説明

波長分割多重光ネットワークの要素

ネットワーク要素10は、第1の光入力部1と、第1の光出力部2と、第2の光入力部3と、第2の光出力部4と、第1および第2の挿入および抽出モジュール30、40であってそれぞれが波長選択スイッチ31、41を備える、第1および第2の挿入および抽出モジュールと、それぞれが第1および第2の挿入および抽出モジュールの第1の選択可能ポートに接続された2つの双方向性分岐路21、22を備える第1の光カプラ8と、それぞれが第1および第2の挿入および抽出モジュールの第2の選択可能ポートに接続された2つの双方向性分岐路23、24を備える第2の光カプラ11とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は波長分割多重すなわちWDM光ネットワーク用のネットワーク要素の分野に関し、より詳細にはこのようなネットワーク用のトランスペアレントなスイッチングノードに関する。
【背景技術】
【0002】
「トランスペアレント」という用語は、信号が電子信号に変換されることなく光のままである伝送システムに適用される。光通信ネットワークにおいてトランスペアレント性は、光−電気−光変換、およびしたがって対応する変換器をなくすことにより、ネットワーク機器のコストを低減することが可能になる特徴である。トランスペアレントなWDMネットワークで用いられるサブシステムは具体的には、再構成可能な光アド/ドロップマルチプレクサすなわちROADM、および光クロスコネクトすなわちOXCを含む。このようなサブシステムを構築するためには、波長選択性スイッチすなわちWSSとして知られている機器が特に魅力的である。これはこの機器が、個別構成要素を用いた場合よりもずっと簡単な構造で、縮小されたサイズおよび高い信頼性を有してどのような程度であれ、非常に柔軟な構成を有するスイッチングノードを生成することを可能にするからである。しかしこれは比較的高いコストを呈する。
【0003】
米国特許出願公開第2008056715号では、光信号の挿入、光信号の抽出、および複数の方向の間での光信号のトランスペアレントな伝送などの機能を実行するようにWSSが双方向性的に用いられるトランスペアレントなWDMスイッチングノードアーキテクチャが述べられている。WSSを双方向的に用いることにより進行の両方向にて、波長減衰調整は信号をその波長に割り当てる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2008/056715号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では本発明は、波長分割多重光ネットワーク用のネットワーク要素を提供し、前記ネットワーク要素は、
第1の隣接ネットワーク要素から第1の着信トラフィックを受信するために、第1の隣接ネットワーク要素に接続されるように意図された第1の光入力部と、
第1の隣接ネットワーク要素に第1の発信トラフィックを送信するために、前記第1の隣接ネットワーク要素に接続されるように意図された第1の光出力部と、
第2の隣接ネットワーク要素から第2の着信トラフィックを受信するために、第2の隣接ネットワーク要素に接続されるように意図された第2の光入力部と、
第2の隣接ネットワーク要素に第2の発信トラフィックを送信するために、前記第2の隣接ネットワーク要素に接続されるように意図された第2の光出力部と、
第1および第2の挿入および抽出モジュールであって、
共有ポートと複数の選択可能ポートとを備える波長選択性スイッチであって、前記共有ポートと前記選択可能ポートの第1のポートの間での光ネットワークの波長の第1のサブセットの通過を選択的に許すように構成され、前記共有ポートと前記選択可能ポートの第2のポートの間での光ネットワークの波長の第2のサブセットの通過を選択的に許すように構成された、スイッチと、
波長が第1のサブセットに属する光信号を第1の選択可能ポートを通して、および波長が第2のサブセットに属する光信号を第2の選択可能ポートを通して受信するように、共有ポートに接続された複数の光受信器と、
波長が第1のサブセットに属する光信号を第1の選択可能ポートを通して、および波長が第2のサブセットに属する光信号を第2の選択可能ポートを通して送信するように、共有ポートに接続された複数の光送信器と
をそれぞれが備える、第1および第2の挿入および抽出モジュールと、
を備え、
それぞれが第1および第2の挿入および抽出モジュールの第1の選択可能ポートに接続された2つの双方向性分岐路と、前記2つの双方向性分岐路を通して光信号が抽出されるのを可能にするように第1の入力部に接続された入力分岐路と、前記2つの双方向性分岐路を通して光信号が挿入されるのを可能にするように第1の出力部に接続された出力分岐路とを備える、第1の光カプラと、
それぞれが第1および第2の挿入および抽出モジュールの第1の選択可能ポートに接続された2つの双方向性分岐路と、前記2つの双方向性分岐路を通して光信号が抽出されるのを可能にするように第2の入力部に接続された入力分岐路と、前記2つの双方向性分岐路を通して光信号が挿入されるのを可能にするように第2の出力部に接続された出力分岐路とを備える、第2の光カプラと
をさらに備える。
【0006】
他の有利な実施形態ではネットワーク要素は、以下の特徴の1つまたは複数を呈することができる:
− 第1の入力部と第2の出力部の間を第1の通過トラフィックが通ることを可能にするための第1の光通過部と、第2の入力部と第1の出力部の間を第2の通過トラフィックが通ることを可能にするための第2の光通過部とを備える。
− 第1および第2の通過部のそれぞれは、第1および別々に第2の着信トラフィックに適用される波長フィルタリングを通して、第1および別々に第2の通過トラフィックを選択するための波長選択モジュールを備える。
− 波長選択モジュールは、波長ブロッカおよび/または波長選択性スイッチを備える。
− 波長選択モジュールは、第1および別々に第2の入力部に接続された共有ポートと、第2および別々に第1の出力部に接続された第1の選択可能ポートと、第1および別々に第2の光カプラの入力分岐路に接続された第2の選択可能ポートとを呈する、波長選択性スイッチを備える。
− 波長選択モジュールは、第1および別々に第2の出力部に接続された共有ポートと、第2および別々に第1の入力部に接続された第1の選択可能ポートと、第1および別々に第2の光カプラの出力分岐路に接続された第2の選択可能ポートとを呈する、波長選択性スイッチを備える。
− 第1および別々に第2の光カプラの入力分岐路は、前記第1および別々に第2の着信トラフィックをサンプリングするために出力スプリッタによって第1および別々に第2の入力部に接続される。
− 第1および別々に第2の光カプラの出力分岐路は、出力コンバイナによって第1および別々に第2の出力部に接続される。
− 第1および別々に第2の光カプラの入力分岐路は、光アイソレータを備える。
− 第1の挿入および抽出モジュールの波長選択性スイッチの第1の選択可能ポートによって通過を許された波長は、第2の挿入および抽出モジュールの波長選択性スイッチの第1の選択可能ポートによって通過を許された波長とは異なり、第1の挿入および抽出モジュールの波長選択性スイッチの第2の選択可能ポートによって通過を許された波長は、第2の挿入および抽出モジュールの波長選択性スイッチの第2の選択可能ポートによって通過を許された波長とは異なる。
【0007】
本発明の基礎にある1つの概念は、限られた数のWSSを活用してトランスペアレントなネットワーク要素を構築することである。本発明の基礎にあるもう1つの概念は、激しいネットワーク輻輳、少数の利用可能チャネル、送信器または受信器の故障、送信または受信される信号出力に対する厳しい制約などの状況に対処するためなど、高度の構成の柔軟性を示すこのようなネットワーク要素を達成することである。
【0008】
添付の図面を参照して、例示のみであり非限定的な実施例として示される、以下の本発明の複数の具体的な実施形態の説明を考察することにより、本発明はより良く理解され、他の目的、詳細、特徴、およびそれらの利点がより明確に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態の機能的な概略図である。
【図2】本発明の第2の実施形態の機能的な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
覚え書きとして波長選択性スイッチは、複数の選択可能ポートと少なくとも1つの共有ポートとを備え、プログラム可能なマルチプレックス機能またはプログラム可能なデマルチプレックス機能を実行することができる1つの機器である。デマルチプレクサとして動作するときは常に、選択可能ポートは出力端として働き、共有ポートは共通入力端として働く。波長選択性スイッチは、その共有入力端にて受信したあらゆる光信号を、その信号の波長および制御信号に応じて選択的に、その出力端の1つに経路指定することができる。それによってこの機器は、所定のグリッド上に整列された異なる光学波長を有する光信号のプログラム可能なデマルチプレックス機能を行い、それによって共通入力端に存在する各光信号を、その波長およびコマンドに応じて、出力ポートの1つに導くことを可能にする。したがって各出力ポートは、共有入力端に存在する1つのチャネル、共有入力端に存在する複数のチャネルを選択的に受信する、またはチャネルを受信しないことができる。チャネルを削除または阻止する機能は、波長選択性スイッチ内に組み込むことができる。その場合はチャネルは、波長選択スイッチの特定の場所に向けて方向付けられ、そこで吸収される。WSSの一部のモデルはまた、単一のチャネルを複数のポートに同時に送信することができる(マルチキャスト)。
【0011】
この同じ1つの機器はまた逆の機能、すなわち出力端と入力端の役割を交換することによって、プログラム可能なマルチプレクシングを行うことができる。その場合は、選択可能ポートは入力端として働き、共有ポートは共通出力端として働く。波長選択性スイッチは、入力端で受信した光信号を、波長およびそれぞれの入力端に応じて選択的に、およびコマンド信号に応じて、その機器の共有出力端に経路指定することができる。当然ながら共通出力端に経路指定される光信号は異なる波長を有するべきである。この状況においては機器は、入力端にて受信したチャネルの中から選択されたチャネル、または受信した信号の中から選択された1組の信号からなる出力の多重化されたものを、その出力端に供給するようにためのプログラム可能なマルチプレックス機能を実行する。各入力ポートでは、1つのチャネル、複数のチャネルを送信することができ、またはチャネルを送信しないことができる。阻止機能が実装される場合は、入力ポートに存在する信号を阻止し吸収することができる。
【0012】
図1は、分配選択型の全体的なアーキテクチャを有し、第1の隣接ノード100と第2の隣接ノード200の間に構成されたROADM10を示す。ROADM10は、入力光ファイバ1および出力光ファイバ2を通して隣接ノード100と、ならびに入力光ファイバ3および出力光ファイバ4を通して隣接ノード200と、波長分割多重化信号を交換することができる。ROADM10の主な機能は、選ばれた波長チャネルにて他のノードから受信した信号を局所的に復調するために光信号を抽出し、局所的に発生された信号を選ばれた波長チャネルにて他のノードに送信するために光信号を挿入し、選ばれた波長チャネルにてノード100と200の間を進行するトラフィックの通過を許すために光信号をトランスペアレントに送信することである。分配選択型アーキテクチャの1つの利点は、所与の信号の抽出およびトランスペアレントな伝送を一緒に実行できることである(ドロップアンドコンティニュー)。
【0013】
入力ファイバ1から、1×2光カプラ5は着信するトラフィックのすべてを、通過ライン9と、2×2光カプラの入力分岐路7とに分配する。通過ライン9はプログラム可能なマルチプレクサとして組み立てられたWSS6の入力ポートに接続され、WSS6の出力端は出力ファイバ4に接続される。WSS6のもう1つの入力は、出力ライン4上にトラフィックを挿入するために、2×2光カプラ11の出力分岐路10に接続される。
【0014】
したがってWSS6は、そのプログラミングの結果としての内部構成のために、入力ファイバ1からの通過中のトラフィックを構成する波長チャネルと、カプラ11から挿入されるべきトラフィックを構成する波長チャネルの両方の、出力4への通過を選択的に許すことを可能にし、カプラ11の機能については後述する。これらの波長チャネルは、衝突を避けるために互いに異なっていなければならない。
【0015】
入力ファイバ3から、1×2無色光カプラ12は着信トラフィックのすべてを、通過ライン13と、光カプラ11の入力分岐路14とに分配する。通過ライン13はプログラム可能なマルチプレクサとして組み立てられたWSS15の入力ポートに接続され、WSS15の出力端は出力ファイバ2に接続される。WSS15のもう1つの入力は、出力ライン2上にトラフィックを挿入するために、光カプラ8の出力分岐路16に接続される。
【0016】
したがってWSS15は、そのプログラミングの結果としての内部構成のために、入力ファイバ3から進行するトラフィックを構成する波長チャネルと、カプラ8から挿入されるべきトラフィックを構成する波長チャネルの両方の、出力2への通過を選択的に許すことを可能にする。これらの波長チャネルは、衝突を避けるために互いに異なっていなければならない。
【0017】
それぞれ光カプラ8および11は双方向的に動作し、それぞれ2つの双方向性分岐路21および22と、23および24とによって、2つの挿入および抽出モジュール30および40に接続される。信号抽出方向ではカプラ8は、入力分岐路7を通して受信した着信トラフィックを、2つの分岐路21および22に分配する。信号挿入方向ではカプラ8は、2つの分岐路21および22を通して受信した挿入されるべき信号を、出力分岐路16に合流させる。信号抽出方向ではカプラ11は、入力分岐路14を通して受信した着信トラフィックを、2つの分岐路23および24に分配する。信号挿入方向ではカプラ11は、2つの分岐路23および24を通して受信した挿入されるべき信号を、出力分岐路10に合流させる。
【0018】
挿入および抽出モジュール30は、双方向的に用いられるWSS31を備える。WSS31は2つの選択可能ポートを有し、一方はカプラ8の分岐路21に接続され、他方はカプラ11の分岐路23に接続される。WSS31の共有ポート32は、抽出されるべき光信号を復調するための1組の光受信器35と、挿入されるべき光信号を発生するための1組の光送信器36との両方に接続される。光信号を受信器35まで導くために、光サーキュレータ38および分配要素37が設けられる。分配要素37は、固定波長チャネルデマルチプレクサまたはWSSまたは出力スプリッタのような無色構成要素とすることができる。この最後の場合には、チューニング可能フィルタなど、復調されるべき波長を選択するために受信器35内に光フィルタが設けられる。信号コンバイニング要素39は、光送信器36によって発生された光信号を一緒にして、サーキュレータ38に導く。光送信器36は、波長チューニング可能であることが好ましい。必要であれば信号コンバイニング要素39は、WSSまたは無色構成要素とすることができる。WSS31を受信器35および送信器36に接続するには、たとえば光カプラおよびアイソレータを利用するなどの他の構成が可能である。
【0019】
WSS31は、ファイバ1に入るすべてのトラフィックを分岐路21を通して受信し、ファイバ3に入るすべてのトラフィックを分岐路23を通して受信する。したがってWSS31は、ファイバ1から抽出されるべきトラフィックを形成するチャネルの第1の組と、ファイバ3から抽出されるべきトラフィックを形成するチャネルの第2の組との、すべての光受信器35への通過を許すように構成することができ、ただしこれら2つの集合が波長に関して厳密に隔てられていることを条件とする。
【0020】
この制限を改善するため、したがってノード100からおよびノード200から来る抽出されるべき同じ波長を有する信号を許容するために、第2の挿入および抽出モジュール40は設計され、モジュール30と同一に接続される。それにより上記の2つの信号は、一方はカプラ8の分岐路21を通ってモジュール30内で、他方はカプラ11の分岐路24を通ってモジュール40内で受信することができる。そうするために、WSS31および41が常に、所与の2×2カプラ(8または11)へまたはそれらから、したがって所与の隣接ノード(100または200)へおよびそれらから、相互に相補的な波長の組の通過を許すように、モジュール40のWSS41はWSS31とは異なるように構成される。
【0021】
WSS31の双方向的な使用により、WSSがカプラ8および11の1つから受信器35への波長チャネルの通過を許すように構成されたときは常にまた、送信器36からその同じカプラにアップリンク方向にこの波長チャネルの通過を許し、ただしこのようなチャネルがこれらの送信器によって実際に発生されることを条件とする。したがって図1のアーキテクチャは同じチャネルが、一方の方向では隣接ノードから受信したトラフィックを抽出するために、他方の方向ではその同じ隣接ノードへトラフィックを挿入するために使用される、波長の配分に特に適している。しかしファイバ1および2上に利用可能なチャネルが十分にあるならば、抽出されるチャネルと挿入されるチャネルを対にすることは必須ではなく、部分的とすることができ、さらにはなくてもよい。
【0022】
図1では、望ましくない反射により受信した信号が劣化させ得る、挿入されたトラフィックが入力ファイバ1または3内へ送信されることを避けるために、カプラ8および11の入力分岐路上に、アイソレータ51および52が設けられる。しかしこのようなアイソレータは、ROADMの他の場所に配置することもできる。さらにWDMネットワークの一部の構成要素、たとえばここには示されない光増幅器などは、すでにアイソレータを備えている場合があり、その場合はここに示されるアイソレータ51および52は不必要となり得る。
【0023】
図1のアーキテクチャでは、出力ファイバ2または4の方向に挿入された信号は、WSS15または6内を進行するトラフィック上に重畳される。したがってこのWSSは、抽出されるチャネルの出力レベルに何ら影響を与えずに、挿入されたチャネルおよび進行するチャネルの減衰を個別に調整することができる。したがって完全に双方向性のアーキテクチャと異なり、減衰調整は、抽出されるトラフィックおよび挿入されるトラフィックの両方に対して同じく実行することができる。
【0024】
前述したように2つのモジュール30および40の構成は、所与のノードから来るまたはそれに向かう、挿入および/または抽出する必要がある波長を、大幅な柔軟性を有して選択することを可能にする。挿入および抽出モジュールが所与の隣接ノードとの通信のみに充てられるアーキテクチャと比較して、カプラ8および11の構成は、隣接ノード100とのインターフェース60および隣接ノード200とのインターフェース70の、WDMONの2つのインターフェースの間の、WDMONの信号挿入および抽出リソースのすべての効率的な共有を可能にする。結果として、隣接ノードの一方に向かう挿入されるべき波長チャネルおよび/またはそれから来る抽出されるべき波長チャネルを、他方のノードに向かうおよび/またはそれから来る波長チャネルよりもずっと多く含むなどの、非常に非対称なトラフィックを処理することが可能である。さらに受信器および送信器を共有することによってROADM10は、これらの受信器および送信器の一部の故障時さえも、2つの隣接ノードとのその通信機能のすべてを維持することが可能になる。
【0025】
図1のアーキテクチャは、特にWSS6および15内での挿入のために単一のポートしか用いないので、1×2のWSSを用いて実現することができる。しかしROADMの機能を強化するなどのために、より多数のポートを呈するWSSを用いることもできる。
【0026】
次に図2を参照して、事前選択してコンバインする(preselect and combine)タイプの全体的なアーキテクチャを有し、第1の隣接ノード100と第2の隣接ノード200の間に構成されたROADM110について述べる。図1のものと同一または類似の図は、100だけ増された同じ参照番号を有する。図1と異なり入力ファイバ101は、抽出されるべき波長チャネルを分岐路107に、および通過中のチャネルを通過ライン109に送信するために、プログラム可能なデマルチプレクサとして動作するWSS105の共有ポートに接続される。したがって、同じチャネルがトランスペアレントに抽出および通過の両方となることは、WSS105がこの機能を実行するように特に設計されない限りできない。通過ライン109の他方の端部では、分岐路110から来る挿入されるべきチャネルが無色コンバイナ106によって、通過中のチャネルと合流される。挿入されたチャネルの減衰調整は、WSS131および141内で行うことができる。抽出されたチャネルおよび通過中のチャネルの独立の減衰調整は、WSS105内で行うことができる。逆方向に伝送されるトラフィックにも同様な考察が当てはまる。残りについてはこのROADMは、図1のものと同様な機能を有する。
【0027】
図1および2の要素を組み合わせるなどにより、他のアーキテクチャを設計することもできる。それにより一実施形態ではWSSは、通過ラインの各端部に設けられる。他の実施形態では、光カプラなどの無色構成要素のみが、通過ラインの両端に設けられる。この後者の場合にはさらに、隣接ノードに通過させないチャネルを阻止するために、通過ラインのそれぞれに波長ブロッカを設けることができる。
【0028】
本発明について複数の特定の実施形態に関連して述べてきたが、当然ながら本発明はそれらに何ら限定されず、述べられた手段のすべての技術的に等価なものを含み、それらの組み合わせが本発明の範囲に含まれる場合は前記組み合わせを含む。
【0029】
「備える」または「含む」という動詞およびそれらの活用形の使用は、請求項に記載されたもの以外の要素またはステップの存在を除外するものではない。要素またはステップに対する不定冠詞「a」または「an」の使用は、特に明記されない限り、複数のこのような要素またはステップの存在を除外するものではない。複数の手段またはモジュールは、単一のハードウェア要素によって示すことができる。
【0030】
特許請求の範囲においては、いずれの括弧内の参照記号も、その請求項を限定するものと解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長分割多重光ネットワーク用のネットワーク要素(10、110)であって、
第1の隣接ネットワーク要素から第1の着信トラフィックを受信するために、第1の隣接ネットワーク要素に接続されるように意図された第1の光入力部(1、101)と、
第1の隣接ネットワーク要素に第1の発信トラフィックを送信するために、前記第1の隣接ネットワーク要素に接続されるように意図された第1の光出力部(2、102)と、
第2の隣接ネットワーク要素(200)から第2の着信トラフィックを受信するために、第2の隣接ネットワーク要素に接続されるように意図された第2の光入力部(3、103)と、
第2の隣接ネットワーク要素に第2の発信トラフィックを送信するために、前記第2の隣接ネットワーク要素に接続されるように意図された第2の光出力部(4、104)と、
第1および第2の挿入および抽出モジュール(30、40;130、140)であって、それぞれが、
共有ポートと複数の選択可能ポートとを備える波長選択性スイッチ(31、41;131、141)であって、前記共有ポートと前記選択可能ポートの第1のポートの間での光ネットワークの波長の第1のサブセットの通過を選択的に許すように構成され、前記共有ポートと前記選択可能ポートの第2のポートの間での光ネットワークの波長の第2のサブセットの通過を選択的に許すように構成された、スイッチと、
波長が第1のサブセットに属する光信号を第1の選択可能ポートを通して、および波長が第2のサブセットに属する光信号を第2の選択可能ポートを通して受信するように、共有ポートに接続された複数の光受信器(35)と、
波長が第1のサブセットに属する光信号を第1の選択可能ポートを通して、および波長が第2のサブセットに属する光信号を第2の選択可能ポートを通して送信するように、共有ポートに接続された複数の光送信器(36)と
をそれぞれが備える、第1および第2の挿入および抽出モジュールと、
を備え、
それぞれが第1および第2の挿入および抽出モジュールの第1の選択可能ポートに接続された2つの双方向性分岐路(21、22;121、122)と、前記2つの双方向性分岐路を通して光信号が抽出されるのを可能にするように第1の入力部(1、101)に接続された入力分岐路(7、107)と、前記2つの双方向性分岐路を通して光信号が挿入されるのを可能にするように第1の出力部(2、102)に接続された出力分岐路(16、116)とを備える第1の光カプラ(8、108)と、
それぞれが第1および第2の挿入および抽出モジュールの第1の選択可能ポートに接続された2つの双方向性分岐路(23、24;123、124)と、前記2つの双方向性分岐路を通して光信号が抽出されるのを可能にするように第2の入力部(3、103)に接続された入力分岐路(14、114)と、前記2つの双方向性分岐路を通して光信号が挿入されるのを可能にするように第2の出力部(4、104)に接続された出力分岐路(10、11)とを備える第2の光カプラ(11、111)と
をさらに備える、ネットワーク要素。
【請求項2】
第1の入力部と第2の出力部の間を第1の通過トラフィックが通ることを可能にするための第1の一方向性光通過部(9、109)と、第2の入力部と第1の出力部の間を第2の通過トラフィックが通ることを可能にするための第2の一方向性光通過部(13、113)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載のネットワーク要素。
【請求項3】
第1および第2の通過部のそれぞれは、第1および別々に第2の着信トラフィックの波長をフィルタリングすることによって、第1および別々に第2の通過トラフィックを選択するための波長選択モジュール(6、15;105、112)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のネットワーク要素。
【請求項4】
前記波長選択モジュールが波長ブロッカを備えることを特徴とする、請求項3に記載のネットワーク要素。
【請求項5】
前記波長選択モジュールが、第1および別々に第2の入力部に接続された共有ポートと、第2および別々に第1の出力部に接続された第1の選択可能ポートと、第1および別々に第2の光カプラの入力分岐路に接続された第2の選択可能ポートとを呈する、波長選択スイッチ(105、112)を備えることを特徴とする、請求項3または4に記載のネットワーク要素。
【請求項6】
波長選択モジュールが、第1および別々に第2の出力部に接続された共有ポートと、第2および別々に第1の入力部に接続された第1の選択可能ポートと、第1および別々に第2の光カプラの出力分岐路に接続された第2の選択可能ポートとを呈する、波長選択スイッチ(15、6)を備えることを特徴とする、請求項3または5に記載のネットワーク要素。
【請求項7】
第1および別々に第2の光カプラの前記入力分岐路が、前記第1および別々に第2の着信トラフィックをサンプリングするために出力分割器(5、12)によって第1および別々に第2の入力部に接続されることを特徴とする、請求項1から4、および6に記載のネットワーク要素。
【請求項8】
第1および別々に第2の光カプラの前記出力分岐路が、出力コンバイナ(115、106)によって第1および別々に第2の出力部に接続されることを特徴とする、請求項1から5、および7のいずれか一項に記載のネットワーク要素。
【請求項9】
第1および別々に第2の光カプラの前記入力分岐路が、光アイソレータ(51、52)を備えることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のネットワーク要素。
【請求項10】
第1の挿入および抽出モジュールの波長選択性スイッチ(31、131)の第1の選択可能ポートによって通過を許された波長は、第2の挿入および抽出モジュールの波長選択性スイッチ(41、141)の第1の選択可能ポートによって通過を許された波長とは異なり、第1の挿入および抽出モジュールの波長選択性スイッチの第2の選択可能ポートによって通過を許された波長は、第2の挿入および抽出モジュールの波長選択性スイッチの第2の選択可能ポートによって通過を許された波長とは異なることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のネットワーク要素。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−521683(P2013−521683A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555351(P2012−555351)
【出願日】平成23年2月11日(2011.2.11)
【国際出願番号】PCT/EP2011/052079
【国際公開番号】WO2011/107338
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】