説明

沸騰水型原子炉燃料集合体用格子型スペーサ

【課題】スペーサ材料の強度を高めることなく、熱水力共存性を維持しつつ外部からの荷重による座屈強度を向上することができる沸騰水型原子炉燃料集合体用スペーサを提供すること。
【解決手段】燃料集合体10の各燃料棒10FBを保持する複数のセル20Cを形成するため相互に直交する縦横の格子板22T、22Yから成り、これらの格子板22T、22Yは、中央に水管10WPが貫通すべき仕切り空間20Sを形成し、水管10WPを保持する水管保持手段30は、水管10WPに係合してこの水管を保持する縦横格子板成形部32から成り、この縦横格子板成形部32は、縦横の格子板22T、22Yに外部からの荷重を受けて弾性的に変形して外部からの荷重を吸収するように谷矩形部分を有する波形部から成っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、沸騰水型原子炉燃料集合体用格子型スペーサの改良に関し、特に、水管に隣接する格子板に外部からの荷重を吸収することができるように改良された格子板を有する沸騰水型原子炉燃料集合体用格子型スペーサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種の格子型スペーサ2は、図7乃至図9に示すように、相互に直交する縦格子板2Tと横格子板2Yとこれらの格子板2T、2Yを囲う正方形状の外枠板2Fと、中央を貫通して縦横の格子板2T、2Yによって水管1WPを保持すべき仕切り空間2Sとから成っている。燃料集合体1を構成する各燃料棒1FBは、縦横の格子板2T、2Yで囲まれる正方形又は四方形のセル2C内に弾性的に支持されている。
【0003】
この燃料集合体用格子型スペーサ2は、燃料との熱水力共存性を損なうことなく、地震動の如き外部からの荷重に対して耐えることができるように構成されていることが要求される。
【0004】
近年地震に関する知見及び知識の蓄積や地盤評価・地震動評価技術が向上し、地震発生時の建築物の強化基準や安全評価方法が改善され、これに伴って原子炉発電所の耐震性の評価に用いられる地震動は、従来よりも大きくなる傾向がある。
【0005】
一般に、沸騰水型原子炉燃料集合体用格子型スペーサは、地震動等の外部からの荷重を受けた場合に、崩壊熱除去可能な形状を維持しつつ燃料被覆管を損傷することがないことが求められ、従って、この荷重に対して座屈変形しないことが要求される。しかし、上記した従来の格子型スペーサの座屈強度を高めるため、スペーサ材料の強度を増すと、通常、スペーサによる燃料集合体の圧力損失を招くため、熱水力共存性が失われ、またこの熱水力共存性を確保しようとすると、限界出力性能を低下しなければならないので、熱水力共存性と限界出力性能との両方の特性を維持することが難しかった。
【0006】
格子板2T、2Yは、図7乃至図9に示すように、燃料棒1FBや水管1WPを保持するためにスプリングSを挟み込んだり(特許文献1及び2参照)、弾性打ち出し部(図示せず)や固定打ち出し部SPを設けたりしている(特許文献3参照)。縦横の格子板2T、2Yは、基本的には、真っ直ぐな板の形態を有するが、水管1WPを適切に保持するために、水管1WPの外面に沿うように屈曲した形態を有することがある(図8及び図9参照)。
【0007】
一般的な格子型スペーサは、格子板2T、2Yの交点付近にベーン部(羽根)8(特許文献3の図3の符号31参照)が設けられている。このベーン部8は、セル2C内の冷却材を撹拌し、冷却材に旋回流を付与し、燃料棒1FBの表面に液滴が付着するのを促進し、燃料集合体の限界出力性能を高める役割を有する。一般的に、このベーン部8は、その面積を大きくするほど、限界出力性能が向上するが、面積が大きくなると、スペーサの圧力損失を増加し、既存燃料との熱水力共存性を悪化させる。
【0008】
地震が発生した場合、燃料集合体は、チャンネルボックスを介してスペーサに荷重が掛けられる。日本電気協会の「原子力発電所耐震設計技術指針(JEAC/JEAG4601)」によれば、地震発生時の燃料集合体に求められる性能が定められており、スペーサは、燃料集合体に求められるこの性能を満足するように強度設計が行われなければならない。JEAC/JEAG4601は、原子炉の安全機能を確保するための評価地震動に対して原子炉停止後の崩壊熱除去可能な形状を維持することを求めている。崩壊熱除去可能な形状の維持とは、燃料被覆管の健全性を保つことであり、従って、燃料集合体及びスペーサは、評価地震動に対して燃料被覆管に損傷を与えないように設計されなければならない。
【0009】
図7乃至図9に示す従来技術による格子型スペーサ2は、格子板2T、2Yの長手方向(図7乃至図9の紙面のX−Y方向、即ち紙面上の縦横方向)に沿って過大な荷重が加わると、特に格子板が水管1WPによって分断されていないセル2Cの一辺(格子板部分)で座屈が生じ、この格子板の座屈によって燃料被覆管が損傷する虞があった。
【0010】
1つの従来技術のスペーサは、特許文献1の特開平2−216088号公報に記載されており、このスペーサは、ウオーターチャンネル(水管)を弾性的に支持するために、このウオーターチャンネルに接触する複数の矩形状の打ち出し片(同文献では符号7で表示されている)を縦横の格子板(同文献では符号2、3で表示されている)に設けているものがある。これらの打ち出し片は、その両端の間の矩形部分が平坦のままであるため、格子板に加わる荷重を吸収することができない欠点があった。従って、荷重を吸収するためには、セルの一辺で座屈が生じないように、座屈荷重を高めて地震発生時の機械的強度を向上しなければならない。
【0011】
格子型スペーサの座屈荷重は、セル間隔、スペーサ高さ、スペーサ板厚の如きスペーサの幾何学的形状や材質によって決まる。このうち、セル間隔は、燃料集合体の核特性に関係し、燃料集合体の上流側の設計仕様で変更することができない。スペーサ高さ、スペーサ板厚を大きくすると、座屈荷重は増加するが、それと同時にスペーサによる圧力損失も増加するので、熱水力共存性を満足することができない。スペーサの材料を新たな高い強度の材料とすると、熱水力共存性を満足することができるが、この新たな高い強度のスペーサ材料は、原子炉の安全性から原子燃料用材料として認可されていないので、認可を得て実用化するまでに相当の時間を必要とするため、現実的な対応策ではない。
【0012】
また、スペーサを既存の設計とはかなり異なった構造の新設計とすると、新しい材料の採用と同様に、原子炉の安全性から、これを採用するためには、実証結果を得なければならないが、これに相当の時間がかかり、新たな材料の採用と同様に現段階では実用的ではない。
【0013】
一方、原子炉は、その安全性、信頼性の観点から常に最新の知見と対策が要求されており、従来の設計を大きく変更することなく、原子炉の安全性や信頼性を確保する対策が施された設計が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平2−216088号公報
【特許文献2】特開平4−259892号公報
【特許文献3】特開平2001−318182号公報
【特許文献4】特表2006−519987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明が解決しようとする課題は、スペーサ材料として新たな高い強度の材料を用いることなく、熱水力共存性を維持しつつ外部からの荷重による座屈強度を向上することができる沸騰水型原子炉燃料集合体用スペーサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の課題解決手段は、燃料集合体の各燃料棒を保持する複数のセルを形成するため相互に直交する縦横の格子板から成り、前記縦横の格子板は、中央に水管が貫通すべき仕切り空間を形成しており、前記縦横の格子板は、前記水管を保持する水管保持手段を備え、前記水管保持手段は、前記水管に係合して前記水管を保持する縦横の格子板の成形部から成っている沸騰水型原子炉燃料集合体用スペーサにおいて、前記水管保持手段の成形部は、前記縦横の格子板に外部からの荷重を受けて弾性的に変形して前記外部からの荷重を吸収するように成形されていることを特徴とする沸騰水型原子炉燃料集合体用スペーサを提供することにある。
【0017】
本発明の課題解決手段において、弾性荷重吸収性の成形部は、前記水管に隣接するセル内の燃料棒を直接又は間接的に保持する矩形部分を含む波形の形態を有して前記波形部の谷部分で前記水管を弾性的に保持するようにすることができる。
【0018】
なお、上記の弾性荷重吸収性の成形部は、前記水管に隣接するセル内の燃料棒を直接ではなく、間接的に保持する場合には、矩形部分から打ち出し又は固着によって設けられた固定支持部材を使用し、セル隣接燃料棒は、この固定支持部材を介して成形部の矩形部分に保持される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、水管に係合して水管を保持する縦横の格子板の成形部は、縦横の格子板に外部からの荷重を受けて弾性的に変形して外部からの荷重を吸収するように成形されているので、大きな地震等に耐えることができる。
【0020】
また、本発明によれば、座屈強度を向上することができるので、スペーサ材料の板厚を増大することなく、弾性荷重吸収性の縦横格子板成形部の構造の採用によって耐震性を向上するため、スペーサ高さを低くしたり、板厚を減少したりして低圧損化を行いつつベーン部を強化することができ、従って燃料集合体の限界出力を向上することができる。
【0021】
ベーン部の強化を行わない場合には、燃料棒の外径を大きくしたり、部分長燃料棒を長くしたり、その本数を増加したりして、燃料集合体のウラン重量を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1の実施の形態による格子型スペーサを用いた燃料集合体の横断面図である。
【図2】図1のスペーサの要部を拡大して示す横断面図である。
【図3】図2の右端の1つの燃料棒とそれに関連するスペーサ部分を示し、同図(A)は、その正面図、同図(B)は、その側面図である。
【図4】図3(A)(B)の一部の拡大断面を示し、同図(A)は、図3(A)(B)のA−A線拡大断面図、同図(B)は、図3(A)(B)のB−B線拡大断面図である。
【図5】本発明の格子型スペーサを用いた燃料集合体の変形前後の概略状態を示し、同図(A)は、変形前の横断面概略図、同図(B)は、1つの変形後の横断面概略図、同図(C)は、他の変形後の横断面概略図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による格子型スペーサの要部を拡大して示し、同図(A)は、その横断面図、同図(B)は、その一部の正面図、同図(C)は、同図(B)の側縦断面図である。
【図7】1つの従来技術によるばね挟み込み型平坦スペーサを用いた燃料集合体の横断面図である。
【図8】他の従来技術によるばね挟み込み型屈曲スペーサを用いた燃料集合体の横断面図である。
【図9】図8と同じ従来技術によるばね挟み込み型屈曲スペーサを用いた燃料集合体であるが、燃料棒を10行10列とした燃料集合体の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図1は、本発明の第1の実施の形態による格子型スペーサ20を用いた燃料集合体10を横断面で示し、この燃料集合体10は、格子型スペーサ20の複数のセル20C内にそれぞれ保持される複数の燃料棒10FBから成っており、更に、格子型スペーサ20の中央に形成された仕切り空間20Sを貫通して保持された水管10WPを備えている。この燃料集合体10は、横断面が正四角形である外枠板(チャンネルボックス)12に囲まれており、従って、格子型スペーサ20も外枠板12に囲まれた状態となっている。
【0024】
第1の実施の形態による格子型スペーサ20は、燃料集合体10の各燃料棒10FBを保持する複数のセル20Cを形成するため相互に直交する縦横の格子板22T、22Yから成っており、水管貫通用の仕切り空間20Sは、格子型スペーサ20の中間位置でこれらの縦横の格子板22T、22Yで仕切られて形成されている。なお、図1では、図面が複雑になるのを避けるために、図1の上端の中央付近に図示されている1つの燃料棒10FBのみが記載されているが、実際にはすべてのセル20Cに各燃料棒10FBが保持されていることを理解すべきである。
【0025】
水管用の仕切り空間20Sに隣接する燃料棒10FBS(図2(A)参照)の仕切り空間20S側の面以外の面(3つの面)とこの燃料棒10FBS以外の燃料棒10FBの4つの面は、縦横の格子板22T、22Yに取り付けられた板ばね24Aによって各セル20C内に弾性的に保持されている。更に詳細に述べると、図3(B)に示す如き「く」字形の板ばね24Aは、縦横列の格子板22T、22Yに取り付けられている(図1参照)。
【0026】
水管用の仕切り空間20Sに隣接する燃料棒10FBS(図2(A)参照)は、この仕切り空間20S側の面では、後に述べる水管保持手段30によって保持されているが、その詳細は、水管保持手段30に関連して後述する。
【0027】
水管保持手段30は、図2乃至図4に示すように、水管(ウオータチャンネル)10WPに係合してこの水管10WPを保持する縦横の格子板成形部32から成っているが、この縦横の格子板成形部32は、縦横の格子板22T、22Yに外部からの荷重を受けた際に弾性的に変形してこの外部からの荷重を吸収するように成形されている。図2乃至図4の形態では、この弾性荷重吸収性の縦横格子板成形部32は、水管10WPに隣接するセル20C内の燃料棒10FBSを直接保持する矩形部分32WR(特に図3(B)、図4(A)(B)参照)を含む波形部32Wの形態を有しており、水管10WPは、波形部32Wの谷部分32WCに設けられた打ち出し型のスプリング32WP(特に、図3(B)参照)で弾性的に保持されている。従って、図2乃至図4に示すように、水管10WPと縦横格子板成形部32の谷部分32WCとの間にはスプリング32WPによって隙間GI(図5(A)参照)が生ずる。
【0028】
このように、水管10WPは、この水管10WP用の空間20Sを区画する縦横の格子板部分22T、22Yの縦横格子板成形部32によって保持されるが、この縦横格子板成形部32は、矩形部分32WRとその傾斜部32WIを含む波形部32W全体の変形によって弾性的に荷重を吸収することができる特性を有するので、地震発生時のように大きな外部荷重が加わってもこの荷重が水管保持用の縦横格子板成形部32によって吸収され、格子型スペーサ20に負荷される外部荷重は低減する。
【0029】
この構造の格子型スペーサ20を用いた燃料集合体10に地震等の発生で外部から荷重を受けると、格子型スペーサ20は、図5(A)に示す正規の状態から、水管10WPに隣接するセル20Cを区画する縦横格子板成形部32の矩形部分32WRを含む波形部32Wの変形に基づいて弾性変形する。更に詳細に述べると、波形部32Wの変形に応じて波形部32Wの打ち出し型のスプリング32WPが引っ込められて荷重方向にあるセル20Cとの間の隙間GIが埋められ、格子型スペーサ20は、図5(B)又は図5(C)のようになる。図5(A)は、燃料集合体10に荷重が付加されていない正規の状態を示し、この状態では、格子型スペーサ20は、縦横格子板22T、22Yが正四角形の形態を維持しつつ、燃料棒10FBと水管10WPとを保持している。
【0030】
図5(B)(C)は、荷重が付加された後の変形の状態を理解し易くするために、極端に拡大して示したものである。図5(B)は、空間20Sの両端(紙面の上下)が各々(紙面の)左右反対方向に移動した変形状態を示し、また、図5(C)は、空間20Sの両端(紙面の上下)が(紙面の)左右方向に移動することがない変形状態を示す。図5(B)(C)のいずれの変形をするかは、荷重の向きや外枠板(チャンネルボックス)12との位置関係に依存し、一意的には定まらない。
【0031】
本発明の他の実施の形態による格子型スペーサ200を用いた燃料集合体10の要部が図6(A)(B)に示されている。この第2の実施の形態による格子型スペーサ200を用いた燃料集合体10は、以下に述べる水管保持手段300の縦横格子板成形部320を除いて第1の実施の形態による格子型スペーサ20を用いた燃料集合体10と同じであり、同じ部分には同じ符号を10倍した符号が付されている。
【0032】
この第2の実施の形態による格子型スペーサ200は、第1の実施の形態によるのと同様に、弾性荷重吸収性の縦横格子板成形部320から成る水管保持手段300を備えているが、この縦横格子板成形部320は、水管10WPに隣接するセル20C内の燃料棒10FBSを固定支持部材340を介して保持する山矩形部分320WRを含む波形部320Wから成り、この波形部320Wの谷矩形部分320WCから打ち出しで形成された「く」字形の板ばね状スプリング320WSを介して水管10WPを弾性的に保持するようにしている。固定支持部材340は、図6(B)(C)に示すように、波形部320Wに溶接等の適宜の手段で固定してもよいが、波形部320Wの一部を打ち出して形成してもよい。なお、図6(A)に示すように、この形態も、図1乃至図4の実施の形態と同様に、燃料棒10FBSは、成形部320側の面以外の面ではばね24Aによって保持されている。
【0033】
この第2の実施の形態による格子型スペーサ200も山矩形部分320WRと谷矩形部分320WCを含む波形部320Wが弾性変形して外部からの荷重を吸収することができ、第1の実施の形態による格子型スペーサ20を用いた燃料集合体10と同様に地震等の発生により格子型スペーサに負荷される荷重を低減することができる。
【0034】
本発明の第1及び第2の実施の形態による燃料集合体用の格子型スペーサ20、200は、下記の利点を有する。
(1)格子型スペーサの外部からの荷重に対する座屈荷重が高くなり、耐震性が向上する。
(2)従って、スペーサ強度を評価する地震動が同じであれば、スペーサの座屈強度に対する余裕が増大する。
(3)スペーサ材料の板厚を増大することなく、弾性荷重吸収性の縦横格子板成形部の構造の採用によって耐震性を向上するので、スペーサ高さを低くしたり、板厚を減少したりして低圧損化を行いつつベーン部を強化することができ、従って燃料集合体の限界出力を向上することができる。
(4)ベーン部の強化を行わない場合には、燃料棒の外径を大きくしたり、部分長燃料棒を長くしたり、その本数を増加したりして、燃料集合体のウラン重量を高めることができる。
(5)格子板成形部を打ち出すことによって燃料棒や水管を保持することができない構造のスペーサであっても、格子板成形部の曲げ加工によって、燃料棒や水管を保持することができる。
(6)水管やその周りの燃料棒を保持する別部材のスプリングを不要とするので、 部品数が低減する上に、その取付け工程が不要となって経済的である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、水管に係合して水管を保持する縦横格子板成形部は、縦横の格子板に外部からの荷重を受けて弾性的に変形して外部からの荷重を吸収するように成形されているので、大きな地震等に耐えることができ、高い耐震性を有する燃料集合体用格子型スペーサを提供することができ、産業上の利用性が向上する。
【符号の説明】
【0036】
10 燃料集合体
10FB、10FBS 燃料棒
10WP 水管
12 外側枠
20、200 格子型スペーサ
20C セル
20S 水管用空間
22T、22Y 縦横の格子板
24A 板ばね
30、300 水管保持手段
32、320 縦横の格子板成形部
32W 波形部
32WI 傾斜部
32WP 打ち出し型スプリング
32WR、320WR 山矩形部分
32WC、320WC 谷矩形部分
320WS 打ち出しによる「く」字形板ばね状スプリング
340 固定支持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料集合体の各燃料棒を保持する複数のセルを形成するため相互に直交する縦横の格子板から成り、前記縦横の格子板は、中央に水管が貫通すべき仕切り空間を形成しており、前記縦横の格子板は、前記水管を保持する水管保持手段を備え、前記水管保持手段は、前記水管に係合して前記水管を保持する縦横格子板成形部から成っている沸騰水型原子炉燃料集合体用格子型スペーサにおいて、前記水管保持手段の縦横格子板成形部は、前記縦横の格子板に外部からの荷重を受けて弾性的に変形して前記外部からの荷重を吸収するように成形されていることを特徴とする沸騰水型原子炉燃料集合体用格子型スペーサ。
【請求項2】
請求項1に記載の沸騰型原子炉燃料集合体用格子型スペーサであって、前記弾性荷重吸収性の縦横格子板成形部は、前記水管に隣接するセル内の燃料棒を直接又は間接的に保持する矩形部分を含む波形の形態を有して前記波形部の谷部分で前記水管を弾性的に保持するようにしたことを特徴とする沸騰型原子炉燃料集合体用格子型スペーサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−36917(P2013−36917A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−174706(P2011−174706)
【出願日】平成23年8月10日(2011.8.10)
【出願人】(000165697)原子燃料工業株式会社 (278)