説明

決済端末装置

【課題】決済端末装置に装備する各種コネクタの配置を工夫して装置の小形,コンパクト化を図る。
【解決手段】キーボード2,表示部3,およびプリンタ4(ロール紙印字装置)を搭載した箱形本体ケース1に電源および各種インターフェースに対応する外部接続コネクタ8〜13を備えた据置型の決済端末装置において、前記コネクタを二つのグループに分け、かつ各グループに属するコネクタをケース内部に形成したロール紙5の収納部の後部および前部側コーナースペースに振り分けて第1グループのコネクタ8〜11は本体ケースの背面に露出して横一列に一括配置し、第2グループのコネクタ12,13は本体ケースの底面側に配置する。さらに、本体ケースの底面にはケーブル配線溝1cを形成し、この溝内に第2グループのコネクタに接続したケーブルを這わせて本体ケースの背面側に引き出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗向きに好適な据置型の決済端末装置に関し、詳しくはその本体ケースに装備した外部接続コネクタの配置構造に係わる。
【背景技術】
【0002】
電子マネー等による電子決済システムの端末として頭記の決済端末装置が周知であり、店舗向けに適用する据置型の決済端末装置には、キーボード,表示部,決済内容の明細(レシート)を発行するロール紙印字装置(ラインサーマルプリンタ)を搭載した上で、その本体ケースには電源および各種インターフェースに対応する複数の外部接続コネクタ(ACアダプタ用,ICカードリード/ライタ用,上位センタ用,LANケーブル用,モジュラーケーブル用など)を装備しており、前記コネクタにケーブルを介して外部機器と接続するようにしている。
ここで、従来装置では、前記した複数のコネクタを本体ケースの背面側に露出して横並びに配備し、ここに相手側のケーブルを接続するようにした構成が一般的であるが、これとは別に本体ケースの内部に形成したプリンタ用ロール紙の収納部とケース背壁との間のスペースにコネクタを配置した構成も知られている(例えば、特許文献1参照)。また、単体のプリンタについて、その本体ケースの背面に配備のコネクタに接続したケーブルを本体ケースの底面側に設けたケーブル通路を通してケース前面側に引き出すようにしてユーザーの利便性を高めるようにした構成も公知である(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2001−334720号公報
【特許文献2】特開平11−291582号公報(図1〜図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記のようにコネクタを全て本体ケースの背面側に横配列すると、そのコネクタの数,配置によって本体ケースの外形寸法(横幅)が決定され、コネクタの数が多くなると決済端末装置が大形化する問題がある。
なお、前記の特許文献2に開示されている配線構造は、プリンタをパソコンなどの後方に置いて使用する場合には利便性が得られるが、決済端末装置のようにそれ自身にプリンタを内蔵しているものではケーブル配線に格別な利便性も得られず、また本体ケースの底面側にケーブルコネクタを格納する空間を形成するために本体ケースが背高となる。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、決済端末装置に装備するコネクタの配置を工夫して装置の小形,コンパクト化が図れるように改良した決済端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明によれば、キーボード,表示部,およびロール紙印字装置を搭載した箱形本体ケースに電源および各種インターフェースに対応する複数の外部接続コネクタを備えた据置型の決済端末装置において、
前記の外部接続コネクタを例えばユーザーの抜き差し頻度,機能別に二つのグループに分けた上で、その第1グループに属するコネクタを本体ケースの背面に露出して横一列に集中配備し、第2グループに属するコネクタを本体ケースの底面側に配備するものとし(請求項1)、具体的には次記のような態様で構成する。
(1)前記第1グループ,第2グループのコネクタを、ロール紙の外形に合わせて本体ケースの内部に形成した凹状のロール紙収納部に対しその後部および前部側のコーナースペースに振り分けて配置する(請求項2)。
(2)本体ケースの底面に、前記第2グループのコネクタに接続したケーブルを這わせて本体ケースの背面側に導くケーブル配線溝を形成する(請求項3)。
【発明の効果】
【0005】
上記のように決済端末装置に付属する各種コネクタをグループ分けした上で、その第1グループに属するコネクタを本体ケースの背面に、残る第2グループに属するコネクタを本体ケースの底面側に振り分けて配備することにより、ケース背面に配列するコネクタの数を減らして本体ケースの小形化が図れる。
しかも、内蔵する印字用ロール紙の外形に合わせて箱形の本体ケース内部に形成した凹状のロール紙収納部の前後コーナーにはデッドスペースが残るので、このスペースを利用してここに第1,第2グループのコネクタを配置することにより省スペース化が図れる。さらに、本体ケースの底面にケーブル配線溝を形成することで、該配線溝内に這わせて第2グループのコネクタに接続したケーブルをケースの背面側に引き出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図1および図2に示す実施例に基づいて説明する。
まず、図1(a)〜(d)において、1は下部ケース1−1とカバー1−2からなる本箱形の本体ケース、2はカバー1−1の上面に配備したキーボード、3はキーボード2の背後に配置した表示部、4はプリンタ(ラインサーマルプリンタ)、5はプリンタ4に給紙するロール紙、6,7はプリント基板、8〜13は電源および各種インターフェースに対応する外部接続コネクタである。
ここで、前記コネクタ8〜13のうち、コネクタ8〜11の4個のコネクタを第1グループとしてプリント基板6に取付け、本体ケース1の内部に形成した前記ロール紙5の凹状収納部の後部側コーナースペースに配置した上で、各コネクタの端面が本体ケース1の背面下部に形成した凹所1aの内方に露出するよう横一列に並べて配置されている。また、残りのコネクタ12,13は第2グループとして、前記ロール紙収納部の前部側コーナースペースに配置したプリント基板7に取付けた上で、コネクタの端面が本体ケース1の底部側に形成した凹所1bの内方に露出するように横一列に配置されている。さらに本体ケース1の底面には前記凹所1bとケース背面との間を連ねてコネクタ12,13に対応する2条のケーブル配線溝(凹溝)1cが形成されている。
【0007】
そして、当該決済端末装置の実使用状態では、図2で示すように前記コネクタ8〜13にケーブルを接続して外部機器との間を配線する。すなわち、第1グループに属するコネクタ8は上位センタとの間でデータ通信を行うためのシリアルコネクタで、該コネクタにはケーブル(RS−232C)14が接続される。また、コネクタ9にはケーブル15を介して保守パソコン16に接続し、コネクタ10にはケーブル17を介して接客部(ICカードリード/ライタ)を接続する。さらに、コネクタ11は電源用コネクタであり、AC電源アダプタ19と電源コード20を介して電源に接続される。
一方、第2グループに属するコネクタ12,13にはLANケーブル21,モジュラーケーブル22を介して電子マネーの管理センタ,外設電話機,電話回線などに接続するようにしており、ここでコネクタ12,13に接続したLANケーブル21,モジュラーケーブル22は、本体ケース1の底面に形成した先記ケーブル配線溝1cの中を這わして本体ケース1の背面側に引き出すようにしている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例に係わる決済端末装置の構成およびコネクタの配置を表す図で、(a),(b),(c)はそれぞれ側面図,背面図,底面図、(d)は(c)の矢視A方向から見たコネクタの配置図
【図2】図1の決済端末装置に装備したコネクタに対応するケーブル接続図
【符号の説明】
【0009】
1 本体ケース
1c ケーブル配線溝
2 キーボード
3 表示部
4 プリンタ(ロール紙印字装置)
5 ロール紙
8〜13 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キーボード,表示部,およびロール紙印字装置を搭載した箱形本体ケースに電源および各種インターフェースに対応する複数の外部接続コネクタを備えた据置型の決済端末装置において、
前記の外部接続コネクタを二つのグループに分けた上で、その第1グループに属するコネクタを本体ケースの背面に露出させて一括配備し、第2グループに属するコネクタを本体ケースの底面側に配備したことを特徴とする決済端末装置。
【請求項2】
請求項1記載の決済端末装置において、前記第1グループ,第2グループのコネクタを、ロール紙の外形に合わせて本体ケースの内部に形成した凹状のロール紙収納部に対し、その後部および前部側のコーナースペースに振り分けて配置したことを特徴とする決済端末装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の決済端末装置において、本体ケースの底面に、第2グループのコネクタに接続したケーブルを這わせて本体ケースの背面側に導くケーブル配線溝を形成したことを特徴とする決済端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2007−94519(P2007−94519A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−280028(P2005−280028)
【出願日】平成17年9月27日(2005.9.27)
【出願人】(000237710)富士電機リテイルシステムズ株式会社 (1,851)
【Fターム(参考)】