説明

治療器

【課題】ツボ検出手段と電位治療手段とを使用する治療器では、タイムラグが2秒あり、操作者が取っ手を正確に保持しなければならない等の使用上の制限があり、大変不便であったし、高性能(高出力磁気発生装置)の「電気磁気治療器」を兼ね備える装置は無かった、などの問題点を解決した「治療器」を提供する。
【解決手段】導子先端部の周辺に通電磁性薄膜を形成することで、ツボ検出機能と電位治療器機能とをタイムラグなしに自動的に交互に使用することができ、かつ操作者が簡易に使用することが可能な「治療器」であり、また「電気磁気治療」をも兼ね備え、小型にしてかつ高い磁束を治療者の患部に与え、電気磁気発生コイルはコイル形状を改良し、さらに通電磁性薄膜を周辺に有することで、磁路の効率を飛躍的に上げ、パルス、交流電流に対しても非常に磁気発生の遅れの無い、などの特徴を有する「治療器」とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気的磁気的な治療手段を備えた治療器に係り、より詳細には、効率のよい治療効果、装置の小型化、優れた操作性などが可能となる、ツボ検出手段(機能)、電位治療手段、電気磁気治療手段などを備えた治療器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から周知の「ツボ検出装置(手段、機能)付の電位治療器」「電気磁気治療器」の両方に機能は個別の装置としてあったが、これらを1つの装置に小型に組み込まれた装置は無く、使用者は2つの装置を持たなければならなかった、また「ツボ検出装置(手段、機能)付の電位治療器」においては、1つはツボ検出器と電位治療器、及び電気磁気治療器を一体に構成する場合、必ず取っ手に導電部を設け、特に「ツボ検出時」には必ず使用者がグランドレベル導電部と接触しなければならなかった。先願例としての特開2005-204774号公報には「ツボ検知式電位治療器」が公開されているように、必ず取っ手の部分を利用者が手で持ち、グランドレベルを体に想定して、「ツボ検出」「電位治療」が可能なようになっている。
【0003】
このように、従来製品の場合では、「ツボ検出手段(機能)付の電位治療器、またはツボ検出手段(機能)が付かない電位治療器」と「電気磁気治療器」との両方の機能が必要な場合は、2つの装置が必要であった。また「ツボ検出手段(機能)付の電位治療器」の使用者は必ず取っ手を正確に把持(握持)する必要があり、したがって、その治療範囲は、しっかりと握った状態で治療器の接触可能な範囲の「ツボの位置」に限定されたものとなっていた。そのため、正しく取っ手を把持できない場合は使用ができなくなり、また、他人に「ツボ検出手段(機能)付き治療器」を操作してもらうことができないため非常に不便である、などの問題点があった。
【0004】
さらに、従来製品で「ツボ検出部」と「電位導電部」とが同一先端電極であったものについては、「ツボ検出後」に電位を加え、さらに続いて、連続して「ツボ検出」を行うシーケンスを有するので、同じ導電部の残存電位をツボ検知回路で検知することとなり、回路の破壊の原因となっていた。
先願例である特開2005―204774号公報で公開された「ツボ検知式電位治療器」では、先端部分を「ツボ検出回路」と「高電位回路」とを完全に絶縁の上、先端電極を切り替えることが必要であり、複雑な切り替え回路が必要であった。
【0005】
また、同じ先行例において、回路上必ず一度導電部の高電位を自然放電させ、その後電流検知のプロセスに入らなければならないか、または、一定時間[タイマー]で放置し、放電したころを見はからって、電流検知のプロセスに入る、というものであったが、使用者の皮膚の導電率は、個人差またはそのときの体調などによっても変化することはよく知られており、その放置時間は2秒以上かかり、実用上不便を感じる場合があった。
【0006】
さらに、電気磁気治療器として使用した場合、電気磁気発生部は先端の形状に制限があり、従来コイルは単芯丸線でかつ磁心に対し離れて設置されているため、強い磁気を得ることが困難であった。そのため、磁気を拡散させることなく集中的に患部に照射させることができず、かつ装置の発熱などのために、通電電流限界から結果的に弱い磁気しか照射できず、十分な電気磁気強度が得られなかった。従って、ただ近づけるだけでは治療効果を十分に期待することはできず、患部に直接圧着させて操作しなければ、効果的な、治療が困難であった。
そして、電気磁気発生部の磁気発生コイルへの通電のための配線は、従来の回路ではグランドに対し非常に高いインピーダンスを持つため、ノイズ発生源として作用し装置の安定動作に著しく不利な構造であり、またEMCのエミッション基準に対し悪影響を与えるものであった。
【0007】
【特許文献1】特開2005−204774号公報
【特許文献2】特開平11−4897号公報
【特許文献3】特開2001−340472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような問題点を解決し、「ツボ検出機能付き治療器」としては、操作性に優れ、効率的で良い治療効果が得られ、小型化が可能となる構造を備える「ツボ検出機能を備えた電位治療器または電気磁気治療器」を提供するものである。また、「ツボ検出機能なしの治療器」としても、同様の性能の「電位治療器または電気磁気治療器」が提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるツボ検出手段を備えた治療器では、次のような手段を用いる。
(1)検出用プローブ(a1)と本体(b1)とが一体的に構成され、ツボ検出手段と、電位治療手段および/または電気磁気治療手段と、を備える治療器(A1)であって
前記検出用プローブ(a1)は、金属かつ磁性体からなる棒体状の先端導電子(1)と、この先端導電子(1)の外周側に配設される磁気発生用のコイル(2)と、このコイル(2)の外周側に配設される絶縁体(4)と、を備え、
前記先端導電子(1)は、ツボ検出時の人体接触用の導電子と、電位治療時の導電部位および/または電気磁気治療時の磁気発生部位と、を兼用するように構成される。(図1参照)
【0010】
(1)の治療器において、図15に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とし、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズを、エミッション基準に対して改善の効果を著しくできる。
さらに、フレームグランド82に接続された配線を電子ペンの外部に設けた導電性の把持部81に接続し、「ツボ検出回路」の接地側と接続して電気的に検出をより確実とすることができ、そして、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端部(先端導電子1の最先端部)に、接地側を導電性の把持部81に接続して人体に接続することにより、効果的に機能が発揮される。
【0011】
(2)検出用プローブ(a2〜a7)と本体(b2〜b7)とが一体的に構成され、ツボ検出手段と電位治療手段と電気磁気治療手段と、を備える治療器(A2〜A7)であって、
前記検出用プローブ(a2〜a7)は、金属かつ磁性体からなる棒体状のツボ検出用の先端導電子(1)と、この先端導電子(1)の外周側に配設される磁気発生用のコイル(2)と、このコイルの外周側に配設される絶縁体(4)と、を備え、
前記検出用プローブ(a2〜a7)は、前記絶縁体(4)の外側を取り囲むように配設される円筒形状または円錐立体形状の電位治療用の通電用薄膜体(10)を備え、
前記通電用薄膜体(10)は、前記検出用プローブ(a2〜a7)の中心に配設される前記先端導電子(1)の中心軸と同軸になるよう配置され、前記絶縁体(4)が介在されることによって前記先端導電子(1)とは電気的に絶縁されるよう構成される。(図1〜7参照)
【0012】
(2)の治療器において、図12−1に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とすることができ、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズを、エミッション基準に対して改善の効果を著しくできる。
【0013】
(3)(2)の治療器において、
前記通電性薄膜体(10)は円環状の最先端部(20)を有して、前記通電性薄膜体(100)の最先端部(20)と前記先端導電子(1)の最先端部とは、いずれも人体に接触される配置にして構成され、
前記通電用薄膜体(10)は、ツボ検出時はアース電位に接続され、電位治療時または電気磁気治療時には高電位に切り替えられる。
(4)(1)または(2)の治療器において、
前記絶縁体(4)は樹脂成型により形成され、
その内部の前記コイルは、丸断面、正方形断面、長方形断面のうちいずれかの形状からなるアルミまたは銅製またはその合金の線材からなる。
【0014】
(5)(2)の治療器において、
前記絶縁体(4)がセラミック部材で構成されており、
前記絶縁体(4)上に、前記通電性薄膜体(10)が張り付けられている。
(6)(5)の治療器において、
前記絶縁体(4)上には、前記通電性薄膜体(10)としてフェライト部材または磁性金属部材が張り付けられて構成される。
【0015】
(7)(4)の治療器において、
前記コイル(2)は、前記絶縁体(4)内の磁心(1)の先端部(110)に近傍する第2のコイル(200)と前記本体側の第1のコイル(20)とが連設して配置され、
前記第1のコイル(20)と第2のコイル(200)とは、第1と第2のコイルの間に位置する磁心(1と110)の一部を点で構成するか、または、磁心の外形より面積を減じた部分を設ける構造として構成される。
【0016】
(8)棒体立体形状の本体(b10)と、この本体の側面に設けられる検出用プローブ(a10)とが一体的に構成され、ツボ検出手段/電位治療手段/電気磁気治療手段を備える治療器(A10)であって、
前記検出用プローブ(a10)は、金属かつ磁性体からなる棒体状のツボ検出用の先端導電子(1)と、この先端導電子の外周側に配設される絶縁体(4)と、この絶縁体の外周面側に配設される電位治療用の電気導体(10)と、を備え、
前記本体の前記検出用プローブに近接する片端部(b10')には、前記電気磁気治療のための磁気を発生するコイル(2)が内設されて構成される。
ここで、(8)の治療器(A10)は、より広い範囲でかつ強力な磁気治療が必要な場合に用いられるものであり、「電気磁気コイル部分」をペン形状からなる本体の長手方向の一方端部の内部に設け、「ツボ検出部分及び電位治療部分」を本体から突設して配置させ、2つの部分を別部署に配置させる構造としている。これにより、従来の磁心よりも太い磁心を有し、又コイルもより長く大きくすることを可能としている。(図8,図9参照)
【0017】
(8)の治療器において、図12−1に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とすることができ、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズを、エミッション基準に対して改善の効果を著しくできる。
さらに、フレームグランド82に接続された配線を、電子ペンの絶縁部の外側を取り囲むように配設される円筒形状または円錐立体形状の電位治療用の通電用薄膜体10に接続し、グランド用配線を磁気発生用のコイルの配線材の片側をグランド線6-1として共用することを可能として、電子ペン及び概コネクターの構造を簡易化することを可能にしていることを特徴としている。
【0018】
(9)棒体立体形状の本体(b11)と、この本体の側面に設けられる通電用プローブ(a11)とが一体的に構成され、電位治療手段と電気磁気治療手段とを備える治療器(A11)であって、
前記通電用プローブ(a11)は、前記本体の側面から突設されて、前記電位治療のための電位を供給する導電性導体(M)を備え、
前記本体の前記通電用プローブに近接する片端部(b11')には、前記電気磁気治療のための磁気を発生するコイル(2)が内設されて構成される。
ここで、(9)の治療器(A11)は、ツボ検出手段を備えていないが、電位治療手段及び電気磁気治療手段を備えており、より広い範囲でかつ強力な磁気治療が必要な場合に用いられるものであり、電気磁気コイル部分をペン形状からなる本体の一方端部の内部に設け、「電位治療部分」を本体から突設して配置させ、2つの部分を別部署に配置させる構造としている。これにより、従来の磁心よりも太い磁心を有し、又コイルもより長く大きくすることを可能とし、さらにより構造の簡易化を実現するために、ツボ検出機能を除いたこと特徴としている。(図10,図11参照) また、図10−2は、磁心を直接外部まで延長し、より患部への磁力を強めた構造である。
【0019】
(9)の治療器において、図13、図14に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とすることができ、また、電子ペン部分のEMCのノイズ発生低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズを、エミッション基準に対して改善の効果を著しくできる。
さらに、フレームグランド82に接続された配線は、電子ペンの本体の側面に設けられた導電性の取手(把持部)をグランドに接続し、グランド用配線を磁気発生用のコイルの配線材の片側をグランド線6-1として共用することを可能とし、電子ペン及び概コネクターの構造を簡易化することを可能にしていることを特徴としている。
以上の理由により、構造の小型化及び又は簡易化を実現する。
【0020】
(10)(1)〜(9)いずれかの治療器において、
前記検出用プローブは、前記先端導電子の最先端部を頂点とする円錐または角錐立体形状をなし、
前記本体は、把持または握持可能な棒体立体形状をなし、
前記本体と前記検出用及び/又は通電用プローブとは、前記本体の端部側において、両者の中心軸に角度を設けて一体的に結合され、全体としてペン型の形状として構成される。
【0021】
つぎに、本発明による「治療器」において用いる手段について、より詳しく説明する。
本願発明によれば、「ツボ検出」先端導電電極部と「電位治療器」先端導電部の円筒状の通電薄膜または通電磁性薄膜が絶縁部材で絶縁されており、しかも人体に接触する場合において、「ツボ検出」電極部は中心部に、「電位治療器」は前述したように同軸中心の絶縁部をはさんで同軸周辺部に位置している。そのため、「ツボ検出」の場合、人体の接触部分は両極の距離はほとんど無く、非常に安定した出力が得られるし、また「電位治療器」として使用する場合は、周辺電極はグランドレベルから「高電位」に切り替えられ、中心部の電極はグランドレベルにある。そして、グランドレベルの場合、電位の両端の位置が数mmの至近距離にある為、非常に効果的な治療が可能である。また、使用者が絶縁シート上にいる場合においては、中心の「ツボ電極」が浮遊状態にある場合でも、取っ手の把持部分を人体に接続することにより十分に「電位治療」が可能である。
【0022】
さらに、電気磁気治療器として使用する場合においては、磁心が表面に露出しており、非常に強力な磁界を発生することを可能としている。また、コイルは中心磁心に密着して設置することができ、非常に高効率でかつコイル線の断面を正方形または長方形で構成することにより、電流密度を飛躍的に向上させることができるため、非常に高性能でかつ小型な先端を構成することが可能である。また、周辺部に円筒状の通電薄膜または通電磁性薄膜が蒸着やその他の方法で磁性材料等で覆われる形状の場合は、中心磁極間とで閉磁路を形成し、先端の磁束密度を飛躍的に、向上させる効果を持つことを特徴とする。さらに、電機磁界発生コイルを「ツボ検出部」及び電位治療部材「低周波治療器電極部材」から離間して装置することにより、より大きな、形状、を可能としてより効果の高い治療器を提供することも可能としている。また、図7−2で示されるように、第2のコイルを設置して、交流磁界または直流磁界を形成させることにより、第1のコイルで発生した磁束を集中させて強めたり、逆に弱めたり、また、磁束を拡散させることが可能であり、電気磁気の強度や範囲などを変化させることができるため、より広範囲な治療が可能である。
【0023】
また、先願例の特開平11-4897号等では、可変トランスなどを使用して、磁気強度を可変にしていたが、磁力を連続可変で行う場合には、トランスの鉄心を移動させるなど構造が複雑になり、また、半導体などで磁気を通電電流を可変する場合には、内部抵抗による熱の発生が大きく、さらに主コイルに交流を印加しなければならない。そのため、コイルの持つインダクタンス特性の周波数特性によって、周波数変化に伴い同じ印加電圧でもインピーダンスに差があり、発生する磁気強度に差があった。
【0024】
本願発明においては、電気磁気の照射範囲を広げたり絞ったり、また、磁束密度を強くしたり、弱くしたりなどをすることができ、電気磁気を連続して変化させて治療を行いたい場合においては、第1のコイルの直径と第1のコイルの位置が異なった位置で磁心の直径断面積を減じた部分を設け、より先端の近傍において第1の磁心と同一直径の断面積を有した部分において、磁心の位置に第2のコイルの位置に磁心を持つ不連続の構造を有した第2のコイルに交流または±の直流電流を通電することで、広範囲の治療を可能としている。また、高い周波数においてもインダクタンスが非常に低いため、磁気発生の応答性が非常に高くまた効率のよい磁気発生手段を実現可能にした。
【0025】
この場合、第1のコイルには駆動回路でもっとも効率のよい通電条件で通電することができるため、駆動回路の発熱を抑えることができる。また、先願例特開2001-340472号では空芯のため効率的な磁気発生が困難であったが、本願発明では、高圧電極をかねたまたは別体に構成した中心磁心の素材に磁性軟鉄、または非結晶磁性体[アモルファス金属など]を使用することにより、通常フェライト磁石などでは800ガウス、異方性フェライト磁石でも、2000ガウスが限界であったが、数万ガウス以上の強力な磁束と、照射範囲や強度などを連続可変にすることが可能な前記磁心を持つことが特徴となっている。
【発明の効果】
【0026】
本願発明によると、「ツボ検出装置」部分と「電位治療装置」部分が電気的に絶縁できる構造であり、ツボ検出時の大変微弱な電流検出と電位治療の高電位とが切り分けられているため、両機能の切り替え動作を安全にほぼ同時に行うことが可能となり、回路的に非常に簡易化でき、かつ、破損することが無いことを特徴としており、治療が非常に効果的におこなえる。
また、特に電気磁気治療の場合においては、第1に磁心が表面に露出しており、非常に強力な磁束の発生が可能であり、さらに、上記電位治療器に使用される周辺の絶縁体の表面に、通電性の磁性材料を塗布または蒸着させることにより、閉磁回路の形成が可能となり、発生磁界を飛躍的向上させることができる。
【0027】
そして、本願発明で特徴的なコイル線の断面形状を正方形または長方形で形成することにより、電流密度を飛躍的に向上させ、かつ、通常の丸断面のコイルに比較し、交流磁界またはパルス波の場合の電流の立ち上がりは、高い周波数領域においても瞬時に立ち上げることが可能となり、磁気の瞬時に発生させ、さらには、非常に強力な磁界を形成することが可能な、磁性材料を使用することで、大きな治療効果を持つ電気磁気治療を可能とし、さらに、制御回路における熱損失を低減させることを実現させ、電気磁気装置の絶縁樹脂を電位治療器の絶縁物を兼用させ、それぞれの性能向上と小型化、を特徴とした、電位治療器の実現を可能とした。
【0028】
さらにまた、図12−1に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能としており、また電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズを、エミッション基準に対して改善の効果を著しくすることができる。
そして、フレームグランド82に接続された配線を、電子ペンの外部に設けた導電性の把持部81に接続し、「ツボ検出回路」の接地側と接続して電気的に検出を確実とし、また、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端1(先端導電子)、接地側を導電性の把持部81に接続し、人体に接続することにより、効果的に機能を発揮される特徴を持つ。
【0029】
さらに、棒体立体形状の本体と、この本体の側面に設けられる検出用および/または通電用プローブとが一体的に構成され、この本体の検出用および/または通電用プローブに近接する側の端部には、電気磁気治療のための磁気を発生するコイルが内設されて構成される形態の治療器においては、「電気磁気コイル部位」を棒体立体形状(ペン形状)からなる本体の一方端部の内部に設け、「電位治療部位」はその「電気磁気コイル部位」に近接させて本体から突設して配置させている。このようにして、「電気磁気治療部位」と「電位治療部位」との2つの部位を近接する別々の部位(別部署)に配置させる構造としたことにより、従来の磁心よりも太い磁心を有し、又コイルもより長く大きくすることを可能とし、より広い範囲でかつ強力な電気磁気治療が必要な場合に対応できるようにした。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
<実施例1>
まず、本発明の実施例1にかかる装置A1について、装置A1の断面図(図1-1)および装置A1の先端部100の断面図(図1-2)を参照して、その構造を説明する。この図1に示す治療器(装置A1)では、装置A1は、ツボ検出を行うために、検出用プローブa1の内部に先端導電子1を備えて、その最先端部に検出プローブ先端部を備え、かつ、先端導電子1の最先端部が、電位治療器の導電部を兼ねていて、さらに、電気磁気治療器の磁気発生部分と兼用することができることを特徴としている。
そして、図15に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とし、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズを、エミッション基準に対して改善の効果を著しくできる。
さらに、フレームグランド82に接続された配線を、電子ペンの外部に設けた導電性の把持部81(握持部,取っ手)に接続し、また、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端1(先端導電子)、接地側を導電性の把持部81に接続して人体に接続することにより、効果的な機能を発揮させることができる。
この装置A1は、全体として電位治療用ペンの形態となっていて、検出プローブ先端部1は、先端部100(図1-2を参照)のように、その接触部分が軸直径より広くなっていて、より広い範囲に通電・磁気照射を可能とすることができる。
【0031】
そして、図1の装置A1において、2は電気磁気発生用のコイルであり、4は円錐体または角錐体などの立体形状からなる樹脂性の絶縁材を示し、6はコイルの配線用の線材を示し、6の線材を使用して外部からの電気供給を可能にしている。16は樹脂性の絶縁部材であって、先端部4を保持する補助部材である。5はペン形治療器(装置A1)の本体を示しており、これは樹脂の成型材であっても良い。また、この装置A1は、各構成部材(6、5、3、30、31)を保持して、また、外装部を形成し、特にケーブル(30、31、および/または6)を保持して、32のストレインリリーフを保持しており、装置A1の構造は、上下または左右2対に分割する構成をもっていてもよい。
【0032】
<実施例2>
本発明の実施例2にかかる装置A2(治療器)について、装置A1の断面図(図2-1)および装置A2の先端部100の断面図(図2-2)を参照して、その構造を説明する。この図2のように、装置A2は、検出用プローブa2の内部にある先端導電子1がツボ検出プローブとなっていて、その先端が電位治療器(装置A2)の導子先端20と同軸で中心に位置しており、電位治療器導体の導子先端20は同軸上の絶縁体4で分離されて、周辺にツボ検出導子を取り囲むように配置されていることを特徴としている。
【0033】
また装置A2では、「ツボ検出回路」の検出部と「電位治療器」の高電圧出力部分との間を完全に絶縁しており、切り替え回路などを簡略化でき、かつ故障の少ない回路を実現することを特徴とする(図6で示す)。ここでの樹脂部材4は、検出プローブ先端1(先端導電子)とコイル2とを含み、通電磁性膜10によって周辺を囲まれ、また、保持補助部材6で保持されながら、通電磁性薄膜10は樹脂部材4との間を通って線材11に接続され、この線材11によって外部に配線され、通電磁性薄膜10を外部と接続させている。
【0034】
そして、この装置A2は、(図2-2)に示すように、使用上、検出用プローブa2の先端導電子1の最先端部と通電磁性薄膜10とは、使用者の皮膚1000に対して同時に接触することが可能となり、使用者が取っ手を把持することを特段に意識することを無くして操作でき、また、他人にも装置A2の治療操作が可能となる「治療器」を提供することを特徴としており、この装置A2は電位治療用ペンの構成を備える。
ここで、図12−1に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とし、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズをエミッション基準に対して改善の効果を著しくできる。
さらに、フレームグランド82に接続された配線を、電子ペンの外部に設けた導電性の把持部81に接続し、「ツボ検出回路」の接地側と接続して電気的に検出を可能とし、また、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端1(先端導電子)、接地側を導電性の把持部81に接続し、より正確に人体に接続することにより、効果的な機能が発揮される。
【0035】
<実施例3>
本発明の実施例3にかかる装置A3について、装置A3の断面図(図3-1)および装置A3の先端部100の断面図(図3-2)を参照して、その構造を説明する。この図3のように、装置A3は、電位治療器導体の円筒形の通電磁性薄膜10を備え、この通電磁性薄膜10はツボ検出時には線材11により本体部分(図6参照)でアース電位に接続されていて、電位治療時には本体部分(図6参照)で高電位に切り替えられることが可能である。
【0036】
この場合、検出用プローブa3の先端は先端導電子1によりツボ検出を行い、本体側の制御装置内部に設置されたツボ検出回路(図6で示す)が、ツボ信号を検出した瞬間に警告音を発生し、リレーまたは半導体でツボ検出導子1(先端導電子)の配線31を接地電位まで落とし、ツボ信号を検出した直後、電位治療手段が動作して、配線材11に高電位を供給して治療を開始することが可能である。
本発明による装置A3は、実際の信号を検知しながら動作するため、周知の特許公報の実施例にある既存のタイマーなどによる動作の遅れが無く、さらに、ツボ検知回路への高圧回路信号の重なりによる故障を防ぐことが可能であることを特徴し、電位治療ペンの形態による装置A3を実現する。
【0037】
そして、図12−1に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とし、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズをエミッション基準に対して改善の効果を著しくし、さらに、フレームグランド82に接続された配線を、電子ペンの外部に設けた導電性の把持部81に接続し、「ツボ検出回路」の接地側と接続し電気的に検出を可能としている。また、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端1、接地側を導電性の把持部81に接続し、より正確に人体に接続することにより、効果的な機能が発揮される。
【0038】
<実施例4>
本発明の実施例4にかかる装置A4について、装置A4の断面図(図4-1)、装置A4の先端部100の断面図(図4-2)と拡大断面図(図4-3)、および見取図(図4-4)とを参照して、その構造を説明する。
この図4のように、装置A4の検出用プローブa4の絶縁体4は円錐立体または角錐立体などの形状からなる内部に円筒体形状のコイル2を有する形状の樹脂成型品である。そして、絶縁体4の内部の円筒体形状のコイル2は、アルミ製、銅、または銅合金性の丸断面に、または正方形/長方形断面の形状の場合は断面図に、見取り図4-4で示すように、アルミ線材44は、特殊なフラックスによって、銅線材42と半田付けを行い、接続を可能にしてもよい。前述の構造を持つことによって、性能向上と小型化を特徴とする前記電位治療ペンの形態からなる装置A4を実現する。
【0039】
ここで、図12−1に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とし、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズを、エミッション基準に対して改善の効果を著しくする。さらに、フレームグランド82に接続された配線を、電子ペンの外部に設けた導電性の把持部81に接続し、「ツボ検出回路」の接地側と接続し電気的に検出を可能とし、そして、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端1、接地側を導電性の把持部81に接続し、より正確に人体に接続することにより効果的な機能が発揮される。
【0040】
<実施例5>
本発明の実施例5にかかる装置A5について、装置A5の断面図(図5-1)、装置A5の先端部100の断面図(図5-2)と拡大断面図(図5-3)、および見取図(図5-4)とを参照して、その構造を説明する。
この図5において、装置A5の検出用プローブa5の円錐立体または角錐立体などの形状からなる絶縁体4がセラミック部材で構成されていることを特徴としており、製造上蒸着プロセスにより高温に長時間さらしても耐えられることによって、金属蒸着膜を厚くすることが可能になる。また、高電位において長期間使用しても、樹脂絶縁性が低下することを防止できる、すなわち、当該絶縁体4上に電気導体10が蒸着または他の方法で張り付けられていることを特徴とし、電位治療ペンの形態からなる装置A5を実現する。
【0041】
<実施例6>
本発明の実施例6にかかる装置については、実施例5と同じ図面を用いることとし、装置A6の全体図(図5-1)、先端部100の断面図(図5-2)、拡大断面図(図5-3)、および見取図(図5-4)を参照して、その構造を説明する。
図5の装置A6において、絶縁体(4)上の外側を取り巻くように蒸着された通電磁性薄膜(10)または磁性金属部材(10)が、電気磁気治療時に電気磁気方向を絞り、図5(断面図)に示す磁束40が、中心磁心1と周辺磁性体10との間で特別に強くなり、さらに電気磁気の出力を増幅するように作用することを特徴とするものであり、電位治療ペンの形態からなる装置A5を実現する。
【0042】
ここで、図12−1に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とし、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズをエミッション基準に対して改善の効果を著しく、さらに、フレームグランド82に接続された配線を、電子ペンの外部に設けた導電性の把持部に接続し、「ツボ検出回路」の接地側と接続し電気的に検出を可能とし、そして、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端1、接地側を導電性の把持部81に接続し、より正確に人体に接続することにより、効果的な機能が発揮される。
【0043】
<実施例7>
本発明の実施例7にかかる装置A7については、装置A7の断面図(図7-1)、装置A7の先端部100の断面図(図7-2)、拡大断面図(図7-3)、および見取図(図7-4) を参照して、その構造を説明する。
これらの図に示すように、装置A7の検出用プローブa7の絶縁体4内には、アルミまたは銅製部材コイルからなる第1のコイル20と同軸接続する第2のコイル200とを設け、2つのコイルの中心軸を直線的に接続して、直列的に2つのコイルを連設した構造としている。これらの第1と第2のコイルの間には、磁心に点もしくは磁心の外形より面積を減じた部分を設けており(拡大断面図(図7-3)参照)、第2のコイルに線材20によって交流を通電し、電気磁気治療時に第1のコイルで発生した磁束に第2のコイルで発生させた磁界の影響により磁界の方向と広がりと強弱を決定し、さらに、電気磁気の出力を増幅させるように作用することを特徴とする、電位治療ペンの形態からなる装置A7が構成される。
【0044】
さてここで図6を参照すれば、この図6は、本発明による治療器(A2〜A7)の全体構成図である「装置DC1」を示す図である。
先端部の部位1(先端導電子)は、電位治療器の導子、兼ツボ検出先端部、兼電気磁気治療器の磁気発生部(素材は磁性軟鉄、またはアモルファス磁性体などの磁性部材)を示す。また、図7において、110は、部位1が第1のコイルの磁心であるときに、第2の磁心であることを示す。通電薄膜10は、絶縁部(樹脂またはセラミック)4の表面に施された蒸着または塗布された金属、または通電可能な磁性部材を示し、1000は治療中の患者の皮膚を示し、部位1の電位治療器の導子と通電性の膜10との間で電位が発生し、皮膚1000に通電することが可能となっている。
【0045】
また、導子先端(先端導電子1)の電極は皮膚1000の1点に接触し、また、通電薄膜10は周辺に接触し、図6の切り替えスイッチ51によってツボ検出回路に接続され、つぼ検出機能が動作し、導子を移動させることで、ツボを検出することが可能になっている。また、検出したその瞬間に切り替えスイッチ51によりグランドに切り替わる。この時、切り替えスイッチ52により、高電位発生器55からの高圧は通電薄膜10に通電され、部位1の導子(磁心)はグランドレベルになるため、ツボ検出回路53には高電圧は通電することは無い。
【0046】
したがって、電位治療とツボ検出のタイミングを遅らせること無しに、切り替えスイッチ51で、ツボ検出後直ちに高電圧を印加することが可能であり、また、切り替えスイッチ51を逆にすることによって、さらに、高電圧通電後ただちにツボ検出が可能である。したがって、従来の製品に比較し非常に使いやすい構成になっている。
【0047】
電源54はツボ検出回路用の低ノイズ電源であり、高電位用電源56は高電位用の電源として、図示しないが漏洩電流を防ぐ構造を有する。コイル駆動用回路57は、制御回路60から出されるA/D出力回路からの各種出力波形(交流波形、パルス波、急峻な波形など)をリニアに駆動する回路であり、この波形が崩れ無いように十分な電流を供給できる、コイル用電源58を有する。また、全ての電源系に十分な電流を供給する主電源59を有し、主電源はラインフィルター70を通じて電源プラグ71に接続され、所定のAC電源電圧を外部から供給される。制御回路60は、ツボ検出回路51の入力切り替え、ツボ検出回路53、高電位発生回路制御55、コイル駆動回路57を各種機能を切り替え、またプログラマブルに動作させる機能を有する。
【0048】
ここで、図12−1に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とし、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズをエミッション基準に対して改善の効果を著しくし、さらに、フレームグランド82に接続された配線を、電子ペンの外部に設けた導電性の把持部81に接続し、「ツボ検出回路」の接地側と接続し電気的に検出を可能とし、そして、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端1(先端導電子)、接地側を導電性の把持部81に接続し、より正確に人体に接続することにより、効果的な機能が発揮される。
【0049】
<実施例10>
本発明の実施例10にかかる装置A10について、装置A10の断面図(図8-1)、装置A10の先端部の断面図(図8−2)、および、装置A10を含む治療器全体の構成図(ブロック図)である治療器全体図DC10を参照して、その構造を説明する。
この図8における装置A10は、棒体立体形状の本体(b10)と、この本体の側面に設けられる検出用プローブ(a10)とが一体的に構成され、ツボ検出手段/電位治療手段/電気磁気治療手段を備える治療器であって、この本体の検出用プローブ(a10)に近接する片端部(b10')には、電気磁気治療のための磁気を発生するコイル(2)が内設されて構成されている。また、装置A10の検出用プローブ(a10)の突設される先端部(先端導電子1)は絶縁体4で構成されており、当該絶縁体4の外周上に電気導体10が蒸着または他の方法で張り付けられていることを特徴としている。そして、この図8の構成を備える装置A10は、電位治療ペンの形態からなる治療器を実現する。
この装置A10(治療器)は、「ツボ検出手段と、および/または、電位治療手段と電気磁気治療手段」を兼ね備える装置で、より広範囲且つ強力な治療箇所に電気磁気の照射が必要な場合に有効であり、図示したように、コイル及び磁心を治療ペン先端に位置させて、より太い磁心及び大きなコイルを実現することができる。
【0050】
ここで、図12−2に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とし、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズをエミッション基準に対して改善の効果を著しくし、さらに、フレームグランド82に接続された配線を電子ペンの外部に設けた導電性の把持部81に接続し、「ツボ検出回路」の接地側と接続し電気的に検出を可能とし、そして、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端1(先端導電子)、接地側を導電性の把持部81に接続し、より正確に人体に接続することにより効果的な機能を発揮される。
【0051】
<実施例11>
本発明の実施例11にかかる装置A11について、図10における装置A11の断面図(図10−1)、装置A11の先端部の断面図(図10−2)、および、図11における装置A11を含む治療器全体の構成図(ブロック図)である治療器全体図DC11を参照して、その構造を説明する。
図10の装置A11(治療器)は、棒体立体形状の本体(b11)と、この本体の側面に突出して設けられる通電用プローブ(a11)とが一体的に構成され、電位治療手段と電気磁気治療手段とを備える治療器である。そして、この本体の通電用プローブ(a11)に近接する片端部(b11')には、電気磁気治療のための磁気を発生するコイル(2)が内設されて構成されている。また、この通電用プローブ(a11)は、本体(b11)の側面から突設されて電位治療のための電位を供給する金属性導体(M)を備え、この本体(b11)の通電用プローブ(a11)に近接する側にある片端部(左端部の(b11'))には、電気磁気治療のための磁気を発生するコイル(2)が内設されて構成されている。
この装置A11(治療器)は、ツボ検出手段を有しておらず、「電位治療手段」と「電気磁気治療手段」とを兼ね備える装置である。より広範囲且つ強力な治療箇所に電気磁気の照射が必要な場合には、図示したようにコイル及び磁心を治療ペン先端に位置させることにより、簡易化したより太い磁心及び大きなコイルを実現することができる。
【0052】
ここで、図13及び図14は、「装置A11(実施例11)」において、コイル配線を接地した例を示す装置全体の構成図である。
これらの図13、14に示すように、磁気発生用のコイル2の配線材の片側6-1を装置内部でフレームグランド82に接地し、コイル配線の対地インピーダンスを片側を0、反対側6-2をコイルインピーダンス(コイル交流抵抗)とすることで、極力グランド82に対し0Ωに近づけ、6-1及び6-2がノイズ発生源となることを防止することを可能とし、また、電子ペン部分のEMCのノイズ低減により、装置全体(電子ペン及び装置本体)の放射ノイズをエミッション基準に対して改善の効果を著しくし、さらに、フレームグランド82に接続された配線を、電子ペンの外部に設けた導電性の把持部81に接続し、そして、電子ペンが電位治療(低周波治療)時に高圧側をプローブ先端、接地側を導電性の把持部81に接続し、より正確に人体に接続することにより、効果的な機能が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施例1にかかる装置A1を示す構造図であり、(図1-1)は装置A1の断面図、(図1-2)は装置A1の先端部100の断面図である。
【図2】本発明の実施例2にかかる装置A2を示す構造図であり、(図2-1)は装置A2の断面図、(図2-2)は装置A2の先端部の断面図である。
【図3】本発明の実施例3にかかる装置A3を示す構造図であり、(図3-1)は装置A3の断面図、(図3-2)は装置A3の先端部の断面図である。
【図4】本発明の実施例4にかかる装置A4を示す構造図であり、(図4-1)は装置A4の断面図、(図4-2)は装置A3の先端部100の断面図、図4-3は同じく先端部100の拡大断面図、および(図4-4)は見取図である。
【図5】本発明の実施例5にかかる装置A5を示す構造図であり、(図5-1)は装置A5の断面図、(図5-2)は装置A5の先端部100の断面図、(図5-3)は同じく拡大断面図、および(図5-4)は見取図である。また、装置A6もこの図5を用いて説明される。
【図6】「装置A2〜装置A7(実施例1〜7)」を含んだ治療器全体の構成図である装置全体図DC1を示す図である。
【図7】本発明の実施例7にかかる装置A7を示す構造図であって、(図7-1)は装置A7の断面図、(図7-2)は装置A7の先端部100の断面図、(図7-3)は拡大断面図、(図7-4)は局部拡大断面図、(図7-5)は見取図である。
【図8】本発明の実施例10にかかる装置A10を示す構造図であって、(図8-1)は装置A10の断面図であり、(図8-2)は装置A10の先端部の断面図である。
【図9】装置A10(実施例10)」を含んだ治療器全体の構成図である装置全体図DC10を示す図である。
【図10】本発明の実施例11にかかる装置A11を示す構造図であって、(図10-1)は装置A11の断面図であり、(図10-2)は装置A11の先端部の断面図である。
【図11】装置A11(実施例11)」を含んだ治療器全体の構成図である装置全体図DC11を示す図である。
【図12−1】「装置A2〜装置A7、装置A10(実施例1〜7、10)」において、コイル配線を接地した例を示す装置全体の構成図である。
【図12−2】「装置A10、装置A11」において、コイル配線を接地した例を示す装置全体の構成図である。
【図13】「装置A11(実施例11)」において、コイル配線を接地した例を示す装置全体の構成図である。
【図14】「装置A11(実施例11)」において、コイル配線を接地した例を示す装置の拡大構成図であり、(図14-1)は断面図を含む装置A11の構成図、(図14-2)は装置A11の先端部の断面図、(図14-3)は装置A11の把持部81周辺の外観斜視図である。
【図15】「装置A1(実施例1)」において、コイル配線を接地した例を示す構成図であり、(図15-1)は断面図を含む装置の構成図、(図15-2)は装置A1の先端部100の断面図、(図15-3)は装置A1の把持部81周辺の外観斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
A1〜A7、A10、A11 本発明による装置(治療機)
a1〜a7、a10、a11 検出用プローブ(検出プローブ)
b1〜b7、b10、b11 本体
1 先端導電子
2 コイル
3 先端導電子の接続部
4 絶縁部材(樹脂部材)
5 コイル配線用の線材
6 線材(保持補助部材)
6-1、6-2 コイルの配線材
10 通電用薄膜体 (通電薄膜、通電磁性薄膜、電位治療用の電気導体)
11 線材
16 絶縁部材(補助部材)
20 導子先端
30、31 ケーブル
32 ストレインリリーフ
100 先端部
200 第2のコイル(アルミまたは銅製部材コイル)
DC1 治療器全体図(ツボ検出機能付の電位治療器または電気磁気治療器)
DC10 治療器全体図(ツボ検出機能付の電位治療器または別体電気磁気治療器)
DC11 治療器全体図(電位治療器または別体電気磁気治療器)
81 導電性の把持部
82 フレームグランド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出用プローブと本体とが一体的に構成され、ツボ検出手段と、電位治療手段および/または電気磁気治療手段と、を備える治療器であって、
前記検出用プローブは、金属かつ磁性体からなる棒体状の先端導電子と、この先端導電子の外周側に配設される磁気発生用のコイルと、このコイルの外周側に配設される絶縁体と、を備え、
前記先端導電子は、ツボ検出時の人体接触用の導電子と、電位治療時の導電部位および/または電気磁気治療時の磁気発生部位と、を兼用するように構成される、ことを特徴とする治療器。
【請求項2】
検出用プローブと本体とが一体的に構成され、ツボ検出手段/電位治療手段/電気磁気治療手段を備える治療器であって、
前記検出用プローブは、金属かつ磁性体からなる棒体状のツボ検出用の先端導電子と、この先端導電子の外周側に配設される磁気発生用のコイルと、このコイルの外周側に配設される絶縁体と、を備え、
前記検出用プローブは、前記絶縁体の外側に配設される円筒形状または円錐立体形状の電位治療用の通電用薄膜体を備え、
前記通電用薄膜体は、前記検出用プローブの中心に配設される前記先端導電子の中心軸と同軸になるよう配置され、前記絶縁体が介在されることによって前記先端導電子とは電気的に絶縁されるよう構成される、ことを特徴とする治療器。
【請求項3】
請求項2に記載の治療器において、
前記通電性薄膜体は円環状の最先端部を有して、前記通電性薄膜体の最先端部と前記先端導電子の最先端部とは、いずれも人体に接触される配置にして構成され、
前記通電用薄膜体は、ツボ検出時はアース電位に接続され、電位治療時または電気磁気治療時には高電位に切り替えられる、ことを特徴とする治療器。
【請求項4】
請求項1または2に記載の治療器において、
前記絶縁体は樹脂成型により形成され、
その内部の前記コイルは、丸断面、正方形断面、長方形断面のうちいずれかの形状からなるアルミまたは銅製の線材からなる、ことを特徴とする治療器。
【請求項5】
請求項2に記載の治療器において、
前記絶縁体がセラミック部材で構成されており、
前記絶縁体上に、前記通電性薄膜体が張り付けられている、ことを特徴とする治療器。
【請求項6】
請求項5に記載の治療器において、
前記絶縁体上には、前記通電性薄膜体としてフェライト部材または磁性金属部材が張り付けられて構成される、ことを特徴とする治療器。
【請求項7】
請求項4に記載の治療器において、
前記コイルは、前記絶縁体内の磁心の先端部に近傍する第2のコイルと前記本体側の第1のコイルとが連設して配置され、
前記第1のコイルと第2のコイルとは、第1と第2のコイルの間に位置する磁心の一部を点で構成するか、または、磁心の外形より面積を減じた部分を設ける構造として構成される、ことを特徴とする治療器。
【請求項8】
棒体立体形状の本体と、この本体の側面に設けられる検出用プローブとが一体的に構成され、ツボ検出手段/電位治療手段/電気磁気治療手段を備える治療器であって、
前記検出用プローブは、金属かつ磁性体からなる棒体状のツボ検出用の先端導電子と、この先端導電子の外周側に配設される絶縁体と、この絶縁体の外周面側に配設される電位治療用の電気導体と、を備え、
前記本体の前記検出用プローブに近接する片端部には、前記電気磁気治療のための磁気を発生するコイルが内設されて構成される、ことを特徴とする治療器。
【請求項9】
棒体立体形状の本体と、この本体の側面に設けられる検出用プローブとが一体的に構成され、電位治療手段と電気磁気治療手段とを備える治療器であって、
前記検出用プローブは、前記本体の側面から突設されて、前記電位治療のための電位を供給する金属性導体を備え、
前記本体の前記検出用プローブに近接する片端部には、前記電気磁気治療のための磁気を発生するコイルが内設されて構成される、ことを特徴とする治療器。
【請求項10】
請求項1に記載の治療器において、
前記磁気発生用のコイルの配線材の片側を装置内部でフレームグランドに接地し、このコイルの配線材の対地インピーダンスを片側を0、反対側をコイルインピーダンスとして、前記フレームグランドに対して0Ωに近づけ、さらに、前記フレームグランドに接続された配線材を外部に設けた導電性の把持部に接続し、電位治療時に高圧側をプローブ先端に、接地側を導電性の前記把持部に接続する、ことを特徴とする治療器。
【請求項11】
請求項2、4〜9いずれかに記載の治療器において、
前記磁気発生用のコイルの配線材の片側を装置内部でフレームグランドに接地し、コイルの配線材の対地インピーダンスを片側を0、反対側をコイルインピーダンスとすることで、前記フレームグランドに対して0Ωに近づけ、さらに、前記フレームグランドに接続された配線材を前記通電用薄膜体に接続し、前記磁気発生用のコイルの配線材の片側をグランド線として共用する、ことを特徴とする治療器。
【請求項12】
請求項1〜11に記載の治療器において、
前記検出用プローブは、前記先端導電子の最先端部を頂点とする円錐または角錐立体形状をなし、
前記本体は、把持または握持可能な棒体立体形状をなし、
前記本体と前記検出用プローブとは、前記本体の端部側において、両者の中心軸に角度を設けて一体的に結合され、全体としてペン型の形状として構成される、ことを特徴とする治療器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12−1】
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【図12−2】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−212347(P2008−212347A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53095(P2007−53095)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(507070009)
【Fターム(参考)】