステップS916)。カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触ICメディア500はカード情報を非接触リーダライタ400に送信する(ステップS917)。非接触ICメディア500からカード情報を取得すると、非接触リーダライタ400は、そのカード情報を決済制御部300に出力する(ステップS918)。カード情報が入力されると、決済制御部300は、結果比較を行う(ステップS919)。具体的には、決済制御部300は、入力されたカード情報に含まれる残高金額と上記ステップS809で算出した残高金額が等しいか否かの判定を行う。等しい場合には、正常に処理が完了したと判定し、決済処理を完了する(ステップS920)。
【0017】
この様にして、決済装置200は、決済処理中に非接触ICメディア500が非接触リーダライタ400からはずされるなどして、決済処理が中断した場合に、決済処理の復旧を行う。
【特許文献1】特開2007−157177号公報
【特許文献2】特開2007−241488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、飲食店等では、決済処理を客席にて行いたいという要望があり、携帯型の非接触リーダライタの需要が高まっているが、特許文献1に記載された据え置きの非接触リーダライタは、POS(Point Of Sales)レジスタやCAT(Credit Authorization Terminal)などの上位装置に接続され、金額データや決済条件、集計データ等をそれら上位装置とやり取りして動作するため、レジ台等に据え置きしなければならない、という問題がある。
また、特許文献2に記載された携帯型の非接触リーダライタでは、据え置きの非接触リーダライタと同等の金額処理機能及び上位装置と通信するための無線通信機能が必要となり、高価になってしまう、という問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、金額処理機能や上位装置との通信機能が不要となり、非接触リーダライタと非接触ICメディア間の通信を中継する簡易で安価な携帯型の非接触IC対応処理装置及び非接触IC対応処理装置を用いた決済処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、非接触リーダライタを有する決済装置とメディア情報を保持する非接触ICメディアによって決済処理が行われる決済システムであって、非接触IC対応処理装置を備え、前記非接触IC対応処理装置は、前記非接触リーダライタと非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、前記非接触ICメディアと非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、前記決済装置から受信したメディア情報取得要求に応じて仮のメディア情報を応答し、前記決済装置から受信した決済情報を一時蓄積し、前記非接触ICメディアから受信したメディア情報と前記決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新し、該更新後のメディア情報を一時蓄積し、前記更新後のメディア情報を前記決済装置に送信する制御手段と、を有し、前記決済装置は、前記非接触IC対応処理装置から受信した仮のメディア情報を用いて決済情報を生成することを特徴とする決済システムである。
【0020】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記第1の送受信手段と前記第2の送受信手段は、1つの非接触通信インタフェースによって構成されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記決済装置は、書き込み要求を送信し、その応答がない場合には、処理状態を維持したまま決済処理を一時中断し、前記制御手段は、非接触ICメディアと通信する前に前記決済装置から受信した第1の書き込み要求に応答を返さず、非接触ICメディアと通信した後に前記決済装置から受信した第2の書き込み要求に応答を返すことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記制御手段は、非接触リーダライタと通信を行うメディア状態と、非接触ICメディアと通信を行うリーダライタ状態を切り替えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記制御手段は、ユーザの操作に応じて状態を切り替えることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記決済装置は、決済処理中断後に再開する場合、再開前に受信したメディア情報の識別番号と再開後に受信したメディア情報の識別番号が一致するか否かを判断し、一致する場合にのみ決済処理を再開し、前記制御手段は、前記決済装置に決済処理を再開させる際に、決済処理中断前に送信した仮のメディア情報を再度送信することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の一態様は、非接触リーダライタを有する決済装置とメディア情報を保持する非接触ICメディアによって決済処理が行われる決済システムに適用可能な非接触IC対応処理装置であって、前記非接触リーダライタと非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、前記非接触ICメディアと非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、前記決済装置から受信したメディア情報取得要求に対して仮のメディア情報を応答し、前記決済装置から受信した決済情報を一時蓄積し、前記非接触ICメディアから受信したメディア情報と前記決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新し、該更新後のメディア情報を一時蓄積し、前記更新後のメディア情報を前記決済装置に送信する制御手段と、を有することを特徴とする非接触IC対応処理装置である。
【0026】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記第1の送受信手段と前記第2の送受信手段は、1つの非接触通信インタフェースによって構成されていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記制御手段は、非接触ICメディアと通信する前に前記決済装置から受信した第1の書き込み要求に応答を返さず、非接触ICメディアと通信した後に前記決済装置から受信した第2の書き込み要求に応答を返すことを特徴とする。
【0028】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記制御手段は、非接触リーダライタと通信を行うメディア状態と、非接触ICメディアと通信を行うリーダライタ状態を切り替えることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記制御手段は、ユーザの操作に応じて状態を切り替えることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記決済装置に決済処理を再開させる際に、決済処理中断前に送信した仮のメディア情報を再度送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、非接触IC対応処理装置は、決済装置から決済情報を取得し、その決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新することにより、非接触ICメディアとの決済処理を完了させる。また、非接触IC対応処理装置は、非接触ICメディアからメディア情報を取得し、そのメディア情報を決済装置に送信することにより、決済装置の決済処理を完了させるので、非接触リーダライタと非接触ICメディア間の決済処理を中継することができる。また、複雑な金額処理機能や上位装置との通信機能が不要となる。これにより、簡易で安価な携帯型の非接触IC対応処理装置及び非接触IC対応処理装置を用いた決済システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は本発明の実施形態による決済システムの構成を示すブロック図である。決済システムは、決済装置2と非接触ICメディア5間の決済処理を中継する非接触IC対応処理装置1と、決済処理を行う決済装置2と、非接触ICメディア5と、を含んで構成される。
【0033】
非接触ICメディア5は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有するICチップを有し、非接触による無線通信が可能な非接触ICカードである。また、非接触ICメディア5はメディア情報を記憶している。本実施形態例では、メディア情報をカード情報とする。カード情報には、固有の識別情報であるカードIDと、電子マネーの残高情報とが含まれる。
【0034】
なお、本実施形態では、非接触ICメディア5をICカードであることとするが、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、その他の通信専用端末等の非接触ICチップを有する非接触ICメディアであれば良く、ICカードである必要はない。また、メディア情報は、カード情報、携帯電話情報、PDA情報、その他の通信専用端末等の非接触ICチップを有する非接触ICメディアの情報であれば良い。
【0035】
図2は、本実施形態による非接触IC対応処理装置1の構成を示すブロック図である。
本実施形態における非接触IC対応処理装置1は、プリペイド式の電子マネーの決済処理を行う装置である。非接触IC対応処理装置1は、表示部11と、光MMI部12と、音MMI部13と、決済装置2及び非接触ICメディア5と無線通信を行うアンテナ部14と、非接触IC対応処理装置1を操作する操作部15と、アンテナ部14を介して情報を送信する無線送信部16と、アンテナ部14を介して情報を受信する無線受信部17と、非接触IC対応処理装置1を統括して制御する制御部18(つまり、制御手段)と、決済情報を記憶する記憶部19と、各部へ電源を供給するバッテリーなどから構成される電源部20と、を含んで構成される。
【0036】
ここで以下の説明において、非接触IC対応処理装置1が、非接触リーダライタ4との間で非接触でデータを送受信する処理動作が第1の送受信手段であり、非接触ICメディア5との間で非接触でデータを送受信する処理動作が第2の送受信手段である。
【0037】
表示部11は、決済金額や非接触IC対応処理装置1の状態を表示する。光MMI部12は、ユーザに操作を促すために、光を発光する。或いは、光MMI部12は、ユーザに非接触処理状態を通知するために、非接触処理状態をわかりやすく光を発光させて表示する。音MMI部13は、ユーザに処理の説明するために、音声を出力する。或いは、音MMI部13は、ユーザに非接触処理状態を通知するために、非接触処理状態をわかりやすく音声を出力して表現する。
【0038】
ここで、非接触IC対応処理装置1が持つ通信インタフェースは非接触通信インタフェース(アンテナ部14、無線送信部16、無線受信部17)のみでよく、また、非接触IC対応処理装置1は決済結果のログを集配する機能が不要となる。このため、非接触IC対応処理装置1は簡易な構成となる。なお、記憶部19に記憶された情報は、非接触通信インタフェースを介してのみ取得可能である。
【0039】
図3は、本実施形態における非接触IC対応処理装置1、決済装置2及び非接触ICメディア5間の処理を示すシーケンス図である。
決済装置2は、決済処理の制御を行う決済制御部3と、非接触IC対応処理装置1と通信を行う非接触リーダライタ4と、を含んで構成される。決済装置2は、決済処理中にレスポンスタイムアウトが起こると、決済処理の復旧処理を行う。具体的には、決済装置2は、非接触ICメディア5が書き込み要求コマンドを受信してからはずされたのか、受信する前にはずされたのかを判定し、受信する前にはずされた場合には、再度書き込み要求コマンドを送信して決済処理を完了させる。本発明の非接触IC対応処理装置1は、この復旧処理を利用して、決済装置2と非接触ICメディア間の通信内容を一旦バッファリングする装置である。
【0040】
決済装置2は、決済処理を開始すると、非接触IC対応処理装置1の検知を開始する。非接触IC対応処理装置1が、非接触リーダライタ4にかざされると、決済装置2は、非接触IC対応処理装置1を検知し、以下の処理を行う。なお、決済装置2には、あらかじめ決済金額が入力されている。
【0041】
決済制御部3は、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ4へ出力する(ステップS1)。非接触リーダライタ4は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1へ送信する(ステップS2)。
【0042】
カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触IC対応処理装置1は、仮情報(つまり、仮のカード情報)を非接触リーダライタ4へ送信する(ステップS3)。ここで送信する仮情報には、非接触IC対応処理装置1を一意に特定する識別番号と電子マネーの金額枠上限値などが含まれる。非接触リーダライタ4は、その仮情報を決済制御部3へ出力する(ステップS4)。
【0043】
決済制御部3は、仮情報が入力されると、演算を開始する(ステップS5)。具体的には、仮情報に含まれる金額枠上限値から決済金額を減算して、決済後の残高金額を算出する。次に、決済制御部3は、演算結果書き込み要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力する(ステップS6)。演算結果書き込み要求コマンドには、決済金額(つまり、決済情報)と算出した決済後の残高金額が含まれる。演算結果書き込み要求コマンドを受信すると、非接触リーダライタ4は、書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS7)。書き込み要求コマンドには、入力された決済金額と決済後の残高金額が含まれる。
【0044】
ここで、非接触IC対応処理装置1は、書き込み要求コマンドを受信しても書き込み完了コマンドレスポンスを返さない。このため、決済制御部3は、レスポンスタイムアウトと判定し(ステップS8)、再かざし要求処理を行う。つまり、決済制御部3は、カード検知要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力し(ステップS9)、非接触リーダライタ4は、カードが検知されるまで、カード検知要求コマンドを送信し続ける(ステップS10)。
【0045】
一方、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4からはずされる。次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5がかざされ、非接触ICメディア5と通信を行う。
非接触IC対応処理装置1は、まず、カード検知要求コマンドを非接触ICメディア5へ送信してカードの検知を開始する(ステップS11)。
【0046】
非接触ICメディア5が非接触IC対応処理装置1にかざされ、非接触ICメディア5からカード検知コマンドレスポンスが通知されると(ステップS12)、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5へ送信する(ステップS13)。
【0047】
カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS14)。カード情報には、固有の識別情報であるカードIDや決済可能な金額である残高金額等が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、その残高金額と、決済金額から決済後の残高金額を算出し、決済後の残高金額を含む書き込み要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS15)。非接触ICメディア5は、自身のICチップに受信した残高金額を書き込み、書き込みが終わると、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS16)。
【0048】
非接触IC対応処理装置1は、書き込み完了コマンドレスポンスを受信すると、非接触ICメディア5のICチップに書き込まれた結果を確認するために、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS17)。非接触ICメディア5は、カード情報取得要求コマンドを受けて、カード情報を非接触IC対応処理装置1へ送信する(ステップS18)。非接触IC対応処理装置1は、受信した残高金額が決済後の残高金額と等しいか否かを判定し、等しければ非接触ICメディア5との通信を終了する。
【0049】
次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5がはずされ、決済装置2にかざされる。この際、決済装置2は、再かざし要求処理中であり、非接触リーダライタ4がカード検知要求コマンドを送信している。
非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4からカード検知要求コマンドを受信すると、カード検知コマンドレスポンスを非接触リーダライタ4へ送信する(ステップS19)。非接触IC対応処理装置1からカード検知コマンドレスポンスを受信すると、非接触リーダライタ4は、決済制御部3にそのカード検知コマンドレスポンスを出力する(ステップS20)。カード検知コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部3は、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力する(ステップS21)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触リーダライタ4は、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS22)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS3で送信した仮情報を非接触リーダライタ4に送信する(ステップS23)。非接触リーダライタ4はその仮情報を決済制御部3に出力する(ステップS24)。
【0050】
決済制御部3は、その仮情報を基に継続処理判断を行う(ステップS25)。ここで、決済制御部3は、上記ステップS4で受信した仮情報の識別番号とステップS24で受信した仮情報の識別番号が等しいか否かを判定し、等しい場合には処理を継続すると判断する。また、仮情報の残高金額と、受信した仮情報の残高金額が等しいため、書き込みに失敗したと判断する。このため、決済制御部3は、再度書き込み処理を行う。つまり、決済制御部3は、上記ステップS6で送信した演算結果書き込み要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力する(ステップS26)。演算結果書き込み要求コマンドを受信すると、非接触リーダライタ4は、書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS27)。書き込み要求コマンドを受信すると、非接触IC対応処理装置1は、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触リーダライタ4へ送信する(ステップS28)。非接触リーダライタ4は、その書き込み完了コマンドレスポンスを決済制御部3に出力する(ステップS29)。決済制御部3は、書き込み完了コマンドがレスポンス入力されると、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力する(ステップS30)。非接触リーダライタ4は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS31)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS18で取得したカード情報を非接触リーダライタ4に送信する(ステップS32)。非接触リーダライタ4はそのカード情報を決済制御部3に出力する(ステップS33)。決済制御部3は、受信したカード情報を内部に保存して決済処理を完了する(ステップS34)。
【0051】
このようにして、非接触IC対応処理装置1は、決済装置2が上記ステップS8でレスポンスタイムアウトと判定した後の復旧処理を利用して、決済装置2と非接触ICメディア5間の通信内容をバッファリングする。また、非接触IC対応処理装置1は、決済装置2と非接触ICメディア間の通信内容を受け渡すだけなので、金額処理機能や通信機能が不要となり簡易で安価な装置になる。また、決済装置2及び非接触ICメディア5の処理は従来技術と同様なので、従来の決済装置2及び非接触ICメディア5を用いた決済システムをそのまま流用することができる。
【0052】
図4は、本実施形態の非接触IC対応処理装置1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
非接触IC対応処理装置1は、電源をオンにすると、まずメディア状態になる。非接触IC対応処理装置1は、メディア状態の際には、非接触ICメディアとしてふるまい、非接触リーダライタ4と通信を行う。
【0053】
非接触IC対応処理装置1を非接触リーダライタ4にかざすと、非接触リーダライタ4からカード検知要求コマンドが無線通信にて非接触IC対応処理装置1へ送信される。非接触IC対応処理装置1は、カード検知要求コマンドを受信すると(ステップS101)、非接触リーダライタ4にカード検知コマンドレスポンスを送信する(ステップS102)。
【0054】
次に、非接触リーダライタ4からカード情報取得要求コマンドを受信すると(ステップS103)、非接触IC対応処理装置1は、仮情報を送信する(ステップS104)。ここで送信する仮情報には、非接触IC対応処理装置1を一意に特定する識別番号と電子マネーの金額枠上限値などが含まれる。
【0055】
また、非接触リーダライタ4から書き込み要求コマンドを受信すると(ステップS105)、受信した書き込み要求コマンドに含まれる決済金額を記憶部19に記憶する(ステップS106)。この際、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4に書き込み完了コマンドレスポンスは返さずにメディア状態を終了する(ステップS107)。
【0056】
次に、非接触IC対応処理装置1は、リーダライタ状態に変化する(ステップS108)。非接触IC対応処理装置1は、リーダライタ状態では、非接触リーダライタとしてふるまい、非接触ICメディア5と通信を行う。
【0057】
非接触IC対応処理装置1は、リーダライタ状態に変化すると、カード検知要求コマンドを送信する(ステップS109)。ここで、非接触IC対応処理装置1は、カード検知コマンドレスポンスを受信するまで、カード検知要求コマンドを送信し続ける(ステップS110)。非接触IC対応処理装置1に非接触ICメディア5がかざされ、カードの検知をすると、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS111)。ここで、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5からカード情報を受信するまで待ち状態となる(ステップS112)。非接触ICメディア5からカード情報を受信すると、非接触IC対応処理装置1は、取得した残高金額から決済金額を減算して決済後の残高金額を算出する(ステップS113)。
【0058】
非接触IC対応処理装置1は、算出した決済後の残高金額を含む書き込み要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS114)。次に、書き込み完了コマンドレスポンスを受信すると(ステップS115)、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5のICチップに書き込まれた結果を確認するために、カード情報取得要求コマンドを送信する(ステップS116)。ここで、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5からカード情報を受信するまで待ち状態となる(ステップS117)。
非接触ICメディア5からカード情報を取得すると、非接触IC対応処理装置1は、取得した情報から書込みの整合性を確認し、リーダライタ状態を終了する(ステップS118)。書き込みの整合性の確認では、上記ステップS113で算出した残高金額と受信した残高金額を比較し、等しければ正常に処理が終了したと判定する。
【0059】
次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4と通信を行うメディア状態に変化する(ステップS119)。非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4にかざされ、非接触リーダライタ4より無線通信にてカード検知要求コマンドを受信すると(ステップS120)、カード検知コマンドレスポンスを非接触リーダライタ4に送信する(ステップS121)。次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4からカード情報取得要求コマンドを受信すると(ステップS122)、仮情報を送信する(ステップS123)。ここで送信する仮情報は、上記ステップS104で送信した仮情報と同じものである。これにより、決済装置2に決済処理を再開させる。
【0060】
次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4から書き込み要求コマンドを受信すると、(ステップS124)、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触リーダライタ4に送信する(ステップS125)。また、カード情報取得要求コマンドを受信すると(ステップS126)、非接触IC対応処理装置1は、カード情報を送信する(ステップS127)。ここで送信するカード情報は、上記ステップS117で非接触ICメディア5から受信したカード情報である。カード情報を送信すると、非接触IC対応処理装置1は、処理を終了する。
【0061】
なお、上では、自動的に非接触IC対応処理装置1の状態が変化したが、操作者が操作部15に備えるスイッチで状態を変化させてもよい。あるいは、非接触IC対応処理装置1が通信相手によって状態を変化させてもよい。つまり、非接触IC対応処理装置1は、通信相手が非接触リーダライタ4だった場合には、メディア状態に変化し、通信先が非接触ICメディア5だった場合には、リーダライタ状態に変化する。
【0062】
また、上では通信処理の動作のみ説明したが、それぞれの動作に対して表示部11、光MMI部12及び音MMI部13において非接触IC対応処理装置1の状態を操作者に通知する処理を行ってもよい。例えば、上記ステップS105、S118において、決済金額を表示部11に表示してもよい。また、非接触IC対応処理装置1の状態が変化した際に表示部11にその状態を表示してもよい。また、上記ステップS109においてカード検知要求コマンドを送信している際に、光MMI部12を発光させてもよい。あるいは、決済処理が終了すると音MMI部13にて特定の音声を出力してもよい。
【0063】
図5から図7はプリペイド式の電子マネーの決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
図5は非接触IC対応処理装置1と決済装置2間の処理を示すシーケンス図である。非接触ICメディア5の使用者である顧客は、飲食店などでの決済時に客席で店員に非接触ICメディア5で支払う旨を伝える。決済処理を行う際、店員は、決済装置2に決済金額を入力し、非接触IC対応処理装置1を決済装置2の非接触リーダライタ4にかざす。
【0064】
非接触IC対応処理装置1を検知した決済装置2は、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS201)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、仮情報を送信する(ステップS202)。ここで送信する仮情報には、非接触IC対応処理装置1を一意に特定する識別番号と電子マネーの金額枠上限値などが含まれる。次に、決済装置2は、書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS203)。書き込み要求コマンドには、決済金額と決済後の残高金額が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、受信した決済金額を記憶部19に記憶する。また、この際、非接触IC対応処理装置1は、書き込み完了コマンドレスポンスを決済装置2に送信しない(ステップS204)。
この時、決済装置2は、処理未了状態であり、再かざし要求処理を行う。また、非接触IC対応処理装置1は、メディア状態を終了してリーダライタ状態に変化する。
【0065】
図6は非接触IC対応処理装置1と非接触ICメディア5間の処理を示すシーケンス図である。店員は、図5に示す処理が終了すると、非接触IC対応処理装置1を持って客席に移動し、顧客に依頼して非接触ICメディア5を非接触IC対応処理装置1にかざしてもらう。
カードを検知すると、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS205)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS206)。カード情報には、カードIDや決済可能な金額である残高金額等が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、受信した残高金額から決済金額を減算して決済後の残高金額を算出し、その決済後の残高金額と決済金額を含む書き込み要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS207)。非接触ICメディア5は、決済後の残高金額と決済金額をICチップに書き込むと、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS208)。次に、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS209)。非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS210)。非接触IC対応処理装置1は、受信した残高金額が算出した残高金額と等しいか否かを判定し、等しければ、リーダライタ状態を終了してメディア状態に変化する。
【0066】
図7は非接触IC対応処理装置1と決済装置2間の処理を示すシーケンス図である。店員は、図6に示す処理が終了した後、非接触IC対応処理装置1を決済装置2にかざす。この時、決済装置2は、再かざし要求処理中の状態である。
【0067】
決済装置2は、非接触IC対応処理装置1をカード検知すると、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS211)。非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを受信すると、仮情報を送信する(ステップS212)。ここで送信する仮情報は上記ステップS202で送信した仮情報と同じ情報である。
【0068】
決済装置2は、上記ステップS202で受信した仮情報の残高金額と、受信した仮情報の残高金額が等しいため、書き込みに失敗したと判断する。このため、決済装置2は、再度書き込み処理を行う。つまり、決済装置2は、上記ステップS203で送信した書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS213)。書き込み要求コマンドを受信すると、非接触IC対応処理装置1は、書き込み完了コマンドレスポンスを決済装置2に送信する(ステップS214)。次に、書き込んだ内容を確認するために、決済装置2は、カード情報取得要求コマンドを送信する(ステップS215)。非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS206で受信したカードIDと算出した残高金額を送信する(ステップS216)。決済装置2は、受信したカードIDと残高金額を内部に保存して、決済処理を完了する。
【0069】
このように、本実施形態によれば、非接触IC対応処理装置1は、決済装置2の復旧処理を利用して、決済装置2と非接触ICメディア5間の決済内容を一旦バッファリングするため、決済装置2と非接触ICメディア間の通信を中継することができる。また、非接触IC対応処理装置1には、金額処理機能や上位装置との通信機能が不要となる。これにより、簡易で安価な携帯型の非接触IC対応処理装置1を提供することができ、飲食店などの客席での決済を容易にすることができる。
【0070】
次に、本発明の第2の実施形態による非接触IC対応処理装置1について説明する。
本実施形態における非接触IC対応処理装置1は、ポストペイド式(料金後払い)の電子マネーの決済処理を行う装置である。非接触IC対応処理装置1の構成は第1の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0071】
図8から図10はポストペイド式の電子マネーの決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
図8は非接触IC対応処理装置1と決済装置2間の処理を示すシーケンス図である。非接触ICメディア5の使用者である顧客は、飲食店などでの決済時に客席で店員に非接触ICメディア5で支払う旨を伝える。決済処理を行う際、店員は、決済装置2に決済金額を入力し、非接触IC対応処理装置1を決済装置2の非接触リーダライタ4にかざす。
【0072】
非接触IC対応処理装置1を検知した決済装置2は、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS301)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、仮情報(つまり、仮のカード情報)を送信する(ステップS302)。ここで送信する仮情報には、非接触IC対応処理装置1を一意に特定する識別番号が含まれる。次に、決済装置2は、履歴書込要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS303)。ここで、履歴書込要求コマンドには、決済金額(つまり、決済情報)等が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、履歴書込要求コマンドを受信しても書き込み完了コマンドレスポンスを決済装置2に送信しない(ステップS304)。
この時、決済装置2は、処理未了状態であり、再かざし要求処理を行う。また、非接触IC対応処理装置1は、メディア状態を終了してリーダライタ状態に変化する。
【0073】
図9は非接触IC対応処理装置1と非接触ICメディア5間の処理を示すシーケンス図である。店員は、図8に示す処理が終了すると、非接触IC対応処理装置1を持って客席に移動し、顧客に依頼して非接触ICメディア5を非接触IC対応処理装置1にかざしてもらう。
カードを検知すると、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS305)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS306)。カード情報には、カード番号、有効期限などが含まれる。次に、非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS303で取得した履歴書込要求を非接触ICメディア5に送信する(ステップS307)。非接触ICメディア5は、受信した情報をICチップの決済履歴に書き込むと、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS308)。次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5のICチップに書き込まれた結果を確認するため、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS309)。非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS310)。ここで送信されるカード情報には、カード番号、有効期限に加えてICチップに記憶している決済履歴が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、受信した決済履歴に上記ステップS303で取得した情報が含まれるか否かを判定し、含まれれば、リーダライタ状態を終了してメディア状態に変化する。
【0074】
図10は非接触IC対応処理装置1と決済装置2間の処理を示すシーケンス図である。店員は、図9に示す処理が終了した後、非接触IC対応処理装置1を決済装置2にかざす。この時、決済装置2は、再かざし要求処理中の状態である。
【0075】
決済装置2は、非接触IC対応処理装置1をカード検知すると、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS311)。非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを受信すると、仮情報を送信する(ステップS312)。ここで送信する仮情報は上記ステップS302で送信した仮情報と同じ情報である。
【0076】
決済装置2は、受信した仮情報に上記ステップS303で送信した情報が含まれないため、書き込みに失敗したと判定する。このため、決済装置2は、再度書き込み処理を行う。つまり、決済装置2は、上記ステップS303で送信した書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS313)。書き込み要求コマンドを受信すると、非接触IC対応処理装置1は、書込応答コマンドレスポンスを決済装置2に送信する(ステップS314)。書込応答コマンドレスポンスには、ステップS310で取得したカード情報が含まれる。決済装置2は、受信したカード情報を内部に保存して決済処理を完了する。
【0077】
このように、本実施形態によれば、簡易で安易な携帯型の非接触IC対応処理装置1を用いてポストペイド式の電子マネーの決済処理を飲食店などの客席にて行うことができる。
【0078】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0079】
例えば、本実施形態においては、上記ステップS23で非接触IC対応処理装置1は、仮情報を送信しているが、非接触ICメディア5から受信したカード情報を決済装置2に送信するようにしてもよい。その際、決済制御部3は継続処理判断を行わないようにする必要がある。
図11は、カード情報を送信した際の非接触IC対応処理装置1、決済装置2及び非接触ICメディア5間の処理を示すシーケンス図である。図3のシーケンスと同じ処理には同じ符号としている。ステップS1からステップS22までは図3のシーケンスと同じ処理を行うため説明を省略する。
ステップS22でカード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS18で非接触ICメディアから受信したカード情報を非接触リーダライタ4へ送信する(ステップS50)。非接触リーダライタ4は、そのカード情報を決済制御部3へ出力する(ステップS51)。決済制御部3は、継続処理判断を行わずに、受信したカード情報を内部に保存して決済処理を完了する(ステップS52)。このようにして、決済処理を行ってもよい。
【0080】
また、本実施形態における非接触IC対応処理装置1は、表示部11、光MMI部12、音MMI部13及び操作部15を含み、操作性を向上させたが、必ずしも含む必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態による決済システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における非接触IC対応処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における非接触IC対応処理装置、決済装置及び非接触ICメディア間の処理を示すシーケンス図である。
【図4】本実施形態の非接触IC対応処理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
【図6】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
【図7】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
【図9】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である
【図10】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である
【図11】非接触IC対応処理装置、決済装置及び非接触ICメディア間の処理を示すシーケンス図である。
【図12】従来技術における非接触リーダライタと非接触ICメディア間の処理を示すシーケンス図である
【図13】従来技術における決済処理中にタイムアウトした際の復旧処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0082】
1…非接触IC対応処理装置 2,200…決済装置 3,300…決済制御部 4,400…非接触リーダライタ 5,500…非接触ICメディア 11…表示部 12…光MMI部 13…音MMI部 14…アンテナ部 15…操作部 16…無線送信部 17…無線受信部 18…制御部 19…記憶部 20…電源部
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システム及び非接触IC対応処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、キャッシュレス化の進展や電子マネーの普及に伴い、読み書き可能なIC(Integrated Circuit)チップを有する非接触ICメディアを利用して、商品やサービスの提供に伴う決済処理を行うシステムが普及している。このようなシステムでは一般的に、非接触ICメディアに対して非接触状態で無線通信を行い、非接触ICメディア内部のICチップに記憶されている情報を読み取ったり、新たな情報をICチップに書き込む非接触リーダライタが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、特許文献2に記載された非接触リーダライタは、ホストコンピュータなどの上位装置と無線通信可能な携帯型の非接触リーダライタである。
【0003】
図12は、このような非接触リーダライタ400と非接触ICメディア500間の処理を示すシーケンス図である。
ここで、非接触リーダライタ400を含む決済装置200には、決済制御部300が備わっている。また、図10に示すシーケンスは、プリペイド式(料金先払い)の電子マネーを使用した決済処理を示すシーケンスである。なお、決済装置200には、あらかじめ決済金額が入力されている。
【0004】
決済制御部300は、決済処理を開始すると、カード検知要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS801)。非接触リーダライタ400は、そのカード検知要求コマンドを非接触ICメディア500へ送信してカードの検知を開始する(ステップS802)。
【0005】
非接触ICメディア500が非接触リーダライタ400にかざされると、非接触ICメディア500から非接触リーダライタ400にカード検知コマンドレスポンスが送信される(ステップS803)。カード検知コマンドレスポンスを受信すると、非接触リーダライタ400は、そのカード検知コマンドレスポンスを決済制御部300に出力する(ステップS804)。カード検知コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部300は、次にカード情報の取得処理を行う。つまり、決済制御部300は、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ400へ出力する(ステップS805)。非接触リーダライタ400は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア500へ送信する(ステップS806)。
【0006】
カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触ICメディア500は、カード情報を非接触リーダライタ400に送信する(ステップS807)。カード情報には、固有の識別情報であるカードIDや決済可能な金額である残高金額等が含まれる。非接触リーダライタ400は、そのカード情報を決済制御部300に出力する(ステップS808)。
【0007】
決済制御部300は、カード情報が入力されると、演算を開始する(ステップS809)。具体的には、決済制御部300は、受信した残高金額から決済金額を減算して、決済後の残高金額を算出する。次に決済制御部300は、演算結果書き込み要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS810)。演算結果書き込み要求コマンドには、決済金額と、算出した残高金額が含まれる。
【0008】
非接触リーダライタ400は、書き込み要求コマンドを非接触ICメディア500に送信する(ステップS811)。書き込み要求コマンドには、入力された決済金額と決済後の残高金額が含まれる。
非接触ICメディア500は、受信した残高金額と決済金額をICチップに書き込むと、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触リーダライタ400に送信する(ステップS812)。非接触リーダライタ400は、その書き込み完了コマンドレスポンスを決済制御部300に出力する(ステップS813)。
【0009】
書き込み完了コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部300は、非接触ICメディア500のICチップに書き込まれた結果を確認するために、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS814)。カード情報取得要求コマンドが入力されると、非接触リーダライタ400は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア500に送信する(ステップS815)。非接触ICメディア500は、カード情報取得要求コマンドを受信すると、カード情報を送信する(ステップS816)。非接触ICメディア500からカード情報を受信すると、非接触リーダライタ400は、そのカード情報を決済制御部300に出力する(ステップS817)。カード情報が入力されると、決済制御部300は、結果の比較を行う(ステップS818)。具体的には、決済制御部300は、入力された残高金額と上記ステップS810で算出した残高金額が等しいか否かの判定を行う。等しい場合には、正常に処理が完了したと判定し、決済処理を完了する(ステップS819)。
【0010】
図13は、決済処理中にタイムアウトした際の復旧処理を示すシーケンス図である。図10のシーケンスと同じ処理には同じ符号としている。これら同じ処理については説明を省略する。
上記ステップS810及びS811において、非接触リーダライタ400から書き込み要求コマンドを送信した後に、非接触ICメディア500が非接触リーダライタ400からはずされるなどして、非接触ICメディア500から非接触リーダライタ400に書き込み完了コマンドレスポンスが通知されない場合には、決済制御部300は、レスポンスタイムアウトと判定する(ステップS901)。
【0011】
レスポンスタイムアウトと判定すると、決済制御部300は、再かざし要求処理を行う。つまり、決済制御部300は、再びカード検知要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS902)。カード検知要求コマンドが入力されると、非接触リーダライタ400は、カード検知要求コマンドを非接触ICメディア500へ送信してカードの検知を開始する(ステップS903)。
【0012】
非接触ICメディア500が非接触リーダライタ400に再びかざされ、非接触ICメディア500から非接触リーダライタ400にカード検知コマンドレスポンスが送信されると(ステップS904)、非接触リーダライタ400は、そのカード検知コマンドレスポンスを決済制御部300へ出力する(ステップS905)。カード検知コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部300は、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ400へ出力する(ステップS906)。これは、非接触ICメディア500に残高金額が正常に書き込まれたか否かを判定するためである。非接触リーダライタ400は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア500へ送信する(ステップS907)。
【0013】
カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触ICメディア500は、カード情報を非接触リーダライタ400に送信する(ステップS908)。非接触リーダライタ400は、そのカード情報を決済制御部300に出力する(ステップS909)。
【0014】
カード情報が入力されると、決済制御部300は、入力された残高金額を基に継続処理判断を行う(ステップS910)。具体的には、取得した残高金額と上記ステップS809で算出した残高金額が等しいか否かを判定する。等しい場合には、決済処理を完了する。
残高金額が等しくない場合には、処理を継続すると判断し、決済制御部300は、上記ステップS810送信した演算結果書き込み要求コマンドを非接触リーダライタ400に再び出力する(ステップS911)。
【0015】
演算結果書き込み要求コマンドが入力されると、非接触リーダライタ400は、書き込み要求コマンドを非接触ICメディア500に送信する(ステップS912)。非接触ICメディア500は、受信した残高金額を内部のICチップに書き込み、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触リーダライタ400に送信する(ステップS913)。非接触リーダライタ400は、その書き込み完了コマンドレスポンスを決済制御部300に出力する(ステップS914)。
【0016】
書き込み完了コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部300は、非接触ICメディア500のICチップに書き込まれた結果を確認するために、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ400に出力する(ステップS915)。カード情報取得要求コマンドが入力されると、非接触リーダライタ400は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア500に送信する(ステップS916)。カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触ICメディア500はカード情報を非接触リーダライタ400に送信する(ステップS917)。非接触ICメディア500からカード情報を取得すると、非接触リーダライタ400は、そのカード情報を決済制御部300に出力する(ステップS918)。カード情報が入力されると、決済制御部300は、結果比較を行う(ステップS919)。具体的には、決済制御部300は、入力されたカード情報に含まれる残高金額と上記ステップS809で算出した残高金額が等しいか否かの判定を行う。等しい場合には、正常に処理が完了したと判定し、決済処理を完了する(ステップS920)。
【0017】
この様にして、決済装置200は、決済処理中に非接触ICメディア500が非接触リーダライタ400からはずされるなどして、決済処理が中断した場合に、決済処理の復旧を行う。
【特許文献1】特開2007−157177号公報
【特許文献2】特開2007−241488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、飲食店等では、決済処理を客席にて行いたいという要望があり、携帯型の非接触リーダライタの需要が高まっているが、特許文献1に記載された据え置きの非接触リーダライタは、POS(Point Of Sales)レジスタやCAT(Credit Authorization Terminal)などの上位装置に接続され、金額データや決済条件、集計データ等をそれら上位装置とやり取りして動作するため、レジ台等に据え置きしなければならない、という問題がある。
また、特許文献2に記載された携帯型の非接触リーダライタでは、据え置きの非接触リーダライタと同等の金額処理機能及び上位装置と通信するための無線通信機能が必要となり、高価になってしまう、という問題がある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、金額処理機能や上位装置との通信機能が不要となり、非接触リーダライタと非接触ICメディア間の通信を中継する簡易で安価な携帯型の非接触IC対応処理装置及び非接触IC対応処理装置を用いた決済処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、非接触リーダライタを有する決済装置とメディア情報を保持する非接触ICメディアによって決済処理が行われる決済システムであって、非接触IC対応処理装置を備え、前記非接触IC対応処理装置は、前記非接触リーダライタと非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、前記非接触ICメディアと非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、前記決済装置から受信したメディア情報取得要求に応じて仮のメディア情報を応答し、前記決済装置から受信した決済情報を一時蓄積し、前記非接触ICメディアから受信したメディア情報と前記決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新し、該更新後のメディア情報を一時蓄積し、前記更新後のメディア情報を前記決済装置に送信する制御手段と、を有し、前記決済装置は、前記非接触IC対応処理装置から受信した仮のメディア情報を用いて決済情報を生成することを特徴とする決済システムである。
【0020】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記第1の送受信手段と前記第2の送受信手段は、1つの非接触通信インタフェースによって構成されていることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記決済装置は、書き込み要求を送信し、その応答がない場合には、処理状態を維持したまま決済処理を一時中断し、前記制御手段は、非接触ICメディアと通信する前に前記決済装置から受信した第1の書き込み要求に応答を返さず、非接触ICメディアと通信した後に前記決済装置から受信した第2の書き込み要求に応答を返すことを特徴とする。
【0022】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記制御手段は、非接触リーダライタと通信を行うメディア状態と、非接触ICメディアと通信を行うリーダライタ状態を切り替えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記制御手段は、ユーザの操作に応じて状態を切り替えることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の一態様は、上記の決済システムにおいて、前記決済装置は、決済処理中断後に再開する場合、再開前に受信したメディア情報の識別番号と再開後に受信したメディア情報の識別番号が一致するか否かを判断し、一致する場合にのみ決済処理を再開し、前記制御手段は、前記決済装置に決済処理を再開させる際に、決済処理中断前に送信した仮のメディア情報を再度送信することを特徴とする。
【0025】
また、本発明の一態様は、非接触リーダライタを有する決済装置とメディア情報を保持する非接触ICメディアによって決済処理が行われる決済システムに適用可能な非接触IC対応処理装置であって、前記非接触リーダライタと非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、前記非接触ICメディアと非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、前記決済装置から受信したメディア情報取得要求に対して仮のメディア情報を応答し、前記決済装置から受信した決済情報を一時蓄積し、前記非接触ICメディアから受信したメディア情報と前記決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新し、該更新後のメディア情報を一時蓄積し、前記更新後のメディア情報を前記決済装置に送信する制御手段と、を有することを特徴とする非接触IC対応処理装置である。
【0026】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記第1の送受信手段と前記第2の送受信手段は、1つの非接触通信インタフェースによって構成されていることを特徴とする。
【0027】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記制御手段は、非接触ICメディアと通信する前に前記決済装置から受信した第1の書き込み要求に応答を返さず、非接触ICメディアと通信した後に前記決済装置から受信した第2の書き込み要求に応答を返すことを特徴とする。
【0028】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記制御手段は、非接触リーダライタと通信を行うメディア状態と、非接触ICメディアと通信を行うリーダライタ状態を切り替えることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記制御手段は、ユーザの操作に応じて状態を切り替えることを特徴とする。
【0030】
また、本発明の一態様は、上記の非接触IC対応処理装置において、前記決済装置に決済処理を再開させる際に、決済処理中断前に送信した仮のメディア情報を再度送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、非接触IC対応処理装置は、決済装置から決済情報を取得し、その決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新することにより、非接触ICメディアとの決済処理を完了させる。また、非接触IC対応処理装置は、非接触ICメディアからメディア情報を取得し、そのメディア情報を決済装置に送信することにより、決済装置の決済処理を完了させるので、非接触リーダライタと非接触ICメディア間の決済処理を中継することができる。また、複雑な金額処理機能や上位装置との通信機能が不要となる。これにより、簡易で安価な携帯型の非接触IC対応処理装置及び非接触IC対応処理装置を用いた決済システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は本発明の実施形態による決済システムの構成を示すブロック図である。決済システムは、決済装置2と非接触ICメディア5間の決済処理を中継する非接触IC対応処理装置1と、決済処理を行う決済装置2と、非接触ICメディア5と、を含んで構成される。
【0033】
非接触ICメディア5は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を有するICチップを有し、非接触による無線通信が可能な非接触ICカードである。また、非接触ICメディア5はメディア情報を記憶している。本実施形態例では、メディア情報をカード情報とする。カード情報には、固有の識別情報であるカードIDと、電子マネーの残高情報とが含まれる。
【0034】
なお、本実施形態では、非接触ICメディア5をICカードであることとするが、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、その他の通信専用端末等の非接触ICチップを有する非接触ICメディアであれば良く、ICカードである必要はない。また、メディア情報は、カード情報、携帯電話情報、PDA情報、その他の通信専用端末等の非接触ICチップを有する非接触ICメディアの情報であれば良い。
【0035】
図2は、本実施形態による非接触IC対応処理装置1の構成を示すブロック図である。
本実施形態における非接触IC対応処理装置1は、プリペイド式の電子マネーの決済処理を行う装置である。非接触IC対応処理装置1は、表示部11と、光MMI部12と、音MMI部13と、決済装置2及び非接触ICメディア5と無線通信を行うアンテナ部14と、非接触IC対応処理装置1を操作する操作部15と、アンテナ部14を介して情報を送信する無線送信部16と、アンテナ部14を介して情報を受信する無線受信部17と、非接触IC対応処理装置1を統括して制御する制御部18(つまり、制御手段)と、決済情報を記憶する記憶部19と、各部へ電源を供給するバッテリーなどから構成される電源部20と、を含んで構成される。
【0036】
ここで以下の説明において、非接触IC対応処理装置1が、非接触リーダライタ4との間で非接触でデータを送受信する処理動作が第1の送受信手段であり、非接触ICメディア5との間で非接触でデータを送受信する処理動作が第2の送受信手段である。
【0037】
表示部11は、決済金額や非接触IC対応処理装置1の状態を表示する。光MMI部12は、ユーザに操作を促すために、光を発光する。或いは、光MMI部12は、ユーザに非接触処理状態を通知するために、非接触処理状態をわかりやすく光を発光させて表示する。音MMI部13は、ユーザに処理の説明するために、音声を出力する。或いは、音MMI部13は、ユーザに非接触処理状態を通知するために、非接触処理状態をわかりやすく音声を出力して表現する。
【0038】
ここで、非接触IC対応処理装置1が持つ通信インタフェースは非接触通信インタフェース(アンテナ部14、無線送信部16、無線受信部17)のみでよく、また、非接触IC対応処理装置1は決済結果のログを集配する機能が不要となる。このため、非接触IC対応処理装置1は簡易な構成となる。なお、記憶部19に記憶された情報は、非接触通信インタフェースを介してのみ取得可能である。
【0039】
図3は、本実施形態における非接触IC対応処理装置1、決済装置2及び非接触ICメディア5間の処理を示すシーケンス図である。
決済装置2は、決済処理の制御を行う決済制御部3と、非接触IC対応処理装置1と通信を行う非接触リーダライタ4と、を含んで構成される。決済装置2は、決済処理中にレスポンスタイムアウトが起こると、決済処理の復旧処理を行う。具体的には、決済装置2は、非接触ICメディア5が書き込み要求コマンドを受信してからはずされたのか、受信する前にはずされたのかを判定し、受信する前にはずされた場合には、再度書き込み要求コマンドを送信して決済処理を完了させる。本発明の非接触IC対応処理装置1は、この復旧処理を利用して、決済装置2と非接触ICメディア間の通信内容を一旦バッファリングする装置である。
【0040】
決済装置2は、決済処理を開始すると、非接触IC対応処理装置1の検知を開始する。非接触IC対応処理装置1が、非接触リーダライタ4にかざされると、決済装置2は、非接触IC対応処理装置1を検知し、以下の処理を行う。なお、決済装置2には、あらかじめ決済金額が入力されている。
【0041】
決済制御部3は、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ4へ出力する(ステップS1)。非接触リーダライタ4は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1へ送信する(ステップS2)。
【0042】
カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触IC対応処理装置1は、仮情報(つまり、仮のカード情報)を非接触リーダライタ4へ送信する(ステップS3)。ここで送信する仮情報には、非接触IC対応処理装置1を一意に特定する識別番号と電子マネーの金額枠上限値などが含まれる。非接触リーダライタ4は、その仮情報を決済制御部3へ出力する(ステップS4)。
【0043】
決済制御部3は、仮情報が入力されると、演算を開始する(ステップS5)。具体的には、仮情報に含まれる金額枠上限値から決済金額を減算して、決済後の残高金額を算出する。次に、決済制御部3は、演算結果書き込み要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力する(ステップS6)。演算結果書き込み要求コマンドには、決済金額(つまり、決済情報)と算出した決済後の残高金額が含まれる。演算結果書き込み要求コマンドを受信すると、非接触リーダライタ4は、書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS7)。書き込み要求コマンドには、入力された決済金額と決済後の残高金額が含まれる。
【0044】
ここで、非接触IC対応処理装置1は、書き込み要求コマンドを受信しても書き込み完了コマンドレスポンスを返さない。このため、決済制御部3は、レスポンスタイムアウトと判定し(ステップS8)、再かざし要求処理を行う。つまり、決済制御部3は、カード検知要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力し(ステップS9)、非接触リーダライタ4は、カードが検知されるまで、カード検知要求コマンドを送信し続ける(ステップS10)。
【0045】
一方、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4からはずされる。次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5がかざされ、非接触ICメディア5と通信を行う。
非接触IC対応処理装置1は、まず、カード検知要求コマンドを非接触ICメディア5へ送信してカードの検知を開始する(ステップS11)。
【0046】
非接触ICメディア5が非接触IC対応処理装置1にかざされ、非接触ICメディア5からカード検知コマンドレスポンスが通知されると(ステップS12)、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5へ送信する(ステップS13)。
【0047】
カード情報取得要求コマンドを受信すると、非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS14)。カード情報には、固有の識別情報であるカードIDや決済可能な金額である残高金額等が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、その残高金額と、決済金額から決済後の残高金額を算出し、決済後の残高金額を含む書き込み要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS15)。非接触ICメディア5は、自身のICチップに受信した残高金額を書き込み、書き込みが終わると、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS16)。
【0048】
非接触IC対応処理装置1は、書き込み完了コマンドレスポンスを受信すると、非接触ICメディア5のICチップに書き込まれた結果を確認するために、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS17)。非接触ICメディア5は、カード情報取得要求コマンドを受けて、カード情報を非接触IC対応処理装置1へ送信する(ステップS18)。非接触IC対応処理装置1は、受信した残高金額が決済後の残高金額と等しいか否かを判定し、等しければ非接触ICメディア5との通信を終了する。
【0049】
次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5がはずされ、決済装置2にかざされる。この際、決済装置2は、再かざし要求処理中であり、非接触リーダライタ4がカード検知要求コマンドを送信している。
非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4からカード検知要求コマンドを受信すると、カード検知コマンドレスポンスを非接触リーダライタ4へ送信する(ステップS19)。非接触IC対応処理装置1からカード検知コマンドレスポンスを受信すると、非接触リーダライタ4は、決済制御部3にそのカード検知コマンドレスポンスを出力する(ステップS20)。カード検知コマンドがレスポンス入力されると、決済制御部3は、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力する(ステップS21)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触リーダライタ4は、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS22)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS3で送信した仮情報を非接触リーダライタ4に送信する(ステップS23)。非接触リーダライタ4はその仮情報を決済制御部3に出力する(ステップS24)。
【0050】
決済制御部3は、その仮情報を基に継続処理判断を行う(ステップS25)。ここで、決済制御部3は、上記ステップS4で受信した仮情報の識別番号とステップS24で受信した仮情報の識別番号が等しいか否かを判定し、等しい場合には処理を継続すると判断する。また、仮情報の残高金額と、受信した仮情報の残高金額が等しいため、書き込みに失敗したと判断する。このため、決済制御部3は、再度書き込み処理を行う。つまり、決済制御部3は、上記ステップS6で送信した演算結果書き込み要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力する(ステップS26)。演算結果書き込み要求コマンドを受信すると、非接触リーダライタ4は、書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS27)。書き込み要求コマンドを受信すると、非接触IC対応処理装置1は、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触リーダライタ4へ送信する(ステップS28)。非接触リーダライタ4は、その書き込み完了コマンドレスポンスを決済制御部3に出力する(ステップS29)。決済制御部3は、書き込み完了コマンドがレスポンス入力されると、カード情報取得要求コマンドを非接触リーダライタ4に出力する(ステップS30)。非接触リーダライタ4は、そのカード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS31)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS18で取得したカード情報を非接触リーダライタ4に送信する(ステップS32)。非接触リーダライタ4はそのカード情報を決済制御部3に出力する(ステップS33)。決済制御部3は、受信したカード情報を内部に保存して決済処理を完了する(ステップS34)。
【0051】
このようにして、非接触IC対応処理装置1は、決済装置2が上記ステップS8でレスポンスタイムアウトと判定した後の復旧処理を利用して、決済装置2と非接触ICメディア5間の通信内容をバッファリングする。また、非接触IC対応処理装置1は、決済装置2と非接触ICメディア間の通信内容を受け渡すだけなので、金額処理機能や通信機能が不要となり簡易で安価な装置になる。また、決済装置2及び非接触ICメディア5の処理は従来技術と同様なので、従来の決済装置2及び非接触ICメディア5を用いた決済システムをそのまま流用することができる。
【0052】
図4は、本実施形態の非接触IC対応処理装置1における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
非接触IC対応処理装置1は、電源をオンにすると、まずメディア状態になる。非接触IC対応処理装置1は、メディア状態の際には、非接触ICメディアとしてふるまい、非接触リーダライタ4と通信を行う。
【0053】
非接触IC対応処理装置1を非接触リーダライタ4にかざすと、非接触リーダライタ4からカード検知要求コマンドが無線通信にて非接触IC対応処理装置1へ送信される。非接触IC対応処理装置1は、カード検知要求コマンドを受信すると(ステップS101)、非接触リーダライタ4にカード検知コマンドレスポンスを送信する(ステップS102)。
【0054】
次に、非接触リーダライタ4からカード情報取得要求コマンドを受信すると(ステップS103)、非接触IC対応処理装置1は、仮情報を送信する(ステップS104)。ここで送信する仮情報には、非接触IC対応処理装置1を一意に特定する識別番号と電子マネーの金額枠上限値などが含まれる。
【0055】
また、非接触リーダライタ4から書き込み要求コマンドを受信すると(ステップS105)、受信した書き込み要求コマンドに含まれる決済金額を記憶部19に記憶する(ステップS106)。この際、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4に書き込み完了コマンドレスポンスは返さずにメディア状態を終了する(ステップS107)。
【0056】
次に、非接触IC対応処理装置1は、リーダライタ状態に変化する(ステップS108)。非接触IC対応処理装置1は、リーダライタ状態では、非接触リーダライタとしてふるまい、非接触ICメディア5と通信を行う。
【0057】
非接触IC対応処理装置1は、リーダライタ状態に変化すると、カード検知要求コマンドを送信する(ステップS109)。ここで、非接触IC対応処理装置1は、カード検知コマンドレスポンスを受信するまで、カード検知要求コマンドを送信し続ける(ステップS110)。非接触IC対応処理装置1に非接触ICメディア5がかざされ、カードの検知をすると、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS111)。ここで、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5からカード情報を受信するまで待ち状態となる(ステップS112)。非接触ICメディア5からカード情報を受信すると、非接触IC対応処理装置1は、取得した残高金額から決済金額を減算して決済後の残高金額を算出する(ステップS113)。
【0058】
非接触IC対応処理装置1は、算出した決済後の残高金額を含む書き込み要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS114)。次に、書き込み完了コマンドレスポンスを受信すると(ステップS115)、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5のICチップに書き込まれた結果を確認するために、カード情報取得要求コマンドを送信する(ステップS116)。ここで、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5からカード情報を受信するまで待ち状態となる(ステップS117)。
非接触ICメディア5からカード情報を取得すると、非接触IC対応処理装置1は、取得した情報から書込みの整合性を確認し、リーダライタ状態を終了する(ステップS118)。書き込みの整合性の確認では、上記ステップS113で算出した残高金額と受信した残高金額を比較し、等しければ正常に処理が終了したと判定する。
【0059】
次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4と通信を行うメディア状態に変化する(ステップS119)。非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4にかざされ、非接触リーダライタ4より無線通信にてカード検知要求コマンドを受信すると(ステップS120)、カード検知コマンドレスポンスを非接触リーダライタ4に送信する(ステップS121)。次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4からカード情報取得要求コマンドを受信すると(ステップS122)、仮情報を送信する(ステップS123)。ここで送信する仮情報は、上記ステップS104で送信した仮情報と同じものである。これにより、決済装置2に決済処理を再開させる。
【0060】
次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触リーダライタ4から書き込み要求コマンドを受信すると、(ステップS124)、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触リーダライタ4に送信する(ステップS125)。また、カード情報取得要求コマンドを受信すると(ステップS126)、非接触IC対応処理装置1は、カード情報を送信する(ステップS127)。ここで送信するカード情報は、上記ステップS117で非接触ICメディア5から受信したカード情報である。カード情報を送信すると、非接触IC対応処理装置1は、処理を終了する。
【0061】
なお、上では、自動的に非接触IC対応処理装置1の状態が変化したが、操作者が操作部15に備えるスイッチで状態を変化させてもよい。あるいは、非接触IC対応処理装置1が通信相手によって状態を変化させてもよい。つまり、非接触IC対応処理装置1は、通信相手が非接触リーダライタ4だった場合には、メディア状態に変化し、通信先が非接触ICメディア5だった場合には、リーダライタ状態に変化する。
【0062】
また、上では通信処理の動作のみ説明したが、それぞれの動作に対して表示部11、光MMI部12及び音MMI部13において非接触IC対応処理装置1の状態を操作者に通知する処理を行ってもよい。例えば、上記ステップS105、S118において、決済金額を表示部11に表示してもよい。また、非接触IC対応処理装置1の状態が変化した際に表示部11にその状態を表示してもよい。また、上記ステップS109においてカード検知要求コマンドを送信している際に、光MMI部12を発光させてもよい。あるいは、決済処理が終了すると音MMI部13にて特定の音声を出力してもよい。
【0063】
図5から図7はプリペイド式の電子マネーの決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
図5は非接触IC対応処理装置1と決済装置2間の処理を示すシーケンス図である。非接触ICメディア5の使用者である顧客は、飲食店などでの決済時に客席で店員に非接触ICメディア5で支払う旨を伝える。決済処理を行う際、店員は、決済装置2に決済金額を入力し、非接触IC対応処理装置1を決済装置2の非接触リーダライタ4にかざす。
【0064】
非接触IC対応処理装置1を検知した決済装置2は、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS201)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、仮情報を送信する(ステップS202)。ここで送信する仮情報には、非接触IC対応処理装置1を一意に特定する識別番号と電子マネーの金額枠上限値などが含まれる。次に、決済装置2は、書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS203)。書き込み要求コマンドには、決済金額と決済後の残高金額が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、受信した決済金額を記憶部19に記憶する。また、この際、非接触IC対応処理装置1は、書き込み完了コマンドレスポンスを決済装置2に送信しない(ステップS204)。
この時、決済装置2は、処理未了状態であり、再かざし要求処理を行う。また、非接触IC対応処理装置1は、メディア状態を終了してリーダライタ状態に変化する。
【0065】
図6は非接触IC対応処理装置1と非接触ICメディア5間の処理を示すシーケンス図である。店員は、図5に示す処理が終了すると、非接触IC対応処理装置1を持って客席に移動し、顧客に依頼して非接触ICメディア5を非接触IC対応処理装置1にかざしてもらう。
カードを検知すると、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS205)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS206)。カード情報には、カードIDや決済可能な金額である残高金額等が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、受信した残高金額から決済金額を減算して決済後の残高金額を算出し、その決済後の残高金額と決済金額を含む書き込み要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS207)。非接触ICメディア5は、決済後の残高金額と決済金額をICチップに書き込むと、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS208)。次に、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS209)。非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS210)。非接触IC対応処理装置1は、受信した残高金額が算出した残高金額と等しいか否かを判定し、等しければ、リーダライタ状態を終了してメディア状態に変化する。
【0066】
図7は非接触IC対応処理装置1と決済装置2間の処理を示すシーケンス図である。店員は、図6に示す処理が終了した後、非接触IC対応処理装置1を決済装置2にかざす。この時、決済装置2は、再かざし要求処理中の状態である。
【0067】
決済装置2は、非接触IC対応処理装置1をカード検知すると、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS211)。非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを受信すると、仮情報を送信する(ステップS212)。ここで送信する仮情報は上記ステップS202で送信した仮情報と同じ情報である。
【0068】
決済装置2は、上記ステップS202で受信した仮情報の残高金額と、受信した仮情報の残高金額が等しいため、書き込みに失敗したと判断する。このため、決済装置2は、再度書き込み処理を行う。つまり、決済装置2は、上記ステップS203で送信した書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS213)。書き込み要求コマンドを受信すると、非接触IC対応処理装置1は、書き込み完了コマンドレスポンスを決済装置2に送信する(ステップS214)。次に、書き込んだ内容を確認するために、決済装置2は、カード情報取得要求コマンドを送信する(ステップS215)。非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS206で受信したカードIDと算出した残高金額を送信する(ステップS216)。決済装置2は、受信したカードIDと残高金額を内部に保存して、決済処理を完了する。
【0069】
このように、本実施形態によれば、非接触IC対応処理装置1は、決済装置2の復旧処理を利用して、決済装置2と非接触ICメディア5間の決済内容を一旦バッファリングするため、決済装置2と非接触ICメディア間の通信を中継することができる。また、非接触IC対応処理装置1には、金額処理機能や上位装置との通信機能が不要となる。これにより、簡易で安価な携帯型の非接触IC対応処理装置1を提供することができ、飲食店などの客席での決済を容易にすることができる。
【0070】
次に、本発明の第2の実施形態による非接触IC対応処理装置1について説明する。
本実施形態における非接触IC対応処理装置1は、ポストペイド式(料金後払い)の電子マネーの決済処理を行う装置である。非接触IC対応処理装置1の構成は第1の実施形態と同様なので説明を省略する。
【0071】
図8から図10はポストペイド式の電子マネーの決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
図8は非接触IC対応処理装置1と決済装置2間の処理を示すシーケンス図である。非接触ICメディア5の使用者である顧客は、飲食店などでの決済時に客席で店員に非接触ICメディア5で支払う旨を伝える。決済処理を行う際、店員は、決済装置2に決済金額を入力し、非接触IC対応処理装置1を決済装置2の非接触リーダライタ4にかざす。
【0072】
非接触IC対応処理装置1を検知した決済装置2は、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS301)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、仮情報(つまり、仮のカード情報)を送信する(ステップS302)。ここで送信する仮情報には、非接触IC対応処理装置1を一意に特定する識別番号が含まれる。次に、決済装置2は、履歴書込要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS303)。ここで、履歴書込要求コマンドには、決済金額(つまり、決済情報)等が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、履歴書込要求コマンドを受信しても書き込み完了コマンドレスポンスを決済装置2に送信しない(ステップS304)。
この時、決済装置2は、処理未了状態であり、再かざし要求処理を行う。また、非接触IC対応処理装置1は、メディア状態を終了してリーダライタ状態に変化する。
【0073】
図9は非接触IC対応処理装置1と非接触ICメディア5間の処理を示すシーケンス図である。店員は、図8に示す処理が終了すると、非接触IC対応処理装置1を持って客席に移動し、顧客に依頼して非接触ICメディア5を非接触IC対応処理装置1にかざしてもらう。
カードを検知すると、非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS305)。カード情報取得要求コマンドを受信した非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS306)。カード情報には、カード番号、有効期限などが含まれる。次に、非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS303で取得した履歴書込要求を非接触ICメディア5に送信する(ステップS307)。非接触ICメディア5は、受信した情報をICチップの決済履歴に書き込むと、書き込み完了コマンドレスポンスを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS308)。次に、非接触IC対応処理装置1は、非接触ICメディア5のICチップに書き込まれた結果を確認するため、カード情報取得要求コマンドを非接触ICメディア5に送信する(ステップS309)。非接触ICメディア5は、カード情報を非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS310)。ここで送信されるカード情報には、カード番号、有効期限に加えてICチップに記憶している決済履歴が含まれる。非接触IC対応処理装置1は、受信した決済履歴に上記ステップS303で取得した情報が含まれるか否かを判定し、含まれれば、リーダライタ状態を終了してメディア状態に変化する。
【0074】
図10は非接触IC対応処理装置1と決済装置2間の処理を示すシーケンス図である。店員は、図9に示す処理が終了した後、非接触IC対応処理装置1を決済装置2にかざす。この時、決済装置2は、再かざし要求処理中の状態である。
【0075】
決済装置2は、非接触IC対応処理装置1をカード検知すると、カード情報取得要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS311)。非接触IC対応処理装置1は、カード情報取得要求コマンドを受信すると、仮情報を送信する(ステップS312)。ここで送信する仮情報は上記ステップS302で送信した仮情報と同じ情報である。
【0076】
決済装置2は、受信した仮情報に上記ステップS303で送信した情報が含まれないため、書き込みに失敗したと判定する。このため、決済装置2は、再度書き込み処理を行う。つまり、決済装置2は、上記ステップS303で送信した書き込み要求コマンドを非接触IC対応処理装置1に送信する(ステップS313)。書き込み要求コマンドを受信すると、非接触IC対応処理装置1は、書込応答コマンドレスポンスを決済装置2に送信する(ステップS314)。書込応答コマンドレスポンスには、ステップS310で取得したカード情報が含まれる。決済装置2は、受信したカード情報を内部に保存して決済処理を完了する。
【0077】
このように、本実施形態によれば、簡易で安易な携帯型の非接触IC対応処理装置1を用いてポストペイド式の電子マネーの決済処理を飲食店などの客席にて行うことができる。
【0078】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0079】
例えば、本実施形態においては、上記ステップS23で非接触IC対応処理装置1は、仮情報を送信しているが、非接触ICメディア5から受信したカード情報を決済装置2に送信するようにしてもよい。その際、決済制御部3は継続処理判断を行わないようにする必要がある。
図11は、カード情報を送信した際の非接触IC対応処理装置1、決済装置2及び非接触ICメディア5間の処理を示すシーケンス図である。図3のシーケンスと同じ処理には同じ符号としている。ステップS1からステップS22までは図3のシーケンスと同じ処理を行うため説明を省略する。
ステップS22でカード情報取得要求コマンドを受信した非接触IC対応処理装置1は、上記ステップS18で非接触ICメディアから受信したカード情報を非接触リーダライタ4へ送信する(ステップS50)。非接触リーダライタ4は、そのカード情報を決済制御部3へ出力する(ステップS51)。決済制御部3は、継続処理判断を行わずに、受信したカード情報を内部に保存して決済処理を完了する(ステップS52)。このようにして、決済処理を行ってもよい。
【0080】
また、本実施形態における非接触IC対応処理装置1は、表示部11、光MMI部12、音MMI部13及び操作部15を含み、操作性を向上させたが、必ずしも含む必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態による決済システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態における非接触IC対応処理装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における非接触IC対応処理装置、決済装置及び非接触ICメディア間の処理を示すシーケンス図である。
【図4】本実施形態の非接触IC対応処理装置における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
【図6】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
【図7】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
【図8】本発明の第2の実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である。
【図9】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である
【図10】本実施形態の決済処理の一連の流れを示すシーケンス図である
【図11】非接触IC対応処理装置、決済装置及び非接触ICメディア間の処理を示すシーケンス図である。
【図12】従来技術における非接触リーダライタと非接触ICメディア間の処理を示すシーケンス図である
【図13】従来技術における決済処理中にタイムアウトした際の復旧処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0082】
1…非接触IC対応処理装置 2,200…決済装置 3,300…決済制御部 4,400…非接触リーダライタ 5,500…非接触ICメディア 11…表示部 12…光MMI部 13…音MMI部 14…アンテナ部 15…操作部 16…無線送信部 17…無線受信部 18…制御部 19…記憶部 20…電源部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触リーダライタを有する決済装置とメディア情報を保持する非接触ICメディアによって決済処理が行われる決済システムであって、
非接触IC対応処理装置を備え、
前記非接触IC対応処理装置は、
前記非接触リーダライタと非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、
前記非接触ICメディアと非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、
前記決済装置から受信したメディア情報取得要求に応じて仮のメディア情報を応答し、
前記決済装置から受信した決済情報を一時蓄積し、
前記非接触ICメディアから受信したメディア情報と前記決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新し、
該更新後のメディア情報を一時蓄積し、
前記更新後のメディア情報を前記決済装置に送信する制御手段と、
を有し、
前記決済装置は、前記非接触IC対応処理装置から受信した仮のメディア情報を用いて決済情報を生成する
ことを特徴とする決済システム。
【請求項2】
前記第1の送受信手段と前記第2の送受信手段は、1つの非接触通信インタフェースによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記決済装置は、書き込み要求を送信し、その応答がない場合には、処理状態を維持したまま決済処理を一時中断し、
前記制御手段は、非接触ICメディアのメディア情報を更新する前に前記決済装置から受信した第1の書き込み要求に応答を返さず、非接触ICメディアのメディア情報を更新した後に前記決済装置から受信した第2の書き込み要求に応答を返すことを特徴とする請求項1または2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記制御手段は、非接触リーダライタと通信を行うメディア状態と、非接触ICメディアと通信を行うリーダライタ状態を切り替えることを特徴とする請求項1から3いずれか1の項に記載の決済システム。
【請求項5】
前記制御手段は、ユーザの操作に応じて状態を切り替えることを特徴とする請求項4に記載の決済システム。
【請求項6】
前記決済装置は、決済処理中断後に再開する場合、再開前に受信したメディア情報の識別番号と再開後に受信したメディア情報の識別番号が一致するか否かを判断し、一致する場合にのみ決済処理を再開し、
前記制御手段は、前記決済装置に決済処理を再開させる際に、決済処理中断前に送信した仮のメディア情報を再度送信する
ことを特徴とする請求項1から5いずれか1の項に記載の決済システム。
【請求項7】
非接触リーダライタを有する決済装置とメディア情報を保持する非接触ICメディアによって決済処理が行われる決済システムに適用可能な非接触IC対応処理装置であって、
前記非接触リーダライタと非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、
前記非接触ICメディアと非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、
前記決済装置から受信したメディア情報取得要求に対して仮のメディア情報を応答し、
前記決済装置から受信した決済情報を一時蓄積し、
前記非接触ICメディアから受信したメディア情報と前記決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新し、
該更新後のメディア情報を一時蓄積し、
前記更新後のメディア情報を前記決済装置に送信する制御手段と、
を有することを特徴とする非接触IC対応処理装置。
【請求項8】
前記第1の送受信手段と前記第2の送受信手段は、1つの非接触通信インタフェースによって構成されていることを特徴とする請求項7に記載の非接触IC対応処理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、非接触ICメディアのメディア情報を更新する前に前記決済装置から受信した第1の書き込み要求に応答を返さず、非接触ICメディアのメディア情報を更新した後に前記決済装置から受信した第2の書き込み要求に応答を返すことを特徴とする請求項7または8に記載の非接触IC対応処理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、非接触リーダライタと通信を行うメディア状態と、非接触ICメディアと通信を行うリーダライタ状態を切り替えることを特徴とする請求項7から9いずれか1の項に記載の非接触IC対応処理装置。
【請求項11】
前記制御手段は、ユーザの操作に応じて状態を切り替えることを特徴とする請求項10に記載の非接触IC対応処理装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記決済装置に決済処理を再開させる際に、決済処理中断前に送信した仮のメディア情報を再度送信することを特徴とする請求項7から11いずれか1の項に記載の非接触IC対応処理装置。
【請求項1】
非接触リーダライタを有する決済装置とメディア情報を保持する非接触ICメディアによって決済処理が行われる決済システムであって、
非接触IC対応処理装置を備え、
前記非接触IC対応処理装置は、
前記非接触リーダライタと非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、
前記非接触ICメディアと非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、
前記決済装置から受信したメディア情報取得要求に応じて仮のメディア情報を応答し、
前記決済装置から受信した決済情報を一時蓄積し、
前記非接触ICメディアから受信したメディア情報と前記決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新し、
該更新後のメディア情報を一時蓄積し、
前記更新後のメディア情報を前記決済装置に送信する制御手段と、
を有し、
前記決済装置は、前記非接触IC対応処理装置から受信した仮のメディア情報を用いて決済情報を生成する
ことを特徴とする決済システム。
【請求項2】
前記第1の送受信手段と前記第2の送受信手段は、1つの非接触通信インタフェースによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の決済システム。
【請求項3】
前記決済装置は、書き込み要求を送信し、その応答がない場合には、処理状態を維持したまま決済処理を一時中断し、
前記制御手段は、非接触ICメディアのメディア情報を更新する前に前記決済装置から受信した第1の書き込み要求に応答を返さず、非接触ICメディアのメディア情報を更新した後に前記決済装置から受信した第2の書き込み要求に応答を返すことを特徴とする請求項1または2に記載の決済システム。
【請求項4】
前記制御手段は、非接触リーダライタと通信を行うメディア状態と、非接触ICメディアと通信を行うリーダライタ状態を切り替えることを特徴とする請求項1から3いずれか1の項に記載の決済システム。
【請求項5】
前記制御手段は、ユーザの操作に応じて状態を切り替えることを特徴とする請求項4に記載の決済システム。
【請求項6】
前記決済装置は、決済処理中断後に再開する場合、再開前に受信したメディア情報の識別番号と再開後に受信したメディア情報の識別番号が一致するか否かを判断し、一致する場合にのみ決済処理を再開し、
前記制御手段は、前記決済装置に決済処理を再開させる際に、決済処理中断前に送信した仮のメディア情報を再度送信する
ことを特徴とする請求項1から5いずれか1の項に記載の決済システム。
【請求項7】
非接触リーダライタを有する決済装置とメディア情報を保持する非接触ICメディアによって決済処理が行われる決済システムに適用可能な非接触IC対応処理装置であって、
前記非接触リーダライタと非接触でデータを送受信する第1の送受信手段と、
前記非接触ICメディアと非接触でデータを送受信する第2の送受信手段と、
前記決済装置から受信したメディア情報取得要求に対して仮のメディア情報を応答し、
前記決済装置から受信した決済情報を一時蓄積し、
前記非接触ICメディアから受信したメディア情報と前記決済情報に基づいて非接触ICメディアのメディア情報を更新し、
該更新後のメディア情報を一時蓄積し、
前記更新後のメディア情報を前記決済装置に送信する制御手段と、
を有することを特徴とする非接触IC対応処理装置。
【請求項8】
前記第1の送受信手段と前記第2の送受信手段は、1つの非接触通信インタフェースによって構成されていることを特徴とする請求項7に記載の非接触IC対応処理装置。
【請求項9】
前記制御手段は、非接触ICメディアのメディア情報を更新する前に前記決済装置から受信した第1の書き込み要求に応答を返さず、非接触ICメディアのメディア情報を更新した後に前記決済装置から受信した第2の書き込み要求に応答を返すことを特徴とする請求項7または8に記載の非接触IC対応処理装置。
【請求項10】
前記制御手段は、非接触リーダライタと通信を行うメディア状態と、非接触ICメディアと通信を行うリーダライタ状態を切り替えることを特徴とする請求項7から9いずれか1の項に記載の非接触IC対応処理装置。
【請求項11】
前記制御手段は、ユーザの操作に応じて状態を切り替えることを特徴とする請求項10に記載の非接触IC対応処理装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記決済装置に決済処理を再開させる際に、決済処理中断前に送信した仮のメディア情報を再度送信することを特徴とする請求項7から11いずれか1の項に記載の非接触IC対応処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−187476(P2009−187476A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−29424(P2008−29424)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(304048735)エスアイアイ・データサービス株式会社 (126)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(304048735)エスアイアイ・データサービス株式会社 (126)
【Fターム(参考)】
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