説明

治療薬

【課題】 RAMP−CLRL相互作用に影響する能力を有する治療薬を同定する。
【解決手段】 本発明は、RAMP(レセプター活性を変調させるタンパク質)タンパク質の、カルシトニンレセプター様レセプター(SRLR)に対する効果を変調させる薬剤に関するものである。また、本発明には、そのような薬剤の方法及び使用、並びに、そのような薬剤を同定するためのアッセイ方法も包含される。本明細書において開示される薬剤は、例えば、ガン、肥満症、及び他の疾患の治療において使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アドレノメデュリン仲介シグナル伝達に関連する細胞表面ポリペプチドに基づく治療薬及び治療薬を同定するスクリーニングアッセイに関する。
【背景技術】
【0002】
細胞シグナル伝達は生存にとって重要であり、それが無いと、物理的又は化学的に単離された細胞はアポトーシスを受ける。癌細胞においては多くの接触依存的プロセスが異常となっているが、腫瘍の80%における細胞の生存にはアドレノメデュリン媒介シグナル伝達が必須であることがわかっている。多くのホルモン及びサイトカインが特異的受容体に結合するが、アドレノメデュリン(AM)はカルシトニン受容体様受容体(CRLR)として知られた受容体を介して作用する。
【0003】
カルシトニン生物活性ペプチドは、カルシトニン、アミリン、2つのカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP1及びCGRP2)、及びアドレノメデュリン(AM)を含む。カルシトニンは、32アミノ酸のペプチドであり、哺乳動物及び多くの非哺乳動物の甲状腺の傍濾胞「C」細胞に見出される。カルシトニンは、ミネラル(カルシウム及びリン酸塩)バランスを調節する。カルシトニンは、破骨細胞誘発性の骨吸収の阻害剤として作用することにより高カルシウム血症を引き起こす。CGRPは、カルシトニン遺伝子の組織特異的プロセッシングによって生成される37アミノ酸である。カルシトニンは、甲状腺の主要産物であるが、CGRPは神経組織の主要産物である。CGRPは、潜在的な心臓血管薬であり、アミリンに類似する構造を有する。CGRPは2tunoアイソフォーム(CGRP−I及びCGRP−II)が見出され、これらは3アミノ酸が相違するのみである。
【0004】
アドレノメデュリン(AM)は、52アミノ酸の降圧ペプチドである。それはCGRP及びアミリンと構造的な類似性を有している。AMは、末梢組織、副腎髄質、肺、及び腎臓で生成され、虚血において調節されない。AMの受容体は多くの組織、例えば、中枢神経系の星状細胞、眼の虹彩筋肉、骨、血管、心臓、腎臓及び皮膚に存在する(Uchikawa et al.,Clin EExp Pharmacol Physiol. 2005 Aug;32 (8):675−80; Sumanas et al., Blood. 2005 JuI 15;106(2):534−41; Cornish J, Reid J Musculoskelet Neuronal Interact. 2001 Sep;2(l): 15−24; Yoshihara et al., Regul. Pept. 2005 Apr 15;127(l−3):239−44; Matsumoto et al., Clin Exp Nephrol. 2004 Dec;8(4):316−21; Muller et al., Br J Dermatol. 2003 Jan;148(l):30−8)。一般に、カルシトニンファミリーのペプチドは、ジスルフィドを含む6−7アミノ酸のN末端環構造及びアミド化されたC末端を有する。
【0005】
カルシトニンファミリーのペプチドは、G−タンパク連結型膜レセプター(GRCRs)を介して作用する。カルシトニンレセプターの遺伝子はクローニングされている。それは、ファミリー「B」においてGPCRsとホモログであり、典型的には調節ペプチド(セクレチン、グルカゴン、VIP)を認識する。カルシトニン受容体のホモログ、カルシトニン受容体様受容体(CRLR、CLとしても知られる)が同定され(ヒト461アミノ酸、ラット/マウス463アミノ酸)、カルシトニン受容体と55%の相同性を有している(Njuki et al., Clin. Sci. 85, 385−388 (1993); Chang et al., Neuron 11, 1187−1195 (1993); Fluhmann et al., Biochem. Biophys. Res. Comun. 206, 341−347 (1995); Kapas et al., J. Biol. Chem. 270, 25344− 25347 (1995))。GPCRのファミリー「A]クラスの2つの関連するメンバー、RDC1及びG1ODは、各々CGRP及びAMの受容体として同定された。
【0006】
唯一、CRLRは、AMに対する応答においてシグナルを変換できず、CRLRのリガンド特異性、結合及び活性化を誘発するためにRAMP(レセプター活性変調タンパク質)の存在が必要とされるからである。RAMPは、小さな固有の膜タンパク質のファミリーであり、14,000〜17,0000Kdの推定サイズを持つ。RAMPは約120アミノ酸から構成され、およそ100アミノ酸の大きな細胞外ドメイン、1つの膜スパンニングドメイン、及び約10アミノ酸の短い細胞内領域を有する。
【0007】
CRLRは、RAMPファミリー、RAMP1−3のどのメンバーが発現されるかによって、CGRPレセプター又はAMレセプターのいずれかとして作用しうることが示された。RAMP1、2及び3は、N末端シグナルペプチド、細胞外N末端、C末端近傍の単一の膜貫通ドメイン、及び細胞質C末端、を含む。RAMP1−3は31%の同一性を示す。RAMP−2及びRAMP−3は、約30%の同一性を有する。RAMPsはCRLRの原形質膜への輸送に関連している可能性がある。
【0008】
RAMPファミリーの3つのメンバー、RAMP1、2及び3は、CRLRの異なるリガンド特異性を生じさせる。即ち:
RAMP1 + CRLR = CGRP受容体
RAMP2 + CRLR = AM 受容体
RAMP3 + CRLR = AM受容体
である。
RAMP1は、原形質膜においてCRLRを末端グリコシル化、成熟糖タンパク質及びCGRP受容体として表現するが、TAMP−2及び3はCRLRを未成熟な中心グリコシル化ADM受容体として表現する(McLatchie et al., 1998)。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、RAMP−CLRL相互作用に影響する能力を有する治療薬の同定に関する。そのような薬剤は、特に、癌治療のターゲットである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】RAMP1のDNA配列(上)(配列番号:1)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:2)を示す図である。
【図2】RAMP2のDNA配列(上)(配列番号:3)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:4)を示す図である。
【図3】RAMP3のDNA配列(上)(配列番号:5)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:6)を示す図である。
【図4】RAMP1の細胞外ドメイン(ECD)領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:7)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:8)を示す図である。
【図5】RAMP2の細胞外ドメイン(ECD)領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:9)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:10)を示す図である。
【図6】RAMP3の細胞外ドメイン(ECD)領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:11)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:12)を示す図である。
【図7A】RAMP1の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:13、14、15、16、17、18、19及び20)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:21、22、23、24、25、26、27及び28)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図7B】RAMP1の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:13、14、15、16、17、18、19及び20)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:21、22、23、24、25、26、27及び28)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図7C】RAMP1の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:13、14、15、16、17、18、19及び20)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:21、22、23、24、25、26、27及び28)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図8A】RAMP2の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:29、30、31、32、33、34、35、36及び37)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:38、39、40、41、42、43、44、45、46及び47)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図8B】RAMP2の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:29、30、31、32、33、34、35、36及び37)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:38、39、40、41、42、43、44、45、46及び47)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図8C】RAMP2の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:29、30、31、32、33、34、35、36及び37)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:38、39、40、41、42、43、44、45、46及び47)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図9A】RAMP3の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:48、49、50、51、52、53、54及び55)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:56、57、58、59、60、61、62及び63)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図9B】RAMP3の細胞外ドメイン(ECD)の切断されたN末端領域に対応するDNA配列(上)(配列番号:48、49、50、51、52、53、54及び55)及び該DNA配列にコードされるアミノ酸配列(下)(配列番号:56、57、58、59、60、61、62及び63)を示す図である。断片の長さは太字で示した。
【図10A】CRLRのDNA配列(上)(配列番号:64)及びアミノ酸配列(下)(配列番号:65)を示す図である。
【図10B】CRLRのDNA配列(上)(配列番号:64)及びアミノ酸配列(下)(配列番号:65)を示す図である。
【図11】マウス抗−RAMPポリクローナル抗体についてのELISAデータを示す図である。
【図12】ポリクローナル抗−RAMP−3抗体の、ヒトMG63骨肉腫細胞のおけるアデノメジュリンが環状AMPを増大させる効果を調節する能力を試験した結果を示すグラフである。全ての抗体がアデノメジュリンの効果を減少させた。
【図13】モノクローナル抗−RAMP−3抗体の、(増殖部位にマッピングされるミトコンドリアスクシネートデヒドロゲナーゼのMTTアッセイに基づいて)増殖阻害を油発する能力を試験した結果を示すグラフである。1:50の濃度は約50ngの最終濃度に等しい。
【図14】マウス1からのポリクローナル抗体のウエスタンブロットである。
【図15】マウス2からのポリクローナル抗体のウエスタンブロットである。
【図16】マウス3からのポリクローナル抗体のウエスタンブロットである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第一の態様では、(i)RAMP−3、(ii)RAMP−2及び(iii)RAMP−1タンパク質から選択される1又は複数のRAMPタンパク質(受容体活性調節タンパク質)のカルシトニン受容体様受容体(CRLR)と結合、及び/又は影響を調節することができる薬剤が提供される。
一実施態様では、薬剤はRAMPタンパク質の細胞外ドメインと結合する。特別な実施態様では、RAMPタンパク質はヒトRAMPタンパク質である。特に、薬剤はRAMP−3とCRLRとの相互作用を調節することができる。
【0012】
一実施態様では、本発明の薬剤は、
(a)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置1から位置31の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から31アミノ酸残基のペプチド部分、
(b)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置32から位置46の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から15アミノ酸残基のペプチド部分、及び
(c)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置47から位置99の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から53アミノ酸残基のペプチド部分、
から選択される少なくとも1つのリガンドと結合する。
【0013】
一実施態様では、薬剤は、
(a)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置1から位置32の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から32アミノ酸残基のペプチド部分、
(b)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置33から位置46の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から14アミノ酸残基のペプチド部分、及び
(c)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置47から位置99の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から53アミノ酸残基のペプチド部分、
から選択される少なくとも1つのリガンドと結合する。
【0014】
典型的には、ペプチド部分は5から15アミノ酸長の間である。ペプチド部分(a)、(b)及び(c)は、互いに独立して、5、6、7、8、9、10、11、12、13又は14アミノ酸残基を持つことができる。それらは、5から13、5から11又は5から9残基、例えば13アミノ酸残基、11アミノ酸残基又は9アミノ酸残基を持つことができる。また、ペプチド部分(a)、(b)及び(c)が(互いに独立して)、5、6、7、8、10、12、14又は15アミノ酸残基を持つものも本発明の範囲内である。ペプチド部分(a)、(b)及び(c)について、より大きなアミノ酸残基の数も可能であり、17、18、19、20、25間30残基を含む。ペプチド部分(c)は、より大きな数のアミノ酸残基を持つことができ、例えば、31、32、35、40、45、50及び53アミノ酸残基を含む。本発明の薬剤は、本明細書に記載したペプチド部分の少なくとも一つを含むエピトープに結合しうる。
【0015】
ペプチド部分(b)は、推定CRLR結合ドメインの全部又は一部を含み得る。薬剤は、ヒトカスパーゼ−3及びヒトカルパイン−1を用いてRAMP−3細胞外ドメインを酵素消化することによって生成されるヒトRAMP−3の断片に結合しうる。
また、
(a)次のアミノ酸配列:GCPRAGGCNE TGMLERLPLC GKAFADMMGK VDVWKWCNLに含まれる連続配列を含む1から15のアミノ酸残基のペプチド部分;及び
(b)次のアミノ酸配列:ESFT NCTEMEANW GCYWPNPLAQ GFITGIHRQF FSNCTVDRVH LEDPPDEVLに含まれる連続配列を含む1から15のアミノ酸残基のペプチド部分
から選択されるペプチド部分の少なくとも一つに結合する薬剤も本開示に含まれる。
上記の配列は、例えば図3のアミノ酸配列を含むRAMP−3に含まれている。
【0016】
本発明の薬剤は、任意に、以下の2つの可能性のうち1又はそれ以上を持つ。
1.前記RAMP及びCRLRタンパク質を発現するSW−13細胞の増殖を少なくとも10%阻害でき、前記増殖はMTT細胞増殖アッセイを用いて測定される。
2.アドレノメデュリン投与に応答したヒトMG63骨肉腫細胞におけるcAMP生成を、薬剤無しでアドレノメデュリン投与に比較して、少なくとも約15%阻害できる。
薬剤は、RAMPタンパク質、例えばRAMP−3に結合できてもよい。一実施態様では、薬剤はRANP−3の細胞外ドメイン、例えば図3のアミノ酸残基1〜99を含む配列に結合できてもよい。
本明細書に記載するデータは、一方はRAMP−3とCRLRとの間の相互作用、他方はRAMP−3/CRLR結合複合体とアドレノメデュリン等のリガンドとの間のいずれかの阻害剤がガン及び血管新生の防止に用途を有することを示す。このような薬剤は、糖尿病の兆候、例えば糖尿病性細小血管障害の緩和を含む糖尿病の治療にも用途を有する。
【0017】
本発明の一態様によると、カルシトニン受容体様受容体(CRLR)の機能に対するポリペプチドの影響を調節する薬剤であって、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド:
からなるのグループより選択される薬剤が提供される。
【0018】
本明細書で使用される「CRLR機能又は活性」とは、CRLRの全ての生物学的活性を指す。特異的な「機能」は、リガンドに対するCRLR活性化を含み、リガンドの例として、アデノメジュリン(AM)及びCGRPが含まれる。典型的には、AM又はCGRPに対するCRLR活性化は、cAMP発現及び他の第二のメッセンジャーシステムの活性化を含む。
【0019】
AM又はCGRP等のリガンドは本発明のポリペプチド、即ちRAMPタンパク質に結合するので、当該ポリペプチドがCRLRに結合したときのみ、本発明の薬剤を変調、例えばRAMPタンパク質のCRLRとの結合の阻害のために使用することができる。RAMPタンパク質、例えばRAMP−1、RAMP−2及びRAMP−3のCRLRとの結合を阻害することにより、CRLR活性化に影響を与え、例えば、抑制又は抑止することができる。前記の阻害は、例えば、RAMPタンパク質上、CRLR上、及び/又はRAMP/CRLR複合体内のリガンド結合部位を直接又は間接的にブロックした結果であってもよい。一実施態様では、薬剤は、RAMP−3タンパク質のCRLR結合領域ではない細胞外ドメインのアミノ酸配列に結合する。それに代わる実施態様では、薬剤はアゴニストであってもよく、即ち、RAMP/CRLR受容体とリガンドとの相互作用を模倣し、よってCRLR受容体の刺激及び受容体による増加した又は通常でないシグナル伝達を導いてもよい。
【0020】
好ましい実施態様では、薬剤は抗体物質である。一実施態様では、抗体物質はRAMP−3と結合する。抗体は、RANP−3に特異的に結合してもよい。
本明細書の開示範囲には、医薬として使用するための薬剤が含まれる。
【0021】
本発明の更なる態様では、薬剤芽、例えば抗体物質又はタンパク質、例えば融合タンパク質である場合、本発明の薬剤の発現のために適合されたベクターが提供される。また本発明は、本明細書に記載されるベクターでトランスフォーム又はトランスフェクトされた細胞も提供する。
本発明の更なる態様では、本明細書に記載するような薬剤、例えば抗体の製造方法が提供される。
【0022】
幾つかの実施例の詳細な説明
本明細書では以下の用語及び略語が使用される。
定義
特に断らない限り、技術用語は従来の用途に従って使用される。分子生物学における共通の用語の定義は、例えば、Benjamin Lewin, Genes V, published by Oxford University Press, 1994 (ISBN 0−19− 854287−9); Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, published by Blackwell Science Ltd. ,1994 (ISBN 0−632−02182−9); 及びRobert A. Meyers (ed. ), Molecular Biology and Biotechnology : a Comprehensive Desk Reference, published by VCH Publishers, Inc., 1995 (ISBN 1−56081−569−8)に見出すことができる。免疫学の分野の当業者に知られた定義及び追加情報は、例えば、Fundamental Immunology, W. E. Paul, ed. , fourth edition, Lippincott−Raven Publishers, 1999に見出される。
【0023】
抗体断片(特異的抗原結合性を持つ断片):様々な抗体断片が同定されており、Fab、(Fab’)2、Fv、dsFV、一本鎖Fv(scFv)及びシングルドメイン抗体を含むドメイン抗体を含む。これらの抗体断片は、以下のとおりに定義される:(1)Fab:完全な軽鎖および一方の重鎖の一部を得るために、全抗体を酵素パパインで消化することによって、または同等に遺伝子操作によって生じる、抗体分子の一価の抗原結合断片を含む断片、(2)Fab’:完全な軽鎖および重鎖の一部を得るために、全抗体をペプシンで処理し、続いて還元することによって得られる、抗体分子の断片(抗体1分子あたり2つのFab’断片が得られる)、(3)(Fab’)2:全抗体を酵素ペプシンで処理し、続いて還元しないことによって、または同等に遺伝子工学によって得られる抗体の断片、(4)F(Ab’)2:ジスルフィド結合によって結合している2つのFAb’断片の二量体、(5)Fv:2つの鎖として表される軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域を含む遺伝子操作された断片。dsFV:ジスルフィド結合によって連結している軽鎖の可変領域および重鎖の可変領域ならびに(6)一本鎖抗体(「SCA」):遺伝子融合された一本鎖分子として、適したポリペプチドリンカーによって連結している軽鎖の可変領域、重鎖の可変領域を含む遺伝子操作された分子。一本鎖抗体は一本鎖可変断片(scFv)とも呼ばれ得る。
【0024】
シングルドメイン抗体は、その相補性決定領域が一本鎖ドメインポリペプチドの一部である抗体である。例として、それだけには限らないが、重鎖抗体、天然に軽鎖を欠いている抗体、従来の4鎖抗体から誘導した単一ドメイン抗体、遺伝子操作された抗体および抗体から導いたもの以外の単一ドメインスキャフォールドが挙げられる。単一ドメイン抗体は、当技術分野のいずれであってもよく、または任意の未来の単一ドメイン抗体であってもよい。単一ドメイン抗体は、それだけには限らないが、マウス、ヒト、ラクダ、ラマ、ヤギ、ウサギ、ウシを含め、いずれの種に由来するものであってもよい。単一ドメイン抗体は、軽鎖を欠いている重鎖抗体として知られる、天然に存在する単一ドメイン抗体であってもよい。このような単一ドメイン抗体は、例えば、WO9404678に開示されている。これらの断片を作製する方法は、当技術分野では常法として用いられている。
【0025】
dAB (ドメイン抗体)は、抗体の最小の機能的結合単位であり、ヒト抗体の重鎖(VH)又は軽鎖(VL)のいずれかの可変領域に相当する。ドメイン抗体は、約13kDaの分子量、すなわち、全抗体の大きさの1/10未満を有する。ドメイン抗体は、2種の治療標的と結合するdAbを含み得る。これらとして、IgG様分子、PEG化融合タンパク質および抗血清アルブミン融合タンパク質が挙げられる。IgG様抗体では、2種の可変ドメインが、各IgGのアーム上で2種の治療標的と結合する。
【0026】
細胞株/細胞培養:「細胞株」又は「細胞培養」は、インビトロで成長又は維持された、より高等な真核生物細胞である。細胞の後代は、親細胞と完全に同一でない(形態学的に、遺伝子型的に、または表現型的にのいずれかで)場合もあると理解される。「異種」とは、比較される実体の残りと、遺伝子型的に別個の実体に由来することを意味する。例えば、ポリヌクレオチドは、遺伝子工学技術によって、異なる供給源に由来するプラスミドまたはベクター中に配置することができ、これは、異種ポリヌクレオチドである。その天然コード配列から取り出され、天然には、連結して見られないコード配列と作動可能に連結しているプロモーターは、異種プロモーターである。「単離された」ポリヌクレオチドまたはポリペプチドとは、天然に関連している物質を実質的に含まないものである。実質的に含まないとは、天然に関連している物質を、少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、さらにより好ましくは少なくとも90%含まないことを意味する。
【0027】
相補性決定領域(CDR):CDRは、結合した抗体の三次元構造と相補的な抗原結合表面を形成する抗体分子の可変軽鎖(VL)及び可変重鎖(VH)領域のいずれかにある3つの超可変領域である。これらの相補性決定領域は、重鎖または軽鎖のN末端から進んで、それぞれ、「CDR1」、「CDR2」および「CDR3」として示される。CDRは、抗原抗体結合に関与しており、CDR3は、抗原抗体結合に特異的な独特の領域を含む。したがって、抗原−結合部位は、重鎖および軽鎖V領域各々に由来するCDR領域を含む6つのCDRを含み得る。CDR領域内の単一のアミノ酸の変更が、特異的抗原に対する抗体の親和性を変更する場合がある(Abbasら、Cellular and Molecular Immunology、第4版143〜5頁、2000年参照のこと)。CDRの位置は、例えば、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunologic Interest、U.S.Department of Health and Human Services、1983年によって正確に規定されている。Igの軽鎖および重鎖は各々、3つのCDRを有し、それぞれ、L−CDR1、L−CDR2、L−CDR3およびH−CDR1、H−CDR2、H−CDR3と呼ばれている。定義によれば、Kabatら、(1991年)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、Department of Health and Human Services、Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda(NIH出版番号91−3242)によって説明された番号付け規則を用いて、軽鎖のCDRは、位置24および34(L−CDR1)、50および56(L−CDR2)、89および97(L−CDR3)の残基によって結合しており、重鎖のCDRは、31および35b(H−CDR1)、50および65(H−CDR2)、95および102(H−CDR3)の位置の残基によって結合している。
【0028】
Kabat, E. A., et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, MD (1987) and (1991)からの番号付けスキームを参照する。これらの概要では、Kabatは、各サブクラスの抗体の多数のアミノ酸配列を列挙しており、そのサブクラスにおいて各残基位置の最もよく生じるアミノ酸を列挙している。Kabatは、列挙された配列中の各アミノ酸に残基番号を割り当てる方法を使用しており、残基番号を割り当てるためのこの方法は、当技術分野では標準となっている。本発明の目的上、Kabat概要に含まれない候補抗体アミノ酸配列に残基番号を割り当てるためには、以下のステップをたどる。一般に、候補配列を、Kabatにおいて任意の免疫グロブリン配列または任意のコンセンサス配列とアラインする。アラインメントは手作業で行ってもよいし、一般に是認されたコンピュータプログラムを用いてコンピュータによって行ってもよく、このようなプログラムの一例として、この説明において論じられるAlign2プログラムがある。アラインメントは、ほとんどのFab配列に共通するいくつかのアミノ酸残基を用いることによって容易になり得る。例えば、軽鎖および重鎖は各々、通常、同じ残基番号を有する2個のシステインを有し、VLドメインでは、2個のシステインは、通常残基番号23および88にあり、VHドメインでは、2個のシステイン残基は、通常22および92番が付けられる。フレームワーク残基は、通常、常にではないが、ほぼ同じ数の残基を有するが、CDRは大きさが変わる。例えば、アラインされるKabatにおける配列中のCDRよりも長い候補配列に由来するCDRの場合には、通常、さらなる残基の挿入を示すよう残基番号に接尾語を加える(例えば、図5中の、残基100abcdeを参照のこと)。例えば、残基34および36についてKabat配列とアラインするが、その間に、残基35とアラインする残基を有さない候補配列については、単純に数35を残基に割り当てない。
【0029】
CDR及びFR残基は、構造的定義に従っても決定される (Chothia and Lesk, J. MoI. Biol. 196:901−917 (1987)におけるように)。これらの2つの方法が、CDRのわずかに異なる同定をもたらす場合には、構造定義は好ましいものであるが、配列定義法によって同定される残基が、コンセンサス配列に移入するフレームワーク残基の決定にとって重要なFR残基と考えられる。
【0030】
定常領域:エフェクター機能を持つ抗体分子の部分である。本明細書の開示では、使用する変異抗体は、ヒト免疫グロブリンから誘導された定常領域を含むことができる。重鎖定常領域は、5種のアイソタイプ:α、δ、ε、γまたはμのいずれかから選択され得る。種々のサブクラスの重鎖(例えば、重鎖のIgGサブクラス)は、異なるエフェクター機能に関与している。したがって、所望の重鎖定常領域を選択することによって、所望のエフェクター機能を有するヒト化抗体を作製することができる。軽鎖定常領域は、κまたはλ型であり得る。
【0031】
エピトープ:アミノ酸配列の特異性によって決定した場合の、薬剤によって認識される抗体上の部位である。2種の薬剤は、競合結合アッセイにおいて測定されるように、それぞれ他方と抗原との結合を競合的に阻害(遮断)する場合に、同一エピトープに結合するといわれる(例えば、Junghansら、Cancer Res.50:1495〜1502頁、1990年を参照のこと)。あるいは、2種の抗体は、一方の抗体の結合を低減または排除する抗原中のほとんどのアミノ酸突然変異が、他方の抗体の結合を低減または排除する場合に、同一のエピトープを有する。2種の抗体は、それぞれ他方と抗原との結合を部分的に阻害する場合、および/または一方の抗体の結合を低減または排除する一部のアミノ酸突然変異が、他方の結合を低減または排除する場合に、重複するエピトープを有するといわれる。
【0032】
フレームワーク領域(FR):抗体の重鎖及び軽鎖の可変領域内にある3つの高度に多様性の相補性決定領域(CDR)に隣接する比較的保存された配列である。したがって、抗体重鎖または軽鎖の可変領域は、FRおよび3つのCDRからなる。いくつかのFR残基は、結合している抗原と接触し得るが、FR、特に、CDRと直接隣接するFR残基は、主に、可変領域を抗原結合部位にフォールディングすることに関与している。理論に拘束されるものではないが、フレームワーク領域は、CDRを、抗原結合にとって適当な配向に保持するのに役立つ。軽鎖および重鎖フレームワーク領域中の残基の番号付けは、Kabatら(1991年、前掲)によって説明される番号付け規則に従う。種々の軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で比較的保存されている。「ヒト」フレームワーク領域は、天然に存在するヒト免疫グロブリンのフレームワーク領域と実質的に同一である(約85%以上、通常、90〜95%以上)フレームワーク領域である。
【0033】
阻害する:相互作用、例えば、(i)RAMPタンパク質とリガンドとの間の結合、又は(ii)RAMPタンパク質とCRLRとの間の結合、又は(iii)RAMP/CRLR複合体とリガンドとの結合、を妨害、ブロック、又は阻止する化学種は、相互作用を阻害すると考えられる。典型的には、阻害は100%のブロックをもたらさないが、相互作用の量及び/又は速度を減少させる。
【0034】
免疫原性:対象者に投与したとき、タンパク質、治療部位、又は免疫反応(体液性又は細胞性)を誘発するを薬剤をターゲティングする能力の尺度である。
【0035】
免疫グロブリン:免疫グロブリン(Ig)分子及びIg分子の免疫原的活性部分、例えば、抗原と特異的に結合(又は相互作用)する抗原結合部位を含む分子である。
【0036】
天然の抗体又は免疫グロブリン(例えば、IgG)は、ジスルフィド結合で相互に連結された4つのペプチド、即ち2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む。2つの重鎖は、ジスルフィド結合によって互いに連結しており、各重鎖は、ジスルフィド結合によって軽鎖と連結している。2種類の軽鎖、ラムダ(λ)およびカッパ(k)がある。抗体分子の機能的活性を決定する、5種の主な重鎖のクラス(またはアイソタイプ):IgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEがある。全長免疫グロブリン軽鎖は、通常、約25Kd、すなわち、214個のアミノ酸長である。全長免疫グロブリン重鎖は、通常、約50Kd、すなわち、446個のアミノ酸長である。軽鎖は、NH2末端の可変領域遺伝子(約110個のアミノ酸長)およびCOOH末端のκまたはλ定常領域遺伝子によってコードされる。重鎖も同様に、可変領域遺伝子(約116個のアミノ酸長)およびその他の定常領域遺伝子のうち1種によってコードされる。
【0037】
抗体の基本構造単位は、一般的に、2つの同一の免疫グロブリン鎖の対を含むテトラマーであり、各対は、1つの軽鎖及び1つの重鎖を有している。各対では、軽鎖および重鎖可変領域が抗原と結合し、定常領域はエフェクター機能を媒介する。免疫グロブリンはまた、例えば、Fv、Fabおよび(Fab’)2、ならびに二機能性ハイブリッド抗体および一本鎖をはじめとする種々のその他の形で存在する(例えば、Lanzavecchiaら、Eur.J.Immunol.17:105頁、1987年;Hustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、85:5879〜5883頁、1988年;Birdら、Science242:423〜426頁、1988年;Hoodら、Immunology、Benjamin、N.Y.、第2版、1984年;HunkapillerおよびHood、Nature323:15〜16頁、1986年)。
【0038】
各鎖は異なる配列ドメインを含む。軽鎖は2つのドメイン、即ち可変ドメイン(VL)及び定常ドメイン(CL)を含む。重鎖は4つのドメイン、即ち可変ドメイン(VH)及び3つの定常ドメイン(CHl、CH2及びCH3、集合的にCHと呼ばれる)を含む。軽鎖(VL)および重鎖(VH)両方の可変領域が、抗原に対する結合認識および特異性を決定する。軽鎖(CL)および重鎖(CH)の定常領域ドメインは、抗体鎖会合、分泌、経胎盤性移動性、補体結合およびFc受容体との結合などの重要な生物学的特性を付与する。免疫グロブリン軽鎖または重鎖可変領域は、相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの超可変領域によって中断されたフレームワーク領域を含む(Sequences of Proteins of Immunological Interest、E.Kabatら、U.S.Department of Health and Human Services、1983年参照のこと)。上記で示されたように、CDRは、主に、抗原のエピトープとの結合に関与している。抗体の特異性は、抗体結合部位と抗原決定基間の構造的相補性にある。
【0039】
キメラ抗体は、その軽鎖及び重鎖遺伝子が、異なる種に属する免疫グロブリン可変及び定常領域遺伝子から、典型的には遺伝子加工により組み立てられた抗体である。例えば、マウスモノクローナル抗体に由来する遺伝子の可変セグメントを、κおよびγ1またはγ3などのヒト定常セグメントと接続してもよい。一例では、したがって、治療用キメラ抗体は、マウス抗体由来の可変または抗原−結合ドメインおよびヒト抗体由来の定常またはエフェクタードメインからなるハイブリッドタンパク質であるが、その他の哺乳類種を用いてもよく、または分子技術によって可変領域を作製してもよい。キメラ抗体を作製する方法は、当技術分野で周知であり、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,807,715号参照のこと。
【0040】
「ヒト化」免疫グロブリン又は抗体は、ヒトのフレームワーク領域と、非ヒト(例えば、マウス、ラット又は合成)免疫グロブリンからの1又はそれ以上のCDRとを含む免疫グロブリンである。CDRを提供する非ヒト免疫グロブリンは「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供するヒト免疫グロブリンは「アクセプター」と呼ばれる。一実施形態では、ヒト化免疫グロブリン中のすべてのCDRは、ドナー免疫グロブリンに由来する。定常領域は、存在する必要はないが、それらがある場合には、ヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一、すなわち、少なくとも、約85〜90%、例えば、約95%以上同一でなければならない。したがって、CDRの可能性があるものを除くヒト化免疫グロブリンのすべての部分が、天然のヒト免疫グロブリン配列の対応する部分と実質的に同一である。「ヒト化抗体」は、ヒト化軽鎖およびヒト化重鎖免疫グロブリンを含む抗体である。ヒト化抗体は、CDRを提供するドナー抗体と同一の抗原と結合する。ヒト化免疫グロブリンまたは抗体のアクセプターフレームワークは、ドナーフレームワークからとられたアミノ酸による制限された数の置換を有し得る。ヒト化またはその他のモノクローナル抗体は、抗原結合またはその他の免疫グロブリン機能に対して実質的に影響のないさらなる保存的アミノ酸置換を有し得る。例示的保存的置換として、gly、ala;val、ile、leu;asp、glu;asn、gln;ser、thr;lys、arg;およびphe、tyrなどのものがある(参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,585,089号参照のこと)。ヒト化免疫グロブリンは、遺伝子工学によって構築することができる。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,225,539号および同5,585,089号参照のこと。
【0041】
ヒト抗体は、軽鎖及び重鎖遺伝子がヒト由来である抗体のことである。ヒト抗体は、当該技術で知られた方法により製造することができる。ヒト抗体は、注目する抗体を分泌するヒトB細胞を不死化することによって作製することができる。不死化は、例えば、EBV感染によって、またはヒトB細胞を骨髄腫またはハイブリドーマ細胞と融合してトリオーマ(trioma)細胞を作製することによって達成できる。ヒト抗体はまた、ファージディスプレイ法によって作製することもでき(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Dowerら、PCT公開番号WO91/17271;McCaffertyら、PCT公開番号WO92/001047;およびWinter、PCT公開番号WO92/20791参照のこと)、またはヒトコンビナトリアルモノクローナル抗体ライブラリーから選択することもできる(Morphosys website参照のこと)。ヒト抗体はまた、ヒト免疫グロブリン遺伝子を保持するトランスジェニック動物を使用して調製してもよい(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Lonbergら、PCT公開番号WO93/12227;およびKucherlapati、PCT公開番号WO91/10741参照のこと)。
【0042】
抗体は、ファージディスプレー技術を用いて得ることもできる。ファージディスプレー技術は、当該技術で知られており、例えば、Marks et al J. MoI. Biol. 222: 581−597 及び Ckackson et al, Nature 352: 624−628を両方とも参考としてここに取り入れるものとする。ファージディスプレイ技術はまた、抗体の親和性を増大するために使用することもできる。抗体親和性を増大するには、抗体配列を多様化し、ファージ抗体ライブラリーを構築し、抗原に対するより高度な親和性結合物を選択する(例えば、すべて、参照により本明細書に組み込まれる、MarksらBio/ Technology10:779〜783頁、BarbasらProc.Natl.Acad.Sci USA 91:3809〜3813頁およびSchierらJ.Mol.Biol.263:551〜567頁参照のこと)。
【0043】
アプタマー:本発明の薬剤はアプタマーであってもよい。アプタマーは、アミノ酸、薬物、タンパク質及び他の分子に対して生成され得る人工核酸リガンドと定義されている。それらは、吸着、回収及び再増幅の反復プロセスによって合成核酸の複合体ライブラリから単離される。
【0044】
RNAアプタマーは特定の標的分子に対する親和性を持つ核酸分子である。それらは、リガンド結合特性によっって抗体に結合している。それらは、種々の理由のために有用な薬剤と考えることができる。具体的には、それらは、さまざまな溶液状態および濃度に可溶性であり、その結合特異性は、界面活性剤およびその他の穏やかな変性剤などの試薬によって大きくは乱れない。さらに、それらは、単離および製造するのに比較的費用がかからない。それらはまた、容易に改変して、特性の改善された種を作製できる。広範な研究によって、核酸は、大部分は非毒性であり、非免疫原性であると示されており、アプタマーはすでに臨床適用を見出している。さらに、相補的RNA一本鎖の存在下で不活性なdsRNA分子を作製することによって生体サンプル中のアプタマーの活性を調節する方法が知られている(Rusconiら、2002年)。
【0045】
従来技術から、結合、播種及び増幅の繰り返しサイクルによって、生成配列プールから単離する方法が知られている。そのような方法は、米国特許第5,475,096号、第5,270,163号及び欧州特許第0533 38号に記載されており、典型的にはSELEX (Systematic Evolution of Ligands by EX−ponential Enrichment)と呼ばれる。基本的なSELEX系は、例えば、アプタマーが、標的分子と結合および/またはそれと光架橋および/またはそれを光活性化または光不活化できる光反応性基を含む、光−SELEXを用いることによって改変されている。その他の改変として、キメラ−SELEX(Chimeric−SELEX)、混合−SELEX(Blended−SELEX)、カウンター−SELEX(Counter−SELEX)、溶液−SELEX(Solution−SELEX)、ケミ−SELEX(Chemi−SELEX)、組織−SELEX(Tissue−SELEX)および無転写SELEX(Transcription−free SELEX)(DNA鋳型と結合しているRNAのランダムな断片を連結して、オリゴヌクレオチドライブラリーを形成する方法を記載する)が挙げられる。しかし、これらの方法は、濃縮されたリガンド結合性核酸分子を生成するものの、不安定な生成物を依然として生成する。安定性の問題を克服するために、鏡像異性の「シュピーゲルマー(spiegelmers)」(WO01/92566)を作製することが知られている。この方法は、まず、標的の化学的鏡像を作製するステップ、次いで、この鏡像に対するアプタマーを選択するステップ、最後に、SELEXによって選択されたアプタマーの化学的鏡像を作製するステップを含む。最終的な標的分子、例えば、D−アミノ酸からなるペプチドの非天然鏡像異性体に対して、D−リボース糖単位に基づいて天然RNAを選択することによって、天然L−アミノ酸標的に対するシュピーゲルマーが作製され得る。非天然鏡像異性体標的と強力に結合するアプタマーが単離され、配列決定されると、分子対称の法則は、Lリボース糖に基づいて化学的に合成されたRNAは、天然標的、すなわち、選択標的の鏡像と結合することを意味する。この方法は、便宜上、反射選択またはミラー選択と呼ばれ、作製されたL−リボース種は、それらが正常な酵素切断に対してあまり感受性でない、すなわち、それらがヌクレアーゼ耐性であるために、生物学的環境において相当により安定である。
【0046】
免疫反応性:薬剤、しばしば抗体が特異的抗原を認識及び結合する能力の尺度である。「特異的に結合する」とは、個々の薬剤又は抗体が抗原と特異的に免疫反応する能力を意味する。この結合は、薬剤、例えば、それだけには限らないが、抗体分子と、抗原間の非ランダム結合反応である。結合特異性は、通常、薬剤の、注目する抗原および無関係の抗原と異なって結合し、したがって、2種の異なる抗原間を、特に、2種の抗原が独特のエピトープを有する場合に区別する能力の基準点から決定される。
一般に、特異性は、抗原のパネルを使用するELISAなどの結合アッセイによって決定され得る。本発明の薬剤は、細胞上のRAMPタンパク質、例えば、RAMP−1、RAMP−2またはRAMP−3を認識し得る。
【0047】
モノクローナル抗体:は、Bリンパ球の単一クローンにより、又は単一の抗体の軽鎖及び重鎖がトランスフェクトされた細胞により生産される。モノクローナル抗体は、当業者に公知の方法によって、例えば、骨髄腫細胞を免疫脾臓細胞と融合することからハイブリッド抗体形成細胞を作製することによって製造する。通常、モノクローナル抗体は、特異的ハイブリドーマ細胞または培養で増殖されたハイブリドーマ細胞の後代によって産生される。抗体を産生するハイブリドーマまたはその他の細胞は、遺伝子突然変異またはその他の変化の対象であり得、これは、産生される抗体の結合特異性を変更する場合も、しない場合もある。
【0048】
核酸:「核酸」は、任意の長さのヌクレオチドの重合体であり、デオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド、及び類似物を任意の組み合わせで含んでいる。核酸は、任意の三次元構造を有し得、既知または未知の任意の機能を発揮し得る。用語「核酸」は、二本鎖、一本鎖および三重らせん分子を含む。特に断りのない限り、または必要でない限り、核酸である本明細書に記載される本発明の任意の実施形態は、二本鎖の形および二本鎖の形を作り上げると知られる、もしくは予測される2つの相補的な一本鎖の形の各々の両方を包含する。
【0049】
ポリペプチド:用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書中で交換可能に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを意味する。ポリマーは直鎖であっても分岐していてもよく、改変されたアミノ酸またはアミノ酸類似体を含む場合もあり、非アミノ酸によって中断されている場合もある。この用語はまた、天然に、または介入、例えば、ジスルフィド結合形成、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化または任意のその他の操作もしくは改変、例えば、標識構成要素とのコンジュゲーションによって改変されているアミノ酸ポリマーを包含する。
【0050】
アミノ酸置換は、或る領域、例えば可変領域の1又はそれ以上のアミノ酸の変化又は修飾から完全な再設計までの範囲である。アミノ酸置換は、ペプチドのフォールディングまたは機能的特性に有害に影響を及ぼさない保存的置換であることが好ましい。その中で保存的置換がなされ得る機能的に関連するアミノ酸の群として、グリシン/アラニン;バリン/イソロイシン/ロイシン;アスパラギン/グルタミン;アスパラギン酸/グルタミン酸;セリン/トレオニン/メチオニン;リシン/アルギニン;およびフェニルアラニン/チロシン(tryosine)/トリプトファンがある。本発明のポリペプチドは、グリコシル化型または非グリコシル化型であり得、翻訳後修飾される場合もあり(例えば、アセチル化およびリン酸化)、または合成的に修飾してもよい(例えば、標識基の結合)。
【0051】
本明細書で使用する「変異体」ポリペプチドは、1又はそれ以上の置換、付加、欠失、切断によりアミノ酸配列が相違しており、それらは任意に組み合わせて存在してもよい。好ましい変異体の中には、保存的アミノ酸置換によって参照ポリペプチドと異なるものがある。このような置換は、所与のアミノ酸が、同様の特徴の別のアミノ酸と置換しているものである。以下のアミノ酸の限定するものではない一覧は、保存的置換(同様)と考えられる:a)アラニン、セリンおよびトレオニン、b)グルタミン酸およびアスパラギン酸、c)アスパラギンおよびグルタミンd)アルギニンおよびリシン、e)イソロイシン、ロイシン、メチオニンおよびバリンならびにf)フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファン。
【0052】
上記したように、本発明の第一の態様は、(i) RAMP−3、(ii)RAMP−2及び(iii)RAMP−1タンパク質から選択される1又はそれ以上のRAMPタンパク質(レセプター活性変調タンパク質)のカルシトニンレセプター様レセプター(CRLR)に結合できる及び/又はその効果を変調させることができる薬剤を提供する。
【0053】
一実施態様では、薬剤はRAMPタンパク質の細胞外ドメインに結合する。典型的には、薬剤はRAMP−3 とCRLPとの相互作用を変調させることができる。
一実施形態では、薬剤は、ヒトSW−13細胞の増殖を少なくとも10%阻害でき、前記阻害は、MTT細胞増殖アッセイを用いて測定される。薬剤は、RAMP−3とCRLPの相互作用を調節でき、例えば、それに干渉できることが好ましい。
【0054】
典型的には、薬剤は少なくとも12%まで増殖を阻害することができる。幾つかの実施態様では、薬剤は少なくとも20%、そして任意に少なくとも25%まで増殖を阻害できる。さらなる態様では、薬剤は少なくとも30%、さらに任意に少なくとも少なくとも40%まで増殖を阻害することができる。
一実施形態では、薬剤は、アドレノメデュリンによって刺激された場合のヒトMG63骨肉腫細胞におけるcAMPの産生を少なくとも約15%、例えば、少なくとも15%、16%、17%、18%および19%低減または阻害できる。いくつかの実施形態では、薬剤は、cAMPの産生を少なくとも約20%、例えば、21%、22%または25%阻害できる可能性がある。通常、薬剤は、RAMP−3とCRLPの相互作用を調節できる。
【0055】
本明細書に開示される薬剤は、RAMPタンパク質の効果を変調させることができ、RAMPタンパク質は、i)図1に示される核酸配列にコードされるポリペプチド、又はその変異体;ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、及びiii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチドであり、RAMP−2は、i)図2に示される核酸配列にコードされるポリペプチド、又はその変異体;ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、及びiii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチドであり、RAMP−3は、i)図3に示される核酸配列にコードされるポリペプチド、又はその変異体;ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、及びiii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチドである。
薬剤は、上記で定義されるRAMP−3タンパク質の作用を調節することが好ましい。
本明細書に開示される薬剤は、抗体および抗体断片、タンパク質、ポリペプチド、融合タンパク質、アプタマーまたは化合物から選択される抗体生成物であり得る。
本発明の好ましい一実施形態では、前記薬剤はアンタゴニストである。あるいは、前記薬剤はアゴニストである。
【0056】
本発明の更なる態様では、カルシトニン受容体様受容体(CRLR)機能に対する、図1、2もしくは3に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、または図1、2もしくは3に示されるアミノ酸配列の少なくとも1個のアミノ酸残基の付加、欠失もしくは置換によって改変されている変異体ポリペプチドの作用を調節する薬剤が提供され、前記ポリペプチドはCRLR機能を調節し、前記薬剤は医薬品として使用されることを特徴とする。
【0057】
さらに、本明細書の開示は、ここに記載するポリペプチド配列と少なくとも75%の同一性を有する配列、又はその断片及び機能的等価なポリペプチドを特徴とする。一実施形態では、ポリペプチドは、本明細書に例示されるアミノ酸配列と、少なくとも85%の同一性、より好ましくは少なくとも90%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも97%の同一性、最も好ましくは少なくとも99%の同一性を有する。
【0058】
本明細書の開示は、図4、5または6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドまたはその断片、または図4、5もしくは6に示されるアミノ酸配列の少なくとも1個のアミノ酸残基の付加、欠失もしくは置換によって改変されている変異体を含み、前記ポリペプチドはCRLR機能を調節する。具体的には、薬剤は、CRLR機能に対する上記RAMPタンパク質の作用を調節する。
【0059】
本明細書で使用される「図4、5又は6に示すアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片」とは、1から99個のアミノ酸、例えば、1から50個のアミノ酸、例えば、1から30個のアミノ酸または10から30個のアミノ酸を含む断片を含む。断片は、RAMPタンパク質のN末端配列であることが好ましい。例えば、断片は、図4、5または6に示されるアミノ酸配列のN末端の1〜10個、10〜20個または20〜30個のアミノ酸を含むことができる。RAMPタンパク質のその他の断片は、例えば、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20個のアミノ酸残基長であり得る。
本開示内容には、図7、8もしくは9に示されるアミノ酸配列の1種または複数を含むポリペプチド断片、または図7、8もしくは9に示されるアミノ酸配列の少なくとも1個のアミノ酸残基の付加、欠失もしくは置換によって改変されているその変異体ポリペプチドが含まれ、前記ポリペプチドはCRLR機能を調節する。
【0060】
一実施態様では、本開示の薬剤は、ポリペプチドである。このポリペプチドは、図4、5もしくは6に示されるアミノ酸配列またはその断片または変異体を含むことができ、前記ポリペプチドは、RAMPタンパク質のリガンドおよび/またはCRLRのリガンドと結合する。
薬剤は、図4、5または6に示されるアミノ酸配列のN末端に1から30個のアミノ酸を含み、場合によって5から30個のアミノ酸、さらに場合によって約10から30個のアミノ酸をN末端に含むポリペプチド断片であり得る。一実施形態では、断片は、図7、8または9から選択されるアミノ酸配列からなる。
【0061】
一実施態様では、薬剤はポリペプチドに限られず、薬剤は検出可能なマーカーを含む。好ましくは、従来の標識またはタグ、例えば、放射活性および/または蛍光および/またはエピトープ標識またはタグを含めた、マーカーを有する薬剤が提供される。
一実施形態では、薬剤は、抗体生成物、例えば、抗体または抗体の活性結合部分である。本発明の一実施形態では、前記抗体は、モノクローナル抗体またはその活性結合部分である。
本発明の好ましい一実施形態では、前記抗体は、キメラ抗体またはヒト化抗体、例えば、ヒト抗体の不変または定常領域とともに前記抗体の可変領域を含むように組換え法によって作製されたものである。
【0062】
上記に詳細に記載したように、キメラ抗体は、マウス又はラット抗体のV領域の全てがヒト抗体C領域と結合した組み換え抗体である。ヒト化抗体は、ヒト抗体V領域由来のフレームワーク領域をげっ歯類抗体V領域由来の相補性決定領域と融合している組換えハイブリッド抗体である。相補性決定領域(CDR)は、V領域の変動の大部分がそこに限定される、抗体の重鎖および軽鎖両方のN末端ドメイン内の領域である。これらの領域は、抗体分子の表面にループを形成する。これらのループは、抗体および抗原間の結合表面を提供する。非ヒト動物由来の抗体は、外来抗体に対する免疫応答および循環からのその除去を誘発する。キメラ抗体およびヒト化抗体は両方とも、ヒト対象に注射した場合に、組換えハイブリッド抗体内に低減された量のげっ歯類(すなわち、外来)抗体があるために、抗原性が低減されており、他方、ヒト抗体領域は、免疫応答を誘発しない。これは、より弱い免疫応答および抗体のクリアランスの減少をもたらす。これが、ヒト疾患の治療において治療抗体を使用する場合に望ましいことであることは明らかである。ヒト化抗体は、少ない「外来」抗体領域を有するよう設計され、したがって、キメラ抗体よりも免疫原性でないと考えられる。本発明の一実施形態では、本開示内容の薬剤は、キメラ抗体である。場合によって、薬剤は、RAMP−3と結合するキメラ抗体またはヒト化抗体または抗体断片である。
【0063】
一実施態様では、抗体製造物は、例えば、本明細書の図1、2および3に記載されるRAMP−1、RAMP−2およびRAMP−3タンパク質のうち少なくとも1つと結合する、本明細書に記載される抗体断片、例えば、一本鎖抗体、一本鎖可変断片(scFv)、ドメイン抗体(dAB)またはナノボディである。抗体生成物は、CRLRタンパク質に対するRAMPタンパク質の作用を調節することが好ましい。このような調節は、例えば、RAMP/CRLRヘテロ二量体(hetereodimer)とリガンドとの結合の阻害であり得る。理論に拘束されるものではないが、RAMP/CRLRヘテロ二量体によって形成される受容体は、特異的リガンド、例えば、アドレノメデュリンおよびCGRPの受容体として作用すると考えられる。本開示内容の薬剤は、RAMPタンパク質とCRLRの会合および/またはリガンドと受容体の結合に干渉するように働くことができる。一実施形態では、RAMPタンパク質はRAMP−3である。本発明の好ましい一実施形態では、前記薬剤は抗体断片である。
【0064】
上記に示したように、免疫グロブリン又は抗体の様々な断片、すなわち、Fab、Fab2、F(ab’)2、Fv、Fc、Fd、scFvsなどが当技術分野で公知である。Fab断片は、共有結合している、免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域の免疫学的に活性な部分からなる多量体タンパク質であり、抗原と特異的に結合できる。Fab断片は、完全な免疫グロブリン分子のタンパク質分解切断(例えば、パパインを用いる)によって作製される。Fab2断片は、2つの接続しているFab断片を含む。これらの2つの断片が免疫グロブリンヒンジ領域によって接続されている場合に、F(ab’)2断片が生じる。Fv断片は、共有結合によって結合している、免疫グロブリン重鎖可変領域および免疫グロブリン軽鎖可変領域の免疫学的に活性な部分からなる多量体タンパク質であり、抗原と特異的に結合できる。断片はまた、1つの軽鎖可変領域または軽鎖可変領域の3つのCDRを含むその断片のみを含み、重鎖可変領域または重鎖可変領域の3つのCDRを含むその断片と会合しておらず、会合した軽鎖部分を含まない一本鎖ポリペプチドおよび抗体断片から形成される多重特異性抗体でもあり得、これは、例えば、US特許第6,248,516号に記載されている。Fv断片または単一領域(ドメイン)断片は、通常、関連する同定された領域の宿主細胞株における発現によって作製される。これらのおよびその他の免疫グロブリンまたは抗体断片は、本発明の範囲内であり、Paul、Fundamental ImmunologyまたはJanewayらImmunobiology(上記で引用された)などの標準的な免疫学の教本に記載されている。現在、分子生物学によって、これらの断片の直接合成(細胞における発現による、または化学的に)ならびにその組合せの合成が可能となっている。
【0065】
単一の可変領域、いわゆる一本鎖抗体可変領域断片(scFV)を生成させることが可能である。特異的モノクローナル抗体のためのハイブリドーマが存在する場合には、RT PCRによって前記ハイブリドーマから抽出されたmRNAからscFv’sを単離することは十分に当業者の知識の範囲内である。あるいは、scFv’sを発現するクローンを同定するためにファージディスプレイスクリーニングを行ってもよい。あるいは、前記断片は、「ドメイン抗体断片」である。ドメイン抗体は、抗体の最小の結合部分(約13kDa)である。この技術の例は、すべて参照によりその全文が組み込まれる、US6,248,516、US6,291,158、US6,127,197およびEP0368684に開示されている。
本発明の一実施形態では、抗体断片は、一本鎖抗体可変領域断片である。抗体または免疫グロブリンの断片はまた、二特異性機能、すなわち、2種の異なる抗原の2種の異なるエピトープとの結合を有し得る。
一実施形態では、RAMPタンパク質に対するキメラ/ヒト化モノクローナル抗体は、原核細胞または真核細胞のトランスフェクションまたは形質転換に適切に適応している発現ベクターにおいて融合ポリペプチドとして作製できる。
【0066】
本発明の更なる好ましい実施態様では、前記抗体はオプソニン抗体である。食作用は、マクロファージおよび多形白血球によって媒介され、微生物、損傷を受けた細胞または死細胞、細胞片、不溶性粒子および活性化された凝固因子の摂取および消化に関与する。オプソニンは、上記の異物の食作用を容易にする物質である。したがって、オプソニン抗体は、同じ機能を提供する抗体である。オプソニンの例として、抗体のFc部分または補体C3がある。
【0067】
本発明の一実施態様では、前記抗体又は抗体断片は、治療薬と結合又は架橋している。前記治療薬は、化学療法薬であることが好ましい。前記治療薬は、以下からなる群から選択されることが好ましい:シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド(cyclosphosphamide)、メルファラン、カルムスチン(carmusline)、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、シタラビン、メルカプトプリン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ダクチノマイシン、マイトマイシンC、タキソール、L−アスパラギナーゼ、G−CSF、エトポシド、コルヒチン、デフェロキサミン(derferoxamine)メシレートおよびカンプトセシン。一実施形態では、抗体生成物は、例えば、PEG分子とコンジュゲートしていてもよい。
薬剤と、例えば、RAMPタンパク質、例えば、RAMP−3との結合は、場合によって、10−7M、10−8M、10−9M、10−10M、10−11Mまたは10−12Mを超える親和性を有する結合である。結合は、リガンドに対して特異的である場合も、非特異的である場合もあるが、いくつかの場合には、RAMP−1、RAMP−2またはRAMP−3と関連のない特定のその他のリガンドと、より低い程度の親和性の非特異的結合がある。
【0068】
よって、本発明の薬剤は、例えば、抗体又は抗体断片、例えばFab断片である。しかし、上記で定義されるアプタマー、化合物、融合タンパク質、タンパク質、ペプチドまたはそれらの組合せもあり得る。特定の抗体および断片は、Fab断片またはscFvである。天然に、本発明の薬剤の範囲内に、モノクローナル、ポリクローナル、キメラ、ヒト、またはヒト化である抗体または断片がある。RAMPタンパク質と結合し、結合が本明細書に記載されるその他の薬剤は、本発明内に包含される。
【0069】
抗体の単離方法は当該分野で知られている。例えば、Harlow and Lane (1988) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New Yorkを参照のこと。単離法は、免疫グロブリンアイソタイプに応じて変わり得る。精製法は、塩析(例えば、硫酸アンモニウムを用いる)、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、中性pHで実施し、漸増イオン強度の段階勾配を用いて溶出する陽イオンまたは陰イオン交換カラムで)、ゲル濾過クロマトグラフィー(例えば、ゲル濾過HPLC)およびプロテインA、プロテインG、ヒドロキシアパタイトおよび抗免疫グロブリンなどの親和性樹脂でのクロマトグラフィーを含み得る。特に、本発明の薬剤は、プロテインG−セファロースカラムを用いることによって精製される。
【0070】
殆どの適用では、一般に、ポリペプチド、例えば抗体が、少なくとも部分的に他の細胞性成分から精製されろのが好ましい。ポリペプチドは、総タンパク質の重量パーセントとして、少なくとも約50%純粋であることが好ましい。タンパク質は、少なくとも約50〜70%純粋であることがより好ましい。臨床使用には、ポリペプチドは、少なくとも約80%純粋であることが好ましい。
本発明の薬剤は、任意の適した手順によって、例えば、組換え法によって、または化学合成によって製造できる。次いで、製造されたペプチドを、それだけには限らないが、ゲル濾過クロマトグラフィー、ゲル電気泳動および逆相HPLCを含めた当技術分野で公知の技術によって互いに分離してもよい。あるいは、本発明の薬剤は、本開示内容に提供される情報を、タンパク質合成の標準法とともに用いて化学合成できる。適した方法は、固相Merrifield技術である。例えば、Applied Biosystems、Inc.(Foster City、Calif.)製のものなどの自動ペプチドシンセサイザーが市販されている。
【0071】
また、本発明には、抗体製造物、例えば抗体又はここに記載した抗体断片の製造方法、場合によって、本明細書で定義されるキメラ抗体またはヒト化抗体を製造する方法であって、
i)前記抗体の製造を促す条件で、抗体または抗体断片をコードする核酸分子を含むベクターで形質転換またはトランスフェクトされた細胞を増殖させるステップと、
ii)前記細胞またはその増殖環境から前記抗体を精製するステップと
を含む方法も含まれる。
本発明のなおさらなる態様では、本明細書において上記で記載されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株が提供される。
本発明のさらなる態様では、本発明のハイブリドーマ細胞株を用いて本発明のモノクローナル抗体を製造する方法が提供される。ハイブリドーマ細胞を用いるモノクローナル抗体の製造は、当技術分野で周知である。モノクローナル抗体を製造するために使用される方法は、Nature256、495〜497頁(1975年)中、KohlerおよびMilsteinによって、また、Compendium of Immunology V.II Schwartz編、1981年中、DonillardおよびHoffman、「Basic Facts about Hybridomas」によって開示されており、これらは参照により組み込まれる。
【0072】
本発明の更なる態様では、本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の調製方法であって、
i)免疫適格性哺乳類を、図4、5または6に示されるアミノ酸配列を有する少なくとも1種のポリペプチド、または本明細書で定義されるその断片または変異体を含む免疫原で免疫化するステップと、
ii)免疫化された免疫適格性哺乳類のリンパ球を骨髄腫細胞と融合してハイブリドーマ細胞を形成するステップと、
iii)ステップ(ii)のハイブリドーマ細胞によって産生されたモノクローナル抗体を、(i)のポリペプチドに対する結合活性についてスクリーニングするステップと、
iv)ハイブリドーマ細胞を培養して増殖させ、および/または前記モノクローナル抗体を分泌させるステップと、
v)培養上清からモノクローナル抗体を回収するステップと
を含む方法が提供される。
【0073】
本発明の一実施態様では、(i)のポリペプチドは図7、8又は9に示すアミノ酸配列又はポリペプチド変異体を含み、前記変異体は、図7、8又は9に示すアミノ酸配列の少なくとも1つの残基の付加、欠失又は弛緩により修飾され、前記ポリペプチドはCRLR機能を変調させる。
前記免疫適格性哺乳類は、マウスであることが好ましい。あるいは、前記免疫適格性哺乳類はラットである。
本発明の代替実施形態では、前記薬剤は、核酸分子である。核酸は、例えば、アンチセンス核酸、アプタマーまたは低分子干渉RNAであり得る。
【0074】
本発明の一実施態様では、前記核酸は小さなインターフェアリングRNAであり得る。小インターフェアリングRNAは、以下の(1)−(5)の配列からなる群から選択できる。
TGGCCCATCACCTCTTCATGA (1)
CTGGCTGCTCCTGGCCCATCA (2)
TCCTGGCCCATCACCTCTTCA (3)
CUAUGAGACAGCUGUCCAA (4)
GUUCUUCUCCAACUGCACC (5)
【0075】
遺伝子機能を特異的に除去する技術は、siRNA分子に含まれる配列に対して相補的なmRNAの破壊をもたらす、細胞への二本鎖RNAの導入によるものであり、低分子阻害または干渉RNA(siRNA)とも呼ばれる。siRNA分子は、互いにアニーリングされて二本鎖RNA分子を形成する、RNAの2つの相補鎖(センス鎖およびアンチセンス鎖)を含む。siRNA分子は、通常、除去される遺伝子のエキソンから導かれる。
RNA干渉の機序は、解明されつつある。多数の生物は、二本鎖RNAの存在に、siRNAの形成につながるカスケードを活性化することによって応答する。二本鎖RNAの存在は、二本鎖RNAを、リボヌクレオタンパク質複合体の一部となる、より小さい断片(siRNA、約21〜29ヌクレオチドの長さ)に処理するRNアーゼIIIを含むタンパク質複合体を活性化する。siRNAは、siRNAのアンチセンス鎖と相補的であるmRNAを切断するためにRNアーゼ複合体のガイド分子として働き、それによってmRNAの破壊をもたらす。
【0076】
本発明の他の態様では、抗体、抗体断片、融合タンパク質、ペプチドまたはタンパク質である本明細書に記載される薬剤をコードする核酸配列を含む単離核酸を提供する。
本発明の薬剤は、ペプチド配列、例えば、抗体、融合タンパク質、ペプチドまたはタンパク質を含む場合は、核酸配列によってコードされ得る。本発明は、本明細書で定義される薬剤をコードする任意の核酸配列を含む。本発明はまた、本発明の薬剤をコードするが、遺伝暗号の縮重の結果として野生型核酸とは異なる核酸配列を含む。
【0077】
また、本発明は、薬剤をコードする核酸配列と少なくとも90%相同性を共有する核酸を含む。 特に、核酸は、本発明の抗体またはその断片をコードする核酸と90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の相同性を有し得る。
【0078】
本発明の一態様では、本発明の薬剤が抗体、その断片又は融合タンパク質であるとき、前記薬剤をコードする核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸が提供される。
核酸分子のハイブリダイゼーションは、2種の相補的な核酸分子が、互いに対して一定量の水素結合を行う時に起きる。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、核酸の周囲の環境条件、ハイブリダイゼーション法の性質ならびに使用される核酸分子の組成および長さに従って変わり得る。特定の程度のストリンジェンシーを達成するために必要なハイブリダイゼーション条件に関する計算は、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、2001年);およびTijssen、Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology−Hybridization with Nucleic Acid Probes パートI、第2章(Elsevier、New York、1993年)に論じられている。Tmは、所与の核酸分子の鎖の50%がその相補鎖とハイブリダイズされる温度である。以下は、ハイブリダイゼーション条件の例として見出されているが制限されるものではない:
極めて高いストリンジェンシー(少なくとも90%の同一性を共有する配列がハイブリダイズすることが可能となる)
ハイブリダイゼーション:65℃で5×SSC、16時間
洗浄2回: 室温(RT)で2×SSC 各15分
洗浄2回: 65℃で0.5×SSC、各20分間
高いストリンジェンシー(少なくとも80%の同一性を共有する配列がハイブリダイズすることが可能となる)
ハイブリダイゼーション:65℃〜70℃で5×〜6×SSC、16〜20時間
洗浄2回: RTで2×SSC、各5〜20分間
洗浄2回: 55℃〜70℃で1×SSC、各30分間
低いストリンジェンシー(少なくとも50%の同一性を共有する配列がハイブリダイズすることが可能となる)
ハイブリダイゼーション:RT〜55℃で6×SSC、16〜20時間
洗浄少なくとも2回: RT〜55℃で2×〜3×SSC、各20〜30分間。
【0079】
更なる態様において、本発明は、上記の核酸及び宿主中でタンパク質又はポリペプチドを発現するのに必要な結合した調節配列を含む発現ベクターを提供する。このような調節配列として、例えば、プロモーター、終結配列およびエンハンサーが挙げられる。
別の関連態様では、本発明は、上記の核酸またはベクターを含む宿主細胞を提供する。このような宿主細胞は、必要な増殖条件下、適当な培地中で培養される場合、核酸またはベクターが所望のポリペプチド/タンパク質の発現において有効となる形で核酸またはベクターを含むようにトランスフェクトまたは形質転換されている。使用される宿主細胞は、使用されるベクターによってトランスフェクトし、本発明のDNAを発現することができる限りは、特に限定されない。例えば、大腸菌(Escherichia coli)などの細菌、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母およびCOS細胞、CHO細胞などの動物細胞などを使用できる。本発明とともに使用するのに適した、原核生物の宿主細胞の例として、大腸菌が挙げられる。真核細胞の宿主細胞の例として、トリ、昆虫、植物および動物細胞、例えば、COS7、HeLaおよびCHO細胞が挙げられる。
【0080】
形質転換体又はトランスフォームした細胞により、本発明の薬剤、例えば融合タンパク質、抗体又は抗体断片は、細胞内又は培養媒体中で生成される。次いで、産生された抗体(または抗体断片)を回収することによって、本発明の第1の態様の薬剤を得ることができる。得られた抗体またはタンパク質は、方法、例えば、遠心分離、硫酸アンモニウム分画、塩析、限外濾過、アフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーまたはゲル濾過クロマトグラフィーなどを適当に組み合わせることによって単離および精製できる。
【0081】
例えば、細胞は適切な媒体中で培養され、消費した媒体は抗体源として使用できる。場合によって、マトリックスコーティングしたチャンネルまたはビーズおよび細胞共培養物を含め、抗体産生細胞の増殖を増強してもよい。多量の抗体の製造のためには、通常、腹水を得ることがより都合がよい。腹水を産生させる方法は、通常、ハイブリドーマ細胞を免疫学的に未処置の組織適合性または免疫寛容哺乳類、特に、マウスに注射するステップを含む。哺乳類は、場合によって、適した組成物、例えば、プリスタンの事前投与によって腹水産生のために抗原刺激される。本発明の抗体はまた、例えば、Sambrookら(1989年)前掲に記載される慣例の組換え法を用いることによって得てもよい。例えば、本発明の核酸配列は、適した発現ベクター(転写のための制御配列、例えば、プロモーターを含む)にクローニングできる。次いで、発現ベクターを宿主細胞に入れる。宿主細胞を、ポリヌクレオチドが転写され、タンパク質に翻訳されるような適した条件下で増殖させる。本発明の抗体の重鎖および軽鎖は別個に産生させ、次いで、ジスルフィド結合再配列によって組み合わせてもよい。あるいは、本発明の抗体の各鎖をコードする別個のポリヌクレオチドを有するベクターまたは別個の転写物として両鎖をコードする単一のポリヌクレオチドを有するベクターを、単一の宿主細胞中にトランスフェクトしてもよく、次いで、宿主細胞が、全分子を産生し、組み立て得る。宿主細胞は、分子の正常な炭水化物相補体を提供し得る高等真核細胞であることが好ましい。したがって、宿主細胞において融合タンパク質または抗体が産生され、当技術分野で標準の技術を用いて精製できる。
【0082】
本発明の更なる態様では、例えば、図1、2または3に示される配列を有するRAMPタンパク質、または前記核酸分子とストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、図1、2または3に示されるアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドをコードする核酸分子の発現レベルを調べるアッセイが提供され、この方法は、
i)単離された細胞サンプルを、RAMPタンパク質をコードする核酸分子と結合する結合物質(複数可)と接触させるステップと、
ii)前記サンプルにおける前記核酸分子の発現を標準サンプルと比較するステップと
を含む。
結合物質(複数可)は、図1、2または3中のアミノ酸配列によって表される前記ポリペプチドと特異的に結合するオリゴヌクレオチドプライマーおよび抗体から選択できる。一実施形態では、アッセイは、ポリメラーゼ連鎖反応を含む。
【0083】
本発明の一態様では、患者におけるガンを同定するための診断アッセイであって、
i)単離された細胞サンプルを提供するステップと、
ii)(i)におけるサンプルを、図1、2もしくは3に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、または本明細書で定義されるその断片または変異体をコードする核酸分子または前記核酸分子とストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、図1、2もしくは3に示されるアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドをコードする核酸分子と結合する結合物質(複数可)と接触させるステップと、
iii)正常な対応する対照サンプルと比較した場合の、前記サンプル中の前記核酸分子の発現を調べるステップと
を含む診断アッセイが提供される。
本発明の好ましい一実施形態では、前記結合物質(複数可)は、オリゴヌクレオチドプライマーである。前記アッセイは、ポリメラーゼ連鎖反応であることが好ましい。本発明の代替の好ましい実施形態では、前記結合物質は、図1、2もしくは3中のアミノ酸配列によって表される前記ポリペプチドまたは少なくとも1個のアミノ酸残基の付加、欠失または置換によって参照アミノ酸配列から変わっているアミノ酸配列を含むポリペプチド変異体と特異的に結合する抗体である。
【0084】
本発明の更なる態様は、
a)図1、2または3に示される核酸配列からなる核酸分子、
b)上記(i)の核酸分子とストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子
からなる群から選択される核酸分子によってコードされるRAMPタンパク質の活性を調節する薬剤についてスクリーニングする方法を提供し、
前記方法は、細胞表面にRAMPタンパク質を発現する細胞を、試験化合物と接触させるステップと、試験化合物の、RAMPタンパク質の活性を調節する能力を調べるステップとを含む。
【0085】
本開示は、CRLR機能を変調させる薬剤の同定におけるRAMPタンパク質の使用を提供し、RAMPタンパク質は、
i)図1、2または3によって示される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチドまたはその変異体、
ii)上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるポリペプチド、および
iii)(i)および(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝暗号の結果として縮重する核酸を含むポリペプチド
からなる群から選択される。
本開示内容はまた、CRLRと、
i)図1、2または3に示される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチドまたはその変異体、
ii)上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるポリペプチド、および
iii)(i)および(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝暗号の結果として縮重する核酸を含むポリペプチド
からなる群から選択されるポリペプチドとの相互作用を調節する薬剤の同定におけるCRLRの使用を提供する。し、RAMPタンパク質は、
i)図1、2または3によって示される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチドまたはその変異体、
ii)上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるポリペプチド、および
iii)(i)および(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝暗号の結果として縮重する核酸を含むポリペプチド
からなる群から選択される。
本開示内容はまた、CRLRと、
i)図1、2または3に示される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチドまたはその変異体、
ii)上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるポリペプチド、および
iii)(i)および(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝暗号の結果として縮重する核酸を含むポリペプチド
からなる群から選択されるポリペプチドとの相互作用を調節する薬剤の同定におけるCRLRの使用を提供する。
【0086】
本発明の更なる態様によれば、図1、2又は3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド、もしくは本明細書で定義されるその断片もしくは変異体をコードする核酸分子と特異的に反応する結合物質または図1、2もしくは3に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、もしくは本明細書で定義されるその断片もしくは変異体と特異的に反応する薬剤を含むキットが提供される。
本発明の好ましい一実施形態では、前記キットは、前記核酸分子または前記ポリペプチドと特異的に反応するオリゴヌクレオチドまたは抗体をさらに含む。
前記キットは、熱安定性DNAポリメラーゼおよび核酸の増幅を実施するのに必要な成分を含むことが好ましい。前記キットは、前記ポリメラーゼ連鎖反応を実施し、核酸を制御するための一連の機器を含むことが好ましい。
【0087】
本発明の代替的な好ましい実施態様では、前記キットは図1、2又は3に示すアミノ酸配列を含むポリペプチド、または本明細書で定義されるその断片または変異体と特異的に反応する抗体を含む。
前記キットは、例えば、前記ポリペプチド(複数可)と特異的に結合する一次抗体と特異的に反応する二次抗体および前記二次抗体の前記一次抗体との結合を検出するために必要な酵素試薬を含めた、イムノアッセイを実施するのに必要な成分を含むことが好ましい。
【0088】
本発明の更なる態様によれば、
a)図1、2または3に示される核酸配列からなる核酸分子、
b)上記(i)の核酸分子とストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子
からなる群から選択される核酸分子によってコードされるポリペプチドの活性を調節する薬剤についてスクリーニングする方法が提供され、
この方法は、
(i)ポリペプチドまたはその配列変異体と、試験される少なくとも1種の薬剤を含む調製物を形成するステップと、
(ii)前記ポリペプチドの活性に対して前記薬剤の活性を調べるステップと
を含む。
【0089】
RAMP細胞外ドメイン(ECD)に相当する図4から6(図7から9を含む)に示すアミノ酸配列は、RAMPのCRLRへの結合の変調等を介してCRLR機能を変調する分子の構造ベースの設計に使用できる。このような「構造ベースの設計」はまた、「合理的薬物設計」としても知られている。RAMP ECDは、例えば、すべて周知の方法である、X線結晶学、核磁気共鳴または相同性モデリングによって三次元分析できる。分子モデリングソフトウェアシステムにおける構造情報の使用もまた、本発明によって包含される。このようなコンピュータ支援モデリングおよび薬物設計は、例えば、分子の化学的コンホメーション解析、静電ポテンシャル、タンパク質フォールディングなどの情報を利用し得る。本発明の1つの特定の方法は、標的の結合する可能性が高い部位について、RAMP ECDの3次元構造を分析するステップと、予測反応部位を組み込む新規分子を合成するステップと、上記の新規分子をアッセイするステップとを含むことができる。
本発明の好ましい方法では、前記薬剤はアンタゴニストである。本発明のスクリーニング法によって同定される薬剤は、抗体、siRNA、アプタマー、小さい有機分子、(例えば、ペプチド、環状ペプチド)および本明細書に開示されるポリペプチドのドミナントネガティブ変異体を含み得る。
【0090】
上記したように、本発明は、或る実施態様において、ここに記載したポリペプチドから誘導される「ドメインネガティブ」ポリペプチドも提供する。ドミナントネガティブポリペプチドとは、細胞機構と相互作用することによって、細胞機構とのその相互作用から活性タンパク質と置き換わるか、または活性タンパク質と競合し、それによって活性タンパク質の作用を低減する、タンパク質の不活性変異体である。例えば、リガンドと結合するが、リガンドの結合に応じてシグナルを伝達しないドミナントネガティブ受容体は、リガンドの発現の生物学的効果を低減し得る。同様に、標的タンパク質と正常に相互作用するが、標的タンパク質をリン酸化しないドミナントネガティブな触媒的に不活性のキナーゼは、細胞シグナルに応じた標的タンパク質のリン酸化を低減し得る。同様に、遺伝子の制御領域中の別の転写因子と、またはプロモーター部位と結合するが、遺伝子転写を増大しないドミナントネガティブ転写因子は、転写を増大することなくプロモーター結合部位を占有することによって正常な転写因子の作用を低減し得る。
【0091】
当業者は、本開示によるペプチド薬剤のアミノ酸配列の修飾が、標的配列に対するペプチドの結合性及び/又は安定性を向上させうる事を理解するであろう。さらに、ペプチドの改変はまた、ペプチドのin vivo安定性を増大し、それによって、本明細書に開示されるポリペプチドの活性を阻害するのに必要なペプチドの有効量を低減し得る。これは、in vivoで起こり得る望ましくない副作用を低減し、有利である。改変として、制限ではなく例として、アセチル化およびアミド化が挙げられる。あるいは、または好ましくは、前記改変は、組換えまたは合成型のペプチドの製造における改変されたアミノ酸の使用を含む。当業者には明らかであろうが、改変されたアミノ酸として、例えば、4−ヒドロキシプロリン、5−ヒドロキシリシン、N6−アセチルリシン、N6−メチルリシン、N6,N6−ジメチルリシン、N6,N6,N6−トリメチルリシン、シクロヘキシアラニン、D−アミノ酸、オルニチンが挙げられる。その他の改変として、ハロ(例えば、F、Br、I)、ヒドロキシまたはC1〜C4アルコキシから選択される1、2または3個の置換基によって場合によって置換されていてもよいC2、C3またはC4アルキルR基を有するアミノ酸が挙げられる。また、p53結合活性を保持するペプチドは、環化によって改変され得るということも当業者には明らかである。環化は当技術分野で公知である(ScottらChem Biol (2001年)、8:801〜815頁;GellermanらJ.Peptide Res(2001年)、57:277〜291頁;DuttaらJ.Peptide Res(2000年)、8:398〜412頁;NgokaおよびGross J Amer Soc Mass Spec(1999年)、10:360〜363頁参照のこと。
【0092】
更なる態様において、本発明は、CRLR機能を変調させる薬剤の同定におけるポリペプチドの使用を提供し、ポリペプチドは、
i)図1、2または3に示される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチドまたはその変異体、
ii)上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるポリペプチド、および
iii)(i)および(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝暗号の結果として縮重する核酸を含むポリペプチド
からなる群から選択される。
本発明のなおさらなる態様は、CRLRと、
i)図1、2または3によって示される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチドまたはその変異体、
ii)上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズ、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるポリペプチド、および
iii)(i)および(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝暗号の結果として縮重する核酸を含むポリペプチド
からなる群から選択されるポリペプチドとの相互作用を調節する薬剤の同定におけるCRLRの使用を提供する。
【0093】
医薬的方法、製造物の使用
他の態様では、本発明は、前記した試薬の医薬としての使用を提供する。更なる態様では、前記の試薬を含有する医薬組成物を提供する。組成物は、少なくとも一つの付加的な製薬上許容される成分、例えば、賦形剤、希釈剤又は担体を含んでいてもよい。好ましくは、組成物は、非経口投与を意図するものである。特別な実施態様では、組成物は、抗体、例えばRAMP−3タンパク質に結合する抗体である試薬を含む。
【0094】
保護の範囲は、それらが実際にそのような試薬を含有するか否かに関わりなく、そしてそのような試薬が製薬上有効な量で含まれているか否かに関わりなく、本発明の試薬を含む又は含むことを意図した偽の又は不正な製造物を含む。従って、パッケージが本発明の化学種又は組成物を含むことを表示した記載又は指示を含むパッケージ、及びそのような組成物又は化学種である又は含む、あるいは含むことを意図した製造物は、保護の範囲に含まれる。
【0095】
本発明の更なる実施態様では、本発明の試薬を含有する医薬組成物が提供される。好ましい実施態様では、試薬は抗体、特にRAMP−3タンパク質に結合する抗体である。
【0096】
本明細書の開示には、図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、又はそれらの断片又は変異体ポリペプチドであって、前記変異体が図4、5又は6に示されるアミノ酸配列のアミノ酸残基の少なくとも1つの付加、欠失又は置換によって修飾され、前記変異体ポリペプチドがCRLR機能を変調させるものを含有する組成物が含まれる。
【0097】
本明細書で使用する「図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片」は、1〜50アミノ酸、例えば1〜30アミノ酸、例えば10〜30アミノ酸を含む断片を含む。図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片は、図7、8又は9に示されるアミノ酸配列又は変異体ポリペプチドであって、前記変異体が図7、8又は9に示されるアミノ酸配列のアミノ酸残基の少なくとも1つの付加、欠失又は置換によって修飾され、前記変異体ポリペプチドがCRLR機能を変調させるものを含んでいてもよい。
【0098】
また、本明細書の開示は、
i)図4、5又は6に示される核酸配列の全部又は一部を含む核酸分子;
ii)上記(i)の核酸分子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、ポリペプチドをコードする核酸分子であって、そのポリペプチドがCRLR機能を変調させる核酸分子からなる群から選択される、ワクチンとして使用するための核酸分子を含有する医薬組成物を含む。
【0099】
本明細書の開示は、図4、7、8又は9に示される核酸配列を含む核酸分子を含有する組成物も想定している。
本発明の好ましい実施態様では、前記組成物はアジュバント及び/又はキャリアを含む。
【0100】
アジュバントは、免疫細胞の活性を変調させることにより抗原に対する特異的な免疫反応を増強する物質又は手段である。アジュバントの例は、例示のみだが、フロイントアジュバント、ムラミールジペプチド、リポソームを含む。キャリアは、第二の分子に結合したときに、後者に対する免疫反応を増強する免疫原性分子である。幾つかの抗原は本来的に免疫原性ではなく、外来タンパク質分子、例えばキーホール−リンペットヘモシアニン又は破傷風トキソイドと結合したときに抗体反応を生じさせる。そのような抗原は、B細胞エピトープを含むがT細胞エピトープは含まない。そのような複合体のタンパク質部分(「キャリア」タンパク質)は、ヘルパーT細胞を刺激するT細胞エピトープを提供し、それは翻って抗原特異的B細胞のプラズマ細胞への分化を刺激して、抗原に対する抗体を産生する。ヘルパーT細胞は、他の免疫細胞、例えば細胞傷害性T細胞も刺激し、キャリアは細胞媒介免疫性並びに抗体の産生において類似の役割を果たし得る。
【0101】
投与時には、本発明の薬剤組成物および製剤は、製薬上許容される調製物で投与される。このような調製物は、製薬上許容される濃度の塩、緩衝剤、保存料、適合性担体、補充性の免疫増強剤、例えば、アジュバントおよびサイトカインならびに、場合によってその他の治療薬(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド(cyclosphosphamide)、メルファラン、カルムスチン(carmusline)、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、シタラビン、メルカプトプリン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ダクチノマイシン、マイトマイシンC、タキソール、L−アスパラギナーゼ、G−CSF、エトポシド、コルヒチン、デフェロキサミン(derferoxamine)メシレートおよびカンプトセシンを、通常、含み得る。
本発明の組成物および製剤は、注射を含めた任意の従来の経路によって、または経時的な段階的注入によって投与してよい。投与は、例えば、経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、腔内、皮下または経皮であり得る。抗体を治療的に使用する場合には、1つの特定の投与経路として、肺のエアゾールによるものがある。抗体を含むエアゾール送達系を調製するための技術は、当業者には周知である。一般に、このような系は、抗体の生物学的特性、例えば、パラトープ結合能(例えば、参照により組み込まれる、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、1990年、1694〜1712頁中、SciarraおよびCutie、「Aerosols」参照のこと)を大きくは損なわない成分を利用すべきである。当業者ならば、過度の実験に頼ることなく、抗体エアゾールを作製するための種々のパラメータおよび条件を容易に決定できよう。
【0102】
本発明の組成物および製剤は、通常、有効量で投与される。「有効量」とは、単独またはさらなる用量と一緒に、所望の応答を引き起こす組成物の量である。癌などの特定の疾患を治療する場合には、所望の応答として、疾患の進行の阻害がある。これは、疾患の進行を一時的に単に減速することを含み得るが、より好ましくは、疾患の進行を恒久的に停止することを含む。これは、常法によってモニターでき、または本明細書で検討される本発明の診断法に従ってモニターできる。
対象に投与される薬剤の用量は、種々のパラメータに一致して、特に、使用される投与様式および対象の状態に一致して選択できる。その他の因子として、所望の治療期間が挙げられる。対象における応答が、適用された初期用量では不十分である事象では、高用量(または異なる、より限局化された送達経路によって事実上高い用量)を、患者の耐容性が許容する限り、使用してもよい。
【0103】
一般に、抗体の用量は、当技術分野における任意の標準的な手順に従って、約1ng〜約1mgの間、好ましくは、10ng〜100μgの間の用量で製剤され、投与される。核酸またはその変異体が使用される場合には、標準的な手順に従って、通常、1ng〜0.1mgの間の用量が製剤され、投与される。組成物の投与のためのその他のプロトコールは、当業者には公知であり、それでは、投薬量、注射スケジュール、注射部位、投与様式(例えば、骨内)などは前記のものとは異なる。ヒト以外の哺乳類への組成物の投与(例えば、試験目的のまたは獣医治療目的の)は、上記と実質的に同様の条件下で実施する。本明細書で使用する場合、対象とは、哺乳類、好ましくはヒトであり、非ヒト霊長類、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコまたはげっ歯類を含む。
投与時には、本発明の医薬品および製剤は、製薬上許容される量で、製薬上許容される組成物中で適用される。用語「製薬上許容される」とは、有効成分の生物活性の有効性に干渉しない非毒性材料を意味する。このような調製物は、塩、緩衝剤、保存料、適合性担体および場合によってその他の治療薬を、通常、含み得る。医薬において使用される場合には、塩は製薬上許容されるべきであるが、便宜上、製薬上許容されない塩を用いて、その製薬上許容される塩を調製することもあり、本発明の範囲から排除されない。このような薬理学上および製薬上許容される塩として、それだけには限らないが、以下の酸から調製されるものが挙げられる:塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、クエン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸など。また、製薬上許容される塩は、ナトリウム、カリウムまたはカルシウム塩などのアルカリ金属塩またはアルカリ土類塩として調製してもよい。
【0104】
薬剤組成物および製剤は、必要に応じて、製薬上許容される担体を含むことができる。本明細書で使用する場合、用語「製薬上許容される担体」とは、ヒトに投与するのに適している、1種または複数の適合性固体または液体増量剤、希釈剤または封入物質を意味する。用語「担体」とは、適用を容易にするために有効成分と組み合わされる天然または合成の、有機または無機成分を示す。薬剤組成物の構成要素はまた、所望の製薬上の有効性を実質的に損なう相互作用がないような方法で、本発明の分子と、また互いに混合され得る。
薬剤組成物および製剤は、適した緩衝剤、例えば、塩での酢酸、塩でのクエン酸、塩でのホウ酸、塩でのリン酸を含み得る。薬剤組成物および製剤はまた、場合によって、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、パラベンおよびチメロサールなどの適した保存料を含み得る。
経口投与に適した組成物は、各々、所定量の活性化合物を含有する、カプセル剤、錠剤、トローチ剤などの個別の単位として提示され得る。その他の組成物として、水性液または非水性液中の懸濁液、例えば、シロップ剤、エリキシル剤またはエマルジョン剤が挙げられる。
【0105】
非経口投与に適した組成物は、好ましくは、レシピエントの血液と等張である、抗体または核酸の滅菌水性または非水性調製物を含むことが好都合である。この調製物は、適した分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用い、公知の方法に従って製剤できる。滅菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈液または溶媒中の、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のような、滅菌注射用溶液または懸濁液であり得る。許容されるビヒクルおよび使用してよい溶媒の中には、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、滅菌硬化油が、溶媒または懸濁媒として従来使用されている。この目的のために、合成モノまたはジ−グリセリドをはじめ、任意の無刺激性硬化油を使用してもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸も、注射用物質の調製において使用してよい。経口、皮下、静脈内、筋肉内、などの投与に適した担体製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton、PAに見ることができる。
本発明のさらなる態様は、医薬として使用するための、本明細書で定義される薬剤または組成物を提供する。医薬品として使用するための好ましい薬剤として、抗体生成物、例えば、抗体または抗体断片がある。特定の薬剤として、RAMP−3と結合する抗体生成物がある。特に、抗体生成物は、ヒトRAMP−3タンパク質と結合する。
【0106】
本発明の一態様では、本開示内容の薬剤を用いて癌を治療できる。本発明のさらなる態様によれば、対象において癌を治療する方法であって、本発明の薬剤の有効量を投与するステップを含む方法が提供される。本発明の好ましい方法では、前記対象はヒトである。
本発明のさらなる態様によれば、癌に対して動物を免疫化する方法であって、本発明の組成物の有効量を投与するステップを含む方法が提供される。本発明の好ましい方法では、前記動物はヒトである。
【0107】
本明細書において、用語「癌」とは、自己増殖のための能力、すなわち、迅速に増殖する細胞増殖を特徴とする異常な状況または状態を有する細胞を指す。この用語は、すべての種類の癌性増殖または発癌プロセス、転移組織または悪性に形質転換された細胞、組織または臓器を、病理組織学的種類または侵襲性のステージに関わらず、含むものとする。用語「癌」は、種々の臓器系の悪性腫瘍、例えば、肺、乳房、甲状腺、リンパ系、胃腸管および泌尿生殖器に影響を及ぼすものならびにほとんどの結腸癌、腎細胞癌腫、前立腺癌および/または精巣腫瘍、肺の非小細胞癌腫、小腸の癌および食道の癌などの悪性腫瘍を含む腺癌を含む。用語「癌腫」とは、当技術分野で承認されており、上皮組織または内分泌組織の悪性腫瘍、例えば、呼吸器系の癌腫、胃腸系の癌腫、泌尿生殖器系の癌腫、精巣癌腫、乳房癌腫、前立腺癌腫、内分泌系癌腫および黒色腫を指す。例示的癌腫として、子宮頚部、肺、前立腺、乳房、頭頚部、結腸および卵巣の組織から形成されるものが挙げられる。
用語「癌腫」はまた、癌肉腫も含み、例えば、癌性および肉腫性組織からなる悪性腫瘍を含む。「腺癌」とは、腺性組織に由来する癌腫または腫瘍細胞が認識可能な腺性構造を形成する癌腫を指す。用語「肉腫」は、当技術分野で承認されており、間葉誘導の悪性腫瘍を指す。さらなる種類の癌として、白血病、皮膚癌、頭蓋内癌および脳癌が挙げられる。
【0108】
癌の病理生物学におけるAMの特異的な活性は、5つの領域の作用、すなわち、癌細胞増殖の刺激、免疫応答の間接的な抑制、血管新生の促進、侵襲性腫瘍表現型の奨励およびアポトーシス生存因子に分類される。したがって、本発明の薬剤または組成物は、例えば、血管新生または癌細胞増殖の阻害による癌性状態の治療、遅延および/または予防において有用であり得る。
本開示内容の薬剤を含む薬剤製剤は、化学療法薬と連続して、または実質的に同時にのいずれかで組み合わせて投与してよい。
【0109】
本発明の一態様では、本発明の薬剤および/または組成物または薬剤を含む製剤を用いて、骨粗しょう症を治療できる。したがって、本発明の一態様によれば、対象において骨粗しょう症を治療する方法であって、本発明の薬剤の有効量を投与するステップを含む方法が提供される。本発明の好ましい方法では、前記対象はヒトである。
本発明のさらなる態様では、本発明の薬剤および/または薬剤を含む組成物または製剤を用いて、肥満症を治療、例えば、そのレベルを低減できる。また、薬剤を、肥満症の治療のための医薬の製造に用いてもよい。したがって、本発明の一態様によれば、対象において肥満症を治療する方法であって、本発明の薬剤の有効量を投与するステップを含む方法が提供される。本発明の好ましい方法では、前記対象はヒトである。
【0110】
また、本発明の一態様として、血管障害、例えば、糖尿病性血管障害、微小血管障害および大血管障害から選択される血管障害を治療または低減する医薬の製造のための、本明細書に記載される薬剤の使用が含まれる。血管障害、例えば、糖尿病性血管障害を治療する方法であって、本発明の薬剤を対象に投与するステップを含む方法が、本発明の一態様として含まれる。
本発明のさらなる態様では、本発明の薬剤および/または薬剤を含む組成物または製剤を用いて、炎症性障害および/または炎症反応を治療できる。したがって、本発明のさらなる態様によれば、対象において炎症性障害を治療する方法であって、本発明の薬剤の有効量を投与するステップを含む方法が提供される。本発明の好ましい方法では、前記対象はヒトである。
【0111】
炎症性障害は、アテローム性動脈硬化症、リウマチ関節炎、変形性関節症、痛風、紅斑性狼瘡、強皮症、シェーグレン症候群、多発性筋炎および皮膚筋炎、脈管炎、髄炎、滑膜炎、細菌性心内膜炎、骨髄炎、乾癬、肺炎、線維性肺胞炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺気腫、ケイ肺症、塵肺症、結核、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性炎症性脱髄性多発神経根筋障害、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、多発性硬化症、ギラン・バレー症候群および重症筋無力症、乳腺炎、蹄葉炎、喉頭炎、慢性胆嚢炎、橋本甲状腺炎および炎症性乳房疾患からなる群から選択され得る。一実施形態では、炎症性障害は、移植後の組織または臓器拒絶の結果であり得る。特定の実施形態では、炎症性障害は、アテローム性動脈硬化症、リウマチ関節炎、変形性関節症、敗血症および多発性関節炎からなる群から選択される。
患者が罹患しているか、罹患のリスクがあるか、罹患している疑いがある実施形態では、障害は、例えば、アテローム性動脈硬化症などの炎症性疾患の結果としての血栓症、心筋梗塞、卒中、一過性脳虚血発作、閉塞性末梢血管疾患、末梢動脈の閉塞およびその合併症からなる群から選択される。
【0112】
本明細書にはまた、アテローム性動脈硬化性障害の実際の部位または疑われる部位への本発明の薬剤の局所投与が開示されている。このような投与は、アテローム性動脈硬化性障害、例えば、破裂し得るアテローム斑に罹患している、罹患していると疑われる患者の治療において有用であり得る。投与はカテーテルによるものであり得る。
本発明の薬剤を用いて心不全を治療できる。また、心不全を治療するための医薬の製造のための本明細書に記載される薬剤の使用も提供される。
【0113】
本発明のさらなる態様では、本発明の薬剤、および/または薬剤を含む組成物または製剤を用いて、敗血症を治療できる。薬剤はまた、敗血症の治療のための医薬の製造のために使用できる。したがって、本発明の態様によれば、対象において敗血症を治療する方法であって、本発明の薬剤の有効量を投与するステップを含む方法が提供される。本発明の好ましい方法では、前記対象はヒトである。
本発明の一実施形態では、薬剤は、創傷の治療において有用であり得る、すなわち、創傷治癒の補助において有用である。本発明のさらなる態様は、対象において創傷を治療する方法であって、本発明の薬剤の有効量を投与するステップを含む方法を提供する。本発明の好ましい方法では、前記対象はヒトである。また、創傷を治療するための医薬の製造のための本発明の薬剤の使用も提供される。
【0114】
本明細書において、「創傷」の治療とは、とりわけ、潰瘍および病変、例えば、切り傷またはやけどのような皮膚の創傷およびそれと関連している状態の治療を含む。
本明細書において、「治療」とは、治療されている個体または細胞の自然経過を変更しようと企てた臨床介入を指し、予防のため、または臨床病理の過程の間のいずれで実施してもよい。望ましい効果として、疾患の発症または再発を防ぐこと、症状の軽減、疾患の任意の直接的または間接的病理学的帰結の減少、疾患進行速度の低下、病状の寛解または緩和および緩解または予後の改善が挙げられる。本明細書において、用語「治療」とは、示された状態/障害の治療および予防を含むものとする。
【0115】
さらに、
(1)本明細書に記載される薬剤、および
(2)本明細書に記載される方法において薬剤を使用するための使用説明書
を含むパッケージまたはキットオブパーツ(kit of parts)が提供される。
本明細書で定義されるパッケージは、反復投薬のために提供するための2以上の投与量単位を含むことができる。2以上の投与量単位が存在する場合には、このような単位は、活性薬剤組成物の用量および/または物理的形態の点で同一である場合もあるし、異なっている場合もある。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通じて、語「含む(comprise)」、および「含む(contain)」ならびにこの変形、例えば「含むこと(comprising)」および「含む(comprises)」は、「含むが、それに制限しない(including but not limited to)こと」を意味し、その他の部分、付加物、構成要素、整数またはステップを排除することを意図しない(また、排除しない)。
本明細書の説明および特許請求の範囲を通じて、文脈上他の意味に解釈されない限り、単数形は、複数形を包含する。特に、不定冠詞が用いられる場合は、本明細書では、文脈上他の意味に解釈されない限り、単数だけでなく複数をも企図するものと理解されるべきである。
本発明の特定の態様、実施形態または実施例とともに記載される、特長、整数、特徴、化合物、化学部分または基は、矛盾しない限りは、本明細書に記載される任意のその他の態様、実施形態または実施例に適用可能であると理解されるべきである。
本発明の実施形態を、以下、単に例として、以下の図ならびに材料および方法を参照して記載する。
【実施例】
【0116】
RAMP細胞外ドメイン(ECD)タンパク質の生成
Novagen(Toyobo)からのKODホットスタートDNAポリメラーゼキットを用いた高品位PCRを使用してRAMPのECD領域を生成した。テンプレートDNAは、購入したヒト脳cDNAサンプル(Ambion)から得た。
各50μl反応液について、室温又は氷上の0.5mlのPCRチューブに以下のものを入れた:
27.5μl PCRグレードH2O
2.5μl DMSO
5μl 10×PCRバッファー:KODホットスタートDNAポリメラーゼについて
5μl dNTPs(最終濃度0.2mM)
2μl MgSO4(最終濃度1mM)lμlテンプレートDNA
3μl 5’プライマー(5pmol/μl,最終濃度0.3μM)
3μl 3’プライマー(5pmol/μl,最終濃度0.3μM)
1μl KODホットスタートDNAポリメラーゼ(1U/μl)
50μl 全容量
【0117】
この反応を2回実施し、第1の反応は以下のプライマーを用いて全RAMP ECDより大きな領域を単離するために実施した:
RAMP1
フォワード
CGAGCGGACTCGACTCGGCAC
リバース
CTTCCTAGGGTGGCGGTGGCC
RAMP2
フォワード
GTC CGC CTC CTC CTT CT GCT
リバース
AAG TGG AGTAACATG GTTATT GT
RAMP3
フォワード
AGC CAT GGA GAC TGG AGC GCT GC
リバース
GTG GCC CAG TAG CTG GAG ATT GGC
反応物は、QIAGEN QiAquick PCR精製キット標準プロトコールを用い、ベンチトップ遠心分離を使用して精製した。
【0118】
第2のPCR反応は、上記のプライマーを用いた反応の生成物を使用した。以下のプライマーを用い、これたのプライマーは挿入されたEcoRl及びBamHl制限部位を有していた:
RAMPl
フォワード
GCGAATTCCTGCCAGACCACCAG
リバース
GTGGATCCTACCGGGCCCGGGACA
RAMP2
フォワード
GCG AAT TCA ATC CCC ACG AGG CCC TGG CTC AGC C
リバース
CAG GAT CCTACA AGA GTG ATG AGG AAG GGG ATG
RAMP3
フォワード
CAG AATT TCC AGA GCA GGC CGC TGC AAC CAG ACA G
リバース
GTG GAT CCCACCACCAGG CCA GCCATG GCG ACA GT
この反応からのサンプルは、QIAGEN QiAquick PCR精製キットを用い、ベンチトップ遠心分離を使用して精製した。
生成物のサイズを最初にスクリーニングするため、それらを1.5%臭化エチジウムを含む1.5%アガロースゲル上を、200vで30分間走らせた。生成物をSigma社から入手可能な標準マーカーに対して比較した。
生成物の遺伝子配列決定を実施し、生成物を最終決定した。
この点より前のECDタンパク質は、特に断らない限り「挿入物」と呼ぶ。
【0119】
挿入物及びベクターの調製
1.制限
(これらの量は、1μgのDNA濃度に基づく)
制限反応は、以下のプロ値コールを用いて挿入物及びベクター(pGEX−6P1)の両方で実施した。
1μl DNA
2μl l0×バッファーE
2μl 10×BSA
1μl BamH−1
1μl EcoR−1
13μl DNaseフリーH2O
20μl 全容量
この反応物を、37℃で1時間又は16℃で終夜のいずれかでインキュベートした。
この反応からの生成物をQIAGEN QiAquick PCR精製キットを用い、ベンチトップ遠心分離標準プロトコールを使用して精製した。
【0120】
2.ベクター脱ホスホリル化
これらの量は、lμgのDNA濃度に基づく。
1μl DNA
1μl l0×アンタークティックホスファターゼ反応バッファー
1ul アンタークティックホスファターゼ
7μl DNaseフリーH2O
10μl 全容量
37℃で1時間インキュベーション。
【0121】
3.ライゲーション(プラスミド+挿入物)
これらの量は、lμgのDNA濃度に基づく。
1μl ベクター
1μl 挿入物DNA
5μl ×2 ライゲーションバッファー
1μl T4リガーゼ
2μl DNaseフリーH2O
10μl 全容量
16℃で終夜インキュベーション。
【0122】
ライゲーション反応からの全容量は以下のステップで用いた:
10μl DNA
10μl ×lOトランスフォーメーションバッファー
100μl E−Coli(TOP10)コンピテント細胞
70μl DNaseフリーH2O
200μl 全容量
×10 トランスフォーメーションバッファー(300mM MgCI2,100mM CaCI2)
6.5ml 蒸留水
0.5ml 2M CaCl2
3.0ml 1M MgCl2
10ml 全容量
1.氷上に20分間置く。
2.室温に10分件置く。
3.1mlのLBブロスベース(LENNOX L ブロスベース)を添加する。
4.37℃で1時間インキュベーション。
5.10μg/mlアンピシリンを含むLB寒天プレート上にサンプルを拡げる。
6.37℃で終夜インキュベーション。
【0123】
培養
プレートからのコロニーをピックアップし、10μg/mlアンピシリンを含む5mlのLBブロスベース(LENNOX L ブロスベース)に入れ、次いで、振盪インキュベータに37℃で終夜配置した。
培養物をQIAprep Spin Miniprpepキット(Qiagen)標準プロトコールを用い、テーブルトップ遠心分離を使用して清浄化した。
トランスフォーメーションが有効に起こったことを確認するため、プラスミドのサンプル上で遺伝子配列決定を実施した。
【0124】
タンパク質発現
以下のプロトコールに従ってタンパク質発現を行った。
トランスフォーメーション
1μl DNA(1〜10ng)
10μl ×10トランスフォーメーションバッファー
100μl E−Coli(BL21)コンピテント細胞
89μl 蒸留H2O
200μl 全容量
1.氷上に20分間置く。
2.室温に10分間置く。
3.1mIのLBブロスベース(LENNOX Lブロスベース)を添加する。
4.37℃で1時間インキュベーション。
5.10μg/mlアンピシリンを含むLB寒天プレート上にサンプルを拡げる。
37℃で終夜インキュベーション。
細胞を培養するのに以下のプロトコールを用いた。
【0125】
培養
コロニーを採取して5ml 2×YTA媒体(10μg/mlアンピシリン)に配する。
2×YTA媒体
16g トリプシン
10g イースト抽出物
5g NaCI
900ml 蒸留H2O
pH7はNaOHで調節した。全容量は、蒸留H2Oで1Lに調整し、オートクレーブで滅菌した。10μg/mlの濃度のアンピシリンを添加した。以下のプロトコールステップを続けた:
1.振盪インキュベータで37℃において2時間インキュベートした。
2.150μlの100mM IPTGを培地に添加した。
3.振盪インキュベータで37℃において更に4〜8時間インキュベートした。
【0126】
タンパク質抽出
タンパク質は、Bug Busterタンパク質抽出試薬(Novagen)を使用し、標準的プロトコールを用いて抽出した。これは、プロテアーゼ阻害剤を添加する付加的ステージを含む。可溶性及び不溶性の両方の画分を保存して分析した。
タンパク質の確認
このプロセスは、抗−GST抗体(Amersham Biosciences)を用いたウェスタンブロットを使用して実施した。ウェスタンブロットは、抗−GST抗体プロトコールに述べられているように実施した。
【0127】
タンパク質精製
大規模タンパク質製造は2L培地を用いて実施した。
タンパク質は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)遺伝子融合システムを用いて精製した。
GSTは天然にMr26,000で生じ、それはE.coli中で全酵素活性をもって発現され得る。GST融合タンパク質は、細菌溶解物から固定化グルタチオンを用いたアフィニティクロマトグラフィにより精製される。GST融合タンパク質は、アフィニティ媒体により捕捉され、洗浄により不純物が除去される。融合タンパク質は、還元されたグルタチオンを用いてマイルドで非変性的条件下で溶離される。サンプルの精製にGSTrap HP 5mlカラム(Amersham Biosciences)を用いる。
精製プロセスは、タンパク質抗原性及び機能を保存する。ひとたび溶離されると、GSTは部位特異的プロテアーゼを用いてタンパク質から切断される。このプロセスは、GST遺伝子融合システムハンドブック(Amersham Biosciences)に述べられているように実施される。
上記の精製方法は、分別精製のプロセスを付加されてもよい。ひとたびタンパク質が精製されると、ペプチドの接合形態が送られてモノクローナル抗体の生成に使用される。ン起こりのタンパク質溶液は特異的なプロテアーゼで処理されGSTタグが除去される。
【0128】
機能試験ECDタンパク質
MG63ヒト骨芽細胞様細胞をsiRNAでマニピュレートして種々のPAMP細胞フェノタイプを生成する:
・RAMP1、2及び3ネガティブ細胞、CRLRポジティブ細胞(ライン1)。
・RAMP2及び3ネガティブ細胞、RAMP1及びCRLRポジティブ細胞(ライン2)。
・RAMP1及び3ネガティブ細胞、RAMP2及びCRLRポジティブ細胞(ライン3)。
・RAMP1及び2ネガティブ細胞、RAMP3及びCRLRポジティブ細胞(ライン4)。
RAMP1:TGGCCCATCACCTCTTCATGA(Qiagen)
CTGGCTGCTCCTGGCCCATCA(Qiagen)
TCCTGGCCCATCACCTCTTCA(Qiagen)
RAMP1遺伝子の性質により1つのsiRNAは出現しないので、幾つかのsiRNAを試験する。
RAMP2:CUAUGAGACAGCUGUCCAA(MWG)
RAMP3:GUUCUUCUCCAACUGCACC(MWG)
siRNAのトランスフェクションは、ハンドブックに述べられているHiPerFectトランスフェクションキット(Qiagen)標準プロトコールを用いて実施する。
【0129】
機能試験1
第1の実験は、ECDフラグメントが無傷のRAMP細胞上でRAMPフェノタイプを生じさせるか否かを決定する(ライン1)。
・固体、黒色96−ウェルマイクロプレート(Corning)中において104から106細胞/mlの細胞濃度での培養(50μl容量)。
・37℃で終夜インキュベーション(5%CO2及び湿度95%)細胞培養培地を吸引。
・PBS中で作成した50μl容量のECD又はアゴニストを添加し、5分間曝露。
○ECDに対する容量応答性は有効濃度を決定する為に実施される。
○アゴニスト(アドレノメジュリンAM、カルシトニン遺伝子関連ペプチドCGRP)に対する容量応答性は応答がアゴニストにより誘発されるか否かを決定する為に実施される。
・ECD及びアゴニストの両方添加時に、cAMP蛍光偏光(FP)バイオトラック免疫アッセイ(Amersham Biosciences)を用いて個々のcAMP反応を測定する。
・ECD及び対応するアゴニストの用量は組み合わせ(例えば、RAMP1及びCGRP)で適用され、第2のメッセンジャーが測定される(上記の通り)。
【0130】
機能試験2
この実験は、
This experiment will determine the ability of RAMP ECDが所定のRAMPフェノタイプを再設定、例えばRAMP1型細胞をRAMP2型細胞に変換、する能力を決定する(ライン2、3及び4)
・用量応答曲線は、RAMPに結合するリガンドを用いて実施される。第2のメッセンジャー反応が測定される。EC50濃度が決定される。
・ECD用量応答曲線は、問題とするリガンドのEC50濃度での存在下で作成される。第2のメッセンジャー反応が測定される。
・そのリガンドに対して第2のメッセンジャーの減少が見られたら、ECDに対する対応するリガンドが適用され、第2のメッセンジャー反応が測定される。
これら2tuno最初の実験は、ECD領域が生物学的活性を持つか否かを決定する助けとなる。
【0131】
抗体生成
ECDペプチドは上記のように発現され精製される。抗体は以下のプロトコールを用いて作成される。
マウス及びラット免疫化プロトコール
以下の免疫化プロトコールに従って、RAMP−3の細胞外ドメインに対する抗体が生成される:
免疫に先立って、免疫前血清をマウスから取り出した。4匹のマウスにRAMP−3の細胞外ドメインに相当するペプチドを注射した:
10 20 30 40 50 60
GCPRAGGCNE TGMLERLPLC GKAFADMMGK VDVWKWCNLS EFIVYYESFT NCTEMEANW
70 80 90 99
GCYWPNPLAQ GFITGIHRQF FSNCTVDRVH LEDPPDEVL(図6も参照)。
注射は、約1月の間隔での、さらなる4回の注射でブーストした。マウスからのサンプル血液を採り、ポリクローナル抗体を含む血漿を分離した。
使用したアジュバントはフロインド(第1の注射には完全、残りの一連のためには不完全)。
抗原及びアジュバントは通常注射の直前にその部位で混合する。理想的には、最初から最後まで十分な抗原が与えられるが、これは常に必要なわけではない。20%までの抗原が混合時に喪失されるが、これは許容される。
齧歯類に注射される全容量は0.2ml(好ましくはマウスについては0.1ml未満)である。この半分が抗原であり、半分がアジュバントであり、従って抗原は注射された0.1ml又は0.05mlの最大量における必要なミリグラム数を与えるのに十分な濃度である。
【0132】
参考として次のプロトコールが含まれる:
ウサギ免疫化プロトコール
必要ならば免疫前血清を採取する。ウサギに通常は4週間間隔で注射する。注射の間に2週間以上かつ8週間以下が経過してよい。最大全部で5注射をしてもよく、その手技は理想的には6月以内に完了する。血液サンプルを通常は第3の注射の後に採取し、免疫状態を検査する。
手技の最後に、通常はウサギを犠牲にし、血清を採取する。あるいは、動物から許容最大限の出血をさせて解放してもよい。最も通常のアジュバントはフロイント(第1の注射には完全、残りの一連のものには不完全)である。好ましい場合は、低刺激(又は無刺激)アジュバントを代わりに使用してもよい。
抗原及びアジュバントは通常注射の直前にその部位で混合する。理想的には、少なくとも4注射(好ましくは5注射)について、最初十分な抗原が与えられる。20%までの抗原が混合時に喪失されるが、これは許容される。典型的には各動物に各場合に0.5ml以下の全容量が注射される。この半分が抗原であり、半分がアジュバントである。従って抗原は注射された0.25mlの最大量における必要なミリグラム数を与えるのに十分な濃度である。
【0133】
ウェスタンブロット プロトコール
サイズマーカーとともに2本のレーンで走らせた図6の最初のECDペプチドのブロットをプローブするために抗体のウェスタンブロットを使用した。抗体1及び2は予測されるサイズの14KDaにおいてタンパク質バンドへの明らかな結合を示した。抗体3は、同じサイズで非常に強い結合を示したが、この実験ではAB4は検出されなかった。
タンパク質調製((Bradfordアッセイで決定したタンパク質抽出収率に基づく)
使用したタンパク質はRAMP ECDであった。10μlのLaemlliバッファーをマイクロチューブに添加した。DTTを添加した(5%の全容量)。100〜150μgのタンパク質を含むタンパク質サンプル容量を、他の試薬と共に添加した。次いでマイクロチューブを摂氏70度で2分間加熱した後、氷上に配置した。
分離
15%アクリルアミドゲル15%を使用した。
以下のレシピに従ってランニングバッファーを作成した:
ランニングバッファー:
トリス塩基 60.55
グリシン 288.27g
SDS 20 gdH2O − 全体を2リットルとする。
ゲルを、タンク内に配置され一部をランニングバッファーに浸した電極ハウスに入れた。次いで、ゲルを20分間保持した。サンプルをレーンに取り込み、ゲルを200Vで40分間走査した。
移動
濾紙(典型的にはクロマトグラフィ紙)を約7×20cm片にし、PVDF膜を7×20cmに切断した。PVDF膜を予め100%メタノールを用いて10秒間ぬらし、dH2O中に浸漬した。濾過パッドを以下のものを含む移動バッファーに浸した:
移動バッファー
トリスバッファー 12.11g
グリシン 57.65g
メタノール−100ml
dH2O−全体を4リットルとする量。
膜サンドウィッチをキットの指示書に従って組み立てた。サンドウィッチを移動アセンブリ内に配置し、移動タンクを移動バッファーで満たした。
冷却ブロックを−20℃の貯蔵から取り出し、移動装置に配置した。ゲルを100Vde1時間走査させた。
PDVFのプロ−ビング
ブロットを5%ミルク中で1時間ブロックした。抗−RAMP−3 ECD抗体を、1:00 5%ミルクに希釈し、ブリットとともに終夜インキュベートした後、PBS中5%Tween−20で3×5分間洗浄した。二次抗体HRP 抗−マウスを、1:1000 5%ミルクで希釈して添加し1時間インキュベートした。PBS中5%Tween−20で3×5分間更に洗浄し、次いで水での3×5分間の洗浄を実施した。
ブロットを可視化するため、ECL溶液をブロットに添加して両方のスライドを確実に浸した(ECLはSanta Cruzから入手可能)。ブロットは、Amersham Biosciencesからの写真フィルムを用いて明らかにした。
【0134】
抗体ブロック能力
抗体がRAMPに結合する能力を試験するために、抗体のブロック能力を決定するアッセイを実施した:
・ヒトMG63骨肉腫細胞を10pmolのAMで処理し、cAMP反応を測定した(上記の方法、例えば、cAMP蛍光分極(FP)バイオトラック免疫アッセイ(Amersham Biosciences)を使用)。(RAMP−1試薬が試験される場合、このアッセイは、試薬のブロック能力を試験するリガンドとしてCGRPを用いても実施できる)。
・細胞は、抗体で1時間前処理した。
・AMのEC50用量を適用し(10pmol)、cAMP反応を測定した。
ポリクローナルは、ヒトMG63骨肉腫細胞における環状AMPの増加に対するアドレノモジュリンの効果を調節して、それらの能力を試験するために使用した。試験した全てのポリクローナル抗体は、アドレノモジュリンのcAMP生産に対する影響を減少させた。図12に示した結果は、RAMP−3に対して生じたポリクローナル抗体が、MG63のcAMP生産を少なくとも15%まで阻害したことを示している。
モノクローナル抗体生成
抗体4は最大の阻害を示したが、それはウェスタンブロットに見られず、AB3の結合曲線が低希釈において非常に強かったので、モノクローナル抗体は3番目のマウスを用いて作成した。モノクローナル抗体を作成するのに使用した手法は、Kohler及びMilstein、Nature 256,495−497(1975)、並びにDonillard及びHoffman,”Basic Facts about Hybridomas”、Compendium of Immunology V.II、Schwartz編集、1981に開示されており、これらを参考として取り入れる。
クローンのスクリーニングは、約1000クローンから実施し、ペプチドのGSTタグへの非結合性に基づいて576を選択した。これらのクローンの中で、ELISAデータを得て、最高の5つを更なる実験のために選択した。
抗体機能
5つのモノクローナル抗体を、それらのAM機能に対する効果について試験した。SW−13細胞の増殖/生存を、MTTアッセイ(アッセイの詳細は、www.lgcpromochem-atcc.com参照)。以下のプロトコールを使用した。
培養培地
DMEM
20%FCS
5% 抗生剤/有糸分裂
5% ピルビン酸ナトリウム
細胞を96ウェルプレートに、各ウェル50μlの培地を用いて1×106でプレートした。この方法にSW−13細胞(ヒト副皮質癌細胞系)を用いた。抗体を1:50希釈で各ウェルに適用し、終夜インキュベートした。
10μlのMTT試薬を添加し、次いで約2〜4時間、紫色沈殿物が現れるまでインキュベートした。100μlの洗浄試薬を添加して細胞を溶解させて沈殿物を可溶化し、次いで室温で暗中2時間放置した。ELISAプレートリーダーを用いて570nmでの吸収を記録した。
生成された各モノクローナル抗体は、12〜45%の範囲で増殖の阻害を誘発した。図13参照。(1:50の濃度は、約5ナノグラム/ウェルの最終濃度と等しい。)
【0135】
本開示には、以下のパラグラフの内容も含まれる。
1. カルシトニン受容体様受容体(CRLR)の機能に対するポリペプチドの影響を調節する薬剤であって、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド:
からなるのグループより選択される薬剤 。
2.薬剤がアンタゴニストであるパラグラフ1に記載の薬剤。
3.薬剤がアゴニストであるパラグラフ1に記載の薬剤。
4.薬剤がポリペプチドであるパラグラフ1に記載の薬剤。
5.薬剤が図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、又はその断片又は変異体であるパラグラフ1に記載の薬剤。
6.図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片が、図4、5又は6に示されるアミノ酸配列のN末端の1から30アミノ酸を含む断片を包含する、パラグラフ5に記載の薬剤。
7.図4、5又は6に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの断片が、図7、8又は9から選択されるアミノ酸配列からなる断片を包含する、パラグラフ5に記載の薬剤。
8.薬剤が検出可能マーカーと共に供給されるパラグラフ5に記載の薬剤。
9.薬剤が抗体又は抗体の活性な結合部分であるパラグラフ1に記載の薬剤。
10.抗体がモノクローナル抗体又はその活性な結合部分であるパラグラフ9に記載の薬剤。
11.抗体がキメラ抗体であるパラグラフ9に記載の薬剤
12.抗体が、該抗体の可変領域とヒト抗体の不変又は定常領域を含むように、組換え法によって生産されるヒト化抗体であるパラグラフ9に記載の薬剤。
13.抗体が抗体断片であるパラグラフ9に記載の薬剤。
14.抗体断片が一本鎖抗体可変領域断片であるパラグラフ14に記載の薬剤。
15.抗体が検出可能マーカーと共に供給されるパラグラフ9乃至14のいずれかに記載の薬剤。
16.抗体又は抗体断片が化学療法剤と結合又はクロスリンクするパラグラフ9乃至14のいずれかに記載の薬剤。
17.薬剤が核酸分子であるパラグラフ1に記載の薬剤。
18.核酸がアンチセンス核酸、アプタマー又は小分子干渉RNAであるパラグラフ17に記載の薬剤。
19.前記パラグラフのいずれかに記載の薬剤及びアジュバント又は薬剤的に許容な担体を含む医薬組成物。
20.i)図4、5又は6に表される核酸配列の全て又は一部を含む核酸分子;
ii)上記(i)核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節するポリペプチドをコードする核酸分子、
からなるグループより選択される核酸分子を含むワクチンとしての使用のための医薬組成物。
21.核酸分子が、図4、7、8又は9で表される核酸配列を含むパラグラフ20の組成物。
22.パラグラフ11のキメラ抗体又はパラグラフ12のヒト化抗体の発現に適合されるベクター。
23.パラグラフ22のベクターで形質転換又は形質移入される細胞。
24.パラグラフ11のキメラ抗体又はパラグラフ12のヒト化抗体の産生のための方法であって、
iii)ヒト化又はキメラ抗体をコードする核酸分子を含むベクターで形質転換又は形質移入される細胞を提供し、
iv)該抗体の製造を生じさせる条件下で該細胞を生育させ、
v)該細胞又はその生育環境から該抗体を精製する、
ことを含む方法。
25.パラグラフ10のモノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞。
26.パラグラフ25のハイブリドーマ細胞株を使用してパラグラフ25のモノクローナル抗体を生産する方法。
27.i)免疫応答性の哺乳動物を図4、5又は6で表されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は断片又はここで定義されるその変異体を含む抗原で免疫し、
ii)免疫した免疫応答性哺乳動物のリンパ球をハイブリドーマ細胞を形成させるためにミエローマと融合させ、
iii)ステップ(ii)のハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体を(i)のポリペプチドに対する結合活性によりスクリーニングし、
iv)生育及び/又は該モノクローナル抗体を分泌させるためにハイブリドーマ細胞を^培養し;及び
v)培養上清からモノクローナル抗体を回収する、
ステップを含む、パラグラフ10に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の調製方法。
28.(i)のポリペプチドが図7、8又は9に示されるものから選択されるアミノ酸配列を含むパラグラフ27に記載の方法。
29.iii)単離された細胞サンプルを提供し、
iv)(i)のサンプルと図1、2又は3に表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、又はその断片又は変異体をコードする核酸分子、又は該核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、図1、2又は3に表されるアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドをコードする核酸分子と結合する結合薬剤と接触させ、
v)対応する正常サンプルと比較して、該サンプル中の該核酸分子の発現を決定する:
ステップを含む被検対象中の癌の判定のための診断アッセイ。
30.結合約合いがオリゴヌクレオチドプライマーであるパラグラフ29のアッセイ。
31.結合薬剤がオリゴヌクレオチドプライマーであるパラグラフ29のアッセイ。
32.結合薬剤が、図1、2又は3のアミノ酸配列で表される該ポリペプチドと特異的に結合する抗体であるパラグラフ29に記載の薬剤。
33.a)図1、2又は3に示される核酸配列からなる核酸分子;
b)上記(i)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子;
からなるグループより選択される核酸分子によってコードされるポリペプチドの活性を調節する薬剤のスクリーニングする方法であって、
i)ポリペプチド又はその配列変異体及び少なくとも1つの試験薬剤を含む調製物を作製し、
ii)該ポリペプチドの活性について該薬剤の活性を測定するスクリーニング方法。
34. CRLR機能を調節する薬剤の同定におけるポリペプチドの使用であって、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
からなるのグループより選択される使用 。
35. CRLRと、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含むポリペプチド、
からなるのグループより選択されるポリペプチドとの相互作用を調節する薬剤の同定におけるCRLRの使用 。
36.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤、又はパラグラフ21のいずれかの組成物の医薬のための使用。
37.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における癌の治療方法。
38.パラグラフ20又は21の組成物の有効量を投与することを含む癌について動物を免疫する方法。
39.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における骨粗鬆症の治療方法。
40.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における肥満の治療方法。
41.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における炎症性疾患の治療方法。
42.炎症性疾患が、アテローム性動脈硬化症、リウマチ様関節炎、変形性関節症及び多発性関節炎から選択されるパラグラフ41の方法。
43.パラグラフ1乃至18のいずれかの薬剤の有効量を投与することを含む被検対象における創傷の治療方法。
【0136】
本発明は以下の態様も包含する。
(1)(i)RAMP−3、(ii)RAMP−2及び(iii)RAMP−1タンパク質から選択される1又は複数のRAMPタンパク質(受容体活性調節タンパク質)のカルシトニン受容体様受容体(CRLR)と結合、及び/又は影響を調節することができる薬剤。
(2)RAMPの細胞外ドメインと結合する(1)に記載の薬剤。
(3)RAMP−3とCRLPとの相互作用を調節することができる(2)に記載の薬剤。
(4)RAMP−3タンパク質の細胞外ドメインと特異的に結合する(1)から(3)のいずれかに記載の薬剤。
(5)(a)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置1から位置31の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から31アミノ酸残基のペプチド部分、
(b)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置32から位置46の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から15アミノ酸残基のペプチド部分、及び
(c)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置47から位置99の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から53アミノ酸残基のペプチド部分、
から選択される少なくとも1つのリガンドと結合する(1)から(4)のいずれかに記載の薬剤。
(6)(a)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置1から位置32の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から32アミノ酸残基のペプチド部分、
(b)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置33から位置46の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から14アミノ酸残基のペプチド部分、及び
(c)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置47から位置99の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から53アミノ酸残基のペプチド部分、
から選択される少なくとも1つのリガンドと結合する(1)から(5)のいずれかに記載の薬剤。
(7)ペプチド部分が5から15アミノ酸長の間である(6)に記載の薬剤。
(8)ヒトRMAP−3の断片と結合し、外断片がヒトカスパーゼ−3及びヒトカルパイン−1を用いたRMAP−3の細胞外ドメインの酵素切断によって生産される、(1)から(7)のいずれかに記載の薬剤。
(9)ヒトSW−13細胞の増殖を少なくとも10%阻害することができ、該阻害がMTT細胞増殖アッセイを用いて測定される、(1)から(8)のいずれかに記載の薬剤。
(10)少なくとも12%増殖を阻害することができる(9)に記載の薬剤。
(11)少なくとも20%、選択によっては少なくとも25%増殖を阻害することができる(9)に記載の薬剤。
(12)少なくとも30%、選択によっては少なくとも40%増殖を阻害することができる(9)に記載の薬剤。
(13)アドレノミデュリンで刺激した場合、ヒトMG63骨肉腫細胞中のcAMPの生産を少なくとも約15%減少又は阻害することができる(1)から(12)のいずれかに記載の薬剤。
(14)少なくとも約20%cAMPの生産を阻害することができる(13)に記載の薬剤。
(15)RAMP−1タンパク質が、
i)図1で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
から選択され、
RAMP−2タンパク質が、
i)図2で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
から選択され、
さらに、RAMP−3タンパク質が、
i)図3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
から選択される(1)に記載の薬剤。
(16)カルシトニン受容体様受容体(CRLR)に対するポリペプチドの影響を調節し、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
からなるグループより選択される薬剤 。
(17)前記薬剤がアンタゴニストであり、選択により、RAMPタンパク質とCRLR間の結合を干渉し、及び/又はCRLRに対するリガンド及び/又はRAMPタンパク質の結合を干渉する、(1)〜(16)のいずれかに記載の薬剤。
(18)前記薬剤がアゴニストである(1)から(15)のいずれかに記載の薬剤。
(19)抗体及び抗体断片から選択される抗体産物;タンパク質;ポリペプチド;融合タンパク質;アプタマー;及び化合物 である(1)から(18)のいずれかに記載の薬剤。
(20)前記薬剤が抗体又は抗体の活性な結合部分である(1)から(19)のいずれかに記載の薬剤。
(21)抗体産物がモノクローナル抗体又はその活性な結合部分である(20)に記載の薬剤。
(22)抗体産物がキメラ抗体である(20)又は(21)に記載の薬剤。
(23)抗体がヒト化抗体である(20)又は(21)に記載の薬剤。
(24)抗体産物が抗体断片である(20)から(23)のいずれかに記載の薬剤。
(25)抗体断片が、一本鎖抗体、一本鎖可変断片(svFv)、ドメイン抗体(dAB)及びナノボディーから選択される(24)に記載の薬剤。
(26)抗体産物が、例えば、PEG分子と結合した結合体である(20)から(25)のいずれかに記載の薬剤。
(27)前記薬剤が化学療法剤と結合又はクロスリンクした(1)から(26)のいずれかに記載の薬剤。
(28)前記薬剤が検出可能なマーカーを含む(1)〜(27)のいずれかに記載の薬剤。
(29)前記薬剤が核酸分子である(1)から(19)のいずれかに記載の薬剤。
(30)前記核酸分子がアンチセンス核酸、アプタマー又は小分子干渉RNAである(29)に記載の薬剤。
(31)医薬のために使用される(1)から(30)のいずれかに記載の薬剤。
(32)(1)から(31)のいずれかに記載される薬剤、及び薬剤的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
(33)(19)から(25)のいずれかに記載の抗体の発現に適合され、選択により、(22)に記載のキメラ抗体又は(23)に記載のヒト化抗体の発現に適合されたベクター。
(34)(33)に記載のベクターで形質転換又は形質移入された細胞。
(35)(20)から(25)のいずれかに記載の抗体又は抗体断片、及び選択により、(22)に記載されるキメラ抗体又は(23)に記載されるヒト化抗体の生産方法であって:
i)抗体又は抗体断片をコードする核酸分子を含むベクターで形質転換又は形質移入した細胞を生育させ、
ii)該細胞又はその生育環境から該抗体を精製する、生産方法。
(36)(20)に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株。
(37)i)免疫応答性の哺乳動物を図4、5又は6で表されるアミノ酸配列を有する少なくとも1つのポリペプチド、又は断片又はここで定義されるその変異体を含む抗原で免疫し、
ii)免疫した免疫応答性哺乳動物のリンパ球をハイブリドーマ細胞を形成させるためにミエローマと融合させ、
iii)ステップ(ii)のハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体を(i)のポリペプチドに対する結合活性によりスクリーニングし、
iv)生育及び/又は該モノクローナル抗体を分泌させるためにハイブリドーマ細胞を^培養し;及び
v)培養上清からモノクローナル抗体を回収する、
ステップを含む、(21)に記載のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞株の調製方法。
(38)(i)のポリペプチドが図7、8又は9に示されるものから選択されるアミノ酸配列を含む(36)に記載の方法。
(39)図1、2又は3に示される配列のRAMPタンパク質、又はストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で該核酸分子とハイブリダイズし、図1、2又は3に表されるアミノ酸配列を含む変異体ポリペプチドをコードする核酸分子の発言レベルを決定するためのアッセイであって、その方法が、
i)単離した細胞サンプルをRAMPタンパク質をコードする核酸分子と結合する結合薬剤と接触させ、
ii)標準サンプルと該サンプル中の核酸分子の発現を比較する、
ステップを含むアッセイ。
(40)結合薬剤がオリゴヌクレオチドプラマー及び図1、2又は3のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと特異的に結合する抗体から選択される(39)に記載のアッセイ。
(41)該アッセイがポリメラーゼ連鎖反応を含む(40)に記載のアッセイ。
(42)a)図1、2又は3に示される核酸配列からなる核酸分子;
b)上記(i)の核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、CRLR機能を調節する核酸分子:
からなるグループより選択される核酸分子によってコードされるRAMPタンパク質の活性を調節する薬剤をスクリーニングする方法であって;該方法が細胞表面上にRAMPタンパク質を発現する細胞と試験化合物とを接触させ、試験化合物のRAMPタンパク質の活性を調節する能力を決定することを含む方法。
(43)CRLR機能を調節する薬剤の同定におけるポリペプチドの使用であって、該ポリペプチドが、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
からなるグループより選択される使用 。
(44)CRLRと、
i)図1、2又は3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリッドし、CRLR機能を調節する核酸分子によってコードされるペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含み、該薬剤が医薬としての使用に特徴づけられるポリペプチド、
からなるグループより選択されるポリペプチドとの相互作用を調節する薬剤の同定におけるCRLRの使用 。
(45)癌を治療する医薬の製造のための(1)から(31)のいずれかに記載の薬剤又は(32)に記載の医薬組成物の使用。
(46)骨粗鬆症を治療する医薬の製造のための(1)から(31)のいずれかに記載の薬剤又は(32)に記載の医薬組成物の使用。
(47)肥満を治療又は軽減する医薬の製造のための(1)から(31)のいずれかに記載の薬剤又は(32)に記載の医薬組成物の使用。
(48)炎症性疾患及び/又は炎症性応答を治療又は軽減する医薬の製造のための(1)から(31)のいずれかに記載の薬剤又は(32)に記載の医薬組成物の使用。
(49)前記炎症性疾患が、アテローム性動脈硬化症、リウマチ様関節炎、変形性関節症、敗血症及び多発性関節炎である(47)に記載の方法。
(50)糖尿病性脈管障害、細小血管障害、大血管障害などの脈管障害を治療又は軽減する医薬の製造のための(1)から(31)のいずれかに記載の薬剤又は(32)に記載の医薬組成物の使用。
(51)心不全を治療する医薬の製造のための(1)から(31)のいずれかに記載の薬剤又は(32)に記載の医薬組成物の使用。
(52)創傷を治療する医薬の製造のための(1)から(31)のいずれかに記載の薬剤又は(32)に記載の医薬組成物の使用。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
RAMP−3タンパク質のカルシトニン受容体様受容体(CRLR)への結合及び/又は影響の調節をすることができる抗体。
【請求項2】
RAMP−3とCRLPとの相互作用を調節することができる請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
RAMP−3タンパク質の細胞外ドメインと特異的に結合する請求項1に記載の抗体。
【請求項4】
(a)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置32から位置46の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から15アミノ酸残基のペプチド部分、及び
(b)図3に示されるヒトRAMP−3タンパク質の位置47から位置99の連続するアミノ酸配列に含まれる連続するアミノ酸残基の配列を含む1から53アミノ酸残基のペプチド部分、
と結合する請求項1から3のいずれか一項に記載の抗体。
【請求項5】
RAMP−3タンパク質が、
i)図3で表される核酸配列からなる核酸分子によってコードされるポリペプチド又はその変異体、
ii) 上記(i)で定義される核酸分子とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子によってコードされ、CRLR機能を調節するペプチド、
iii)(i)及び(ii)で定義される核酸配列に対する遺伝子コードの結果として縮重する核酸を含むポリペプチド、
から選択される請求項1に記載の抗体。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載される抗体、及び薬剤的に許容される担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項7】
癌又は骨粗鬆症を治療する医薬の製造のための請求項1から5のいずれかに記載の抗体又は請求項6に記載の医薬組成物の使用。
【請求項8】
治療において使用するための、RAMP−3タンパク質のカルシトニン受容体様受容体(CRLR)への結合及び/又は影響の調節をすることができる抗体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−246309(P2012−246309A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−190219(P2012−190219)
【出願日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【分割の表示】特願2008−536134(P2008−536134)の分割
【原出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(509087885)メデラ セラピューティクス リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Medella Therapeutics Ltd.
【Fターム(参考)】