沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体
【課題】本発明では、フィルタが捕捉したデブリを容易に炉外へ取り出すことが可能な沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、前記下部タイプレートが前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする。
【効果】本発明によれば、フィルタが捕捉したデブリを容易に炉外へ取り出すことが可能な沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体を提供することが可能となる。
【解決手段】本発明は、前記下部タイプレートが前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする。
【効果】本発明によれば、フィルタが捕捉したデブリを容易に炉外へ取り出すことが可能な沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体を提供することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
現状の沸騰水型原子炉(BWR)は、燃料棒を下部で支える下部タイプレートの水平板に、小さな縦穴を多数設けたデブリ捕捉フィルタが設置されている。しかし、デブリ捕捉フィルタがデブリを1度捕捉しても、流量の変化、または、流れの有無の変化が繰り返し起きて、最終的に、デブリがデブリ捕捉フィルタを通過し、燃料集合体内に流入する可能性がある。
【0003】
そこで、特許文献1には、デブリを燃料集合体内に流入させない方法が提案されている。
【0004】
特許文献1は、下部タイプレートがセットされる下部支持構造(燃料支持金具)の流入口に、2枚の目皿板状フィルタを並列に設置する発明を開示する(特許文献1の図14)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−232879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、下部支持構造の流入口に目皿板状フィルタを設けているため、燃料集合体の交換時に、目皿板状フィルタが捕捉したデブリを同時に炉外へ取り出すことができなかった。また、目皿板状フィルタが捕捉したデブリを炉外へ取り出す場合、下部支持構造も取り出す必要が生じ、作業が煩雑になるという課題があった。
【0007】
そこで、本発明では、フィルタが捕捉したデブリを容易に炉外へ取り出すことが可能な沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記燃料集合体が前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フィルタが捕捉したデブリを容易に炉外へ取り出すことが可能な沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】沸騰水型原子炉(BWR)の圧力容器内の概念図である。
【図2】下部支持構造の単体図である。
【図3】比較例における下部支持構造と燃料集合体下部構造の詳細図である。
【図4】比較例におけるデブリ捕捉フィルタの詳細構造図である。
【図5】比較例におけるデブリ捕捉フィルタの圧力損失と流量の関係である。
【図6】デブリ捕捉フィルタの構造図(実施例1)である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】図7のB部詳細図である。
【図9】図8の内管小孔配列図である。
【図10】デブリ捕捉フィルタの構造図(実施例2)である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】図11のD部詳細図である。
【図13】図12の内管小孔配列図である。
【図14】デブリ捕捉フィルタの構造図(実施例3)である。
【図15】図14のE−E断面図である。
【図16】図15のF部詳細図である。
【図17】図16の内管小孔配列図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は沸騰水型原子炉に係り、特に、燃料集合体内へのデブリ流入を防止し、フレッティングによる燃料棒破損を回避するに好適な燃料集合体に関する。
【実施例1】
【0012】
本実施例における沸騰水型原子炉及び燃料集合体を以下に説明する。
【0013】
沸騰水型原子炉(BWR)の圧力容器内の概念図を図1に、下部支持構造の単体を図2に示す。
【0014】
ここでは、まず、図1を用いてBWRの圧力容器内の概要を説明する。BWRの圧力容器1は、その内部にジェットポンプ2を備える。
【0015】
再循環ポンプ3は、圧力容器1に接続された吸込管4から冷却水7を吸引する。また、再循環ポンプ3は、圧力容器1の壁面とシュラウド壁5で仕切られたダウンカマ6内の冷却水7を、吐出管8からジェットポンプ2のノズル9に供給する。ジェットポンプ2は、ダウンカマ6内の冷却水7を巻き込みながら(流線aで示す)、ノズル9から冷却水を噴出することで、水量を増加させて下部プレナム10に冷却水を噴出(流線bで示す)する。下部プレナム10に流入した冷却水は、下部支持構造11のオリフィス12から入り、下部タイプレート13を経由して燃料集合体14内に流入する。この燃料集合体14は、スペーサ15で集合された複数の燃料棒16が収納されている。この燃料集合体14内を通過する冷却水は、燃料集合体14内で受熱して二相流となり上昇する。蒸気は気水分離器(図示せず)、ドライヤー(図示せず)を経由して、外部の蒸気タービン(図示せず)に導かれる。一方、気水分離器で分離された高温水は、ダウンカマ6上部に放出される。
【0016】
図2に示すように、下部支持構造11は4体の燃料集合体14を下側から支える部材である。この下部支持構造11は、下部タイプレート13が挿入される挿入口17が4対設けられ、オリフィス12もそれぞれの燃料集合体14に対応して設けられている。
【0017】
図6は、下部支持構造11と下部タイプレート13の詳細図を示す。本実施例では、下部タイプレート13が下部支持構造11に挿入された際に、その下部支持構造11に覆われる下部タイプレート13のノズル部外壁は円筒形状である。下部支持構造11に差し込まれる下部タイプレート13のノズル部は、下部支持構造の内部に長めに差し込まれ、下部支持構造11の流路内に突き出た状態となる。また、前記ノズル部の下側には挿入案内治具31が設けられている。そして、円筒形状のノズル部外壁は、外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、外管と内管に隙間が設けられている。また、外管及び内管にはデブリを捕捉する孔が設けられており、内外管の孔位置はずらして配置されている。
【0018】
図7に、図6のデブリ捕捉フィルタ23の水平断面(A−A断面)を示す。デブリ捕捉フィルタ23は二重壁構造であり、スリット溝24が設けられた外管25と多数の小孔26が設けられた内管27で構成されている。図8は図7のB部詳細図を、図9には内管27に設けた小孔26の配列を示す。デブリ捕捉フィルタ23の肉厚L0は、従来の下部タイプレートノズル部と同等か若干厚めとなる。二重壁構造の隙間L1は、1〜2mmと狭い隙間であり、ワイヤーブラシ片などのデブリ20が通り抜けできない寸法とする。また、燃料集合体を下部支持構造11に設置する際、下部支持構造11は、デブリ捕捉フィルタ23が設けられているノズルの付け根部分であるテーパ部28により燃料集合体の荷重を受けもっている。そのため、下部タイプレート13が下部支持構造11に挿入された際に、その下部支持構造11に覆われる下部タイプレート13のノズル部外壁は、さほど大きな強度が必要なく、デブリ捕捉フィルタ23として使用しても支障はない。
【0019】
次に、冷却水の流れに乗って、オリフィス12から流入するデブリ20の動きを説明する。
【0020】
オリフィス12から流入する冷却水(図6の流線Y)は、下部支持構造11の内部に流入した直後、流れが直角に曲げられて上昇し、下部タイプレート内に流入する。流れが直角に曲げられることで、比重の重いデブリ20は、遠心力の作用(矢印29)で下部支持構造11の内壁際まで移動し、上昇する。この現象は実験により確認した。デブリ20は上昇し、デブリ捕捉フィルタ23の外管25と下部支持構造11の隙間30に至る。そして、デブリ20は、デブリ捕捉フィルタ23を通過する流れ(流線X)に乗り、スリット溝24,小孔26に入り込み捕捉される。一度捕捉されたデブリ20は、スリット溝24,小孔26のエッジで押さえられており、下方へ落下しない。また、二重壁構造の隙間L1の下端は袋状になっており、デブリはこの隙間L1からも落下しない。このように、下部タイプレートが下部支持構造に挿入された際に、下部支持構造に覆われる下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、外管と内管に隙間が設けられ、内外管の孔位置をずらして配置することで、デブリは、デブリ捕捉フィルタを通過する冷却水の流力により二重壁に挟まれる。そのため、デブリが再度流れに乗り、燃料集合体内に流入することを予防できる。また、燃料集合体への流れが停止しても、捕捉されたデブリは流力により二重壁に挟まれ続ける。更に、二重壁の隙間下端は閉じられているため、デブリが落下することもない。従って、燃料交換時にデブリを炉外へ容易に取り出すことができる。また、燃料棒16で発生するフレッティングによる破損リスクを回避できる。
【0021】
このデブリ捕捉フィルタは下部タイプレートのノズルと兼用するため、厚肉で強固な構造であり、破損することはない。
【0022】
次に、下部タイプレート13のうち、燃料棒16の燃料部下部端栓18が差し込まれた上部平面に、デブリ捕捉フィルタ19を設けた場合の比較例を示す。
【0023】
図3は、下部支持構造11と燃料集合体14の下部構造の詳細を示している。デブリ20は、オリフィス12から流入する流体により運ばれ、下部タイプレート13に設けたデブリ捕捉フィルタ19により捕捉される。比較例のデブリ捕捉フィルタ19は、図4に示すように、燃料棒端栓が差し込まれる穴21の周辺に小孔22を開けた構造である。
【0024】
比較例のデブリ捕捉フィルタ19の場合、デブリが1度捕捉されても、流量、または、流れの有無が繰り返し変化することで、デブリがデブリ捕捉フィルタ19を通過し、燃料集合体内に流入する恐れがあった。これに対し、本実施例のデブリ捕捉フィルタ23は、二重壁構造を有するため、デブリを捕捉し、デブリが燃料集合体の内部に流入することを防ぐことができる。
【0025】
また、比較例のデブリ捕捉フィルタ19は、燃料棒端栓が差し込まれる穴21を除いた上部平面全体に設けられており、冷却水の主流路を塞ぐ形になる。そのため、デブリ捕捉フィルタ19における圧力損失が図5に示すように大きくなる。定格流量時、デブリ捕捉フィルタ19の有無で、数kPaの違いがある。一方、本実施例のデブリ捕捉フィルタ23は、下部タイプレートのノズル部外壁のみに設けられている。このデブリ捕捉フィルタは、主流路上ではなく、下部タイプレートのノズル部外壁に設けているため、圧力損失を増加させることもない。したがって、炉心流量に影響を及ぼさず、原子炉の性能維持に貢献できる。
【0026】
更に、下部支持構造11に覆われる下部タイプレート13のノズル部外壁は、鉛直下方向に伸びた円筒形状である。下部支持構造11に流入するデブリは金属であり、水に比較して比重が約8倍と大きい。そのため、冷却水が入口オリフィス12から入り、すぐに直角に曲げられることで遠心力が生じる。そして、デブリは下部支持流路の外側に運ばれ壁面側を上昇し、ノズル外側と下部支持構造の内壁面との隙間に運ばれ、ノズル部の外周に設けたデブリ捕捉フィルタを通り、ノズル内に流入しようとする。従って、冷却水の遠心力を利用してデブリを容易に捕捉できる。
【実施例2】
【0027】
図10は、実施例2における下部支持構造11と燃料集合体14の下部構造の詳細を示している。以下、本実施例と実施例1との相違点について説明する。本実施例では、下部タイプレート13のノズル部を形成する円筒の高さが、図10の向かって右側(入口オリフィス12側)に対して左側(入口オリフィス12の反対側)を高くしている点が相違する。そして、左側半分のノズル部に、実施例1と同様のデブリ捕捉フィルタ23を設置する。
【0028】
図11には、図10のC−C断面におけるデブリ捕捉フィルタ23の水平断面を示す。実施例1と同様に、デブリ捕捉フィルタ23は、二重壁構造でスリット溝24が設けてある外管25と多数の小孔26がある内管27で構成されている。図12には図11のD部詳細図を、図13には内管27に設けた小孔26の配列を示す。
【0029】
本実施例では、ノズル入口を傾斜させ、先端部50を鋭角にしている。この先端部50は、図6の挿入案内治具31の役割を果たす。そのため、挿入案内治具31は不要にできる。
【0030】
このように、下部タイプレートが下部支持構造に挿入された際に、下部支持構造に覆われる下部タイプレートのノズル部外壁は、入口オリフィス側のノズル部外壁高さが、反対側のノズル部外壁高さよりも短く形成され、反対側のノズル部外壁に、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造を形成すると共に、外管と内管に隙間が設けられ、内外管の孔位置をずらして配置する。本実施例では、実施例1に比べて、デブリ捕捉フィルタ23の長さが長くなるため、デブリがノズル先端を乗り越えてノズル内に流入してしまうことを防ぐことができる。また、ノズル入口流路が傾斜するため、流路面積も増加する。そのため、圧力損失も低減可能である。
【実施例3】
【0031】
図14は、実施例3における下部支持構造11と燃料集合体14の下部構造の詳細を示している。以下、本実施例と実施例2との相違点について説明する。本実施例では、ノズル部先端にデブリ案内カバー32を設けた点が相違する。
【0032】
図15には、図14のE−E断面におけるデブリ捕捉フィルタ23の水平断面を示す。デブリ捕捉フィルタ23は二重壁構造であり、スリット溝24が設けてある外管25と多数の小孔26がある内管27で構成されている。図16には図15のF部詳細図を、図17には内管27に設けた小孔26の配列を示す。
【0033】
本実施例では、ノズル先端にデブリ案内カバー32を設けることで、流線Yに乗りノズル内に流入する軽いデブリ20を、デブリ捕捉フィルタ23の外管25と下部支持流路の隙間30に案内し、デブリ捕捉フィルタ23により捕捉できる。
【0034】
この構造は、軽いデブリ20もデブリ捕捉フィルタ23で捕捉するため、前記実施例1,2よりデブリ捕捉性能は高い。
【0035】
そして、デブリ案内カバー32を傾斜させ、先端部50を鋭角にしている。この先端部は、図6の挿入案内治具31の役割を果たす。そのため、挿入案内治具31は不要にできる。
【0036】
なお、本実施例においてもノズル入口流路が傾斜するため、流路面積は増加する。そのため、圧力損失も低減可能である。
【0037】
以上、ここには、3つの実施例を示したが、いずれの実施例も下部タイプレートノズル部にデブリ捕捉フィルタ23を設けるもので、捕捉したデブリは、燃料交換時に、炉外に搬出し、取り除くことができるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 圧力容器
2 ジェットポンプ
3 再循環ポンプ
4 吸込管
5 シュラウド壁
6 ダウンカマ
7 冷却水
8 吐出管
9 ジェットポンプノズル
10 下部プレナム
11 下部支持構造
12 オリフィス
13 下部タイプレート
14 燃料集合体
15 スペーサ
16 燃料棒
17 挿入口
18 燃料部下部端栓
19,23 デブリ捕捉フィルタ
20 デブリ
21 穴
22,26 小孔
24 スリット溝
25 外管
27 内管
28 テーパ部
31 挿入案内治具
32 デブリ案内カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体に関する。
【背景技術】
【0002】
現状の沸騰水型原子炉(BWR)は、燃料棒を下部で支える下部タイプレートの水平板に、小さな縦穴を多数設けたデブリ捕捉フィルタが設置されている。しかし、デブリ捕捉フィルタがデブリを1度捕捉しても、流量の変化、または、流れの有無の変化が繰り返し起きて、最終的に、デブリがデブリ捕捉フィルタを通過し、燃料集合体内に流入する可能性がある。
【0003】
そこで、特許文献1には、デブリを燃料集合体内に流入させない方法が提案されている。
【0004】
特許文献1は、下部タイプレートがセットされる下部支持構造(燃料支持金具)の流入口に、2枚の目皿板状フィルタを並列に設置する発明を開示する(特許文献1の図14)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−232879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、下部支持構造の流入口に目皿板状フィルタを設けているため、燃料集合体の交換時に、目皿板状フィルタが捕捉したデブリを同時に炉外へ取り出すことができなかった。また、目皿板状フィルタが捕捉したデブリを炉外へ取り出す場合、下部支持構造も取り出す必要が生じ、作業が煩雑になるという課題があった。
【0007】
そこで、本発明では、フィルタが捕捉したデブリを容易に炉外へ取り出すことが可能な沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記燃料集合体が前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、フィルタが捕捉したデブリを容易に炉外へ取り出すことが可能な沸騰水型原子炉及び沸騰水型原子炉の燃料集合体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】沸騰水型原子炉(BWR)の圧力容器内の概念図である。
【図2】下部支持構造の単体図である。
【図3】比較例における下部支持構造と燃料集合体下部構造の詳細図である。
【図4】比較例におけるデブリ捕捉フィルタの詳細構造図である。
【図5】比較例におけるデブリ捕捉フィルタの圧力損失と流量の関係である。
【図6】デブリ捕捉フィルタの構造図(実施例1)である。
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】図7のB部詳細図である。
【図9】図8の内管小孔配列図である。
【図10】デブリ捕捉フィルタの構造図(実施例2)である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】図11のD部詳細図である。
【図13】図12の内管小孔配列図である。
【図14】デブリ捕捉フィルタの構造図(実施例3)である。
【図15】図14のE−E断面図である。
【図16】図15のF部詳細図である。
【図17】図16の内管小孔配列図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は沸騰水型原子炉に係り、特に、燃料集合体内へのデブリ流入を防止し、フレッティングによる燃料棒破損を回避するに好適な燃料集合体に関する。
【実施例1】
【0012】
本実施例における沸騰水型原子炉及び燃料集合体を以下に説明する。
【0013】
沸騰水型原子炉(BWR)の圧力容器内の概念図を図1に、下部支持構造の単体を図2に示す。
【0014】
ここでは、まず、図1を用いてBWRの圧力容器内の概要を説明する。BWRの圧力容器1は、その内部にジェットポンプ2を備える。
【0015】
再循環ポンプ3は、圧力容器1に接続された吸込管4から冷却水7を吸引する。また、再循環ポンプ3は、圧力容器1の壁面とシュラウド壁5で仕切られたダウンカマ6内の冷却水7を、吐出管8からジェットポンプ2のノズル9に供給する。ジェットポンプ2は、ダウンカマ6内の冷却水7を巻き込みながら(流線aで示す)、ノズル9から冷却水を噴出することで、水量を増加させて下部プレナム10に冷却水を噴出(流線bで示す)する。下部プレナム10に流入した冷却水は、下部支持構造11のオリフィス12から入り、下部タイプレート13を経由して燃料集合体14内に流入する。この燃料集合体14は、スペーサ15で集合された複数の燃料棒16が収納されている。この燃料集合体14内を通過する冷却水は、燃料集合体14内で受熱して二相流となり上昇する。蒸気は気水分離器(図示せず)、ドライヤー(図示せず)を経由して、外部の蒸気タービン(図示せず)に導かれる。一方、気水分離器で分離された高温水は、ダウンカマ6上部に放出される。
【0016】
図2に示すように、下部支持構造11は4体の燃料集合体14を下側から支える部材である。この下部支持構造11は、下部タイプレート13が挿入される挿入口17が4対設けられ、オリフィス12もそれぞれの燃料集合体14に対応して設けられている。
【0017】
図6は、下部支持構造11と下部タイプレート13の詳細図を示す。本実施例では、下部タイプレート13が下部支持構造11に挿入された際に、その下部支持構造11に覆われる下部タイプレート13のノズル部外壁は円筒形状である。下部支持構造11に差し込まれる下部タイプレート13のノズル部は、下部支持構造の内部に長めに差し込まれ、下部支持構造11の流路内に突き出た状態となる。また、前記ノズル部の下側には挿入案内治具31が設けられている。そして、円筒形状のノズル部外壁は、外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、外管と内管に隙間が設けられている。また、外管及び内管にはデブリを捕捉する孔が設けられており、内外管の孔位置はずらして配置されている。
【0018】
図7に、図6のデブリ捕捉フィルタ23の水平断面(A−A断面)を示す。デブリ捕捉フィルタ23は二重壁構造であり、スリット溝24が設けられた外管25と多数の小孔26が設けられた内管27で構成されている。図8は図7のB部詳細図を、図9には内管27に設けた小孔26の配列を示す。デブリ捕捉フィルタ23の肉厚L0は、従来の下部タイプレートノズル部と同等か若干厚めとなる。二重壁構造の隙間L1は、1〜2mmと狭い隙間であり、ワイヤーブラシ片などのデブリ20が通り抜けできない寸法とする。また、燃料集合体を下部支持構造11に設置する際、下部支持構造11は、デブリ捕捉フィルタ23が設けられているノズルの付け根部分であるテーパ部28により燃料集合体の荷重を受けもっている。そのため、下部タイプレート13が下部支持構造11に挿入された際に、その下部支持構造11に覆われる下部タイプレート13のノズル部外壁は、さほど大きな強度が必要なく、デブリ捕捉フィルタ23として使用しても支障はない。
【0019】
次に、冷却水の流れに乗って、オリフィス12から流入するデブリ20の動きを説明する。
【0020】
オリフィス12から流入する冷却水(図6の流線Y)は、下部支持構造11の内部に流入した直後、流れが直角に曲げられて上昇し、下部タイプレート内に流入する。流れが直角に曲げられることで、比重の重いデブリ20は、遠心力の作用(矢印29)で下部支持構造11の内壁際まで移動し、上昇する。この現象は実験により確認した。デブリ20は上昇し、デブリ捕捉フィルタ23の外管25と下部支持構造11の隙間30に至る。そして、デブリ20は、デブリ捕捉フィルタ23を通過する流れ(流線X)に乗り、スリット溝24,小孔26に入り込み捕捉される。一度捕捉されたデブリ20は、スリット溝24,小孔26のエッジで押さえられており、下方へ落下しない。また、二重壁構造の隙間L1の下端は袋状になっており、デブリはこの隙間L1からも落下しない。このように、下部タイプレートが下部支持構造に挿入された際に、下部支持構造に覆われる下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、外管と内管に隙間が設けられ、内外管の孔位置をずらして配置することで、デブリは、デブリ捕捉フィルタを通過する冷却水の流力により二重壁に挟まれる。そのため、デブリが再度流れに乗り、燃料集合体内に流入することを予防できる。また、燃料集合体への流れが停止しても、捕捉されたデブリは流力により二重壁に挟まれ続ける。更に、二重壁の隙間下端は閉じられているため、デブリが落下することもない。従って、燃料交換時にデブリを炉外へ容易に取り出すことができる。また、燃料棒16で発生するフレッティングによる破損リスクを回避できる。
【0021】
このデブリ捕捉フィルタは下部タイプレートのノズルと兼用するため、厚肉で強固な構造であり、破損することはない。
【0022】
次に、下部タイプレート13のうち、燃料棒16の燃料部下部端栓18が差し込まれた上部平面に、デブリ捕捉フィルタ19を設けた場合の比較例を示す。
【0023】
図3は、下部支持構造11と燃料集合体14の下部構造の詳細を示している。デブリ20は、オリフィス12から流入する流体により運ばれ、下部タイプレート13に設けたデブリ捕捉フィルタ19により捕捉される。比較例のデブリ捕捉フィルタ19は、図4に示すように、燃料棒端栓が差し込まれる穴21の周辺に小孔22を開けた構造である。
【0024】
比較例のデブリ捕捉フィルタ19の場合、デブリが1度捕捉されても、流量、または、流れの有無が繰り返し変化することで、デブリがデブリ捕捉フィルタ19を通過し、燃料集合体内に流入する恐れがあった。これに対し、本実施例のデブリ捕捉フィルタ23は、二重壁構造を有するため、デブリを捕捉し、デブリが燃料集合体の内部に流入することを防ぐことができる。
【0025】
また、比較例のデブリ捕捉フィルタ19は、燃料棒端栓が差し込まれる穴21を除いた上部平面全体に設けられており、冷却水の主流路を塞ぐ形になる。そのため、デブリ捕捉フィルタ19における圧力損失が図5に示すように大きくなる。定格流量時、デブリ捕捉フィルタ19の有無で、数kPaの違いがある。一方、本実施例のデブリ捕捉フィルタ23は、下部タイプレートのノズル部外壁のみに設けられている。このデブリ捕捉フィルタは、主流路上ではなく、下部タイプレートのノズル部外壁に設けているため、圧力損失を増加させることもない。したがって、炉心流量に影響を及ぼさず、原子炉の性能維持に貢献できる。
【0026】
更に、下部支持構造11に覆われる下部タイプレート13のノズル部外壁は、鉛直下方向に伸びた円筒形状である。下部支持構造11に流入するデブリは金属であり、水に比較して比重が約8倍と大きい。そのため、冷却水が入口オリフィス12から入り、すぐに直角に曲げられることで遠心力が生じる。そして、デブリは下部支持流路の外側に運ばれ壁面側を上昇し、ノズル外側と下部支持構造の内壁面との隙間に運ばれ、ノズル部の外周に設けたデブリ捕捉フィルタを通り、ノズル内に流入しようとする。従って、冷却水の遠心力を利用してデブリを容易に捕捉できる。
【実施例2】
【0027】
図10は、実施例2における下部支持構造11と燃料集合体14の下部構造の詳細を示している。以下、本実施例と実施例1との相違点について説明する。本実施例では、下部タイプレート13のノズル部を形成する円筒の高さが、図10の向かって右側(入口オリフィス12側)に対して左側(入口オリフィス12の反対側)を高くしている点が相違する。そして、左側半分のノズル部に、実施例1と同様のデブリ捕捉フィルタ23を設置する。
【0028】
図11には、図10のC−C断面におけるデブリ捕捉フィルタ23の水平断面を示す。実施例1と同様に、デブリ捕捉フィルタ23は、二重壁構造でスリット溝24が設けてある外管25と多数の小孔26がある内管27で構成されている。図12には図11のD部詳細図を、図13には内管27に設けた小孔26の配列を示す。
【0029】
本実施例では、ノズル入口を傾斜させ、先端部50を鋭角にしている。この先端部50は、図6の挿入案内治具31の役割を果たす。そのため、挿入案内治具31は不要にできる。
【0030】
このように、下部タイプレートが下部支持構造に挿入された際に、下部支持構造に覆われる下部タイプレートのノズル部外壁は、入口オリフィス側のノズル部外壁高さが、反対側のノズル部外壁高さよりも短く形成され、反対側のノズル部外壁に、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造を形成すると共に、外管と内管に隙間が設けられ、内外管の孔位置をずらして配置する。本実施例では、実施例1に比べて、デブリ捕捉フィルタ23の長さが長くなるため、デブリがノズル先端を乗り越えてノズル内に流入してしまうことを防ぐことができる。また、ノズル入口流路が傾斜するため、流路面積も増加する。そのため、圧力損失も低減可能である。
【実施例3】
【0031】
図14は、実施例3における下部支持構造11と燃料集合体14の下部構造の詳細を示している。以下、本実施例と実施例2との相違点について説明する。本実施例では、ノズル部先端にデブリ案内カバー32を設けた点が相違する。
【0032】
図15には、図14のE−E断面におけるデブリ捕捉フィルタ23の水平断面を示す。デブリ捕捉フィルタ23は二重壁構造であり、スリット溝24が設けてある外管25と多数の小孔26がある内管27で構成されている。図16には図15のF部詳細図を、図17には内管27に設けた小孔26の配列を示す。
【0033】
本実施例では、ノズル先端にデブリ案内カバー32を設けることで、流線Yに乗りノズル内に流入する軽いデブリ20を、デブリ捕捉フィルタ23の外管25と下部支持流路の隙間30に案内し、デブリ捕捉フィルタ23により捕捉できる。
【0034】
この構造は、軽いデブリ20もデブリ捕捉フィルタ23で捕捉するため、前記実施例1,2よりデブリ捕捉性能は高い。
【0035】
そして、デブリ案内カバー32を傾斜させ、先端部50を鋭角にしている。この先端部は、図6の挿入案内治具31の役割を果たす。そのため、挿入案内治具31は不要にできる。
【0036】
なお、本実施例においてもノズル入口流路が傾斜するため、流路面積は増加する。そのため、圧力損失も低減可能である。
【0037】
以上、ここには、3つの実施例を示したが、いずれの実施例も下部タイプレートノズル部にデブリ捕捉フィルタ23を設けるもので、捕捉したデブリは、燃料交換時に、炉外に搬出し、取り除くことができるものである。
【符号の説明】
【0038】
1 圧力容器
2 ジェットポンプ
3 再循環ポンプ
4 吸込管
5 シュラウド壁
6 ダウンカマ
7 冷却水
8 吐出管
9 ジェットポンプノズル
10 下部プレナム
11 下部支持構造
12 オリフィス
13 下部タイプレート
14 燃料集合体
15 スペーサ
16 燃料棒
17 挿入口
18 燃料部下部端栓
19,23 デブリ捕捉フィルタ
20 デブリ
21 穴
22,26 小孔
24 スリット溝
25 外管
27 内管
28 テーパ部
31 挿入案内治具
32 デブリ案内カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の燃料棒の両端を固定する上部タイプレート及び下部タイプレートを備えた燃料集合体と、
前記下部タイプレートの下端が挿入され、冷却水を前記燃料集合体に供給する下部支持構造を備えた沸騰水型原子炉であって、
前記下部タイプレートが前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、
前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする沸騰水型原子炉。
【請求項2】
複数の燃料棒と、
前記燃料棒の両端を固定する上部タイプレート及び下部タイプレートを備え、
前記下部タイプレートが下部支持構造によって支えられた沸騰水型原子炉の燃料集合体であって、
前記下部タイプレートが前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、
前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする沸騰水型原子炉の燃料集合体。
【請求項3】
請求項2記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体であって、
前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁は、鉛直下方向に伸びた円筒形状であることを特徴とする沸騰水型原子炉の燃料集合体。
【請求項4】
複数の燃料棒の両端を固定する上部タイプレート及び下部タイプレートを備えた燃料集合体と、
前記下部タイプレートの下端が挿入され、冷却水を入口オリフィスから前記燃料集合体に供給する下部支持構造を備えた沸騰水型原子炉であって、
前記下部タイプレートが前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁は、
前記入口オリフィス側の前記ノズル部外壁高さが、反対側の前記ノズル部外壁高さよりも短く形成され、
前記反対側のノズル部外壁に、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造を形成すると共に、
前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする沸騰水型原子炉。
【請求項5】
請求項4記載の沸騰水型原子炉であって、
前記ノズル部外壁の先端にデブリ案内カバーを設けることを特徴とする沸騰水型原子炉。
【請求項1】
複数の燃料棒の両端を固定する上部タイプレート及び下部タイプレートを備えた燃料集合体と、
前記下部タイプレートの下端が挿入され、冷却水を前記燃料集合体に供給する下部支持構造を備えた沸騰水型原子炉であって、
前記下部タイプレートが前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、
前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする沸騰水型原子炉。
【請求項2】
複数の燃料棒と、
前記燃料棒の両端を固定する上部タイプレート及び下部タイプレートを備え、
前記下部タイプレートが下部支持構造によって支えられた沸騰水型原子炉の燃料集合体であって、
前記下部タイプレートが前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁が、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造であると共に、
前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする沸騰水型原子炉の燃料集合体。
【請求項3】
請求項2記載の沸騰水型原子炉の燃料集合体であって、
前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁は、鉛直下方向に伸びた円筒形状であることを特徴とする沸騰水型原子炉の燃料集合体。
【請求項4】
複数の燃料棒の両端を固定する上部タイプレート及び下部タイプレートを備えた燃料集合体と、
前記下部タイプレートの下端が挿入され、冷却水を入口オリフィスから前記燃料集合体に供給する下部支持構造を備えた沸騰水型原子炉であって、
前記下部タイプレートが前記下部支持構造に挿入された際に、前記下部支持構造に覆われる前記下部タイプレートのノズル部外壁は、
前記入口オリフィス側の前記ノズル部外壁高さが、反対側の前記ノズル部外壁高さよりも短く形成され、
前記反対側のノズル部外壁に、孔を有する外管及び内管を備えた二重壁構造を形成すると共に、
前記外管と内管に隙間が設けられ、前記内外管の孔位置をずらして配置することを特徴とする沸騰水型原子炉。
【請求項5】
請求項4記載の沸騰水型原子炉であって、
前記ノズル部外壁の先端にデブリ案内カバーを設けることを特徴とする沸騰水型原子炉。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−247742(P2011−247742A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−121120(P2010−121120)
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(507250427)日立GEニュークリア・エナジー株式会社 (858)
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