説明

油水分離装置

【課題】多量の油を含む海水を高速で分離できる油水分離装置を提供する。
【解決手段】油水送給管の外面または内面に超電導磁石を配置して磁場発生領域を設け、該磁場発生領域では油水送給管内を流れる油水に流れ方向Xの磁場を印加する一方、前記磁場発生領域では、前記油水の流れ方向Xに対して直交方向Yで対向する前記油水送液管の内面に一対の電極を配置し、該電極間に前記油水の流れ方向Xと直交するZ方向の電磁力を負荷し、該電磁力を受ける導電性の水と、該電磁力を受けない絶縁性の油とを分離し、前記電極は、カーボン、グラファイト、半導体、金属、あるいは耐水性と導電性を有するカーボン含有樹脂からなる本体と、該本体の油水と接する表面に少なくとも水素を含むカーボン、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボンあるいは/およびこれらの1種もしくは2種以上のカーボン系材料の被覆層を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油水分離装置に関し、特に、海水中に油を含む油田随伴水の処理用、タンカーからの油漏れ処理用として好適に用いられるものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、油水分離が必要な油水として、油田随伴水や、工場排水や生活排水に油が含まれる含油排水では油を分離する水処理が必要となり、さらに、タンカーから油漏れが生じた場合の油回収処理が必要となる。
前記油田随伴水は、原油試掘の際、海水を地層の油層に注入して圧力を高めて生産性を確保しており、そのため、油を含む海水からなる排水が多量に発生し、該含油排水が油田随伴水と称されている。この油田随伴水は、非水性油分を除去処理した後に廃棄する必要がある。
また、近年、工場排水、生活排水等が河川を経由して海水に流れ込み、これらの排水中に油が含まれていると、海水の汚染が拡大する傾向がある。
【0003】
前記海水中に油を含む油田随伴水等は水量が大量であるため、油水分離処理の高速化が要求される。しかしながら、水処理装置として汎用されている多孔質膜を用いた濾過装置では、多孔質膜の空孔に油が付着して目詰まりが発生しやすい問題がある。
本出願人は、特開2000−254544号公報(特許文献1)において、藻等の植物性微生物からなる被除去物を含む原水を、比較的高速で被除去物を分離除去できる磁気分離装置を提供している。
該磁気分離装置は、原水に鉄酸化物粒子からなる磁性粒子を添加して、被除去物に磁性を付与した後に、磁気フィルタを通過させて、被除去物を磁気フィルタに磁着して分離除去している。
しかしながら、油の分離には磁性粒子の準備が必要となり、磁気分離装置では磁性粒子を回収する必要があるため、構成が複雑となる。
【0004】
また、特開2001−87773号公報(特許文献2)には、周知のMHD(電磁流体力学)の原理を用いた水の磁気処理装置が提案されている。該装置は、図4に示すように、水道管100の内面を非磁性体とするとともに、該非磁性体の水と接触する内面に一対の永久磁石からなる導電体101A、101Bを対向配置した磁性発生領域102を設けた水の磁気処理装置が提案されている。該水の磁気処理装置では、水道管100内を流れる水道水の流れ方向と直交方向に磁界を発生させ、水を活性化させているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−254544号公報
【特許文献2】特開2001−87773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献2のMHDの原理を用いた水の磁気処理装置は水の活性化を図っているものであり、該MHDの原理を用いて油水の油と水とを分離しているものではない。
該MHDの原理を用いて、油を含む海水等の水において、油と水とを分離する場合、大量の油水を高速処理することが可能となる。
しかしながら、油水送給管の内面に電極を配置すると、海水中に含まれる塩分等によって磁性が低下したり、電極表面に腐食が発生し、交換やメンテナンス作業に多大の労力と手間が生じる恐れがあり、海水に対する耐食性を高める必要がある。
【0007】
本発明は、前記MHDの原理を用いて油水の分離を図るとともに、海水等の水に接触する電極の耐食性を高め、油水分離装置とした場合の耐久性を高めることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、油水送給管の外面または内面に超電導磁石を配置して磁場発生領域を設け、該磁場発生領域では油水送給管内を流れる油水に流れ方向Xの磁場を印加する一方、
前記磁場発生領域では、前記油水の流れ方向Xに対して直交方向Yで対向する前記油水送液管の内面に一対の電極を配置し、該電極間に前記油水の流れ方向Xと直交するZ方向の電磁力を負荷し、該電磁力を受ける導電性の水と、該電磁力を受けない絶縁性の油とを分離し、
前記電極は、カーボン(C)、グラファイト、半導体、金属、あるいは耐水性と導電性を有するカーボン含有樹脂からなる本体と、該本体の油水と接する表面に少なくとも水素を含むカーボン、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボンあるいは/およびこれらの1種もしくは2種以上のカーボン系材料の被覆層を備えていることを特徴とする油水分離装置を提供している。
【0009】
前記のように、本発明は油水分離装置として、超電導磁石と電極とを用い、MHDの原理により、油と水とを分離している。
即ち、超電導磁石により、油水の流れ方向Xの磁場を発生させると共に、Y方向に対向配置した電極間に流れる電流により、油水送給管内において油水流れ方向と直交してZ方向の下向きの電磁力を発生させる。導電性を有する海水等の水は電磁力により、油水送液管中の下部側に沿って流れる。一方、絶縁性の油は前記電磁力を受けないため、電磁力を受ける水と反対方向の力を受け、油は油水送液管中の上部側を流れる。このように、MHDの原理を用いて、水は下方に集まりながら流れ、油は上方に集まりながら流れることにより、大量の油水を高速で分離することができる。
【0010】
本発明では、前記のように、海水中の水と接触する電極本体の表面には、耐食性、耐久性を備えた前記被覆層を設けているため、電極の劣化による油分離作用が低下せず、かつ、電極の交換等のメンテナンスの頻度を少なくすることができる。
特に、油を含む水が海水である前記油田随伴水の油水分離や、タンカーからの漏れ油を回収するための油水分離に本発明の装置を用いる場合、海水に電極が接触すると腐食が発生しやすくなるため、電極本体の表面に海水に対する耐食性や耐久性に優れた前記被覆層を設けておくと有利となる。
また、淡水に油を含む工場排水や生活排水の場合には、淡水に導電性成分を投入して導電性を高めると、本発明のMHDの原理を用いた油水分離を効果的に行うことができる。その場合にも、水と接触する電極には腐食が発生しやすいため、前記電極本体の表面に前記被覆層を設けることが好ましい。
【0011】
また、本発明の電極は、本体の表面に前記被覆層を設け、電極本体を海水等に対して耐食性、耐久性を持たせ、電子放出性を高めた特殊な合金としているため、汎用のグラファイト、金属、カーボン等を含む導電性の高い樹脂からなる電極に本体として用いることができる。
前記電極本体として用いる金属は、ステンレス、鉄、ニッケル、コバルト、サマリウム、ネオジウム、タングステン、クロム、アルミニウム、バリウム、ストロンチウム、ホウソ、白金、ニオブ、マンガン、プラセオジム等を少なくとも1種もしくは2種以上組み合わせたものが挙げられる。
【0012】
前記電極本体の表面に設ける被覆層は、前記した水素を多量に含むカーボン、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、ダイヤモンドもしくはそれらを少なくとも1種もしくは2種以上組み合わされたカーボン材料で形成されている。
DLC以外のカーボン材料としては、アモルファス形態のもの、グラファイト構造をもつもの、ダイヤモンド構造を持つものが好適に用いられる。なお、いずれも耐海水性に優れている点から最適である。
前記DLCおよびグラファイト、ダイヤモンドおよびそれらの1種もしくは2種以上の複合体が耐海水性に優れていることは、本発明者は実験により知見した。
これらの水素含有量は、0.01体積%から80体積%が好ましい。特に、0.5%から50%のものが結晶構造が耐海水性に優れている電極であった。
【0013】
前記カーボン系材料からなる電極の被覆層は、電極本体に対して、ゾル・ゲルなどの塗布、蒸着、アーク蒸着、スパッタリングあるいはプラズマ溶射などのPVD(物理蒸着法)や、原料ガス、キャリアガスを反応容器中の温度、プラズマなどで蒸着するCVD法(化学蒸着法)で基板と一体化して形成し、該被覆層の厚さ0.01μm以上100μm以下としていることがコスト的には好ましい。強力な導電性ペーストなどを間に挟んだり、圧着したりすることも技術的には可能ではある。
前記被覆層の厚さは、好ましくは0.1μm〜5μmである。該被覆層の厚さは、被覆層が1層の場合は1層の厚さ、複数層とした場合は合計厚さである。
【0014】
前記被覆層の厚さを0.01μm以上としているのは、0.01μm未満では表面の影響を受けやすく、膜にムラが生じやすく、密着性不足摩損が発生しやすいことに因る、一方、被覆層の厚さが100μmを越えると、電極基板と被覆層との線膨張係数の違いや、熱膨張係数の影響を受け、内部応力を発生し、ソリが生じる。また、重量が増加しコスト高になり、かつ、本体の種類によっては導電率が低下することに因る。
【0015】
また、本発明では超電導磁石を用いているため、油水の流れ方向に強い磁場を発生させることができる。該超電導磁石として、ビスマス系超電導線等の高温超電導線からなる超電導コイルを用いると、液体窒素で冷却でき冷却容器を簡単にできるため、好適に用いられる。
該超電導磁石は、油水送給管の外面または内面に設けて、磁場流体が発生するMHD領域を形成している。該超電導磁石はMHD領域の油水供給管の外面に沿って配置しても良いし、MHD領域の上流端と下流端の油水送給管の通常は外側ではあるが内面に、それぞれ超電導磁石を配置してもよい。
【0016】
前記油水送給管の内面に配置する前記電極は、MHD領域の油水送給管の対向する内面に全面に取り付ける面状電極とすることが好ましい。また、各電極は、いくつもの小型電極をならべてもよい。
具体的には、油水送給管を断面矩形状とし、その長さ方向(油水の流れ方向)を左右方向とすると、油水流れ方向と直交する前後内面に沿って面状の電極を取り付けている。
該面状の電極は、孔の無い無垢板でも良いし、網目状、エッチングパターンでもよい。
【0017】
油水送給管は前記超電導磁石を外面側に配置する場合には透磁性材料で形成し、内面側に配置する場合には非磁性材料で形成していることが好ましい。
また、油水送給管は断面矩形状とすることが好ましいが、断面円形とし、その前後方向に対向する90度領域に前記電極を取り付けてもよい。
【0018】
前記超電導磁石および前記電極を配置したMHD領域の下流で油送給管と水送給管に分岐していることが好ましい。
即ち、油水送給管に油送給管と水送給管とを上下に分岐すると、上方に集まって流れる油を油送給管へと流すことができ、下方に集まって流れる水を水送給管へ流すことができ、油水送給管から流されてくる油水をスムーズに分離して流すことができる。
また、前記油送給管に流れ込んでくる主として油を含む油水は、再度、油水供給管の上流端に循環させ、油水の水と油を分離すると、油と水との分離機能を高めることができる。
【0019】
本発明の油水分離装置は、導電性の良い油を含む海水の分離装置として、好適に用いられる。
よって、油田随伴水を含む海水浄化用あるいはオイルタンカーの海水への漏れ油回収用として、高速に大量の油を含む海水の油水分離装置として好適となる。
【発明の効果】
【0020】
前述したように、本発明の油水分離装置は、MHDの原理を用いて油水を分離しているため、油水送給管の内面に電極を配置するとともに、油水の流れ方向に磁場を発生させる超電導磁石を油水送給管の外面または内面に設けるだけでよく、油水分離装置の構造を簡単にできる。特に、海水等の水と接触する電極の表面には海水に対して耐食性、耐久性が優れた被覆層を設けているため、耐海水性に優れた電極とすることができる。かつ、電極本体を耐海水性を有する特殊な合金で形成する必要はなく、海水に接触する面のみに前記被覆層を設ければ良いため、簡単に耐食性および耐久性に優れた電極とし、油水分離装置の電極の交換頻度を低減でき、メンテナンス性に優れた利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第一実施形態の垂直断面図である。
【図2】図1のB−B線断面図である。
【図3】(A)(B)は第二実施形態を示す図面である。
【図4】従来例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
実施形態の油水分離装置は海水中に油を含む油田随伴水からなる油水の分離装置に用いている。
【0023】
図1および図2に第一実施形態を示す。
図1は油水送給管1を油水流れ方向となる長さ方向(図1中、左右方向)に沿って垂直方向で切断した断面図、図2は油水流れ方向に直交方向で切断した図1のB−B線断面図である。
油水送給管1は上壁1a、下壁1b、前壁1c、後壁1dとからなる断面四角枠の筒状であり、本実施形態で油水送給管1は透磁性材料のアクリルなどの樹脂で形成している。
【0024】
油水送給管1は上流側S1から油Pを含む海水Wからなる油水PWが流入し、下流S2へと流れる。下流S2に上下仕切板2を設け、上側を油送給管3、下側を水送給管4に分岐している。
前記仕切板2の配置位置より少し下流位置P1と、油水送給管1の上流側の位置P2との間を磁気流体が発生するMHD領域Lとしている。
【0025】
MHD領域Lには、油水送給管1の外面に超電導磁石5を配置している。該超電導磁石5は高温超電導線が巻回されたコイルで形成し、該コイルを超電導温度に冷却する液体窒素を充填した冷却容器6に収容している。該超電導磁石5により、MHD領域Lの油水送給管1内に油水流れ方向Xに磁場Aを発生させている。
【0026】
前記MHD領域Lの油水送給管1では、油水流れ方向Xと直交方向Yで対向する前壁1cの内面と後壁1dの内面とに電極8、9を取り付けている。電極8、9は電源(図示せず)と接続している。
電極8と電極9に通電すると、油水送給管1内には油水流れ方向Xと直交するY方向の電流が流れ、該電流により、フレミングの左手の法則により、上壁1a側から下壁1b側に向けた流れ方向Xと直交するZ方向の下向きZ1の電磁力F1が発生する。
油水送給管1中に流れる油水PWのうち、導電性の海水Wに電磁力F1が作用し、海水Wは下側に集まりながら流れる。一方、海水中に含まれる油Pは絶縁性であるため、下向きの電磁力F1は作用せず、反対方向の上向きZ2の力F2が作用すると共に浮力により、油Pは上側に集まりながら流れる。
よって、上側にあつまる油P、下側に集まる海水WはMHD領域Lより下流において、上側の油送給管3、下側の水送給管4へと分離して流出する。
【0027】
前記油を含む海水からなる油水PWと接触する前記面状の電極8、9は図2に示すように、電極本体10と、該電極本体10の油水接触面となる表面10aに設けた被覆層11とからなる。
前記電極本体10はグラファイトで形成し、グラファイト電極としている。前記被覆層11は水素を含むダイヤモンドライクカーボン(DLC)としている。該DLCは海水Wに対して、特に、耐食性、耐久性に優れたものである。
前記DCLは厚さ0.01μm以上〜100μm以下で電極本体10に塗布、蒸着、アーク蒸着、スパッタリングあるいはプラズマ溶射し、電極本体10と一体化して形成している。
【0028】
前記構成とした油水送給管1に、油Pを海水W中に含む油田随伴水からなる油水PWを流通させると、MHD領域では油水送給管1内で上側に油Pが集まり、下側に海水Wが集まり、油Pと海水Wとを分離しながら流すことができる。分離された油Pは上側の油送給管3へ、海水Wは下側の水送給管4へと分離して排出することができる。このように、油水送液管1に油Pを含む海水Wを流すだけでよいため、大量の油水を高速に分離処理することができる。
特に、海水に接触する電極8、9の表面には海水に対して耐食性、耐久性に優れたDLCからなる被覆層11を設けているため、電極8、9の劣化が防止でき、電極8、9の交換等のメンテナンス頻度を大幅に低減することができる。
【0029】
前記実施形態においては、対向配置する電極8、9は孔の無い無垢状の平板で形成しているが、メッシュ状やエッチングパターンからなる面状電極としてもよい。
また、電極8、9の本体表面に設ける被覆層はTiCで形成してもよい。さらに、被覆層を下層にTiC、上層にDLCを積層した構成としてもよい。
【0030】
図3(A)(B)に第二実施形態を示す。
第二実施形態では、油水送給管1Aを樹脂製の断面円形の筒としている。該油水送給管1AのMHD領域Lには、油水送給管1Aの前後周面には上下および油水の流れ方向に間隔をあけて棒状の電極8、9を一定ピッチで突出している。該電極8、9はそれぞれ電極本体10の表面にTiCからなる被覆層11で被覆している。
また、MHD領域Lの上流端と下流端には、それぞれ油水送給管1Aの内面に、超電導磁石5A、5Bをそれぞれ冷却容器6A、6Bに収容して取り付けている。
前記上下に配置する超電導磁石5A、5Bにより油水流れ方向の磁場を発生させ、前記電極8、9で油水流れ方向Xと直交方向Z1の下向きの電磁力を発生させている。
他の構成および作用は第一実施形態と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
前記第一、第二実施形態とも油田随伴水を油と海水とに分離する場合に用いているが、油を含む淡水の油水分離装置として用いてもよい。その場合、淡水の伝導率を高める導電性成分を投入することが好ましい。これにより、油を含む工場排水や生活排水の処理用として用いることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 油水送給管
3 油送給管
4 水送給管
5 超電導磁石
8、9 電極
10 電極の本体
11 電極の被覆層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油水送給管の外面または内面に超電導磁石を配置して磁場発生領域を設け、該磁場発生領域では油水送給管内を流れる油水に流れ方向Xの磁場を印加する一方、
前記磁場発生領域では、前記油水の流れ方向Xに対して直交方向Yで対向する前記油水送液管の内面に一対の電極を配置し、該電極間に前記油水の流れ方向Xと直交するZ方向の電磁力を負荷し、該電磁力を受ける導電性の水と、該電磁力を受けない絶縁性の油とを分離し、
前記電極は、カーボン、グラファイト、半導体、金属、あるいは耐水性と導電性を有するカーボン含有樹脂からなる本体と、該本体の油水と接する表面に少なくとも水素を含むカーボン、グラファイト、ダイヤモンドライクカーボンあるいは/およびこれらの1種もしくは2種以上のカーボン系材料の被覆層を備えていることを特徴とする油水分離装置。
【請求項2】
前記油水送給管の磁場発生領域には、該油水送給管の油水流れ方向Xを左右方向とすると、直交方向Yの前後内面に面状とした前記電極を配置し、該面状の電極は、無垢状、網目形状あるいはエッチングパターンとしている請求項1に記載の油水分離装置。
【請求項3】
前記超電導磁石および前記電極を配置した前記磁場発生領域の下流で、前記油水送給管に分岐した油送給管と水送給管を設けている請求項1または請求項2に記載の油水分離装置。
【請求項4】
前記油水の油を含む海水である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の油水分離装置。
【請求項5】
油田随伴水を含む海水浄化用あるいはオイルタンカーの海水への漏れ油回収用としている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の油水分離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−194461(P2010−194461A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−42530(P2009−42530)
【出願日】平成21年2月25日(2009.2.25)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】